JP3367865B2 - 表示装置 - Google Patents

表示装置

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JP3367865B2
JP3367865B2 JP13128897A JP13128897A JP3367865B2 JP 3367865 B2 JP3367865 B2 JP 3367865B2 JP 13128897 A JP13128897 A JP 13128897A JP 13128897 A JP13128897 A JP 13128897A JP 3367865 B2 JP3367865 B2 JP 3367865B2
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祥資 澤田
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  • Liquid Crystal Display Device Control (AREA)
  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)
  • Controls And Circuits For Display Device (AREA)
  • Control Of El Displays (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画素の輝度を量子
化した入力データに基づいて平面状に配置された発光部
材の発光輝度を制御して画素表示する表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の表示装置として、特開昭
59−208587号公報に示すものが知られている。
同公報に開示された表示装置は、輝度制御可能な発光素
子を平面状に配置しつつ、各発光素子の輝度を画素の輝
度に応じて点灯制御させることにより、画素表示させて
いる。この際、元の映像信号を64段階に量子化して輝
度制御しており、その最小輝度状態は不点灯状態となっ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の表示装
置においては、不点灯状態から最大輝度の点灯状態まで
利用してコントラストの豊かな画像としている反面、本
来の不点灯状態の近辺では、ノイズなどの影響を受けて
不点灯状態と点灯状態とが微少な期間を経て繰り返す状
態が生じ、映像を見る者にとっては暗い部分でちらつく
ように感じる。また、RGBの要素色間については、あ
る色については不点灯状態が安定し、他の色については
ちらつくといったことが生じると、ちらつく部分につい
ては点灯状態となる要素色の色が付いてしまうことがあ
る。すなわち、赤の要素色がちらついて他の要素色がち
らつかないとすると、ちらつきはその部分に赤色を付す
ように作用し、不自然な感じを与えることになる。
【0004】本発明は、上記課題にかんがみてなされた
もので、ちらつきを無くし、不自然な着色を防止するこ
とが可能な表示装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】画素の輝度を量子化した
入力データに基づいて平面状に配置された発光部材の発
光輝度を制御して画素表示するに当たり、量子化データ
に基づく発光輝度a、外部光による反射輝度bとする
と、各発光部材における点灯状態と不点灯状態との比の
式は(a+b)/bで表される。このときに、夜間とも
なれば反射輝度bが限りなく「0」に近づくことになる
から、この比の式は無限大となる。
【0006】むろん、厳密に言えば夜間の反射輝度
「b」は0にはならないが、実質的にはこの比の式は無
限大と言える。従って、ノイズなどによって不点灯状態
と点灯状態とが繰り返されることになると輝度比の式が
無限大になることによってちらつきがはっきりと見えて
しまうことになる。しかるに、この比の式が無限大とな
らないように不点灯状態を制御し、不点灯状態とそうで
ないときの輝度比の式が無限大とならないようにすれ
ば、視覚的に大きな変化とならず、ちらつきは押さえら
れる。
【0007】表示装置において平面状に配置された発光
部材はいわゆる二次元的にマトリクス状に配置されるも
のを意味しており、平坦面である必要はない。また、二
次元的な配置についても直交格子点位置になければなら
ないわけではない。量子化データによると不点灯状態と
点灯状態とが明確に区別されるのに対し、点灯状態と不
点灯状態との輝度比の式が無限大とならないための具体
的手法は各種の手法を適用可能である。
【0008】上記目的を達成するため、請求項1にかか
る発明は、画素の輝度を量子化した入力データに基づい
て、平面状に配置されるとともに不点灯状態から所定輝
度の範囲で発光輝度を制御可能な発光部材の発光輝度を
制御して画素表示する表示装置であって、量子化データ
にて不点灯状態とされる発光部材を最小限の輝度で表示
する構成としてある。上記のように構成した請求項1に
かかる発明においては、画素の輝度を量子化した入力デ
ータに基づいて平面状に配置された発光部材の発光輝度
を制御して画素表示するが、不点灯状態を表す入力デー
タについても最小限の輝度で表示する。これにより、完
全な不点灯状態はなくなり、点灯状態での最小限の輝度
と入力データ的には不点灯状態となるときの最小限の輝
度との間の比の式(点灯状態での最小限の輝度)/(入
力データ的には不点灯状態となるときの最小限の輝度)
は無限大とならなくなる。
【0009】以上のように、点灯状態での最小限の輝度
と入力データ的には不点灯状態となるときの輝度との比
の式が無限大とならなくするための具体的な手法は各種
のものを採用できる。その一例として、請求項2にかか
る発明は、上記請求項1に記載の表示装置において、上
記発光部材における輝度を一律に所定量だけ増加させる
ことにより量子化データにて不点灯状態とされる発光部
材を最小限の輝度で表示する構成としてある。上記のよ
うに構成した請求項2にかかる発明においては、発光部
材における輝度を一律に所定量だけ増加させることによ
り、入力データが不点灯状態を示すものであっても増加
された輝度によって点灯状態となる。この輝度の増加は
データの段階で一律に増加させるものであっても良い
し、発光部材におけるオフセット量として増加させるよ
うなものでも良い。この場合、増加量が徐々に小さくな
るような関数的な増加であっても構わない。
【0010】さらに、請求項3にかかる発明は、請求項
1または請求項2のいずれかに記載の表示装置におい
て、上記入力データを変換する変換テーブルを有すると
ともに、同変換テーブルには不点灯状態を表すデータを
備えない構成としてある。上記のように構成した請求項
3にかかる発明においては、量子化データを扱うにあた
って入力データを変換する変換テーブルを有するもので
あるときに、同変換テーブルによって入力データを変換
することになるが、この変換テーブルが不点灯状態を表
すデータを備えないことにより、変換後は必ず不点灯状
態が無くなる。
【0011】この場合の不点灯状態を表すデータとは、
必ずしも「0」を表すものに限る必要はなく、発光部材
の輝度を表すものとして不点灯状態の輝度を表すもので
あればよい。さらに、請求項4にかかる発明は、請求項
1〜請求項3のいずれかに記載の表示装置において、上
記入力データを変換する変換フィルタを有するととも
に、同フィルタは不点灯状態を表すデータを入力したと
きに所定の最小輝度の点灯データに変換する構成として
ある。
【0012】上記のように構成した請求項4にかかる発
明においては、上記入力データを変換する変換フィルタ
を有しており、同フィルタに不点灯状態を表すデータを
入力すると、所定の最小輝度の点灯データに変換され、
その結果、発光部材は不点灯状態となることなく、最小
輝度で点灯される。さらに、請求項5にかかる発明は、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の表示装置におい
て、不点灯状態を示す量子化データの「0」を「1」に
変換することによって、量子化データにて不点灯状態と
される発光部材を最小限の輝度で表示する構成としてあ
る。
【0013】従来は量子化データが「0」を起点として
おり、不点灯状態が生じているが、上記のように構成し
た請求項5にかかる発明においては、もともと、量子化
データの起点が「1」であるがゆえに、不点灯状態を備
えていないことになる。さらに、上記発光部材に加えて
補助照明を有し、同補助照明を点灯させて画素の不点灯
状態においても表示装置に最小の輝度を持たせる構成と
してもよい。
【0014】上記のような構成においては、上記発光部
材に加えて補助照明を有しており、発光部材自身が量子
化された入力データに基づいて不点灯状態となったとし
ても同補助照明を点灯させることにより、補助照明を点
灯させて画素の不点灯状態においても表示装置の表示面
は点灯状態と不点灯状態との比の式が無限大にならない
ようにするための一定以上の輝度を持つことになる。
【0015】さらに、請求項6にかかる発明は、上記請
求項1〜請求項5のいずれかに記載の表示装置におい
て、外部光の強度が強いときに上記発光部材の不点灯状
態を生じさせ、外部光の強度が弱いときに量子化データ
にて不点灯状態とされる発光部材を最小限の輝度で表示
する構成としてある。点灯状態と不点灯状態との輝度比
の式が無限大となるか否かは外部光の反射輝度が十分に
ある場合には問題にならないと言える。このため、上記
のように構成した請求項6にかかる発明においては、外
部光の強度が強いときには反射輝度が所定値以上と推定
され、発光部材の不点灯状態を生じさせても問題はな
い。一方、同外部光の強度が弱いときには反射輝度が所
定値以下と推定され、実質的な意味で点灯状態と不点灯
状態の輝度比の式が無限大とならないように発光部材の
不点灯状態を生じさせないようにする。
【0016】また、量子化した入力データに基づいて上
述した不点灯状態を生じさせない手法は、実体のある装
置に限定される必要はなく、その方法としても機能する
ことは容易に理解できる。このため、本発明は方法の発
明としても有効であることに相違はない。ところで、上
述したように、このような表示装置は単独で存在する場
合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で利用される
こともあるなど、発明の思想としては各種の態様を含む
ものであり、ソフトウェアであったりハードウェアであ
ったりするなど、適宜、変更可能である。
【0017】発明の思想の具現化例として表示装置を制
御するソフトウェアとなる場合には、かかるソフトウェ
アを記録した記録媒体上においても当然に存在し、利用
されるといわざるをえない。すなわち、表示制御プログ
ラムを記録した媒体としても機能する。むろん、その記
録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒
体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体
においても全く同様に考えることができる。また、一次
複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う
余地無く同等である。その他、供給方法として通信回線
を利用して行う場合でも本発明が利用されていることに
は変わりないし、半導体チップに書き込まれたようなも
のであっても同様である。
【0018】さらに、一部がソフトウェアであって、一
部がハードウェアで実現されている場合においても発明
の思想において全く異なるものはなく、一部を記録媒体
上に記録しておいて必要に応じて適宜読み込まれるよう
な形態のものとしてあってもよい。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、不点灯状
態を表す入力データについても最小限の輝度で表示して
実現できるので、ちらつきが防止されるとともに、特定
の要素色に着色されて不自然な画像となることを防止す
ることが可能な表示装置を提供することができる。
【0020】さらに、請求項2にかかる発明によれば、
所定量だけ一律に輝度を増加させるという極めて容易な
手法によって実現できる。さらに、請求項3にかかる発
明によれば、入力データの変換テーブルにおいて不点灯
状態を表すデータがないようにするだけで極めて簡易に
実現できる。さらに、請求項4にかかる発明によれば、
不点灯状態を表すデータを入力したときに所定の最小輝
度の点灯データに変換するフィルタだけで実現できる。
【0021】さらに、請求項5にかかる発明によれば、
量子化データの起点を「1」とするだけであるので、既
存のものに対しても極めて簡易に実現できる。さらに、
請求項6にかかる発明によれば、外部光の強度が弱いと
きにだけ発光部材の不点灯状態を生じさせないようにす
るため、外部光の反射輝度が所定値以上であるときのコ
ントラストの幅を可能な限り大きくすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面にもとづいて本発明の
実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態にか
かる表示装置を適用した屋外用の大型LED表示装置を
概略ブロック図により示しており、図2は当該LED表
示装置に入力されるコンポジットのビデオ信号を波形図
により示している。同図において、映像信号処理回路1
0はコンポジットのビデオ信号を入力し、RGBの原色
ドライブ信号を出力するとともに、同期信号をタイミン
グ信号発生回路20に出力する。タイミング信号発生回
路20は同期信号の入力タイミングに基づいて後述する
各回路へのタイミング信号を発生するものであり、例え
ば、RGBの各原色ドライブ信号が入力されるA/D変
換回路30に対してはサンプリングしてA/D変換させ
るためのタイミング信号を発生している。
【0023】A/D変換回路30はRGBの各原色ドラ
イブ信号ごとに備えられており、アナログ信号として逐
次入力されている原色ドライブ信号を上記タイミング信
号に基づいてサンプリングし、8ビットのデジタル信号
に変換する。原色ドライブ信号においても図2に示すよ
うな本来の映像信号のオフセットレベルが与えられてい
るが、このように8ビットによって256階調とされた
時点では解像度を向上させるために同オフセットレベル
は差し引かれている。従って、元画像のコントラストを
最大限に有効にするために輝度が「0」レベルの不点灯
状態から輝度が「255」レベルの最大輝度状態を示す
ことになる。
【0024】A/D変換回路30による変換結果は送信
側から送られたγ補正された信号を元に戻すための逆γ
補正フィルタ40に入力され、タイミング信号発生回路
20からのタイミング信号に応じて所定の変換がなされ
た後、変換結果がRGBのそれぞれに1フレーム毎に設
けられている画面メモリ50に記録されるようになって
いる。逆γ補正フィルタ40はROMで構成されてお
り、8ビットのアドレス入力に対して同アドレスに記憶
されているデータを出力する。このデータはいわゆるγ
補正した信号に対応しているが、本発明においては、後
述するように既存の逆γ補正とは相違している。なお、
画面メモリ50には上述したタイミング信号発生回路2
0からタイミング信号が入力されており、内部のカウン
タにて所定の記憶アドレスが指定され、同記憶アドレス
にデータが記憶される。
【0025】そして、同画面メモリ50に記憶されたデ
ータに基づいて駆動回路60が表示パネル70のLED
71を駆動する。このLED71は各画素毎に1ユニッ
トとして設けられており、青と緑については1つずつ、
赤については2つ設けられている。これは赤の発光輝度
が他の2色に比べて低いためであるが、各画素の構成に
ついては適宜変更可能であって、1チップでフルカラー
表示が可能なLEDによって表示パネル71を構成して
もよい。駆動回路60は各LED71の輝度を調整する
が、本実施形態の場合は点灯状態と消灯状態との時間比
で調整している。すなわち、輝度レベルが「255」の
最大状態で常時点灯となり、輝度レベル「0」の最小状
態で常時不点灯となる。なお、輝度を調整するための明
滅状態は繰り返し周波数が極めて高いため、ちらつきは
全く問題とならない。なお、この場合の点灯状態と消灯
状態のタイミングの決定も上述したタイミング信号発生
回路20からのタイミング信号によって決定されてい
る。
【0026】本実施形態においては点灯状態と消灯状態
との時間比で輝度を調整しているが、輝度を表すディジ
タルデータをアナログ変換し、アナログ電圧値で輝度を
調整する発光部材を利用する構成としても良い。ここ
で、上述した逆γ補正フィルタ40について説明する。
γ補正自体は、ブラウン管における映像信号電圧(V1
)対表示輝度(S)特性が S=V1 **2.2 …(1) であるのに応じてテレビ放送局側等の信号出力側で施さ
れる補正であり、 V1 =V0 **(−2.2) …(2) なる関係式に基づいて補正が行われている。かかるγ補
正が施された映像信号電圧に基づいてブラウン管で表示
させれば元の映像信号電圧(V0 )対表示輝度(S)の
関係が直線的となる。従って、ブラウン管以外の表示部
(発光ダイオード、プラズマディスプレイパネル、液晶
など)を有する場合には、 S=V0 **(−2.2) …(3) となってしまうため、逆γ補正が必要となる。例えば、
映像信号電圧対輝度特性が直線的なものであれば、出力
映像信号電圧VOUT と入力映像信号電圧VINの関係は、 VOUT =VIN**2.2 …(4) とすればよい。
【0027】図3は仮に(4)式に示す逆γ補正を適用
するとした場合の変換テーブルの内容を示している。横
軸Xを入力データとし、縦軸Yを補正後の出力データと
し、256階調の場合の変換を、 Y=255(X/255)**2 …(5) なる簡略な関係式で対応づけている。しかしながら、こ
のような対応関係では出力データYが「0」のときにL
ED71は不点灯状態となり、出力データYが「1」の
ときにLED71は点灯状態となる。図2に示す映像信
号のオフセットレベル以下を除外して量子化を行い、映
像信号のオフセットレベル近傍を「0」とした場合に
は、映像信号中のノイズなどによって出力データYが
「0」となったり「1」となったりすることになる。出
力データYが「1」の場合におけるLED71の発光輝
度a[カンデラ/平方メートル]、外部光による反射輝
度b[カンデラ/平方メートル]とすると、出力データ
Yが「0」のときにb[カンデラ/平方メートル]とな
り、出力データYが「1」のときに(a+b)[カンデ
ラ/平方メートル]となる。昼間のように外部光による
反射輝度bがある程度ある場合には、この比は小さいた
め、出力データYが「0」となったり「1」となったり
しても、見る者にとって問題はない。しかしながら、夜
間となって外部光が低下してきた場合、LED71の最
小輝度と比較しても十分に無視できるほどとなる。この
場合、出力データYが「0」となったり「1」となった
りしたときのコントラスト比は極めて大きくなる。上述
したように輝度を調整するために明滅を繰り返す周波数
は極めて高いためちらつきは問題なくなるが、出力デー
タYの変動はフレーム単位で行われるから、周波数が低
く、人間の目によって十分に感知できる。すると、周り
が暗くなればなるほどちらつきがはっきりしてくるよう
になる。
【0028】一方、出力データYが「1」と「2」の間
で変動してもこれは全く問題とならない。問題とならな
い理由は、出力データYが「1」のときに(a+b)
[カンデラ/平方メートル]で、出力データYが「2」
のときに(2a+b)[カンデラ/平方メートル]とな
るとすると、外部光の反射輝度bが「0」であったとし
ても輝度比は二倍となるに過ぎない。本実施形態におい
ては、このような理由から(5)式の変換式を採用せ
ず、図4に示すような、 Y=(255−1)・(X/255)**2+1 …(6) なる変換式を採用し、逆γ補正フィルタ40に記録して
いる。(6)式はLED71における調整可能な輝度範
囲が「0」レベルから「255」レベルであるときに、
最小値であっても「1」レベルの輝度が与えられること
を意味しており、LED71の輝度が変化したとしても
その変動比は数倍程度という比較的小さな範囲に収まる
ことになる。
【0029】次に、上記構成からなる本実施形態の動作
を説明する。テレビチューナなどから中間周波処理など
を経て出力されるコンポジットのビデオ信号が映像信号
処理回路10に入力されると、この映像信号処理回路1
0は同期信号をタイミング信号発生回路20に出力する
とともに、逐次入力されるビデオ信号に基づいてRGB
の原色ドライブ信号に変換して出力する。各色の原色ド
ライブ信号は表示パネル70におけるLED71の配置
状況に応じたサンプリングタイミングでA/D変換回路
30にてA/D変換される。この時点では映像信号にお
ける純粋な強度に対してリニアなディジタル値として変
換されている。
【0030】A/D変換回路30の変換結果はROMで
構成される逆γ補正フィルタ40のアドレス入力とな
り、同アドレスに記憶されている変換データが各画素の
輝度を表すデータとなって画面メモリ50の所定アドレ
スに記憶される。ここで変換される輝度値は図4に示す
とおり、「1」レベル〜「255」レベルのいずれかで
あり、いわゆる「0」レベルの不点灯状態は発生してい
ない。むろん、LED71の輝度調整自体が点灯状態と
消灯状態との時間比で行っているので、厳密な意味では
不点灯状態が生じているが、人間の視覚で検知できるか
否かという意味での不点灯状態が生じないのである。
【0031】この結果、図2に示すような映像信号が入
力されるものとしてオフセットレベルを考慮したときに
輝度が「0」となるような場合であってもLED71の
発光輝度は「1」レベルが確保される。一方、映像信号
にノイズがのった場合など、A/D変換回路30に入力
される原色ドライブ信号にも変動が生じる。従って、暗
い部分においては逆γ補正フィルタ40の入力データが
変動するが、同逆γ補正フィルタ40の出力データは
「1」以上の値で変動するだけであり、変動比の式が無
限大となるようなことはない。この変動は夜間であった
としても表示パネル70を見ている者にとっては大した
変動ではなく、ちらつくような感覚を与えない。
【0032】一方、これの副次的な影響は不自然な着色
を無くすというさらなる効果を与える。従来、映像信号
に基づいて原色ドライブ信号を生成した場合、RGBの
各色間でのバラツキが生じてしまう。上述した輝度比の
場合と同様、各色間でのバラツキが許容できる範囲であ
ればバラツキ自体を感じることもできないのであるが、
赤は発光し、緑と青は発光しないというように、各色間
での輝度比の式が無限大となれば確実に着色を感じてし
まうことになる。例えば、映像の中で人間の頭が映った
とする。この場合、髪の毛部分の画素は黒色を表すため
に輝度が低くなり、本来の輝度は赤が「1」、緑が
「1」、青が「1」であるとする。このとき、バランス
のずれによって、赤だけが「2」となって緑や青の輝度
よりも「1」増えた状態となったとしてもバランスの差
は感じられにくい。しかしながら、赤が「1」、緑が
「0」、青が「0」となると、赤だけが緑や青の輝度よ
りも「1」増えた状態となっている点では同じであるの
に、無限大の輝度比の式の影響によって髪の毛の部分は
赤く見えてしまう。
【0033】これに対し、逆γ補正フィルタ40の出力
データは少なくとも「1」であるため、暗色部分に特定
の色が付いてしまう不自然さは回避される。RGB各色
の各画素ごとに輝度の起点を「1」とした逆γ補正が施
されたデータが書き込まれると、駆動回路60は同デー
タに応じて表示パネル70におけるLED71の点灯期
間と消灯期間との割合を変更させる。これにより、LE
D71の発光輝度は元の被写体の明るさに比例したもの
となる。
【0034】ところで、(6)式の変換や、図1に示す
LED表示装置については、本発明の一実施形態に過ぎ
ない。映像信号等を量子化する際にはコントラストの幅
を確保するためにも消灯状態から最大輝度状態までの範
囲とするのが従来の考え方であるのに対し、輝度比の式
が無限大になるような変動域を設けないのが本発明の考
え方である。その一例として、(6)式の場合は量子化
の階調値として起点を「1」とするようにしている。こ
の場合、逆γ補正フィルタをかけるのと同時に行ってい
るが、必ずしも同時に行う必要はない。図5は(5)式
に基づく逆γ補正フィルタ41とともに起点補正フィル
タ42を備える例を示している。発光部材の性質によっ
ては補正式は変化する。従って、広義の意味で発光部材
の輝度特性を補償する逆γ補正と量子化データについて
起点を「1」とするフィルタとを個別にしておくのも有
効である。
【0035】また、画面メモリ51に対して通常の量子
化データを書き込んだ後で(6)式に示す変換を行うこ
とも有効である。図6はそのような場合のLED表示装
置の概略構成を示しており、画面メモリ51からの読み
込みデータを逆γ補正フィルタ43にかけて変換してか
ら駆動回路60に入力している。一方、必ずしも量子化
データに何らかの補正をかけなければ本発明が実現でき
ないわけではない。図7は量子化データ自身には何ら加
工を施さないで実現する例を示している。画面メモリ5
1は図6に示すものと同様に原色ドライブ信号などから
オフセットレベルを差し引いた状態で量子化したデータ
が書き込まれている。このデータは比較器61における
一方の入力端61aに入力されているが、ここで同入力
端61aではデータを1ビットシフトしつつ最下位の1
ビットをオンにして「二倍+1」に増加させている。一
方、同比較器61における他方の入力端61bにはRO
Mで構成される逆γ補正テーブル62の出力データが入
力されており、同逆γ補正テーブル62のアドレス入力
として8ビットのカウンタ63のカウント出力が入力さ
れている。カウンタ63にはクロックCLKが入力さ
れ、256クロックCLKごとにリセット入力が加えら
れるので、カウンタ出力は図8に示すように「0〜25
5」の範囲で繰り返しカウントされている。図9は上記
逆γ補正テーブル62の記憶内容を示しており、その内
容は(5)式の場合と同様であってただデータとして二
倍されたものとなっている。
【0036】すなわち、画面メモリ51の出力データは
「二倍+1」となっており、クロックCLKのカウント
出力を逆γ補正したものを「二倍」したデータと比較さ
れるようになっている。この結果、輝度として「0」レ
ベルのデータであっても最小限の「1」が付加された状
態となり、さらに点灯期間は逆γ補正をかけた期間に補
正される。このような比較器61と逆γ補正テーブル6
2とカウンタ63とを駆動回路内に備えることにより量
子化データを加工することなく実質的には図4に示すよ
うな関係とすることができる。
【0037】また、輝度比の式が無限大になるような変
動域を設けないという意味では図10に示すように駆動
回路64にオフセット量を設定可能としておき、同オフ
セット量に応じた輝度を一律に増加させる構成とするこ
とも可能である。この場合、LED71であればデータ
と無関係に点灯する期間を設けておけばよいし、同図1
0に示すようなフィラメントを有する発光バルブ72に
はオフセット量に応じた電圧を印加するようにしても良
い。この例でも示すように発光部材としてはLED71
に限られるものではなく、発光バルブ72など不点灯状
態から所定輝度の範囲で発光輝度を制御可能な部材を利
用することができる。
【0038】これまでは、量子化データに基づいて点灯
する発光部材自身について輝度比の式が無限大とならな
いようにしているが、見る側にとってはその画素がちら
ついたりするか否かが問題となるのであり、画素として
考えることが可能である。このため、図11〜図13に
示すLEDユニット73では、RGB各色のLED73
aには特別な輝度制御を行わないものの、これらとは別
に白色のLED73bを設けておき、同LED73bを
常時点灯させることによって最小限の輝度を与えるよう
にしている。
【0039】同LEDユニット73は位置決めと各色間
の遮光性を保持するために各LED73bを正面側から
挿入して固定可能な基板73cを備えている。従来の基
板は正面側からRGBのLEDを装着するだけである
が、この基板73cについては背面中央部分に白色のL
ED73bを挿入して固定可能な保持穴73c1を形成
してあり、同保持穴73c1は正面側に向けて貫通孔7
3c2を形成してある。この貫通孔73c2はLED7
3bの発光輝度を調整するために小さめに形成してあ
り、RGBの各LED73aに対して輝度データとして
「1」を与えた場合の輝度で発光することになる。
【0040】かかる構成において、白色のLED73b
は常時点灯している。従って、従来の状態での輝度範囲
が消灯状態から最大輝度の範囲で変化するのに対して、
オフセット量の最小輝度が与えられることになるから、
変動範囲で輝度比の式が無限大となる領域は生じなくな
る。また、量子化データによる制御系に対しては何ら手
を加えないものでもあり、変更が容易である。むろん、
常時点灯する発光部材としてはLED73bに限る必要
はなく、別の照明源を備えて導光するようにしてもよ
い。さらに、表示装置の外に表示面を低輝度で照明する
照明源を設けてもよい。
【0041】また、これまでは常にLED71などに不
点灯状態を生じないようにしているが、外部光の反射輝
度bが「0」とはいえない状態であれば、輝度範囲が大
きいほどコントラストも豊かになる。図14は、図1に
示す逆γ補正フィルタ40の代わりに、図3に示すテー
ブル変換表と図4に示すテーブル変換表の両方を記憶す
る逆γ補正フィルタ44aを備えており、比較器44b
の出力で同逆γ補正フィルタ44aにいずれか一方を選
択させている。比較器44bの一方の入力端については
外部光の強度を検出するフォトトランジスタ44cによ
って入力電圧が変動するようになっており、他方の入力
端については可変抵抗44dによって電圧を調整可能と
なっている。同フォトトランジスタ44cは外部光の強
度を検出するために外部に露出している。
【0042】かかる構成とすることにより、外部光の強
度が弱いとフォトトランジスタ44cを流れる電流が小
さくなって比較器44bへの入力電圧が低くなる。する
と、可変抵抗44dによって他方の入力端に設定してあ
る電圧値と比較して小さくなり、この比較結果を表す出
力信号が逆γ補正フィルタ44aに対して図4に示すテ
ーブル変換表を選択させる。これに対し、外部光の強度
が強いとフォトトランジスタ44cを流れる電流が大き
くなって比較器44bへの入力電圧が高くなる。する
と、可変抵抗44dによって他方の入力端に設定してあ
る電圧値よりも高くなるので、比較結果は反転し、逆γ
補正フィルタ44aに対して図3に示すテーブル変換表
を選択させることになる。
【0043】このように、映像信号などを量子化したデ
ータに基づいてLED71などの発光部材の強度を制御
して映像を表示する場合に、逆γ補正などを行なう逆γ
補正フィルタ40にて量子化の起点を「0」から「1」
に変化させる処理を行なうなどして、輝度の変動範囲に
おいて輝度比の式が無限大となるような領域を生じない
ようにしたため、ちらつき感がなくなるとともに、各要
素色間のバランスのずれによって発生していた不自然な
着色を回避することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる表示装置を適用し
た屋外用の大型LED表示装置の概略ブロック図であ
る。
【図2】映像信号の波形図である。
【図3】従来の逆γ補正の変換テーブル内容を示すグラ
フである。
【図4】本発明の逆γ補正の変換テーブル内容を示すグ
ラフである。
【図5】本発明の変形例にかかる要部ブロック図であ
る。
【図6】本発明の他の変形例にかかる屋外用の大型LE
D表示装置の概略ブロック図である。
【図7】本発明の他の変形例にかかる要部ブロック図で
ある。
【図8】同変形例にかかるタイミングチャートである。
【図9】同変形例にかかる逆γ補正テーブル内容を示す
グラフである。
【図10】本発明の他の変形例にかかる要部ブロック図
である。
【図11】本発明の他の変形例にかかるLEDユニット
の分解斜視図である。
【図12】同変形例にかかるLEDユニットの基板の背
面側斜視図である。
【図13】同変形例にかかるLEDユニットの断面図で
ある。
【図14】本発明の他の変形例にかかる要部ブロック図
である。
【符号の説明】
10…映像信号処理回路 20…タイミング信号発生回路 30…A/D変換回路 40…逆γ補正フィルタ 50…画面メモリ 60…駆動回路 70…表示パネル 71…LED
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09G 3/20 611 G09G 3/20 642 G09G 3/20 623 G09G 3/32

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画素の輝度を量子化した入力データに基
    づいて、平面状に配置されるとともに不点灯状態から所
    定輝度の範囲で発光輝度を制御可能な発光部材の発光輝
    度を制御して画素表示する表示装置であって、量子化デ
    ータにて不点灯状態とされる発光部材を最小限の輝度で
    表示することを特徴とする表示装置。
  2. 【請求項2】 上記請求項1に記載の表示装置におい
    て、上記発光部材における輝度を一律に所定量だけ増加
    させることにより量子化データにて不点灯状態とされる
    発光部材を最小限の輝度で表示することを特徴とする表
    示装置。
  3. 【請求項3】 上記請求項1または請求項2のいずれか
    に記載の表示装置において、上記入力データを変換する
    変換テーブルを有するとともに、同変換テーブルには不
    点灯状態を表すデータを備えないことを特徴とする表示
    装置。
  4. 【請求項4】 上記請求項1〜請求項3のいずれかに記
    載の表示装置において、上記入力データを変換する変換
    フィルタを有するとともに、同フィルタは不点灯状態を
    表すデータを入力したときに所定の最小輝度の点灯デー
    タに変換することを特徴とする表示装置。
  5. 【請求項5】 上記請求項1〜請求項4のいずれかに記
    載の表示装置において、不点灯状態を示す量子化データ
    の「0」を「1」に変換することによって、量子化デー
    タにて不点灯状態とされる発光部材を最小限の輝度で表
    示することを特徴とする表示装置。
  6. 【請求項6】 上記請求項1〜請求項5のいずれかに記
    載の表示装置において、外部光の強度が強いときに上記
    発光部材の不点灯状態を生じさせ、外部光の強度が弱い
    ときに量子化データにて不点灯状態とされる発光部材を
    最小限の輝度で表示することを特徴とする表示装置。
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