JP3359173B2 - 媒体の真偽鑑別装置 - Google Patents

媒体の真偽鑑別装置

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JP3359173B2
JP3359173B2 JP02347895A JP2347895A JP3359173B2 JP 3359173 B2 JP3359173 B2 JP 3359173B2 JP 02347895 A JP02347895 A JP 02347895A JP 2347895 A JP2347895 A JP 2347895A JP 3359173 B2 JP3359173 B2 JP 3359173B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の有価証券等の媒
体に、そのイメージを読み取って真偽を判別する媒体の
真偽鑑別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、金融自動化機器、自動販売機、
券売機等に用いられる証券、商品券、紙幣等の流通有価
証券類自動認識装置では、券の模様、図形の光学的な反
射/透過パターン、あるいは磁気的な反射パターンをセ
ンサ、イメージリーダにより読み込み、電気信号に変換
して画像データとした上で、それらに対して券種、真偽
の認識処理を行っており、このような方法として、例え
ば特公平5−78074号等に記載されているものがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、真偽判
別には高い信頼性が要求されるにも拘らず、方式の性能
評価に必要な偽券はその全てを予測することが不可能で
あるため、従来より十分に客観的な評価に基づいた真偽
判別基準設定ができないという問題があった。このた
め、従来では、最終的に大量のデータと経験的な主観評
価に基づく試行錯誤により真偽判別基準を設定せざるを
得ないのが実状であった。このような点から、客観的な
評価に基づいた真偽判別基準設定による真偽判別を行う
ことのできる媒体の真偽鑑別装置の実現が望まれてい
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の媒体の真偽鑑別
装置は、前述の課題を解決するために、判別基準データ
記憶部と、濃度区間判定部と、得点加算部と、真偽判別
部とを設けたものである。判別基準データ記憶部には、
各画素毎に、複数の濃度の閾値を表す濃度閾値データ
と、これら濃度の各閾値により区切られる各区間の得点
を表す区間得点データと、全画素の合計得点の閾値を表
す得点閾値データとからなる真偽判別パラメータを格納
している。また、濃度区間判定部は、媒体の画像データ
を入力し、その画像データにおける各画素の濃度を、判
別基準データ記憶部より取り出した濃度閾値データと比
較し、閾値により区切られる複数区間に分類するもので
ある。更に、得点加算部は、判別基準データ記憶部より
区間得点データを読み込んで、その区間得点データに基
づき、濃度区間判定部により分類された区間の得点を各
画素毎に算出し、媒体の全画素の合計得点を求めるもの
である。そして、真偽判別部は、判別基準データ記憶部
より得点閾値データを読み込み、その得点閾値と、得点
加算部で求めた合計得点とを比較し、合計得点が閾値以
上の場合に、媒体は真券であると判定し、合計得点が閾
値より小さい場合は媒体は偽券であると判定するもので
ある。
【0005】
【作用】本発明の媒体の真偽鑑別装置においては、媒体
の画像データは、濃度区間判定部に入力される。濃度区
間判定部では、この画像データの各画素の濃度を、濃度
閾値データの濃度閾値と比較し、いずれかの区間に分類
する。得点加算部では、濃度区間判定部で分類された区
間の得点を各画素毎に算出し、媒体の全画素の合計得点
を求める。真偽判別部では、得点加算部で求められた合
計得点を得点閾値データの得点閾値と比較し、合計得点
が閾値以上の場合、媒体は真券であり、合計得点が閾値
より小さい場合、媒体は偽券であると判定する。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。図1は本発明の媒体の真偽鑑別装置の実施例
を示す構成図であるが、これに先立ち、一般的な媒体の
認識処理を説明する。
【0007】図2は、一般的な媒体認識処理の概略を示
す説明図である。図に示すように、券類(媒体)の認識
処理は、最初に前処理を施し、入力画像の特徴を抽出す
る(ステップS1)。この前処理とは、シェーディング
補正や位置検出、角度補正、券領域の抽出等の各種の補
正や、微分/積分等の特徴抽出処理を行う。その後、ス
テップS1で抽出した特徴データに対して、予め設計し
た券種判別用基準データを用いて券種判別処理を行う
(ステップS2)。次に、券種毎に用意した真偽判別用
基準データの中から決定した券種のデータを選択し、特
徴データに真偽判別処理を施す(ステップS3)。即
ち、ステップS3において、判別結果が“真”であった
場合は、その結果を出力し、一方、判別結果が“偽”で
あった場合は、券をリジェクトし(ステップS4)、そ
の判定結果を出力する。
【0008】このような真偽判別において、最も重要な
点は高精度な判別が行えることである。即ち、真偽判別
で生じる誤判別には偽券を真券と誤る場合と、真券を偽
券と誤る場合の二種類の誤判別がある。前者の誤判別が
大きいと、システム運営者にとって甚大な損害を被る危
険性があり、後者の誤判別が大きいと利用者への真券返
却率が増加して利用者の利便性が悪くなる。特に前者の
誤判別は真偽判別の目的からは0に近いことが望まれ
る。しかしながら、前者の誤判別をなくすためには、真
偽判別基準を厳しくするだけでは後者の誤判別が増加す
ることになり、根本的な解決とはなり得ない。そこで、
両誤判別を共に低減するような最適な真偽判別基準の設
計方法が必要になる。
【0009】また、大量の証券等の媒体を高速に認識す
る装置においては、真偽判別処理に許される時間は証券
一枚あたり、数十〜百msec等の制限がある。従っ
て、真偽判別基準は一定の処理時間の制限を考慮して設
計される必要がある。
【0010】次に、一般的な真偽判別方法の一例を説明
する。図3は、各画素濃度の許容範囲の一例を示す説明
図である。図において、横軸は特徴画像データの2次元
配列を1次元に展開して付与した画素番号を表し、縦軸
は画像濃度(反射/透過パターンの受光量を電気信号に
変換した時のレベル)を表す。先ず、この図の中央に影
付けされた帯のように、各画素毎に一定の濃度幅を許容
範囲として定め、予めその上限値および下限値を設定し
ておく。更に、最終的な真偽を判別する画素数の閾値も
予め設定しておくものとする。これらの設定値は真偽判
別の信頼性を決定する基準であるため、真偽判別パラメ
ータと呼ばれる。
【0011】その上で、最初に特徴画像の各画素値が設
定した許容範囲内にあるかどうかを調べ、これを全画素
について繰り返して許容範囲内にある画素数を計数す
る。次に、計数した許容範囲内にある画素数を予め設定
した閾値と比較し、閾値以上であれば真券と判定し、そ
うでなければ偽券と判定する。例えば、許容範囲内の画
素数が全体の9割以上であれば真券と判定し、9割に満
たなければ偽券と判定するといった判定方法をとる。
【0012】しかしながら、このような判定方法におけ
る真偽判別パラメータは経験的な主観評価により決定さ
れる傾向があり、必ずしも最適な真偽判別パラメータと
は言えないものである。このため、本発明ではその真偽
判別パラメータを客観的な評価に基づく値とし、かつ、
このような値を用いて以下に述べるような真偽判別を行
うようにしたものであり、この本発明の原理を次に説明
する。
【0013】図4は、本発明の媒体の真偽鑑別装置にお
ける真偽判別動作で用いる真偽判別基準の説明図であ
る。この図は、濃度の閾値と得点の分布を表したもので
あり、横軸は画素の濃度を、縦軸は得点をそれぞれ表
す。また、この図4に示すように、各画素の濃度はm個
の閾値(di1〜dim)により、m+1個の区間に予め区
切られているものとする。濃度の閾値の数は、全画素一
律mであるが、その値dij(i=1,…,n、j=1,
…,m)は画素により異なるものとする。また、閾値に
より分割される濃度の各区間には図中に示すように、予
め得点が割り当てられているものとする。本発明による
真偽判別は、先ず、各画素の濃度値が濃度区間のどの区
間に含まれているかを判定して、判定した区間に予め割
り当てられた得点を求めて画素の得点とした上で、次に
全画素の得点の和を求め、この和が予め定めた閾値以上
であれば真券と判定し、そうでない場合には、偽券と判
定する方法である。
【0014】また、以降使用する用語として、各画素毎
に定められた濃度の閾値を「濃度閾値」、比較に用いる
濃度閾値の選択順位を「比較順位」、濃度閾値により区
切られた区間を「濃度区間」、各濃度区間毎に定められ
た得点を「区間得点」、全画素の得点の合計点を判定す
る際の閾値を「得点閾値」と呼ぶものとする。更に、使
用する記号として判別対象の特徴画像の画素数をn、各
画素の閾値数を一律m、画素番号をi(i=1,…,
n)、閾値番号をj(j=1,…,m)、濃度区間番号
をk(k=1,…,m+1)、画素番号iの濃度値をx
i 画素番号i、閾値番号jの濃度閾値をdij、画素番号
iで濃度区間番号kの区間得点をwik、全画素合計得点
の閾値をtとする。
【0015】次に、本発明の媒体の真偽鑑別装置におけ
る実施例1を図1を用いて説明する。 《実施例1》図1において、本発明の実施例1による媒
体の真偽鑑別装置は、判別基準データ記憶部1、濃度区
間判定部2、得点加算部3、真偽判別部4からなる。判
別基準データ記憶部1は、媒体の真偽判別を行う場合の
基準値である真偽判別パラメータを格納するための記憶
部であり、濃度閾値データ1a、区間得点データ1b、
得点閾値データ1c、比較順位データ1dを格納してい
る。濃度閾値データ1aは、複数の濃度の閾値を示すデ
ータであり、区間得点データ1bは、これら濃度の各閾
値により区切られる各区間の得点を示すデータである。
また、得点閾値データ1cは全画素の合計得点の閾値を
示すデータ、比較順位データ1dは、各画素の濃度を複
数の閾値と比較する際、選択する閾値番号の順番を、比
較結果の場合毎に複数設けたデータであり、これらのデ
ータについて、以下、更に説明する。
【0016】図5は、濃度閾値データ1aの説明図であ
る。これは、画素毎に設計されたn×m個の閾値データ
dij(i=1,…,n、j=1,…,m)で構成されて
いる。
【0017】図6は、比較順位データ1dの説明図であ
る。比較順位データ1dは全画素共通に用いる。データ
の先頭には、最初の濃度比較に用いる濃度閾値番号が記
されており、また、各行には濃度値xi を閾値dijと比
較した際、濃度xiが閾値dij以下の場合(xi ≦di
j)と、濃度xi が閾値dijよりも大きい場合(xi >
dij)とに分けて、フラグfaj ,fbj と、データa
j ,bj とが記されている。各フラグfaj ,fbj
は、濃度xi の比較処理の継続または終了を表すもので
ある。また、各データaj ,bj はフラグの値により濃
度閾値番号と濃度区間番号を割り当てられている。
【0018】具体的には、フラグfaj ,fbj が0の
場合は区間が未判定であり、引続き比較処理を行う場合
であり、その際のデータaj ,bj には次の比較に用い
る閾値番号jが格納されている。一方、フラグfaj ,
fbj が1の場合は区間が判定され、引続いて比較処理
を行う必要がない場合であり、その際のデータaj ,b
j には判定結果の区間番号kが格納されている。
【0019】例えば、最初に、図6に示す「比較順位デ
ータ1d」の先頭、つまり閾値番号jが「4」の濃度閾
値di4を用いて、ある画素の濃度xi との比較を行った
とする。この一回目の比較結果により、画素の濃度xi
が濃度閾値di4以下であれば(x≦di4)、表中のデー
タの1行目の左のフラグfa4が「0」であるため、区間
は未判定で比較処理は継続するものと判断し、データa
4 の値「3」により、二回目の比較は濃度閾値di3を用
いる。また、一回目の比較結果により、その濃度xiが
濃度閾値di4より大きければ(xi >di4)、図中のデ
ータの1行目の右のフラグfb4 が「0」であるため、
この場合も区間は未判定と判断し、データb4 の値
「5」により、二回目の比較は濃度閾値di5を用いる。
【0020】更に、一回目の比較で濃度xi が濃度閾値
di4より大きいと判定し(xi >di4)、二回目の比較
で濃度xi と濃度閾値di5を比較した結果、画素の濃度
xiが濃度閾値di5以下であると判定した場合(xi ≦
di5)、図6中のj=5である図中の3行目を参照する
と左側のフラグfa5 が「1」であるため、区間判定が
完了したと判断して、データa5 の値「5」を判定区間
番号kとする。以上が図6に示す比較順位データ1dを
用いた検索方法である。
【0021】図7は、区間得点データ1bの説明図であ
る。これは、画素の各濃度区間毎に設計されたn×(m
+1)個の得点データwik(i=1,…,n、k=1,
…,m+1)で構成されている。図8は得点閾値データ
1cの説明図である。得点閾値データ1cは、予め定め
られた真偽判別のための閾値であり、この値について
は、実施例2において詳述する。
【0022】また、図1に戻り、濃度区間判定部2は、
媒体の画像データを1画素ずつ入力し、判別基準データ
記憶部1より、濃度閾値データ1aおよび比較順位デー
タ1dを読み込み、上述した区間検索を行って濃度区間
の判定を行う機能を有し、後述する画素番号カウンタ、
濃度閾値番号カウンタ、区間番号カウンタ等を備えてい
る。得点加算部3は、判別基準データ記憶部1より区間
得点データ1bを読み込み、この区間得点データ1bに
基づき、濃度区間判定部2によって分類された区間の得
点を各画素毎に算出し、全画素の合計得点を加算する機
能を有し、後述する画素番号カウンタ、区間番号カウン
タおよび得点カウンタ等を備えている。更に、真偽判別
部4は、判別基準データ記憶部1より得点閾値データ1
cを読み込み、この得点閾値と、得点加算部3で求めた
合計得点とを比較して、その媒体の合計得点が得点閾値
以上の場合は、媒体は真券であると判定し、合計得点が
閾値より小さい場合は媒体は偽券であると判定する機能
を有している。
【0023】次に、本実施例の媒体の真偽鑑別装置の動
作を説明する。図9は、その真偽判別処理の動作フロー
チャートである。ここで、図中の記号の意味を以下に記
す。 i :画素番号カウンタ j :濃度閾値番号カウンタ k :区間番号カウンタ j0 :濃度閾値番号初期値 fj :濃度比較判定フラグ W :得点カウンタ
【0024】<ステップS1>先ず、得点カウンタWと
画素番号カウンタiを0に初期設定する。 <ステップS2>画素番号カウンタiを1インクリメン
トし、画素番号iの画素の濃度値xi を読み込む。 <ステップS3>比較順位データ1dの先頭領域から初
期閾値番号j0 を閾値番号カウンタjに読み込む。 <ステップS4>濃度閾値データ1aから、画素番号
i、閾値番号jの閾値データdijを読み込み、濃度値x
i と比較する。濃度値xi が濃度閾値dijより値が小さ
い場合はステップS5に進み、濃度値xi が濃度閾値d
ij以上である場合はステップS6に進む。
【0025】<ステップS5>比較順位データ1dから
フラグfaj を読み込み、濃度区間判定フラグfj に、
また、次の閾値番号データaj を読み込み、閾値番号カ
ウンタjにそれぞれ代入してステップS7に進む。 <ステップS6>比較順位データ1dからフラグfbj
を読み込み、濃度区間判定フラグfj に、また、次の閾
値番号データbj を読み込み、閾値番号カウンタjにそ
れぞれ代入してステップS7に進む。
【0026】<ステップS7>濃度区間判定フラグfj
が0であるか1であるかを調べ、fj =0の場合は区間
判定が未完了であり、継続して次の濃度閾値との比較処
理を行う必要があるため、再びステップS4に戻り、f
j =1の場合は区間判定完了と判断し、ステップS8に
進む。 <ステップS8>ステップS7で区間判定完了と判断し
た場合、閾値番号カウンタjには判定区間の区間番号が
格納されているため、区間番号カウンタkを、閾値番号
カウンタjの値にセットする。尚、以上、ステップS1
〜ステップS8の動作が濃度区間判定部2の動作に対応
するものである。
【0027】<ステップS9>区間得点データ1bの画
素番号i、区間番号kの欄より区間得点wikを読み込
み、得点カウンタWに加算する。 <ステップS10>画素番号iが最終画素番号nかどう
かを調べ、未処理画素がある場合はステップS2に戻
り、上記の動作を繰り返す。また、全画素の処理が終了
した場合はステップS11に進む。尚、これらステップ
S9、S10の動作が得点加算部3の動作に対応するも
のである。
【0028】<ステップS11>全画素の比較処理、得
点加算処理が終了すると、得点カウンタWの値が全画素
の得点の和となるため、「得点閾値データ」から得点閾
値tを読み込み、比較判定を行う。総合得点Wが得点閾
値t以上である場合(W≧t)は、対象画像が真券であ
る判定し、ステップS12に進む。また、逆に総合得点
Wが得点閾値tより小さい場合、(W<t)は対象画像
は偽券であると判定し、ステップS3に戻る。 <ステップS12>真券判定処理を行う。 <ステップS13>偽券判定処理を行う。以上、ステッ
プS11〜S13の動作が真偽判別部4の動作に対応す
るものである。
【0029】以上のように、実施例1によれば、以下の
ような効果がある。 濃度レベルの比較と得点の加算処理のみの簡易な処理
により、高速な判別が可能である。 濃度を多段の閾値により多区間に分割することによ
り、2段の閾値(3区間)に比べてきめ細かい判別が可
能となる。
【0030】上記効果を更に説明する。図10および
図11は、それぞれ真偽判別における得点分布例であ
る。即ち、両図は、共に画素数2(2次元)の場合の各
画素がとる区間の組み合せのそれぞれについての得点分
布を示す説明図であり、図10が閾値段数2の場合、図
11が閾値段数4の場合である。図において、二つの画
素濃度をそれぞれx軸とy軸にとり、z軸に得点Wを表
してある。各画素の濃度閾値により、xy平面は長方形
の区間に分割される。z軸の得点Wはxy平面の各長方
形の辺を構成するx軸の区間とy軸の区間のそれぞれの
得点の和を表したものである。尚、便宜上、各画素の濃
度区間の両端の得点は0に設定してある。
【0031】得点Wと得点閾値tとの比較で真偽の判別
を行うことは、図10、図11のような凸状の得点分布
を特定の値(得点閾値t)で切断し、その切断面の輪郭
内部を真券、輪郭外部を偽券とすることに相当する。図
12は、上記図10と図11の得点閾値tを変化させた
時のその切断面の形状、大きさの変化を示したものであ
る。図12からも明かなように、閾値段数が多い程、真
偽判別境界をより細かく設定できることが分かる。
【0032】また、上記実施例1では、各画素の濃度を
予め定めた複数の閾値と比較する際、選択する閾値番号
の順番を比較結果の場合毎に応じて複数設けた比較順位
データ1dを真偽判別パラメータとして備え、濃度区間
判定部2では、この比較順位データ1dとの比較結果に
応じて、記憶した閾値番号の選択順に閾値を選択して濃
度の区間への分類を行うようにしたので、この点におい
ても、更に高速な判別処理を行うことができる。
【0033】次に、上記実施例1の媒体の真偽鑑別装置
による真偽判別を行う場合の各真偽判別パラメータの設
定を行う構成を実施例2として以下に説明する。 《実施例2》真偽判別パラメータは、本発明の媒体の真
偽鑑別装置における真偽判別動作の性能を決定するパラ
メータであり、この真偽判別パラメータは、「閾値段数
m」に、上記実施例1で示した四つの判別基準「比較順
位aj ,bj 」、「濃度閾値dij」、「区間得点wi
k」、「得点閾値t」を加えた五つである。
【0034】本発明の媒体の真偽鑑別装置の真偽判別動
作を信頼性の高いものとするためには、上記のパラメー
タをできるだけ真偽判別精度が高くなるよう設計する必
要がある。一方パラメータを設計する上での規格として
は「画素数n」や「真券収容率β」があり、また装置の
仕様に基づく制限として、証券等の媒体一枚当りの認識
に要する「処理時間」や「判別基準データ記憶部1」に
記憶できる「データ数」がある。ここで「真券収容率
β」とは流通している真券のどれだけの割合を真券と判
定して収容するかを表す。また、以降「処理時間」を表
す変数をC、「データ数」を表す変数をS、また真偽判
別精度を表す変数をVで表すものとする。これらの変数
(処理時間C、データ数S、真偽判別精度V)は真偽判
別パラメータを設計する上での評価基準となる変数であ
るため「評価値」と呼ぶものとする。
【0035】従って、真偽判別パラメータを装置の仕様
に従い、かつ、精度の高い値に設計するためには、規格
値(画素数n,真券収容率β)の条件下で、かつ、処理
時間Cとデータ数Sの許容範囲内で真偽判別精度Vの評
価に基づきパラメータ(m,aj ,bj ,dij,wik,
t)を最適化することが必要である。しかしながら、こ
こで問題となるのは、流通有価証券の真偽判別パラメー
タ設計においては、偽券が未知であるために評価すべき
真偽判別精度Vが求められないことである。
【0036】図13は、これを説明するための図であ
り、特徴空間による券種判別と真偽判別の説明図であ
る。図13において、n画素の特徴画像はその各画素の
濃度値を軸とするn次特徴空間内の一つの点で表現でき
る。この図13は画素数2の2次元特徴空間を表し、空
間内には分布する画像標本が点で表現され、また、それ
らの分離境界面(線)が画像で示されている。図中の四
角、三角、丸で示した点はそれぞれAカテゴリ、Bカテ
ゴリ、Cカテゴリの3種の異なる券種の画像標本群を仮
定したものであり、これらは既知とする。また、黒丸で
示した点は偽券の画像標本を想定したものである。更
に、一点鎖線で示した直線はA,B,C三券種の判別境
界例であり、破線で示した曲線は真偽判別境界例であ
る。これらの判別境界は判別方法と判別基準パラメータ
の値により決まる曲面(線)である。
【0037】この図13の券種判別境界の例に示すよう
に既知のカテゴリの分類は、カテゴリ間に境界線を設け
ることで可能となる。また、カテゴリが既知であるた
め、設けた境界線の分離精度(真偽判別精度)Vも標本
群を用いて評価することができる。一方、真偽判別も図
13中の例に示す券種判別境界同様、真券と偽券との間
に境界線を設ければ良い。しかしながら偽券は未知であ
り、またその全てを予測することも不可能である。従っ
て、設けた境界線の分離精度Vを偽券の標本に基づいて
評価することはできない。このような理由により、従来
は真偽判別境界、即ち、真偽判別パラメータは、試行錯
誤により設定せざるを得なかった。
【0038】そこで、実施例2による真偽判別基準設計
方法では、上記の問題点を解決し、定量的に真偽判別基
準を設計することを可能とするために、偽券は未知であ
るが真券は既知であることに着目し、真券の統計的な分
布から真偽判別精度Vの評価基準を設ける。以下に判別
精度Vの評価基準の設定方法を述べる。尚、以降述べる
偽券とは他券種の真券も含めた真券以外の全ての特徴デ
ータを意味する。
【0039】センサにより読み込まれ電気信号に変換さ
れた画像濃度はセンサ感度により有限である。そのため
画像濃度を軸とする特徴空間もn次の有限空間である。
この特徴空間に真偽判別境界を設けて、特徴空間内を真
券カテゴリ、偽券カテゴリの2領域に分割した場合、真
券カテゴリ領域は真偽判別境界面と特徴空間の輪郭面と
を合わせた閉曲面内に収容される。以降これを「(真
券)カテゴリ収容閉曲面」と呼ぶものとする。真券を偽
券と誤る誤判別確率を規格に定める所定値以下とするた
めには、真券カテゴリ収容閉曲面を真券の所定の一定率
を収容するような形状、大きさの閉曲面とする必要があ
る。
【0040】一方、設けた閉曲面内に偽券が混入する確
率は偽券が未知であるために分からない。しかしなが
ら、偽券はその全てを予測できない状況下では発生する
危険性が特徴空間内に一様であるものとみなすことがで
きる。そのような環境下では偽券が真券カテゴリ収容閉
曲面内に混入する確率、即ち、偽券を真券と誤判定して
収容する危険性確率は閉曲面の容積に比例して増加す
る。そのため、真券カテゴリ収容閉曲面は容積が小さい
程偽券の誤収容確率が低い。そこで、本実施例では、真
券カテゴリ収容閉曲面の容積が、真券の所定の一定率を
含みかつその容積が小さい程真偽判別精度が高いことに
着目し、真券カテゴリ収容閉曲面の容積を真偽判別精度
Vの評価尺度とする。尚、以降は真券カテゴリ収容閉曲
面の容積Vを「カテゴリ収容容積」と呼ぶものとする。
【0041】また、本来、流通有価証券等の媒体は、そ
の印刷パタンができるだけ均一となるように発行される
が、印刷ずれやインクのむら、あるいは流通する中で付
着する油等の汚れや擦り傷、折り目等によりセンサに読
み込まれる画像濃度はばらつきを持っている。しかしな
がら、それらのばらつきは統計的には一定の分布になる
ことが多い。本実施例はこの点に着目し、真券の各画素
の濃度が画素に固有な平均値と分散を持った正規分布に
なることを仮定することで、判別基準設計に各種の統計
計算を適用し、定量的に真偽判別パラメータを設計する
ことを可能とする。
【0042】図14は、実施例2による真偽判別基準設
計システムの構成図である。上述したように、本実施例
では、画素数nと真券収容率βの条件下で評価値(C,
S,V)を基に、真偽判別パラメータ(m,aj ,bj
,dij,wik,t)を最適化するものである。図14
に示す各機能ブロックは、真偽判別パラメータ中のmと
dijを特定の値に固定した上で、規格値の画素数nと真
券収容率βおよび判別基準作成用に用意した複数枚の画
像を元に求めた各画素の平均μi と標準偏差σi を入力
値(n,m,dij,β,μi ,σi )として残りの変量
(真偽判別パラメータaj ,bj,wik,tと評価値
C,S,V)を求めるための構成であり、図中の矢印が
その処理手順を示すものである。尚、全画素を統一して
扱うため、濃度閾値dijは平均μi と標準偏差σi で正
規化した値αj (αj =dij−μi /σi )を用い、こ
れを「濃度区間係数αj 」と呼ぶ。
【0043】最終的には濃度閾値段数mと濃度区間係数
αj は、様々な値に固定して図14の各ブロックの処理
により、真偽判別パラメータ(aj ,bj ,wik,t)
と評価値(C,S,V)を求め、評価値(C,S,V)
に基づいて最適化を行い、真偽判別パラメータの設計を
完了する。
【0044】図14に示す真偽判別基準設計システム
は、判別基準データ数計算部11、濃度区間収容確率計
算部12、濃度閾値・区間幅計算部13、濃度区間得点
割当部14、カテゴリ決定部15、濃度閾値比較順位決
定部16、濃度閾値比較回数計算部17、真偽判別パラ
メータ計算部18より構成されている。また、カテゴリ
決定部15は、更に、ブロック確率加算部21、ブロッ
ク得点計算部22、ブロック体積加算部23、得点閾値
決定部24、カテゴリ収容容積計算部25から構成され
ている。尚、濃度閾値・区間幅計算部13、濃度区間得
点割当部14、濃度閾値比較順位決定部16、ブロック
得点計算部22および得点閾値決定部24は、設計すべ
き真偽判別パラメータ(aj ,bj ,dij,wik,t)
を求める処理部であり、判別基準データ数計算部11、
濃度閾値比較回数計算部17、ブロック体積加算部23
およびカテゴリ収容容積計算部25は、評価値(S,
C,V)を求める処理部である。
【0045】判別基準データ数計算部11は、画素数n
と閾値段数mとした場合、上記実施例1で示した判別基
準データ記憶部1に記憶する4種類のデータ(濃度閾値
データ1a、区間得点データ1b、得点閾値データ1
c、比較順位データ1d)のデータ数の合計を計算する
処理部である。濃度区間収容確率計算部12は、濃度区
間係数αj から各画素毎の濃度区間に真券画像の各画素
濃度xi が収容される確率を計算する処理部であり、求
められた値を、以降「濃度区間収容確率」と呼び、ρk
(k=1,…,m+1)で表す。濃度閾値・区間幅計算
部13は、各画素毎の平均μi と標準偏差σi から、濃
度閾値dijと濃度区間幅δikを計算する処理部である。
尚、濃度区間幅δikとは連続する濃度閾値間の距離(d
ij+1−dij)である。
【0046】濃度区間得点割当部14は、各濃度区間の
収容確率ρk と各濃度区間幅δikから各画素毎の濃度区
間毎の得点を計算する処理部であり、求めた得点を「濃
度区間得点」と呼び、以降wik(i=1,…,n,k=
1,…,m+1)で表す。カテゴリ決定部15は、所定
のカテゴリ収容率規格βを満足する真偽判別境界を決定
する処理部であり、得点閾値tとカテゴリ収容容積(真
偽判別精度V)を求める。即ち、ブロック確率加算部2
1は、濃度の閾値に区切られた各画素の区間に特徴画像
が分類される全ての組合せ(全てのブロック)につい
て、それぞれの組合せの確率を、濃度区間収容確率計算
部12で求めた各区間の分類確率から算出する機能を備
えている。尚、ブロックとは、後述するように、(m+
1) 個のn次直方体を意味している。また、ブロック
得点計算部22は、前記の全ての組合せにおけるそれぞ
れの組合せの合計得点を、濃度区間得点割当部14で求
めた各画素毎でかつ各区間毎の得点から算出する機能を
備えている。更に、ブロック体積加算部23は、それぞ
れの組合せの区間幅の積を各画素毎、かつ、各区間毎の
区間幅から算出し、求めた区間幅の積を合計得点の高い
組合せから順に加算するものである。
【0047】濃度閾値比較順位決定部16は、濃度区間
の収容確率ρk から効率の良い区間判定のための濃度閾
値の比較順位aj ,bj を求める処理部である。濃度閾
値比較回数計算部17は、各画素の濃度xi と濃度閾値
dijとの平均比較回数Cを求める処理部である。真偽判
別パラメータ計算部18は、判別基準データ数計算部1
1で求めた全データ数と、濃度閾値比較回数計算部17
で求めた平均比較回数と、ブロック体積加算部23で求
めた真偽判別精度とを評価値とし、この評価値が所定値
となる時の濃度の閾値、閾値段数および得点の閾値等の
真偽判別パラメータを求めるための処理部である。
【0048】次に実施例2の動作を各処理部毎に説明す
る。 <判別基準データ数計算部11>図15は、判別基準デ
ータ数計算部11の演算説明図である。図示のように、
判別基準データは4種類あり、画素数n、閾値段数mの
時、それぞれのデータ数Sは図のように求められる。
尚、図示例はデータ型を同一としてデータ数を求めた例
である。
【0049】<濃度区間収容確率計算部12>図16
は、濃度区間収容確率計算部12の演算説明図である。
一般に、正規分布に従う変量Xは、平均μと標準偏差σ
で正規化した値をY{=(X−μ)/σ}とすると、値
がX以下となる確率は、図中の演算式(1)に示すよう
に、平均0、標準偏差1の標準正規分布の確率分布関数
P(Y)を用いて求められる。また、各画素の濃度は正
規分布に従うため、各濃度区間に真券の濃度が含まれる
確率を表す濃度区間収容確率ρk (k=1,…,m+
1)は、演算式(1)を用いて全画素一律に図中の演算
式(2)のように求められる。
【0050】<濃度閾値・区間幅計算部13>図17
は、濃度閾値・区間幅計算部13の演算説明図である。
区間係数がαj の時、各濃度閾値は、演算式(3)を要
素とするm×nの配列となる。(i=1,…,n,j=
1,…,m) また、濃度区間幅は、連続する濃度閾値間の距離であり
演算式(4)に示す値となる。但し、この演算式(4)
において、i=1,…,nk=1,…m+1であり、d
i0=0,dim+1=Lとする。従って、演算式(3)、演
算式(4)を用いて濃度区間幅は画素毎に演算式(5)
に示すように求められる(濃度範囲を0〜Lとする)。
【0051】<濃度区間得点割当部14>濃度区間得点
割当部14では、入力パラメータの条件下で特徴空間内
のカテゴリ収容容積Vを最小とする区間得点wik(i=
1,…,n,k=1,…,m+1)の割り当てを行う。
本発明の媒体の真偽鑑別装置における真偽判別は、各画
素濃度をm個の閾値によって分割した(m+1)個の濃
度区間の収容判定により行うものである。従って、この
分類は特徴空間内においては、入力画像を表す点を各軸
が(m+1)個に分割された(m+1)n 個のn次直方
体の一つに分類することに相当する。このn次直方体を
以降「ブロック」と呼ぶことにする。
【0052】ブロックの辺は全て(m+1)個の濃度区
間の内の一つで構成されている。従って、各ブロックに
は以下の演算式(6)に示すような各画素の濃度区間に
予め与えられた得点の和による固有の得点を持つ。これ
を「ブロック得点WB 」と呼び、各画素(各辺i:i=
1,…,n)の収容される区間番号がそれぞれ(k1,
k2 ,…,kn )である時、次式(6)のように各画素
の得点wikを用いて表される。 WB (k1 ,k2 ,…,kn )=w1k1 +w2k2 +…+wnkn (6)
【0053】上式(6)中の各画素の得点wikの設定方
法をブロックを用いて以下に説明する。真偽判別処理で
は、各ブロックは得点WB を得点閾値tと比較すること
で真ブロックと偽ブロックの2種類に分類される。従っ
て、ブロックの得点設定によりカテゴリ収容閉曲面が決
定する。例えば画素数nが2(2次元)で、閾値段数m
=2の場合のブロック得点分布の例が図10であり、閾
値段数m=4の場合のブロック得点分布の例が図11で
ある。また、得点閾値tにより決定するカテゴリ収容閉
曲面の例が図12である。上述したように、カテゴリ収
容閉曲面は真券カテゴリの一定率を小さい容積で収容す
るほど真偽判別精度が高い。本実施例ではブロックによ
りカテゴリ収容閉曲面を構築するので、真ブロックの体
積の合計が小さいほど真偽判別精度が高いことになる。
【0054】各ブロックには真券をブロックに収容する
確率(以降「ブロック確率PB 」と呼ぶ)と、体積(以
降「ブロック体積VB 」と呼ぶ)の二種類の変量を持
つ。濃度閾値dijは固定されているため、これらの変量
は各ブロックに固有である。従って、真券の一定率を含
み、かつ、できるだけ小さい容積の真カテゴリを形成す
るためには、以下の演算式(7)に示す「ブロック確率
密度EB 」の高いブロックから順にブロック確率の和が
所定値になるまでのブロックを真ブロックとして選べば
良い。ここで「ブロック確率密度EB 」とはブロック確
率PB とブロック体積VB を用いて次式で定義される量
である。 (ブロック確率密度EB )=ブロック確率PB /ブロック体積VB (7)
【0055】各画素(各辺i:i=1,…,n)の収容
される区間番号が(k1 ,k2 ,…,kn )である時、
ブロック確率PB は各画素の収容確率ρk を用いて次の
演算式(8)で表される。 PB (k1 ,k2 ,…,kn)=ρk1ρk2…ρkn (8) また、同じく各画素(各辺i:i=1,…,n)の収容
される区間番号が(k1 ,k2 ,…kn )である時、ブ
ロック体積VB は各画素の収容される濃度区間幅δikを
用いて次の演算式(9)で表される。 VB (k1 ,k2,…,kn )=δ1k1 δ2k2 …δnkn (9) 従って、ブロック確率密度EB は次のように表される。
【0056】図18は、その濃度区間得点割当部14に
おける演算説明図である。ここで、演算式(10)がブ
ロック確率密度EB を示している。そして、この演算式
(10)の対数をとると、演算式(11)となる。但
し、εiki = log(ρki /δiki )である。従って、
各画素の区間得点wikの配点方法を、各ブロックの持つ
ブロック確率密度EB の順位を維持した配点とするため
には、式(11)を式(6)のブロック得点WB と比較
することにより以下の演算式(12)とすれば良い。 wik=εiki =log(ρki /δiki ) (12) 式(12)より区間得点は各画素の濃度区間の密度(濃
度区間の収容確率ρk/濃度区間幅δik)を反映した値
になっていることが分かる。また、式(12)におい
て、εik(i=1,…,n,k=1,…,m+1)は正
規分布が単峰性の分布であることから、平均に近い区間
程高い配点になっていることがわかる。
【0057】<カテゴリ決定部15>図19は、カテゴ
リ決定部15におけるカテゴリ決定方法の説明図であ
る。カテゴリ決定部15は、上述したように、ブロック
確率加算部21、ブロック得点計算部22、ブロック体
積加算部23の処理部を備え、これら処理部は、それぞ
れ、ブロック確率PB 、ブロック得点WB (ブロック
得点は、濃度区間得点割当部14で新たに定義された変
量)、ブロック体積VB の変量を有している。ブロック
確率PB は式(8)より、ブロック体積VB は式(9)
より、ブロック得点WB は式(6)よりそれぞれ求める
ことができた。
【0058】従って、その内の二変量を用いて(ブロッ
ク得点−ブロック確率)の関係および(ブロック得点−
ブロック体積)の関係がそれぞれ求められる。つまり図
19に示すように、得点WB に対するブロック確率PB
(WB )とブロック体積VB(WB )の関係が決まる。
前に述べた通り、高精度な真偽判別境界面を形成するた
めには、高確率密度(高得点)のブロックから順に優先
して総体積が所定値になるまで真ブロックとみなすこと
により、一定率のカテゴリを最小容積のブロックで包含
することができるものである。ある得点閾値tを設けた
時、得点がt以上となる(WB ≧t)ブロックのブロッ
ク確率PB (WB )の和を「カテゴリ収容確率PC
(t)」と呼び、図中の演算式(13)で表すことがで
きる。また、ある得点閾値tを設けた時、得点がt以上
となる(WB ≧t)ブロックのブロック体積VB (WB
)の和を「カテゴリ収容容積VC (t)」と呼び図中
の演算式(14)で表すことができる。
【0059】従って、カテゴリ収容確率PC (t)が、
カテゴリ収容率の規格値β以上(PC (t)≧β)とな
る最小のtが、入力パラメータ(n,m,dij,β,μ
i ,σi )の条件下で最も高い真偽判別精度を持つ得点
閾値t′として求められる。また、得点閾値をt′とす
るカテゴリ収容容積VC (t′)が真偽判別精度Vを表
す評価値となる。
【0060】<濃度閾値比較順位決定部16>収容確率
ρk は各濃度区間k(k=1,…,m+1)により異な
る値である。従って、各画素濃度xi の収容区間判定に
おいて、濃度閾値の選択順位によって比較回数に違いが
生じる。最も効率の良い濃度閾値の比較順位は収容確率
ρk の高い濃度区間を優先して判定されるように閾値の
比較順位を決めることである。それにより区間判定に要
する比較順位を最低限に抑えることができる。
【0061】<濃度閾値比較回数計算部17>各濃度区
間k(k=1,…,m+1)の収容確率をρk とし、上
記の濃度閾値比較順位決定部16で決めた比較順位に基
づく各濃度区間の判定までに要する比較回数をck (k
=1,…,m+1)とした場合、平均比較回数Cは次の
演算式(15)で表せる。尚、各濃度区間の収容率ρk
は全画素一律であるため、比較回数の平均値は全画素に
ついて同一である。 C=c1・ρ1 +c2・ρ2 +…+cm+1・ρm+1 (15)
【0062】<真偽判別パラメータ計算部18>この真
偽判別パラメータ計算部18では、閾値段数mと濃度区
間係数αj の最適化を行う。上記の判別基準データ数計
算部11〜濃度閾値比較回数計算部17における各処理
は、閾値段数mと濃度区間係数αj を固定した時の各判
別基準パラメータ(aj ,bj ,dij,wik,t)と、
各判別基準の評価値(C,S,V)の算出方法を述べた
ものである。
【0063】しかしながら、装置の性能を最大限に生か
す判別基準パラメータ(aj ,bj,dij,wik,t)
とするためには、所定の計算時間Cとデータ数Sの許容
範囲内で最も真偽判別精度Vが高くなる閾値段数mと濃
度区間係数αj (j=1,…,m)の組合せを見つける
必要がある。即ち、真偽判別精度Vを評価基準とする閾
値段数mと濃度区間係数αj (j=1,…,m)の最適
化を行うを行う必要がある。最適化の方法はパラメータ
の全組合せについて計算し最適値を求める全探索やニュ
ーラルネットを用いた最適化、遺伝的アルゴリズムを用
いた最適化等の各種手法の適用が考えられる。
【0064】図20に閾値段数毎に区間係数αj (j=
1,…,m)の最適化を行って得た各判別基準パラメー
タ(aj ,bj ,dij,wik,t)と評価値(C,S,
V)の例を示す。尚、閾値段数mの区別のため、各評価
値(Cm ,Sm ,Vm )には閾値段数mを添字してあ
る。また、閾値段数mが偶数であるのは濃度平均を中心
に対称に濃度閾値を設けているためである。濃度閾値d
ijについて最適化されていれば、閾値段数mが多い程、
比較回数C、データ数Sは共に増加し、カテゴリ収容容
積(真偽判別精度)Vは減少するはずであるから、比較
回数Cとデータ数Sが共にそれぞれ所定値以下であり、
かつ、カテゴリ収容容積Vが最も小さな(判別精度が高
い)閾値段数mの真偽判別パラメータを最適パラメータ
として決定することができる。以上が本実施例による真
偽判別基準の設計方法である。
【0065】以上のように、上記実施例2によれば、流
通有価証券の画像濃度の統計的性質を利用することによ
り真偽判別基準を設定できるため以下の効果が期待でき
る。 真券の分布に即した精度の高い真偽判別基準を設けら
れる。 統計分布を用いて定量的に真偽判別基準が設計できる
ため、経験や試行錯誤によらずに計算のみでパラメータ
を求めることができる。 偽造券のデータを収集あるいは想定しなくても真券の
データのみにより真偽判別基準が設計できる。 真偽判別装置の記憶容量または処理時間を有効に利用
した設計が可能である。 収容確率の高い濃度区間を優先して判定することによ
り、閾値段数が増えても比較処理回数を最小限に抑えた
高速な判別が可能である。
【0066】更に、これらの効果を図面を用いて説明す
る。図21、22および図24は、各画素の濃度の平均
μi が、一律L/2(Lは画像濃度の最大値)、標準偏
差σi が、一律 0.03921Lの場合を例にとり、真券収容
率βを0.95に規格化して判別基準を設計した際のカテゴ
リ収容容積(真偽判別精度V)を表したものである。
尚、カテゴリ収容容積Vは特徴空間の体積を1として正
規化してある。ここで、図21は特徴画像の画素数nを
400に、閾値段数mを2段に固定して真偽判別基準を
設計した時の濃度閾値(平均に対して対称に設けた一対
の区間係数−α1 とα1 )の値に対するカテゴリ収容容
積(真偽判別精度V)を示すものである。真偽判別精度
Vは特徴空間の体積を1とした時のカテゴリ収容容積の
比率を表したものである。横軸に濃度区間係数α1 をと
り、縦軸にカテゴリ収容容積Vを対数表示してある。ま
た、図22は特徴画像の画素数nを50に、閾値段数m
を4段に固定して真偽判別基準を設計した時の濃度閾値
(平均に対して対称に設けた二対の区間係数−α2 ,−
α1 ,α1 ,α2 )の値に対するカテゴリ収容容積(真
偽判別精度V)を示すものである。真偽判別精度Vは特
徴空間の体積を1とした時のカテゴリ収容容積の比率を
表したものである。x軸に濃度区間係数α1 を、y軸に
濃度区間係数α2 をとり、縦軸にカテゴリ収容容積Vを
対数表示してある。
【0067】上述したように、カテゴリ収容容積Vが小
さい程一定率の真券を効率良く収容していることになり
真偽判別精度が高い。図21、図22を見ると、共に濃
度区間係数αj の大きさにより真偽判別精度の評価値で
あるカテゴリ収容容積Vは大きく変化することが分か
る。これは、従来、経験に頼って設計していた閾値が真
偽判別精度に大きく依存するパラメータであり、わずか
な設計の誤りが誤判別の確率を大きく増加させる可能性
があることを示すものである。両図ともに最適な濃度閾
値(区間係数αj )は存在し、図21の例ではα1 =
2.2付近の値を、図22ではα1 =1.8,α2 =
3.2付近の値を用いて最適な真偽判別パラメータの設
計が可能であることが分かる。
【0068】図23は、閾値段数と評価値との関係を示
す説明図である。即ち、この図23は、特徴画像の画数
nを30に、閾値段数mを2、4、6、8、10段の場
合のそれぞれについて濃度閾値(平均に対して対称に設
けたm/2対の区間係数αj ,=1,…,m)を真偽判
別精度Vについて最適化して求めた評価値(比較回数
C、データ数S、カテゴリ収容容積V)を示すものであ
る。また、図24は、この図23のカテゴリ収容容積
(真偽判別精度)Vの閾値段数m特性をグラフ化した結
果である。尚、図24のグラフの折れ線の下に破線で表
示してある水平な直線は、本入力条件による真券分布の
一定率βを収容するカテゴリ収容閉曲面の容積最小化の
理論限界(公開技報番号94−20359に示された原
理による計算結果)を示すものである。
【0069】図25は、図23の平均比較回数Cの閾値
段数m特性をグラフ化した結果である。図24のカテゴ
リ収容容積Vの閾値段数m特性を見ても分かる通り、閾
値の段数を2段から順に増やしていくと最初急激にカテ
ゴリ収容容積(真偽判別精度V)は減少し、その後次第
に最適値へと近付いていくことが分かる。一方、図25
の平均比較回数Cの閾値段数m特性を見ると、カテゴリ
収容容積Vが閾値段数mの増加に対して最初急激に減少
したのに比べると、比較回数Cはあまり増加していない
ことが分かる。例えば、閾値段数を2段から10段へと
5倍に増やすと、カテゴリ収容容積Vは1/1000以
下に大幅に縮小されるにも拘らず、その比較回数Cの増
加量は高々2割にも満たない。これは真券の分布を効率
良く収容できる真偽判別パラメータ設計方法と収容確率
の高い濃度区間を優先して判定する比較方法による効果
であり、本発明の媒体の真偽鑑別装置が、高速かつ高精
度に真偽判別を実現できることを示すものである。
【0070】以上のように、上記実施例2によれば、真
券の各画素の濃度値が閾値によって区切られた区間に分
類される確率を予め用意した複数の真券画像データより
統計的に求める濃度区間収容確率計算部12と、この濃
度区間収容確率計算部12で求めた各区間への分類確率
の高い区間から順に優先して判定するよう濃度の閾値の
選択順位を決定する濃度閾値比較順位決定部16とを備
えたので、真券の閾値の比較回数を最低限に抑えた高速
な処理を行うことができる。
【0071】また、濃度閾値比較順位決定部16による
各濃度の区間分類に要する閾値の比較回数を各区間毎に
求め、求めた各区間毎の比較回数と、濃度区間収容確率
計算部12で求めた各区間毎の分類確率から、画素濃度
が全区間に分類されるまでの平均比較回数を算出する濃
度閾値比較回数計算部17と、この濃度閾値比較回数計
算部17で求めた平均比較回数を評価値とし、この評価
値が所定値となる真偽判別パラメータを求める真偽判別
パラメータ計算部18とを備えたので、規格によって許
される比較回数を最大限に有効利用して高精度な判別を
行うことができる。
【0072】更に、媒体の画像データの画素数と閾値の
段数の値に対応して、判別基準データ記憶部1に格納す
る真偽判別パラメータの全データ数を算出する判別基準
データ数計算部11と、この判別基準データ数計算部1
1で算出した全データ数を評価値とし、この評価値が所
定値となる真偽判別パラメータを求める真偽判別パラメ
ータ計算部18を備えたので、規格によって許される記
憶可能データ数を最大限に有効利用して高精度の判別を
行うことができる。
【0073】また、各画素の濃度の閾値によって区切ら
れる各区間の幅を算出する濃度閾値・区間幅計算部13
と、この濃度閾値・区間幅計算部13で求めた各区間の
幅と、各区間毎に真券が分類される確率を用いて各画素
毎、かつ、各区間毎に得点を決定する濃度区間得点割当
部14とを備えたため、入力画像が真券である可能性が
高い程高得点となり、精度の高い判別を行うことができ
る。
【0074】更に、真券の各画素の濃度値が閾値によっ
て区切られた区間に分類される確率を予め用意した複数
の真券画像データより統計的に求める濃度区間収容確率
計算部12と、濃度の閾値に区切られた各画素の区間
に、画像データにおける各画素が分類される全組合せに
ついて、それぞれの組合せの確率を、濃度区間収容確率
計算部12で求めた各区間の分類確率から算出するブロ
ック確率加算部15と、前記の全組合せにおけるそれぞ
れの組合せの合計得点を、濃度区間得点割当部14で求
めた各画素毎かつ各区間毎の得点から算出するブロック
得点計算部22と、ブロック得点計算部22で算出した
合計得点の高い組合せから順に確率を加算し、当該加算
した確率が所定の規格値以上になり、かつ、最も値が大
きい合計得点を閾値として求める得点閾値決定部24と
を備えたので、精度の高い真偽判別基準を設定すること
ができる。
【0075】そして、濃度の閾値に区切られた各画素の
区間に、画像データにおける各画素が分類される全組合
せについて、それぞれの組合せの区間幅の積を各画素
毎、かつ、各区間毎の区間幅から算出し、求めた区間幅
の積を合計得点の高い組合せから順に加算するブロック
体積加算部23と、このブロック体積加算部23で求め
た加算結果の値に基づき、得点の高い組合せから順に確
率と区間幅の積をそれぞれ別々に加算し、確率の加算値
が所定の規格値以上になった時の区間幅の積の加算値を
求めるカテゴリ収容容積計算部25と、この求めた区間
幅の積の加算値を真偽判別精度を表す評価値とし、この
評価値が所定値となる真偽判別パラメータを算出する真
偽判別パラメータ計算部18とを備えたので、更に精度
の高い真偽判別基準を設定することができる。
【0076】また、濃度閾値比較順位決定部16による
各濃度の区間分類に要する閾値の比較回数を各区間毎に
求め、求めた各区間毎の比較回数と、濃度区間収容確率
計算部12で求めた各区間毎の分類確率から画素濃度が
全区間に分類されるまでの平均比較回数を算出する濃度
閾値比較回数計算部17と、媒体の画像データの画素数
と閾値の段数の値に対応して、判別基準データ記憶部1
に格納する真偽判別パラメータの全データ数を算出する
判別基準データ数計算部11と、ブロック体積加算部2
3で求めた加算結果の値に基づき、得点の高い組合せか
ら順に確率と区間幅の積を、それぞれ別々に加算し、確
率の加算値が所定の規格値以上になった時の区間幅の積
の加算値を求めるカテゴリ収容容積計算部25と、これ
らによって求められた平均比較回数とデータ数とが共に
所定値以下であり、かつ、カテゴリ収容容積計算部25
によって求めた区間幅の積の加算値が最も小さい真偽判
別パラメータを求める真偽判別パラメータ計算部18と
を備えたので、媒体の真偽鑑別装置に許される処理時間
と記憶容量の制限を最大限に有効利用して高精度な判別
を行うことができる。
【0077】尚、上記実施例2において、濃度区間収容
確率計算部12では、特徴画像の各画素濃度の統計分布
の例として、正規分布を用いて収容確率を計算したが、
実際の統計データを用いて各濃度区間の収容確率を求め
ることにより、基本的に任意の統計的分布に対して本発
明の原理は適用することができる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の媒体の真
偽鑑別装置によれば、複数の濃度の閾値により区切られ
る各区間に得点を与え、画像データの各画素毎に、どの
区間の得点となるかを判定し、全画素の合計得点が、予
め定めた真偽判別のための得点閾値以上である場合に真
券、得点閾値より小さい場合は偽券であると判定するよ
うにしたので、濃度レベルの比較と得点の加算処理のみ
の簡易な処理により、高速な判別が行える。しかも、濃
度を多段の閾値により多区間に分割することにより、例
えば2段の閾値の場合に比べてきめ細かい判別を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の媒体の真偽鑑別装置における実施例1
の構成図である。
【図2】一般的な媒体認識処理の概略を示す説明図であ
る。
【図3】一般的な真偽判別方法の一例を示す説明図であ
る。
【図4】本発明の媒体の真偽鑑別装置における真偽判別
動作で用いる真偽判別基準の説明図である。
【図5】本発明の媒体の真偽鑑別装置の実施例1におけ
る濃度閾値データの説明図である。
【図6】本発明の媒体の真偽鑑別装置の実施例1におけ
る比較順位データの説明図である。
【図7】本発明の媒体の真偽鑑別装置の実施例1におけ
る区間得点データの説明図である。
【図8】本発明の媒体の真偽鑑別装置の実施例1におけ
る得点閾値データの説明図である。
【図9】本発明の媒体の真偽鑑別装置の実施例1におけ
る真偽判別処理の動作フローチャートである。
【図10】真偽判別における得点分布例の説明図(その
1)である。
【図11】真偽判別における得点分布例の説明図(その
2)である。
【図12】得点閾値による真偽判別曲線の形状変化例の
説明図である。
【図13】特徴空間による券種判別と真偽判別の説明図
である。
【図14】本発明の実施例2による真偽判別基準設計シ
ステムの構成図である。
【図15】本発明の実施例2における判別基準データ数
計算部の演算説明図である。
【図16】本発明の実施例2における濃度区間収容確率
計算部の演算説明図である。
【図17】本発明の実施例2における濃度閾値・区間幅
計算部の演算説明図である。
【図18】本発明の実施例2における濃度区間得点割当
部の演算説明図である。
【図19】本発明の実施例2のカテゴリ決定部における
カテゴリ決定方法の説明図である。
【図20】本発明の実施例2における閾値段数設計例の
説明図である。
【図21】本発明の実施例2における真偽判別精度の濃
度閾値特性の説明図(その1)である。
【図22】本発明の実施例2における真偽判別精度の濃
度閾値特性の説明図(その2)である。
【図23】本発明の実施例2における閾値段数と評価値
との関係を示す説明図である。
【図24】本発明の実施例2における真偽判別精度の濃
度閾値段数特性の説明図である。
【図25】本発明の実施例2における平均比較回数の濃
度閾値段数特性の説明図である。
【符号の説明】
1 判別基準データ記憶部 1a 濃度閾値データ 1b 区間得点データ 1c 得点閾値データ 1d 比較順位データ 2 濃度区間判定部 3 得点加算部 4 真偽判別部 11 判別基準データ数計算部 12 濃度区間収容確率計算部 13 濃度閾値・区間幅計算部 14 濃度区間得点割当部 15 カテゴリ決定部 16 濃度閾値比較順位決定部 17 濃度閾値比較回数計算部 18 真偽判別パラメータ計算部 21 ブロック確率加算部 22 ブロック得点計算部 23 ブロック体積加算部 24 得点閾値決定部 25 カテゴリ収容容積計算部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭6−301838(JP,A) 特開 平5−62045(JP,A) 特開 平2−148383(JP,A) 山北 治,有価証券の真偽判別基準設 計の高速化について,電子情報通信学会 技術研究報告,日本,社団法人電子情報 通信学会,1996年 1月19日,Vol. 95 No.470,9−16 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G07D 7/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各画素毎に、複数の濃度の閾値を表す濃
    度閾値データと、これら濃度の各閾値により区切られる
    各区間の得点を表す区間得点データと、全画素の合計得
    点の閾値を表す得点閾値データとからなる真偽判別パラ
    メータを格納する判別基準データ記憶部と、 媒体の画像データを入力し、当該画像データにおける各
    画素の濃度を、前記判別基準データ記憶部より取り出し
    た前記濃度閾値データと比較し、閾値により区切られる
    複数区間に分類する濃度区間判定部と、 前記判別基準データ記憶部より区間得点データを読み込
    み、当該区間得点データに基づき、前記濃度区間判定部
    により分類された区間の得点を各画素毎に算出し、前記
    媒体の全画素の合計得点を求める得点加算部と、 前記判別基準データ記憶部より得点閾値データを読み込
    み、当該得点閾値と、前記得点加算部で求めた合計得点
    とを比較して、当該合計得点が閾値以上の場合は、前記
    媒体は真券であると判定し、前記合計得点が閾値より小
    さい場合は前記媒体は偽券であると判定する真偽判定部
    とを備えたことを特徴とする媒体の真偽鑑別装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の媒体の真偽鑑別装置にお
    いて、 各画素の濃度を予め定めた複数の閾値と比較する際、選
    択する閾値番号の順番を比較結果の場合毎に応じて複数
    設けた比較順位データを真偽判別パラメータとして備え
    た判別基準データ記憶部と、 前記判別基準データ記憶部より比較順位データを読み込
    み、比較結果に応じて記憶した閾値番号の選択順に閾値
    を選択して濃度の区間への分類を行う濃度区間判定部と
    を備えたことを特徴とする媒体の真偽鑑別装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の媒体の真偽鑑別装置にお
    いて、 真券の各画素の濃度値が閾値によって区切られた区間に
    分類される確率を、予め用意した複数の真券画像データ
    における前記各区間毎の出現頻度により求める濃度区間
    収容確率計算部と、 前記濃度区間収容確率計算部で求めた各区間への分類確
    率の高い区間から順に優先して判定するよう濃度の閾値
    の選択順位を決定する濃度閾値比較順位決定部とを備え
    たことを特徴とする媒体の真偽鑑別装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の媒体の真偽鑑別装置にお
    いて、 濃度閾値比較順位決定部による各濃度の区間分類に要す
    る閾値の比較回数を各区間毎に求め、当該求めた各区間
    毎の比較回数と、濃度区間収容確率計算部で求めた各区
    間毎の分類確率から画素濃度が全区間に分類されるまで
    の平均比較回数を算出する濃度閾値比較回数計算部と、 前記濃度閾値比較回数計算部で求めた平均比較回数を評
    価値とし、当該評価値が所定値となる閾値段数を真偽判
    別パラメータとして求める真偽判別パラメータ計算部と
    を備えた媒体の真偽鑑別装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の媒体の真偽鑑
    別装置において、 媒体の画像データの画素数と閾値の段数の値に対応し
    て、判別基準データ記憶部に格納する真偽判別パラメー
    タの全データ数を算出する判別基準データ数計算部と、 前記判別基準データ数計算部で算出した全データ数を評
    価値とし、この評価値が所定値となる閾値段数を真偽判
    別パラメータとして求める真偽判別パラメータ計算部を
    備えたことを特徴とする媒体の真偽鑑別装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の媒体の真偽鑑別装置に
    おいて、 各画素の濃度の閾値によって区切られる各区間の幅を算
    出する濃度閾値・区間幅計算部と、 前記濃度閾値・区間幅計算部で求めた各区間の幅と、各
    区間毎に真券が分類される確率を用いて各画素毎、か
    つ、各区間毎に得点を決定する濃度区間得点割当部とを
    備えたことを特徴とする媒体の真偽鑑別装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の媒体の真偽鑑別装置に
    おいて、 真券の各画素の濃度値が閾値によって区切られた区間に
    分類される確率を予め用意した複数の真券画像データ
    おける前記各区間毎の出現頻度により求める濃度区間収
    容確率計算部と、画像データの画素数をnとした場合に各画素の濃度を軸
    としたn次の特徴空間において、前記 閾値に区切られた
    各画素の区間に、画像データにおける各画素が分類され
    前記特徴空間内の全ブロックについて、それぞれの
    ロックの確率を、前記濃度区間収容確率計算部で求めた
    各区間の分類確率から算出するブロック確率加算部と、 前記全ブロックにおける各ブロックの合計得点を、濃度
    区間得点割当部で求めた各画素毎かつ各区間毎の得点か
    ら算出するブロック得点計算部と、 前記ブロック得点計算部で算出した合計得点の高いブロ
    ックから順に確率を加算し、当該加算した確率が所定の
    規格値以上になり、かつ、最も値が大きい合計得点を閾
    値として求める得点閾値決定部とを備えたことを特徴と
    する媒体の真偽鑑別装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の媒体の真偽鑑別装置にお
    いて、 濃度の閾値に区切られた各画素の区間に、画像データに
    おける各画素が分類される特徴空間内の全ブロックにつ
    いて、それぞれのブロックの体積を各画素毎、かつ、各
    区間毎の区間幅から算出し、求めたブロックの体積を合
    計得点の高いブロックから順に加算するブロック体積加
    算部と、 前記ブロック体積加算部で求めた加算結果の値に基づ
    き、得点の高いブロックから順に確率とブロックの体積
    をそれぞれ別々に加算し、確率の加算値が所定の規格
    値以上になった時のブロックの体積の加算値をカテゴリ
    収容容積として求めるカテゴリ収容容積計算部と、 前記カテゴリ収容容積計算部で求めたブロックの体積
    加算値を真偽判別精度を表す評価値とし、当該評価値が
    所定値となる濃度閾値と区間得点と得点閾値を真偽判別
    パラメータとして算出する真偽判別パラメータ計算部と
    を備えたことを特徴とする媒体の真偽鑑別装置。
  9. 【請求項9】 請求項3記載の媒体の真偽鑑別装置にお
    いて、 濃度閾値比較順位決定部による各濃度の区間分類に要す
    る閾値の比較回数を各区間毎に求め、当該求めた各区間
    毎の比較回数と、濃度区間収容確率計算部で求めた各区
    間毎の分類確率から画素濃度が全区間に分類されるまで
    の平均比較回数を算出する濃度閾値比較回数計算部と、 媒体の画像データの画素数と閾値の段数の値に対応し
    て、判別基準データ記憶部に格納する真偽判別パラメー
    タの全データ数を算出する判別基準データ数計算部と、 濃度の閾値に区切られた各画素の区間に、画像データに
    おける各画素が分類される特徴空間内の全ブロックにつ
    いて、それぞれのブロックの体積を各画素毎、かつ、各
    区間毎の区間幅から算出し、求めたブロックの体積を合
    計得点の高いブロックから順に加算するブロック体積加
    算部と、 前記ブロック体積加算部で求めた加算結果の値に基づ
    き、得点の高いブロックから順に確率とブロックの体積
    をそれぞれ別々に加算し、確率の加算値が所定の規格
    値以上になった時のブロックの体積の加算値をカテゴリ
    収容容積として求めるカテゴリ収容容積計算部と、 前記濃度閾値比較回数計算部によって求められた平均比
    較回数と、前記判別基準データ数計算部によって求めら
    れたデータ数とが共に所定値以下であり、かつ、前記カ
    テゴリ収容容積計算部によって求められたブロックの体
    の加算値が最も小さい比較順位と濃度閾値と区間得点
    と得点閾値とを真偽判別パラメータとして求める真偽判
    別パラメータ計算部とを備えたことを特徴とする媒体の
    真偽鑑別装置。
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山北 治,有価証券の真偽判別基準設計の高速化について,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,1996年 1月19日,Vol.95 No.470,9−16

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