JP3372783B2 - 光電変換装置及びその駆動方法及びそれを有するシステム - Google Patents

光電変換装置及びその駆動方法及びそれを有するシステム

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JP3372783B2 JP28234396A JP28234396A JP3372783B2 JP 3372783 B2 JP3372783 B2 JP 3372783B2 JP 28234396 A JP28234396 A JP 28234396A JP 28234396 A JP28234396 A JP 28234396A JP 3372783 B2 JP3372783 B2 JP 3372783B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光電変換装置、及
びその駆動方法及びそれを有するシステムに係わり、た
とえばファクシミリ、デジタル複写機あるいはX線撮像
装置等の等倍読み取りを行うことの可能な一次元もしく
は二次元の光電変換装置、及びその駆動方法、及びそれ
を有するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ファクシミリ、デジタル複写機あ
るいはX線撮像装置等の読み取り系としては縮小光学系
とCCD型センサを用いた読み取り系が用いられていた
が、近年、水素化アモルファスシリコン(以下、a−S
iと記す)に代表される光電変換半導体材料の開発によ
り、光電変換素子及び信号処理部を大面積の基板に形成
し、情報源と等倍の光学系で読み取るいわゆる密着型セ
ンサの開発がめざましい。特にa−Siは光電変換材料
としてだけでなく、薄膜電界効果型トランジスタ(以下
TFTと記す)としても用いることができるので光電変
換半導体層とTFTの半導体層とを同時に形成すること
ができる利点を有している。
【0003】図22は、従来の光センサの構成を示す。
図22(a)、図22(b)は二種類の光センサの層構
成を示し、図22(c)は共通した代表的な駆動方法を
示している。
【0004】図22(a)、図22(b)共にフォト・
ダイオード型の光センサであり、図22(a)はPIN
型、図22(b)はショットキー型と称されている。
【0005】図22において、1は絶縁基板、2は下部
電極、3はp型半導体層(以下p層と記す)、4は真性
半導体層(以下i層と記す)、5はn型半導体層(以下
n層と記す)、および6は透明電極である。ショットキ
ー型の図22(b)では下部電極2の材料を適当に選
び、下部電極2からi層4に電子が注入されないようシ
ョットキーバリア層が形成されている。
【0006】図22(c)において、10は上記光セン
サを記号化して表わした光センサを示し、11は電源、
12は電流アンプ等の検出部を示している。光センサ1
0中Cで示された方向は図22(a)、図22(b)中
の透明電極6側、Aで示された方向が下部電極2側であ
り、電源11はA側に対しC側に正の電圧が加わるよう
に設定されている。
【0007】ここで動作を簡単に説明する。矢印で示さ
れた方向から光が入射され、i層4に達すると、光は吸
収され電子とホールが発生する。i層4には電源11に
より電界が印加されているため電子はC側、つまりn層
5を通過して透明電極6に移動し、ホールはA側、つま
り下部電極2に移動する。よって光センサ10に光電流
が流れたことになる。
【0008】また、光が入射しない場合は、i層4で電
子もホールも発生せず、また、透明電極6内のホールは
n層5がホールの注入阻止層として働き、下部電極2内
の電子はPIN型の図22(a)ではp層3が、ショッ
トキー型の図22(b)ではショットキーバリア層が電
子の注入阻止層として働き、電子、ホール共に移動でき
ず、電流は流れない。したがって光の入射の有無で電流
が変化し、これを図22(c)の検出部12で検出すれ
ば光センサとして動作する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の光センサでは、SN比が高く、低コストの光電変換
装置を生産するのは困難であった。以下その理由につい
て説明する。
【0010】第一の理由は、PIN型の図22(a)、
ショットキー型の図22(b)は、共に2カ所に注入阻
止層が必要なところにある。PIN型の図22(a)に
おいて、注入阻止層であるn層5は電子を透明電極6に
導くと同時にホールがi層4に注入するのを阻止する特
性が必要である。どちらかの特性を逸すれば光電流が低
下したり、光が入射しない時の電流(以下暗電流と記
す)が発生、増加することになりSN比の低下の原因に
なる。この暗電流はそれ自身がノイズと考えられると同
時にショットノイズと呼ばれるゆらぎ、いわゆる量子ノ
イズを含んでおり、たとえ検出部12で暗電流を差し引
く処理をしても、暗電流に伴う量子ノイズを小さくする
ことはできない。通常この特性を向上させるため、i層
4やn層5の成膜の条件や、作成後のアニールの条件の
最適化を図る必要がある。
【0011】しかし、もう一つの注入阻止層であるp層
3についても、電子ホールが逆ではあるが同等の特性が
必要であり、同様に各条件の最適化が必要である。通
常、前者n層の最適化と後者p層の最適化の条件は同一
でなく、両者の条件を同時に満足させるのは困難であ
る。つまり、同一光センサ内に二カ所の注入阻止層が必
要なことは高SN比の光センサの形成を困難にする。こ
れはショットキー型の図22(b)においても同様であ
る。
【0012】また、ショットキー型の図22(b)にお
いては、片方の注入阻止層にショットキーバリア層を用
いているが、これは下部電極2とi層4の仕事関数の差
を利用するもので、下部電極2の材料が限定されたり、
界面の局在準位の影響が特性に大きく影響し、条件を満
足させるのはさらに困難である。
【0013】また、さらにショットキーバリア層の特性
を向上させるために、下部電極2とi層4の間に100
オングストローム前後の薄いシリコンや金属の酸化膜、
窒化膜を形成することも報告されているが、これはトン
ネル効果を利用し、ホールを下部電極2に導き、電子の
i層4への注入を阻止する効果を向上させるもので、や
はり仕事関数の差を利用しているため下部電極2の材料
の限定は必要であるし、電子の注入の阻止とトンネル効
果によるホールの移動という逆の性質を利用するため、
酸化膜や窒化膜は100オングストローム前後と非常に
薄いところに限定され、かつ、厚さや膜質の制御は難し
く生産性を低下させられる。
【0014】また、注入阻止層が2カ所必要なことは、
生産性を低下させ、コストもアップする。これは注入阻
止層が特性上重要なため2カ所中1カ所でもゴミ等で欠
陥が生じた場合、光センサとしての特性が得られないか
らである。
【0015】第二の理由を図23を用いて説明する。図
23は薄膜の半導体層で形成した電界効果型トランジス
タ(TFT)の層構成を示している。TFTは光電変換
装置を形成するうえで制御部の一部として利用すること
がある。図中、図22と同一なものは同番号で示してあ
る。7はゲート絶縁膜であり、60は上部電極である。
【0016】形成法を順を追って説明する。絶縁基板1
上にゲート電極として働く下部電極2、ゲート絶縁膜
7、i層4、n層5、ソース、ドレイン電極として働く
上部電極60を順次成膜し、上部電極60をエッチング
によりソース、ドレイン電極を形成し、その後n層5を
エッチングによりチャネル部を構成している。TFTの
特性はゲート絶縁膜7とi層4の界面の状態に敏感で、
通常その汚染を防ぐために同一真空内で連続に堆積す
る。
【0017】従来の光センサをこのTFT同一基板上に
形成する場合、この層構成が問題となりコストアップや
特性の低下を招く。この理由は図22で示した従来の光
センサの構成が、PIN型の図22(a)が電極/p層
/i層/n層/電極、ショットキー型の図22(b)が
電極/i層/n層/電極という構成であるのに対し、T
FTは電極/絶縁膜/i層/n層/電極という構成で両
者が異なるからである。これは同一プロセスで形成でき
ないことを示し、プロセスの複雑化による歩留まりの低
下、コストアップを招く。
【0018】また、i層/n層を共通化するにはゲート
絶縁層7やp層3のエッチング工程が必要となり、先に
述べた光センサの重要な層である注入阻止層のp層3と
i層4が同一真空内で成膜できなかったり、TFTの重
要なゲート絶縁膜7とi層4の界面がゲート絶縁膜のエ
ッチングにより汚染され、特性の劣化やSN比の低下の
原因になる。
【0019】また、前述した図22のショットキー型の
図22(b)の特性を改善するため、下部電極2とi層
4の間に酸化膜や窒化膜を形成したものは、膜構成の順
は同一ではあるが、先に述べたように酸化膜や窒化膜は
100オングストローム前後である必要があり、ゲート
絶縁膜と共用することは困難である。
【0020】図24は、ゲート絶縁膜とTFTの歩留ま
りについて、我々が実験した結果を示す。ゲート絶縁膜
厚が1000オングストローム以下で歩留まりは急激に
低下し、800オングストロームで約30%、500オ
ングストロームで歩留まり0%、250オングストロー
ムではTFTの動作すら確認できなかった。トンネル効
果を利用した光センサの酸化膜や窒化膜と、電子やホー
ルを絶縁しなければならないTFTのゲート絶縁膜を共
用化することは明らかに困難であり、これをデータが示
している。
【0021】またさらに、図示はしていないが、電荷や
電流の積分値を得るのに必要となる素子である容量素子
(以下コンデンサと記す)を従来の光センサと同一の構
成でリークが少ない良好な特性ものを作るのは難しい。
コンデンサは2つの電極間に電荷を蓄積するのが目的な
ため電極間の中間層には必ず電子とホールの移動を阻止
する層が必要であるのに対し、従来の光センサは電極間
に半導体層のみ利用しているため熱的に安定したリーク
の少ない良好な特性の中間層を得るのは難しいからであ
る。
【0022】このように光電変換装置を構成するうえで
重要な素子であるTFTやコンデンサとプロセス的にま
たは特性的にマッチングが良くないことは複数の光セン
サを一次元もしくは二次元に多数配置し、この光信号を
順次検出するようなシステム全体を構成するうえで工程
が多くかつ複雑になるため、歩留まりが非常に悪く、低
コストで高性能多機能な装置を作るうえで重大な問題に
なる。
【0023】次に、以前我々が提案した光電変換装置の
先行技術及びそのリフレッシュ動作の説明を行う。
【0024】図11(a)は、我々が以前提案した光電
変換装置の光電変換素子を説明するための模式的層構成
図であり、図11(b)は、その光電変換装置の概略的
回路図である。
【0025】図11(a)において、1はガラスなどで
形成される絶縁基板、2はAlやCrなどで形成される
下部電極である。70は電子、ホール共に通過を阻止す
る窒化シリコン(SiN)などで形成される絶縁層であ
り、その厚さはトンネル効果により電子、ホールが通過
できないほどの厚さである500オングストローム以上
に設定される。4は水素化アモルファスシリコン(a−
Si:H)の真性半導体i層で形成される光電変換半導
体層、5は光電変換半導体層4に透明電極6側からのホ
ールの注入を阻止するa−Siのn+ 層で形成される注
入阻止層、透明電極6はITOのようなインジウム又は
スズを含む化合物、酸化物などで形成される。
【0026】図11(b)において、100は図11
(a)で示した光電変換素子を記号化したものでDが透
明電極6側、Gが下部電極2側の電極を示している。1
20は検出部、110は電源部であり、電源部110は
D電極に正の電位を与える正電源111、負の電位を与
える負電源112の両者を切り換えるスイッチ113で
構成される。スイッチ113はリフレッシュモードでは
refresh側、光電変換モードではread側に接
続されるよう制御される。
【0027】ここで光電変換素子100の動作について
説明する。図12(a)、図12(b)はそれぞれ光電
変換素子100のリフレッシュモードおよび光電変換モ
ードの動作を示す光電変換部のエネルギーバンド図で、
光電変換素子の各層の厚さ方向の状態を表している。
【0028】リフレッシュモード(a)において、D電
極はG電極に対して負の電位が与えられているため、i
層4中の黒丸で示されたホールは電界によりD電極に導
かれ、同時に白丸で示された電子はi層4に注入され
る。この時一部のホールと電子はn層5、i層4におい
て再結合して消滅する。充分に長い時間この状態が続け
ばi層4内のホールはi層4から掃き出される(図12
(a))。
【0029】この状態で光電変換モード(b)になる
と、D電極はG電極に対して正の電位が与えられるため
i層4中の白丸で示された電子は、瞬時にD電極に導か
れる。しかし黒丸で示されたホールは、n層5が注入阻
止層として働くためi層4に導かれることはない。この
状態でi層4内に光が入射すると光は吸収され電子・ホ
ール対が発生する。この電子は電界によりD電極に導か
れ、ホールはi層4内を移動し絶縁層70の界面に達す
る。しかし、絶縁層70内には移動できないため、i層
4内に留まることになる。この時電子はD電極に移動
し、ホールはi層4内の絶縁層70界面に移動するた
め、素子内の電気的中性を保つため、電流がG電極から
検出部120に流れる。この電流は光により発生した電
子・ホール対に対応するため入射した光に比例する(図
12(b))。
【0030】ある期間、光電変換モード(b)を保った
後、再びリフレッシュモード(a)の状態になると、i
層4内に留まっていたホールは前述のようにD電極に導
かれ、同時にこのホールに対応した電荷が検出部120
に流れる。このホールの量は光電変換モード期間に入射
した光の総量に対応し、検出部120に流れる電荷は光
の総量に対応する。この時i層4内に注入される電子の
量に対応した電荷も流れるが、この量はおよそ一定なた
め差し引いて検出すればよい。
【0031】つまり、光電変換部100は、リアルタイ
ムに入射する光の量を出力すると同時に、ある期間に入
射した光の総量も出力することもできる。このことは我
々が以前提案した構成例の大きな特徴といえる。検出部
120は目的に応じてどちらか一方、もしくは両方を検
出すればよい。
【0032】ここで図13を用いて我々が以前提案した
光電変換装置の動作について説明する。
【0033】図13は、図11の光電変換装置における
動作のタイミングチャートである。図中Vdgは光電変換
部100のG電極に対するD電極の電位であり、Pは光
の入射の状態を示し、オンで光が入射の状態、オフで光
の入射がない。つまりダーク状態を示している。IS
検出部120に流れ込む電流を示し、横軸方向は時間の
経過を示す。
【0034】初めにスイッチ113がrefresh方
向に接続されるとリフレッシュモードに入り、Vdgは負
電圧となり、図12(a)のようにホールが掃き出さ
れ、また電子がi層4に注入されるにともない、検出部
120には図13のEで示される負の突入電流Eが流れ
る。
【0035】その後、リフレッシュモードは終了し、ス
イッチ113がread方向に接続されるとi層4内の
電子が掃き出され、正の突入電流E’が流れ光電変換モ
ードに入る。この時光が入射されているとAで示される
光電流Aが流れる。もし同様な動作でダーク状態であれ
ばA’で示されるように電流は流れない。よって光電流
Aを直接、もしくは一定の期間、積分すれば光の入射を
検出できる。
【0036】また、Aの状態からスイッチ113がre
fresh方向に接続されると突入電流Bが流れる。こ
れは直前の光電変換モード期間における光の入射の総量
に反映された量になり、この突入電流Bを積分もしくは
積分相当の値を得ればよい。直前の光電変換モードで光
が入射していなければ突入電流はB’のように小さくな
り、その差を検出すれば、光の入射を検出できる。また
前述の突入電流E’やE”はおよそ突入電流B’と等し
いため、突入電流Bからこれらを差し引いてもよい。
【0037】また、さらに、同じ光電変換モード期間で
あっても光の入射の状態が変化すれば、C、C’のよう
にIS は変化する。これを検出しても光の入射状態を検
出できる。つまり、必ずしも検出機会ごとに毎回リフレ
ッシュモードにする必要はないことを示している。しか
しながら、何らかの理由により、光電変換モードの期間
が長くなったり、入射する光の照度が強い場合、Dのよ
うに光の入射があるにもかかわらず電流が流れないこと
がある。これは図12(c)のように、i層4内にホー
ルが多数留まり、このホールのためi層4内の電界が小
さくなり、発生した電子がD電極に導かれなくなり、i
層4内のホールと再結合してしまうからである。この状
態で光の入射の状態が変換すると、電流が不安定に流れ
ることもあるが、再びリフレッシュモードにすればi層
4内のホールは掃き出され、次の光電変換モードでは
A”のようにAと等しい電流が得られる。
【0038】以上の説明において、入射光は一定で説明
したが、入射光の強弱によりA,B,Cの電流はともに
連続的に変化し、入射光の有無の検出に限らず、強弱に
ついても定量的に検出できることはいうまでもない。
【0039】また、前述の説明において、リフレッシュ
モードで、i層4内のホールを掃き出す場合、全てのホ
ールを掃き出すのが理想であるが、一部のホールを掃き
出すだけでも効果はあり、光電流であるAもしくはCに
おいて全てを掃き出した場合と値は変わらず、問題はな
い。また、常に一定量が残るように掃き出せば、Bの電
流によっても光の量を定量的に検出することができる。
つまり、次の光電変換モードでの検出機会において電流
値がDの状態、すなわち図12(c)の状態にならなけ
ればよく、リフレッシュモードのV dg の電圧、リフレッ
シュモードの期間、およびn層5の注入阻止層の特性を
決めればよい。
【0040】また、さらに、リフレッシュモードにおい
て、i層4への電子の注入は必要条件でなく、V dg の電
圧は負に限定されるものでもない。ホールの一部がi層
4から掃き出されればよい。ホールが多数i層4に留ま
っている場合には、たとえV dg が正の電圧であってもi
層4内の電界はホールをD電極に導く方向に加わるから
である。n層5の注入阻止層の特性も同様に電子をi層
4に注入できることが必要条件ではない。
【0041】図14(a)、図14(b)、図14
(c)、図14(d)は、それぞれ検出部の較正例を示
したものである。121は電流Ampで代表される電流
計、122は電圧計、123は抵抗器、124はコンデ
ンサ、125はスイッチ素子、126はオペアンプであ
る。
【0042】図14(a)は直接電流を検出するもの
で、電流計121の出力は電圧や、増幅された電流であ
る。図14(b)は電流を抵抗器123に流して電圧を
電圧計122で検出している。図14(c)は電荷をコ
ンデンサ124に蓄積し、その電圧を電圧計122で検
出している。図14(d)はオペアンプ126により電
流の積分値を電圧として検出している。図14(c)、
図14(d)においてスイッチ素子125は毎回の検出
に対して初期値を与える役割をし、検出の方法によって
高抵抗の抵抗器に置き換えることも可能である。
【0043】電流計や電圧計は、トランジスタやこれを
組み合せたオペアンプ、抵抗、コンデンサ等で構成し、
高速で動作するものを使用することができる。検出部は
これら4種に限定するものでなく、電流もしくは電荷を
直接もしくは積分値を検出できればよく、電流もしくは
電圧値を検出する検出器と、抵抗器、コンデンサ、スイ
ッチ素子を組合せ、複数の光電変換部を同時もしくは順
次出力するよう構成することもできる。
【0044】ラインセンサやエリアセンサを構成する場
合は、電源部の配線やスイッチ素子と組合せてマトリッ
クスで1000個以上の光電変換部の電位を制御し、ま
た検出する。この場合、スイッチ素子やコンデンサ、抵
抗の一部は光電変換部と同一基板上に構成するとSN比
や、コスト面で有利である。この場合、我々が以前提案
した構成例の光電変換部は代表的なスイッチ素子である
TFTと同一膜構成のため同一プロセスで同時に形成す
ることが可能であり低コストの高SN比の光電変換装置
が実現できる。
【0045】次に、リフレッシュモードにおけるリフレ
ッシュ電圧値による光電変換装置の特性の違いについて
以前我々が提案した光電変換装置を用いて説明する。
【0046】図15は、TFT1700及び電源111
5で構成される光電変換装置の1ビット等価回路図であ
り、図16がその動作を示すタイミングチャートであ
る。
【0047】ここでは、図15に示した光電変換装置の
1ビット等価回路図を用いて、TFT1700を介して
光電変換素子のG電極に正の電位を与える場合につい
て、説明を行う。そして光電変換素子のD電極の電位
は、電源114によりVD に設計され、リフレッシュ動
作時のG電極の電位は電源1115によりVrGに設定さ
れるものとする。
【0048】まず、図11(a)に示すように光電変換
素子100のG電極の電位(VO)をD電極の電位
(VD)以上にリフレッシュする場合(VO =VrG
D)について説明する。
【0049】このような状態にリフレッシュされると、
光電変換素子100のi層4内に留まっていたホール及
び電子がi層4と絶縁層70との界面に存在する界面欠
陥にトラップされる。以下この電流を負の突入電流とい
う。そしてリフレッシュ動作終了後、光電変換素子10
0のG電極の電位をGND電位等に初期化する時、i層
4内及び界面欠陥にトラップされていた電子が全てD電
極へ掃き出される。以下この電流を正の突入電流とい
う。
【0050】i層4と絶縁層70との界面に存在する界
面欠陥は一般にエネルギー準位が深い為、界面欠陥位置
に存在する電子及びホールを移動させるエネルギー、及
び他の位置から界面欠陥位置へ電子及びホールを移動さ
せるエネルギーは相対的に高く、見かけ上の移動度も低
くなる。その為、正の突入電流がゼロになるまで即ち界
面欠陥にトラップされていた電子の全てがD電極へ掃き
出されるまで数十マイクロ秒から数秒かかることにな
り、G電極リセット動作が終了しても大きな突入電流が
流れる。その結果、G電極が持つ容量に蓄積された電荷
の中にはノイズ成分である突入電流による電荷が含ま
れ、結果的にその電荷分SN比が低下してしまうのであ
る。
【0051】上記の理由について、更に図15と図16
を用いて詳細に説明する。図15のPa、Pb、Pc、
Pdは、各々図15におけるスイッチ素子1125、転
送用TFT1300、リフレッシュ用TFT1700、
リセット用TFT1400を駆動するパルスのタイミン
グを示している。ここでHは各駆動素子をオン状態にす
るハイレベルを示しており、一般に結晶シリコン半導体
スイッチ素子では+5v〜+12v、a−Si TFT
では+8v〜+15v位が用いられる。又、Lは一般的
に0vが多く用いられる。
【0052】IS とVO は、図15中の矢印で示す様
に、各々光電変換素子100に一定の信号光が照射され
た状態において、矢印の方向へ流れる電流とG電極の電
位を示している。
【0053】ここで、図16は、Pa〜Pdのパルス幅
を20μsの動作時におけるIS とVO を示す図であ
る。
【0054】図16において、VO はPcのリフレッシ
ュ用パルス立ち上がりから、Pdのリセット用パルス立
ち上がりまで一定の高い電位に保たれている。その為、
正の突入電流はその間に発生せず、Pdのパルス立ち上
がり時に初めて、界面欠陥にトラップされていた電子の
掃き出しによると考えられる正の突入電流が発生してい
る。この正の突入電流が減衰しほぼゼロになるまで、我
々の作製した装置では約80〜100μ秒かかる為、G
電極がもつ容量に信号電荷を蓄積し始めるPdのパルス
の立ち下がり時には、正の突入電流が多く発生してお
り、図中の斜線で示した部分の電荷及び電圧値がノイズ
成分として蓄積されてしまうのである。その結果蓄積分
SN比が低下してしまうのである。
【0055】正の突入電流を低減する方法としては、P
dの初期化パルスの時間を長くすることが考えられる
が、その時間にも限界があり、又時間を長くすることに
より装置全体の信号読み取り時間が長くなり、装置の低
速化即ち性能ダウンを引き起こすことになる。
【0056】次に図17を用いて光電変換素子100を
リフレッシュさせる時の印加電圧の条件について説明す
る。図17は光電変換素子100のエネルギーバンド図
であり、両端の各々の電極(D電極及びG電極)は開放
(オープン)状態である。光電変換素子100は一般に
いわれているMIS(Metal−Insulator
−Semiconductor)構造であり、両端の電
極に加わる電圧条件により全容量が相対的に小さい状態
(デプレッション状態)と全容量が相対的に大きい状態
(アキュムレーション状態)が現れる。
【0057】図17における各デバイスの両端はオープ
ンであるが、エネルギーバンド図については図17
(b)の場合が上記デプレッション状態のエネルギーバ
ンド図と同じであり、図17(c)の場合がアキュムレ
ーション状態のエネルギーバンド図と同じである。
【0058】一般にMISコンデンサは、作製直後にお
いて図17の(a)の状態即ちi層のバンドがフラット
な状態(フラットバンド電圧VFB=0v)又は図17
(b)の状態即ち若干デプレッション状態(3v≧VFB
>0v)である事が多い。又、MISコンデンサの両端
に電圧を加える事によりVFBはある程度任意の正及び負
の値にする事も可能である。
【0059】ここで図11に示す1ビット回路を図13
に示すタイミングで駆動する場合、リフレッシュ時間は
光電変換時間より短くすることが可能となる。2次元的
に光電変換素子を配列しマトリクス駆動を行う場合は光
電変換素子の数が増えれば増えるほどリフレッシュ時間
と光電変換時間の比は大きくなる。
【0060】一般にMIS型コンデンサのフラットバン
ド電圧VFBは、電界、時間、温度に大きく依存すること
が知られているが、上述の光電変換素子はリフレッシュ
時においてフラットバンド電圧VFBは正の電圧方向へ移
動し、反対に光電変換時にはフラットバンド電圧VFB
負の電圧方向へ移動する。
【0061】よって図11に示す光電変換装置における
光電変換素子はフラットバンド電圧VFBが結果的に負の
電圧方向に移動し、光電変換素子のダイナミックレンジ
を小さくしてしまう。そうなると、光電変換装置として
のSN比は小さくなり、安定した特性が得られなくなっ
てしまう。
【0062】又、ここで正の突入電流(減衰時間が長
く、且つ電流値が大であること)をもたらす電圧値の条
件を以下においてまとめる。
【0063】まず、光電変換素子100のi層のフラッ
トバンド電圧VFBがゼロの時はリフレッシュ時のG電極
の電位(VrG)はD電極の電位(VD )より高ければ、
即ちVrG>VD であれば、上述した問題の正の突入電流
が流れる。
【0064】又、光電変換素子100のi層のフラット
バンド電圧VFBがゼロでない時はリフレッシュ時のG電
極の電位(VrG)はD電極の電位(VD )からVFBを差
し引いた電圧値よりも高ければ、即ちVrG≧VD −VFB
であれば上述した問題の正の突入電流が流れるのであ
る。
【0065】上記のメカニズムを図18を用いて説明す
る。
【0066】図18は、VrG≧VD −VFBの場合の光電
変換素子100のエネルギーバンド図で図11(a)の
2から6各層の厚さ方向の状態を表している。
【0067】リフレッシュ動作の図18(a)におい
て、D電極はG電極に対して負の電位が与えられている
ため、i層4中の黒丸で示されたホールは、電界により
D電極に導かれる。同時に白丸で示された電子はi層4
に注入される。又、i層4と絶縁層70の界面欠陥にト
ラップされていたホールはある程度の時間を費しD電極
に導かれ、i層4に注入された電子のうち一部は、逆
に、ある程度の時間を費してi層4と絶縁層70の界面
欠陥にトラップされる。この時一部のホールと電子はn
層5、i層4において再結合して消滅する。十分に長い
時間この状態が続けばi層4内のホールはi層4から掃
き出される。
【0068】この状態で光電変換動作の図18(b)に
なると、D電極はG電極に対して正の電位が与えられる
ためi層4中の電子は瞬時にD電極に導かれる。そして
i層4と絶縁層70の界面欠陥にトラップされていた電
子は、ある程度時間を費してD電極へ導かれる。この界
面欠陥にトラップされていた電子が前述した問題の突入
電流の原因である。ここでホールはn層5が注入阻止
として働く為、i層4に導かれることはない。この状態
でi層4内に光が入射すると、光は吸収され電子・ホー
ル対が発生する。この電子は電界によりD電極に導か
れ、ホールはi層4内を移動しi層4と絶縁層70の界
面に達する。しかし、絶縁層70内には移動できない
為、i層4内に留まることになる。そしてある期間光電
変換動作の図18(b)を保った後の状態が図18
(c)である。
【0069】次に、このようなリフレッシュ条件におけ
る光電変換素子100のダイナミックレンジ(D・R)
について説明する。図15に示される光電変換素子10
0のD・Rを電荷量で示すと、D・R=VrG×Csとな
る。ここでCsは光電変換素子100の容量である。よ
って、光電変換素子100のダイナミックレンジ(D・
R)はリフレッシュ電圧VrGが高いほど大きくなる。そ
のため光電変換素子100に照射される信号光が多く得
られる場合は光による信号量を多く得ることができるの
でSN比が大きくなる。
【0070】次に、光電変換素子100のG電極の電位
(VO )以下にリフレッシュする場合(VrG<VD −V
FB)について説明する。
【0071】図19は、光電変換装置の1ビットの概略
的等価回路図である。また、図20は図19の光電変換
装置を実際に駆動した時のタイミングチャートである。
【0072】図19において、図15と同じ番号で示さ
れる部分については同じものを示しているので説明は省
略する。図15に示される概略的等価回路と図19に示
される概略的等価回路との違いはTFT1700に接続
される電源の大きさである。なお、ここで光電変換素子
100は図11(a)と同一の構造をしているので、i
層と第2の電極層との間の注入阻止層はn型であり、注
入が阻止されるキャリアはホールである。その為注入が
阻止されるキャリア1個の電荷をqとするとこの場合も
q>0となる。
【0073】なお、図19において、信号検出部は図1
9の点線内の検出手段とTFT1300及びハイレベル
パルスPbを印加する手段を含む。
【0074】図19において、図15と異なる点は、光
電変換素子100のリフレッシュ動作において、G電極
に正の電位を与える電源1115の電位VrGが、D電極
に正の電位を与える電源114の電位VD に比べて低く
している点のみである。詳細にいえば、光電変換素子1
00には、i層のエネルギーバンドをフラットにする為
にG電極に印加するフラットバンド電圧(VFB)が存在
するので、実際には、図15の例ではVrG≧VD −VFB
の状態で駆動していたのに対し、図19ではVrG<VD
−VFBの状態で駆動するのである。
【0075】次に図20において、VrG<VD −VFB
状態での光電変換装置の動作を説明する。
【0076】図20において、図16と異なる点は、光
電変換素子100の電流IS と電流IS によるG電極の
電位VO の振舞いである。
【0077】図20において、Pcのリフレッシュパル
スが立ち上がり、光電変換素子100のG電極に電圧V
rG(VrG<VD −VFB)が印加されると光電変換素子1
00のi層内に留まっていたホールの一部がD電極に掃
き出される。この時、i層と絶縁層の界面欠陥にトラッ
プされていたホールのほぼ全てはそのままの状態である
と考えられる。又、この時電子はD電極に掃き出された
一部のホールに相当する量もしくはそれ以下の数量がD
電極からi層内へ流れ込むが、i層内における電界はG
電極側の電位が低い為、i層と絶縁層の界面欠陥にトラ
ップされる電子はほぼゼロであると考えられる。よって
図20におけるIS はPcのリフレッシュパルス立ち上
がり時において小さな負の突入電流しか生じることな
く、又減衰時間も短くなっている。
【0078】又、Pcのリフレッシュパルス立ち上がり
からPdのG電極リセットパルス立ち上がりまでのG電
極の電圧VO はVrGにほぼ一致しており、その電位はV
D −VFBより下がっていることを図20は示している。
【0079】次に、G電極リセットパルスが立ち上が
り、光電変換素子100のG電極がGNDに接地される
とi層内に留まっていた若干の電子は全てD電極に流れ
出すことになる。この時、i層と絶縁層の界面欠陥には
電子は存在しない為、電子は少量で且つ瞬時に流れ出る
と考えられる。又、この時界面欠陥に存在するホールは
ほとんど移動しないと思われる。よってPdのG電極リ
セットパルス立ち上がり時において、ISは小さな正の
突入電流しか生じることなく、又減衰時間も短くなって
いる。PdのG電極リセットパルスの立ち上がりから立
ち下がりまでを約20マイクロ秒で動作させると、図の
ように光電変換動作開始となるPdのパルスの立ち下が
り時には、ほぼ突入電流はゼロになる。よってPdのパ
ルスの立ち下がりから蓄積されはじめる電荷は、ほぼす
べてが光電変換素子100内に入射した信号光による電
荷となり、その信号電圧を読み出すことによりSN比の
高い情報を得ることが可能となる。
【0080】我々が以前提案した構成例における基本的
なメカニズムについて図を用いてさらに以下で説明す
る。
【0081】図21(a)〜図21(c)はVrG<VD
−VFBの場合の光電変換素子100の動作を示すエネル
ギーバンド図であり、図18(a)〜図18(c)に示
したエネルギーバンド図に対応している。
【0082】リフレッシュ動作の図21(a)において
D電極はG電極に対して正の電位が与えられている為、
i層4中の黒丸で示されたホールの一部が電界によりD
電極に導かれる。同時に白丸で示された電子はi層4に
注入される。ここでi層4と絶縁層70の界面欠陥にト
ラップされていたホールはほとんど移動せず、又電子が
界面欠陥にトラップされることもない。
【0083】この状態で光電変換動作の図21(b)に
なると、G電極はD電極に対して更に大きな負の電位が
与えられる為、i層4中の電子は瞬時にD電極に導かれ
るが、界面欠陥にトラップされた電子はほとんど存在し
ない為、先に説明した図15の光電変換装置で問題とな
る突入電流はほとんど存在しなくなる。
【0084】そしてある期間、光電変換動作の図21
(b)を保った後の状態の図21(c)になる。
【0085】このようにVrG<VD −VFBの条件にリフ
レッシュする場合においては、i層4と絶縁層70の界
面欠陥に電子が存在することはほとんどない為、電子の
出入りに長い時間を費すことがなくなり、結果的にノイ
ズ成分となる突入電流を大きく削減することが可能とな
る。
【0086】しかしながら、このようなリフレッシュ条
件では、図19に示される光電変換素子100のダイナ
ミックレンジ(D・R)は、D・R=VrG×Csとな
り、VrG≧VD −VFBの場合に比べてVrG<VD −VFB
の場合のダイナミックレンジは小さくなる。その為信号
処理が多い場合には、信号光による発生電荷が飽和し、
SN比を下げることが生じる。
【0087】ここで以前我々が提案した光電変換装置に
おいて、SN比を保ち特性を安定させるべき項目につい
て再度説明する。
【0088】図11(b)に示す1ビット回路を図13
に示すタイミングで駆動する場合、リフレッシュ時間は
光電変換時間より短くすることが可能となる。2次元的
に光電変換素子を配列しマトリクス駆動を行う場合は光
電変換素子の数が増えれば増えるほどリフレッシュ時間
と光電変換時間の比は大きくなる。
【0089】一般に、MIS型コンデンサのフラットバ
ンド電圧VFBは、電界、時間、温度に大きく依存するこ
とが知られているが、本発明の光電変換装置における光
電変換素子はリフレッシュ時においてフラットバンド電
圧VFBは正の電圧方向へ移動し、反対に光電変換時には
フラットバンド電圧VFBは負の電圧方向へ移動する。
【0090】よって図11に示す光電変換装置における
光電変換素子はフラットバンド電圧VFBが結果的に負の
電圧方向に移動し、光電変換素子のダイナミックレンジ
を小さくしてしまう。そうなると、光電変換装置として
のSN比は小さくなり、安定した特性が得られなくなっ
てしまうという解決すべき課題がある。
【0091】[発明の目的] 本発明は、SN比が高く、特性が安定している光電変換
装置、及びその駆動方法及びそれを有するシステムを提
供することを目的とする。
【0092】具体的には、本発明の光電変換装置は、光
電変換素子のフラットバンド電圧の移動を測定するため
に、光電変換モードでの光電変換素子の各層に印加する
電界を変化させ、半導体層に蓄積される第一の型のキャ
リアもしくは第二の電極層に導かれた第二の型のキャリ
アを検出することにより、光電変換素子のフラットバン
ド電圧に相当する電圧値を得、その結果を用いて、フラ
ットバンド電圧を元に戻すことにより、結果的にダイナ
ミックレンジを小さくしないこと、即ちSN比が高く、
特性が安定していることを目的とする。
【0093】更に具体的には、本発明の光電変換装置
は、光電変換素子のフラットバンド電圧の移動を抑える
ために、光電変換動作をしているときと逆方向の電界を
光電変換素子に印加し、結果的にダイナミックレンジを
小さくしないこと、即ちSN比が高く、特性が安定して
いることを目的とする。
【0094】加えて本発明は、TFTと同一プロセスで
形成することが可能で、生産プロセスの複雑化を生じる
こと無く、低コストで作製可能な光電変換装置、及びそ
の駆動方法及びそれを有するシステムを提供することを
目的とする。
【0095】又、本発明は、歩留まりが高く、特性が安
定している光電変換装置及びそれを有するシステムを提
供することを目的とする。
【0096】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記
課題を解決するための手段として、絶縁基板上に、第一
の電極層、第一の型のキャリア及び前記第一の型のキャ
リアとは正負の異なる第二の型のキャリアの通過を阻止
する第一の絶縁層、光電変換半導体層、該半導体層への
前記第一の型のキャリアの注入を阻止する注入阻止層、
第二の電極層を堆積した光電変換素子を有する光電変換
装置であって、前記光電変換素子のフラットバンド電圧
測定手段と、該フラットバンド電圧測定手段による測定
結果を用いたフラットバンド電圧シフト抑制手段を含む
出力読み出し手段と、前記フラットバンド電圧測定手段
と前記出力読み出し手段とを切り替える第1のスイッチ
手段と、を有し、 前記フラットバンド電圧測定手段は、
前記光電変換素子の各層に印加する電界を変化させ、該
光電変換素子の半導体層に蓄積される第一の型のキャリ
アもしくは前記第二の電極層に導かれた第二の型のキャ
リアを検出することにより、前記光電変換素子のフラッ
トバンド電圧に相当する電圧値を得る手段を有し、前記
出力読み出し手段は、入射光量に応じて発生した電荷を
読み出すための読み出し用電圧電源と、光電変換素子内
に蓄積された電荷をリフレッシュするリフレッシュ用電
圧電源と、光電変換素子のフラットバンド電圧の移動を
抑制するフラットバンド電圧シフト抑制用電圧電源とを
有するとともに、各電源を切り替えて、前記光電変換素
子に印加する電位を切り替える第2のスイッチ手段を有
することを特徴とする光電変換装置において達成され
る。
【0097】又、本発明は上記課題を解決するための手
段として、絶縁基板上に、第一の電極層、第一の型のキ
ャリア及び前記第一の型のキャリアとは正負の異なる第
二の型のキャリアの通過を阻止する第一の絶縁層、光電
変換半導体層、該半導体層への前記第一の型のキャリア
の注入を阻止する注入阻止層、第二の電極層を堆積した
光電変換素子を有する光電変換装置の駆動方法であっ
て、前記光電変換素子に印加する電界を変化させて、該
光電変換素子の半導体層に蓄積される第一の型のキャリ
アもしくは前記第二の電極層に導かれた第二の型のキャ
リアを検出することにより、前記光電変換素子のフラッ
トバンド電圧に相当する電圧値を得るフラットバンド電
圧測定モードと、前記光電変換素子に印加する電圧を切
り替えることにより駆動される、 (a)入射光量に応じて電荷を発生し蓄積する光電変換
モード; (b)光電変換素子内に蓄積された電荷をリフレッシュ
するリフレッシュモード; (c)光電変換素子のフラットバンド電圧の移動を抑制
するフラットバンド電圧シフト抑制モード; の各モードを含む出力読み出しモードと、を有し、前記
フラットバンド電圧測定モードと前記出力読み出しモー
ドとを切り替えて駆動することを特徴とする光電変換装
置の駆動方法を提案する。
【0098】更に、本発明は、光電変換装置が蛍光体を
有し、該光電変換装置からの信号を処理する信号処理手
段と、前記信号処理手段からの信号を記録する為の記録
手段と、前記信号処理手段からの信号を表示する為の表
示手段と、前記信号処理手段からの信号を電送する為の
電送手段と、前記光電変換装置に入力される光情報を発
生させるためのX線源を有するシステムを提供する。
【0099】[作用] 本発明によれば、光電変換素子のフラットバンド電圧の
移動を測定するために、光電変換モードでの光電変換素
子の各層に印加する電界を変化させ、半導体層に蓄積さ
れる第一の型のキャリアもしくは第二の電極層に導かれ
た第二の型のキャリアを検出することにより、光電変換
素子のフラットバンド電圧に相当する電圧値を得、その
結果を用いて、フラットバンド電圧を元に戻すことによ
り、結果的にダイナミックレンジを小さくしないこと、
即ちSN比が高く、特性が安定した光電変換装置とする
ことができる。
【0100】更に、本発明によれば、光電変換素子のフ
ラットバンド電圧の移動を抑えるために、光電変換動作
をしているときと逆方向の電界を光電変換素子に印加す
ることにより、結果的にダイナミックレンジを小さくし
ないこと、即ちSN比が高く、特性を安定にすることが
できる。
【0101】加えて本発明によれば、TFTと同一プロ
セスで形成することが可能で、生産プロセスの複雑化を
生じること無く、低コストで作製可能な光電変換装置、
及びその駆動方法及びそれを有するシステムを提供する
ことができる。
【0102】更に又、本発明によれば、歩留まりが高
く、特性が安定している光電変換装置及びそれを有する
システムを提供することができる。
【0103】
【発明の実施の形態】以上の点を鑑み、本発明において
新たに考案した実施例が以下に示すものである。
【0104】[実施例1] [構成] 図1は、本発明の第1の実施例に係る光電変換装置の全
体回路図である。
【0105】図1において、S11〜S33は光電変換
素子で下部電極側をG、上部電極側をDで示している。
C11〜C33は蓄積用コンデンサ、T11〜T33は
転送用TFTである。Vg1はリフレッシュ用電源、Vs1
はフラットバンド電圧を観測するための可変電圧電源で
あり、全光電変換素子S11〜S33のG電極の電位を
リセットするものであり上述したV D と同じ働きをす
る。各電源は各々スイッチSWs1 スイッチSWg1を介
して全光電変換素子S11〜S33のG電極に接続され
ている。ここで、スイッチSWs1、スイッチSWg1は直
接にタイミングパルスRFに接続されており、スイッチ
SWs1、スイッチSWg1は同時にオンしないように制御
されている。又、各スイッチのオン時間は任意の設定が
可能である。
【0106】また、図1において、1画素は1個の光電
変換素子とコンデンサ、およびTFTで構成され、その
信号出力は信号配線SIGにより検出用集積回路ICに
接続されている。本実施例の光電変換装置は計9個の画
素を3つのブロックに分け1ブロックあたり3画素の出
力を同時に転送しこの信号配線SIGを通して検出用集
積回路ICによって順次出力に変換され出力される(V
out )。また1ブロック内の3画素を横方向に配置し、
3ブロックを順に縦に配置することにより各画素を二次
元的に配置している。図中破線で囲んだ部分は大面積の
同一絶縁基板上に形成されている。
【0107】又、図2(a)は本実施例中の1画素に相
当する各素子の平面図、図2(b)は図2(a)のA−
B線断面図である。
【0108】図2において、S11は光電変換素子、T
11はTFT、C11はコンデンサ、およびSIGは信
号配線である。本実施例においてコンデンサC11と光
電変換素子S11とは特別に素子を分離しておらず、光
電変換素子S11の電極の面積を大きくすることにより
コンデンサC11を形成している。これは本実施例の光
電変換素子とコンデンサが同じ層構成であるから可能な
ことである。また、画素上部にはパッシベーション用窒
化シリコン膜SiNとヨウ化セシウム等の蛍光体CsI
を形成する事も考えられ、上方よりX線(X−ray)
が入射すると蛍光体CsIにより、光(図2(b)の破
線矢印)に変換され、この光が光電変換素子に入射され
ることも可能となる。
【0109】 [フラットバンド電圧測定モードの説明] 次に、図1、図3、図5を用いて図1においてタイミン
グパルスSELがHiの場合、即ちタイミングパルスR
F1の側の回路が選択されフラットバンド電圧を測定す
る場合の動作について説明する。
【0110】図3は、本実施例の図1においてタイミン
グパルスSELがHiの場合、即ちタイミングパルスR
F1の側の回路が選択されフラットバンド電圧を測定す
る場合の動作を示すタイミングチャートである。
【0111】[リフレッシュモード] はじめに、図1に示す、シフトレジスタSR1およびS
R2により制御配線g1〜g3、s1〜s3にHiが印
加される。すると転送用TFT・T11〜T33とスイ
ッチM1〜M3がオンして導通し、全光電変換素子S1
1〜S33のD電極及びコンデンサC11〜C33のD
電極側はVRES 電位になる。これは、光電変換素子10
0のG側の電位をGNDではなくプラス側の電位VRES
にリセットし、このリセットによる光電変換素子100
に蓄積された電荷を転送用TFTで電荷を転送すること
と同じであり、転送用TFT・T11〜T33を用いて
Amp側に転送することにより積分検出器Amp側の電
位Vout は常にプラスの電位となる。
【0112】同時にタイミングパルスRF1にHiを出
力してスイッチSWg1がオンし、全光電変換素子S11
〜S33のG電極はリフレッシュ用電源電位Vg1にな
る。その後、全光電変換素子S11〜S33はリフレッ
シュモードになりリフレッシュされる。
【0113】また、前述した図16においては、光電変
換素子100に光信号が入射する事が前提であり、光電
変換素子100の光電流Isが生成されていたが、本実
施例の全光電変換素子S11〜S33の状態は、暗状態
にしてあり、光入射量はゼロにしてある。
【0114】 [フラットバンド電圧測定モード] 図3において、g1〜g3の信号がLoになり、s1〜
s3の信号がHiの状態になると、積分検出器Ampの
入力端子はGND電位に設計されているため、Vout
GNDになる。すると全光電変換素子S11〜S33は
光電変換モードになり同時にコンデンサC11〜C33
は初期化される。
【0115】次にシフトレジスタSR1およびSR2に
より制御配線g1〜g3、s1〜s3にLoが印加され
る。すると転送用TFT・T11〜T33のスイッチM
1〜M3がオフし全光電変換素子S11〜S33のD電
極はDC的にはオープンになるがコンデンサC11〜C
33によって電位は保持される。
【0116】つぎにシフトレジスタSR1により制御配
線g1にHiの制御パルスが印加され、シフトレジスタ
SR2の制御配線s1〜s3への制御パルス印加によっ
て転送用TFT・T11〜T33、スイッチM1〜M3
を通してv1〜v3が順次出力される。これにより全光
電変換素子S11〜S33の容量に相当する二次元的情
報がv1〜v9として得られる。
【0117】ここで、模擬的なC−V特性の説明をす
る。
【0118】図5は、模擬的なC−V特性を示す図であ
り、図1における可変電圧Vs1電源を、図5のA,B,
Cのように変化させることにより、全光電変換素子S1
1〜S33の容量値は変化し、その変化に伴い、全光電
変換素子S11〜S33のD電極及びコンデンサC11
〜C33のD電極側に蓄積された電荷が変化するその
様子を示すのが図3のVout A,B,Cである。
【0119】これを見ると、可変電圧VS1電源を変化さ
せることにより、全光電変換素子S11〜S33の容量
値は変化し、その変化に伴い、全光電変換素子S11〜
S33のD電極及びコンデンサC11〜C33のD電極
側に蓄積された電荷が変化する様子が判り、結果的に擬
似的なC−V特性即ちフラットバンド電圧を得られるこ
とが確認できる。
【0120】 [出力読み出しモードの説明] 次に、図1において、タイミングパルスSELがLoの
場合、即ちSR3の側の回路が選択され、フラットバン
ド電圧の移動を抑制するモードを含む出力読み出しモー
ドとなった場合の説明を行う。
【0121】図1において、Vs2は読み出し用電源、V
g2はリフレッシュ用電源、Vc はフラットバンド電圧シ
フト抑制用電源であり、各電源は各々スイッチSWs
スイッチSWg 、スイッチSWc を介して全光電変換素
子S11〜S33のG電極に接続されている。ここで、
センサのG電極に印加される各電源の電位は c >V
g2 >0>V s2 と設定している。スイッチSWs2、スイ
ッチSWg2、スイッチSWc は直接にシフトレジスタS
R3に接続されており、スイッチSWs2、スイッチSW
g2、スイッチSWc は同時にオンしないように制御され
ている。又、各スイッチのオン時間は任意に設定可能で
ある。
【0122】図4は、本実施例の出力読み出しモードの
タイミングチャートであり、図1乃至図4を用いて本実
施例の光電変換装置の動作について説明する。
【0123】[リフレッシュモード] はじめに、シフトレジスタSR1およびSR2により制
御配線g1〜g3、s1〜s3にHiが印加される。す
ると転送用TFT・T11〜T33とスイッチM1〜M
3がオンし導通し、全光電変換素子S11〜S33のD
電極はGND電位になる(積分検出器Ampの入力端子
はGND電位に設計されているため)。同時にシフトレ
ジスタSR3がRF2にHiを出力してスイッチSWg2
がオンし全光電変換素子S11〜S33のG電極はリフ
レッシュ用電源電位Vg2になる。リフレッシュ用電源の
g2>0を選択した場合は、先に図15で説明したVrG
≧VD −VFBと同じ条件になる為、先に説明したように
g2<0を選択した図19のVrG<VD −VFBの条件と
比較して突入電流が多く発生し、ノイズが増える。しか
しながら光電変換素子のダイナミックレンジは増大す
る。その後全光電変換素子S11〜S33はリフレッシ
ュモードになりリフレッシュされる。
【0124】[読み取りモード] つぎに、シフトレジスタSR3がRF2にLoを、RE
にHiを出力しスイッチSWg2がオフし、スイッチSW
s2がオンし、全光電変換素子S11〜S33のG電極は
読み取り用電源Vs2により負電位になる。すると全光電
変換素子S11〜S33は光電変換モードになり同時に
コンデンサC11〜C33は初期化される。この状態で
シフトレジスタSR1およびSR2により制御配線g1
〜g3、s1〜s3にLoが印加される。すると転送用
TFT・T11〜T33のスイッチM1〜M3がオフし
全光電変換素子S11〜S33のD電極はDC的にはオ
ープンになるがコンデンサC11〜C33によって電位
は保持される。しかしこの時点ではX線は入射されてい
ないため全光電変換素子S11〜S33には光は入射さ
れず光電流は流れない。
【0125】この状態でX線がパルス的に出射され人体
等を通過し蛍光体CsIに入射されると光に変換され、
その光がそれぞれの光電変換素子S11〜S33に入射
する。この光は人体等の内部構造の情報が含まれてい
る。この光により流れた光電流は電荷としてそれぞれの
コンデンサC11〜C33に蓄積されX線の入射終了後
も保持される。つぎにシフトレジスタSR1により制御
配線g1にHiの制御パルスが印加され、シフトレジス
タSR2の制御配線s1〜s3への制御パルス印加によ
って転送用TFT・T11〜T33、スイッチM1〜M
3を通してv1〜v3が順次出力される。これにより人
体等の内部構造の二次元的情報がv1〜v9として得ら
れる。
【0126】 [フラットバンド電圧シフト抑制モード] その後、シフトレジスタSR3のRF2はLoになり、
COがHiとなる。又、シフトレジスタSR1およびS
R2により制御配線g1〜g3、s1〜s3にHiが印
加される。すると転送用TFT・T11〜T33とスイ
ッチM1〜M3がオンし導通し、全光電変換素子S11
〜S33のD電極はGND電位になる(積分検出器Am
pの入力端子はGND電位に設計されているため)。よ
って、全光電変換素子S11〜S33のG電極は正の電
位(Vc)になり、全光電変換素子S11〜S33はフ
ラットバンド電圧シフト抑制モードになる。
【0127】静止画像を得る場合はここまでの動作であ
るが動画像を得る場合はここまでの動作を繰り返す。一
般に動画像を得る場合は静止画像を得る場合と比較して
照射されるX線の強度は弱いが、照射時間は長い場合が
多い。その為、信号光量が多くなり、大きなダイナミッ
クレンジが必要となる。また、一般に動画像を得る場合
は、おおまかな位置決めをする場合が多く、多少のノイ
ズ等は無視できる場合が多い。よって動画像を得る場合
はダイナミックレンジが大きいVrG≧VD −VFBの条件
即ちVg2>0を選択する方がよい。
【0128】図1と同様に、図3において光電変換素子
100のG電極のリフレッシュ電源Vg2を正の値に設定
しているが、上記で説明したように突入電流を小さくす
る目的でリフレッシュ電源Vg2を負の値で用いることが
可能であることはいうまでもない。
【0129】また、ここでは電源VC を比較的大きな電
圧を印加できる電源にすることにより、フラットバンド
電圧の移動を抑制する時間即ち、SWC をオンする時間
を比較的短くすることを可能とし、総合的な光電変換装
置の駆動時間を短くすることが可能となる。
【0130】本実施例の光電変換装置は、光電変換モー
ドとリフレッシュモードとフラットバンド電圧シフト抑
制モードを、順番に切り替えて駆動することが可能とな
り、上記で説明したフラットバンド電圧のシフトを小さ
くすることが可能となる。この為センサのダイナミック
レンジが小さくなることを防ぐことができ、高いSN比
を保ち、安定した特性を得ることが可能となる。
【0131】本実施例では、光電変換素子のG電極が共
通に接続され、この共通の配線をスイッチSWg2とスイ
ッチSWS2とスイッチSWC を介してリフレッシュ用電
源Vg2読み出し用電源VS2及びフラットバンド電圧シフ
ト抑制用電源VC に接続しているため、全光電変換素子
を同時にリフレッシュモードと光電変換モード及びフラ
ットバンド電圧シフト抑制モードに切り換えることがで
きる。このため複雑な制御なくして1画素あたり1個の
TFTで光出力を得ることができる。
【0132】又、本実施例では9個の画素を3×3に二
次元配置し3画素ずつ同時に、3回に分割して転送・出
力したがこれに限らず、例えば縦横1mmあたり5×5
個の画素を2000×2000個の画素として二次元的
に配置すれば40cm×40cmのX線検出器が得られ
る。これをX線フィルムの代わりにX線発生器と組み合
わせてX線レントゲン装置を構成すれば胸部レントゲン
検診や乳ガン検診に使用できる。するとフィルムと異な
り瞬時にその出力をCRTで映し出すことが可能で、さ
らに出力をディジタルに変換しコンピュータで画像処理
して目的に合わせた出力に変換することも可能である。
また光磁気ディスクに保管もでき、過去の画像を瞬時に
検索することもできる。また感度もフィルムより良く人
体に影響の少ない微弱なX線で鮮明な画像を得ることも
できる。
【0133】[実施例2] 図6、図7に、本発明の実施例2を示す2000×20
00個の画素を持つ検出器の実装を示す概念図を示す。
ここで示す2000×2000個の画素を持つ検出器の
実装を示す概念図の中には、図1〜図5で説明した光電
変換装置が搭載されていることは言うまでもない。
【0134】2000×2000個の検出器を構成する
場合、図1で示した破線内の素子を縦・横に数を増せば
良いが、この場合制御配線もg1〜g2000と200
0本になり信号配線SIGもsig1〜sig2000
と2000本になる。またシフトレジスタSR1や検出
用集積回路ICも2000本の制御・処理をしなければ
ならず大規模となる。これをそれぞれ1チップの素子で
行うことは1チップが非常に大きくなり、製造時の歩留
りや価格等で不利である。そこで、シフトレジスタSR
1は例えば100段ごと1個のチップに形成し、20個
(SR1−1〜SR1−20)を使用すればよい。また
検出用集積回路も100個の処理回路ごと1個のチップ
に形成し、20個(IC1〜IC20)を使用する。
【0135】図6には左側(L)に20チップ(SR1
−1〜SR1−20)と下側(D)に20チップ実装
し、1チップあたり100本の制御配線、信号配線をお
のおのワイヤーボンディングでチップと接続している。
図6中破線部は図3の破線部に相当する。また外部への
接続は省略している。また、SWg ,SWS ,SWC
g ,VS ,VC ,RF,RE,CO等も省略してい
る。集積回路IC1〜IC20からは20本の出力(V
out )があるが、これらはスイッチ等を介して1本にま
とめたり、20本をそのまま出力し並列処理すればよ
い。
【0136】あるいは図7に示すように左側(L)に1
0チップ(SR1−1〜SR1−10)、右側(R)に
10チップ(SR1−11〜SR1−20)と上側に1
0チップ(IC1〜10)、下側(D)に10チップ
(IC11〜20)を実装してもよい。この構成は上・
下・左・右側(U・D・L・R)にそれぞれ各配線を1
000本ずつに振り分けているため、各辺の配線の密度
が小さくなり、また各辺のワイヤーボンディングの密度
も小さく、歩留りが向上する。配線の振り分けは左側
(L)にg1,g3,g5,…g1999、右側(R)
にg2,g4,g6,…g2000とし、つまり奇数番
目の制御線を左側(L)、偶数番目の制御線を右側
(R)に振り分ける。こうすると各配線は等間隔に引き
出され配線されるので密度の集中なく一層歩留りが向上
する。また、上側(U)下側(D)への配線も同様に振
り分ければよい。
【0137】また、図示していないが別の実施例として
配線の振り分けは左側(L)にg1〜g100,g20
1〜g300,…g1801〜g1900、右側(R)
にg101〜g200,g301〜g400,…g19
01〜g2000を振り分け、つまり、1チップごと連
続な制御線を振り分け、これを左・右側(L・R)交互
に振り分ける。こうすると、1チップ内は連続に制御で
き、駆動タイミングが楽で回路を複雑にしなくてよく安
価なものが使用できる。上側(U)、下側(D)につい
ても同様で、連続な処理が可能で安価な回路が使用でき
る。
【0138】また、図6、図7に示される例は、共に1
枚の基板上に破線部の回路を形成した後、その基板上に
チップを実装してもよいし、別の大きな基板上に破線部
の回路基板とチップを実装してもよい。また、チップを
フレキシブル基板上に実装して破線部の回路基板に貼り
付け接線してもよい。
【0139】またこのような非常に多くの画素をもつ大
面積の光電変換装置は従来の光センサを用いた複雑な工
程では不可能であったが、本発明の光電変換装置の工程
は各素子を共通な膜で同時に形成しているため工程数が
少なく、簡易的な工程で済むため高歩留まりが可能で低
コストで大面積・高性能の光電変換装置の生産を可能と
している。また、コンデンサと光電変換素子とが同じ素
子内で構成でき、実質上素子を半減することが可能でさ
らに歩留まりを向上できる。
【0140】[実施例3] 図8は、本発明の実施例3を示す光電変換装置を用いた
システム全体を表す模式的ブロック図である。ここで示
す光電変換装置を用いたシステム全体を表す模式的ブロ
ック図の中には、図1〜図5で説明した光電変換装置が
搭載されていることは言うまでもない。
【0141】図8において、6001はa−Siセンサ
基板であるこの図では複数のシフトレジスタSR1を直
列に、また検出用集積回路ICも複数で駆動している。
検出用集積回路ICの出力は処理回路6008内のアナ
ログ−デジタル変換器6002に入力されデジタル化さ
れる。この出力は固定パターン補正用の引き算器600
3を介してメモリ6004に記憶される。メモリの中の
情報はコントローラ6005により制御されバッファ6
006を介し信号処理手段としてのイメージプロセッサ
に転送され、そこで画像処理される。
【0142】図9(a)、図9(b)は本発明をX線検
出用の光電変換装置に適用した場合の模式的構成図及び
模式的断面図である。
【0143】図9において、光電変換素子とTFTは、
a−Siセンサ基板6011内に複数個形成され、シフ
トレジスタSR1と検出用集積回路ICが実装されたフ
レキシブル回路基板6010が接続されている。フレキ
シブル回路基板6010の逆側は回路基板PCB1,P
CB2に接続されている。前記a−Siセンサ基板60
11の複数枚が基台6012の上に接着され大型の光電
変換装置を構成する基台6012の下には処理回路60
18内のメモリ6014をX線から保護するため鉛板6
013が実装されている。a−Siセンサ基板6011
上にはX線を可視光に変換するための蛍光体6030た
とえばCsIが、塗布または貼り付けられている。前述
の図2で説明したX線検出方法と同じ原理に基き、X線
を検出することができる。本実施例では図9(b)に示
されるように全体をカーボンファイバー製のケース60
20に収納している。
【0144】図10は、本発明の光電変換装置のX線診
断システムへの応用例を示したものである。
【0145】図10において、X線チューブ6050で
発生したX線6060は患者あるいは被験者6061の
胸部6062を透過し、蛍光体を上部に実装した光電変
換装置6040に入射する。この入射したX線には患者
6061の体内部の情報が含まれている。X線の入射に
対応して蛍光体は発光し、これを光電変換して、電気的
情報を得る。この情報はディジタルに変換されイメージ
プロセッサ6070により画像処理され制御室のディス
プレイ6080で観察できる。
【0146】また、この情報は電話回線6090等の伝
送手段により遠隔地へ転送でき、別の場所のドクタール
ームなどディスプレイ6081に表示もしくは光ディス
ク等の保存手段に保存することができ、遠隔地の医師が
診断することも可能である。またフィルムプロセッサ6
100によりフィルム6110に記録することもでき
る。
【0147】[実施例4] 図25は、第4の実施例に係る光電変換装置の駆動方法
を説明するための1ビットの等価回路図である。図25
において図15と同じ番号で示される部分は同じものを
示す。
【0148】図15と異なる点は、まず第一に光電変換
素子100のフラットバンド電圧(VFB)の測定をする
ための電圧Vd 可変電源2114が電源114の代わり
に追加されており、光電変換素子100を、Vd がプラ
ス側の全容量が相対的に小さい状態(デプレッション状
態)と全容量が相対的に大きい状態(アキュムレーショ
ン状態)に変化させる作用を行う。
【0149】第二には、光電変換素子100のG側の電
位をGNDではなくプラス側の電位VRES にリセットす
るための電源2115が配置されている点である。光電
変換素子100のG側の電位をGNDではなくプラス側
の電位VRES にリセットし、このリセットによる光電変
換素子100に蓄積された電荷をTFT1300を用い
てコンデンサ1124に転送することによりコンデンサ
1124のTFT1300側の電位VO ’は常にプラス
の電位となる。
【0150】また図15においては光電変換素子100
に光信号が入射する事が前提であり、光電変換素子10
0の光電流Isが生成されていたが、本実施例の光電変
換素子100の駆動方法は暗状態にしてあり光入射量は
ゼロにしてある。
【0151】次に本実施例の動作を図25、図26、図
16を用いて説明する。
【0152】基本的な動作は上記で述べたように、図1
6と同じであるが、暗状態にしてあるため光電流Isは
常にゼロである。PbのHi信号により、TFT130
0がonした直後のVO 及びVO ’は、図25における
可変電圧Vd の大きさにより、光電変換素子100の容
量値が変化し、それに伴い光電変換素子100のG側に
蓄積される(TFT1400によりVRES へ)電荷量が
異なるためVO 及びVO ’は可変電圧Vd に依存を示
す。
【0153】図26においてその様子を示す。図26の
O ’−Vd 特性図において光電変換素子100の容量
値がアキュムレーション状態2021からデプレッショ
ン状態2023へ変化していく部分2022即ちVO
が高い状態から低い状態へ変化していく部分2022
の、直線部分の延長線2024とアキュムレーション状
態を示す直線部分の延長線2025の交点をフラットバ
ンド電圧VFBとする。
【0154】また上記で説明したように、本発明の図1
1に示す光電変換装置における光電変換素子はフラット
バンド電圧VFBが結果的に負の電圧方向に移動し、図2
6における2026の点線のように特性が変化するの
で、その結果、光電変換素子のダイナミックレンジを小
さくしてしまう。そうなると、光電変換装置としてのS
N比は小さくなり、安定した特性が得られなくなってし
まう。
【0155】本発明のような駆動方法を用いることによ
り、光電変換素子100の擬似的なC−V特性を得るこ
とが可能になり、その結果フラットバンド電圧VFBを得
ることができフラットバンド電圧VFBの移動量が確認で
きた場合は、そのフラットバンド電圧VFBの移動量をゼ
ロにする駆動方法を用いることが可能になる。
【0156】この為、光電変換素子100のダイナミッ
クレンジが小さくなることを防ぐことができ、高いSN
比を保ち、安定した特性を得ることが可能となる。
【0157】[実施例5] 図27は、本発明の光電変換装置の第5の実施例を示す
全体回路図である。
【0158】図27において、S11〜S33は光電変
換素子で下部電極側をG、上部電極側をDで示してい
る。C11〜C33は蓄積用コンデンサ、T11〜T3
3は転送用TFTである。Vg はリフレッシュ用電源、
S はフラットバンド電圧を観測するための可変電圧電
源であり、全光電変換素子S11〜S33のG電極の電
位をリセットするものであり、実施例4の中で説明した
d と同じ働きをする。
【0159】また、各電源は、各々スイッチSWS スイ
ッチSWg を介して全光電変換素子S11〜S33のG
電極に接続されている。ここで、スイッチSWS 、スイ
ッチSWg は直接にタイミングパルスRFに接続されて
おり、スイッチSWS 、スイッチSWg は同時にオンし
ないように制御されている。又、各スイッチのオン時間
は任意の設定が可能である。
【0160】1画素は1個の光電変換素子とコンデン
サ、およびTFTで構成され、その信号出力は信号配線
SIGにより検出用集積回路ICに接続されている。本
実施例の光電変換装置は計9個の画素を3つのブロック
に分け1ブロックあたり3画素の出力を同時に転送し、
この信号配線SIGを通して検出用集積回路ICによっ
て順次出力に変換され出力される(Vout )。また1ブ
ロック内の3画素を横方向に配置し、3ブロックを順に
縦に配置することにより各画素を二次元的に配置してい
る。
【0161】図中破線で囲んだ部分は、大面積の同一絶
縁基板上に形成されている。図2は、このような光電変
換素子の平面図(a)及び断面図(b)である。
【0162】図2において、S11は光電変換素子、T
11はTFT、C11はコンデンサ、およびSIGは信
号配線である。本実施例においてはコンデンサC11と
光電変換素子S11とは特別に素子を分離しておらず、
光電変換素子S11の電極の面積を大きくすることによ
りコンデンサC11を形成している。これは本実施例の
光電変換素子とコンデンサが同じ層構成であるから可能
なことである。また、画素上部にはパッシベーション用
窒化シリコン膜SiNとヨウ化セシウム等の蛍光体Cs
Iを形成する事も考えられ、上方よりX線(X−ra
y)が入射すると蛍光体CsIより光(破線矢印)に変
換され、この光が光電変換素子に入射されることも可能
となる。
【0163】次に、図27、図28、図29を用いて本
実施例の光電変換装置の動作について説明する。
【0164】図28は、本実施例の動作を示すタイミン
グチャートである。
【0165】はじめにシフトレジスタSR1およびSR
2により制御配線g1〜g3、s1〜s3にHiが印加
される。すると転送用TFT・T11〜T33とスイッ
チM1〜M3がオンし導通し、全光電変換素子S11〜
S33のD電極及びコンデンサC11〜C33のD電極
側はVRES 電位になる。これは前記実施例第一に示した
ように、光電変換素子100のG側の電位をGNDでは
なくプラス側の電位VRES にリセットし、このリセット
による光電変換素子100に蓄積された電荷を転送用T
FTで転送することと同じであり、転送用TFT・T1
1〜T33を用いてAmp側に転送することにより積分
検出器Amp側の電位Vout は常にプラスの電位とな
る。図27に示すg1〜g3及びs1〜s3の信号とa
nd素子及び積分検出器Amp側の電位Vout をリセッ
トするスイッチとリセット用電源VRES は以上説明した
動作を行うための素子である。
【0166】同時にタイミングパルスRFにHiを出力
してスイッチSWg がオンし全光電変換素子S11〜S
33のG電極はリフレッシュ用電源電位Vg になる。そ
の後全光電変換素子S11〜S33はリフレッシュモー
ドになりリフレッシュされる。
【0167】また図15においては、光電変換素子10
0に光信号が入射する事が前提であり、光電変換素子1
00の光電流Isが生成されていたが、本実施例の全光
電変換素子S11〜S33の状態は、実施例4で示した
光電変換素子100と同様に暗状態にしてあり光入射量
はゼロにしてある。
【0168】図28においてg1〜g3の信号がLoに
なり、s1〜s3の信号がHiの状態になると積分検出
器Ampの入力端子はGND電位に設計されているため
out はGNDになる。すると全光電変換素子S11〜
S33は光電変換モードになり同時にコンデンサC11
〜C33は初期化される。次にシフトレジスタSR1お
よびSR2により制御配線g1〜g3、s1〜s3にL
oが印加される。すると転送用TFT・T11〜T33
のスイッチM1〜M3がオフし全光電変換素子S11〜
S33のD電極はDC的にはオープンになるがコンデン
サC11〜C33によって電位は保持される。
【0169】つぎにシフトレジスタSR1により制御配
線g1にHiの制御パルスが印加され、シフトレジスタ
SR2の制御配線s1〜s3への制御パルス印加によっ
て転送用TFT・T11〜T33、スイッチM1〜M3
を通してv1〜v3が順次出力される。これにより全光
電変換素子S11〜S33の容量値に相当する二次元的
情報がv1〜v9として得られる。
【0170】ここで、上記で説明した実施例4の図26
の模擬的なC−V特性の説明をする。
【0171】図29は、模擬的なC−V特性を説明する
ための図であり、図27における可変電圧VS 電源を、
図29のA,B,Cのように変化させることにより全光
電変換素子S11〜S33の容量値は変化し、その変化
に伴い、全光電変換素子S11〜S33のD電極及びコ
ンデンサC11〜C33のD電極側に蓄積された電荷が
変化する、その様子を示すのが図28のVout A,B,
Cである。
【0172】これを見ると、可変電圧VS 電源を変化さ
せることにより、全光電変換素子S11〜S33の容量
値は変化し、その変化に伴い、全光電変換素子S11〜
S33のD電極及びコンデンサC11〜C33のD電極
側に蓄積された電荷が変化する様子が判り、結果的に模
擬的なC−V特性即ちフラットバンド電圧を得ることが
できることが確認できる。
【0173】又、本実施例では9個の画素を3×3に二
次元配置し3画素ずつ同時に、3回に分割して転送・出
力したがこれに限らず、例えば縦横1mmあたり5×5
個の画素を2000×2000個の画素として二次元的
に配置し、その上にX線を可視光に変換する蛍光板を配
置すれば40cm×40cmのX線検出器が得られる。
これをX線フィルムの代わりにX線発生器と組み合わせ
てX線レントゲン装置を構成すれば胸部レントゲン検診
や乳ガン検診に使用できる。するとフィルムと異なり瞬
時にその出力をCRTで映し出すことが可能で、さらに
出力をディジタルに変換しコンピュータで画像処理して
目的に合わせた出力に変換することも可能である。また
光磁気ディスクに保管もでき、過去の画像を瞬時に検索
することもできる。また感度もフィルムより良く人体に
影響の少ない微弱なX線で鮮明な画像を得ることもでき
る。
【0174】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光電変換
装置によれば、光電変換素子のフラットバンド電圧の移
動を測定するために、光電変換モードでの光電変換素子
の各層に印加する電界を変化させ、半導体層に蓄積され
る第一の型のキャリアもしくは第二の電極層に導かれた
第二の型のキャリアを検出することにより、光電変換素
子のフラットバンド電圧に相当する電圧値を得、その結
果を用いて、フラットバンド電圧を元に戻すことによ
り、結果的にダイナミックレンジを小さくしないこと、
即ちSN比が高く、特性が安定していることを可能にす
る。
【0175】また、本発明によれば、光電変換モードと
リフレッシュモードとフラットバンド電圧シフト抑制モ
ードを順番に切り替えて駆動することが可能となり、フ
ラットバンド電圧のシフトを小さくすることが可能とな
る。この為センサのダイナミックレンジが小さくなるこ
とを防ぐことができ、高いSN比を保ち、安定した特性
を得ることが可能となる。
【0176】さらに、本発明によれば、SN比が高く、
特性が安定している光電変換装置、その駆動方法及びそ
れを有するシステムを提供することができる。
【0177】また上記したような優れた特性を有する光
電変換装置を利用することにより、より低コストで大面
積・高機能・高特性のファクシミリやX線レントゲン装
置を提供できる。
【0178】加えて本発明は、TFTと同一プロセスで
形成する事が可能で、生産プロセスの複雑化を生じるこ
と無く、低コストで作製可能な光電変換装置、及びその
駆動方法及びそれを有するシステムを提供することを可
能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の光電変換装置を説明するた
めの概略的回路図である。
【図2】本発明の光電変換装置の一例を説明する為の模
式的平面図(a)、及び模式的断面図(b)である。
【図3】本発明の光電変換装置の動作の一例を説明する
ためのタイミングチャートである。
【図4】本発明の光電変換装置の動作の一例を説明する
ためのタイミングチャートである。
【図5】本発明の光電変換装置の動作の一例を説明する
ための擬似的な光電変換素子のC−V特性である。
【図6】本発明の光電変換装置の実装例2を説明するた
めの模式的配置構成図である。
【図7】本発明の光電変換装置の実装例2を説明するた
めの模式的配置構成図である。
【図8】本発明の光電変換装置を有するシステムの実施
例3の一例を説明するためのシステム構成図である。
【図9】X線検出装置に適用した場合の実施例3の一例
を説明する模式的構成図(a)、模式的断面図(b)で
ある。
【図10】本発明の光電変換装置を有するシステムの実
施例3の一例を説明するためのシステム構成図である。
【図11】我々が以前提案した光電変換部の構成例を説
明する模式的断面図(a)、及び概略的回路図(b)で
ある。
【図12】光電変換部のエネルギー状態を説明するため
のエネルギーバンド図である。
【図13】我々が以前提案した光電変換部の動作の一例
を説明するためのタイミングチャートである。
【図14】検出部の構成例を説明するための概略的回路
図である。
【図15】本発明の光電変換装置を説明するための概略
的回路図である。
【図16】光電変換装置の動作の一例を説明するための
タイミングチャートである。
【図17】光電変換部のエネルギー状態を説明するため
のエネルギーバンド図である。
【図18】光電変換部のエネルギー状態を説明するため
のエネルギーバンド図である。
【図19】光電変換装置を説明するための概略的回路図
である。
【図20】光電変換装置の動作の一例を説明するための
タイミングチャートである。
【図21】光電変換部のエネルギー状態を説明するため
のエネルギーバンド図である。
【図22】光センサの構成の一例を説明する模式的断面
図である。
【図23】TFTの層構成図である。
【図24】ゲート絶縁膜厚に対するTFTの歩留まりを
示すグラフである。
【図25】本発明の実施例4の光電変換装置の動作を説
明するための1ビット等価回路図である。
【図26】本発明の実施例4の光電変換装置の動作を説
明するための擬似的なC−V特性図である。
【図27】本発明の実施例5の光電変換装置を説明する
ための概略的回路図である。
【図28】本発明の実施例5の光電変換装置の動作の一
例を説明するためのタイミングチャートである。
【図29】本発明の実施例5光電変換装置の動作を説明
するための擬似的なC−V特性図である。
【符号の説明】 S11〜S33 光電変換素子、C11〜C33 蓄積
用コンデンサ、T11〜T33 転送用TFT、Vg1
リフレッシュ用電源、VS1 フラットバンド電圧を観測
するための可変電圧電源、VS2 読み出し用電源、Vg2
リフレッシュ用電源、VC フラットバンド電圧シフ
ト抑制用電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/146 H01L 31/10 H04N 5/335

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に、第一の電極層、第一の型
    のキャリア及び前記第一の型のキャリアとは正負の異な
    る第二の型のキャリアの通過を阻止する第一の絶縁層、
    光電変換半導体層、該半導体層への前記第一の型のキャ
    リアの注入を阻止する注入阻止層、第二の電極層を堆積
    した光電変換素子を有する光電変換装置であって、 前記光電変換素子のフラットバンド電圧測定手段と、 該フラットバンド電圧測定手段による測定結果を用いた
    フラットバンド電圧シフト抑制手段を含む出力読み出し
    手段と、 前記フラットバンド電圧測定手段と前記出力読み出し手
    段とを切り替える第1のスイッチ手段と、を有し、 前記フラットバンド電圧測定手段は、前記光電変換素子
    の各層に印加する電界を変化させ、該光電変換素子の半
    導体層に蓄積される第一の型のキャリアもしくは前記第
    二の電極層に導かれた第二の型のキャリアを検出するこ
    とにより、前記光電変換素子のフラットバンド電圧に相
    当する電圧値を得る手段を有し、 前記出力読み出し手段は、入射光量に応じて発生した電
    荷を読み出すための読み出し用電圧電源と、光電変換素
    子内に蓄積された電荷をリフレッシュするリフレッシュ
    用電圧電源と、光電変換素子のフラットバンド電圧の移
    動を抑制するフラットバンド電圧シフト抑制用電圧電源
    とを有するとともに、各電源を切り替えて、前記光電変
    換素子印加する電位を切り替える第2のスイッチ手段
    を有することを特徴とする光電変換装置。
  2. 【請求項2】 更に、フラットバンド電圧測定時に、前
    記光電変換素子のフラットバンド電圧に相当する電圧値
    を得るために前記光電変換素子に電界を印加するフラッ
    トバンド電圧測定用可変電圧電源を有することを特徴と
    する請求項1記載の光電変換装置。
  3. 【請求項3】 前記フラットバンド電圧測定用可変電圧
    電源の電圧を変化させることにより、前記光電変換素子
    の容量値を変化させ、該光電変換素子に蓄積された電荷
    の変化を検出することにより、フラットバンド電圧を測
    定することを特徴とする請求項2記載の光電変換装置。
  4. 【請求項4】 前記光電変換素子のフラットバンド電圧
    の移動を抑制するために、光電変換動作をしているとき
    と逆方向の電界を前記光電変換素子に印加することを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換
    装置。
  5. 【請求項5】 前記光電変換素子を一次元または二次元
    的に複数個配置し、前記光電変換素子毎に該光電変換素
    子選択用の第3のスイッチ素子を接続すると共に、全光
    電変換素子を複数のnブロックに分割し、各ブロック毎
    に前記第3のスイッチ素子を動作させることにより前記
    複数のnブロックに分割したn×m個の全光電変換素子
    の光信号をマトリクス信号配線により出力し、前記マト
    リクス信号配線の交差部が、少なくとも第一電極層、絶
    縁層、半導体層、第二の電極層の順の積層構造で構成さ
    れ、各層が前記光電変換素子の第一の電極層、絶縁層、
    光電変換半導体層、第二の電極層の各層と同一層から形
    成されており、且つ同じ膜厚であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項記載の光電変換装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項記載の光電
    変換装置と、 該光電変換装置 上に設けられた蛍光体と、 前記光電変換装置に入力される光情報を発生させるため
    のX線源と、 前記光電変換装置からの信号を処理する信号処理手段
    と、 前記信号処理手段からの信号を記録する為の記録手段
    と、 前記信号処理手段からの信号を表示する為の表示手段
    と、 前記信号処理手段からの信号を電送する為の電送手段
    と、 を有することを特徴とするシステム。
  7. 【請求項7】 絶縁基板上に、第一の電極層、第一の型
    のキャリア及び前記第一の型のキャリアとは正負の異な
    る第二の型のキャリアの通過を阻止する第一の絶縁層、
    光電変換半導体層、該半導体層への前記第一の型のキャ
    リアの注入を阻止する注入阻止層、第二の電極層を堆積
    した光電変換素子を有する光電変換装置の駆動方法であ
    って、 前記光電変換素子印加する電界を変化させて、該光電
    変換素子の半導体層に蓄積される第一の型のキャリアも
    しくは前記第二の電極層に導かれた第二の型のキャリア
    を検出することにより、前記光電変換素子のフラットバ
    ンド電圧に相当する電圧値を得るフラットバンド電圧測
    定モードと、前記 光電変換素子に印加する電圧を切り替えることによ
    り駆動される、 (a)入射光量に応じて電荷を発生し蓄積する光電変換
    モード; (b)光電変換素子内に蓄積された電荷をリフレッシュ
    するリフレッシュモード; (c)光電変換素子のフラットバンド電圧の移動を抑制
    するフラットバンド電圧シフト抑制モード; の各モードを含む出力読み出しモードと、を有し、前記 フラットバンド電圧測定モードと前記出力読み出し
    モードとを切り替えて駆動することを特徴とする光電変
    換装置の駆動方法。
  8. 【請求項8】 前記測定結果を用いて、前記光電変換素
    子のフラットバンド電圧の移動を抑えるために、前記フ
    ラットバンド電圧シフト抑制モードが、光電変換動作を
    しているときと逆方向の電界を前記光電変換素子に印加
    するモードであることを特徴とする請求項7記載の光電
    変換装置の駆動方法。
  9. 【請求項9】 前記光電変換素子を一次元または二次元
    的に複数個配置し、前記光電変換素子毎にスイッチ素子
    を接続すると共に、全光電変換素子を複数のnブロック
    に分割し、各ブロック毎に前記スイッチ素子を動作させ
    ることにより前記nブロックに分割したn×m個光電
    変換素子の光信号をマトリクス信号配線により出力し、
    nブロック毎に各光電変換素子のフラットバンド電圧に
    相当する電圧値を得ることを特徴とする請求項7または
    記載の光電変換装置の駆動方法。
  10. 【請求項10】 絶縁基板上に、第一の電極層、第一の
    型のキャリア及び前記第一の型のキャリアとは正負の異
    なる第二の型のキャリアの通過を阻止する第一の絶縁
    層、光電変換半導体層、該半導体層への前記第一の型の
    キャリアの注入を阻止する注入阻止層、第二の電極層を
    堆積した光電変換素子を有する光電変換装置の駆動方法
    であって、 光が入射しない状態で、前記光電変換素子に印加する電
    界を変化させて、該光電変換素子の半導体層に蓄積され
    る第一の型のキャリアもしくは前記第二の電極 層に導か
    れた第二の型のキャリアを検出することにより、前記光
    電変換素子のフラットバンド電圧に相当する電圧値を得
    るフラットバンド電圧測定モードと、前記光電変換素子
    内に蓄積された電荷をリフレッシュするリフレッシュモ
    ードと、を有することを特徴とする光電変換装置の駆動
    方法。
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