JP3361716B2 - 釣竿用糸通し具 - Google Patents

釣竿用糸通し具

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JP3361716B2 JP08749997A JP8749997A JP3361716B2 JP 3361716 B2 JP3361716 B2 JP 3361716B2 JP 08749997 A JP08749997 A JP 08749997A JP 8749997 A JP8749997 A JP 8749997A JP 3361716 B2 JP3361716 B2 JP 3361716B2
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公武 小路
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、釣糸を竿管内側
や外付け釣糸ガイドに挿通案内する釣竿用糸通し具に関
する。 【0002】 【従来の技術】従来の釣糸を竿管内側に挿通し竿先に案
内する釣竿用糸通し具では、釣竿に釣糸を糸通しする
際、釣竿に装着したリ−ルから釣糸を引出し、糸通し具
の釣糸掛け部に釣糸を結着後、竿先を下側にして釣糸導
入ガイドから竿先方向に糸通し具を送り込み、竿先に出
て来た糸通し具先端を引張ることにより釣糸を竿管内側
に挿通するか、或いは、釣糸導入ガイドから竿先方向に
糸通し具を送り込み、或る程度送り込んだ後、釣竿に装
着したリ−ルから釣糸を引出し、糸通し具の後端の釣糸
掛け部に釣糸を結着し、再び竿先方向に糸通し具を送り
込み、竿先に出て来た糸通し具先端を引張ることにより
釣糸を竿管内側に挿通していた。しかし、上記糸通しの
方法では、リ−ルを装着した釣竿は元竿側が重くなるた
め竿先が上方を向き易く、糸通しの際、糸通し具を竿先
方向に送り込む作業が難しい欠点があった。又、竿先を
下方に向けて糸通しすると、中竿や穂先竿が飛び出して
糸通し出来なくなり、重いリ−ル装着側を竿先側より高
く上げて糸通しすることになるから不安定であると共に
飛び出した穂先竿が他の物に当たって折損することがあ
って糸通しが難しい欠点があった。 【0003】上記欠点を解決するために、トップガイド
側から釣竿用糸通し具を挿通させ、釣糸導入ガイドの開
口部から釣竿用糸通し具の一端を引出してここに釣糸を
結着させ、今度はトップガイド側の他端部を引張ること
により釣糸を竿管内側に挿通させる釣竿用糸通し具があ
る。この釣竿用糸通し具では、止め部材をトップガイド
先端に引っ掛けて釣竿用糸通し具の一端が釣糸導入ガイ
ドから適宜長さ引き出され、ここに釣糸の結着が行い易
く構成されている。しかし、トップガイドから釣糸導入
ガイドまでの長さは釣竿によって異なるから、1つの糸
通し具を複数種類の釣竿に使用する場合には、釣竿を変
える度に止め部材の位置を設定しなければならないとい
う問題がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】竿先から糸通し作業を
する際には、最初の穂先部等の竿先内部が狭いため、糸
通し具の線状体の腰が弱ければ押込み操作が難しくな
る。また、釣糸導入ガイド側から糸通し作業する際に
は、線状体を斜めから押込むが前方に前進させる必要が
あり、押込み作業を容易にするには線状体の腰を強くす
る必要がある。然しながら、線状体全体の腰を強くする
と、竿先から糸通し作業する際には、挿入後に余ってト
ップガイドから外に出ている部分の線状体が何等かの原
因で撓めば、その腰のために大きく外方に撓むことにな
って大きなモーメントが作用し、これにより折角押込ん
だ線状体が抜け出てしまうことが起こり得る。また、釣
糸導入ガイド側から糸通し作業をする際には、糸通し具
を或る程度の長さ押込んだ後に該糸通し具後端部に釣糸
を結着させる場合には、手で竿を保持したままであるた
め結着作業は釣糸導入ガイドの近くで行おうとするが、
線状体後部の腰が強いと、その後端部が釣糸導入ガイド
の斜め上方に高く位置しており、釣糸の結着作業が難し
くなる。 【0005】依って本発明は、糸通し作業を容易にさせ
る線状体を有する釣竿用糸通し具の提供を目的とする。 【0006】 【問題を解決するための手段】上記目的に鑑みて本発明
は、釣竿に釣糸を通す糸通し具の線状体の何れかの一端
から、或いは一端近くから概ね50cm以上の所定長さ
範囲に亘って、他端側残り範囲の柔軟性よりも剛性を高
く形成していることを特徴とする釣竿用糸通し具を提供
する。 【0007】糸掛け部を有する側の端部或いはこの近く
から、概ね50cm以上の長さに亘って残り部よりも剛
性を高くすれば、竿先側から糸通し作業を行う際、糸通
し具を最初の狭い穂先部領域を通過させる際に、腰の強
さのために線状体を摘んで押込む作業が容易になる。ま
た、或る程度押込めば糸通し具の先導部の挿通空間は大
きくなるため、線状体の後部は腰が強い必要は無く、挿
入後に余ってトップガイドから外に出ている部分の線状
体は、腰が弱いと撓んで竿に沿い易く、挿入部に対して
モーメントを作用させず好ましい。 【0008】糸掛け部を有する側とは反対側の端部或い
はこの近くから、概ね50cm以上の長さに亘って残り
部よりも剛性を高くすれば、釣糸導入ガイド側から糸通
し作業を行う際、或る程度の長さ(50cm程度以上)
糸通し具を押込むまでは押込みのために線状体の腰の強
さが必要であり、或る程度押込めば、その後は線状体の
腰の強さが或る程度弱くなっても容易に押込める。しか
も、或る程度押込んだ後に釣糸を結着させる場合には、
既述の如く、線状体の後部は腰の柔らかい方が結着作業
が容易となる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態例を図
面に基づき説明すると、図1、図2は第1実施の形態例
で、図1は釣竿用糸通し具の要部を断面とした側面図、
図2は釣竿に糸通し具を挿通した時の要部断面図であ
り、(a)は釣糸導入ガイド部分の拡大断面図、(b)
はトップガイド部分の拡大断面図である。 【0010】釣竿用糸通し具Aは、釣糸を結着(係止を
含む)させる機能部(釣糸掛け部)13と、これを除い
た細長の線状体とを有しており、線状体の大部分を成す
糸条本体1の一端に屈曲部10を介して重量部材11が
取り付けられ、他端に固定部材12が固定され、球状の
止め部材2が釣糸掛け部13から固定部材12側に向っ
た所定長さLの位置に嵌合されて止められている。止め
部材2の前後の糸条本体1にはマ−ク部材3,3’が適
宜位置に移動可能であって、かつ止められ得るように嵌
合されている。移動可能な部材3,3’,2が糸条本体
1から外れてしまわないように固定部材12が糸条本体
の先端に固定されている。 【0011】糸条本体1は、例えばステンレスワイヤ−
の外周に樹脂コ−テングされて容易に可撓自在に形成さ
れていてもよいが、この形態例では、線状体から後述の
重量部材11と長さ数センチメートル程度の屈曲部10
とを除いた糸条本体1の、釣糸掛け部13側の端部から
概ね50cm以上であり、残り領域の長さを20cm程
度以上残す所定長さL0に亘ってはその残りの領域より
も撓み剛性を大きく構成している。重量部材11と屈曲
部10を有さないで、例えば、釣糸導入ガイド8の釣糸
案内孔8aから、つの字状部材等によって糸通し具の釣
糸掛け部13を引出す方式の場合は、上記所定長さL0
は、糸条本体1と釣糸掛け部13との接続部から測れば
よい。 【0012】この所定長さL0としては、当該釣竿用糸
通し具の使用予定種類の各釣竿を糸通し状態にした場合
の後述の図2の長さL1の中で最小長さを使用すれば良
い。その例として、糸条本体1の全長を1.5mとすれ
ば、L0を80cm程とし、残りを70cm程とする。
即ち、概ね半々の長さに設定する。この所定長さL0領
域を形状記憶合金製の1本の針金部材で形成し、残り領
域をステンレス等の金属製細線を多数束ねて編んだ編糸
条に形成しておけば、一般に領域L0の部分は残り領域
の金属製細線を多数束ねた部分よりも撓み剛性が高くな
る。また、残り領域を合成樹脂製糸条体としても、形状
記憶合金製の1本の針金部材で形成した領域L0の方が
一般に撓み剛性が高くなる。 【0013】釣竿用糸通し具は細長いため、通常折り畳
んだり巻回して持ち運ぶが、こうした際に折癖がつき、
糸通し作業に差し支える場合がある。これに対して上記
の如く形状記憶合金によって形成された部分は、所定温
度に加熱する等すれば元の滑らかな状態に戻り、この形
状記憶合金部分の側を竿管への先導部側とすれば、糸通
しが容易にできる。また、合成樹脂製糸条体の部分は、
釣人がマジックインク等によってマーキングし易く、マ
ーク部材3,3’等機械的なマークを設けていなくとも
済む。 【0014】上記両領域の接続には、金属等の筒状部材
30を使用し、夫々の端部を該筒状部材30に挿入し、
その後、筒状部材の外側からかしめれば、両領域の軸心
が概ね連続する。この筒状部材30は竿管に挿通可能な
大きさとする。更には金属製細線を多数束ねて編んだ編
糸条領域の表面をナイロン等の樹脂によってコーティン
グすれば、竿管内部に挿通させる際に滑りがよく、円滑
に糸通し作業が行える。後述の如く、この場合の編糸条
領域である残り領域には、止め部材2を保持させなけれ
ばならないため、編糸条領域の表面凹凸の存在や樹脂被
膜の存在が、半径方向の弾力性に繋り、止め部材2の係
止に役立つ。一方、領域L0の方の表面は表面が平滑で
単純に滑り性の良いことが糸通し作業の円滑性に繋る。 【0015】止め部材2は糸条本体1の上記残り領域に
対して任意位置に移動可能であると共に、保持停止され
なければならず、このため、部材2,1の何れか一方は
半径方向に変形や伸縮可能な形態に形成すると保持が確
実になる。従って、何れか(特に止め部材2)をゴム、
エラストマー樹脂、弾性材料等で形成したり、また、何
れか(特に糸条本体の方)を、複数本の線材を組んで組
紐条や編糸条に構成するとよい。 【0016】屈曲部10は、この形態例では金属環が複
数個連結されて重量部材11の重量で屈曲自在となるよ
うに形成されている。重量部材11の端部には紐製の釣
糸掛け部13が取付けられている。止め部材2は、例え
ば合成樹脂で形成され、透孔2a内に孔明き弾性支持体
14が固定されていて、糸条本体に対して移動可能であ
って、任意位置で保持可能であると共に、後述のトップ
ガイドの先端内径より大径に形成されている。止め部材
2をゴムで形成すれば、前記孔明き弾性支持体14はな
くてもよい。マ−ク部材3は、例えば金属板を屈曲した
り合成樹脂で孔明き板状に形成されると共に、後述の穂
先竿管やトップガイドの先端内径より小径に形成されて
いる。従って、竿管内を通過できる。 【0017】中通し釣竿Bは複数本の竿管が継合され、
元竿管4の前側に中竿管5と穂先竿管6が、順次その継
合部内周に前側の竿管の継合部外周が、夫々継合せ可能
に構成されている。図面では振り出しタイプの釣竿が図
示されている。中竿管5の竿管内側後端部に硬質ガイド
を有する栓体15が螺着され、穂先竿管6の先端部外周
にトップガイド7が装着されている。 【0018】元竿管4に装着されたリ−ル16のスプ−
ルに巻回された釣糸17が各竿管の内側に挿通される時
は、穂先竿管6のトップガイド7の先端から糸通し具A
が挿通されて穂先竿管6の竿管内側6aと中竿管5の栓
体15を通され、釣糸導入ガイド8から外部に引き出さ
れる。 【0019】前記各竿管4,5,6は、夫々概ね長方形
に裁断された図示しないプリプレグシ−トが図示しない
芯金に適宜回数捲回された後、その外側にテ−ピングが
施され、加熱炉の中に入れられて常法に従って熱硬化処
理で一体に形成されている。プリプレグシ−トは、例え
ば炭素繊維やガラス繊維やアラミド繊維やアルミナ繊維
やケプラ繊維及びその他の有機繊維、無機繊維などの高
強度繊維で補強した織布等に、エポキシ樹脂,フェノ−
ル樹脂,ポリエステル樹脂等の熱硬化性合成樹脂等が含
浸されて形成されている。 【0020】元竿管4には竿管側面に長孔部4aが形成
され、該長孔部4aの周囲に設けた釣糸導入ガイド8の
外側に釣糸ガイド枠体9が装着固定されている。釣糸導
入ガイド8は金属やセラミックス等の硬質材で形成され
ている。釣糸導入ガイド8には中央部に元竿管4の軸長
方向に長い広幅長孔からなる釣糸案内孔8aが形成さ
れ、釣糸導入ガイド8の外周一端側にはU字状の凹部8
bが形成されて凹部8bに元竿管4の長孔部4aの縁が
嵌合される。釣糸導入ガイド8の内側8cは竿管内側面
4bと略一致若しくは竿管内側面より外側になるように
形成されている。釣糸導入ガイド8の釣糸案内孔8aの
外側8d上方は開放形成されている。 【0021】釣糸ガイド枠体9は中央に釣糸導入ガイド
8が嵌まる透孔9aが形成され、一端側に起立部9bが
形成されて金属やセラミック等の硬質材で形成された釣
糸硬質ガイド18が固定されている。釣糸ガイド枠体9
の一端側鍔部9cには透孔が穿設されて固定用ピン19
で元竿管4に固定されている。釣糸ガイド枠体9の他端
側鍔部9dは図示しない紐等で元竿管4外周に固定され
る。 【0022】中通し釣竿Bに糸通し具Aが挿通される時
は、中竿管5の中に穂先竿管6が収納された状態で元竿
管4から中竿管5を引き出し、継ぎ合わされる。次に糸
通し具Aの釣糸掛け部13から止め部材2までの長さL
が、穂先竿管6のトップガイド7の先端から釣糸導入ガ
イド8の釣糸案内孔8aのリ−ル16側までの長さL1
と略同じ長さになるように止め部材2を移動設置する。
糸通し具Aの準備が終わったところで、糸通し具Aの釣
糸掛け部13側が穂先竿管6のトップガイド7の先端か
ら竿管内側に挿入されると、重量部材11の重量で竿管
内側を落下してトップガイド7の先端に止め部材2が引
っ掛る。 【0023】止め部材2がトップガイド7の先端に引っ
掛ると、釣糸掛け部13が釣糸導入ガイド8の釣糸案内
孔8a位置となり、中通し釣竿Bが傾けられると、屈曲
部10が重量部材11の重量で屈曲されて重量部材11
と釣糸掛け部13が釣糸案内孔8aから外側に出る。こ
の状態でリ−ル16から引き出された釣糸17が釣糸掛
け部13に結着され、糸通し具Aが引き上げられて取り
外され、釣糸17に図示しない仕掛が取り付けられる。 【0024】前記のように糸通し具Aが中通し釣竿Bの
中に挿通されると、中通し釣竿Bはリ−ル16側を下側
に、竿先側を上にして中竿管5の中に穂先竿管6が収納
された状態で元竿管4から中竿管5が引き出され、糸通
し具Aが竿管内側に挿通されて中通し釣竿Bが傾けられ
ることで、重量部材11の重量で竿管内側を落下してト
ップガイド7の先端に止め部材2が引っ掛ると、重量部
材11の重量で屈曲部10が屈曲されて重量部材11と
釣糸掛け部13が釣糸導入ガイド8の釣糸案内孔8aか
ら外側に出るので、釣糸掛け部13に釣糸17を結着す
ることが極めて容易になると共に、糸通し具Aを竿管内
側から引き出せばよいので釣糸17を竿管内側に案内す
ることが簡単容易になる。 【0025】糸通し具Aの釣糸掛け部13から止め部材
2までの長さLは、穂先竿管6のトップガイド7の先端
から釣糸導入ガイド8の釣糸案内孔8aまでの長さL1
に応じて止め部材2が移動変更される。 【0026】上記糸通し方法では、中通し釣竿Bはリ−
ル16側を下側に、竿先側を上にして糸通し具Aが竿管
内側に挿通されるので、穂先竿管6が飛び出すことがな
く、重いリ−ル装着側が竿先側より低いので安定して糸
通し具Aが挿通でき、穂先竿管6が飛び出して折損する
ことがない。釣糸導入ガイド8の内側8cは竿管内側面
4bと略一致若しくは竿管内側面より外側になるように
形成されているので、糸通し具Aを竿管内側に挿通時に
屈曲部10や重量部材11が釣糸導入ガイド8の内側8
cに引っ掛ることが防止される。更に釣糸導入ガイド8
の釣糸案内孔8aの外側8d外方は開放形成されている
ので、重量部材11と釣糸掛け部13が釣糸導入ガイド
8の釣糸案内孔8aから外側に出易く、また釣糸を結着
し易くなる。 【0027】他の中通し釣竿に糸通し具Aが挿通される
時、他の中通し釣竿のトップガイド7の先端から釣糸導
入ガイド8の釣糸案内孔8aまでの長さL’が元の長さ
L1より短い図1のマ−ク部材3’の位置までの長さの
場合は、先ず図1でマ−ク部材3が止め部材2に当接す
る2点鎖線3”の位置に移動される。次に、止め部材2
をマ−ク部材3’に当接するように移動させる。この状
態で糸通し具Aの釣糸掛け部13が穂先竿管6のトップ
ガイド7の先端から竿管内側に挿入されて止め部材2が
トップガイド7の先端に引っ掛ってから中通し釣竿が傾
けられる。その後の操作は前記と同様である。 【0028】更に穂先竿管6のトップガイド7の先端か
ら釣糸導入ガイド8の釣糸案内孔8aまでの長さが元の
長さL1より長い図1のマ−ク部材3の位置の長さL”
に対応した他の中通し釣竿の場合は、止め部材2がマ−
ク部材3に当接するように移動される。但しこの時長さ
Lの情報は消去されるが、前記マーク部材3’を移動さ
せて元の位置を記憶させてもよい。その後の操作は前記
と同様である。マ−ク部材3は1個だけ設けてもよい。 【0029】前記のように糸通し具Aが構成されると、
穂先竿管6のトップガイド7の先端から釣糸導入ガイド
8の釣糸案内孔8aまでの長さを止め部材2で位置合わ
せしたり、糸条本体1上のマ−ク部材3,3’で記憶さ
れた位置に止め部材2を合わせて、糸通し具Aが竿管内
側に挿通されて中通し釣竿Bが傾けられることで、重量
部材11の重量で竿管内側を落下し、止め部材2がトッ
プガイド7の先端に引っ掛ると、重量部材11の重量で
屈曲部10が屈曲されて重量部材11と釣糸掛け部13
が釣糸導入ガイド8の釣糸案内孔8aから外側に出るの
で、釣糸掛け部13に釣糸17を結着することが極めて
容易になると共に、糸通し具Aをトップガイド7側から
引き出せばよいので釣糸17を竿管内側に案内すること
が簡単容易になる。 【0030】中通し釣竿Bはリ−ル16側を下側に、竿
先側を上にして糸通し具Aが竿管内側に挿通されるの
で、穂先竿管6が飛び出すことがなく、重いリ−ル装着
側が竿先側より低いので安定して糸通し具Aが挿通出来
ると共に、穂先竿が飛び出して折損することがない。穂
先竿管6のトップガイド7の先端から釣糸導入ガイド8
の釣糸案内孔8aまでの長さが異なる中通し釣竿に使用
される時は、マ−ク部材3,3’で元の位置を記憶させ
て止め部材2を移動させると、元の位置に止め部材2を
戻すことが極めて容易になる。 【0031】図3は第2形態例で、釣竿用糸通し具の要
部を断面とした側面図である。第2形態例では、釣竿用
糸通し具Aは、糸条本体1の一端に屈曲部10を介して
重量部材11と釣糸掛け部13とが取り付けられ、他端
に固定部材12が固定され、止め部材2が釣糸掛け部1
3から固定部材12側に向って所定長さ位置に嵌合して
止められている。止め部材2の前後の糸条本体1にはマ
−ク部材20が適宜間隔で3個以上の複数個(4個)設
けられている。この場合のマ−ク部材20は塗料や金属
蒸着等による金属皮膜や、半田やビ−ズの固定等であ
り、止め部材2がその外周を移動可能に形成されてい
る。他の構成は前記第1の形態例と略同一である。 【0032】このようなマ−ク部材20が複数設けられ
ていると、中通し釣竿Bと他の中通し釣竿の位置情報を
糸条本体1上のマ−ク部材20の位置で記録することで
止め部材2を戻す位置合わせが容易になる。但し、マー
ク部材を設けていなくても(設けていてもよいが)、図
5のaに示すように、止め部材2が単なる球状体ではな
く、これに係止部2Aが設けられておれば、これをトッ
プガイド7に係止させておき、釣糸掛け部13側を垂ら
して該釣糸掛け部が釣糸導入ガイド、或いは釣糸ガイド
枠体9の位置に位置するように止め部材2をが糸条本体
1上を移動保持させることが容易にできる。糸通し具を
竿先から挿入する方式の場合、こうして止め部材2の位
置を設定すれば、釣竿の種類に応じて予めマークを施し
ていなくても、各種釣竿に適用できる。また、上記係止
部2Aを有する止め部材2ではなく、bに示すようなク
リップ2’方式等にしても、糸条本体に対するクリップ
位置の設定作業が同様に容易である。 【0033】以上の止め部材2、マ−ク部材3,3’,
20、或いはインクや塗料によるマーク、釣糸掛け部1
3等に、蛍光塗料等の発光材料、蓄光材料等をコーティ
ングすれば、夜間でも見易くなり、糸通し作業が容易に
なる。 【0034】前記説明の図面では、振り出しタイプの釣
竿が図示されているが、元竿管4の前側に中竿管5を並
継ぎ合わせする釣竿としてもよい。以上では、中通し釣
竿の内部に糸通しする場合について説明したが、釣糸ガ
イドが外付けされた釣竿に実施して、トップガイドから
リ−ルの前側までの長さになるよう止め部材を位置合わ
せしてもよい。 【0035】以上の、中通し釣竿の穂先竿管6のトップ
ガイド7の先端から釣糸導入ガイド8の釣糸案内孔8a
まで釣竿用糸通し具Aを挿通する方法の他、釣糸導入ガ
イド8からトップガイド7の方向に糸通ししてもよい。
この場合、部品2,10,11,12,20(3,
3’)は不要である。図4は釣糸導入ガイド8からトッ
プガイド7の方向に挿通させる方式の場合の糸通し具を
示しており、釣糸掛け部13とは反対側の端部を先導先
端部として形成しており、この端部から所定長さL0の
範囲を形状記憶合金によって1本の針金部材として形成
し、その残り領域をステンレス等の金属製細線を多数束
ねて編んだ編糸条に形成し、既述の筒状部材30によっ
て連結する。領域L0の部分は残り領域の金属製細線を
多数束ねた部分よりも一般に撓み剛性が高くなる。ま
た、残り領域を合成樹脂製糸条体としても、形状記憶合
金製の1本の針金部材で形成した領域L0の方が一般に
撓み剛性が高くなる。 【0036】所定長さL0は、使用予定の釣竿の中で、
糸通し状態の釣糸導入ガイド8の釣糸案内孔8aから竿
先までの長さの最小の長さに設定すればよく、絶対寸法
的には50cm程度以上であり、少なくとも釣糸掛け部
13の近くを残した位置までとし、この残した領域を領
域L0に比べて撓み剛性の低い形態にする。例えば、糸
条本体1の全長を1.5mとすれば、L0を80cm
程、残りを70cm程とする。こうすれば、糸通し具を
釣糸導入ガイドから斜め方向に差し込みながら、竿管内
部を前方に前進させるが、この際、腰の強い領域L0を
摘めば押込む操作が容易になる。また、竿先まで通した
後釣糸掛け部13に釣糸を結着させる際には、釣糸掛け
部近辺が柔らかな方が作業性がよい。 【0037】以上では、残り領域よりも撓み剛性の高い
所定長さL0の範囲を、形状記憶合金で形成した例につ
き説明しているが、この範囲を形状記憶合金以外の材料
で形成しても、残り領域よりも撓み剛性を高く形成すれ
ばよい。 【0038】図6から図10では、糸通し具に釣糸を係
止させる他の機構を例示する。図6では、糸条本体1
(或いは線状体)の端部のつの字状釣糸掛け部13’に
は釣糸の端部を予め輪にしておいたものを引っ掛けるだ
けで係止できるが、不用意に抜け出ることもあるため、
係止後にスリーブ部材32を矢印方向に移動させて釣糸
掛け部13’を覆った状態で該スリーブ部材が保持でき
るよう構成する。これにより釣糸の結着係止が極めて簡
便になる。 【0039】図7は、所謂、鰐口クリップ方式であり、
糸条本体1(或いは線状体)の端部に取付けられた基部
34を指で押えれば鰐口状の釣糸掛け部13’が開き、
ここに釣糸17を狭持させることができる。図8は、所
謂、シャープペンシル機構と同様な方式であり、糸条本
体1(或いは線状体)の端部に取付けられた機構のスリ
ーブ38がコイルばね40によって常時押し下げる付勢
力を受けているが、コイルばねに抗してこれを押し上
げ、2つに割れた部材36の間に釣糸を狭持する釣糸掛
け部13’を開放させ、釣糸を狭持させた後、スリーブ
38を放せば釣糸が保持される。これも釣糸の結着作業
が極めて簡便になる。 【0040】図9は、所謂、スナップサルカンと同様な
方式であり、糸条本体1(或いは線状体)の端部に取付
けられたスナップサルカンの釣糸掛け部13’に釣糸を
係止させる。この場合も、釣糸の結着作業が極めて簡便
になる。図10は、糸条本体1(或いは線状体)の端部
に取付けられた折返し部材を釣糸掛け部13’としてお
り、単に釣糸を挟むだけで結着できる。 【0041】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、糸通し作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る釣竿用糸通し具の要部を断面とし
た側面図である。 【図2】糸通し具の使用状態を示す要部断面図である。 【図3】釣竿用糸通し具の他の形態を示す要部断面側面
図である。 【図4】釣竿用糸通し具の他の形態を示す側面図であ
る。 【図5】糸通し具の他の使用状態を示す図である。 【図6】釣糸掛け部の形態例を示す図である。 【図7】釣糸掛け部の形態例を示す図である。 【図8】釣糸掛け部の形態例を示す図である。 【図9】釣糸掛け部の形態例を示す図である。 【図10】釣糸掛け部の形態例を示す図である。 【符号の説明】 A 糸通し具 1 糸条本体 2 止め部材 3,3’,20 マ−ク部材 4,5,6 竿管 7 トップガイド 10 屈曲部 11 重量部材 17 釣糸

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 釣竿に釣糸を通す糸通し具の線状体の何
    れかの一端から、或いは一端近くから概ね50cm以上
    の所定長さ範囲に亘って、他端側残り範囲の柔軟性より
    も剛性を高く形成していることを特徴とする釣竿用糸通
    し具。
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