JP3365859B2 - プレb細胞増殖支持能を有するポリペプチドをコードする遺伝子 - Google Patents

プレb細胞増殖支持能を有するポリペプチドをコードする遺伝子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遺伝子、及び該遺伝子
によってコードされる接着因子に関し、更に詳しくは、
プレB細胞増殖支持能を有するポリペプチドをコードす
る遺伝子、該遺伝子を含有するベクター、該ベクターに
よる形質転換体、及び該遺伝子を用いたプレB細胞増殖
支持能を有する接着因子の製造方法に関する。
【0002】本発明の遺伝子は、慢性関節リウマチ(R
A)患者や多発性骨髄腫(MM)患者の骨髄細胞や滑膜
細胞上のプレB細胞増殖支持能を亢進する新規接着因子
をコードする。本発明の遺伝子を適当なベクターに挿入
した後、常用の宿主細胞を形質転換することにより、大
量に均一なプレB細胞増殖支持能を有する接着因子を製
造することが可能となる。このことから、本発明によ
り、多発性骨髄腫(MM)及び慢性関節リウマチ(R
A)の同定及びこれらの臨床上の診断用試薬の作成が可
能となる。
【0003】
【従来の技術】従来、骨髄細胞の異常が、B細胞悪性腫
瘍や自己免疫疾患の発生に関与していることが報告され
ている〔Annu.Rev.Immunol.,9:2
43(1991)〕。
【0004】すなわち、多発性骨髄腫(MM)は、骨髄
の微小環境に依存して進行する患癌であり骨髄中で限定
された増殖を示す単一形質球癌であるが、骨髄ストロー
マ細胞に依存的なB細胞の分化増殖過程の初期段階(プ
レB細胞)で多発性骨髄腫(MM)のガン遺伝子の転換
が起こることが知られている〔J.Exp.Med.,
150:792(1979)、及びCancer Ge
net.Cytogenet,17:13(198
5)〕。
【0005】また、多発性骨髄腫(MM)患者の末梢血
中を循環する多発性骨髄腫(MM)の前駆細胞の増殖を
骨髄ストローマ細胞が促進するという事実が報告されて
いる〔Blood,77:2688(1991)〕。
【0006】これらのことから、骨髄ストローマ細胞が
多発性骨髄腫(MM)の増殖を促進するシグナルを提供
している可能性がある。
【0007】一方、IL−6の異常生産が、慢性関節リ
ウマチ(RA)の発生に関与していることが知られてい
る〔Eur.J.Immunol.,18:1797
(1988)、及びClin.Immunol.Imm
unopathol.,62:S60(1992)〕。
更に、Eur.J.Immunol.,20:723
(1990)、及びEur.J.Immunol.,2
1:63(1991)に報告された自己免疫疾患のマウ
スモデルの結果から、慢性リウマチ(RA)の骨髄は何
らかの異常が存在することが示唆される。すなわち、慢
性関節リウマチ(RA)においても、ポリクローナルな
B細胞活性化が羅患関節に隣接する骨髄に起因している
可能性が示唆されている。
【0008】本発明者は、これらB細胞の機能異常をき
たす疾患における骨髄微小環境の病的意義を明らかにす
ることを目的として、研究を進めており、RA及びMM
患者では、正常人と比較して、骨髄由来ストローマ細胞
のプレB細胞増殖支持能が亢進していること、及びこの
支持能には、プレB細胞とストローマ細胞との直接接触
が必須であることを報告すると共に、RA及びMM患者
の骨髄ストローマ細胞上にプレB細胞の増殖を促進する
因子があるはずであるとの洞察に基づいて、各々の患者
のストローマ細胞をセルライン化し、プレB細胞の増殖
を促進する因子を有するストローマ細胞株(RASV5
−5,MMSV3−3)を樹立した。これらストローマ
細胞株によるプレB細胞の増殖支持には、既知のSte
m cell factor(SCF)、ICAM−
1、CD44、VCAM−1、LFA−1α,LFA−
1β、NCAM、ELAM−1とは別の未知の接着因子
が関与していることが示唆された〔J.Immuno
l.,149:4088(1992)〕。
【0009】そこで、本発明者は、プレB細胞増殖支持
能の高いRA患者の骨髄由来ストローマ細胞株RASV
5−5を感作抗原としてモノクローナル抗体を作製した
ところ、前記RA患者の骨髄由来ストローマ細胞株、及
びMM患者の骨髄由来ストローマ細胞株に反応し、プレ
B細胞増殖支持能を持たないヒト骨髄由来ストローマ細
胞株NFSV1−1には反応しないモノクローナル抗体
RF3を得た。
【0010】更にはRA患者の滑膜細胞をセルライン化
した滑膜細胞株SynSV6−14を免疫して得たハイ
ブリドーマSG2が産生するモノクローナル抗体が、R
A患者の骨髄由来ストローマ細胞株RASV5−5と反
応し、プレB細胞増殖支持能を持たないヒト骨髄由来ス
トローマ細胞株NFSV1−1には反応しないことも見
い出した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】これらのハイブリドー
マが認識するプレB細胞増殖支持能を有する新規な接着
因子の発現は、RAやMM患者の病態の程度と相関して
いる可能性が考えられることから、この膜タンパクのよ
り正確な性状の解明と共に診断治療やその研究に利用可
能な量の確保が重要な課題となっている。従って、この
接着因子の遺伝子の構造の解明及び組換えDNA技術を
用いた接着因子の大量生産技術の確立が望まれていた。
【0012】すなわち、本発明は、プレB細胞増殖支持
能を有するポリペプチドをコードする遺伝子、該遺伝子
を含有するベクター、該ベクターによる形質転換体、及
び該遺伝子を用いたプレB細胞増殖支持能を有する接着
因子の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる状況下において、
本発明者等は、接着因子が発現している細胞より調製し
たmRNAからcDNAライブラリーを作成した後、こ
れらcDNAを発現ベクターに挿入し、この発現ベクタ
ーにより形質転換された形質転換体を得た。次いで、前
記ハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体と強く
反応する形質転換体を選別し、その作成に用いたcDN
Aを更に区分けして再び発現ベクターに挿入し、前記抗
体と強く反応する形質転換体を選択し、その作成に用い
たcDNAを更に区分けして行く工程をくり返すことに
よって、プレB細胞増殖支持能を有する新規接着因子の
遺伝子をクローニングすることに成功した。また、この
遺伝子を適当なベクターに挿入して形質転換体を得、そ
れを培養することにより、この新規接着因子を大量に製
造することができることも明らかにした。
【0014】従って、本発明は、ヒトプレB細胞増殖支
持能を有するポリペプチドをコードする遺伝子を提供す
る。
【0015】本発明は、更に、ヒトプレB細胞増殖支持
能を有するポリペプチドをコードする遺伝子を含む組換
えベクターを提供する。
【0016】本発明は、また、ヒトプレB細胞増殖支持
能を有するポリペプチドをコードする遺伝子を含む組換
えベクターによって形質転換された原核もしくは真核宿
主細胞を提供する。
【0017】本発明は、更に、ヒトプレB細胞増殖支持
能を有するポリペプチドをコードする遺伝子を含む組換
えベクターによって形質転換された形質転換体を培養
し、産生したポリペプチドを分離することを特徴とする
ヒトプレB細胞増殖支持能を有するポリペプチドの製造
方法及びヒトプレB細胞増殖支持能を有するポリペプチ
を提供する。
【0018】続いて、本発明について詳細に説明する。
本発明の遺伝子は、例えば、ヒトプレB細胞増殖支持能
を示す接着因子を発現する細胞等からmRNAを調製し
た後、既知の方法により二本鎖cDNAに変換すること
により得られる。このmRNAの供給源となる細胞とし
ては、ハイブリドーマRF3やSG2の免疫源として用
いたRASV5−5やSynSV6−14の細胞株があ
げられるが、これら細胞株に限らず、ヒトプレB細胞増
殖支持能を示す接着因子を発現している細胞であればよ
い。一例としては、J.Immunol.,149:4
088(1992)に開示された各種ストローマ細胞株
をあげることができる。尚、本発明では、SynSV1
−4を用いた。
【0019】mRNAを得るための全RNAの調製は、
グアニジンチオシアネート処理後、塩化セシウム密度勾
配遠心を行ない〔Chirgwin et al.,
Biochemistry,18:5294(197
9)〕全RNAを得る方法や、バナジウム複合体のリボ
ヌクレアーゼインヒビター存在下に界面活性剤処理、フ
ェノール処理を行う〔Berger & Birken
meier,Biochemistry,18:514
3(1979)〕方法の他、公知の手段を用いることが
できる。
【0020】全RNAからのmRNAの調製は、オリゴ
(dT)を結合した担体、例えば、セファロースやセル
ロース等を用いたアフィニティーカラムクロマトグラフ
ィーかバッチ法により全RNAからpoly(A)+R
NAを回収することでできる。また、ショ糖密度勾配遠
心法等によりpoly(A)+RNAを更に精製するこ
ともできる。その他、いったんRNAを調製せずに、直
接poly(A)+RNAを得る方法や市販のキットを
用いた簡便な方法もある。
【0021】上記の如くして得たmRNAから二本鎖c
DNAを得るには、例えば、mRNAを鋳型にして、
3′末端にあるポリA−鎖に相補的なオリゴ(dT)を
プライマーとして逆転写酵素で処理してmRNAに相補
的なDNA(cDNA)を合成する。
【0022】mRNAをアルカリ処理により分解、除去
した後、得られた一本鎖cDNAを鋳型にして逆転写酵
素あるいはDNAポリメラーゼ(例えば、Klenow
断片等)処理後、S1ヌクレアーゼなどで処理するか、
直接RNaseH及びDNAポリメラーゼ等で処理する
ことによっても二本鎖cDNAを得ることができる〔M
aniatis et al.,Molecular
Cloning, Cold Spring Harb
or Laboratory(1982)、及びGub
ler & Hoffman, Gene,25:26
3(1983)〕。最近、簡便なキットも市販されてお
り、これらを用いて二本鎖cDNAを得ることもでき
る。
【0023】このようにして得られたcDNAを適当な
ベクター、例えば、pBR322、pSC101等のE
K型プラスミドベクターやλgt10等のファージベク
ター等に組み込んだ後、大腸菌(X1776,HB10
1,DH1,DH5など)等を形質転換してcDNAラ
イブラリーを得ることができる(例えば、前出“Mol
ecular Cloning”を参照)。
【0024】一方、前述の方法で得た二本鎖cDNAを
適当な発現ベクターに挿入することにより、他の原核生
物又は真核生物の宿主細胞を形質転換させることができ
る。
【0025】二本鎖cDNAをベクターと連結させるに
は適当な化学合成DNAアダプターを付加し、予じめ制
限酵素を用いて開裂させたベクターDNAとATP存在
下にT4ファージDNAリガーゼで処理することにより
行うことができる。
【0026】本発明の発現ベクターは、複製起源、選択
マーカー、発現させようとする遺伝子の前に位置するプ
ロモーター、RNAスプライス部位、ポリアデニル化シ
グナル等を含んでいる。
【0027】哺乳動物細胞における遺伝子発現のプロモ
ーターとしては、レトロウイルス、ポリオーマウイル
ス、アデノウイルス、シミアンウイルス(SV)40等
のウイルスプロモーターやヒト・ポリペプチド・チェー
ン・エロンゲーション・ファクター1α(HEF−1
α)等の細胞由来のプロモーターを用いればよい。例え
ば、SV40のプロモーターを使用する場合は、Mul
ligan等の方法〔Nature,277:108
(1979)〕に従えば、容易に実施することができ
る。
【0028】複製起源としては、SV40ポリオーマウ
イルス、アデノウイルス、牛パピローマウイルス(BP
V)等の由来のものを用いることができ、選択マーカー
としては、ホスホトランスフェラーゼAPH(3′)I
IあるいはI(neo)遺伝子、チミジンキナーゼ(T
K)遺伝子、大腸菌キサンチン−グアニンホスホリボシ
ルトランスフェラーゼ(Ecogpt)遺伝子、ジヒド
ロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子等を用いることがで
きる。
【0029】宿主細胞として原核細胞を用いて目的の遺
伝子を形質発現させるには、宿主と適合し得る種由来の
レプリコン、すなわち複製起源及び調節配列を含んでい
るプラスミドベクターで宿主細胞を形質転換させればよ
い。また、ベクターは、形質転換細胞に表現形質(表現
型)の選択性を付与することができるマーカー遺伝子を
持つものが望ましい。例えば、大腸菌の場合には、それ
を宿主とするベクターであるpBR322を用いて形質
転換することができる〔Boliver等,Gene,
2:95(1975)〕。pBR322は、アンピシリ
ン及びテトラサイクリン耐性の遺伝子を含んでおり、ど
ちらかの耐性を利用することによって形質転換細胞を同
定することができる。原核宿主細胞の遺伝子発現に必要
なプロモーターとしては、β−ラクタマーゼ遺伝子のプ
ロモーター〔Chang等,Nature,275:6
15(1978)〕や、ラクトースプロモーター〔Go
eddel等,Nature,281:544(197
9)〕、及びトリプトファンプロモーター〔Goedd
el等,Nucleic Acid Res.,8:4
057(1980)〕、tacプロモーター等があげら
れる。
【0030】本発明の発現系に用いる宿主のうち原核宿
主細胞としては、例えば、大腸菌(Escherich
ia coli)、枯草菌(Bacillus sub
tilis)、バシラス・サーモフィルス(Bacil
lus thermophilus)等があげられる。
【0031】また、真核宿主細胞としては、例えば、サ
ッカロミセス・セレビシエー(Saccharomyc
es cerevisiae)等の真核微生物があげら
れるほか、COS細胞、チャイニーズハムター卵巣(C
HO)細胞、C127細胞、3T3細胞、Hela細
胞、BHK細胞、ナマルバ細胞、ヒト胎児腎細胞(29
3細胞)等のホ乳動物由来の細胞も用いることができ
る。尚、本発明の形質転換体の培養は、宿主細胞に適し
た培養条件を適宜選択して行えばよい。
【0032】プレB細胞増殖支持能を有する接着因子を
コードするcDNAを単離するには、例えば、プレB細
胞増殖支持能を指標とするか、抗体を用いた直接発現ク
ローニング等の方法を用いて行うことができる。プレB
細胞増殖支持能の測定は、マウスプレB細胞株DW34
〔Eur.J.Immunol.,18:1767(1
988)〕を用いて実施することができる。
【0033】すなわち、24穴プレートにプレB細胞増
殖支持能を有する接着因子を発現している細胞をサブコ
ンフルエント(概ね50%密度が望ましい)になるまで
培養し、適量の放射線を照射した後、1穴あたり1〜2
×103 個のDW34を添加し、10%FCSを含むR
PMI−1640培地中で5%CO2 の条件下、37℃
で4〜6日間程度培養する。各穴のDW34の生存細胞
数をトリパンブルー染色で調べることによって増殖支持
能の亢進の程度がわかる。
【0034】本発明では、プレB細胞増殖支持能を有す
る接着因子を認識するモノクローナル抗体RF3、SG
2を用いたFACScanによるフローサイトメトリー
(Flow Cytometry)により、接着因子を
発現している形質転換体を選別し、その形質転換体の作
成に用いたプラスミドDNAを細分化して再度形質転換
体を作成し、その形質転換体をフローサイトメトリーに
よりスクリーニングすることをくり返すことによって、
目的の遺伝子をクローニングすることができた。
【0035】すなわち、形質導入された形質転換体(2
93T細胞)を培養した後、0.02%のEDTAを含
むPBSでプレートより剥がし、2%FCS、0.02
%NaN3 を含むPBSからなるFACS緩衝液で細胞
を洗浄した後、一次抗体としてRF3及びSG2と反応
させる。次いで、FACS緩衝液で洗浄して未反応の一
次抗体を除去し、二次抗体のFITC標識抗体(FIT
C標識ヤギ抗マウスIg抗体)と更に反応させた後、ヨ
ウ化プロピジウムによる染色で死亡細胞を識別し、生存
細胞をFACScanで解析することによって、RF3
及びSG2と強く反応する形質転換体を選別した。
【0036】更に、抗体と反応した形質転換体の作成に
用いたcDNAを含む大腸菌(DH5)をアルカリ処理
して目的遺伝子を含むプラスミド群を選別し、これらの
プラスミド群を更に幾つかのプラスミド群に小分けし
て、再度、293T細胞に形質導入させた後、前述のモ
ノクローナル抗体RF3及びSG2を用いたFACSc
an解析による形質転換体の選択をくり返すことによ
り、配列表の配列番号2に示される新規なプレB細胞増
殖支持能を有する膜タンパクポリペプチドをコードする
完全長cDNA(63−BOS)を得ることができた。
【0037】尚、このcDNAをpUC19ベクターの
XbaI切断部位間に挿入したpBst−1を含有する
大腸菌(E.Coli)DH5α株は、平成5年(19
93年)5月19日付で工業技術院生命工学工業技術研
究所に、Escherichia Coli DH5α
(pBst−1),受託番号FERM BP−4305
としてブタベスト条約に従って国際寄託されている。
【0038】一般に、真核生物の遺伝子は、ヒトインタ
ーフェロン遺伝子等で知られているように、多形現象を
示すと考えられ〔例えば、Nishi等,J.Bioc
hem.,97:153(1985)〕、この多形現象
によって1個又はそれ以上のアミノ酸が置換されている
場合もあれば、塩基配列の変化はあってもアミノ酸は全
く変わらない場合もある。
【0039】また、配列表の配列番号1のアミノ酸配列
の中の1個又はそれ以上のアミノ酸を欠くか又は付加し
たポリペプチドあるいはアミノ酸が1個もしくはそれ以
上のアミノ酸で置換されたポリペプチドでもプレB細胞
増殖支持能を有することがある。例えば、ヒトインター
ロイキン(IL−2)遺伝子のシステインに相当する塩
基配列をセリンに相当する配列に変換して得られたポリ
ペプチドがIL−2活性を保持することも既に公知とな
っている〔Wang等,Science,224:14
31(1984)〕。
【0040】更には、既知タンパクの遺伝子と配列表の
配列番号2の遺伝子を適当な制限酵素又はアダプター等
を用いて連結させて、既知タンパクと結合したポリペプ
チドとして産生させることもできる。既知タンパクの遺
伝子としては、例えば、免疫グロブリンがあげられ、そ
の可変領域部分の代わりに配列表の配列番号2に示され
る遺伝子を用いて、Fc部分と結合させればよい〔(Z
ettlmeissl等,DNA AND CELL
BIOLOGY,9:347−353(1990)〕。
【0041】また、真核細胞で発現させた場合、その多
くは糖鎖が付加されるが、アミノ酸を1ないしそれ以上
変換することにより糖鎖付加を調節することができる
が、この場合もプレB細胞増殖支持能を有することがあ
る。従って、本発明におけるプレB細胞増殖支持能を有
するポリペプチドをコードする遺伝子を人工的に改変し
たものでも、得られたポリペプチドがプレB細胞増殖支
持能を有する限り、それらの遺伝子は全て本発明に含ま
れる。
【0042】更に、配列表の配列番号2に示される遺伝
子とハイブリダイズする遺伝子も、その遺伝子から発現
されるポリペプチドがプレB細胞増殖支持能を有する限
り、本発明に含まれる。ハイブリダイゼーションは、通
常のハイブリダイゼーションの条件(例えば、前述の
“Molecular Cloning”を参照)を用
いて行うことができる。
【0043】目的とするプレB細胞増殖支持能を有する
ポリペプチドをコードする遺伝子で形質転換した形質転
換体を培養し、産生したポリペプチドを適当な可溶化剤
で可溶化した後、分離、精製することによって、均一な
可溶性の接着因子を得ることができる。尚、可溶化剤と
しては、Nonidet P−40(NP−40),S
odium Dodecyl Sulphate(SD
S),TritonX−100,Tween 20等が
あげられる。
【0044】また、可溶性の接着因子は遺伝子工学的に
作成することもできる。すなわち、配列表の配列番号1
に於ける272番目のGlnから290番目のLeuま
での部分は疎水性が高い領域であることから、272番
目より前の位置に終止コドンを有する遺伝子をPCR−
変異誘発法〔M.Kamman等,Nucl.Acid
s Res.,15:5404(1989)〕を用いて
作成すればよい。
【0045】具体的には、寄託したpBst−1に2つ
のプライマーAAC CTC CAG AAG GAA
AA(配列表の配列番号1の185番目〜190番目
に相当)及びACC CAA GCT TTC TAG
ATC AAT AAAGAC TTG GGG C
TT(配列表の配列番号1の264番目〜269番目+
終止コドン+HindIII 及びXbaI制限部位に
相当)を用いて、PCR−変異誘発法で増幅する。低融
点アガロースなどを用いて目的の遺伝子を精製し、Bg
lII及びHindIIIで断片化する。同じ制限酵素
で処理したpBst−1に得られたBglII−Hin
dIII断片を挿入した後、EcoRIとHindII
Iで処理し、Klenow断片で平滑末端とする。Bs
tXIでpEF−BOSを処理した後、Klenow断
片で処理したものにこのDNA断片を連結させ、適当な
宿主細胞を形質転換させて可溶性の接着因子を得ること
ができる。
【0046】分離、精製の手段としては、通常の蛋白質
で用いられる方法を適用すればよく、例えば、前述のモ
ノクローナル抗体を用いたアフィニティークロマトグラ
フィー等の各種クロマトグラフィー、限外ろ過、塩析、
透析等も適宜選択、組合わせれば、本発明のポリペプチ
ドを分離、精製することができる。
【0047】本発明のプレB細胞増殖支持能を有する接
着因子をコードする遺伝子を得る方法、該遺伝子を有す
る組換えベクター、及びこれを含有する形質転換体、並
びにこの形質転換体を培養し取得した目的の蛋白質、並
びに夫々の製造法について、以下の参考例及び実施例に
よって詳細に説明するが、この実施例によって本発明が
限定されるものではない。
【0048】参考例1 プレB細胞増殖支持能を有する慢性関節リウマチ(R
A)患者由来及び健常人由来ストローマ細胞株の樹立 慢性関節リウマチ(RA)患者、健常人の骨髄(BM)
の単核細胞(mononuclear)分画を、Fic
oll−Hypaque密度勾配遠心分離で得た後、こ
れを、10%牛胎児血清(FCS)、50μM2−メル
カプトエタノール、抗生物質を含むRPMI−1640
培養液中で37℃で数週間培養した。洗浄をくり返し、
非付着性細胞を除去し、残った付着細胞に、SV40の
large T抗原cDNAとニワトリβ−アクチンプ
ロモーターを含むpAct−SVTプラスミド〔BBR
C,186:129−134(1992)〕を、Gen
ePulser(BioLad社製)でエレクトロポレ
ーションした。
【0049】前記細胞とプラスミドを15分間水中でイ
ンキュベートした後、250V、250μF静電容量で
エレクトロポレーションを行い、更に氷上で10分間イ
ンキュベートした後、10cmディシュ中で培養した。
付着細胞が多く成育しているコロニーを、小片のろ紙で
取り出し、慢性関節リウマチ(RA)患者及び健常人の
骨髄由来ストローマ細胞株(RASV5−5、及びNF
SV1−1)を得た。〔J.Immunol.,14
9:4088(1992)〕。
【0050】参考例2 プレB細胞増殖支持能を有する慢性関節リウマチ(R
A)患者由来滑膜細胞株の樹立 慢性関節リウマチ(RA)由来の滑膜細胞にSV40の
Large T抗原cDNAとニワトリβ−アクチンプ
ロモーターを含むpAct−SVTプラスミド〔BBR
C,186:129−134(1992)〕を、Gen
e Pulser(BioLad社製)を用いてエレク
トロポレーションした。すなわち、PBS中のRA患者
由来の滑膜細胞1×107 細胞/mlの0.8mlアリ
コートと10μgのプラスミドを混合し、10分間氷中
でインキュベートした後、250V、250μF静電容
量の条件でエレクトロポレーションを行い、更に、10
分間氷中でインキュベートした後、10%FCS(Bi
oproducts社製)を含むRPMI−1640培
地(GIBCO社製)に懸濁し10cm培養皿にて培養
した。培養液の交換は3日おきに行い、約2週間後に生
育のよい付着細胞のコロニーをトリプシンを染み込ませ
た小片のろ紙にて取りだし、RA由来滑膜細胞株(Sy
nSV1−4及びSynSV6−14)を得た。
【0051】参考例3 モノクローナル抗体の作製 1)感作抗原と免疫法 感作抗原として、上記参考例1及び2で得たプレB細胞
増殖支持能の高いRA患者由来ストローマ細胞株RAS
V5−5及び滑膜細胞株SynSV6−14を用いて抗
原感作を行った。細胞株は、10%牛胎児血清(FC
S,Bioproducts社製)、及び50μM2−
メルカプトエタノール含有RPMI−1640(GIB
CO社製)を培地として使用し、5%CO2 インキュベ
ーター中で37℃の温度条件下で継代培養を行った。
【0052】細胞は、0.02%EDTA、PBS処理
後、軽いピペッティングによってインキュベーターの培
養フラスコより回収した。この細胞を約1×107 個/
mlの細胞数でRPMI−1640培地に懸濁し、浮遊
させ、BALB/C系マウス(4週令、♀、日本エスエ
ルシー社製)に免疫した。初回免疫には、約1×107
個/mlの細胞をマウス腹腔内に注射し、2〜3週後に
1×107 個/mlの細胞を追加免疫した。更に、2〜
3週間隔にて1×107 個/mlの細胞を2〜3回追加
免疫し、最終免疫3日後にマウスを屠殺して脾臓を摘出
した。
【0053】2)細胞融合 1匹のマウスから摘出した脾臓を細切後、遊離した脾細
胞を遠沈した後、RPMI−1640培地(GIBCO
社製)中に懸濁し、浮遊させ、充分に洗浄を行った。一
方、マウス・ミエローマ細胞株P3X63Ag8.65
3〔J.Immunol.,123:1548(197
9)〕を、10%牛胎児血清(FCS,FILTRON
社製)を含有するDMEM(GIBCO社製)培地にて
培養して得た細胞を、同様に前記DMEM培地で洗浄
後、その1×107 個と、前記脾細胞1×108 個とを
遠心管に入れ混合し、ポリエチレングリコール1500
(Boehringer社製)によって常法〔Cli
n.Exp.Immunol.,42:458−462
(1980)〕に従い細胞融合させた。
【0054】得られた融合細胞を、10%FCSを含む
DMEM培地にて96個のウェルプレートに分注し、5
%CO2 インキュベーター中で37℃で培養した。翌日
よりHAT選択培地(1.0×10-4Mヒポキサンチ
ン、4.0×10-7Mアミノプテリン、1.6×10-5
Mチミジンを含む完全RPMI−1640培地に、10
%FCS及び50μM2−メルカプトエタノールを加え
た培地)に徐々に置換させて培養を続けた。培養開始
後、上清の半分を週2回の頻度に、それぞれ新しいHA
T培地に代え、培養を継続し、増殖維持させた。
【0055】このようにして得られた融合細胞を限界希
釈法を用いてクローニングした。すなわち、前記融合細
胞の培養上清中の抗体を利用して、感作抗原との結合性
を調べ、感作抗原と強い結合性を有するクローンだけを
常法により限界希釈法を用いてクローンを形成させた。
【0056】クローンの形成は、前記ハイブリドーマ及
びBALB/C系マウス脾細胞を所定量含むように調整
し、ハイブリドーマ1〜10個/ウエルとなるように9
6ウエルのプレートに播いて5%CO2 インキュベータ
ー中で37℃にて培養した。増殖してくるハイブリドー
マを同様にクローニングする操作を、通常の限界希釈法
に従って、理論上単一のクローンとなるまで繰り返し
た。目的の抗体を産生するクローンは、前記感作抗原を
用いてスクリーニングを行った。
【0057】このようにして、RASV5−5とは反応
するが、プレB細胞増殖支持能を持たない正常ヒト骨髄
由来ストローマ細胞株NFSV1−1とはほとんど反応
しない抗体を産生する2種のハイブリドーマ(RF3,
SG2)を分離した。これらのハイブリドーマが産生す
る抗体は、それぞれ、IgG2a及びIgG2aであっ
た。
【0058】尚、上記のモノクローナル抗体RF3、及
びSG2を産生する当該ハイブリドーマは、BALB/
C系マウス脾細胞とマウス・ミエローマP3X63Ag
8.653を親細胞として作製された新規な融合細胞で
あり、平成5年(1993年)4月28日付で公的微生
物寄託機関である工業技術院生命工学工業技術研究所
に、Mouse−Mouse hybridoma R
F3,受託番号FERMBP−4656、及びMous
e−Mouse hybridoma SG2,受託番
号FERM BP−4657として寄託されている。
【0059】3)スクリーニング 融合細胞(ハイブリドーマ)のスクリーニングは、フロ
ーサイトメーター(Flow Cytometer)を
使った間接蛍光抗体法により行った。目的の抗体を産生
するクローンのスクリーニングは、ターゲット細胞とし
て、a)RASV5−5(感作抗原)、b)正常ヒト骨
髄由来ストローマ細胞株NFSV1−1、等を用いて行
った。すなわち、プレB細胞増殖支持能の高いRA患者
の骨髄由来ストローマ細胞株(RASV5−5)をBA
LB/Cマウスに免疫することにより、RASV5−5
と反応するがプレB細胞増殖支持能を持たない正常ヒト
骨髄由来ストローマ細胞株(NFSV1−1)とは反応
しない事を指標にモノクローナル抗体のスクリーニング
を行った。最初のスクリーニングは、反応細胞として感
作抗原であるRASV5−5を用いて行った。先ず、R
ASV5−5に反応する融合細胞クローンを選ぶため
に、当該RASV5−5に反応する培養上清を選別し、
1次スクリーニングを行った。
【0060】すなわち、細胞を反応バッファー〔2%F
CS,0.02%NaN3 を含むPBS〕に懸濁し、ハ
イブリドーマ培養上清20μl中に浮遊させ(約5×1
5個/20μl)、4℃にて20分間反応させた。前
記バッファーにより2回洗浄した後、FITC標識ヤギ
抗マウスIg抗体(Cappel社製)を加えて20分
間インキュベーションした。3回洗浄した後、フローサ
イトメーター(Flow Cytometer)(FA
CScan,Becton Dickinson社製)
にて解析した。
【0061】次に、反応細胞として正常ヒト骨髄由来ス
トローマ細胞株NFSV1−1を用い、前記の如くフロ
ーサイトメーター(Flow Cytometer)に
より解析した。これによって、RASV5−5により強
く反応する抗体を産生しているハイブリドーマとして2
種の細胞を得た。
【0062】4)抗体の精製 前記2)で作製した融合細胞を常法に従って培養し、培
養上清中に産生される抗体を常法により分離し、精製し
た。すなわち、各ウエルのうち前記感作抗原に対する抗
体価の最も高かったウエルからハイブリドーマを採取
し、細胞の増殖が認められたウエルのうち1つを取り、
得られた培養細胞を5%CO2 組織培養フラスコに広げ
て37℃にて継代培養を行い、増殖させた。得られた細
胞をプリスタン投与を施行したBALB/C系マウス
(6週令,♀,日本エスエルシー社製)に腹腔内注入し
た。10〜14日後、産生された腹水を採取し、50%
硫酸アンモニウムで塩析しPBSで透析後、QAEカラ
ムにて精製を行った。抗体は、更に塩析し、充分に透析
を行い、約6mg/mlの精製品を得た。
【0063】参考例4 プレB細胞増殖支持能を有するRA患者由来骨髄ストロ
ーマ細胞株を選択的に認識するマウスモノクローナル抗
体RF3及びSG2は、以下に示す方法により同一の分
子を認識していることが確認された。
【0064】すなわち、それぞれの抗体をN−hydr
oxysuccinimide Biotinを用いて
ビオチン化〔Antibodies:A Labora
tory Manual,E.Harlow等,Col
d Spring Harbor Laborator
y Press(1988)〕した後、RA患者由来骨
髄ストローマ細胞株RASV5−5を用いた交差阻害実
験を行った。RASV5−5細胞株をビオチン化RF3
及びSG2、又はビオチン化SG2及びRF3の組み合
わせで2%FCS及び0.02%NaN3 を含むリン酸
緩衝生理食塩水(PBS)からなるFACS緩衝液20
μl中に懸濁し20分間氷中でインキュベートし、FA
CS緩衝液にて2回洗浄後FITC標識ストレプトアビ
ジンを加え、更に20分間氷中でインキュベートした。
FACS緩衝液にて3回洗浄後、FACScan(Be
cton Dickinson社製)にて解析し、いず
れの組み合わせでも交差阻害が認められた。このことよ
り、マウスモノクローナル抗体RF3及びSG2は、同
一の分子の同じエピトープ、もしくは極近傍のエピトー
プを認識しているものと考えられた。
【0065】
【実施例】
実施例1 1.cDNAライブラリーの作製 1)poly(A)+RNAの調製 慢性関節リウマチ(RA)患者由来滑膜細胞株SynS
V1−4細胞からのPoly(A)+RNAの調製は、
Fast TrackTM mRNA ISOLATIO
N KIT version 3.2(Invitro
gen社製)を用いて実施した。すなわち、10cm培
養皿20枚分のSynSV1−4細胞をホモジネート
し、キット添付の処方に従ってTotal RNAを調
製した。更に、キット付属のオリゴd(T)セルロース
を用いて、キット添付の処方に従ってpoly(A)+
RNAを精製した。
【0066】2)cDNAライブラリーの構築 上記poly(A)+RNA5μgを材料としてcDN
A合成キットTimeSaverTM cDNA Syn
thesis Kit(Pharmacia社製)を用
いてキット添付の処方に従って二本鎖cDNAを合成
し、BstXIアダプター(Invitrogen社
製)をDNA ligation kit(宝酒造社
製)を用いてキット添付の処方に従って連結した。遊離
のBstXIアダプターの除去はキット付属のSize
Sep 400 Spin Columnを用いてキ
ット添付の処方に従って行い、アダプター付加2本鎖c
DNA約100μlを得た。
【0067】作製したアダプター付加2本鎖cDNA約
100μlのうち1回のLigation反応には2μ
lを使用し、予じめ制限酵素BstXI及びアルカリフ
ォスファターゼ(宝酒造社製)処理したpEF−BOS
ベクター〔Nuc.AcidRes.,18:5322
(1990)〕とDNA ligation kit
(宝酒造社製)を用いて連結し、cDNAライブラリー
を構築した。構築したcDNAライブラリーは大腸菌細
胞株DH5(トーヨーボー社製)に形質導入され、全体
のサイズは約2×105 の独立したクローンであると推
定された。形質導入した大腸菌2000〜4000クロ
ーンからなるプールを50プール作成し以下の実験に用
いた。
【0068】2.直接発現法によるクローニング 1)293T細胞へのトランスフェクション 上記のプールした大腸菌を50μg/mlのアンピシリ
ンを含むLB培地〔Molecular Cloin
g:A Laboratory Manual,Sam
brookら,Cold Spring Harbor
Laboratory Press(1989)〕に
て培養することによりcDNAの増幅を行い、アルカリ
法〔Molecular Cloing:A Labo
ratory Manual,Sambrookら、C
old Spring Harbor Laborat
ory Press(1989)〕により大腸菌からプ
ラスミドDNAを回収した。得られたプラスミドDNA
は、塩化セシウム/臭化エチジウム密度勾配による超遠
心を2回繰り返すことにより精製度を高め、リン酸カル
シウム法により293T細胞〔293細胞(Trans
formed primary embryonal
kidney,human ATCC CRL157
3)にSV40 Large T抗原cDNAを導入し
た細胞株〕にトランスフェクションした。
【0069】すなわち、精製したプラスミドDNA2μ
gを1mM Tris−HCl,0.1mM EDTA
を含む100μlの緩衝液に溶解し、14μlの2M
CaCl2 を添加した後、50mM HEPES(pH
7.1),280mM NaCl,1.5mM Sod
ium Phosphateからなる緩衝液に徐々に混
合し、室温にて30分間インキュベートし、24穴プレ
ート中の293T細胞に添加した。293T細胞は、1
0%牛胎児血清(PCS,Bioproducts社
製)を含むDMEM(GIBCO社製)培地にて、37
℃、5%CO2 の条件下で2日間培養した。
【0070】2)FACSによる解析 形質導入した293T細胞は、0.02%のEDTAを
含むPBSにて24穴プレートより剥がし、2%FC
S、0.02%Na 3 を含むPBSからなるFACS
緩衝液にて2回細胞を洗浄した後、1次抗体として10
μg/mlのRF3及びSG2の混合物存在下で20μ
lのFACS緩衝液に懸濁し20分間氷中でインキュベ
ートした。FACS緩衝液にて2回洗浄後、2次抗体と
してFITC標識ヤギ抗マウスIg抗体(Cappel
社製)を使用し、更に15分間氷中でインキュベートし
た。ヨウ化プロピジウムPropidium Iodi
de(PI)を最終濃度1μg/mlとなるように加
え、更に5分間氷中でインキュベートした後、FACS
緩衝液にて3回洗浄後、前方散乱光にて細胞の生死を識
別した後、生細胞のみをFACScan(Becton
Dickinson社製)にて解析した。
【0071】3)cDNAライブラリーのクローニング 2000−4000クローンの大腸菌をひとつのプール
としてアルカリ法にて回収されたプラスミドDNAを前
述の方法に従って293T細胞にトランスフェクション
し、上記FACS解析によるスクリーニングを行った。
20番目のプールを発現させた293T細胞に、マウス
モノクローナル抗体RF3及びSG2により強く染色さ
れるピークを認めた。本プラスミドDNAを再び大腸菌
DH5α(GIBCO BRL社製)に形質導入し、5
0μg/mlのアンピシリンを含むLBアガープレート
に接種した。
【0072】コロニーを形成した2000個のクローン
をプレート底面に網目状に区分を入れ、接種したクロー
ンの位置がわかるようにしたアガープレートに100ク
ローン/プレートとなるように一つずつ接種し、同じも
のを2つ作製した。100個のクローンを一つのプール
として20プール作製し、50μg/mlのアンピシリ
ンを含むLB培地で大腸菌を培養した。アルカリ法にて
プラスミドDNAを回収後、293T細胞にリン酸カル
シウム法によりトランスフェクションして前述と同様に
FACS解析を行った。FACS解析の結果、陽性と認
められた一つのプールから大腸菌100クローンを一つ
ずつ単離してそれぞれのクローンを培養し、アルカリ法
にてプラスミドDNAを回収した。各プラスミドDNA
を293T細胞にリン酸カルシウム法によりトランスフ
ェクションして前述と同様にFACS解析を行い、単一
の陽性クローンを得て、63−BOSと命名した。
【0073】本クローンについて、Auto Read
sequencing kit(Pharmacia
社製)及びAuto Cycle sequencin
gkit(Pharmacia社製)を用いて、キット
添付の処方に従いシークエンス反応を行い、A.L.
E.TM DNAシークエンサー(Pharmacia社
製)にて塩基配列の決定を行った。その結果、最長のO
pen Reading Frameより318アミノ
酸残基をコードすると推定される全長1411bp(配
列表の配列番号2)の新規の遺伝子であった。
【0074】3.BALB3T3細胞による発現 新規分子をBALB3T3細胞に導入し動物細胞での発
現を検討した。すなわち、20μgの63−BOSと2
μgのネオマイシン耐性遺伝子を含むpSV2neo
〔P.J.Souethem and P.Berg,
J.Mol.Appl.Genet.,1:327(1
982)〕を1×107 細胞/mlの0.8mlのアリ
コートに加え10分間氷中でインキュベートした後、G
ene Pulser(BioLad社製)を用いて、
250V、250μFの静電容量の条件にてトランスフ
ェクションを行い、同時形質導入した。
【0075】更に10分間氷中でインキュベートした
後、細胞を2mg/mlのG418及び10%FCS
(Bioproducts社製)を含むDMEM培地
(GIBCO社製)に懸濁し、24穴プレートにて培養
した。培養液の交換は3日おきに行い、約2週間後に生
育のよいネオマイシン耐性付着細胞の単一のコロニーを
形成している穴より、前記マウスモノクローナル抗体R
F3と反応する形質転換細胞株BALB3T363S2
を得た。また、対照細胞として、RF3と反応しないが
ネオマイシン耐性である形質転換細胞株BALB3T3
63S1を得た。
【0076】4.新規分子の生物学的性質 新規分子の生物学的性質は、ストローマ細胞依存性に増
殖するマウスプレB細胞株DW34を用いて、増殖細胞
数を指標として以下に示す方法にて解析した。まず、2
4穴プレートに形質導入細胞株BALB3T363S2
及び対照細胞株BALB3T363S1をサブコンフル
エントになるまで培養し、30Gyの放射線を照射後、
1穴あたり2×103 個のDW34を添加し、10%F
CS(Bioproducts社製)を含むRPMI−
1640(GIBCO社製)培地中で、37℃、5%C
2 の条件で4日間培養した。各穴のDW34の生細胞
数をトリパンブルー染色にて算定し、増殖支持能を解析
した。その結果、図1に示すごとく、形質導入細胞株B
ALB3T363S2において、対照細胞株BALB3
T363S1と比べて、DW34の増殖が促進された。
【0077】5.新規分子の物理化学的性質 1)グリコシルフォスファチジルイノシトール(GP
I)結合型蛋白の確認 RA由来骨髄ストローマ細胞株RASV5−5あるいは
形質転換細胞株BALB3T363S2を37℃にて2
U/mlのホスファチジルイノシトール特異的ホスホリ
バーゼC(PIPLC,フナコシ社製)存在下あるいは
非存在下、1%FCSを含むPBS中にて37℃1〜2
時間インキュベートした後、前述FACS緩衝液にて2
回洗浄後、RF3存在下で20分間氷中でインキュベー
トした。FACS緩衝液にて2回洗浄後、FITC標識
ヤギ抗マウスIg抗体(Cappel社製)を含むFA
CS緩衝液で、更に20分間氷中でインキュベートし、
FACS緩衝液にて3回洗浄後FACScan(Bec
ton Dickinson社製)にて解析した。
【0078】対照実験として、1次抗体は、RASV5
−5ではCD29(VLAβ1,Immunotech
社製)、BALB3T363S2ではR25〔J.Im
munol.,148:989−995(1992)〕
を用い、2次抗体として前述と同じ抗体を使用した。そ
の結果、CD29及びR25では蛍光強度の変化が見ら
れなかったが、RF3抗体を用いたものでは蛍光強度の
低下が認められた。このことより新規分子はGPIを介
して細胞膜に結合しているものと推定される。
【0079】2)N末端の解析 DNA解析ソフトGene Worksを用いて得られ
た遺伝子の、疎水性領域と親水性領域の解析を行った
(図2)。その結果、配列表の配列番号2の1〜28番
目に示される28個のアミノ酸残基部分に疎水性領域が
認められ、29番目のアミノ酸グリシンが成熟蛋白質の
N末端であると推定された。
【0080】実施例2 1.可溶性接着因子(sBst−1)の構築 可溶性Bst−1は、272番目のアミノ酸の前に終止
コドンを有する遺伝子をPCR−変異誘発法〔M.Ka
mman等,Nucl.Acids Res.,15:
5404(1989)〕により構築した。すなわち、プ
ライマーとしてS1及びS2′(S1プライマー:AA
C CTC CAG AAG GAAAA、S2′プラ
イマー:ACC CAA GCT TTC TAG A
TCAAT AAA GAC TTG GGG CT
T)を、また鋳型DNAとしてプラスミドpBst−1
を用いPCR−変異誘発法を行った。
【0081】PCR溶液100μlは、10mM Tr
is−HCl(pH8.3)、50mM KC1、0.
25mM dNTP(dATP,dGTP,dCTP,
dTTP)、1.5mM MgCl2 、2.5ユニット
のDNAポリメラーゼAmpliTaq(Perkin
Elmer Cetus社製)、それぞれ100pm
oleのプライマー(S1及びS2′)及び0.1μg
のプラスミドDNAを含有する。これを50μlの鉱油
で覆った後、94℃の初期温度にて1.5分間加熱し、
次に94℃にて1分間、50℃にて1分間、72℃にて
1分間の順で加熱するサイクルを25回反復した後、7
2℃にて10分間インキュベートした。
【0082】PCR法により増幅した274bpのDN
A断片を1.5%の低融点アガロースゲル(FMC,B
ioproducts社製)にて精製し、制限酵素Bg
lII及びHindIII(宝酒造社製)にて消化し
た。得られたDNA断片を、同じ制限酵素BglII及
びHindIII(宝酒造社製)にて消化したpBst
−1にDNA ligation kit(宝酒造社
製)を用いてキット添付の処方に従って挿入し、制限酵
素EcoRI及びHindIIIにて消化後、1.5%
の低融点アガロースゲル(FMC,Bioproduc
ts社製)にて精製し約1.0kbのDNA断片を得
た。このDNA断片を、Klenow断片により平滑末
端とした後、制限酵素BstXIで消化後、Kleno
w断片を用いて平滑末端としたpEF−BOSにDNA
ligation kit(宝酒造社製)を用いてキ
ット添付の処方に従って挿入し、pΔ63−BOSを構
築した。
【0083】2.293T細胞による発現 上記のようにして構築した発現用プラスミドpΔ63−
BOSを大腸菌DH5αに形質導入し、得られた大腸菌
を50μg/mlのアンピシリンを含むLB培地〔Mo
lecular Cloing:A Laborato
ry Manual,Sambrookら,Cold
Spring Harbor Laboratory
Press(1989)〕にて培養することによりプラ
スミドDNAの増幅を行い、アルカリ法〔Molecu
lar Cloing:A Laboratory M
anual,Sambrookら,Cold Spri
ng Harbor Laboratory Pres
s(1989)〕により大腸菌からプラスミドDNAを
回収した。得られたプラスミドDNAは、塩化セシウム
/臭化エチジウム密度勾配による超遠心を2回繰り返す
ことにより精製度を高め、リン酸カルシウム法により2
93T細胞〔293T細胞(Transformed
primary embryonal kidney,
humanATCC CRL 1573)〕にSV40
Large T抗原cDNAを導入した細胞株〕にト
ランスフェクションした。
【0084】すなわち、精製したプラスミドDNA 1
0μgを1mM Tris−HCl、0.1mM ED
TAを含む100μlの緩衝液に溶解し、14μlの2
MCaCl2 を添加した後、50mM HEPES(p
H7.1)、280mMNa Cl、1.5mM Sod
ium Phosphateからなる緩衝液に徐々に混
合し、室温にて30分間インキュベートし、10cm培
養皿中の293T細胞に添加した。293T細胞は、1
0%牛胎児血清(FCS,Bioproducts社
製)を含むDMEM(GIBCO社製)培地にて24時
間培養した後、1%牛胎児血清を含むDMEM(GIB
CO社製)培地に交換し、37℃、5%CO2 の条件下
で培養した。
【0085】形質導入した293T細胞の培養上清は、
48時間後に回収し、マイクロコンセントレーター(C
entoprep 10,Amicon社製)を用いて
10倍に濃縮し、以下の実験に使用した。また、pEF
−BOSを同様にして293T細胞にトランスフェクシ
ョンして、その培養上清をコントロールとして用いた。
【0086】3.sBst−1によるプレB細胞DW3
4の増殖阻害 sBst−1の生物学的性質は、ストローマ細胞依存性
に増殖するマウスプレB細胞株DW34を用いて、増殖
細胞数を指標として以下に示す方法にて解析した。ま
ず、24穴プレートにプレB細胞株の増殖支持能を有す
るRA患者由来骨髄ストローマ細胞株RASV5−5及
び滑膜細胞株SynSV6−14を1穴あたり1×10
5 個培養し、24時間後に30Gyの放射線を照射し
た。プレB細胞株DW34を1穴あたり2×103 個添
加し、10%FCS(Bioproducts社製)を
含むRPMI−1640(GIBCO社製)の培地中で
37℃、5%CO2 の条件で4日間培養した。sBst
−1を含む293T細胞の濃縮培養上清は、表1に示す
濃度で添加した。各穴のDW34の生細胞数は、トリパ
ンブルー染色にて算定し、増殖支持能を解析した。その
結果、表1に示すごとく、sBst−1を含む293T
細胞の培養上清にて濃度依存的にDW34の増殖が抑制
された。
【0087】
【表1】 細胞株 RASV5−5 SynSV6−14 sBst-1を含む 293T細胞(10倍 濃縮培養上清) sBst-1添加 コントロール sBst-1添加 コントロール % V/V 0 10.2±1.4 6.9±0.1 0.2 10.7±1.6 10.4±0.8 6.2±0.2 7.2±0.8 0.4 10.5±1.6 11.1±1.0 6.4±0.9 6.4±0.4 0.8 9.0±2.2 12.1±1.3 3.6±0.2 8.7±0.3 1.6 9.6±0.2 11.6±1.6 3.4±0.7 6.6±1.4 3.2 7.3±0.8 11.2±0.7 1.7±0.3 4.3±0.3 1穴あたりのDW34細胞数 (RASV5−5:×10-4, SynSV6−14:×
10-5)±S.E.
【0088】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、プレB
細胞増殖支持能を有するポリペプチドをコードする遺伝
子、該遺伝子を含有するベクター、該ベクターによる形
質転換体、及び該遺伝子を用いたプレB細胞増殖支持能
を有する接着因子の製造方法に関するものであり、本発
明の遺伝子は、慢性関節リウマチ(RA)患者や多発性
骨髄腫(MM)患者の骨髄細胞や滑膜細胞上のプレB細
胞増殖支持能を亢進する新規接着因子をコードする。
【0089】本発明の遺伝子を適当なベクターに挿入し
た後、常用の宿主細胞を形質転換することにより、大量
に均一なプレB細胞増殖支持能を有する接着因子を製造
することが可能であり、このことから、本発明により多
発性骨髄腫(MM)及び慢性関節リウマチ(RA)の同
定及びこれらの臨床上の診断用試薬の作成が可能であ
る。
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:318 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Ala Ala Gln Gly Cys Ala Ala Ser Arg Leu Leu Gln Leu Leu Leu -25 -20 -15 Gln Leu Leu Leu Leu Leu Leu Leu Leu Ala Ala Gly Gly Ala Arg Ala -10 -5 1 Arg Trp Arg Ala Glu Gly Thr Ser Ala His Leu Arg Asp Ile Phe Leu 5 10 15 20 Gly Arg Cys Ala Glu Tyr Arg Ala Leu Leu Ser Pro Glu Gln Arg Asn 25 30 35 Lys Asn Cys Thr Ala Ile Trp Glu Ala Phe Lys Val Ala Leu Asp Lys 40 45 50 Asp Pro Cys Ser Val Leu Pro Ser Asp Tyr Asp Leu Phe Ile Asn Leu 55 60 65 Ser Arg His Ser Ile Pro Arg Asp Lys Ser Leu Phe Trp Glu Asn Ser 70 75 80 His Leu Leu Val Asn Ser Phe Ala Asp Asn Thr Arg Arg Phe Met Pro 85 90 95 100 Leu Ser Asp Val Leu Tyr Gly Arg Val Ala Asp Phe Leu Ser Trp Cys 105 110 115 Arg Gln Lys Asn Asp Ser Gly Leu Asp Tyr Gln Ser Cys Pro Thr Ser 120 125 130 Glu Asp Cys Glu Asn Asn Pro Val Asp Ser Phe Trp Lys Arg Ala Ser 135 140 145 Ile Gln Tyr Ser Lys Asp Ser Ser Gly Val Ile His Val Met Leu Asn 150 155 160 Gly Ser Glu Pro Thr Gly Ala Tyr Pro Ile Lys Gly Phe Phe Ala Asp 165 170 175 180 Tyr Glu Ile Pro Asn Leu Gln Lys Glu Lys Ile Thr Arg Ile Glu Ile 185 190 195 Trp Val Met His Glu Ile Gly Gly Pro Asn Val Glu Ser Cys Gly Glu 200 205 210 Gly Ser Met Lys Val Leu Glu Lys Arg Leu Lys Asp Met Gly Phe Gln 215 220 225 Tyr Ser Cys Ile Asn Asp Tyr Arg Pro Val Lys Leu Leu Gln Cys Val 230 235 240 Asp His Ser Thr His Pro Asp Cys Ala Leu Lys Ser Ala Ala Ala Ala 245 250 255 260 Thr Gln Arg Lys Ala Pro Ser Leu Tyr Thr Glu Gln Arg Ala Gly Leu 265 270 275 Ile Ile Pro Leu Phe Leu Val Leu Ala Ser Arg Thr Gln Leu 280 285 290 配列番号:2 配列の長さ:1411 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列の特徴 特徴を表す記号:sig peptide 存在位置:1..84 特徴を決定した方法:E 配列 CGGGAAACGG CAAACAGCGA GATATCCGAG CGAGAGTCCC GCCCTGCATC AGTTTGCGGA 60 ACCGCCTTGG TAGAAGGAGA GAAGGGGAGT GGAGGAAGCA CGGGACTGGA GGGACCAAAG 120 TTCCCCG ATG GCG GCC CAG GGG TGC GCG GCA TCG CGG CTG CTC CAG CTG 169 CTG CTG CAG CTT CTG CTT CTA CTG TTG CTG CTG GCG GCG GGC GGG GCG 217 CGC GCG CGG TGG CGC GCG GAG GGC ACC AGC GCA CAC TTG CGG GAC ATC 265 TTC CTG GGC CGC TGC GCC GAG TAC CGC GCA CTG CTG AGT CCC GAG CAG 313 CGG AAC AAG AAC TGC ACA GCC ATC TGG GAA GCC TTT AAA GTG GCG CTG 361 GAC AAG GAT CCC TGC TCC GTG CTG CCC TCA GAC TAT GAC CTT TTT ATT 409 AAC TTG TCC AGG CAC TCT ATT CCC AGA GAT AAG TCC CTG TTC TGG GAA 457 AAT AGC CAC CTC CTT GTT AAC AGC TTT GCA GAC AAC ACC CGT CGT TTT 505 ATG CCC CTG AGC GAT GTT CTG TAT GGC AGG GTT GCA GAT TTC TTG AGC 553 TGG TGT CGA CAG AAA AAT GAC TCT GGA CTC GAT TAC CAA TCC TGC CCT 601 ACA TCA GAA GAC TGT GAA AAT AAT CCT GTG GAT TCC TTT TGG AAA AGG 649 GCA TCC ATC CAG TAT TCC AAG GAT AGT TCT GGG GTG ATC CAC GTC ATG 697 CTG AAT GGT TCA GAG CCA ACA GGA GCC TAT CCC ATC AAA GGT TTT TTT 745 GCA GAT TAT GAA ATT CCA AAC CTC CAG AAG GAA AAA ATT ACA CGA ATC 793 GAG ATC TGG GTT ATG CAT GAA ATT GGG GGA CCC AAT GTG GAA TCC TGC 841 GGG GAA GGC AGC ATG AAA GTC CTG GAA AAG AGG CTG AAG GAC ATG GGG 889 TTC CAG TAC AGC TGT ATT AAT GAT TAC CGA CCA GTG AAG CTC TTA CAG 937 TGC GTG GAC CAC AGC ACC CAT CCT GAC TGT GCC TTA AAG TCG GCA GCA 985 GCC GCT ACT CAA AGA AAA GCC CCA AGT CTT TAT ACA GAA CAA AGG GCG 1033 GGT CTT ATC ATT CCC CTC TTT CTG GTG CTG GCT TCC CGG ACT CAA CTG 1081 TAACTGGAAA CTGTGTTGCT CTAACCCTCC TCCAGCCCTG CAGCCTCCCC TTGCAGTCAT 1141 CATTCGTGTT CTGTGTATAC CAAATGATTC TGTTATCTAA AGAAGCTTTT TGCTGGGAAA 1201 ACGATGTCCT GAAAATGGTA TTTCAATGAG GCATATGTTC AGGATTTCAG AAACAAGAAG 1261 TTAGTTCTAT TTAGCAGGTT AAAAAATGCT GCATTAGAAT TAAAGCAAGT TATTTTCTTA 1321 TTTGTATAAT GACACAAAGC ATTGGGAGTC AGACTGCTTG TATATTATCA AACATTTTAA 1381 GAGAATTCTA ATAAAGCTGT ATTTTACATC 1411
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で得られた新規接着因子のマウ
スプレB細胞株DW34の増殖能を示す。
【図2】本発明の実施例で得られた遺伝子の疎水性領域
と親水性領域を解析した結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−268971(JP,A) Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,1989,Vol.86,p. 302−306 Cancer Res,1988,Vo l.48,No.22,p.6436−6443 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/12 - 15/28 C07K 14/435 - 14/79 BIOSIS/WPI(DIALOG) PobMed SwissProt/PIR/GeneS eq GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列
    又はそのアミノ酸配列を一部置換、欠除もしくは付加し
    たアミノ酸配列を有し、かつプレB細胞増殖支持能を有
    するポリペプチドをコードするDNA。
  2. 【請求項2】 ポリペプチドが、配列表の配列番号1に
    示すアミノ酸配列の1から290番目の配列を有するポ
    リペプチドである、請求項1記載のDNA。
  3. 【請求項3】 ポリペプチドが、配列表の配列番号
    示すアミノ酸配列の1から269番目の配列を有するポ
    リペプチドである、請求項1記載のDNA。
  4. 【請求項4】 ポリペプチドが、配列表の配列番号1に
    示すアミノ酸配列の−28から269番目の配列を有す
    るポリペプチドである、請求項1記載のDNA。
  5. 【請求項5】 ポリペプチドが、配列表の配列番号1に
    示すアミノ酸配列の−28から290番目の配列を有す
    るポリペプチドである、請求項1記載のDNA。
  6. 【請求項6】 ポリペプチドが、配列表の配列番号1に
    示すアミノ酸配列の1から269番目の配列との融合蛋
    白質である、請求項1記載のDNA。
  7. 【請求項7】 請求項1〜のいずれか1項に記載のD
    NAを含有する組換えベクター。
  8. 【請求項8】 請求項に記載の組換えベクターにより
    形質転換された原核又は真核宿主細胞。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の宿主細胞を培養し、産
    生したポリペプチドを分離することを特徴とするプレB
    細胞増殖支持能を有するポリペプチドの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の方法で製造したこと
    を特徴とする、配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列
    又はそのアミノ酸配列を一部置換、欠除もしくは付加し
    たアミノ酸配列を有し、かつプレB細胞増殖支持能を有
    するポリペプチド。
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