JP3370970B2 - 繊維状物質・微粒子捕獲分離方法とその装置 - Google Patents
繊維状物質・微粒子捕獲分離方法とその装置Info
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Description
質・微粒子捕獲分離方法との装置に関するものである。
さらに詳しくは、この出願の発明は、管路中心近傍に線
状物質を配置し、スパイラルフローにより繊維状物質も
しくは微粒子を捕獲もしくは分離する繊維状物質・微粒
子捕獲分離方法とその装置に関するものである。
水を扱う排水路、および、化学処理プラントなどの各種
管路には、ペットボトル、煙草の吸い殻、髪の毛などの
多数の生活ゴミが流入し、生活環境が脅かされている。
さらには、このような生活環境の悪化だけではなく、デ
ィーゼルエンジンや煙突からは有害粒子が数多く排出さ
れ、地球環境をも悪化の一途をたどっている。
離する方法は、生活環境や地球環境を維持していく上で
必要不可欠であり、特に、髪の毛などの繊維状物質や有
害な微粒子の捕獲分離は、技術的に重要な課題であるこ
とから、これまでにも様々な工夫が試みられている。
て、従来一般的には、多孔フィルターが用いられてい
る。多孔フィルターを流れに対して配置し、フィルター
の孔よりも大きな繊維状物質や微粒子を捕獲し、フィル
ターの孔よりも小さな流体を通過させることにより、繊
維状物質や微粒子を捕獲分離するものである。
を用いた繊維状物質・微粒子捕獲分離方法は、流れに対
して多孔フィルターが設置されるため、流体抵抗が非常
に大きく、流体工学的な観点からすると、決して効率的
な方法ではない。また、このような方法では、フィルタ
ーに繊維状物質・微粒子が捕獲されると、フィルター孔
は目詰まりを起こし、ますます流体抵抗が大きくなって
しまう。
行くに従って、フィルター孔を粗のものから密のものに
多段で配置し、繊維状物質・微粒子を段階的に捕獲する
方法が提案されている。しかしながら、このような多段
フィルター方式は、流体抵抗の低減およびフィルター孔
の目詰まり回避をある程度実現できるものの、その装置
は大規模となってしまうという大きな問題がある。さら
に、髪の毛などの繊維状物質は、水・油と混在するとシ
ート状になってしまうことがあり、多段フィルター方式
を採用しても、容易に目詰まりを起こしてしまう。その
結果、特に生活排水を処理する下水処理場では、依然と
して有効な繊維状物質・微粒子の捕獲分離の方法が確立
されていないのが実情である。
・微粒子だけではなく、例えば、ディーゼルエンジン、
化学処理プラント、煙突などから排出される微粒子につ
いても、その分離捕獲は重要なプロセスである。これま
で、微粒子は、セラミックフィルターで捕獲され、電気
処理などにより燃焼処理しているが、セラミックフィル
ターの孔は、非常に緻密なものであり、流体抵抗は大き
くなってしまう。その結果、負荷が掛かり、結局のとこ
ろ、有害物質の増大、さらには環境負荷を招いてしま
う。
みてなされたものであり、フィルターを用いることな
く、髪の毛などの繊維状物質や微粒子であっても、低い
流体抵抗で効果的に捕獲分離することを可能とする、新
しい繊維状物質・微粒子捕獲分離方法とその装置を提供
することを課題としている。
のとおりの課題を解決するものとして、第1には、管路
内の軸中心部に線状体を配置し、管路内にスパイラル流
体を流し、管路内の繊維状物質もしくは微粒子を線状体
上に捕獲して管路内より分離することを特徴とする繊維
状物質・微粒子捕獲分離方法を提供する。
体にマイナスまたはプラスの電荷をあらかじめ与えるこ
とを特徴とする前記の繊維状物質・微粒子捕獲分離方法
を、第3には、スパイラル流により繊維状物質もしくは
微粒子を捕獲分離するための装置であって、管路内での
スパイラル流の生成部と、線状体の端部を管路内軸中心
もしくはその近傍へ固定する固定部とを備えたことを特
徴とする繊維状物質・微粒子捕獲分離装置をも提供す
る。
フロー内の物質が渦芯に収れんする性質を利用し、流体
抵抗を増大させることなく、流れに対し平行に配置され
た線状体により、繊維状物質・微粒子を捕獲分離するこ
とに大きな特徴がある。
特徴をもつものであるが、以下に、その実施の形態につ
いて説明する。
てその概要を説明すると、たとえば図1に例示したよう
に、この発明では、空気や水等の流体のスパイラル流、
より好ましくは軸中心への収れん性の高いコアンダスパ
イラル流(A)により繊維状物質もしくは微粒子(B)
を、管路(C)内において捕獲分離するにあたり、この
管路(C)内の軸中心部に紐やロープなどの線状体
(D)を配置して捕獲分離する。
周囲において渦が発生し、この渦が管路中心軸部の静圧
を低下させて、コアンダスパイラル流(A)のもつ急峻
な管路中心軸部の軸速度分布をより急峻とし、かつ、図
1に示したような特異な断面速度分布(E)を生じる。
の発生によって、繊維状物質や微粒子は、管軸中心部に
位置決めされた状態で管路内を搬送される。位置決めさ
れたこれらの物質は、線状体の半径方向への微振動によ
り線状体と接触し、電気極性などの物理吸着、あるいは
化学吸着、さらには、繊維状の線状体への流体力による
絡まり現象により、線状体に捕獲(F)される。
イナスまたはプラスの電荷を与えてもよく、その電荷の
大きさと種類は、捕獲分離する繊維状物質・微粒子に依
存する。また、線状体は各種の素材からなるものでよ
く、たとえば天然、もしくは合成の樹脂からなる糸状
体、線状体、ロープ、あるいは金属やそれらの複合体の
各種のものでよい。ただ、この線状体(D)について
は、軸中心の速度分布を形成するためにも、コアンダス
パイラル流(A)が流れている状態においては、その進
行方向の管路(C)内の軸中心部に浮いた状態にあるこ
と、もしくは軸中心部に張設された状態にあることが必
要となる。このような観点より、素材やその重量、配設
方法が定められることになる。
を構成する流体は、空気や水をはじめ、窒素ガス、炭酸
ガス、希ガス等の不活性ガスやあるいは捕獲分離過程に
おいて繊維状物質や微粒子(B)等と反応させるための
反応性ガスなどの任意の流体であってよい。
体(D)と効率よく接触するために、線状体は、表面が
毛羽立って表面積が大きいものを選んでもよい。
スパイラル流(A)以外のスパイラル流であってもよい
が、特異なスパイラル流としてのコアンダスパイラル流
(A)は、その生成と利用のための技術がこの出願の発
明者によってはじめて創案されたものであって、この出
願の発明において効果的に適用されることになる。
のスリット部から管路進行方向に向けて圧縮流を噴出さ
せ、漸縮小管路を経由して管路へと導くことにより、強
制的な旋回ベクトルを与えることなしに生成された自由
渦流としての旋回流であって、しかも軸中心に急峻な速
度分布をもつ流れを形成するという特徴を有している。
気体供給圧力については特に限定はない。実際の捕獲分
離の態様として定めればよいからである。
めの装置については、前記のように管路とともに、管路
内でのコアンダスパイラル流の生成部、線状体の端部を
管路内軸中心もしくはその近傍へ着脱自在に固定する固
定部とを備える。
もう一方の端部、すなわち管路の流出口側の端部は、自
由端としておいてよいし、固定端としておいてもよい。
好ましくはこの場合にも、線状体は流れにおいて振動の
自由度があるようにするのが好ましい。
合には、管路の湾曲部に相当する線状体の位置には、薄
片磁性体を付着したり、磁性粉を混入したり、あるいは
磁性塗料でコーティングし、管路の外部に設けた磁石に
よって力を与えることができる。こうすることにより線
状体は、管路の湾曲部において管路中心部に配置するこ
とができる。
した線状体(D)は、適宜に、あるいは定期的に管路
(C)より取りはずすことで、付着した繊維状物質もし
くは微粒子を廃棄もしくは回収した後に再利用すること
が可能となる。もちろん再利用することなく処分しても
よい。
て詳しく説明する。
平均粒径20μmの炭素粒子を、スパイラル空気流によ
り搬送してその捕獲率を測定した。
なり、配管内の空気圧力は2Kg/cm2 、平均流速5
m/s、固気比0.1であり、100μmの金属繊維か
らなる直径5mmのより線を、毛羽立たせて線状体とし
て管路内に挿入した。この線状体は、あらかじめ、マイ
ナスの電荷(50V)を与え、管路の両端において固定
した。
コアンダスパイラル流内の微粒子と乱流内の微粒子の挙
動について観察した。コアンダスパイラル流の場合、挿
入した炭素粉末は、その初期搬送速度約4m/sで、線
状体を軸として線状に回転しながら、線状体に絡まるよ
うに螺旋パターンを描きながら搬送され、線状体に付着
し捕獲された。これは、線状体と流体流の速度差により
線状体近傍に渦が発生し、線状体近傍の静圧が低くな
り、かつ、渦芯近傍に位置決めされた金属繊維による電
荷勾配で、炭素粒子が金属線に引き寄せられたためであ
る。一方、乱流の場合は、炭素粒子は管路全体に分散し
搬送され、ほとんど捕獲分離はできなかった。線状体は
流体の影響を受け、半径方向に振動し、鋸波形を示し
た。これは、乱流の乱れを線状体の自励振動が炭素粒子
を管路全体に拡散させていることに起因すると思われ
る。
の線状体を用いて、微粒子の捕獲率を測定した。その結
果は、表1に示した通りであり、例えば、長さ2mの線
状体を用いた場合、乱流では5%しか炭素粒子を捕獲で
きなかったが、コアンダスパイラル流では20%も炭素
粒子を捕獲することができた。
スパイラル水流により髪の毛を搬送しその捕獲率を測定
した。
力は2Kg/cm2 、平均水流速2m/s、固気比およ
そ0.1とし、被搬送物は髪の毛とした。線状体は直径
5mmの麻ロープを用いた。
状物質と、乱流内の繊維状物質の挙動について観察し
た。コアンダスパイラル流の場合、髪の毛は線状体を軸
として平行に位置決めされ回転しながら、線状体に対し
て螺旋パターンを描きながら搬送され、線状体に絡まり
つき捕獲された。
繊維を管軸に平行に位置決めする現象と、線状体と流体
流の速度差により線状体近傍に渦が発生し線状体近傍の
静圧が低くなる相乗効果により起こる。また、スパイラ
ルフローと線状体は微細な自励振動を受け、その結果、
線状体近傍において髪の毛の流れに乱れが生じ線状体に
絡まった。
み合い搬送され、一部は線状体に絡まりついたが、ほと
んどは線状体に絡みつくことはなかった。線状体は流体
の影響を受け半径方向に振動し鋸波形を示した。これ
は、乱流の乱れと線状体の自励振動に起因すると思われ
る。
の線状体を用いて、髪の毛の捕獲率を測定した。その結
果は、表2に示した通りであり、例えば、長さ2mの金
属線状体を用いた場合、乱流では30%しか髪の毛を捕
獲できなかったが、コアンダスパイラル流では50%も
髪の毛を捕獲することができた。
より、フィルターを用いることなく、髪の毛などの繊維
状物質や微粒子であっても、低い流体抵抗で捕獲して管
路内より分離することが可能となる。
Claims (3)
- 【請求項1】 管路内の軸中心部に線状体を配置し、管
路内にスパイラル流体を流し、管路内の繊維状物質もし
くは微粒子を線状体上に捕獲して管路内より分離するこ
とを特徴とする繊維状物質・微粒子捕獲分離方法。 - 【請求項2】 線状体にマイナスまたはプラスの電荷を
あらかじめ与えることを特徴とする請求項1の繊維状物
質・微粒子捕獲分離方法。 - 【請求項3】 スパイラル流により繊維状物質もしくは
微粒子を捕獲分離するための装置であって、管路内での
スパイラル流の生成部と、線状体の端部を管路内軸中心
もしくはその近傍へ固定する固定部とを備えたことを特
徴とする繊維状物質・微粒子捕獲分離装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000144044A JP3370970B2 (ja) | 2000-05-16 | 2000-05-16 | 繊維状物質・微粒子捕獲分離方法とその装置 |
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