JP3368619B2 - 時空間パターン分類装置 - Google Patents

時空間パターン分類装置

Info

Publication number
JP3368619B2
JP3368619B2 JP16666793A JP16666793A JP3368619B2 JP 3368619 B2 JP3368619 B2 JP 3368619B2 JP 16666793 A JP16666793 A JP 16666793A JP 16666793 A JP16666793 A JP 16666793A JP 3368619 B2 JP3368619 B2 JP 3368619B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nerve cell
pseudo
cell pseudo
firing
equation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16666793A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0721140A (ja
Inventor
武久 田中
邦夫 ▲吉▼田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP16666793A priority Critical patent/JP3368619B2/ja
Publication of JPH0721140A publication Critical patent/JPH0721140A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3368619B2 publication Critical patent/JP3368619B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Image Analysis (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音声信号や画像信号な
どの時間的に連続で空間的に多次元の情報をいくつかの
カテゴリに分類する時空間パターン分類装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】例えば時空間パターン分類の一つである
音声認識においてはフーリエ変換などの前処理を施され
た音声信号は時間的に連続な多次元の関数として表すこ
とができる。この音声信号には音韻などに対応する区切
りは与えられておらず、パターンをリアルタイムに直接
音韻に分類することは困難であった。そのため従来は、
いったん音声信号を記憶しその一部分を時間を含まない
空間パターンとして切取り、それを時間を直接扱えない
分類手法で分類する方法が主であった。
【0003】また、近年このような時空間パターンを分
類するために神経疑似回路またはニューラルネットワー
クを用いることが提案されている。例えば、ワイベルら
は過去一定時間の前処理された音声信号をまとめてニュ
ーラルネットワークのモデルの一つである多層パーセプ
トロンに入力することにより、音声信号の音韻への分類
を行うモデルを提案している。それは「アイ・イー・イ
ー・イー・トランザクションズ・オン・アコースティッ
クス・スピーチ・アンド・シグナル・プロセッシング3
7」(1989)第328頁から第339頁(IEEE TRA
NSACTIONS ON ACOUSTICS, SPEECH, AND SIGNAL PROCESS
ING, Vol.37 (1989) P.328-339) に記載されている。こ
のモデルも従来の音声認識手法と同様に、時空間パター
ンをメモリを介して空間パターンに変換した後に、時間
を直接扱えないニューラルネットワークモデルで分類し
ている。
【0004】一方、時間を直接扱うことのできる競合系
のニューラルネットワークを用いたものとして甘利らは
連続時間連続情報型の神経細胞疑似素子を用いたモデル
を提案し、それは例えば「神経回路網の数理」(甘利
著、産業図書、1978年)の第205頁から第214
頁に記載されている。このモデルについて図面を参照し
ながら説明する。
【0005】図6は甘利らによって提案された連続時間
連続情報型の神経細胞疑似素子を用いた従来のモデルの
構成図である。図6において81は抑制性神経細胞疑似
素子、82は興奮性神経細胞疑似素子、83は興奮性神
経細胞疑似素子82から抑制性神経細胞疑似素子81へ
の信号伝達手段、84は抑制性神経細胞疑似素子81か
ら興奮性神経細胞疑似素子82への信号伝達手段、85
は興奮性神経細胞疑似素子の帰還信号伝達手段、86は
興奮性神経細胞疑似素子への外部信号入力手段、87は
抑制性神経細胞疑似素子への外部信号入力手段、88は
興奮性神経細胞疑似素子の出力信号を外部に出力する出
力手段である。なおここで各信号伝達手段83、84お
よび85は、神経細胞疑似素子を結合する軸索疑似手段
であり、重みが付随している。本モデルにおいて各興奮
性神経細胞疑似素子82の内部状態uiは次の(数1)
にしたがって変化する。
【0006】
【数1】
【0007】ここで、tは時間、 1 は信号伝達手段8
5に付随する正の重み、f(x)はxが0または正のときに
1となりxが負のときに0となる関数、w2は信号伝達
手段84に付随する重み、g(x)はxが正のときはxとな
りxが負のときは0となる関数、vは抑制性神経細胞疑
似素子81の内部状態、h1は閾値、siは外部信号入力
手段86により伝達される外部入力信号、nは興奮性神
経細胞疑似素子の数である。なお、f(ui)が各出力手段
88を介してそれぞれ外部に出力される各興奮性神経細
胞疑似素82の各出力値となる。また、抑制性神経細胞
疑似素子81の内部状態vは次の(数2)にしたがって
変化する。
【0008】
【数2】
【0009】ここでτは時定数2は閾値、s0は外部
信号入力手段87による外部入力信号である。なお、g
(v)が抑制性神経細胞疑似素子の出力値となる。
【0010】次に甘利らのモデルの動作を説明する。以
下、神経細胞疑似素子が発火しているとはその神経細胞
疑似素子が正の出力値を出力している状態をいう。最初
に、s0が0で全ての神経細胞疑似素子が発火していな
い状態を考える。この時、h1を越える外部入力siを受
け取っている興奮性神経細胞疑似素子82は発火しよう
とする。そして少なくとも一個の興奮性神経細胞疑似素
子82が発火するとその出力を受けた抑制性神経細胞疑
似素子81が発火する。もしもh1以上の外部入力を受
け取っている興奮性神経細胞疑似素子82が一個のみな
らば、その興奮性神経細胞疑似素子は安定して発火し続
けるが、複数個の興奮性神経細胞疑似素子82が発火し
た場合は、抑制性神経細胞疑似素子81が強く発火する
ため、各興奮性神経細胞疑似素子82は信号伝達手段8
4を介して強く抑制される。そしてこの抑制性神経細胞
疑似素子81による抑制と興奮性神経細胞疑似素子82
の発火のサイクルをくり返すうちに、最大の外部入力s
iを受け取っている興奮性神経細胞疑似素子82のみが
最終的に発火し、残りの興奮性神経細胞疑似素子82は
発火できなくなった状態で本モデルは安定となる。
【0011】そしていったん一つの興奮性神経細胞疑似
素子82が安定して発火するようになると、外部入力s
iが変化して発火している興奮性神経細胞疑似素子に対
する外部入力si が最大でなくなってもその興奮性神経
細胞疑似素子82は発火し続ける。この興奮性神経細胞
疑似素子82の発火を止め全神経細胞疑似素子の状態を
リセットするためには、正または負のリセット信号s0
を外部信号入力手段87を介して与えたり、発火してい
ない興奮性神経細胞疑似素子82に強い外部入力si
与えるなどの明示的な処置が必要である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、時空間パター
ンの一部分をいったん記憶し時間を含まない空間パター
ンとして切り取る手法では、パターンを記憶する大きな
メモリが必要な上に、必要十分な空間パターンの大きさ
を決定するという作業が必要であった。また、時空間パ
ターンを区切る手段、それを記憶する手段、そして記憶
された空間パターンを分類する手段が別々に必要であ
り、装置が複雑になりがちであった。
【0013】一方、甘利らの提案した競合系のニューラ
ルネットワークモデルは、発火している興奮性神経細胞
疑似素子の交代、つまりネットワークのリセットのため
には特別の処置が必要であり、刻々と変化する外部入力
に追随することは困難であった。外部入力への追随を実
現する一手法として、定期的にリセット信号を入力する
方法も考えられるが、この場合はリセット信号の入力時
点での雑音の影響を受けやすく、また、発火する興奮性
神経細胞疑似素子が交代するカテゴリの境界付近では、
発火する興奮性神経細胞疑似素子が頻繁に入れ代わると
いう時間的に不安定な動作をしがちであった。
【0014】本発明は上記従来の課題を解決しようとす
るもので、分類結果の時間的な不安定性を抑えつつ外部
入力の変化に追随する簡易な時空間パターン分類装置を
提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の時空間パターン分類装置は第1に、分類すべ
きデータ及び発火を抑制する信号が入力され、前記分類
すべきデータに第1の予め定めた値を乗算し、合算した
値から、前記発火を抑制する信号に第2の予め定めた値
を乗算した値と、予め定めた閾値とを減じることで算出
される内部状態が、0又は正の値である場合には発火を
開始し、発火中を示す値を出力し、また、前記内部状態
が負の値である場合には前記発火を中止し、発火中止を
示す値を出力する複数個の第1の神経細胞疑似素子と、
前記第1の神経細胞疑似素子が複数個発火している場合
発火することで、前記発火を抑制する信号を出力する
第2の神経細胞疑似素子と、分類カテゴリに相当する複
数個の第3の神経細胞疑似素子とを含み、前記各第1の
神経細胞疑似素子は前記複数個の第3の神経細胞疑似素
子のいずれか一つと信号伝達手段により結合され、前記
第3の神経細胞疑似素子は前記各第1の神経細胞疑似素
子のうちの前記信号伝達手段により結合されたものが一
定時間以上続けて発火している場合に発火することで分
類結果を表す構成を有している。
【0016】本発明の時空間パターン分類装置は第2
に、上記第1の構成に加え、発火している第3の神経細
胞疑似素子が、更に、第3の神経細胞疑似素子から出力
される発火を促進する信号を、信号伝達手段により結合
されている第1の神経細胞疑似素子信号を伝達する手
段を含み、信号伝達手段により結合されている第1の神
経細胞疑似素子に伝達する手段を含み、前記第1の神経
細胞疑似素子が、入力される分類されるデータ、発火を
抑制する信号及び前記発火を促進する信号から、内部状
態を算出し、発火の状態を示す信号を出力し、前記第1
の神経細胞疑似素子及び前記第3の神経細胞疑似素子が
ヒステリシスを持つ構成を有している。
【0017】
【作用】上記第1の構成により本発明の時空間パターン
分類装置は、第2の神経細胞疑似素子は第1の神経細胞
疑似素子が複数個以上発火している場合に第1の神経細
胞疑似素子を抑制しその結果として第1の神経細胞疑似
素子が同時に複数個発火する時間が短くなるように出力
信号を出力し、かつ各第3の神経細胞疑似素子は各々が
入力信号を受け取る各第1の神経細胞疑似素子が一定時
間以上安定して発火しないと発火しないように動作する
ために、第3の神経細胞疑似素子は同時に複数個発火で
きない。したがって、本発明の時空間パターン分類装置
により、分類結果の時間的な不安定性を抑えつつ外部入
力の変化に追随する時空間パターンの分類を簡易に実現
することができる。
【0018】さらに、本発明の時空間パターン分類装置
は上記第2の構成により、上記第1の作用に加え、第3
の神経細胞疑似素子が発火している場合にはその出力信
号を受け取る第1の神経細胞疑似素子がより発火しやす
くなるために、上記第1の神経細胞疑似素子と上記第3
の神経細胞疑似素子はヒステリシスを持つようになり、
上記第3の神経細胞疑似素子の発火の交代が起きにくく
なる。したがって、本発明の時空間パターン分類装置に
より、分類結果の時間的な不安定性を抑えつつ外部入力
の変化に追随する時空間パターンの分類を簡易に実現す
ることができる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の第1の実
施例について説明する。図1は本発明の第1の実施例に
おける時空間パターン分類装置の構成図である。図1に
おいて、1は第1の神経細胞疑似素子、2は第1の神経
細胞疑似素子1に分類を行うデータ(本実施例では2次
元のデータ)を入力する外部信号入力手段、3は第3の
神経細胞疑似素子、4は第2の神経細胞疑似素子、5は
第1の神経細胞疑似素子1の出力信号を第2の神経細胞
疑似素子4に入力するための信号伝達手段、6は第1の
神経細胞疑似素子1の出力信号を第3の神経細胞疑似素
子3に入力するための信号伝達手段、7は第2の神経細
胞疑似素子4の出力信号を第1の神経細胞疑似素子1に
入力するための信号伝達手段、8は第3の神経細胞疑似
素子3の出力信号を外部に出力するための信号伝達手段
である。
【0020】図2は本発明の第1の実施例における神経
細胞疑似素子の構成図であり、前述の第1の神経細胞疑
似素子1、第3の神経細胞疑似素子3、第2の神経細胞
疑似素子4の処理の流れを示している。図2において、
21は複数の入力の重み付き和を計算する入力加算部、
22は入力加算部21の計算結果と現在の内部状態から
新しい内部状態を計算し内部状態を更新する内部状態計
算部、23は内部状態計算部22の計算結果である新し
い内部状態から神経細胞疑似素子の出力を計算する出力
計算部、24は神経細胞疑似素子の外部から複数の信号
を入力するための信号伝達手段、25は入力加算部21
の計算結果を内部状態計算部22に入力するための信号
伝達手段、26は内部状態計算部22の計算結果である
新しい内部状態を出力計算部23に入力するための信号
伝達手段、27は出力計算部23の計算結果である神経
細胞疑似素子の出力を外部に出力する信号伝達手段であ
る。
【0021】以下図1および図2を参照しながら本発明
の第1の実施例における第1の神経細胞疑似素子1の動
作を説明する。第1の神経細胞疑似素子1の場合、信号
伝達手段24に相当するものは外部信号入力手段2と信
号伝達手段7である。本実施例では、この第1の神経細
胞疑似素子1の入力加算部21で行われる演算は次の
(数3)に従う。
【0022】
【数3】
【0023】(数3)において、Nは外部信号入力手段
2で入力されるデータの次元で、本実施例ではNは2で
ある。Wijは各外部信号に乗ずる正または負の重み、I
j は外部信号、winh は信号伝達手段7を通じて入力さ
れる第2の神経細胞疑似素子4の出力に乗ずる正の重
み、Yは第2の神経細胞疑似素子4の出力、Mは第1の
神経細胞疑似素子1の数で本実施例ではMは4である。
(数3)にしたがって入力加算部21で計算された値は
信号伝達手段25によって内部状態計算部22に伝達さ
れる。そして内部状態計算部22では次の(数4)の微
分方程式にしたがって、第1の神経細胞疑似素子1の内
部状態を計算する。
【0024】
【数4】
【0025】(数4)においてτ1は時定数、xiはi番
目の第1の神経細胞疑似素子1の内部状態、h3 は閾値
である。また、右辺の第2項および第3項は入力加算部
21で(数3)にしたがって計算された結果である。
(数4)にしたがって内部状態計算部22で計算された
内部状態の重みは信号伝達手段26により、出力計算部
23に伝達される。出力計算部23では次の(数5)に
したがって、第1の神経細胞疑似素子1の出力を計算す
る。
【0026】
【数5】
【0027】(数5)においてXi がi番目の第1の神
経細胞疑似素子1の出力となる。つまり、出力計算部2
3では内部状態が0または正のときに1を出力とし、内
部状態が負のときに0を出力とする。
【0028】以上のように第1の神経細胞疑似素子1を
構成することにより、第1の神経細胞疑似素子1は次の
ように動作する。まず、(数3)で計算される入力加算
部21の出力が(数4)の閾値h3 以下の場合は、第1
の神経細胞疑似素子1がその時に発火中つまり出力が1
でも、時定数τ1 で決まる時間が経つと発火をやめる。
次に、(数3)で計算される入力加算部21の出力が
(数4)の閾値h3 を越える場合について考える。この
時は内部状態は正に向かうため、第1の神経細胞疑似素
子1はその時に発火していなくとも、時定数τ1 で決ま
る時間が経つと発火を始める。
【0029】次に、図1および図2を参照しながら本発
明の第1の実施例における第2の神経細胞疑似素子4の
動作を説明する。第2の神経細胞疑似素子4の場合、信
号伝達手段24に相当するものは信号伝達手段5であ
る。本実施例では、この第2の神経細胞疑似素子4の入
力加算部21で行われる演算は次の(数6)に従う。
【0030】
【数6】
【0031】(数6)においてwexc は信号伝達手段5
により入力された第1の神経細胞疑似素子1の各出力に
乗ずる正の重みである。(数6)にしたがって入力加算
部21で計算された値は信号伝達手段25によって内部
状態計算部22に伝達される。そして内部状態計算部2
2では次の(数7)の微分方程式にしたがって、第2の
神経細胞疑似素子4の内部状態を計算する。
【0032】
【数7】
【0033】(数7)においてτ2 は時定数、yは内部
状態、h4 は閾値である。また、右辺の第2項は入力加
算部21で(数6)にしたがって計算された結果であ
る。なお、閾値h4 は、どの第1の神経細胞疑似素子1
も発火していないか1個の第1の神経細胞疑似素子1の
みが発火している場合の入力加算部21の出力よりも大
きく、2個以上の第1の神経細胞疑似素子1が発火して
いる場合の入力加算部21の出力よりも小さく設定す
る。(数7)にしたがって内部状態計算部22で計算さ
れた内部状態は信号伝達手段26により、出力計算部2
3に伝達される。
【0034】出力計算部23では次の(数8)にしたが
って、第2の神経細胞疑似素子4の出力を計算する。
【0035】
【数8】
【0036】(数8)においてYが第2の神経細胞疑似
素子4の出力となる。つまり出力計算部23では内部状
態yが0または正のときはyを出力とし、内部状態yが
負のときは0を出力とする。以上のように第2の神経細
胞疑似素子4を構成することにより、第2の神経細胞疑
似素子4は次のように動作する。
【0037】まず(数6)において計算された入力加算
部21の出力が(数7)の閾値h4以下の場合は、第2
の神経細胞疑似素子4がその時に発火中でも時定数τ2
で決まる時間が経つと発火をやめる。(数6)において
計算された入力加算部21の出力が(数7)の閾値h4
を越える場合は、内部状態yは正に向かうため、第2の
神経細胞疑似素子4はその時に発火していなくとも、時
定数τ2 で決まる時間が経つと発火を始める。
【0038】つまり、上記閾値h4 の設定より、どの第
1の神経細胞疑似素子1も発火していないか1個の第1
の神経細胞疑似素子1のみが発火している場合、第2の
神経細胞疑似素子4は発火していない場合はそのまま発
火せず、発火している場合は時定数τ2 で決まる時間が
経つと発火をやめる。次に、第1の神経細胞疑似素子1
が2個以上発火している場合、第2の神経細胞疑似素子
4は発火している場合はそのまま発火を続け、発火して
いない場合は発火するように内部状態yが変化し、時定
数τ2 で決まる時間が経つと発火を始める。
【0039】次に、図1および図2を参照しながら本発
明の第1の実施例における第3の神経細胞疑似素子3の
動作を説明する。第3の神経細胞疑似素子3の場合、信
号伝達手段24に相当するものは信号伝達手段6であ
る。本実施例では、この神経細胞疑似素子6の入力加算
部21で行われる演算は次の(数9)に従う。
【0040】
【数9】
【0041】(数9)においてwout は信号伝達手段6
により入力された第1の神経細胞疑似素子1の出力に乗
ずる重みである。(数9)にしたがって入力加算部21
で計算された値は信号伝達手段25により内部状態計算
部22に伝達される。そして内部状態計算部22では次
の(数10)の微分方程式にしたがって、第3の神経細
胞疑似素子3の内部状態を計算する。
【0042】
【数10】
【0043】(数10)においてτ3 は時定数、zi
i番目の第3の神経細胞疑似素子3の内部状態、h5
閾値である。また、右辺の第2項は入力加算部21で
(数9)にしたがって計算された結果である。また、閾
値h5 は正でwout よりも小さい値に設定される。(数
10)にしたがって内部状態計算部22で計算された内
部状態は信号伝達手段26により、出力計算部23に伝
達される。出力計算部23では次の(数11)にしたが
って、第3の神経細胞疑似素子3の出力を計算する。
【0044】
【数11】
【0045】(数11)においてZi がi番目の第3の
神経細胞疑似素子3の出力となる。つまり出力計算部2
3では、第1の神経細胞疑似素子1の場合と同様に、内
部状態が0または正のときは1を出力とし、内部状態が
負のときは0を出力とする。以上のように第3の神経細
胞疑似素子3を構成することにより、第3の神経細胞疑
似素子3は次のように動作する。
【0046】まず、(数9)において計算された入力加
算部21の出力が(数10)の閾値h5以下の場合は、
第3の神経細胞疑似素子3が発火中でも、時定数τ3
決まる時間が経つと発火をやめる。次に、(数9)にお
いて計算された入力加算部21の出力が(数10)の閾
値h5を越える場合は、内部状態ziは正に向かうため、
第3の神経細胞疑似素子3は発火していなくとも、時定
数τ3 で決まる時間が経つと発火を始める。
【0047】つまり上記閾値h5 の設定により、i番目
の第1の神経細胞疑似素子1が発火している場合はi番
目の第3の神経細胞疑似素子3は発火する方向に内部状
態を変化させ、i番目の第1の神経細胞疑似素子1が発
火していない場合にはi番目の第3の神経細胞疑似素子
3は発火しない方向に内部状態を変化させる。そして、
この発火と非発火の間の遷移の時間は(数9)、(数1
0)、(数11)の各パラメータにより調整することが
できる。そして、第1の神経細胞疑似素子1が安定して
発火しているときのみ、それに結合されている第3の神
経細胞疑似素子3が発火するように上記各パラメータを
設定する。
【0048】以上の第1の神経細胞疑似素子1、第3の
神経細胞疑似素子3、第2の神経細胞疑似素子4の動作
に基づき、以下図1を参照しながら本発明の第1の実施
例における時空間パターン分類装置の動作を説明する。
本発明においては、信号伝達手段6によって一対一で結
合された第1の神経細胞疑似素子1と第3の神経細胞疑
似素子3の各対が分類結果である各カテゴリに対応す
る。つまり発火している第3の神経細胞疑似素子3に対
応するカテゴリがその時点での分類結果となる。
【0049】分類されるべき時空間パターンは外部信号
入力手段2によって、各第1の神経細胞疑似素子1に入
力される。各第1の神経細胞疑似素子1が第2の神経細
胞疑似素子4から受け取る信号が各第1の神経細胞疑似
素子1の内部状態に及ぼす影響の大きさは(数4)の第
3項で決まり、各第1の神経細胞疑似素子1で共通であ
る。したがって、(数3)で計算される入力の加算値の
大小は(数4)の第2項、つまり外部信号の重み付け和
である(数12)によって決定される。
【0050】
【数12】
【0051】本実施例における時空間パターンの分類で
は、入力されているカテゴリに対応する第1の神経細胞
疑似素子1が、最大の(数12)を得るように(数1
2)のWijを設定する。各第1の神経細胞疑似素子1
は、(数12)の値が(数4)のh3 よりも大きいとき
(以下条件1)に発火しようとする。この時、条件1を
満たす第1の神経細胞疑似素子1が1個のみのときはそ
の第1の神経細胞疑似素子1のみが発火する。
【0052】次に、条件1を満たす第1の神経細胞疑似
素子1が複数個ある場合について述べる。この場合、条
件1を満たす第1の神経細胞疑似素子1は(数12)の
値が大きい順に発火する。しかし複数個の第1の神経細
胞疑似素子1が発火してしばらくすると第2の神経細胞
疑似素子4が発火し、全ての第1の神経細胞疑似素子1
を信号伝達手段7を通じて抑制する。したがって、今度
は発火している第1の神経細胞疑似素子1のうち(数1
2)の値が小さい順に発火している第1の神経細胞疑似
素子1は発火をやめる。そして、1個の第1の神経細胞
疑似素子1のみが発火している状態になると、第2の神
経細胞疑似素子4は発火をやめるために、最後の第1の
神経細胞疑似素子1、つまり最大の(数12)の値を得
ている第1の神経細胞疑似素子1が発火し続けることに
なる。発火をやめた第1の神経細胞疑似素子1の内、2
番目に大きな(数12)の値を得ている第1の神経細胞
疑似素子1は第2の神経細胞疑似素子4が発火をやめる
と再び発火しようとするが、発火して短時間のうちに再
び第2の神経細胞疑似素子4が発火するために、ごく短
時間しか発火することができない。
【0053】また、その他の第1の神経細胞疑似素子1
は発火する前に、2番目に大きな第1の神経細胞疑似素
子1が発火して第2の神経細胞疑似素子4が発火してし
まうために再び発火することはできない。なお、その間
も最大の(数12)の値を得ている第1の神経細胞疑似
素子1は発火し続ける。つまり、外部入力が変化しない
状態においては、最大の(数12)の値を得ている第1
の神経細胞疑似素子1のみが連続して発火を続け、2番
目に大きな(数12)の値を得ている第1の神経細胞疑
似素子1は繰り返し短時間発火し、その他の第1の神経
細胞疑似素子1は発火することはできない。
【0054】次に入力される時空間パターンが変化して
最大の(数12)の値を得ている第1の神経細胞疑似素
子1が他の第1の神経細胞疑似素子1に変わった場合を
考える。この場合、新しく最大の(数12)の値を得る
ようになった第1の神経細胞疑似素子1は発火する。そ
して第2の神経細胞疑似素子4が発火するまでの間に
(式4)の内部状態が十分大きくなるために、第2の神
経細胞疑似素子4が発火したとき、既に発火していた以
前に最大の(数12)の値を得ていた第1の神経細胞疑
似素子1が先に発火をやめる。したがって、発火する第
1の神経細胞疑似素子1は交代する。
【0055】さて、第3の神経細胞疑似素子3は信号伝
達手段6によって結合されている第1の神経細胞疑似素
子1が発火しているときのみ発火する。しかし、結合さ
れている第1の神経細胞疑似素子1が安定に発火してい
るときのみに発火するために、複数個の第1の神経細胞
疑似素子1が(数4)のh3 よりも大きい(数12)の
値を得ているときでも、最大の(数12)の値を得てい
る第1の神経細胞疑似素子1に結合されている第3の神
経細胞疑似素子3のみが発火し、その他の第3の神経細
胞疑似素子3は発火することができない。また、入力さ
れる時空間パターンが変化して、第1の神経細胞疑似素
子1が安定してはじめてそれに結合されている第3の神
経細胞疑似素子3が発火するため、例えば時空間パター
ンに雑音が重畳していたり、ごく短時間の時空間パター
ンの変動で最大の(数12)の値を得ている第1の神経
細胞疑似素子1が短時間交代し、発火する第1の神経細
胞疑似素子1が短時間交代しても第3の神経細胞疑似素
子3は交代することがなく、安定して発火し続けること
ができる。また、第3の神経細胞疑似素子3はそれに結
合されている第1の神経細胞疑似素子1が発火をやめる
と発火をやめるが、それにかかる時間は、結合されてい
る第1の神経細胞疑似素子1が発火してから第3の神経
細胞疑似素子3が発火するまでの時間よりも短い。した
がって、発火する第3の神経細胞疑似素子3が交代する
場合、同時に複数の第3の神経細胞疑似素子3が発火す
ることはない。
【0056】以上の各第1の神経細胞疑似素子1、3、
4の動作を、図3を参照しながらより具体的に例を用い
て説明する。なお、図3で用いる例では簡単のため2つ
の第1の神経細胞疑似素子1のみがh3 よりも大きい
(数12)の値を常に得ていると仮定する。
【0057】図3は本発明の第1の実施例における(数
12)で計算される第1の神経細胞疑似素子1の外部信
号の重み付け和、および第1の神経細胞疑似素子1、第
3の神経細胞疑似素子3、第2の神経細胞疑似素子4の
発火の様子を模式的に示した図である。図3の(a)は
2つの第1の神経細胞疑似素子1の(数12)で計算さ
れる外部信号の重み付け和の変化の図で、実線、破線が
それぞれの重み付け和の大きさを表す。図3の(b)は
(a)の上記2つの第1の神経細胞疑似素子1の発火の
様子を示した図で、(b)の実線に囲まれ斜線が付され
ている部分が(a)の実線に対応する第1の神経細胞疑
似素子1の発火の様子を示し、(b)の破線に囲まれ上
記斜線と異なる向きの斜線が付されている部分が(a)
の破線に対応する第1の神経細胞疑似素子1の発火の様
子を示しており、斜線の重なる部分は2つの第1の神経
細胞疑似素子1が発火していることを示している。図3
の(c)は第2の神経細胞疑似素子4の発火の様子を示
した図である。さらに図3の(d)は上記2つの第1の
神経細胞疑似素子1に結合されている2つの第3の神経
細胞疑似素子3の発火の様子を示した図で、(d)の実
線が(a)の実線に対応する第1の神経細胞疑似素子1
に結合された第3の神経細胞疑似素子3の発火の様子を
示し、(d)の破線が(a)の破線に対応する第1の神
経細胞疑似素子1に結合された第3の神経細胞疑似素子
3の発火の様子を示す。
【0058】図3の例において最初は実線に対応する第
1の神経細胞疑似素子1が安定して発火し、図3の
(b)に示したように破線に対応する第1の神経細胞疑
似素子1はごく短い間発火する。そして図3の(c)に
示すように、破線に対応する第1の神経細胞疑似素子1
が発火するたびに第2の神経細胞疑似素子4は発火す
る。その間、図3の(d)に示すように実線に対応する
第3の神経細胞疑似素子3のみが発火する。
【0059】次に、最大の外部信号の重み付け和を得る
第1の神経細胞疑似素子1が実線に対応するものから破
線に対応するものに変化すると、その交代の時に実線と
破線にそれぞれ対応する第1の神経細胞疑似素子1と第
2の神経細胞疑似素子4が発火し、最終的に破線に対応
する第1の神経細胞疑似素子1が安定して発火するよう
になる。実線に対応する第1の神経細胞疑似素子1が発
火をやめ、破線に対応する第1の神経細胞疑似素子1が
安定して発火するようになると、それに対応して発火す
る第3の神経細胞疑似素子3も交代するが、第3の神経
細胞疑似素子3は発火をするのに時間がかかるので、複
数個の第3の神経細胞疑似素子3が発火することはな
い。
【0060】そして、安定して発火する第1の神経細胞
疑似素子1が交代してしばらくは破線に対応する第1の
神経細胞疑似素子1は安定して発火を続け、実線に対応
する第1の神経細胞疑似素子1は間隔をおいて発火する
が、第2の神経細胞疑似素子4も発火するので、短時間
で発火をやめる。したがって、図3の(d)に示すよう
に破線に対応する第3の神経細胞疑似素子3のみが発火
を続ける。そして、再び最大の外部信号の重み付け和を
得る第1の神経細胞疑似素子1が破線に対応するものか
ら実線に対応するものに変化すると、再び実線に対応す
る第1の神経細胞疑似素子1および3と、破線に対応す
る第1の神経細胞疑似素子1および3は、安定した発火
の状態を交代する。以上の動作により、第1の実施例に
おける時空間パターン分類装置は分類結果の時間的な不
安定性を抑えつつ外部入力の変化に追随する時空間パタ
ーンの分類を簡易に実現することができる。
【0061】なお、本実施例では第1の神経細胞疑似素
子1と第3の神経細胞疑似素子3とが1対1に対応して
いたが、図4のように複数の第1の神経細胞疑似素子1
に対して1個の第3の神経細胞疑似素子3が対応してい
るものがあっても同様にパターン分類装置を実現するこ
とができる。
【0062】以下、図面を参照しながら本発明の第2の
実施例について説明する。図5は本発明の第2の実施例
における時空間パターン分類装置の構成図である。図5
において40は第3の神経細胞疑似素子3の出力信号を
第1の神経細胞疑似素子1に入力する信号伝達手段であ
り、本実施例は上記第1の実施例で述べた時空間パター
ン分類装置に信号伝達手段40を付加した構成を有して
いる。さらに、第1の神経細胞疑似素子1、第3の神経
細胞疑似素子3、第2の神経細胞疑似素子4も図2に示
した構成を有している。
【0063】以下、図2を参照しながら、第1の神経細
胞疑似素子1の動作を説明する。第1の神経細胞疑似素
子1は、上記第1の実施例と同様の原理に基づいた動作
を行う。しかし、本第2の実施例の第1の神経細胞疑似
素子1の場合、信号伝達手段24に相当するものは外部
信号入力手段2と信号伝達手段7と信号伝達手段40で
ある。したがって本第2の実施例では、この第1の神経
細胞疑似素子1の入力加算部21で行われる演算は次の
(数13)に従う。
【0064】
【数13】
【0065】(数13)においてwhys は信号伝達手段
40により入力された第3の神経細胞疑似素子3の各出
力に乗ずる重みである。その他の記号は(数3)および
(数11)に準ずる。(数13)にしたがって入力加算
部21で計算された値は信号伝達手段25により内部状
態計算部22に伝達される。そして内部状態計算部22
では次の(数14)の微分方程式にしたがって、第3の
神経細胞疑似素子3の内部状態を計算する。
【0066】
【数14】
【0067】(数14)において各記号は(数4)に準
ずる。また、右辺の第2項、第3項、および第4項は、
入力加算部21で(数13)にしたがって計算された結
果である。なお、閾値h3 は第1の実施例と同様に設定
する。(数13)にしたがって内部状態計算部22で計
算された内部状態の重みは信号伝達手段26により、出
力計算部23に伝達される。出力計算部23では上記第
1の実施例と同様に(数5)にしたがって、第1の神経
細胞疑似素子1の出力を計算する。
【0068】第1の神経細胞疑似素子1は以上のように
構成され、上記第1の実施例における第1の神経細胞疑
似素子1と同様に動作する。また、第3の神経細胞疑似
素子3および第2の神経細胞疑似素子4も、上記第1の
実施例の第3の神経細胞疑似素子3および第2の神経細
胞疑似素子4とそれぞれ同じ構成を有しかつ同じ動作を
行う。
【0069】以下図5を参照しながら本発明の第2の実
施例における時空間パターン分類装置の動作を、上記第
1の実施例における時空間パターン分類装置の動作をふ
まえながら説明する。
【0070】第3の神経細胞疑似素子3が発火していな
い場合を最初に考える。この場合は(数13)および
(数14)はそれぞれ(数3)および(数4)と等しく
なる。したがって、本第2の実施例における時空間パタ
ーン分類装置は上記第1の実施例における時空間パター
ン分類装置と同じ動作を行う。
【0071】次に第3の神経細胞疑似素子3が発火して
いる場合を考える。この場合発火している第3の神経細
胞疑似素子3に信号伝達手段6および信号伝達手段40
で結合されている第1の神経細胞疑似素子1は、第3の
神経細胞疑似素子3が1を出力するので、他の第1の神
経細胞疑似素子1より少なくともwhys だけ大きい入力
を受け取る。したがって、本時空間パターン分類装置に
入力される時空間パターンが変化し、発火している第3
の神経細胞疑似素子3に信号伝達手段6および信号伝達
手段40で結合されている発火している第1の神経細胞
疑似素子1が、最大の(数12)の値を得ている第1の
神経細胞疑似素子1でなくなっても、他の第1の神経細
胞疑似素子1が発火している第1の神経細胞疑似素子1
よりも少なくともwhys だけ大きな(数12)の値を得
るまで、発火している第1の神経細胞疑似素子1は発火
を続ける。したがって、発火している第3の神経細胞疑
似素子3も発火を続ける。
【0072】つまり、第3の神経細胞疑似素子3がいっ
たん発火すると、それに結合されている第1の神経細胞
疑似素子1の発火はより安定し、最大の(数12)の値
を得る第1の神経細胞疑似素子1が他の第1の神経細胞
疑似素子1に交代しても、発火している第1の神経細胞
疑似素子1との差が大きくなければ分類結果の変化は起
こらず、本時空間パターン分類装置はヒステリシスを持
つ。さらにwhys を調整することにより、このヒステリ
シスの程度は調整することができる。よって、外部信号
入力手段2によって入力される時空間パターンに雑音が
重畳した場合や、カテゴリの境界部分で(数13)のW
ijによって決定される分類尺度が不十分な場合、過去の
分類結果に基づいた分類を行う。
【0073】以上の動作により、第2の実施例における
時空間パターン分類装置は、分類結果の時間的な不安定
性を抑えつつ外部入力の変化に追随する分類を行うこと
ができる。なお、上記第2の実施例においては、whys
を各第1の神経細胞疑似素子1で同じ値にしているが、
これにとらわれるものではなく、個々の第1の神経細胞
疑似素子1で変えることにより、各カテゴリが異なるヒ
ステリシスを有するように動作させることができる。ま
た、上記第1の実施例と同様に第1の神経細胞疑似素子
1と第3の神経細胞疑似素子3とが1対1に対応してい
たが、複数の第1の神経細胞疑似素子1に対して1個の
第3の神経細胞疑似素子3が対応しているものがあって
も同様にパターン分類装置を実現することができる。
【0074】さらに、上記第1および第2の実施例にお
いては、神経細胞疑似素子を図2のように構成したが、
これにとらわれるものではない。例えば、入力加算部2
1を入力の乗算を行うようにした神経細胞疑似素子モデ
ルや、入力加算部21の代わりに入力とあらかじめ記憶
されたパターンとの距離を計算する構成にした神経細胞
疑似素子モデルや、内部状態計算部22を微分方程式で
はなく差分方程式で離散的に表現したモデルなどにして
も、同様の効果を得ることができる。
【0075】また、本発明における時空間パターン分類
装置はプログラムにより電子計算機上で実現するのも可
能であり、集積電子回路や電気回路として実現すること
も可能である。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、第
1に、第2の神経細胞疑似素子は第1の神経細胞疑似素
子が複数個以上発火している場合に第1の神経細胞疑似
素子を抑制しその結果として第1の神経細胞疑似素子が
同時に複数個発火する時間が短くなるように出力信号を
出力し、かつ各第3の神経細胞疑似素子は各々が入力信
号を受け取る各第1の神経細胞疑似素子が一定時間以上
安定して発火しないと発火しないように動作するため
に、第3の神経細胞疑似素子は同時に複数個発火できな
い。したがって、分類結果の時間的な不安定性を抑えつ
つ外部入力の変化に追随する時空間パターンの分類を簡
易に実現することができる。
【0077】さらに本発明によれば第2に、上記第1の
効果に加え、第3の神経細胞疑似素子が発火している場
合にはその出力信号を受け取る第1の神経細胞疑似素子
はより発火しやすくなるように第4の信号伝達手段が動
作するために、上記第1の神経細胞疑似素子と上記第3
の神経細胞疑似素子はヒステリシスを持つようになり、
上記第3の神経細胞疑似素子の発火の交代が起きにくく
なる。したがって、時間的な不安定性を抑えつつ外部入
力の変化に追随する時空間パターンの分類を簡易に実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における時空間パターン
分類装置の構成図
【図2】本発明の第1および第2の実施例における神経
細胞疑似素子の構成図
【図3】(a)本発明の第1の実施例において(数1
2)で計算される第1の神経細胞疑似素子1の外部入力
信号の重み付け和の時間的変化の例を示した図 (b)同実施例における第1の神経細胞疑似素子1の発
火の時間的変化の例を示した図 (c)同実施例における第2の神経細胞疑似素子4の発
火の時間的変化の例を示した図 (d)同実施例における第3の神経細胞疑似素子3の発
火の時間的変化の例を示した図
【図4】同実施例において複数の第1の神経細胞疑似素
子1と1つの第3の神経細胞疑似素子3とが対応する場
合の構成図
【図5】本発明の第2の実施例における時空間パターン
分類装置の構成図
【図6】連続時間連続情報型の神経細胞疑似素子を用い
た従来のモデルの構成図
【符号の説明】
1 第1の神経細胞疑似素子 2 外部信号入力手段 3 第3の神経細胞疑似素子 4 第2の神経細胞疑似素子 5 信号伝達手段 6 信号伝達手段 7 信号伝達手段 8 信号伝達手段 21 入力加算部 22 内部状態計算部 23 出力計算部 24 信号伝達手段 25 信号伝達手段 26 信号伝達手段 27 信号伝達手段 40 信号伝達手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−98770(JP,A) 細木信也,「小脳ネットワークモデ ル」,FUJITSU,日本,富士通株 式会社,1991年5月10日,Vol.42, No.3,pp.234−242 稲積満広・他,「リカレントニューラ ルネットワークによる連続単語音声認 識」,電子情報通信学会技術研究報告, 日本,社団法人電子情報通信学会,1992 年6月30日,Vol.92,No.126 (SP92−24〜34),pp.9−16 古谷立美・他,「フィールドバック付 き多層ニューラルネットワーク」,情報 処理学会論文誌,日本,社団法人情報処 理学会,1991年9月15日,Vol.32, No.9,pp.1210−1213 甘利俊一,「神経回路網の数理」,日 本,産業図書株式会社,1978年,初版, pp.205−214 中野馨,「ニューロコンピュータの基 礎」,日本,コロナ社,1990年,初版, pp.180−187 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06N 1/00 - 7/08 G06G 7/60 G05B 13/00 - 13/04 G10L 11/00 G10L 15/00 - 17/00 JSTファイル(JOIS) CSDB(日本国特許庁)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分類すべきデータ及び発火を抑制する信
    が入力され、前記分類すべきデータに第1の予め定め
    た値を乗算し、合算した値から、前記発火を抑制する信
    号に第2の予め定めた値を乗算した値と、予め定めた閾
    値とを減じることで算出される内部状態が、0又は正の
    値である場合には発火を開始し、発火中を示す値を出力
    し、また、前記内部状態が負の値である場合には前記発
    火を中止し、発火中止を示す値を出力する複数個の第1
    の神経細胞疑似素子と、前記第1の神経細胞疑似素子が
    複数個発火している場合に発火することで、前記発火を
    抑制する信号を出力する第2の神経細胞疑似素子と、分
    類カテゴリに相当する複数個の第3の神経細胞疑似素子
    とを含み、前記各第1の神経細胞疑似素子は記複数個
    の第3の神経細胞疑似素子のいずれか一つと信号伝達手
    段により結合され、記第3の神経細胞疑似素子は
    各第1の神経細胞疑似素子のうちの前記信号伝達手段に
    より結合されたものが一定時間以上続けて発火している
    場合に発火することで分類結果を表すことを特徴とする
    時空間パターン分類装置。
  2. 【請求項2】 発火している第3の神経細胞疑似素子
    が、更に、第3の神経細胞疑似素子から出力される発火
    を促進する信号を、信号伝達手段により結合されている
    第1の神経細胞疑似素子信号を伝達する手段を含み、
    信号伝達手段により結合されている第1の神経細胞疑似
    素子に伝達する手段を含み、前記第1の神経細胞疑似素
    子が、入力される分類されるデータ、発火を抑制する信
    号及び前記発火を促進する信号から、内部状態を算出
    し、発火の状態を示す信号を出力し、前記第1の神経細
    胞疑似素子及び前記第3の神経細胞疑似素子がヒステリ
    シスを持つことを特徴とする請求項1記載の時空間パタ
    ーン分類装置。
JP16666793A 1993-07-06 1993-07-06 時空間パターン分類装置 Expired - Fee Related JP3368619B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16666793A JP3368619B2 (ja) 1993-07-06 1993-07-06 時空間パターン分類装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16666793A JP3368619B2 (ja) 1993-07-06 1993-07-06 時空間パターン分類装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0721140A JPH0721140A (ja) 1995-01-24
JP3368619B2 true JP3368619B2 (ja) 2003-01-20

Family

ID=15835500

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16666793A Expired - Fee Related JP3368619B2 (ja) 1993-07-06 1993-07-06 時空間パターン分類装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3368619B2 (ja)

Non-Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
中野馨,「ニューロコンピュータの基礎」,日本,コロナ社,1990年,初版,pp.180−187
古谷立美・他,「フィールドバック付き多層ニューラルネットワーク」,情報処理学会論文誌,日本,社団法人情報処理学会,1991年9月15日,Vol.32,No.9,pp.1210−1213
甘利俊一,「神経回路網の数理」,日本,産業図書株式会社,1978年,初版,pp.205−214
稲積満広・他,「リカレントニューラルネットワークによる連続単語音声認識」,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,1992年6月30日,Vol.92,No.126(SP92−24〜34),pp.9−16
細木信也,「小脳ネットワークモデル」,FUJITSU,日本,富士通株式会社,1991年5月10日,Vol.42,No.3,pp.234−242

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0721140A (ja) 1995-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3168779B2 (ja) 音声認識装置及び方法
US6038338A (en) Hybrid neural network for pattern recognition
US7831530B2 (en) Optimizing method of learning data set for signal discrimination apparatus and signal discrimination apparatus capable of optimizing learning data set by using a neural network
US20030208451A1 (en) Artificial neural systems with dynamic synapses
CN114819114A (zh) 脉冲神经网络硬件加速器及其在卷积运算中的优化方法
CN101501711A (zh) 用于信号识别装置的学习数据集的优化方法以及能够优化学习数据集的信号识别装置
JP3368619B2 (ja) 時空間パターン分類装置
EP0444878A2 (en) Neural network
JPH07121498A (ja) ニューラルネットワーク構築方法
US6463423B1 (en) Multi-winners feedforward neural network
EP0450521B1 (en) A learning method for a data processing system
CN114330467A (zh) 一种多设备融合感知方法和装置
EP0369485B1 (en) Speaker recognition system
JPH096881A (ja) ニューラルネットワーク
JPH09138786A (ja) ニューラルネットワークの学習装置
JP2518939B2 (ja) 話者照合システム
JP3101742B2 (ja) 最小値検出器
JP3082530B2 (ja) ニューラルネットワーク回路
EP0635152B1 (en) Neural network/fuzzy conversion device
JPH06175998A (ja) 時系列予測方法
JPH05303645A (ja) 画像認識装置
JP3085312B2 (ja) 文字認識学習方法、および文字認識装置
AU620959B2 (en) Neural network signal processor
CN115132221A (zh) 一种人声分离的方法、电子设备和可读存储介质
Kuroyanagi et al. An unsupervised learning rule for the pulsed neuron model-the vector quantization of the auditory temporal signals

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees