JP3363243B2 - めっき工程の蒸気回収装置 - Google Patents

めっき工程の蒸気回収装置

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JP3363243B2
JP3363243B2 JP07272594A JP7272594A JP3363243B2 JP 3363243 B2 JP3363243 B2 JP 3363243B2 JP 07272594 A JP07272594 A JP 07272594A JP 7272594 A JP7272594 A JP 7272594A JP 3363243 B2 JP3363243 B2 JP 3363243B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蒸気回収装置に関し、特
にめっき工程に供する温液体を収容する容器に装着し、
この容器から放出される蒸気を回収するめっき工程の蒸
気回収装置に係る。
【0002】
【従来の技術】一般的に、金属にめっき処理を施すめっ
き工程においては、所定の温度に加熱されためっき液等
の温液体が多量に用いられ、これらの温液体は上方に開
口部を有する容器に収容されている。このようなめっき
工程に供する温液体には種々の成分が混入しているた
め、温液体の蒸気が大気中に放出されないように対策を
講ずる必要がある。
【0003】このため、めっき工程には従来より蒸気回
収装置が配設されている。例えば図11に示すように、
めっき液等の温液体HFが収容された容器100の上方
に、容器100の表面を覆うように吸引フード200が
設けられている。あるいは、図12に示すように、容器
100の上部側方に吸引ダクト300が設けられた蒸気
回収装置も知られている。尚、図11,12において容
器100の側方に形成されている開口101はオーバー
フロー回収用の開口であり、これにより温液体HFの液
面が一定に維持されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、図11の蒸
気回収装置においては、吸引フード200が容器100
の真上に設けられているので、周囲の気流等の影響をう
け、蒸気が破線矢印で示すように放出される。このた
め、大型であるのに拘らず吸引フード200に十分捕集
されず一部が大気に放出され、作業環境に影響を及ぼす
というだけでなく、容器100の近傍に配置される電
極、搬送チェーン等の金属部品の腐食が進むという問題
も生ずる。また、蒸発によるめっき液の減少に伴い、水
及び薬品を補充する必要があり、その都度液の濃度調整
を行なわなければならず、作業性の点でも問題である。
【0005】図12の装置においても、吸引ダクト30
0の反対側から蒸気の一部が放出され、同様の問題が生
ずる。特に、湯洗工程で用いられる高温の温液体は多量
の蒸気を発生し、しかもその流速が大であるので、全て
の蒸気を吸引ダクト300に吸引することが困難となっ
ている。しかも、吸引ダクト300が縦横に配設されて
いるので、作業者に圧迫感を与え作業環境を損なうこと
になる。更に、吸引ダクト300内には高温多湿の蒸気
が吸引されるので、吸引ダクト300の内壁で結露し、
吸引物質が堆積するという問題があり、これによる吸引
ダクト300のつまりを防止すべく、定期的な清掃(例
えば3月に1回)及び交換(例えば2年に1回)が行な
われている。
【0006】そこで、本発明は、めっき工程において温
液体の容器から放出される蒸気を確実に回収し、良好な
作業環境を確保し得る蒸気回収装置を提供することを目
的とする。
【0007】また、本発明の別の目的は、小型の蒸気回
収装置を構成し、めっき工程における高温の温液体を収
容した容器から放出される蒸気も確実に回収し得るよう
にすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に係る発明として、めっき工程に供する温
液体の容器に装着し、該容器から放出される蒸気を回収
するめっき工程の蒸気回収装置において、前記容器にオ
ーバーフロー回収用の開口を設け、前記容器の蒸気圧発
生境界層内で、前記オーバーフロー回収用の開口の上方
に前記温液体の液面から所定距離隔てて、前記開口を覆
うように冷却器を配置することとしたものである。
【0009】請求項2に挙げたように、前記請求項1に
係る発明において、前記冷却器と前記温液体の液面との
間隙方向に空気を吐出する空気吐出装置を備えることと
してもよい。
【0010】また、請求項3に係る発明として、めっき
工程に供する温液体の容器に装着し、該容器から放出さ
れる蒸気を回収するめっき工程の蒸気回収装置におい
て、前記容器の蒸気圧発生境界層内で前記温液体の液面
から上方に所定距離隔てて配置する冷却器と、該冷却器
と前記温液体の液面との間隙方向に空気を吐出する空気
吐出装置を備えることとしてもよい。
【0011】請求項4に挙げたように、前記請求項1乃
至3に係る発明において、前記冷却器と前記温液体の液
面との間隙に連通する流路を設け、該流路を介して空気
を吸引する吸引装置を備えることとしてもよい。
【0012】請求項5に挙げたように、前記請求項1乃
至4に係る発明において、更に、前記冷却器を所定範囲
に亘って覆うように前記冷却器の上方に遮蔽部材を配置
することとしてもよい。
【0013】
【作用】請求項1に係る発明においては、温液体を収容
する容器の蒸気圧発生境界層内で、温液体の液面から所
定距離隔てた位置に、オーバーフロー回収用の開口を覆
うように冷却器が配置されている。この冷却器に、温液
体の液面から放出される蒸気が接触すると、冷却されて
液化し、液滴となって容器内に落下する。この場合にお
いて、特にオーバーフローとなる温液体の前記開口への
流出(落下)時に多量の蒸気が発生するので、前記開口
の上方は蒸気の濃度が高くなっている。しかも、冷却器
における蒸気が液化する際の気体の体積減少によって、
容器内の温液体の液面から放出される蒸気に、冷却器下
部方向へ向かう流れが生ずる。このようにして冷却器下
部に集められた蒸気が、冷却器に接触して順次液化さ
れ、容器内の温液体に戻されることとなる。即ち、蒸気
の容器外への流出が阻止され、容器内で再循環が行なわ
れる。従って、温液体の補充頻度が従来に比し大幅に低
減される。
【0014】請求項2に係る空気吐出装置から、冷却器
と温液体の液面との間隙方向に空気が吐出されると、液
化時の気体の体積減少に伴う蒸気の流れに加え強制的な
流れが形成され、これらの流れによって容器内の液面か
ら放出される蒸気が冷却器の下部に集められる。また、
吐出空気により温液体の表層部の温度が低下するので、
蒸気の発生が抑制されると共に、蒸気による冷却器の昇
温が防止される。而して、高温の温液体から多量の蒸気
が放出される場合でも、冷却器による蒸気の液化が確実
に行なわれる。
【0015】請求項3に係る発明においては、冷却器に
おける蒸気が液化する際の気体の体積減少によって、容
器内の温液体の液面から放出される蒸気に、冷却器下部
方向への流れが生じ、蒸気は冷却器下部に集められる。
しかも、空気吐出装置から、冷却器と温液体の液面との
間隙方向に空気が吐出されると、液化時の気体の体積減
少に伴う蒸気の流れに加え強制的な流れが形成され、こ
れらの流れによって容器内の液面から放出される蒸気が
冷却器の下部に集められ、順次液化されて容器内の温液
体に回収される。また、吐出空気により温液体の表層部
の温度が低下するので、蒸気の発生が抑制されると共
に、蒸気による冷却器の昇温が防止される。
【0016】請求項4に係る発明においては、吸引装置
によって、冷却器と温液体の液面との間隙、即ち冷却器
下部の余剰空気が吸引されるので、蒸気の液化に対し適
切な流れが形成される。
【0017】更に、請求項5に係る発明においては、冷
却器から外れて放出される蒸気が遮蔽部材によって遮ら
れ、空気の流れに従って再度冷却器下部に戻され、ある
いはここで冷却されて液化し、液滴となって容器内に落
下する。而して、温液体の温度が高く蒸気の上昇速度が
大であるような場合に上記遮蔽部材が付設される。
【0018】
【実施例】以下、本発明の蒸気回収装置の実施例を図面
を参照して説明する。図1及び図2は本発明の第1実施
例に係り、金属部品にニッケルめっきを行なう装置を示
すもので、本発明の容器たる略直方体の槽1内には温液
体HFa(本実施例では、めっき液)が収容され、60
°C±5°Cの温度に制御されている。また、槽1内の
温液体HFaを一定の液面高さに規制するため、槽壁1
aの高さが液面高さに設定されており、槽壁1aがオー
バーフロー堰として機能するように構成されている。そ
して、槽壁1aの外側に設けられた槽壁1bとの間に、
オーバーフロー回収用の開口1cを有する樋状のオーバ
ーフロー収容部1d(以下、単に収容部1dという)が
形成されている。而して、オーバーフローした温液体H
Faは、収容部1dの底面に連結されたパイプ1eを介
して別の槽(図示せず)に貯留され、必要に応じポンプ
(図示せず)によって槽1内に還流されるように構成さ
れている。
【0019】オーバーフロー回収用の開口1cの上方に
は、これを覆うように冷却器2が配設されている。本実
施例の冷却器2は断面矩形の管体に、冷却媒体として水
が連続的に供給されるものである。例えば、冷却器2は
50×200×750(mm)の箱形とされ、図1に示
すように入口管2aから、例えば25°Cの水が毎分
0.5リットル供給され出口管2bから排水されるよう
に構成される。而して、常時冷水が循環し冷却器2の表
面が冷却されている。この冷却器2は、温液体HFaの
液面上の蒸気圧発生境界層(蒸気圧勾配が存在する範囲
で、図2にhで示す層)内の所定位置に設置される。本
実施例の実験結果によればhは約150mmとすること
が望ましい。
【0020】尚、本実施例におけるその他の諸元は、例
えば、槽壁1aの長さが750mm、対向する槽壁1f
までの長さが700mmに設定されている。また、冷却
器2と液面(即ち、槽壁1aの上端)との間隙は上記蒸
気圧発生境界層h内の50mm乃至150mmの範囲で
適宜設定されるが、本実施例では冷却器2と液面との間
隙は150mmに設定されている。液面から槽壁1fの
上端までの高さは、冷却器2と液面との間隙と同等もし
くはそれ以上が望ましい。更に望ましくは、本実施例の
ように冷却器2と液面との間隙が150mmに設定され
る場合には、液面から槽壁1fの上端までの高さは20
0mm以上に設定するとよい。
【0021】上記の構成になる第1実施例においては、
槽1内に供給される温液体HFaがオーバーフローし槽
壁1aを乗り越えると、収容部1d内に落下し底部から
蒸気が発生する(図中、蒸気の流れを破線で示す)。こ
のとき、槽1内の温液体表面からも蒸気が発生している
が、収容部1dにおける蒸気の発生量は格段に多い。
尚、本実施例の60°C前後の温液体HFaにおいて
は、蒸気の上昇速度は0.1乃至0.3m/sec である。
【0022】収容部1dで発生した蒸気が上昇し冷却器
2の下面に接触すると、冷却されて液化し、液滴となっ
て収容部1d内に落下する。一方、槽1内の液面から放
出される蒸気は、冷却器2の下部における液化時の気体
の体積減少に伴い液面を這うように冷却器2の方向に向
かい、冷却器2に接触し液化する。尚、このときの流速
は1乃至2m/sec という実験結果が得られた。このよう
に、冷却器2における蒸気が液化する際の気体の体積減
少によって、蒸気の流れが生じ、この流れによって蒸気
が冷却器2の下部に集められる。即ち、蒸気が槽1の外
に放出されることなく槽1内の温液体HFaに戻され、
槽内再循環が行なわれることになる。これにより、従前
の吸引ダクト等を用いることなく、蒸気の槽1外への放
出を防止できるだけでなく、液体として槽1内に回収す
ることができる。尚、冷却器2内の冷却媒体の温度は低
い方が効果大であり、25°C以下の冷水を用いること
が望ましい。
【0023】図3は本発明の第2実施例を示すもので、
槽壁1aを設けることなく冷却器2を槽壁1bに装着す
ると共に、冷却器2と液面との間隙方向に空気を吐出す
る空気吐出装置のエアノズル3を槽壁1f側の液面から
50mmの位置に配設したものである。このエアノズル
3は、図1に二点鎖線で示すように管体の軸方向にスリ
ット状の吐出口が形成され、図3に示す断面形状を有す
るもので、空気の層流が図3に実線矢印で示した領域に
吐出される。即ち、吐出領域の上端がエアノズル3から
冷却器2の下部を指向し、下端が温液体HFaの液面を
指向するように設定されている。而して、冷却器2から
離隔した槽壁1f近傍では、エアノズル3からの吐出空
気が所謂エアカーテンとして機能し槽1外への蒸気の放
出が阻止され、槽1の中央部の蒸気は冷却器2の下部に
導かれる。
【0024】エアノズル3からの吐出空気の温度は大気
温度以下が望ましく、10°C前後が最適である。この
ように低温の空気が温液体の表面に吐出されると、空気
によって液面が冷却されるので蒸気の発生量を低減する
ことができる。吐出空気の流速は槽1の大きさ、温液体
の温度等種々の条件によって異なるが、流速が大き過ぎ
ると前述の冷却器2による液化作用の妨げとなるだけで
はなく、吐出空気によって蒸気が大気中に放出されるこ
とにもなりかねないので、前述の槽内再循環を確保し得
る範囲で流速を設定する必要がある。また、冷却器2の
下部に吐出された空気の流出口(図示せず)を設けるこ
とが望ましいが、空気と共に蒸気が大気中に放出される
おそれがあるので、別途液化回収装置(図示せず)を付
設するか、後述の図7に示すように積極的に吸引装置を
設けるとよい。
【0025】図4は本発明の第3実施例を示すもので、
第1実施例の槽1がめっき槽として用いられているのに
対し、本実施例ではめっき工程の中の湯洗工程に供され
る。また、本実施例においては、第1実施例の構成に加
え、第2実施例と同様にエアノズル3が配設されてお
り、冷却器2と液面との間隙方向に空気が吐出されるよ
うに構成されている。このように、上記第1実施例と第
2実施例の両機能を具備している。本実施例では、温液
体HFbの温度、即ち湯温は90°C±5°Cに制御さ
れており、高温であるので蒸気の上昇速度も0.5乃至
1m/sec と速くなっている。このため、冷却器2の機能
による気体(蒸気)の体積の減少に伴う蒸気の流れだけ
では冷却器2の下部に導くことが困難であるので、空気
吐出装置(図4のエアノズル3等)を組み合せることと
したものである。而して、本実施例においてエアノズル
3から2乃至4m/sec の流速で空気を吐出すれば、液面
から槽1外に放出される蒸気は皆無となることが確認さ
れた。
【0026】図5は本発明の第4実施例に係り、図4の
第3実施例の構成に加え、冷却器2の上部に、これを覆
うように遮蔽板4が配設されている。この遮蔽板4によ
ってエアノズル3から上方への空気流及び冷却器2から
外れて放出される蒸気が遮られ、冷却器2と液面との間
隙に集められる空気量が増大し蒸気の液化が促進され
る。しかも、遮蔽板4は金属板等の熱伝達が良好な材料
で形成されており、冷却器2に熱が伝達されるので、遮
蔽板4でも蒸気が液化される。従って、蒸気回収率が一
層向上する。
【0027】図6及び図7は本発明の第5及び第6実施
例に係り、図4の第3実施例の収容部1dに替えて、槽
1内に液面規制用のパイプ5が配設されている。即ち、
槽1内の冷却器2の下方で開口端5aが冷却器2に対向
するように配置され、この開口端5aを越える温液体H
Fbはパイプ5を介して槽1の外部(例えば貯留槽)に
排出されるように構成されている。このように、パイプ
5は第3実施例の収容部1dと同様に機能するので、槽
1内の任意の位置に配置することができ、装置を一層小
型に形成することができる。但、パイプ5は収容部1d
と異なり開口面積が小さく、開口端5a近傍での蒸気の
液化は第3実施例ほど活発ではないので、温液体の温度
等の条件によってはエアノズル3等の別の補助手段が必
要となる。
【0028】図7の第6実施例は、第5実施例に対し、
更に吸引機能が付加されたものである。即ち、冷却器2
と液面との間隙に供給された空気がポンプ6によって吸
引口6aから吸引されるように構成されているので、エ
アノズル3から吐出され上記間隙に至る安定した空気の
流れが確保される。このため、槽1内の温液体HFbの
温度が高く蒸気の上昇速度が速い場合にも適切に対応す
ることができる。本実施例の吸引機能は冷却器2に対す
る補助的な機能であるので、従来の吸引フードもしくは
吸引ダクト用のファンといった強力且つ大型の吸引装置
ではなく、小型で吸引能力も小さい装置で十分である。
従って、ポンプ6は、エアノズル3から吐出すべき空気
に応じた吸引能力を有する小型で小出力のものでよい。
【0029】而して、図7の第6実施例は湯洗工程に好
適であり、湯温が90°C±5°Cという高温に設定さ
れていても、例えば冷却器2の下方での流速が2m/sec
の場合には、蒸気の吹き上がりは皆無で、冷却器2方向
への安定した流れが形成されることが確認された。尚、
本実施例のポンプ6は空気を吸引すると共にエアノズル
3から空気を吐出することができるので、吸引口6aに
連通する吸引側に切替弁6bを配設することにより、適
宜図6の第5実施例を構成することができる。また、こ
の吸引機能は前述の図3、図4及び図5の実施例に適用
してもよく、吸引口6aは側方でなく上方に開口するよ
うにしてもよい。更に、図8に示すように、エアノズル
3を設けることなく吸引口6a(及びポンプ6)のみを
設けることとしてもよい。
【0030】図8は本発明の第7実施例を示すもので、
ポンプ6が設けられ、吸引口6aが冷却器2の側方に開
口しており、冷却器2の下部の余剰空気が吸引されるの
で、蒸気の液化に対し適切な流れが形成される。また、
本実施例の冷却器2の下部及び側部にはフィン2fが設
けられているので、冷却効果が大である。而して、冷却
器2による蒸気の液化に伴う体積変化と、ポンプ6の吸
引作用によって、確実に蒸気が冷却器2の下部に集めら
れる。尚、槽1内に収容する温液体が然程高温でなく、
第1実施例と同様の60°C前後の温液体HFaであれ
ば、吸引口6a(及びポンプ6)を設ける必要はない。
また、フィン2fは冷却効果を増大させる機能を有して
いるので、必要に応じ適宜他の実施例に組み入れること
とすればよい。この場合、フィン2fを複数枚とし表面
積を大とすれば、冷却効果が一層増大する。
【0031】図9は本発明の第8実施例を示し、オーバ
ーフロー開口部が槽1の中央部に設けられたもので、堰
を構成する槽壁1x,1yが平行に配置され、両者間の
間隙がオーバーフロー収容部を構成している。尚、槽1
の底部側面に排出口1zが形成されている。更に、冷却
器2が槽壁1x,1yの上方に配置され、その上部に高
伝熱材料の遮蔽板4が設けられている。而して、本実施
例においては、中央部で二槽に分割された槽1に対して
も蒸気は中央部の冷却器2と液面との間隙に集められ、
冷却器2に接触して液化する。特に、冷却器2はオーバ
ーフロー開口部槽壁1x,1y)の上方に位置している
ので、多量の蒸気が液化され、液化時の気体の体積減少
によって蒸気の流れが生じ、この流れによって槽1の周
縁部の蒸気が中央部の冷却器2の下部に集められる。
【0032】図10は本発明の第9実施例を示すもの
で、図1乃至図8の実施例を綜合したものである。本実
施例においては冷却器2は断面が縦長の長方形で槽壁1
aの外側の収容部1d内に配設されている。また、冷却
器2の長手方向(鉛直方向)に沿って、槽壁1a側に延
出するフィン2fが形成されている。更に、遮蔽板4が
冷却器2の上部から槽壁1f方向に延出形成されてい
る。而して、本実施例によれば、冷却器2及びフィン2
f近傍での、蒸気の液化による体積減少に伴う蒸気の流
れに加え、エアノズル3からの吐出空気によって蒸気が
収容部1d方向に集められ、また、遮蔽板4によって蒸
気の槽1外への放出が阻止され、しかもポンプ6の作用
によって収容部1d内の空気が吸引されるので、蒸気は
確実に冷却器2及びフィン2fに接触して液化する。
【0033】以上のように何れの実施例においても、温
液体HFa,HFbから放出される蒸気は冷却器2で液
化されて回収されるので、槽1外の大気中に放出される
量は実質的に零、もしくは大幅に低減される。これによ
り、めっき工程の作業環境が改善され、例えば梅雨時の
室温が従来の36°Cから32°Cに低下すると共に、
湿度が90%から75%に低下し、めっき工程特有の刺
激臭は殆ど無くなることが確認された。また、めっき液
等が確実に回収されるので、省資源化に寄与し、蒸気に
よる電気的故障、錆による劣化等が防止される。しか
も、吸引ダクト、吸引フード用の大型の吸引装置が不要
となるので省エネルギー化が可能となる。当然乍ら、従
来の吸引ダクト、吸引フードが不要となるので、定期的
な清掃及び交換が不要となる。
【0034】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で、以下に記載する効果を奏する。即ち、請求項1に係
る発明においては、温液体を収容する容器の蒸気圧発生
境界層内で、温液体の液面から所定距離隔てた位置に、
オーバーフロー回収用の開口を覆うように冷却器が配置
されているので、温液体の液面から放出される蒸気が接
触すると、冷却されて液化し、液滴となって容器内に落
下する。しかも、容器内の温液体の液面から放出される
蒸気に対し、冷却器下部方向への流れが生ずるので、冷
却器下部に集められた蒸気が順次液化され、容器内の温
液体に戻され、容器内で再循環が行なわれる。而して、
大型の吸引装置等を必要とすることなく、温液体の蒸気
を確実に回収することができ、良好な作業環境を確保す
ることができる。しかも、温液体の補充頻度は極めて少
なくできるので、良好な作業性が得られる。
【0035】請求項2に係る発明においては、空気吐出
装置によって強制的な流れが形成され、容器内の液面か
ら放出される蒸気が冷却器の下部に確実に集められるの
で、小型に構成することができ、高温の温液体から多量
の蒸気が放出される場合でも確実に冷却器による蒸気の
液化を行なうことができる。しかも、温液体の表層部の
温度低下により蒸気の発生を抑制することができ、更に
は冷却器の昇温を防止することができる。
【0036】請求項3に係る発明においては、冷却器に
おける蒸気が液化する際の気体の体積減少によって、容
器内の温液体の液面から放出される蒸気に対し、冷却器
方向への流れが生じ、蒸気が冷却器下部に集められると
共に、空気吐出装置によって強制的な流れが形成される
ように構成されており、これらの流れによって容器内の
液面から放出される蒸気が冷却器の下部に集められ、順
次液化されて容器内の温液体に戻されるので、温液体の
蒸気を確実に回収することができ、良好な作業環境を確
保することができると共に、温液体の補充頻度を少なく
し良好な作業性を得ることができる。しかも、温液体の
表層部の温度低下により蒸気の発生を抑制することがで
き、更には冷却器の昇温を防止することができる。
【0037】請求項4に係る発明においては、冷却器と
温液体の液面との間隙に連通する流路に吸引装置が設け
られているので、冷却器下部の余剰空気が吸引され、蒸
気の液化に対し適切な流れを形成することができ、高温
の温液体から多量の蒸気が放出される場合でも、確実に
冷却器による蒸気の液化を行なうことができる。
【0038】更に、請求項5に係る発明においては、冷
却器から外れて放出される蒸気も、遮蔽部材によって遮
られ、容器内に回収されるように構成されているので、
温液体の温度が高く蒸気の上昇速度が大であるような場
合に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る蒸気回収装置の斜視
図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る蒸気回収装置の断面
図である。
【図3】本発明の第2実施例に係る蒸気回収装置の断面
図である。
【図4】本発明の第3実施例に係る蒸気回収装置の断面
図である。
【図5】本発明の第4実施例に係る蒸気回収装置の断面
図である。
【図6】本発明の第5実施例に係る蒸気回収装置の断面
図である。
【図7】本発明の第6実施例に係る蒸気回収装置の断面
図である。
【図8】本発明の第7実施例に係る蒸気回収装置の断面
図である。
【図9】本発明の第8実施例に係る蒸気回収装置の断面
図である。
【図10】本発明の第9実施例に係る蒸気回収装置の断
面図である。
【図11】従来の吸引フードを用いた蒸気回収装置の断
面図である。
【図12】従来の吸引ダクトを用いた蒸気回収装置の断
面図である。
【符号の説明】
1 槽(容器) 1a,1b,1f 槽壁 1c オーバーフロー開口部 1d オーバーフロー収容部 2 冷却器 2f フィン 3 エアノズル(空気吐出装置) 4 遮蔽板(遮蔽部材) 5 パイプ 6 ポンプ 6a 吸引口(吸引装置) HF,HFa,HFb 温液体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 治義 愛知県豊田市緑ケ丘3丁目65番地 大豊 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−339799(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 21/04 B01D 5/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき工程に供する温液体の容器に装着
    し、該容器から放出される蒸気を回収するめっき工程の
    蒸気回収装置において、前記容器にオーバーフロー回収
    用の開口を設け、前記容器の蒸気圧発生境界層内で、前
    記オーバーフロー回収用の開口の上方に前記温液体の液
    面から所定距離隔てて、前記開口を覆うように冷却器を
    配置したことを特徴とするめっき工程の蒸気回収装置。
  2. 【請求項2】 前記冷却器と前記温液体の液面との間隙
    方向に空気を吐出する空気吐出装置を備えたことを特徴
    とする請求項1記載のめっき工程の蒸気回収装置。
  3. 【請求項3】 めっき工程に供する温液体の容器に装着
    し、該容器から放出される蒸気を回収するめっき工程の
    蒸気回収装置において、前記容器の蒸気圧発生境界層内
    で前記温液体の液面から上方に所定距離隔てて配置する
    冷却器と、該冷却器と前記温液体の液面との間隙方向に
    空気を吐出する空気吐出装置を備えたことを特徴とする
    めっき工程の蒸気回収装置。
  4. 【請求項4】 前記冷却器と前記温液体の液面との間隙
    に連通する流路を設け、該流路を介して空気を吸引する
    吸引装置を備えたことを特徴とする請求項1、2又は3
    記載のめっき工程の蒸気回収装置。
  5. 【請求項5】 前記冷却器を所定範囲に亘って覆うよう
    に前記冷却器の上方に遮蔽部材を配置したことを特徴と
    する請求項1、2、3又は4記載のめっき工程の蒸気回
    収装置。
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