JP3371297B2 - 自動採水装置及び深海水の自動採水方法 - Google Patents

自動採水装置及び深海水の自動採水方法

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JP3371297B2
JP3371297B2 JP19955893A JP19955893A JP3371297B2 JP 3371297 B2 JP3371297 B2 JP 3371297B2 JP 19955893 A JP19955893 A JP 19955893A JP 19955893 A JP19955893 A JP 19955893A JP 3371297 B2 JP3371297 B2 JP 3371297B2
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裕 上田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、深海水を簡便に採取す
ることのできる無索式の自動採水器及び該自動採水器を
使用した深海水の自動採水方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
浅海用採水器は勿論、深海用採水器もすべて有索式のも
のが使用されていた。深海用採水器を有索式とした理由
として、深海用耐圧浮力材に適当なものがなかったこ
と、及び浅海用深水器がそのまま利用できることなどが
挙げられる。
【0003】しかしながら、数千メートルあるいは1万
メートル以上の深海に有索式の探水器を下降させるため
には、索の取扱装置の大形化や高コスト化という問題が
あるばかりでなく、運用上、索の捩れや破損、採水作業
の長時間化等、種々問題があった。
【0004】本発明は、上記の課題を解決すべくなされ
たもので、索を使用することなく所定の深度において自
動的に海水を採水し、浮上することのできる自動採水装
置及び深海水の自動採水方法を得ることを目的としたも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る自動採水装
置は、次のように構成したものである。
【0006】(1)対向配置され上下にそれぞれ開閉弁
を有する少なくとも一対の採水容器と、両端部にカムを
有し案内筒内に収容されてばねにより下方に付勢されて
おり、案内筒内に封入された液体を排水して徐々に移動
することにより開閉弁を開閉する弁駆動手段と、この弁
駆動手段を所定の位置に保持してロックし、設定深度に
おける周囲海水との圧力差を利用してロックを自動的に
解除するロック手段とを備えたものである。
【0007】(2)対向配置され上下にそれぞれ開閉弁
を有する少なくとも一対の採水容器と、両端部にカムを
有し少なくとも一部が案内筒内に収容されてこの案内筒
内に封入された液体により所定の位置に保持され、液体
を排出することにより移動して前記開閉弁を開閉する弁
駆動手段と、設定深度における周囲海水との圧力差を利
用して弁駆動手段の液体を徐々に排水する排水手段とを
備えたものである。
【0008】(3)上下に球状弁からなる開閉弁を有す
る採水容器と、球状弁を上下に移動させる開閉手段、シ
リンダ内に介装されたばねにより所定の位置に保持さ
れ、シリンダ内に封入された液体を排水して移動するピ
ストン、このピストンの移動を開閉手段に伝達する伝達
手段からなる弁駆動手段と、ピストンを所定の位置にロ
ックし、設定深度における周囲海水との圧力差を利用し
てロックを自動的に解除するロック手段とを備えたもの
である。
【0009】(4)上下に回転ボール弁からなる開閉弁
を有する採水容器と、回転ボール弁を回転させる回転手
段、シリンダ内に介装されたばねにより所定の位置に保
持され、シリンダ内に封入された水を排水して移動する
ピストン、このピストンの移動を回転手段に伝達する伝
達手段からなる弁駆動手段と、ピストンを所定の位置に
ロックし、設定深度における周囲海水との圧力差を利用
してロックを自動的に解除するロック手段とを備えたも
のである。
【0010】(5)また、上記(1),(3)又は
(4)におけるロック手段は、ピストンを有し弁駆動手
段又はピストンに連結されるフック棒と、液体が封入さ
れピストンが収容されるシリンダと、大気圧に保持され
た大気圧容器と、この大気圧容器とシリンダを接続する
導水管と、導水管に設けられ設定深度において自動的に
開放される水深感知自動開弁とによって構成したもので
ある。
【0011】
【0012】
【0013】
【作用】(1)採水容器の開閉弁を閉じ、弁駆動手段を
ロックした状態で自動採水装置を海中に投下する。下降
した自動採水装置が設定深度に達するとロックが解除さ
れ、案内筒内の水がばねの力により徐々に排出されてカ
ムが下降し、開閉弁を開放する。これにより設定深度に
おける海水が採水容器内に流入する。カムがさらに下降
すると開閉弁は再び閉じられ、海水の採水作業が終了す
る。
【0014】(2)採水容器内の開閉弁を閉じ、カムが
所定の位置に保持された状態で自動採水装置を海中に投
下する。下降した自動採水装置が設定深度に達すると、
周囲海水との圧力差により案内筒内の液体が徐々に排出
され、カムが下降して開閉弁を開放する。これにより設
定深度における海水が採水容器内に流入する。カムがさ
らに下降すると開閉弁は再び閉じられ、海水の採水作業
が終了する。
【0015】(3)開閉弁を閉じ、駆動手段のピストン
をロックした状態で自動採水装置を海中に投下する。下
降した自動採水装置が設定深度に達すると、周囲海水と
の圧力差によりピストンのロックが解除され、シリンダ
内に封入された液体が徐々に排水されてピストンが移動
し、その移動が開閉手段に伝達されて球状弁を上下方向
に移動させ、開閉弁を開放する。これにより設定深度に
おける海水が採水容器内に流入する。ピストンがさらに
移動すると球状弁は反対方向に移動して開閉弁が再び閉
じられ、海水の採水作業が終了する。
【0016】(4)開閉弁を閉じ、ピストンを所定の位
置にロックした状態で自動採水装置を海中に投下する。
下降した自動採水装置が設定深度に達すると、周囲海水
との圧力差によりピストンのロックが解除され、シリン
ダ内に封入された液体が徐々に排水されてピストンが移
動し、その移動が回転手段に伝達されてボール弁を回転
させ、開閉弁を開放する。これにより設定深度における
海水が採水容器内に流入する。ピストンがさらに移動し
てボール弁が回転すると開閉弁は再び閉じられ、海水の
採水作業が終了する。
【0017】上記(1),(3)又は(4)のロック手
段は、海中に投下した自動採水装置が設定深度に達する
と、その周囲圧力により水深感知自動開弁が開放され
る。これによりシリンダ内の液体が導水管を介して大気
圧容器内に流れるので、ピストンは周囲圧力によってシ
リンダ内を前進し、フック棒が弁駆動手段又はピストン
から離れ、ロックが解除される。
【0018】また、本発明に係る深海水の自動採水方法
は、自動採水装置に浮力材及び錘りを付して海中に投下
し、設定深度に達するとロックを解除して弁駆動手段を
作動させ、開閉弁を開放して採水容器に海水を採水した
のち再び開閉弁を閉じ、ついで周囲海水との圧力差を利
用して錘りを投棄し、自動採水装置を浮上させるように
したものである。
【0019】
【実施例】
実施例1 図1は本発明に係る自動採水装置の第1の実施例の説明
図である。図において、1は本実施例に係る自動採水装
置で、2は弁開閉機構が収容された案内筒である。15
a,15bは案内筒2の外周にブラケットを介して取付
けられ、採水した海水を収容する金属材料からなる1本
又は複数本(図には2本の場合が示してある)の採水容
器で、その上部及び下部には軟質管材16a,16bが
連結され、出口弁17及び入口弁18が形成されてい
る。
【0020】案内筒2において、3,4は出口弁17及
び入口弁18を開閉するカムで、ロッド5の両端部に一
体に連結されており、ロッド5のカム3側にはピストン
6が固定されている。7は案内筒2の下部に設けた隔壁
8とピストン6との間に介装された圧縮ばねで、ロッド
5、したがってカム3,4を常時下方に付勢している。
9は案内筒2内に設けられたピストン6の下限を規制す
るストッパである。なお、ピストン6と隔壁8との間に
は水が入れられており、ピストン6の下降に伴ってオリ
フィス10から排水され、出口弁17及び入口弁18の
開閉時間を調整する。
【0021】出口弁17及び入口弁18は同一構造のピ
ンチバルブ方式のもので、その一例を図2、図3に示
す。20はケース、21は日字状の第1の可動部材で、
ほぼ中央部にはカム3の一方の側壁に当接するカムフォ
ロワ24が設けられており、一方の端部22の内縁は採
水容器15aの軟質管材16aの外側壁に当接し、他方
の端部23の外縁は採水容器15bの軟質管材16bの
内側壁に当接している。25は第1の可動部材21とほ
ぼ同じ構造の第2の可動部材で、カムフォロワ28はカ
ム3の他方の側壁に当接し、一方の端部26の外縁は軟
質管材16aの内側壁に、他方の端部の内縁は軟質管材
16bの外側壁にそれぞれ当接している。29はケース
20と第1の可動部材21との間に介装されたばね、3
0はケース20と第2の可動部材25との間に介装され
たばねで、第1、第2の可動部材21,25を互いにカ
ム3方向に付勢し、カムフォロワ24,28をカム3
(ロッド5)に圧着すると共に、それぞれの端部22と
26、23と27により軟質管材16a,16bを圧縮
している。
【0022】上記のように構成した出口弁17(入口弁
18)において、図2の状態ではカム3は上方にあり、
第1、第2の可動部材21,25はばね29,30によ
り互いにカム3側に付勢され、軟質管材16a,16b
は第1、第2の可動部材21,25の端部22と26、
23と27により圧縮され、封止されている。カム3が
下降すると、図3に示すように、第1、第2の可動部材
21,25はばね29,30に抗して互いに反対方向に
移動する。この結果、第1、第2の可動部材21,25
の端部22と26、23と27はそれぞれ軟質管材16
a,16bから離れ、軟質管材16a,16bは元の状
態に戻る。
【0023】再び図1において、31はカム3に設けた
支持棒11に係止して懸垂し、カム3,4を初期位置に
保持するフック棒で、一端にはピストン32が設けら
れ、シリンダ33内に収容されている。34は大気圧容
器、35はシリンダ33と大気圧容器34を接続する導
水管、36は導水管35に設けられた水深感知自動開弁
である。なお、シリンダ33内には水が収容されてい
る。
【0024】次に、上記のように構成した本実施例の作
用を、図1〜6を用いて説明する。先ず、母船上で図1
の状態にセットする。このとき、採水容器15a,15
b内に滅菌海水を充填しておけば、採水までの間、採水
容器15a,15b内の汚染を防ぐことができる。ま
た、オリフィス10を採水深度においてカム3,4が下
降したときに、案内筒2内の水が徐々に排水されるよう
に排水量を調整すると共に、水深感知自動開弁36を、
採水深度(設定深度)の水圧によって開放するように調
整する。
【0025】ついで、図6に示すように、自動採水装置
1に浮力材41と錘り42をつけて海中に投下する。自
動採水装置1が下降して設定深度に達すると、水深感知
自動開弁36が開いて、図4に示すように、シリンダ3
3内の水が導水管35を通って大気圧に保たれている大
気圧容器34内に流入し、ピストン32がその圧力差に
よりシリンダ33内を後退してフック31が移動し、カ
ム3,4の支持棒11はフック棒31から外れる。
【0026】これにより、ピストン6(したがってカム
3,4)は圧縮ばね7の力とガイド管2内の水の排水量
とに対応して徐々に下降し、図3に示すように出口弁1
7及び入口弁18を開放する。両弁17,18が開放さ
れると、入口弁18から採水容器15a,15b内に設
定深度の海水が浸入し、内部に充填されていた滅菌海水
を出口弁17から排出する。このときの状態を図4に示
す。
【0027】ピストン6、したがってカム3,4がさら
に下降して下限に近付くと図5に示すようにカムフォロ
ワ24,28がカム3,4から外れ、出口弁17及び入
口弁18が閉じられ(図2参照)、海水は採水容器15
a,15b内に封止され、採水を完了する。なお、ピス
トン6はストッパ9に当って停止し、カム3,4はその
位置に保持される。採水が終ったときは、図6に示すよ
うに錘り42を投棄すれば、自動採水装置1は浮力材4
1の浮力によって浮上し、採水が完了する。錘りの投棄
には種々の手段が考えられるが、例えば本実施例のカム
3,4の支持棒11をフック棒31らか切り離す機構な
ども採用することができる。なお、錘り42の投棄深度
は、採水深度より必ず深く設定することが必要である。
【0028】自動採水装置1の回収については本発明と
は直接関係ないが、母船上からの探知器による追跡、自
動採水装置1の浮力材41に設けた音波、光等の信号発
信器による探知、あるいは浮力材41に母船からの信号
を感知して母船付近に浮上するような自動操縦装置を搭
載するなど、実用的な各種の回収方法を採用することが
できる。
【0029】実施例2 図7は本発明の第2の実施例の断面図である。なお、第
1の実施例(図1〜図5)と同じ部分にはこれと同じ符
号を付し、説明を省略する。2aは出口弁17を開閉す
るカム3が収容された第1の案内筒、2bは入口弁18
を開閉するカム4が収容された第2の案内筒で、この第
2の案内筒2bには、カム3,4を連結するロッド5に
設けたピストン6が収容されたシリンダ2cが設けられ
ており、シリンダ2c内には水が封入されている。34
は大気圧容器、37はシリンダ2cの下部と大気圧容器
34を接続する導水管、36は導水管37に設けられた
水深感知自動開弁、10は水深感知自動開弁36と大気
圧容器34の間において、導水管37に設けられたオリ
フィスである。なお、出口弁17と入口弁18の構成及
び作用は第1の実施例の場合と同じである。
【0030】本実施例においては、母船上でシリンダ2
cに水を封入してピストン6、したがってカム3,4を
上昇させ、出口弁17及び入口弁18を閉状態に保持す
る。なお、このとき、採水容器15a,15b内には滅
菌海水を充填する。また、水深感知自動開弁36を設定
深度の水圧によって開放するように調整すると共に、オ
リフィス10の排水量を調整する。
【0031】上記のようにセットした自動採水装置1に
図6で説明したように浮力材41及び錘り42をつけて
海中に投下する。そして設定深度に達すると水深感知自
動開弁36が開き、シリンダ2c内の水がオリフィス1
0を介して徐々に大気圧容器34内に流出する。これに
より、ピストン6が徐々に下降し、図7に示すように、
出口弁17、入口弁18を開放して採水容器15a,1
5b内に海水を導入する。そして、ピストン6が下限付
近に達すると出口弁17及び入口弁18は再び閉じら
れ、海水は採水容器15a,15b内に封入される。
【0032】上記のような本実施例においては、第1の
実施例における案内筒2内のばね7を省略すると共に、
カム3,4を懸垂するフック棒31及びシリンダ33を
省略したので、構造を簡素化することができる。
【0033】実施例3 図8は本発明の第3の実施例の斜視図である。図におい
て、15は採水容器で、その上下には出口弁41及び入
口弁42が設けられている。この出口弁41及び入口弁
42は弾性材料からなる球形状あるいは卵形状の弁体4
3,44と、弁体43,44に取付けられたロッド4
5,46とからなっている。47,48は採水容器15
内に固定されたロッド45,46の案内部材である。
【0034】50は採水容器15のほぼ中央部に設けら
れた弁駆動部で、採水容器15内には弁開閉ディスク5
1が設置されている。この弁開閉ディスク51は図9に
示すように軸52に固定された2枚の円板53a,53
bからなり、両円板53a,53b間の対向位置に設け
られたピンには弁体43,44のロッド45,46の他
端が回転可能に連結されている。54は採水容器15か
ら取出された弁開閉ディスク51の軸52に取付けられ
たプーリである。
【0035】55はシリンダ、56はピストン、59は
ピストン56とシリンダ55との間に介装された圧縮ば
ね、60はシリンダ55の下部に接続された排水用のオ
リフィスである。31はピストンロッド57の先端部5
8に着脱自在に装着されるフック棒で、ピストン32を
備えている。61はフック棒31の受け座である。33
はピストン32が収容されたシリンダ、34は大気圧容
器、35はシリンダ33と大気圧容器34を接続する導
水管、36は導水管35に設けられた水深感知自動開弁
である。なお、シリンダ55及び33には水が入れられ
ている。62は一端がピストンロッド57の下端部又は
ピストン56に固定されたワイヤで、プーリ54に巻か
れたのち他端がピストンロッド57の上端部に固定され
ている。
【0036】次に、上記のように構成した本実施例の作
用を図8〜図12を参照して説明する。先ず、母船上で
シリンダ55と33に水を入れてピストン56,32を
上限付近に位置させ、ピストンロッド57をフック棒3
1に連結すると共に、水深感知自動開弁36を設定深度
に調整し、また、オリフィス60の排水量を調整する。
これにより、出口弁41及び入口弁42は採水容器15
の上下を閉塞する。なお、採水容器15には滅菌海水を
封入する(このときの状態を図10に示す)。
【0037】セットが終って海中に投下された自動採水
装置1が設定深度に達すると、水深感知自動開弁36が
開き、シリンダ33内の水が大気圧容器34内に流入す
るため、ピストン32は水圧によって後退し、フック棒
31がピストンロッド57から外れる。これにより、ピ
ストン56はシリンダ55内の水の排水量に対応して徐
々に下降する。
【0038】ピストン56が下降すると、ワイヤ62が
巻かれたプーリ54は、図11に示すように矢印方向に
回転し、この回転は軸52を介してディスク51を矢印
方向に回転させる。ディスク51の回転に伴ないこれに
連結したロッド45は上方に、ロッド46は下方に移動
し、弁体43,44を採水容器15の両端部から離脱さ
せ、採水容器15内に海水を導入する。さらにピストン
56が下降してディスク51が回転すると、図12に示
すようにロッド45は下方に、ロッド46は上方に移動
して弁体43,44は再び採水容器15の両端部を閉
じ、海水を採水容器15内に封止する。
【0039】実施例4 本実施例は、上記の第3の実施例において、ワイヤ62
を省略してピストン56に直接又はピストンロッド57
にラックを設けると共に、プーリ54に代えてラックに
噛合うピニオンを設けたものである。このように構成し
ても、第3の実施例と同様の作用効果を奏することがで
きる。
【0040】実施例5 図13は本発明の第5の実施例を示す斜視図である。な
お、第3の実施例(図8〜図12)と同じ部分にはこれ
と同じ符号を付し、説明を省略する。65は採水容器1
5の上部に設けられた出口弁、66は採水容器15の下
部に設けられた入口弁で、これら出口弁65及び入口弁
66は、貫通穴を有する球状の弁体71,72と、採水
容器15に設けられた弁座69,70とからなるボール
弁によって構成されている。73,74は弁体71,7
2に固定された軸、75,76は採水容器15外におい
て軸73,74に取付けられたプーリである。62は一
端がシリンダ55内に配設されたピストン56に固定さ
れ、プーリ75,76に掛けられたのち、他端がシリン
ダ55に固定されたワイヤ、63はワイヤ62に固定さ
れた係止片である。
【0041】上記のような本実施例において、初期状態
では、シリンダ55内に水が入れられてピストン56は
上限位置にあり、ワイヤ62に設けた係止片63がフッ
ク棒31に係止してピストン56はその位置に保持され
る。また、ピストン56の上昇によってワイヤ62が巻
かれたプーリ75,76は矢印a方向に回転し、これに
連結された弁体71,72の貫通穴は採水容器15と直
交した位置にあり、採水容器15の出口及び入口を閉塞
しているる
【0042】海中に投下された自動採水器1が設定深度
に達すると、水深感知自動開弁36が作動してフック棒
31が後退し、係止片63から離脱する。これにより、
ピストン56は徐々に下降し、ワイヤ62を介してプー
リ75,76を矢印b方向に回転させ、弁体71,72
を回動させて貫通穴と採水容器15内とを連通させ、採
水容器15内に海水を導入する。さらにピストン56が
下降すると、弁体71,72の回動に伴なって採水容器
15の出入口は徐々に閉塞され、ピストン56が下限に
達したときは弁体71,72は180°回動し、出入口
を完全に閉塞して海水を採水容器15内に封止する。
【0043】上記の各実施例において、出口弁及び入口
弁にはピンチバルブ方式、球状弁方式、回転弁方式を用
いた場合を示したが、本発明はこれに限定するものでは
なく、弁駆動装置の一行程において、閉−開−閉の三位
置が実現できるものであれば、他の方式の弁を使用して
もよい。また、各実施例はそれぞれ独立して実施するこ
とができるが、これらを構成する各部を適宜組合せて実
施することもできる。
【0044】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明に係る自動
採水装置は、対向配置され上下にそれぞれ開閉弁を有す
る少なくとも一対の採水容器と、両端部にカムを有し案
内筒内に収容されてばねにより下方に付勢されており、
前記案内筒内に封入された液体を排水して徐々に移動す
ることにより前記開閉弁を開閉する弁駆動手段と、該弁
駆動手段を所定の位置に保持してロックし、設定深度に
おける周囲海水との圧力差を利用して該ロックを自動的
に解除するロック手段とによって構成し、設定深度にお
いて自動的に海水を採水するようにしたので、構造が簡
単で索が不要であり、大型かつ高価な索の取扱装置も不
要になる。このため、索の捩れや破損などのトラブルが
発生せず、採水作業時間を大幅に短縮でき、設備費や作
業費用を節減することができる。
【0045】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動採水装置の第1の実施例の断
面図である。
【図2】図1の開閉弁の一例の構成説明図である。
【図3】図2の作用説明図である。
【図4】第1の実施例の作用説明図である。
【図5】第1の実施例の作用説明図である。
【図6】本発明の自動採水装置による深海水の採取方法
の説明図である。
【図7】本発明の第2の実施例の構成説明図である。
【図8】本発明の第3の実施例の構成を説明する斜視図
である。
【図9】図8の弁開閉ディスクの一例の斜視図である。
【図10】第3の実施例の作用説明図である。
【図11】第3の実施例の作用説明図である。
【図12】第3の実施例の作用説明図である。
【図13】本発明の第5の実施例の構成を説明する斜視
図である。
【符号の説明】
1 自動採水装置 2 案内筒 3,4 カム 6 ピストン 7,59 圧縮ばね 15,15a,15b 採水容器 16a,16b 軟質管材 17,41,65 出口弁 18,42,66 入口弁 31 フック棒 32,56 ピストン 33,55 シリンダ 34 大気圧容器 35 導水管 36 水深感知自動開弁 41 浮力材 42 錘り 43,44 球状弁 51 弁開閉ディスク 54,75,76 プーリ 57 ピストンロッド 62 ワイヤ 71,72 ボール弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−190739(JP,A) 特開 昭58−44326(JP,A) 実開 昭64−50341(JP,U) 特公 昭28−2547(JP,B1) 特公 昭61−34085(JP,B2) 実公 昭58−25330(JP,Y2) 実公 昭56−9971(JP,Y2) 山田敏夫,“機器性能の現状と問題 点”,深海微生物の探索・培養のための 基盤技術に関する調査報告書,日本,科 学技術庁研究開発局,1988年 6月, p.210−212 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 1/00 - 1/44 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向配置され上下にそれぞれ開閉弁を有
    する少なくとも一対の採水容器と、 両端部にカムを有し案内筒内に収容されてばねにより下
    方に付勢されており、前記案内筒内に封入された液体を
    排水して徐々に移動することにより前記開閉弁を開閉す
    る弁駆動手段と、 該弁駆動手段を所定の位置に保持してロックし、設定深
    度における周囲海水との圧力差を利用して該ロックを自
    動的に解除するロック手段とを備えたことを特徴とする
    自動採水装置。
  2. 【請求項2】 対向配置され上下にそれぞれ開閉弁を有
    する少なくとも一対の採水容器と、 両端部にカムを有し少なくとも一部が案内筒内に収容さ
    れて該案内筒内に封入された液体により所定の位置に保
    持され、該液体を排出することにより移動して前記開閉
    弁を開閉する弁駆動手段と、 設定深度における周囲海水との圧力差を利用して前記弁
    駆動手段の液体を徐々に排水する排水手段とを備えたこ
    とを特徴とする自動採水装置。
  3. 【請求項3】 上下に球状弁からなる開閉弁を有する採
    水容器と、 前記球状弁を上下に移動させる開閉手段、シリンダ内に
    介装されたばねにより所定の位置に保持され、該シリン
    ダ内に封入された液体を排水して移動するピストン、該
    ピストンの移動を前記開閉手段に伝達する伝達手段から
    なる弁駆動手段と、 該駆動手段のピストンを所定の位置にロックし、設定深
    度における周囲海水との圧力差を利用して該ロックを自
    動的に解除するロック手段とを備えたことを特徴とする
    自動採水装置。
  4. 【請求項4】 上下にボール弁からなる開閉弁を有する
    採水容器と、 前記ボール弁を回転させる回転手段、シリンダ内に介装
    されたばねにより所定の位置に保持され、該シリンダ内
    に封入された水を排水して移動するピストン、該ピスト
    ンの移動を前記回転手段に伝達する伝達手段からなる弁
    駆動手段と、 前記ピストンを所定の位置にロックし、設定深度におけ
    る周囲海水との圧力差を利用して該ロックを自動的に解
    除するロック手段とを備えたことを特徴とする自動採水
    装置。
  5. 【請求項5】 前記ロック手段は、ピストンを有し前記
    弁駆動手段又はピストンに連結されるフック棒と、液体
    が封入され前記ピストンが収容されるシリンダと、大気
    圧に保持された大気圧容器と、該大気圧容器と前記シリ
    ンダを接続する導水管と、該導水管に設けられ設定深度
    において自動的に開放される水深感知自動開弁とによっ
    て構成したことを特徴とする請求項1、3又は4記載
    自動採水装置。
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