JP3368795B2 - コンパイル制御方法、コンパイル装置及び記録媒体 - Google Patents

コンパイル制御方法、コンパイル装置及び記録媒体

Info

Publication number
JP3368795B2
JP3368795B2 JP09916697A JP9916697A JP3368795B2 JP 3368795 B2 JP3368795 B2 JP 3368795B2 JP 09916697 A JP09916697 A JP 09916697A JP 9916697 A JP9916697 A JP 9916697A JP 3368795 B2 JP3368795 B2 JP 3368795B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
individual
logic
individual program
compilation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09916697A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10289109A (ja
Inventor
和弥 秋田
貴史 柳沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP09916697A priority Critical patent/JP3368795B2/ja
Publication of JPH10289109A publication Critical patent/JPH10289109A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3368795B2 publication Critical patent/JP3368795B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Devices For Executing Special Programs (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンパイル制御方
法、コンパイル装置及び記録媒体に係り、特に、ロジッ
クを記述したロジック部及び前記ロジックで使用される
データを定義するデータ定義部を含んで構成された個別
プログラムファイルのコンパイルを制御するコンパイル
制御方法、前記コンパイル制御方法を適用可能なコンパ
イル装置、及び前記コンパイル制御方法に係る処理をコ
ンピュータで実行させるためのプログラムが記録された
記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】プログ
ラムの開発、特に規模の大きなプログラムの開発にあた
っては、開発対象のプログラムを機能単位で複数のモジ
ュールに分け、各モジュール毎にプログラム設計、コー
ディング、デバッグ等の作業を行ってプログラムを完成
させた後に、各モジュールのプログラム(以下、個別プ
ログラムという)を統合し、統合したプログラムに対し
て更にデバッグ等の作業を行って目的のプログラムを得
る開発手法が広く採用されている。この手法では、取扱
いの容易なモジュール単位で各種作業を行うことができ
るので、作業性が向上すると共に、多数の作業者によっ
て分担して作業を行うことも容易であるので、プログラ
ムの開発に要する期間を短縮できる。
【0003】ところで、プログラム開発において、例え
ば「C」等の高級言語を用いてコーディングを行った場
合には、開発したプログラム(ソースプログラム)をコ
ンピュータで実行可能なマシンコード(マシン語)に翻
訳するコンパイルを行う必要があるが、このコンパイル
は、個別プログラム単位でデバッグを行う際にも実施さ
れる。コンパイルでは、コンパイル対象のプログラム中
に未定義(未宣言)の変数や定数等があるとコンパイル
エラーになるので、個別プログラム単位でのコンパイル
においても、コンパイル対象の個別プログラムで使用す
る変数や定数等は、前記個別プログラム中で全て定義し
ておく必要がある。
【0004】一方、複数のモジュール(複数の個別プロ
グラム)から成るプログラムにおいて、例えば定数の値
の変更等のメインテナンスを容易にするためには、複数
の個別プログラムで共通に使用される変数や定数等を共
通データとして定義する共通データ定義プログラムを作
成し、各個別プログラムが、前記共通データ定義プログ
ラムを参照するプログラム構造としておくことが望まし
い。
【0005】このため従来は、個別プログラムが完成す
る迄の期間は、各個別プログラムで使用する変数や定数
等を各個別プログラム中で定義しておくことでコンパイ
ルエラーの発生を防止し、複数の個別プログラムをコン
パイルして統合する際に、複数の個別プログラムで共通
に使用されている変数や定数等を確認し、前記共通に使
用されている変数や定数等を共通データとして定義する
共通データ定義プログラムを作成すると共に、各個別プ
ログラム中で変数や定数等を定義している箇所のうち前
記共通データを定義しているステップを確認して削除
し、各個別プログラムが前記共通データ定義プログラム
を参照する構造に修正する、という煩雑な作業を行って
おり、プログラム開発期間の長期化の原因となってい
た。
【0006】また、複数の個別プログラムを統合した後
のデバッグ作業において、個別プログラムを比較的大き
く修正する必要のあるバグが発見された等の場合には、
個別プログラムの修正を行った後に個別プログラム単位
で再度デバッグ作業を行うが、個別プログラム単位で再
度デバッグ作業を行う際にコンパイルエラーを防止する
ためには、個別プログラム中で共通データが定義されて
いる必要があるので、複数の個別プログラムのコンパイ
ル・統合に際して削除した共通データを定義するステッ
プを再度コーディングしてコンパイルし、個別プログラ
ム単位でのデバッグ作業を行い、該デバッグ作業が完了
した後に、前記共通データを定義しているステップを削
除する、という煩雑な作業を行う必要があった。
【0007】また、上述した共通データを定義している
ステップの削除や、共通データを定義するステップの再
コーディング等の作業は全て人手で行われるので、人為
的ミスが発生し易いという問題もあった。
【0008】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、コンパイルを行うための作業を省力化することがで
きるコンパイル制御方法、コンパイル装置及び記録媒体
を得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明に係るコンパイル制御方法は、ロ
ジックを記述したロジック部、及び前記ロジックで使用
されるデータを定義するデータ定義部を含んで構成され
る個別プログラムファイルの前記データ定義部の中で、
複数の個別プログラムファイルのロジックで共通に使用
される共通データと、各個別プログラムファイルのロジ
ックでのみ使用される個別データと、を各々纏めて定義
し、前記共通データを定義している箇所を区別可能に符
号を設け、コンパイル装置により複数の個別プログラム
ファイルをコンパイルして統合する際に、前記符号に基
づき前記データ定義部の共通データを定義している箇所
を無視してコンパイルさせる。
【0010】本発明に係る個別プログラムファイルは、
ロジックを記述したロジック部、及び前記ロジックで使
用されるデータを定義するデータ定義部を含んで構成さ
れている。なお、前記データは変数、定数、ライブラリ
等を含み、データ定義部におけるデータの定義には、変
数やライブラリ等の使用の宣言や、定数の値の設定等が
含まれる。このデータには、単一の個別プログラムファ
イルのロジック部のロジックでのみ使用される個別デー
タと、他の個別プログラムファイルのロジック部のロジ
ックでも共通に使用される共通データとがある。
【0011】これに対し請求項1記載の発明では、個別
プログラムファイルのデータ定義部の中で、複数の個別
プログラムファイルのロジックで共通に使用される共通
データと、各個別プログラムファイルのロジックでのみ
使用される個別データと、を各々纏めて定義し、共通デ
ータを定義している箇所を区別可能に符号を設けてい
る。この符号は、少なくとも共通データを定義している
箇所を区別可能であればよく、例えば特定の条件が成立
したときに前記箇所を無視してコンパイルさせるための
命令文であってもよいし、単に前記箇所を識別するため
のマークであってもよい。これにより、コンパイルを行
うコンパイル装置が共通データを定義している箇所を認
識することができる。
【0012】そして請求項1の発明では、コンパイル装
置により複数の個別プログラムファイルをコンパイルし
て統合する際に、前記符号に基づきデータ定義部の共通
データを定義している箇所を無視してコンパイルさせ
る。共通データを定義している箇所を無視させること
は、具体的には、例えば前記符号として、特定の条件が
成立したときに前記箇所を無視してコンパイルさせるた
めの命令文を用いていた場合には、前記特定の条件を成
立させることで実現することができる。また、例えば前
記符号として、前記箇所を識別するためのマークを用い
ていた場合には、該マークによって認識される箇所(共
通データを定義している箇所)を無視してコンパイルす
るようにコンパイル装置に対して指示することで実現で
きる。
【0013】このように、請求項1の発明では、個別プ
ログラムファイルのデータ定義部のうち共通データを定
義している箇所を含めてコンパイルさせるか、前記共通
データを定義している箇所を無視してコンパイルさせる
かを切替え可能であり、個別プログラムファイルでコン
パイルを行う際には、共通データを定義している箇所を
含めてコンパイルさせることにより、コンパイルエラー
が発生することを防止することができる。また、複数の
個別プログラムファイルをコンパイルして統合する際に
は、共通データを定義している箇所を無視してコンパイ
ルさせるので、前記共通データを定義している箇所を削
除する必要もない。
【0014】従って、請求項1の発明によれば、コンパ
イル装置により複数の個別プログラムファイルをコンパ
イルして統合する際に、共通データを定義している箇所
を無視してコンパイルさせることで、個別プログラムフ
ァイルの共通データを定義している箇所の削除や再コー
ディング等の作業を行うことなく、コンパイル装置によ
り個別プログラムファイル単位でコンパイルさせること
も、コンパイル装置により複数の個別プログラムファイ
ルをコンパイルして統合させることも可能であるので、
コンパイルを行うための作業を省力化することができる
と共に、コンパイルを行うための作業において人為的な
ミスが発生することも防止することができる。
【0015】また、請求項1の発明では、個別プログラ
ムファイルのデータ定義部の中で、共通データと個別デ
ータとを各々纏めて定義しているので、例えば複数の個
別プログラムファイルをコンパイルして統合するに先立
って、個別プログラムファイルのデータ定義部の中の共
通データを定義している箇所をコピーすることで、共通
データを定義する共通データ定義プログラムを作成する
等の作業を行う場合にも、共通データを定義している箇
所のコピー漏れ等の人為的なミスの発生を最小限に抑制
することができる。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1の発明に
おいて、前記符号として、コンパイル条件切替えパラメ
ータが所定値のときに、前記データ定義部の共通データ
を定義している箇所を無視してコンパイルさせる命令文
を設け、コンパイル装置により複数の個別プログラムフ
ァイルをコンパイルして統合する際には、前記コンパイ
ル条件切替えパラメータに前記所定値を設定することを
特徴としている。
【0017】請求項2記載の発明では、コンパイル条件
切替えパラメータに所定値を設定するか否かにより、共
通データを定義している箇所を含めてコンパイルさせる
か、共通データを定義している箇所を無視してコンパイ
ルさせるかを切替え可能であり、コンパイル装置により
複数の個別プログラムファイルをコンパイルして統合す
る際には、コンパイル条件切替えパラメータに所定値を
設定するので、コンパイル装置により複数の個別プログ
ラムファイルをコンパイルして統合する際に、共通デー
タを定義している箇所を無視してコンパイルさせること
を極めて容易に実現することができる。
【0018】請求項3記載の発明に係るコンパイル装置
は、ロジックを記述したロジック部、及び前記ロジック
で使用されるデータを定義するデータ定義部を含んで構
成された個別プログラムファイルを複数記憶可能な記憶
手段と、前記記憶手段に記憶されている個別プログラム
ファイルのコンパイルに際し、複数の個別プログラムフ
ァイルをコンパイルして統合するか否かを判断する判断
手段と、前記判断手段が、複数の個別プログラムファイ
ルをコンパイルして統合すると判断した場合に、各個別
プログラムファイルのデータ定義部の中で各々纏めて予
め定義されている、複数の個別プログラムファイルのロ
ジックで共通に使用される共通データと、各個別プログ
ラムファイルのロジックでのみ使用される個別データ
と、のうち、前記共通データが定義されている箇所を区
別可能に予め設けられた符号に基づき、前記データ定義
部の共通データを定義している箇所を無視してコンパイ
ルするコンパイル手段と、を含んで構成している。
【0019】請求項3記載の発明では、記憶手段に記憶
されている個別プログラムファイルのコンパイルに際
し、複数の個別プログラムファイルをコンパイルして統
合するか否かを判断する判断手段が設けられている。こ
の判断手段による判断は、例えばコンパイル対象として
指定された個別プログラムファイルの数が複数か否かに
基づいて行うことができる。
【0020】また、例えばデータ定義部に設けられてい
る符号が、特定の条件が成立したときに共通データを定
義している箇所を無視してコンパイルさせるための命令
文であり、複数の個別プログラムファイルをコンパイル
して統合する際には前記特定の条件が成立される(例え
ば請求項2に記載したように、コンパイル条件切替えパ
ラメータに所定値が設定される等)場合には、判断手段
による判断は、前記特定の条件が成立しているか否かに
基づいて行うこともできる。
【0021】また、データ定義部に設けられている符号
が、共通データを定義している箇所を識別するためのマ
ークであり、複数の個別プログラムファイルをコンパイ
ルして統合する際には前記マークによって認識される箇
所を無視してコンパイルするように指示される場合に
は、前記判断手段による判断は、前記指示の有無に基づ
いて行うことも可能である。そしてコンパイル手段は、
複数の個別プログラムファイルをコンパイルして統合す
ると判断した場合に、前記符号に基づき前記データ定義
部の共通データを定義している箇所を無視してコンパイ
ルする。
【0022】従って、請求項3の発明によれば、複数の
個別プログラムファイルをコンパイルして統合するか否
かに応じて、共通データを定義している箇所を含めてコ
ンパイルするか、共通データを定義している箇所を無視
してコンパイルするかが切替わるので、個別プログラム
ファイルの共通データを定義している箇所の削除や再コ
ーディング等の作業を行うことなく、個別プログラムフ
ァイル単位でコンパイルさせることも、複数の個別プロ
グラムファイルをコンパイルして統合させることも可能
であり、コンパイルを行うための作業を省力化できると
共に、コンパイルを行うための作業において人為的なミ
スが発生することも防止することができる。
【0023】請求項4の発明に係る記録媒体は、ロジッ
クを記述したロジック部、及び前記ロジックで使用され
るデータを定義するデータ定義部を含んで各々構成され
る複数の個別プログラムファイルをコンパイルして統合
する際に、各個別プログラムファイルのデータ定義部の
中で各々纏めて予め定義されている、複数の個別プログ
ラムファイルのロジックで共通に使用される共通データ
と、各個別プログラムファイルのロジックでのみ使用さ
れる個別データと、のうち、前記共通データが定義され
ている箇所を区別可能に予め設けられた符号に基づき、
前記データ定義部の共通データを定義している箇所を無
視してコンパイルするステップを含む処理をコンピュー
タに実行させるためのプログラムが記録されている。
【0024】請求項4記載の発明に係る記録媒体には、
上記のステップを含む処理、すなわち請求項1の発明に
係るコンパイル制御方法に係る処理をコンピュータに実
行させるためのプログラムが記録されているので、コン
ピュータが前記記録媒体に記録されているプログラムを
読み出して実行することにより、請求項1の発明と同様
に、コンパイルを行うための作業を省力化することがで
きる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態の一例を詳細に説明する。なお、以下では、車両
に搭載されるECU(Electronic Control Unit)で実行
される各種のプログラムのうち、燃料噴射量等のエンジ
ン制御を行うためのプログラムを開発する場合を例に説
明する。
【0026】図1には、ECUで実行される各種のプロ
グラムを開発するための情報処理システム10が示され
ている。情報処理システム10は、プログラム開発者毎
に設置された多数台のワークステーション12A、12
B、12C、…と、後述するコンパイル等の処理を行う
と共にプリンタ64や大容量の記憶装置62等の共有資
源の管理を行うサーバ40と、を備えており、これらは
伝送媒体38を介して接続されてLAN(ローカルエリ
アネットワーク)が形成されている。
【0027】ワークステーション12Aは、ワークステ
ーション本体14と、ワークステーション本体14の入
出力ポートに接続される各種の入出力機器と、から構成
されている。ワークステーション本体14は、CPU1
6、ROM18、RAM20及び入出力ポート22を備
えており、これらはデータバス、制御バス、アドレスバ
ス等から成るバス24を介して互いに接続されている。
入出力ポート22には、前述の入出力機器として、伝送
媒体38に接続されたモデム26と、各種の情報を表示
するためのディスプレイ28と、プログラム開発者がデ
ータや各種の指示等を入力するためのキーボード30及
びマウス32と、ハードディスク等の記憶媒体を備えた
記憶装置36と、が接続されている。
【0028】なお、他のワークステーション12B、1
2C、…はワークステーション12Aと同一の構成であ
るので構成の説明を省略すると共に、以下、これらをワ
ークステーション12と総称する。また、各ワークショ
ステーション12の記憶装置36は、請求項3に記載の
記憶手段に対応している。
【0029】サーバ40は、サーバ本体42と、サーバ
本体42の入出力ポートに接続される各種の入出力機器
と、から構成されている。サーバ本体42は、CPU4
4、ROM46、RAM48及び入出力ポート50を備
えており、これらはデータバス、制御バス、アドレスバ
ス等から成るバス52を介して互いに接続されている。
入出力ポート50には、前述の入出力機器として、伝送
媒体38に接続されたモデム54と、各種の情報を表示
するためのディスプレイ56と、管理者等がデータや各
種の指示等を入力するためのキーボード58及びマウス
60と、大容量のハードディスク等の記憶媒体を備えた
記憶装置62と、処理結果を印刷するためのレーザビー
ムプリンタ64と、CD−ROMドライバ66と、フロ
ッピーディスクドライバ(FDD)70と、が接続され
ている。
【0030】また、サーバ40をコンパイラ及びリンケ
ージエディタ(すなわち本発明のコンパイル装置)とし
て機能させるためのコンパイル処理プログラム(請求項
4に記載のプログラムに対応)は、CD−ROMドライ
バ66に装填されるCD−ROM68、又はFDD70
に装填されるフロッピーディスク(FD)72、又は記
憶装置62のハードディスク等の記憶媒体の何れかに記
憶されている。コンパイル処理プログラムを記憶してい
る記録媒体(CD−ROM68又はFD72又は記憶装
置62の記憶媒体)は本発明の記録媒体に対応してい
る。
【0031】次に本実施形態の作用を説明する。エンジ
ン制御プログラムの開発にあたっては、一般的なプログ
ラム開発手法と同様に、まずエンジン制御プログラムの
仕様を定め、定めた仕様を満足するためにエンジン制御
プログラムで実現すべき各種の機能に基づき、エンジン
制御プログラムを機能毎に複数のモジュールに分ける
(モジュール化)等のエンジン制御プログラムの基本設
計を行う。モジュール化を行った後は、各プログラム開
発者によりモジュール毎に作業を分担し、各モジュール
を更に複数のモジュールに分割したり、フローチャート
等を用いて各モジュールのロジックを定める等のプログ
ラムの詳細設計を行う。
【0032】プログラムの詳細設計が完了すると、プロ
グラム開発者は、所定のプログラム言語(例えば「C」
や「C++」等の高級言語)に従ってモジュール単位で
プログラムを作成するコーディングを行う。このコーデ
ィングは、例えばワークステーション12にエディタプ
ログラムを実行させ、プログラムの詳細設計の結果に基
づきワークステーション12のキーボードを操作してプ
ログラムリスト(ソースリスト)をワークステーション
12に入力することにより行われる。そして、入力され
たプログラムリストはワークステーション12の記憶装
置36にファイルとして記憶される(サーバ40の記憶
装置62に記憶してもよい)。なお以下では、モジュー
ル単位で作成(コーディング)されて記憶装置にファイ
ルとして記憶されたプログラムを「個別プログラムファ
イル」と称する。
【0033】本実施形態では、個別プログラムファイル
の概略構造が、図2に示すように予め定められている。
すなわち、個別プログラムファイルは、所定の機能を実
現するためのロジックを所定のプログラム言語に従って
記述したロジック部と、前記ロジック部のロジックで使
用されるデータの定義(変数の型の定義、定数の値の設
定、ライブライリの使用の宣言)等を所定のプログラム
言語に従って記述したヘッダ部(本発明のデータ定義部
に相当)と、から構成されている。
【0034】ロジック部で使用されるデータには、エ
ンジン制御プログラムを含むECUで実行される各種の
プログラムで共通に使用されるデータ(以下、汎用共通
データという)、エンジン制御プログラムを構成する
複数の個別プログラムファイルで共通に使用されるデー
タ(以下、エンジン制御共通データという)、個々の
個別プログラムファイルでのみ使用されるデータ(以
下、個別データという)、の3種類のデータがある。
【0035】汎用共通データに分類されるデータはほぼ
変化することがないので、予め作成された汎用共通参照
データヘッダcommon.h(図2参照)等において
定義されている。この汎用共通参照データヘッダcom
mon.hは例えばサーバ40の記憶装置62に記憶さ
れている。個別プログラムファイルのヘッダ部には、最
初に汎用共通参照データヘッダcommon.hの参照
を宣言する宣言文が記述され(図2の(1) 参照)、続い
て個別データを定義する一連のデータ定義文が纏めて記
述される(図2の(2) 参照)。
【0036】また、個別データを定義するデータ定義文
の次には、エンジン制御共通データの定義に関連する一
連のステップが記述されるが、この一連のステップの先
頭には、コンパイル条件切替えパラメータの値を設定す
るデータ定義文が記述される(図2の(3) 参照)。この
データ定義文は、例えばプログラミング言語が「C」で
あれば、例として次のように記述される。
【0037】#define JGLNK == NOT LNK 上記のデータ定義文における「JGLNK 」はコンパイル条
件切替えパラメータを表す。なお、上記のデータ定義文
は、当初は個別コンパイル(個々の個別プログラムファ
イル単位でのコンパイル)であることを表す値(例えば
上記の「NOT LNK 」)をコンパイル条件切替えパラメー
タに設定する内容とされているが、複数の個別プログラ
ムファイルをコンパイルして統合(全体コンパイルとい
う)する際には、前記データ定義文は、プログラム開発
者により、後述するように全体コンパイルであることを
表す値(例えば「LNK 」)をコンパイル条件切替えパラ
メータに設定する内容に書換わる。
【0038】なお、上記のデータ定義文を記述すること
に代えて、上記のデータ定義文を記述した所定のヘッダ
を取り込む命令文を記述するようにしてもよいし、これ
らを組み合わせて記述するようにしてもよい。この命令
文は、例えばプログラミング言語が「C」であれば、例
として次のように記述される。
【0039】#include "gicc.h" 上記の命令文における「gicc.h」は、コンパイル条件切
替えパラメータの値を設定するデータ定義文が記述され
た所定のヘッダの名称を表す。
【0040】エンジン制御共通データの定義に関連する
一連のステップでは、上記のデータ定義文又は命令文に
続いて、コンパイル条件切替えパラメータの値が、個別
コンパイルであることを表す値か否かを判定する条件判
定文(コンパイル制御用の条件判定文)が記述される
(図2の(4) 参照)。この条件判定文は、本発明の符号
(より詳しくは請求項2に記載の命令文)に対応してお
り、例えばプログラミング言語が「C」であれば、例と
して次のように記述される。
【0041】#if JGLNK == NOT LNK そして、上記の条件判定文に続いてエンジン制御共通デ
ータを定義する一連のデータ定義文が纏めて記述され
(図2の(5) 参照)、続いてエンジン制御共通データを
定義する一連のデータ定義文を記述している箇所の末尾
を表す終了文が記述される(図2の(6) 参照)。この終
了文は、例えばプログラミング言語が「C」であれば、
例として次のように記述される。この終了文も、本発明
の符号に対応している。
【0042】#endif また、後述するように、デバッグ工程を経て個々の個別
プログラムファイルが完成すると、複数の個別プログラ
ムファイルをコンパイルして統合する前に、プログラム
開発者によりエンジン制御共通データを定義するエンジ
ン制御共通参照データヘッダeng.h(図2参照)が
作成されて、例えばサーバ40の記憶装置62に記憶さ
れる。
【0043】このため、エンジン制御共通データを定義
する一連のデータ定義文の記述箇所の末尾を表す終了文
に続いて、コンパイル条件切替えパラメータの値が全体
コンパイルであることを表す値か否かを判定する条件判
定文(コンパイル制御用の条件判定文)が記述される
(図2の(7) 参照)。この条件判定文は、例えばプログ
ラミング言語が「C」であれば、例として次のように記
述される。
【0044】#if JGLNK == LNK そして、上記の条件判定文に続いて、エンジン制御共通
参照データeng.hの参照を宣言する宣言文等が記述
され(図2の(8) 参照)、続いて該宣言文等の終了を表
す終了文(図2の(9) 参照)が記述される。
【0045】プログラム開発者は、プログラムの詳細設
計の結果に基づき、上述したように予め定められている
ヘッダ部の構造に従ってヘッダ部のコーディングを行う
と共に、ロジック部のコーディングを行って個別プログ
ラムファイルを作成する。コーディング作業が完了する
と、プログラム開発者は個別プログラムファイル単位で
デバッグを行う。
【0046】このデバッグでは、個別プログラムファイ
ルのソースリストを参照してプログラム開発者が内容を
確認する、所謂机上デバッグを行った後に、個別プログ
ラムを実際にコンピュータで実行させて動作を確認す
る、所謂マシンデバッグを行うが、ECUで個別プログ
ラムのみを実行させて動作を確認することは困難である
ので、ECUを模擬したシミュレーションプログラムを
ワークステーション12で実行させ、ワークステーショ
ン12をシミュレータとして用いてマシンデバッグを行
う。
【0047】このマシンデバッグを行うにあたっては、
個別プログラムをコンピュータで実行可能な形式(オブ
ジェクトファイル)に変換する必要があるので、プログ
ラム開発者はサーバ40に対し、マシンデバッグを行う
個別プログラムファイルの個別コンパイルをワークステ
ーション12を介して指示する。なお、個別プログラム
単位でのマシンデバッグは必須の工程ではなく、単にコ
ンパイルエラーの発生の有無を確認するために個別コン
パイルの実行が指示されることもある。
【0048】個別コンパイルの実行が指示されると、サ
ーバ40は、コンパイル処理プログラムを記憶している
記録媒体(CD−ROM68又はFD72又は記憶装置
62の記憶媒体)からコンパイル処理プログラムを読み
出してRAM48に一旦格納し、続いてRAM48に格
納したコンパイル処理プログラムをCPU44で実行す
る。これにより、サーバ40は本発明に係るコンパイル
装置として機能する。以下、サーバ40がコンパイル処
理プログラムを実行することにより実現されるコンパイ
ル処理について、図3のフローチャートを参照して説明
する。
【0049】コンパイル処理では、ステップ100でコ
ンパイルが指示された個別プログラムファイルを、伝送
媒体38を介して取り込む。次のステップ102では、
ステップ100で取り込んだ個別プログラムファイル
(ソースプログラム)から、1ステップを取り出す。ス
テップ104では、取り出したステップが、コンパイル
制御用の条件判定文(コンパイル条件切替えパラメータ
の値を判定する条件判定文)か否か判定する。判定が否
定された場合にはステップ106へ移行し、取り出した
ステップのコンパイルを実行する。
【0050】例えば取り出したステップがデータ定義文
であれば、該データ定義文の内容に応じて変数にメモリ
上のアドレスを割り当てたり、定数として使用するメモ
リ上の所定領域に値を設定し、例えば取り出したステッ
プがロジックを表す命令文であれば、該命令文をマシン
コードに置き換える。また、例えば取り出したステップ
が他のプログラムファイルを取り込む指示であれば、該
指示に応じて他のプログラムファイルを取り込んで、取
り込んだプログラムファイルの内容に応じた処理を行
い、例えば取り出したステップがコメント記述文であれ
ば、このステップを読み飛ばして何ら処理を行わない。
【0051】次のステップ108では、ステップ100
で取り込んだ個別プログラムを最終ステップまでコンパ
イルしたか否か判定する。判定が否定された場合にはス
テップ102に戻り、ステップ102以降を繰り返す。
【0052】また、ステップ102で取り出したステッ
プがコンパイル制御用の条件判定文であった場合には、
ステップ104からステップ110へ移行し、条件判定
文の条件に合致しているか否か判定する。このステップ
110は、請求項3に記載の判断手段に対応している。
【0053】コンパイル条件切替えパラメータの値を設
定するデータ定義文(図2の(3))は、個別コンパイル時
には、コンパイル条件切替えパラメータに個別コンパイ
ルであることを表す値を設定する内容となっているの
で、ステップ102で取り出したコンパイル制御用の条
件判定文が、個別コンパイルであることを表す値がコン
パイル条件切替えパラメータに設定されているか否かを
判定する条件判定文(図2の(4) の条件判定文、例えば
「#if JGLNK == NOT LNK」)である場合にはステップ1
10の判定が肯定され、何ら処理を行うことなくステッ
プ102に戻る。この場合、コンパイル制御用の条件判
定文に続くステップ(エンジン制御共通データを定義す
るデータ定義文)に対して順次コンパイルが実行される
ことになる。
【0054】一方、ステップ102で取り出したコンパ
イル制御用の条件判定文が、全体コンパイルであること
を表す値がコンパイル条件切替えパラメータに設定され
ているか否かを判定する条件判定文(図2の(7) の条件
判定文、例えば「#if JGLNK== LNK」)であった場合に
は、ステップ110の判定が否定されてステップ112
へ移行する。
【0055】ステップ112ではコンパイルの実行を停
止し、ステップ114では上記のコンパイル制御用条件
判定文と対になる終了文(図2の(9) の終了文、例えば
「#endif」)が記述されているステップをサーチする。
次のステップ116では、上記の終了文の次のステップ
からコンパイルの実行が再スタートするように、コンパ
イル実行カウンタのカウント値を書換えてステップ10
2に戻る。これにより、コンパイル条件切替えパラメー
タが全体コンパイルであることを表す値か否かを判定す
るコンパイル制御用条件判定文(例えば「#if JGLNK ==
LNK」)と、該判定文と対になる終了文(例えば「#end
if」)との間に記述されたステップ(エンジン制御共通
参照データヘッダeng.hの参照を宣言する宣言文
等)は、コンパイルされることなく無視されることにな
る。
【0056】この個別コンパイル時にはエンジン制御共
通参照データヘッダeng.hは未作成であるが、上述
したように、個別コンパイル時には上記の条件判定文と
終了文との間に記述されたエンジン制御共通参照データ
ヘッダeng.hの参照を宣言する宣言文等のステップ
は無視されるので、エンジン制御共通参照データヘッダ
eng.hの参照を宣言する宣言文でコンパイルエラー
が発生することを防止することができる。
【0057】個別プログラムファイルの全ステップに対
して上記の処理を行うと、ステップ108の判定が肯定
されてステップ118へ移行し、コンパイル対象の全て
のプログラムファイルのコンパイルが完了したか否か判
定する。この場合は個別コンパイルであるので判定が肯
定され、ステップ120へ移行する。ステップ120で
はこのコンパイルが全体コンパイルか否か判定する。こ
の場合は個別コンパイルであるので、判定が否定されて
ステップ122へ移行し、個別コンパイルの実行を指示
したワークステーション12に対して個別コンパイルの
結果(オブジェクトファイル)を送信し、コンパイル処
理を終了する。
【0058】上記のようにして個別コンパイルが行われ
て個別プログラムのオブジェクトファイルが得られる
と、このオブジェクトファイルを用いて前述のマシンデ
バッグが行われ、バグが摘出される度に、個別プログラ
ムファイルのソースプログラムの修正、個別コンパイル
が繰り返されて個別プログラムファイル単位でのデバッ
グが行われる。
【0059】エンジン制御プログラムを構成する各個別
プログラムファイルについて、個別プログラムファイル
単位でのデバッグが完了すると、プログラム開発者は、
各個別プログラムファイルのヘッダ部に記述されている
データ定義文のうち、エンジン制御プログラムを構成す
る各個別プログラムファイルで共通に使用されているエ
ンジン制御共通データを定義しているデータ定義文を各
々コピーすることにより、エンジン制御共通参照データ
ヘッダeng.h(共通データ定義プログラム)を作成
し、作成したエンジン制御共通参照データヘッダen
g.hを、例えばサーバ40の記憶装置62に記憶させ
る(図2参照)。
【0060】個別プログラムファイルのヘッダ部には、
エンジン制御共通データを定義しているデータ定義文が
纏めて記述されている(図2の(5))ので、上記のエンジ
ン制御共通参照データヘッダeng.hの作成におい
て、エンジン制御共通データを定義しているデータ定義
文のコピー漏れ等の人為的ミスが発生することを最小限
に抑制することができる。
【0061】また、エンジン制御共通参照データヘッダ
eng.hの作成が完了すると、開発した全ての個別プ
ログラムファイルを統合して成るエンジン制御プログラ
ム全体に対するデバッグが行われる。このデバッグでは
全体コンパイルを行って、全ての個別プログラムファイ
ルをコンパイルすると共に互いにリンク(統合)させた
オブジェクトファイルを得る必要がある。
【0062】プログラム開発者は、この全体コンパイル
の実行に先立ち、コンパイル条件切替えパラメータが全
体コンパイルであることを表す値(例えば「LNK 」)と
なるように、各個別プログラムファイル中のコンパイル
条件切替えパラメータのデータ定義文(図2の(3))、或
いは各個別プログラムファイルに取り込まれる所定のヘ
ッダ中のコンパイル条件切替えパラメータのデータ定義
文を書換える。このデータ定義文は、例えばプログラミ
ング言語が「C」であれば、例として以下のように書換
える。
【0063】#define JGLNK == LNK なお、上記のデータ定義文を所定のヘッダに記述してお
き、各個別プログラムファイルを、前記所定のヘッダを
取り込むプログラム構造としておけば、前記所定のヘッ
ダに記述されているデータ定義文の修正箇所が1箇所で
済み、作業が簡単になると共に作業ミスの発生を防止す
ることができるので好ましい。
【0064】上記のようにしてコンパイル条件切替えパ
ラメータのデータ定義文を書換えると、プログラム開発
者は、サーバ40に対し、全体コンパイルの実行をワー
クステーション12を介して指示する。
【0065】これにより、サーバ40では図3に示すコ
ンパイル処理が実行されるが、前述のように、全体コン
パイル時には、コンパイル条件切替えパラメータの値を
設定するデータ定義文(図2の(3))が、コンパイル条件
切替えパラメータに全体コンパイルであることを表す値
を設定する内容となっているので、ステップ110の判
定は、ステップ102で取り出したコンパイル制御用の
条件判定文が、全体コンパイルであることを表す値がコ
ンパイル条件切替えパラメータに設定されているか否か
を判定する条件判定文(図2の(7) 、例えば「#if JGLN
K == LNK」)である場合に肯定される。従って、上記の
コンパイル制御用の条件判定文に続いて記述されてい
る、エンジン制御共通参照データヘッダeng.hの参
照を宣言する宣言文等に対してコンパイルが実行される
ことになる。
【0066】また、ステップ110の判定は、ステップ
102で取り出したコンパイル制御用の条件判定文が、
個別コンパイルであることを表す値がコンパイル条件切
替えパラメータに設定されているか否かを判定する条件
判定文(図2の(4) 、例えば「#if JGLNK == NOT LN
K」)であった場合に否定され、コンパイル制御用条件
判定文と、該コンパイル制御用条件判定文と対になる終
了文(例えば「#endif」)と、の間に記述されているス
テップ、すなわちエンジン制御共通データを定義してい
るデータ定義文については、コンパイルされることなく
無視されることになる。
【0067】これは、請求項3に記載のコンパイル手段
の「データ定義部の共通データを定義している箇所を無
視してコンパイルする」ことに対応している。また、上
記のようにエンジン制御共通データを定義しているデー
タ定義文を無視してコンパイルさせることは、コンパイ
ル条件切替えパラメータのデータ定義文を、コンパイル
条件切替えパラメータに全体コンパイルであることを表
す値を設定する内容に書換えることで実現できるので、
このデータ定義文の書換えは、請求項1に記載の「符号
に基づきデータ定義部の共通データを定義している箇所
を無視してコンパイルさせる」ことに対応している。
【0068】上記のようにして1つの個別プログラムフ
ァイルに対するコンパイルが終了するとステップ118
へ移行するが、全体コンパイルでは複数の個別プログラ
ムファイルに対してコンパイルが行われるので、コンパ
イル対象の全ての個別プログラムファイルのコンパイル
が完了する迄の間はステップ118の判定が否定され、
ステップ100以降の処理が繰り返される。
【0069】そして、コンパイル対象の全ての個別プロ
グラムファイルのコンパイルが完了すると、ステップ1
18の判定が肯定されてステップ120に移行する。こ
の場合は全体コンパイルであるので、ステップ120の
判定が肯定されてステップ124へ移行する。ステップ
124では、リンケージエディタプログラムを実行し、
全ての個別プログラムファイルのコンパイル結果(オブ
ジェクトファイル)をリンクして、ECUで実行可能な
エンジン制御プログラムを生成する。次のステップ12
6では、処理結果(生成されたエンジン制御プログラ
ム)を記憶装置62に記憶し、コンパイル処理を終了す
る。
【0070】上記のようにして、エンジン制御プログラ
ムが生成されると、ECU或いはシミュレータ上で動作
を確認するデバッグが行われる。そして、このデバッグ
でバグが摘出された場合には、ソースプログラムが修正
された後に全体コンパイルが再度行われ、再びデバッグ
が行われる。なお、デバッグで摘出されたバグが、例え
ば特定の個別プログラムファイルのソースプログラムを
大きく修正する必要があるバグであった等の場合には、
全体コンパイルに先立って、前記特定の個別プログラム
ファイルの個別コンパイル及び該個別プログラムファイ
ル単体でのデバッグが行われる。
【0071】この個別コンパイル時にも、個別コンパイ
ルであることを表す値(例えば「NOT LNK 」)をコンパ
イル条件切替えパラメータに設定する内容に、コンパイ
ル条件切替えパラメータのデータ定義文(図2の(3))を
書換えれば、コンパイルエラーが発生することなく、個
別コンパイルを行うことができる。
【0072】なお、上記ではサーバ40でコンパイル処
理を行う場合を例に説明したが、これに限定されるもの
ではなく、ワークステーション12でコンパイル処理
(特に個別コンパイル)を行うようにしてもよい。
【0073】また、上記では多数台のワークステーショ
ン12及びサーバ40が伝送媒体38を介して接続され
た構成の情報処理システム10を例に説明したが、これ
に限定されるものではなく、ホストコンピュータに多数
台の端末(VDT)が接続され、各端末からタイムシェ
アリングによって各種の処理をホストコンピュータに実
行させる構成の情報処理システムであってもよい。
【0074】また、個別プログラムファイルのヘッダ部
の構造は図2に示した構造に限定されるものではなく、
各種の宣言文、定義文、条件判定文、終了文、命令文の
記述順序は、本発明を逸脱しない範囲内で任意に変更可
能である。
【0075】また、コーディングに用いるプログラミン
グ言語は、「C」、「C+」、「C++」に限定される
ものではなく、コンパイルが必要な各種のプログラミン
グ言語、例えば「Java」等のコンパイルに本発明を
適用可能であることは言うまでもない。
【0076】更に、上記では本発明に係る記録媒体の一
例として、CD−ROM、FD、ハードディスクを記載
したが、これに限定されるものではなく、光磁気ディス
ク等の他の記録媒体を適用することも可能である。ま
た、記録媒体からのコンパイル処理プログラムの読み出
しをワークステーション12で行い、読み出したコンパ
イル処理プログラムを伝送媒体38を介してサーバ40
に転送し、サーバ40でコンパイル処理プログラムを実
行させるようにしてもよい。
【0077】以上、本発明の実施形態について説明した
が、上記の実施形態は、特許請求の範囲に記載した技術
的事項の実施態様以外に、以下に記載した技術的事項の
実施態様を含んでいる。
【0078】(1)前記データ定義部に、前記個別プロ
グラムファイルと別に設けられた前記共通データを定義
しているプログラム(ヘッダ)の参照を宣言する宣言文
を設けると共に、該宣言文を区別可能に第2の符号を設
けておき、コンパイル装置により単一の個別プログラム
ファイルをコンパイルする際に、前記第2の符号に基づ
き前記宣言文を無視してコンパイルさせる請求項1又は
請求項2記載のコンパイル制御方法。
【0079】(2)前記第2の符号として、コンパイル
条件切替えパラメータが第2の所定値のときに、前記宣
言文を無視してコンパイルさせる命令文を設けておき、
コンパイル装置により単一の個別プログラムファイルを
コンパイルする際には、前記コンパイル条件切替えパラ
メータに前記第2の所定値を設定する(1)記載のコン
パイル制御方法。
【0080】(3)前記データ定義部には、前記個別プ
ログラムファイルと別に設けられた前記共通データを定
義しているプログラム(ヘッダ)の参照を宣言する宣言
文が予め設けられていると共に、該宣言文を区別可能に
第2の符号が予め設けられており、前記コンパイル手段
は、前記判断手段が単一の個別プログラムファイルをコ
ンパイルすると判断した場合に、前記第2の符号に基づ
き前記宣言文を無視してコンパイルする請求項3記載の
コンパイル装置。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
に係るコンパイル制御方法は、ロジック部及びデータ定
義部を含んで構成された個別プログラムファイルのデー
タ定義部の中で、複数の個別プログラムファイルのロジ
ックで共通に使用される共通データと、各個別プログラ
ムファイルのロジックでのみ使用される個別データと、
を各々纏めて定義し、共通データを定義している箇所を
区別可能に符号を設け、コンパイル装置により複数の個
別プログラムファイルをコンパイルして統合する際に、
前記符号に基づきデータ定義部の共通データを定義して
いる箇所を無視してコンパイルさせるので、コンパイル
を行うための作業を省力化することができる、という優
れた効果を有する。
【0082】請求項2記載の発明は、請求項1の発明に
おいて、前記符号として、コンパイル条件切替えパラメ
ータが所定値のときに、データ定義部の共通データを定
義している箇所を無視してコンパイルさせる命令文を設
け、コンパイル装置により複数の個別プログラムファイ
ルをコンパイルして統合する際には、コンパイル条件切
替えパラメータに前記所定値を設定するので、上記効果
に加え、コンパイル装置により複数の個別プログラムフ
ァイルをコンパイルして統合する際に、共通データを定
義している箇所を無視してコンパイルさせることを極め
て容易に実現できる、という効果を有する。
【0083】請求項3記載の発明に係るコンパイル装置
は、個別プログラムファイルのコンパイルに際し、複数
の個別プログラムファイルをコンパイルして統合するか
否かを判断し、複数の個別プログラムファイルをコンパ
イルして統合すると判断した場合に、各個別プログラム
ファイルのデータ定義部の中で各々纏めて予め定義され
ている、複数の個別プログラムファイルのロジックで共
通に使用される共通データと、各個別プログラムファイ
ルのロジックでのみ使用される個別データと、のうち、
共通データを定義している箇所を区別可能に予め設けら
れた符号に基づき、前記共通データを定義している箇所
を無視してコンパイルするので、コンパイルを行うため
の作業を省力化することができる、という優れた効果を
有する。
【0084】請求項4記載の発明に係る記録媒体は、複
数の個別プログラムファイルをコンパイルして統合する
際に、各個別プログラムファイルのデータ定義部の中で
各々纏めて予め定義されている、複数の個別プログラム
ファイルのロジックで共通に使用される共通データと、
各個別プログラムファイルのロジックでのみ使用される
個別データと、のうち、共通データが定義されている箇
所を区別可能に予め設けられた符号に基づき、データ定
義部の共通データを定義している箇所を無視してコンパ
イルするステップを含む処理をコンピュータに実行させ
るためのプログラムが記録されているので、コンパイル
を行うための作業を省力化することができる、という優
れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る情報処理システムの概略構成
を示すブロック図である。
【図2】個別プログラムファイルの内容及び各種の共通
参照データヘッダを示す概念図である。
【図3】コンパイル処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 情報処理システム 12 ワークステーション 34 記憶装置 40 サーバ 62 記憶装置

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロジックを記述したロジック部、及び前
    記ロジックで使用されるデータを定義するデータ定義部
    を含んで構成される個別プログラムファイルの前記デー
    タ定義部の中で、複数の個別プログラムファイルのロジ
    ックで共通に使用される共通データと、各個別プログラ
    ムファイルのロジックでのみ使用される個別データと、
    を各々纏めて定義し、前記共通データを定義している箇
    所を区別可能に符号を設け、 コンパイル装置により複数の個別プログラムファイルを
    コンパイルして統合する際に、前記符号に基づき前記デ
    ータ定義部の共通データを定義している箇所を無視して
    コンパイルさせるコンパイル制御方法。
  2. 【請求項2】 前記符号として、コンパイル条件切替え
    パラメータが所定値のときに、前記データ定義部の共通
    データを定義している箇所を無視してコンパイルさせる
    命令文を設け、 コンパイル装置により複数の個別プログラムファイルを
    コンパイルして統合する際には、前記コンパイル条件切
    替えパラメータに前記所定値を設定することを特徴とす
    る請求項1記載のコンパイル制御方法。
  3. 【請求項3】 ロジックを記述したロジック部、及び前
    記ロジックで使用されるデータを定義するデータ定義部
    を含んで構成された個別プログラムファイルを複数記憶
    可能な記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されている個別プログラムファイル
    のコンパイルに際し、複数の個別プログラムファイルを
    コンパイルして統合するか否かを判断する判断手段と、 前記判断手段が、複数の個別プログラムファイルをコン
    パイルして統合すると判断した場合に、各個別プログラ
    ムファイルのデータ定義部の中で各々纏めて予め定義さ
    れている、複数の個別プログラムファイルのロジックで
    共通に使用される共通データと、各個別プログラムファ
    イルのロジックでのみ使用される個別データと、のう
    ち、前記共通データが定義されている箇所を区別可能に
    予め設けられた符号に基づき、前記データ定義部の共通
    データを定義している箇所を無視してコンパイルするコ
    ンパイル手段と、 を含むコンパイル装置。
  4. 【請求項4】 ロジックを記述したロジック部、及び前
    記ロジックで使用されるデータを定義するデータ定義部
    を含んで各々構成される複数の個別プログラムファイル
    をコンパイルして統合する際に、各個別プログラムファ
    イルのデータ定義部の中で各々纏めて予め定義されてい
    る、複数の個別プログラムファイルのロジックで共通に
    使用される共通データと、各個別プログラムファイルの
    ロジックでのみ使用される個別データと、のうち、前記
    共通データが定義されている箇所を区別可能に予め設け
    られた符号に基づき、前記データ定義部の共通データを
    定義している箇所を無視してコンパイルするステップを
    含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラム
    が記録された記録媒体。
JP09916697A 1997-04-16 1997-04-16 コンパイル制御方法、コンパイル装置及び記録媒体 Expired - Fee Related JP3368795B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09916697A JP3368795B2 (ja) 1997-04-16 1997-04-16 コンパイル制御方法、コンパイル装置及び記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09916697A JP3368795B2 (ja) 1997-04-16 1997-04-16 コンパイル制御方法、コンパイル装置及び記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10289109A JPH10289109A (ja) 1998-10-27
JP3368795B2 true JP3368795B2 (ja) 2003-01-20

Family

ID=14240075

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09916697A Expired - Fee Related JP3368795B2 (ja) 1997-04-16 1997-04-16 コンパイル制御方法、コンパイル装置及び記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3368795B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8769517B2 (en) 2002-03-15 2014-07-01 International Business Machines Corporation Generating a common symbol table for symbols of independent applications

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10289109A (ja) 1998-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5170465A (en) Incremental-scanning compiler for source-code development system
US5313387A (en) Re-execution of edit-compile-run cycles for changed lines of source code, with storage of associated data in buffers
US5182806A (en) Incremental compiler for source-code development system
US5325531A (en) Compiler using clean lines table with entries indicating unchanged text lines for incrementally compiling only changed source text lines
US5201050A (en) Line-skip compiler for source-code development system
US5193191A (en) Incremental linking in source-code development system
US7761855B2 (en) Computer program product and system for altering execution flow of a computer program
US11579856B2 (en) Multi-chip compatible compiling method and device
JP4181326B2 (ja) コード最適化のための方法、装置及びプログラム
JP2000181725A (ja) 実行可能なコ―ドを改変し、追加機能を付与するための方法およびシステム
JPH08272648A (ja) デバッグコマンドファイルを自動的に生成する方法、およびデバッグコマンドファイルにおいてブレークポイントを自動的に再生成する装置
US20110126179A1 (en) Method and System for Dynamic Patching Software Using Source Code
US5301327A (en) Virtual memory management for source-code development system
CN112882718A (zh) 编译处理方法、装置、设备及存储介质
US6314557B1 (en) Hybrid computer programming environment
AU638999B2 (en) Incremental compiler for source-code development system
JP3368795B2 (ja) コンパイル制御方法、コンパイル装置及び記録媒体
KR0125605B1 (ko) 프로그램의 아키덱쳐 변환방법 및 장치와 그 방법 및 장치를 사용하여 프로그램의 동작을 검증하는 방법 및 장치
JP3196675B2 (ja) 言語処理方式
JPH11110256A (ja) プログラムデバッグ装置、プログラムデバッグ方法及びその方法を記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体
JPH10293683A (ja) プログラムの比較解析装置、プログラムの比較解析方法、及びプログラムの比較解析プログラムを記録した機械読み取り可能な記録媒体
Aldrich Coverage analysis for model-based design tools
JP5067705B2 (ja) 異常系テスト支援装置、異常系テスト支援方法、及びプログラム
JP2672968B2 (ja) デバッグ用ソースリスト出力処理方式
JP2009098963A (ja) モジュール自動生成システム

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees