JP3368872B2 - エコーキャンセラ - Google Patents

エコーキャンセラ

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JP3368872B2
JP3368872B2 JP22609099A JP22609099A JP3368872B2 JP 3368872 B2 JP3368872 B2 JP 3368872B2 JP 22609099 A JP22609099 A JP 22609099A JP 22609099 A JP22609099 A JP 22609099A JP 3368872 B2 JP3368872 B2 JP 3368872B2
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエコーキャンセラに
係わり、詳細には送信信号が受信側に回り込むエコー信
号を除去するエコーキャンセラに関する。
【0002】
【従来の技術】非対称ディジタル加入者線(Asymmetric
Digital Subscriber Line:以下、ADSLと略す。)
伝送方式は、既設の1本の電話回線を用いて、上り方向
と下り方向とで異なる伝送速度を有するデータ通信シス
テムを提供する。実際には1本の電話回線を用いて、デ
ータだけではなく、電話とデータ通信の両方に利用する
ことができる。以下、このようなADSL伝送方式によ
るデータ通信システムをADSLシステムという。AD
SLシステムは、例えば相互に複数のコンピュータネッ
トワーク同士が接続されたインターネット(the Intern
et)あるいはビデオ・オン・デマンド(Video On Deman
d:VOD)サービスといった端末側一方のみで大容量
のデータを受信するサービスの提供に適している。
【0003】国際電気通信連合電気通信標準化部門(In
ternational Telecommunication Union-Telecommunicat
ion Standardization Sector:ITU−T)や米国規格
協会(American National Standards Institute:AN
SI)などの標準化団体により、ADSL伝送方式の標
準仕様の1つとして、DMT(Discrete MultiTone)方
式が規定されている。DMT方式は、データを数ビット
ごとに組み合わせて各キャリアに割り当て、複数のキャ
リアを多重化して送受信を行うマルチキャリア伝送方式
の一種である。送信データは、直交振幅変調(Quadratu
re Amplitude Modulation:QAM)され、各キャリア
に配置される。配置された複数のキャリアの多重化は、
高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:以下、F
FTと略す。)を用いる。
【0004】全二重化通信方式としては、周波数分割多
重(Frequency Division Multiplex:FDM)方式とエ
コーキャンセラ(Echo Canceller:以下、ECと略
す。)方式とがある。FDM方式は、上り方向と下り方
向とで使用する周波数帯域を完全に分割して、全二重化
通信を実現し、良好な伝送特性を得る。これに対してE
C方式は、上り方向と下り方向とで使用する周波数帯域
を重複させて、全二重化通信を実現し、帯域使用効率を
高める。重複した周波数帯域の上り方向と下り方向の信
号は、ECにより分離する。EC方式は、FDM方式と
比較して、帯域使用効率は高いが、分離処理等に必要な
演算の規模が増加することに加えて、厳しいエコー抑圧
特性が求められる。
【0005】従来、ADSLシステムにおけるECとし
ては、例えば米国特許第5,317,596号“METHOD
AND APPARATUS FOR ECHO CANCELLATION WITH DISCRETE
MULTITONE MODULATION”(May 31,1994, John M.Cioff
i,A.C.Bingham)で開示されているような周波数域EC
と時間域ECを併用したECが提案されている。
【0006】図3は、従来提案されたECを適用したA
DSLシステムにおける送受信装置の構成の概要を表わ
したものである。ここでは、送信帯域と比較して受信帯
域が広いADSLシステムに適用される送受信装置を示
す。この送受信装置は、線路10を介して対向する図示
しない別の送受信装置と接続されている。線路10に
は、送信部11と受信部12とが、ハイブリッドトラン
ス13を介して接続されている。線路10は、既設の電
話回線に用いられる、メタリック・ケーブルである。ハ
イブリッドトランス13は、線路10と送信部11およ
び受信部12とを電磁的に結合するトランスによって、
2線−4線変換を行う。これにより、送信部11からの
送信信号は、ハイブリッドトランス13を介して線路1
0へ送出される。また、線路10からの受信信号は、ハ
イブリッドトランス13を介して受信部12で受信され
る。しかし、この際、受信部12で受信される受信信号
に、ハイブリッドトランス13を介して送信部11から
の送信信号のエコーが回り込んでしまうため、受信部1
2においてこのエコーを抑圧するEC14が設けられて
いる。
【0007】送信部11は、シリアルに入力される送信
データ15をパラレルに変換するシリアルパラレル変換
部16と、このパラレルに変換された送信データを数ビ
ットごとに各キャリアに配置するマッパー部17と、配
置されたキャリアを帯域拡張後に逆高速フーリエ変換
(Inverse Fast Fourier Transform:以下、IFFTと
略す。)を行うIFFT部18と、IFFT部18の出
力に対してサイクリックプレフィックス(Cyclic Prefi
x:以下、CPと略す。)を付加するCP挿入部19と
を備えている。さらに送信部11は、CPを付加された
信号をシリアルデータに変換するパラレルシリアル変換
部20と、変換されたシリアルデータをアナログ化する
ディジタルアナログ変換部21と、アナログ化された信
号の高周波成分を遮断するローパスフィルタ22とを備
えている。
【0008】受信部12は、ハイブリッドトランス13
を介して入力された受信信号の例えば線路10で混入し
た高周波ノイズ成分を遮断するローパスフィルタ23
と、この出力をディジタル化するアナログディジタル変
換部24と、ディジタル化された出力信号に対してEC
14によって推定された過去のシンボルによって生じる
エコーを消去するための減算器25と、減算器25の減
算結果をパラレルに変換するシリアルパラレル変換部2
6とを備えている。さらに受信部12は、変換されたパ
ラレルデータをFFTによって復調するFFT部27
と、FFTされた信号に対してEC14によって推定さ
れた現在のシンボルによって生じるエコーを消去するた
めの減算器28と、減算器28の減算結果をバイナリデ
ータに再構築する符号識別部29とを備えている。
【0009】EC14は、マッパー部17の出力を受信
側の帯域にまで拡張する帯域拡張部30と、帯域拡張部
30によって帯域拡張されたキャリアから、各キャリア
によって生じるエコーのレプリカを算出する周波数域E
C31とを有している。さらにEC14は、IFFT部
18によって時間域に変換されたデータを補間するデー
タ補間部32と、有限インパルス応答フィルタ(Finite
Impulse Response Filter:以下、FIRと略す。)か
らなりデータ補間部32によって補間されたデータから
エコーのレプリカを生成する時間域EC33と、周波数
域EC31のタップ係数からIFFTにより時間域EC
33のタップ係数を算出するIFFT部34とを備えて
いる。周波数域EC31および時間域EC33でそれぞ
れ算出されたレプリカは、それぞれ受信部12における
減算器28および減算器25において、周波数域と時間
域でエコーを消去する。
【0010】このような構成の送受信装置では、まず時
系列のシリアルデータである送信データ15が、シリア
ルパラレル変換部16でパラレルデータに変換される。
シリアルパラレル変換部16によって変換されたパラレ
ルデータは、マッパー部17で数ビットごとに、複数キ
ャリアに配置される。ここでは、パラレルデータは数ビ
ットごとに複数情報に変換された後、QAMによって各
キャリアに配置されるものとする。
【0011】図4は、マッパー部17で2ビットのデー
タを1キャリアに割り当てる一例を表わしたものであ
る。データの1ビット目と2ビット目の2ビットの組み
合わせごとに、互いに直交する実部成分と虚部成分との
組み合わせに変換する。例えば、1ビット目が“0”で
2ビット目が“0”のパラレルデータを、実部が“1”
で虚部が“1”と変換されキャリア上に配置されること
を示す。また、例えば1ビット目が“1”で2ビット目
が“1”のパラレルデータを、実部が“1”で虚部が
“−1”に変換されキャリア上に配置されることを示
す。
【0012】図5は、マッパー部17における4QAM
によるキャリア配置例を表わしたものである。横軸に実
部(Re)、縦軸に虚部(Im)をとると、図4に示す
ように割り当てることで、マッパー部17では、4QA
Mにより2ビットのデータが1キャリアに配置される。
【0013】このようにして配置されたマッパー部17
の出力データは、IFFT部18でIFFTされ、時間
域のデータへ変換される。この一回のIFFT処理され
るデータ系列を1シンボルと呼ぶ。ところで、このIF
FT前に、マッパー部17の出力データは、帯域拡張さ
れる。マッパー部17の出力データをXk,nとすると、
この帯域拡張は次の(1)〜(3)式のように行われ
る。ここで、kはシンボル番号、nはキャリア番号、N
/2は送信キャリア数とする。
【0014】 Xk,n = 0 (n=0,N/2) ・・・(1) Xk,n = Xk,n (0<n<N/2) ・・・(2) Xk,n = X* k,N-n (n>N/2) ・・・(3)
【0015】ここで、X* k,N-nは、Xk,N-nの複素共役
とする。
【0016】図6は、上式(1)〜(3)による帯域拡
張の様子を表わしたものである。第1の領域40に配置
されたデータは、送信のナイキスト周波数に相当する
“N/2”番目のキャリアを中心として、実部は縦軸に
対して線対称に第2の領域41に(複写42)、虚部は
点対称に第3の領域44に帯域拡張される(複写4
4)。これにより、IFFT部18によるIFFT後の
データは、実部だけとなり、サンプル数は2倍の“N”
となる。
【0017】IFFT部18の出力データは、CP挿入
部19でCPが付加される。通常、各データは、線路1
0の応答特性や、ハイブリッドトランス13の低域遮断
特性によって、“すそひき”が生じる。CPは、シンボ
ル内に収まることができないデータ端の“すそひき”を
自シンボル内に取り込むために、各シンボルの先頭に付
加される。さらに、CPは、FFT時の周期性の再現を
も目的とする。付加されるCPの長さは、受信シンボル
における孤立波応答長としての“すそひき”を基準に設
定されるため、時間域ECで処理を行う必要がある。
【0018】図7は、CPの付加される様子を表わした
ものである。同図(a)は、各シンボルが時系列に連続
している様子を示している。同図(b)は、第(K+
1)のシンボルについて、CPが付加される様子を示し
ている。IFFT部18で時間域に変換された出力デー
タは、第Kのシンボル45K、第(K+1)のシンボル
45K+1、第(K+2)のシンボル45K+2、・・・とし
て時系列に連続している。各シンボル45K、45K+1
45K+2は、それぞれ先頭にCP46K、CP46 K+1
CP46K+2が付加される。同図(b)に示すように、
上述した“すそひき”は、例えば第(K+1)のシンボ
ル45K+1のデータ端からLサンプル分だけのデータ4
7が、線路10の応答特性やハイブリッドトランス13
の低域遮断特性に起因して、後続のシンボルに対して生
ずる。この“すそひき”は、“すそひき”48K+1の部
分に相当する。そこで、CPK+1には、次の(4)式の
ようにCPを付加する。ただし、kはシンボル番号、j
をシンボル内のサンプル番号、X k,jをCPが付加され
るデータとする。
【0019】 Xk,j = Xk,N+J-1 (j=−1〜−L) ・・・(4)
【0020】すなわち、Xk,jに、“すそひき”48K+1
を発生したサンプルデータであるLサンプル分のデータ
47を複写49する。そして、回避することができない
“すそひき”48K+1に相当する“すそひき”50K+1
分を、シンボル51内に取り込む。これにより、シンボ
ル51内には、CPK+1による“すそひき”51K+1が含
まれる。このように、本来XK+1,0〜XK+1,N-1までのN
サンプルの第(K+1)のシンボル45K+1から、その
データ端XK+1,N-L-1〜XK+1,N-1のLサンプルだけ先頭
に複写してCPK+1とすることで、XK+1,-L〜XK+1,N-1
の“N+L”サンプルのシンボルとなる。さらに、CP
の付加は、FFTにより復調されるデータ列が、始点と
終点において連続性を保つように付加される。始点と終
点において連続性を保つことで、周期性を実現でき、F
FT時に正確な周波数応答を得ることができる。
【0021】シンボル50の範囲では、“すそひき”4
K+1の部分も含まれるので、過去のシンボルの“すそ
ひき”が現在のシンボルと重複せず、あるいは現在のシ
ンボルの復調時に必要なデータをシンボル内で収めるこ
とができるように最低限Lサンプル分の保護時間が確保
され、良好な復調特性が得られる。
【0022】CP挿入部19でCPが付加されたデータ
は、パラレルシリアル変換部20でシリアルデータに変
換される。パラレルシリアル変換部20で変換されたシ
リアルデータは、ディジタルアナログ変換部21でアナ
ログ化され、ローパスフィルタ32で高調波成分22が
除去された後、ハイブリッドトランス13を介して線路
10に送出される。
【0023】一方、線路10を介して入力された受信信
号は、ハイブリッドトランス13を経て、受信部12に
入力される。受信部12では、まずローパスフィルタ2
3により、線路10で付加された高調波ノイズ成分を除
去後、アナログディジタル変換部24でディジタル化さ
れる。ディジタル化された出力信号は、減算器25によ
って、EC14で推定された過去のシンボルによって生
じるエコー成分が消去される。減算器25の減算結果
は、シリアルパラレル変換部26でパラレルデータに変
換され、FFT部27で周波数域のデータに変換され
る。FFT部27で変換された周波数域のデータは、減
算器28によって、EC14で推定された現在のシンボ
ルによって生じるエコー成分が消去される。減算器28
の減算結果は、符号識別部29で図5で示したキャリア
配置に当てはめる。その際、この当てはめ時の“ずれ”
に対応する識別誤差信号52がEC14に供給される。
図5で示したキャリア配置に当てはめられたデータは、
図示しないデマッパーにより、図4で行われた割り当て
と逆の変換を行って、バイナリデータを再構築する。
【0024】図8は、図3で示した全二重化通信方式に
おける使用周波数帯域を表わしたものである。ここで
は、縦軸に振幅、横軸に周波数を示す。低周波数域に既
存のメタリックケーブルによる通常の音声信号55と、
30kHzから138kHzまでのキャリア56を複数
有する送信信号57と、30kHzから1.1MHzま
での複数のキャリアを有する受信信号58とによって、
周波数帯域が使用される。各キャリアの配置間隔59
は、4.3125kHzごとに配置される。このよう
に、図3で示したADSLシステムでは、上り方向の送
信信号と比較して、下り方向の受信信号の使用帯域が広
い。例えばADSLシステムの加入者側では、送信はキ
ャリア番号“0”から“31”までを使用し、受信はキ
ャリア番号“0”から“255”までを使用する。
【0025】EC14は、送信信号と受信信号の使用帯
域が重複し、ハイブリッドトランス13を介して回り込
む送信信号によるエコーを消去する。帯域拡張部30で
は、マッパー部17の出力データについて、図8で示し
たように広い帯域を使用する受信信号の帯域にまで拡張
する。
【0026】周波数域EC31は、各キャリアごとに用
意される1タップの複素フィルタであり、帯域拡張部3
0によって帯域拡張された送信信号から、受信の各キャ
リアによって生じるエコーのレプリカを算出する。算出
されたレプリカは、受信部12においてFFT部27に
よって復調された信号から減算し、符号識別部29にお
いて、復調信号をキャリア配置に当てはめる。その際
に、生じる復調時の誤差を改善するため、周波数域EC
31のタップ係数を適応的に更新する。これは、符号識
別部29によって算出された識別誤差信号52により行
われる。周波数域ECのタップ係数は、この識別誤差信
号52に基づいて、最小2乗(Least MeanSquare:以
下、LMSと略す。)アルゴリズムによって更新され
る。シンボルkにおけるキャリアnのタップ係数をC
k,nとすると、タップ係数の更新は次の(5)式のよう
に行われる。
【0027】 Ck+1,n = Ck,n + μEk,n* k,n ・・・(5)
【0028】ここで、Ek,nを識別誤差信号、μを係数
更新のステップサイズ、X* k,nをマッパー部17の出力
データXk,nの複素共役としている。
【0029】このように周波数域EC31では、周波数
域において符号識別部29からの識別誤差信号52に基
づいて送信データからレプリカを生成することによっ
て、現在のシンボルによって生ずるエコー成分の消去を
可能としている。
【0030】上り方向の送信信号と下り方向の受信信号
との間でサンプリングレートが異なる。これは、図8で
示すように、送信信号と受信信号とは使用帯域幅が異な
るため、1シンボルの時間長を等しくするには、1シン
ボル当たりの送信信号および受信信号では異なるサンプ
ル数にする必要があるからである。例えば、上り方向の
送信信号はCPを除いて64サンプル、下り方向の受信
信号はCPを除いて512サンプルである。そこで、デ
ータ補間部32はIFFT部18によって時間域に変換
された時間域データを“0”補間することによって、下
り方向の受信信号のサンプル数に補間する。
【0031】IFFT部18によって時間域に変換され
たシンボルkにおけるサンプルnのデータをyk,jとす
ると、次の(6)〜(7)式のように、データ補間が行
われる。
【0032】 y´k,j = yk,j/8 (mod(j,8)=0) ・・・(6) y´k,j = 0 (mod(j,8)≠0) ・・・(7)
【0033】ここで、y´k,jは、データ補間後の出力
データである。また、“mod(j,8)”は、“j”
を“8”で割った余りを示す。
【0034】図9は、このデータ補間部32の動作原理
を説明するためのものである。同図(a)は、補間前の
送信シンボルを示す。同図(b)は、補間後のデータを
示す。すなわち、同図(a)に示すように、送信シンボ
ル60の64データが、補間後のデータ61の512デ
ータについて、(6)式で示すサンプルに拡張され、そ
れ以外には“0”が補間される。
【0035】時間域EC33は、FIRフィルタにより
構成される。そのタップ係数は、まず周波数域EC31
のタップ係数を次の(8)〜(10)式で示すように帯
域拡張することによって得られる。
【0036】 Ck,n = 0 (n=0,N/2) ・・・(8) Ck,n = Ck,n (0<n<N/2) ・・・(9) Ck,n = C* k,N-n ( n>N/2) ・・・(10)
【0037】その後、IFFT部34のIFFTによ
り、時間域EC33のタップ係数が算出される。
【0038】時間域EC33は、次の2つの前処理を行
う。第1の前処理は、受信部12で後段の周波数EC3
1によって算出されたレプリカの減算だけでは消去され
ない過去のシンボルによって生じるエコーを消去する。
第2の前処理は、現在の送信シンボルによって後続する
シンボルに生じるエコーを、現在のシンボルのFFT区
間の先頭に複写する。これら2つの処理により、現在の
シンボルのFFT区間には、現在にシンボルによっての
み生じるエコーだけが周期性をもって残るようにしてい
る。これら時間域の残留エコーは、後段の周波数域EC
33によって算出されたレプリカの減算により消去する
ことができる。
【0039】図10は、時間域EC33によって行われ
る2つの前処理を説明するためのものである。同図
(a)は、送信信号を示す。同図(b)は、この送信信
号によって生じたエコーを示す。同図(c)は、2つの
前処理によって生じた時間域残留エコーを示す。ここで
は、第Kのシンボルに着目して説明する。同図(a)に
示すように、送信信号は第(K−1)のシンボル、第K
のシンボル、第(K+1)のシンボルが時系列に連続し
ている。各シンボルの先頭には、CPが付加されてい
る。CPK-1、CPK、CPK+1は、図7で説明したよう
に、それぞれ各シンボルの後ろLサンプル分のサンプル
K-1、BK、BK+1が複写される。しかしながら、通常
エコーの孤立波応答による“すそひき”がこのCPのサ
ンプル長Lを超える場合がある。このような場合、後続
するシンボルにエコーが発生する。
【0040】各シンボルを、CPと、CPの複写される
Lサンプル数分のサンプルBと、それ以外のサンプルA
として表わす。同図(b)では、例えば、第Kのシンボ
ルに着目すると、CPKに過去のシンボル第(K−1)
のシンボルのサンプルAK-1によるエコーEAK-1と、サ
ンプルBK-1によるエコーEBK-1が発生することを示し
ている。また、第KのシンボルのCPKによるエコーE
CPKは、サンプルAKのところまで発生する。
【0041】復調すべきFFT区間は、本来第Kのシン
ボルのサンプルAKとBKの範囲62である。しかしなが
ら、第KのシンボルAKにまで発生するEBK-1による斜
線部分63は、過去のシンボルである第(K−1)のシ
ンボルのBK-1により発生するため、後段の周波数域E
C31では消去することができない。そこで、この斜線
部分63を消去するのが、上述した第1の前処理であ
る。
【0042】また、第(K+1)のシンボルのCPK+1
には、第KのシンボルのサンプルBKによるエコーが発
生している。そこで、この第(K+1)のシンボルに発
生したEAKの斜線部分64をサンプルAKの先頭に複写
する第2の前処理を行うことにより、第Kのシンボルの
エコーEAKは、FFT区間62で連続となり、周期性
を持つことができる。なお、第KのシンボルのCPK
よるエコーECPKと、第(K+1)のシンボルにおけ
るサンプルBKによるエコーEBKとは、既に複写されて
同じものとなるので、特に複写を行う必要がない。
【0043】このように、時間域において時間域EC3
3で過去のシンボルによる生じるエコーと現在の送信シ
ンボルによって後続のシンボルに生じるエコーとを推定
する。さらに周波数域において周波数域EC31で現在
の送信シンボルによって生じるエコーを推定する。そし
て、これらを用いてそれぞれの領域で受信信号から減算
を行うことで、ハイブリッドトランス13を介して送信
信号が回り込むことによる受信信号のエコーを消去して
いる。
【0044】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
ECでは、適用されるADSLシステムにおいて、図8
に示したように上り方向の送信信号と下り方向の受信信
号とが使用する帯域が異なる。そこで、ECにおいて、
送信信号と受信信号との帯域を同一にするため、帯域拡
張を行って、効率的にエコーを消去するとともに、受信
部12におけるローパスフィルタに要求される遮断特性
の緩和を図る。
【0045】周波数域で周波数域EC31により現在の
シンボルによるエコーのレプリカを算出するために、送
信部11におけるマッパー部17の出力データを帯域拡
散した出力データを用いる。シンボル番号kにおけるキ
ャリア番号nのデータをXk, nとすると、送信データは
次の(11)〜(13)式により帯域拡張される。
【0046】 X´k,n = 0 (n=0,N/2) ・・・(11) X´k,n = Xk,n ( n<N/2) ・・・(12) X´k,n = X* k,N-1-n ( n>N/2) ・・・(13)
【0047】ここで、“N/2”は送信のキャリア数、
X´k,nは拡張後のデータである。図8で示した使用周
波数帯域では、Nは“64”で、送信キャリア数が“3
2”となる。さらに続いて、次の(14)〜(17)式
により帯域拡張される。
【0048】 X´´k,n = X´k,n ( n<N) ・・・(14) X´´k,n = X´k,n-N (N≦n<2N) ・・・(15) X´´k,n = X´k,n-2N (2N≦n<3N) ・・・(16) X´´k,n = X´k,n-3N (3N≦n<M/2) ・・・(17)
【0049】ここで、“M/2”は受信シンボルのキャ
リア数、X´´k,nは拡張後のデータである。図8で示
した使用周波数帯域では、Mは“512”で、送信キャ
リア数が“256”となる。
【0050】図11は、(14)〜(17)式で示され
る帯域拡張部30における帯域拡張の動作原理を説明す
るためのものである。ここでは、縦軸に振幅、横軸に拡
張後のX´´k,nのキャリア番号を示す。すなわち、
(11)〜(13)式で示されるように第1の領域65
に変換されたデータは、(15)式によって、“N”キ
ャリア分移動されて第2の領域66に複製される(複製
67)。さらに、(16)式によって“2N”キャリア
分移動されて第3の領域68に複製される(複製6
9)。さらに、(17)式によって“3N”キャリア分
移動されて第4の領域70に複製される(複製71)。
【0051】ところで、(11)〜(17)式から、明
らかなように、キャリア番号nが“N/2”のとき、帯
域拡張されたデータは、“0”になる。したがって、
(5)式で定義されるとおり、周波数域EC31のタッ
プ係数のうちCk,N/2は更新されないことになる。すな
わち、周波数域EC31において、ナイキスト周波数に
キャリアが存在せず、対応するタップ係数の更新が行わ
れないことを意味する。図3に示す従来のADSLシス
テムにおける送受信装置では、32タップごとに“0”
となる周波数応答をIFFTして、時間域EC33のタ
ップ係数を算出する。このため、正確な時間域EC31
のタップ係数を算出することができないという問題があ
る。したがって、時間域EC31では、過去のシンボル
によって生じるエコーを正確に消去することができなく
なり、周波数域EC31では本来このエコーを消去する
ことができないことから、エコー抑圧特性が劣化してし
まう。
【0052】そこで本発明の目的は、送信信号がハイブ
リッドトランスを介して受信側に回り込み、消去できな
かったエコーを、簡素な演算により正確に消去するエコ
ーキャンセラを提供することにある。
【0053】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、(イ)受信帯域より狭い送信帯域を受信帯域まで拡
張する帯域拡張手段と、(ロ)この帯域拡張手段によっ
て帯域拡張された各キャリアの送信データから受信信号
の符号識別結果に基づいて更新されたタップ係数を用い
て現在のシンボルによるエコーのレプリカを算出する周
波数域エコー算出手段と、(ハ)周波数域エコー算出手
段のタップ係数を補間する周波数補間手段と、(ニ)こ
の周波数補間手段によって補間した周波数域エコー算出
手段のタップ係数を時間域のタップ係数に変換する逆高
速フーリエ変換手段と、(ホ)送信データを帯域拡張後
逆高速フーリエ変換により変換した時間域の送信データ
を受信信号のサンプリング数に補間するデータ補間手段
と、(ヘ)逆高速フーリエ変換手段により変換されたタ
ップ係数を用いてこのデータ補間手段によって補間され
たデータから過去のシンボルによって生じるエコーを消
去するとともに現在のシンボルによって後続するシンボ
ルに生じるエコーを補償するレプリカを算出する時間域
エコー算出手段とをエコーキャンセラに具備させる。
【0054】すなわち請求項1記載の発明では、帯域拡
張手段で、より広い受信帯域にまで各送信キャリアに割
り当てられた送信データの帯域を拡張し、周波数域エコ
ー算出手段で受信信号の符号識別結果に基づいて更新さ
れたタップ係数を用いて現在のシンボルによるエコーの
レプリカを算出するようにした。そして、従来であれ
ば、時間域エコー算出手段により、周波数域エコー算出
手段のタップ係数を時間域に変換したタップ係数を用い
て、送信データを帯域拡張後に受信信号のサンプリング
数にまで補間したデータから過去のシンボルによって生
じるエコーを消去し、現在のシンボルによって後続する
シンボルに生じるエコーを補償するレプリカを算出す
る。しかし、本発明では、周波数域エコー算出手段のタ
ップ係数を周波数補間手段により補間した後、逆高速フ
ーリエ変換手段で時間域のタップ係数に変換し、この変
換したタップ係数を用いて時間域エコー算出手段でエコ
ーのレプリカを算出するようにしている。
【0055】請求項2記載の発明では、(イ)受信帯域
より狭い送信帯域を受信帯域まで拡張する帯域拡張手段
と、(ロ)この帯域拡張手段によって帯域拡張された各
キャリアの送信データから受信信号の符号識別結果に基
づいて更新されたタップ係数を用いて現在のシンボルに
よるエコーのレプリカを算出する周波数域エコー算出手
段と、(ハ)送信データのナイキスト周波数に対応する
周波数域エコー算出手段のタップ係数を補間する周波数
補間手段と、(ニ)この周波数補間手段によって補間し
た周波数域エコー算出手段のタップ係数を時間域のタッ
プ係数に変換する逆高速フーリエ変換手段と、(ホ)送
信データを帯域拡張後逆高速フーリエ変換した時間域の
送信データを受信信号のサンプリング数に補間するデー
タ補間手段と、(ヘ)逆高速フーリエ変換手段により変
換されたタップ係数を用いてこのデータ補間手段によっ
て補間されたデータから過去のシンボルによって生じる
エコーを消去するとともに現在のシンボルによって後続
するシンボルに生じるエコーをするレプリカを算出する
時間域エコー算出手段とをエコーキャンセラに具備させ
る。
【0056】すなわち請求項2記載の発明では、請求項
1記載の発明における周波数補間手段において、送信デ
ータのナイキスト周波数に対応する周波数域エコー算出
手段のタップ係数を補間するようにした。これにより、
周波数域エコー算出手段のナイキスト周波数に対応する
タップ係数に対応するキャリアの送信データが“0”と
なっているため周波数応答が“0”となり、タップ係数
が更新されないことにより時間域エコー算出手段のタッ
プ係数が正しく算出されないという問題点を解消し、エ
コー抑圧特性を向上させることができる。
【0057】請求項3記載の発明では、請求項2記載の
エコーキャンセラで、周波数補間手段は隣接するキャリ
アのタップ係数の平均値をとることによってナイキスト
周波数に対応するタップ係数を補間することを特徴とし
ている。
【0058】すなわち請求項3記載の発明では、隣接す
るキャリアのタップ係数の平均値をとってナイキスト周
波数に対応するタップ係数の補間を行うようにしたの
で、必要な演算量の増加を抑えつつ、非常に簡素な構成
でエコー抑圧特性の劣化を回避することができる。
【0059】請求項4記載の発明では、請求項1〜請求
項3記載のエコーキャンセラで、周波数補間手段は受信
信号のナイキスト周波数に相当するキャリアのタップ係
数を隣接するキャリアのタップ係数とその複素共役の平
均値をとることによって受信信号のナイキスト周波数に
対応するタップ係数を補間することを特徴としている。
【0060】すなわち請求項4記載の発明では、さらに
受信信号のナイキスト周波数に相当するキャリアについ
ても、複素共役との平均値をとって補間するようにした
ので、エコーのスペクトラムが、受信使用帯域のナイキ
スト周波数にまで広がる場合には、さらにエコー抑圧特
性を改善することができる。
【0061】
【発明の実施の形態】
【0062】
【実施例】以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0063】第1の実施例
【0064】図1は、本発明の第1の実施例におけるE
Cを適用したADSLシステムにおける送受信装置の構
成の概要を表わしたものである。ただし、図3に示す従
来提案されたECを適用したADSLシステムと同一部
分には、同一符号を付している。ここでは、送信帯域と
比較して受信帯域が広いADSLシステムに適用される
送受信装置を示す。第1の実施例におけるECを適用し
た送受信装置は、線路10を介して対向する図示しない
別の送受信装置と接続されている。線路10には、送信
部11と受信部12とが、ハイブリッドトランス13を
介して接続されている。線路10は、既設の電話回線に
用いられる、メタリック・ケーブルである。ハイブリッ
ドトランス13は、線路10と送信部11および受信部
12とを結合するトランスによって、2線−4線変換を
行う。これにより、送信部11からの送信信号は、ハイ
ブリッドトランス13を介して線路10へ送出される。
また、線路10からの受信信号は、ハイブリッドトラン
ス13を介して受信部12で受信される。しかし、この
際、受信部12に入力される受信信号に、ハイブリッド
トランス13を介して送信部11からの送信信号のエコ
ーが回り込んでしまうため、受信部12においてこのエ
コーを抑圧するEC80が設けられている。
【0065】送信部11は、シリアルに入力される送信
データ15をパラレルに変換するシリアルパラレル変換
部16と、このパラレルに変換された送信データを数ビ
ットごとに各キャリアに配置するマッパー部17と、配
置されたキャリアを帯域拡張後にIFFTを行うIFF
T部18と、IFFT部18の出力に対してCPを付加
するCP挿入部19とを備えている。さらに送信部11
は、CPを付加された信号をシリアルデータに変換する
パラレルシリアル変換部20と、変換されたシリアルデ
ータをアナログ化するディジタルアナログ変換部21
と、アナログ化された信号の高周波成分を遮断するロー
パスフィルタ22とを備えている。
【0066】受信部12は、ハイブリッドトランス13
を介して入力された受信信号の例えば線路10で混入し
た高周波ノイズ成分を遮断するローパスフィルタ23
と、この出力をディジタル化するアナログディジタル変
換部24と、ディジタル化された出力信号に対してEC
80によって推定された過去のシンボルによって生じる
エコーを消去するための減算器25と、減算器25の減
算結果をパラレルに変換するシリアルパラレル変換部2
6とを備えている。さらに受信部12は、変換されたパ
ラレルデータをFFTによって復調するFFT部27
と、FFTされた信号に対してEC80によって推定さ
れた現在のシンボルによって生じるエコーを消去するた
めの減算器28と、減算器28の減算結果をバイナリデ
ータに再構築する符号識別部29とを備えている。
【0067】EC80は、マッパー部17の出力を送信
側の帯域を受信側の帯域にまで拡張する帯域拡張部30
と、帯域拡張部30によって帯域拡張されたキャリアか
ら、各キャリアによって生じるエコーのレプリカを算出
する周波数域EC31とを有している。さらにEC80
は、IFFT部18によって時間域に変換されたデータ
を補間するデータ補間部32と、FIRフィルタからな
りデータ補間部32によって補間されたデータからエコ
ーのレプリカを生成する時間域EC33とを備えてい
る。さらにまた、第1の実施例におけるEC80は、周
波数域EC31のタップ係数を補間する周波数補間部8
1と、周波数補間部81によって補間されたタップ係数
をIFFTにより時間域EC33のタップ係数を算出す
るIFFT部34とを備えている。周波数域EC31お
よび時間域EC33でそれぞれ算出されたレプリカは、
それぞれ受信部12における減算器28および減算器2
5において、周波数域と時間域でエコーを消去する。
【0068】このような構成の第1の実施例におけるE
Cを適用した送受信装置では、時系列のシリアルデータ
である送信データ15が、シリアルパラレル変換部16
でパラレルデータに変換される。シリアルパラレル変換
部16によって変換されたパラレルデータは、図4およ
び図5で示したようにマッパー部17で数ビットごとに
束ね、QAMにより複数キャリアに配置される。
【0069】各キャリアに配置されたマッパー部17の
出力データは、上述した(1)〜(3)式で示すように
帯域拡張された後、IFFT部18でIFFTされ、1
シンボルごとに時間域のデータへ変換される。
【0070】IFFT部18の出力データは、CP挿入
部19でCPが付加される。通常、各データは、線路1
0の応答特性や、ハイブリッドトランス13の低域遮断
特性によって、“すそひき”が生じる。CPは、シンボ
ル内に収まらないデータ端の“すそひき”を自シンボル
内に取り込むために、各シンボルの先頭に付加される。
同時に、CPは、FFT時の周期性の再現をも目的とし
ている。付加されるCPの長さは、受信シンボルにおけ
る“すそひき”を基準に設定されるため、時間域ECで
処理を行う。
【0071】CP挿入部19でCPが付加されたデータ
は、パラレルシリアル変換部20でシリアルデータに変
換される。パラレルシリアル変換部20で変換されたシ
リアルデータは、ディジタルアナログ変換部21でアナ
ログ化され、ローパスフィルタ32で高調波成分22が
除去後、ハイブリッドトランス13を介して線路10に
送出される。
【0072】これに対して、線路10を介して入力され
た受信信号は、ハイブリッドトランス13を経て、受信
部12に入力される。受信部12では、まずローパスフ
ィルタ23により、線路10で付加された高調波ノイズ
成分を除去後、アナログディジタル変換部24でディジ
タル化される。ディジタル化された出力信号は、減算器
25によって、EC80で推定された過去のシンボルに
よって生じるエコー成分が消去される。減算器25の減
算結果は、シリアルパラレル変換部26でパラレルデー
タに変換され、FFT部27で周波数域のデータに変換
される。FFT部27で変換された周波数域のデータ
は、減算器28によって、EC14で推定された現在の
シンボルによって生じるエコー成分が消去される。減算
器28の減算結果は、符号識別部29で図5で示したキ
ャリア配置に当てはめる。その際に、復調特性によって
誤差が生じ、これに対応する識別誤差信号52がEC1
4に供給される。図5で示したキャリア配置に当てはめ
られたデータは、図示しないデマッパーにより、図4で
行われた割り当てと逆の変換を行って、バイナリデータ
を再構築する。
【0073】EC80は、図8に示したように送信信号
と受信信号の使用帯域が重複し、ハイブリッドトランス
13を介して回り込む送信信号によるエコーを消去す
る。以下、EC80について説明する。
【0074】帯域拡張部30では、マッパー部17の出
力データについて、図8で示したように広い帯域を使用
する受信信号の帯域にまで拡張する。これは、図8で示
すように、送信信号と受信信号とは使用帯域が異なるた
めである。
【0075】図2は周波数域EC31の構成要部の概要
を表わしたものである。周波数域EC81は、キャリア
ごとに設けられたタップ係数が複素数である1タップの
第1〜第Pのフィルタ851〜85Pと、符号識別部29
によって生成された識別誤差信号52とステップサイズ
μとを掛け合わせる乗算器86とを有している。第1〜
第Pのフィルタ851〜85Pの構成は、それぞれ同一で
ある。なお、第2〜第Pのフィルタ852〜85Pの動作
も同様に行われるので、図示および説明を省略し、以下
では第1のフィルタ851についてのみ説明する。帯域
拡張部30によって帯域拡張された送信データ87は、
各キャリアごとに第1〜第Pのフィルタ851〜85P
入力される。第1〜第Pのフィルタ851〜85Pには、
乗算器86によって乗算された識別誤差信号52とステ
ップサイズμとの乗算結果がそれぞれ入力される。
【0076】第1のフィルタ851に入力された1キャ
リア分の送信データは、1シンボル分だけ遅延させる遅
延素子881と乗算器891に入力される。乗算器86に
よって乗算された識別誤差信号52とステップサイズμ
との乗算結果と遅延素子88 1によって遅延された遅延
データとが乗算器901に入力される。この乗算結果
は、加算器911に入力され、この加算器911の加算結
果を遅延素子921で1シンボル分だけ遅延させた遅延
データと加算される。また、この加算器911の加算結
果は、乗算器891に入力され、1キャリア分の送信デ
ータと加算される。すなわち、上述した(5)式で示さ
れるようにタップ係数Ck,nを更新する。そして、この
更新したタップ係数により現在のシンボルによるエコー
のレプリカを算出する。
【0077】各フィルタ851〜85Pの加算器891
89Pからの加算結果は、それぞれ受信部12の減算器
28に入力される。減算器28では、各キャリアごとに
減算器281〜28Pを有しており、FFT部27によっ
て周波数域に変換された変換データ93から、この加算
結果が減算される。この減算された結果は、受信データ
94として、符号識別部29に対して出力される。
【0078】符号識別部29では、復調信号をキャリア
配置に当てはめる。その際に生じる復調特性による誤差
を改善するため、周波数域EC31のタップ係数を適応
的に更新する。これは、上述したように符号識別部29
によって算出された識別誤差信号52により行われる。
【0079】このように周波数域EC31では、周波数
域において符号識別部29からの識別誤差信号52に基
づいて送信データからレプリカを評価することによっ
て、現在のシンボルによって生ずるエコー成分の消去を
可能としている。
【0080】図8で示すように、送信信号と受信信号と
は使用帯域が異なるため、1シンボルの時間長は等しい
ため、1シンボル当たりのサンプル数が異なる。そこ
で、データ補間部32は、IFFT部18によって時間
域に変換された時間域データを“0”補間することによ
って、上述した(6)〜(7)式で示されるように下り
方向の受信信号のサンプル数に補間する。
【0081】時間域EC33は、FIRフィルタにより
構成される。そのタップ係数は、周波数域EC31のタ
ップ係数を、周波数補間部81において次の(18)〜
(20)式で示すように周波数補間した後、IFFT部
34でIFFTして算出する。周波数域ECのタップ係
数をck,n、IFFT部34の入力データをc´k,nとす
る。
【0082】 c´k,n = 0 (n=0,M/2) ・・・(18) c´k,n = (ck,n-1+ck,n+1)/2 (mod(n,N/2)=0、n<M/2,n≠0) ・・・(19) c´k,n = ck,n (mod(n,N/2)≠0,n<M/2,n≠0) ・・・(20)
【0083】ここで、nはタップ番号、N/2は送信キ
ャリア数、M/2は受信キャリア数とする。このように
周波数補間部81では、ナイキスト周波数に対応するタ
ップ係数を隣接する2つのタップ係数の平均値をとって
補間する。
【0084】(18)〜(20)式で示される周波数補
間部81による補間に伴う演算量は、加算演算量をD
a、シフト演算量をDsとすると、次の(21)、(2
2)式より求めることができる。
【0085】 Da = 2・M/N ・・・(21) Ds = 2・M/N ・・・(22)
【0086】上述したADSLシステムでは、Nが“6
4”、Mが“512”であるため、周波数補間部81に
よる補間に伴う演算量は、加算が16回、シフトが16
回である。この演算量の増加は、従来のECにおける演
算量と比較すれば、無視することができる演算増加量で
あると言える。
【0087】周波数補間部81で補間されたタップ係数
をIFFTし、算出した時間域EC33のタップ係数を
用いて、時間域EC33は上述した2つの前処理を行
う。すなわち、第1の前処理は、受信部12で後段の周
波数EC31によって算出されたレプリカの減算だけで
は消去されない過去のシンボルによって生じるエコーを
消去する。また第2の前処理は、現在の送信シンボルに
よって後続するシンボルに生じるエコーを、現在のシン
ボルのFFT区間の先頭に複写する。図10に示したよ
うにこれら2つの処理により、現在のシンボルのFFT
区間には、現在にシンボルによってのみ生じるエコーだ
けが周期性をもつ時間域の残留エコーを残す。時間域の
残留エコーは、後段の周波数域EC33によって算出さ
れたレプリカの減算により消去する。
【0088】このように第1の実施例によるECは、周
波数域EC31のタップ係数を補間する周波数補間部8
1を備え、この補間されたタップ係数を用いてIFFT
部34により時間域EC32のタップ係数を算出するよ
うにした。周波数補間部81では、ナイキスト周波数に
対応するタップ係数を隣接する2つのタップ係数の平均
値をとって補間する。これにより、周波数応答が“0”
となって周波数域EC31のタップ係数が更新されるこ
とがなかったナイキスト周波数に対応するタップ係数
を、補間することにより更新されるようにしたため、正
しい時間域EC32のタップ係数を求めることができる
ようになる。また、その補間を隣接するタップ係数の平
均値をとるようにしたので、簡素な構成でエコー抑圧特
性を改善できる。
【0089】第2の実施例
【0090】第1の実施例におけるECでは、周波数補
間部81において(18)〜(20)式で示されるよう
に周波数域EC31のタップ係数を補間することで、時
間域EC32のタップ係数をより正確に算出するように
していた。しかし、第2の実施例におけるECでは、
(18)式において受信信号のナイキスト周波数に相当
するM/2番目のキャリアについて“0”としていた
が、これを次の(23)式のように補間するようにして
も良い。
【0091】 c´k,M/2 = (ck,M/2-1+c* k,M/2+1)/2 ・・・(23)
【0092】ここで、c* k,M/2-1は、ck,M/2-1の複素
共役である。なお、これ以外の構成および動作は、第1
の実施例と同様なので説明を省略する。
【0093】第2の実施例におけるECでは、さらに受
信信号のナイキスト周波数に相当するキャリアについて
も、複素共役との平均値をとって補間するようにしたの
で、エコーのスペクトラムが、受信使用帯域のナイキス
ト周波数にまで広がる場合には、さらにエコー抑圧特性
を改善することができる。
【0094】なお第1および第2の実施例では、ナイキ
スト周波数に対応するタップ係数を平均値をとることで
補間していたが、これに限定されるものではない。演算
能力と必要な演算量とのトレードオフにより、さらに公
知の精密な補間処理によってエコー抑圧特性をより改善
することが可能である。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、周
波数域エコー算出手段のタップ係数を補間してから時間
域エコー算出手段のタップ係数を求めるようにしたの
で、例えば送信データのナイキスト周波数に対応するタ
ップ係数の周波数応答が“0”のため、タップ係数が更
新されないことにより時間域エコー算出手段のタップ係
数が正しく算出されないという問題点を解消し、エコー
抑圧特性を向上させることができる。
【0096】さらに請求項3記載の発明によれば、隣接
するキャリアのタップ係数の平均値をとってナイキスト
周波数に対応するタップ係数の補間を行うようにしたの
で、必要な演算量の増加を抑えつつ、非常に簡素な構成
でエコー抑圧特性の劣化を回避することができる。
【0097】さらにまた請求項4記載の発明によれば、
受信信号のナイキスト周波数に相当するキャリアについ
ても、複素共役との平均値をとって補間するようにした
ので、エコーのスペクトラムが、受信使用帯域のナイキ
スト周波数にまで広がる場合には、さらにエコー抑圧特
性を改善することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるECを適用した
ADSLシステムにおける送受信装置の構成の概要を示
すブロック図である。
【図2】周波数域ECの構成要部の概要を示すブロック
図である。
【図3】従来提案されたECを適用したADSLシステ
ムにおける送受信装置の構成の概要を示すブロック図で
ある。
【図4】マッパー部でのキャリア割り当ての一例を示す
説明図である。
【図5】マッパー部におけるキャリアは一例を示す説明
図である。
【図6】帯域拡張の概念を説明するための説明図であ
る。
【図7】CPの概念を説明するための説明図である。
【図8】全二重化通信方式における使用周波数帯域を示
す説明図である。
【図9】データ補間部の動作原理を説明するための説明
図である。
【図10】時間域ECにおける処理内容を説明するため
の説明図である。
【図11】帯域拡張部における動作原理を説明するため
の説明図である。
【符号の説明】
10 線路 11 送信部 12 受信部 13 ハイブリッドトランス 14、80 EC 15 送信データ 16、26 シリアルパラレル変換部 17 マッパー部 18、34 IFFT部 19 CP挿入部 20 パラレルシリアル変換部 21 ディジタルアナログ変換部 22、23 ローパスフィルタ 24 アナログディジタル変換部 25、28 減算器 27 FFT部 29 符号識別部 30 帯域拡張部 31 周波数域EC 32 データ補間部 33 時間域EC 81 周波数補間部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−285686(JP,A) 特開 平4−354212(JP,A) 米国特許5317596(US,A) David C.Jones,“Fr equency Domain Ech o Cancellation for Discrete Multiton e Asymmetric Digit al Subscriber Line Transceivers,”IEE E Transactions on Communications,Vo l.43,No.2/3/4,(1995), pp.1663−1672 Minnie Ho,John M. Cioffi and John A. C.Bingham,“Discret e Multitone Echo C ancelation,”IEEE T ransactions on Com munications,Vol.44, No.7,(July 1996),pp. 817−825 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/76 H04B 3/00 H04B 7/005 - 7/015 H03H 17/00 H04J 11/00 INSPEC(DIALOG) JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信帯域より狭い送信帯域を前記受信帯
    域まで拡張する帯域拡張手段と、 この帯域拡張手段によって帯域拡張された各キャリアの
    送信データから受信信号の符号識別結果に基づいて更新
    されたタップ係数を用いて現在のシンボルによるエコー
    のレプリカを算出する周波数域エコー算出手段と、 前記周波数域エコー算出手段のタップ係数を補間する周
    波数補間手段と、 この周波数補間手段によって補間した前記周波数域エコ
    ー算出手段のタップ係数を時間域のタップ係数に変換す
    る逆高速フーリエ変換手段と、 前記送信データを帯域拡張後逆高速フーリエ変換により
    変換した時間域の送信データを前記受信信号のサンプリ
    ング数に補間するデータ補間手段と、 前記逆高速フーリエ変換手段により変換されたタップ係
    数を用いてこのデータ補間手段によって補間されたデー
    タから過去のシンボルによって生じるエコーを消去する
    とともに現在のシンボルによって後続するシンボルに生
    じるエコーを補償するレプリカを算出する時間域エコー
    算出手段とを具備することを特徴とするエコーキャンセ
    ラ。
  2. 【請求項2】 受信帯域より狭い送信帯域を前記受信帯
    域まで拡張する帯域拡張手段と、 この帯域拡張手段によって帯域拡張された各キャリアの
    送信データから受信信号の符号識別結果に基づいて更新
    されたタップ係数を用いて現在のシンボルによるエコー
    のレプリカを算出する周波数域エコー算出手段と、 前記送信データのナイキスト周波数に対応する前記周波
    数域エコー算出手段のタップ係数を補間する周波数補間
    手段と、 この周波数補間手段によって補間した前記周波数域エコ
    ー算出手段のタップ係数を時間域のタップ係数に変換す
    る逆高速フーリエ変換手段と、 前記送信データを帯域拡張後逆高速フーリエ変換した時
    間域の送信データを前記受信信号のサンプリング数に補
    間するデータ補間手段と、 前記逆高速フーリエ変換手段により変換されたタップ係
    数を用いてこのデータ補間手段によって補間されたデー
    タから過去のシンボルによって生じるエコーを消去する
    とともに現在のシンボルによって後続するシンボルに生
    じるエコーをするレプリカを算出する時間域エコー算出
    手段とを具備することを特徴とするエコーキャンセラ。
  3. 【請求項3】 前記周波数補間手段は隣接するキャリア
    のタップ係数の平均値をとることによって前記ナイキス
    ト周波数に対応するタップ係数を補間することを特徴と
    する請求項2記載のエコーキャンセラ。
  4. 【請求項4】 前記周波数補間手段は前記受信信号のナ
    イキスト周波数に相当するキャリアのタップ係数を隣接
    するキャリアのタップ係数とその複素共役の平均値をと
    ることによって受信信号のナイキスト周波数に対応する
    タップ係数を補間することを特徴とする請求項1〜請求
    項3記載のエコーキャンセラ。
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