JP3360091B2 - 超電導加速度計 - Google Patents
超電導加速度計Info
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Description
る加速度計、特に超電導加速度計の改良に関する。
ように日常的な使用の機会は少ないとは言え、運動体、
機械、構造物の動きや振動を検出するセンサーとして欠
くことの出来ないものである。特に、運動体の動きの計
測および制御のためには、加速度をそのまま利用する場
合だけでなく、1回積分して速度、2回積分して変位の
計測に用いられるなど、広く利用されている。高精度の
加速度検出が要求される例えば慣性航法の高精度化や、
重力異常、地殻変動、地球の重力分布計測等の分野への
応用のためには、極めて微小な加速度(10-10g〜1
0-13g程度)が制度良く検出可能であることが要求さ
れるにもかかわらず、従来型の加速度計は10-6gが限
界である。
他の加速度計に比して格段に高い分解能を持ち、10
-12gの高分解能が期待出来、このような高分解能加速
度計は、慣性航法、重力傾斜計は勿論、地震予知、資源
探査、重力波検出にも有用な存在になるものと期待され
ている。しかし、超電導素材にニオブ、チタン、錫の合
金などを用い、冷却剤として液体ヘリウムを用いる低温
超電導加速度計は、冷却装置が複雑で大きく、小型・軽
量化出来ないという問題があった。
の模式図を示す。超電導材料製の慣性質量30は、液体
ヘリウム36が充填されている超電導磁気シールド31
内に、ヒンジ32で支持されて慣性空間に静止してい
る。同様に超電導材料で作られた超電導コイル33に
は、永久電流が流れ、磁場が発生している。加速度が作
用すると、完全反磁性の性質を持つ慣性質量30と超電
導コイル33の間隔が変化して磁束密度が変化し、その
変化をジョセフソン効果を利用したSQUID磁束計3
5で計測し、加速度量を得るものである。
成要素が超電導現象、すなわち慣性質量30が完全反磁
性、超電導コイル33がゼロ抵抗、磁束計35がジョセ
フソン効果を利用するものであるため、磁気シールド3
1内に液体ヘリウムを冷却媒体として充填し、その中に
各構成要素を浸漬することにより、超電導転移温度以下
に冷却していた。しかし、磁気シールド外周が断熱構造
であっても、完全断熱でない限り、液体ヘリウムは常時
沸騰しており、たえず対流が発生し、慣性空間内に静止
していなければならない慣性質量30が対流の影響で揺
らぐことにより、それが計測される加速度のノイズ成分
として出力される。図4は計測されたノイズ成分の1例
を示し、ノイズは約10-3gにも及ぶことが判る。この
ような問題点は、超電導材料を高温超電導材とし、冷却
媒体を液体窒素としても同じである。
欠点を含まない新構造の超電導加速度計を提案した(特
願平11−180153号)。その構造の1例の模式図
を図5に示す。ここでは、超電導材料として高温超電導
材料を使用し、冷却媒体57としては液体窒素を使用し
ている。超電導磁気シールド51内に、慣性質量50を
収納する第1冷却槽58と永久磁石54およびSQUI
D磁束計55を収納する第2冷却槽59がそれぞれ分離
独立して設けられる。第1冷却槽58はヒンジ52を有
する連結片で懸架され、慣性質量50はその内部に定置
され、冷却媒体である液体窒素の対流による揺らぎの影
響を受けない構造とされている。また、磁界発生手段は
超電導コイルに変えて永久磁石54を使用することによ
り、高温超電導材料の加工の難しさの影響を避けてい
る。
度計は、冷却媒体の対流によるノイズの発生を防ぎ、高
温超電導材料の使用に適した構造を持ち、液体窒素は液
体ヘリウムに比べて温度管理が容易なだけでなく、気化
潜熱も60倍におよび冷却能力が高いなど、多くの利点
を有しながらも、加速度計自体の構造が複雑になるのを
避けることが出来ず、慣性質量50と永久磁石54の距
離に制限が生じるなどの制約も生じていた。また、第
1、第2の冷却槽は磁気シールドとすることは出来ない
ので、磁気シールド51を超電導材製とすれば、そのた
めの冷却構造が必要になるという問題もある。本発明
は、上記従来の超電導加速度計と上記提案の超電導加速
度計の長所を併せ持ち、構造が簡単でノイズ出力が小さ
い、高い分解能を実現できる超電導加速度計を得ようと
するものである。
は、磁気的にシールドされた空間内に、揺動可能に懸架
された慣性質量、これに隣接して配設された磁界発生手
段、および該慣性質量と磁界発生手段との間隔の変化に
よる磁束の変化を計測する磁束計からなる加速度計であ
って、上記空間は気体雰囲気であり、該空間を囲む磁気
シールドおよび慣性質量は超電導材料製とし、該磁気シ
ールドをその超電導状態への転移の臨界温度以下に冷却
することによって、上記目的を達成したものである。こ
のとき、超電導磁気シールドおよび慣性質量はその超電
導状態への転移の臨界温度が液体窒素沸点以上の高温超
電導材であることが望ましく、磁界発生手段は永久磁石
とすることが出来る。
図を示す本発明の超電導加速度計においては、高温超電
導材料製の慣性質量10は、気体雰囲気の高温超電導磁
気シールド11内に、ヒンジ12で支持されて慣性空間
に静止している。14は永久磁石であり、磁場を発生さ
せる。15は高温超電導材料によるSQUID磁束計で
あり、ジョセフソン効果を利用して磁束密度の変化を計
測する。本発明においては、高温超電導磁気シールド1
1は、その外側を液体窒素17によってその全体が冷却
され、磁気シールド11、慣性質量10、SQUID磁
束計15がすべて超電導状態に保持される。加速度が作
用すると、完全反磁性の性質を持つ慣性質量10と永久
磁石14の間隔が変化して磁束密度が変化し、その変化
の計測から加速度量を得るものであることは、図3、図
5の超電導加速度計と同様である。
1例を示す。図2Aは、図1の超電導加速度計の周囲を
液体窒素冷媒で−196℃に冷却したとき、加速度計内
部温度の時間による変化を示す。約10分で高温超電導
体の臨界温度に達し、以後、液体窒素温度に漸近する。
図2Bは、この超電導加速度計を用いて得られた外乱に
よるノイズ得性を示す。この外乱量は1×10-5gであ
るが、この中には地面振動などの他の外乱要因も含まれ
ている。実験実証によって、図3に示す従来方式の超電
導加速度計に比べて1/100以下にノイズが減少した
ことが確認された。
ウム系酸化物高温超電導材料、タリウム系酸化物高温超
電導材料など、公知の各種の材料を用いることが出来る
が、冷却槽の管理の容易さ、冷却能力などの点から見
て、液体窒素温度以上で超電導体となる材料を用いるこ
とが望ましい。また、本実施の態様においては、磁場発
生手段として永久磁石を用いたが、超電導コイルを用
い、その永久電流によっても良いことは云うまでもな
い。
は、 磁気シールドを全体として冷却するだけであるから、
冷却系統の構成が簡単となる。 磁気シールド内の構造が簡単であり、加速度計の小型
化が容易である。 慣性質量は直接冷媒に接触せず、その沸騰によって測
定精度が影響される恐れがない。 慣性質量は、気体雰囲気中に懸架されており、液体雰
囲気中に懸架されるのに比べて、周波数応答特性の向上
が期待される。という効果を奏する。 また、高温超電導材料を使用することにより、冷媒と
して液体窒素を用いることが出来、冷却系統の一層の低
コスト化を図ることが出来る。 磁場発生手段として永久磁石を用いれば、加速度計の
構造の簡単化、低コスト化に有利である。 など、極めて実用性の高い超電導加速度計とすることが
出来る。
す模式図である。
ある。
る。
ある。
す模式図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 磁気的にシールドされた空間内に、揺動
可能に懸架された慣性質量、これに隣接して配設された
磁界発生手段、および該慣性質量と磁界発生手段との間
隔の変化による磁束の変化を計測する磁束計からなる加
速度計であって、 上記空間は気体雰囲気であり、該空間を囲む磁気シール
ドおよび慣性質量は超電導材料性であり、該磁気シール
ドをその超電導状態への転移の臨界温度以下に冷却する
ことを特徴とする超電導加速度計 - 【請求項2】 請求項1の超電導加速度計において、超
電導磁気シールドおよび慣性質量はその超電導状態への
転移の臨界温度が液体窒素沸点以上の高温超電導材であ
ることを特徴とする超電導加速度計 - 【請求項3】 請求項1または請求項2の超電導加速度
計において、上記磁界発生手段が永久磁石であることを
特徴とする超電導加速度計
Priority Applications (1)
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2000
- 2000-09-01 JP JP2000265178A patent/JP3360091B2/ja not_active Expired - Lifetime
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