JP3359113B2 - 締付けバンドと締付け工具 - Google Patents

締付けバンドと締付け工具

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JP3359113B2
JP3359113B2 JP23124493A JP23124493A JP3359113B2 JP 3359113 B2 JP3359113 B2 JP 3359113B2 JP 23124493 A JP23124493 A JP 23124493A JP 23124493 A JP23124493 A JP 23124493A JP 3359113 B2 JP3359113 B2 JP 3359113B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用ブーツ等の接
続部分の被締結体を締め付ける締付けバンドと締付け工
具に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は、従来の締付けバンドの締付け
状態を示す図面である。図11は、図10に示す従来の
締付け工具の矢印A方向から見た図であり、締付け工具
の先端部の形状を示す説明図である。締付けバンド50
は、パイプ52にゴム管等の被締結体54を接続した際
に使用するものである。56は全長に亘って略均一の幅
に形成された金属製のバンド本体であり、一端が、他端
側の外側に位置するように巻かれてリング状に形成され
た状態において内側重ね合わせ部58と外側重ね合わせ
部60とを有する。またバンド本体56の内側重ね合わ
せ部58と外側重ね合わせ部60とは、互いに例えばス
ポット溶接等で連結されている。62は締付け耳部であ
り、外側重ね合わせ部60の中途部分を外方に突出させ
てコ字状に形成されている。この締付け耳部62は、こ
わゆるオエテイッカー(Oetiker )の耳と呼ばれている
公知の縮径手段である。上記構成の締付けバンド50
は、最初にバンド本体56を金属平板から型抜きし、バ
ンド本体56の所定位置に締付け耳部62を形成し、そ
の後にカールして最後にスポット溶接等で内側重ね合わ
せ部58と外側重ね合わせ部60とを連結することでリ
ング状に形成する。この締付けバンド50は、被締結体
54に外嵌した後に締付け耳部62の立ち上げ部分をペ
ンチ状の締付け工具64を用いて潰すことによりバンド
本体56が縮径して、被締結体54を締め付けることが
できる。なお、従来の締付け工具64の締付け耳部62
の立ち上げ部分と当接する先端部66の形状は、その先
端縁が略直線に形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の締付けバンドと締付け工具には次のような課題があ
る。締付けバンドは、締付け耳部を形成した後にバンド
本体をカールするため、カールした際に締付け耳部の各
折曲部分の角度がゆるくなり、締付け耳部の各立ち上げ
部分の間隔が、その上端部分に比べて下端部分が広くな
りがちである。このため、締め付け時には各立ち上げ部
分の下端部分と当接する締付け工具の先端部が各立ち上
げ部分の上方に向けて滑り易く、従って締付け作業が行
いにくい。また、締付け工具の先端部は略直線に形成さ
れているため、各立ち上げ部分の下端部分と当接した際
にはバンド本体の幅方向にも滑り易い。このため締め付
けた際、締付け耳部へ力が斜め方向に加わり、締付け耳
部がねじれ、締付けバンドに対して常時加わる拡径方向
の力に対して弱くなるという課題がある。そこで、本発
明は、締付け作業が正確、かつ迅速に行える締付けバン
ドと締付け工具を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次の構成を備える。すなわち、一端が、他
端側の外側に位置するように巻かれてリング状に形成さ
れた状態において内側重ね合わせ部と外側重ね合わせ部
とを有する金属製のバンド本体と、該バンド本体の一端
に設けられた第1の係止部と、前記内側重ね合わせ部に
設けられ、前記第1の係止部と係合可能な第2の係止部
と、前記外側重ね合わせ部の中途部分を外方に突出させ
てコ字状に形成され、各立ち上げ部分の中途部は立ち上
げ部分の下端部より幅広に形成された締付け耳部とを具
備することを特徴とする。
【0005】また、少なくとも前記締付け耳部の領域内
にある前記内側重ね合わせ部の幅方向の両端部から、外
方に突出して設けられたガイド部を備えていることを特
徴とする。
【0006】また、前述した締付けバンドの締付け耳部
の立ち上げ部分に各先端部が当接すると共に、該各先端
部が互いに接近することで各立ち上げ部分を近づけて前
記バンド本体を縮径させる締付け工具において、前記各
先端部の先端縁の形状は、中央部分が窪んだ凹状に形成
されていることを特徴とする。
【0007】
【作用】締付けバンドを被締結物に外嵌し、締付け工具
により締付けバンドの締付け耳部を締め付けてバンド本
体を縮径する際に、締付け耳部の各立ち上げ部分の下端
部は、内側重ね合わせ部に設けられたガイド部にガイド
されて互いに接近する。また、締付け耳部の立ち上げ部
分の中途部を下端部より幅広に形成し、締付け工具の先
端部の先端縁の形状を中央部分が窪んだ凹状とすると、
締付けの際に立ち上げ部の下端部に締付け工具の先端部
が食い込み、滑りにくい。
【0008】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について添付図
面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明にかかる
締付けバンドの締付け状態を示す正面図である。図2
は、図1の平面図である。図3は、図1の左側面図であ
る。図4は、図1の締付けバンドのカールする前の状態
を示す平面図である。図5は、図4の締付けバンドに締
付け耳部を形成した際の正面図である。図6は、図4の
締付けバンドにガイド部と第2の係止部を形成した際の
正面図である。図7は、図4の締付けバンドに第1の係
止部を形成した際の正面図である。図8は、図1の締付
けバンドを締めつけた際の、締付け耳部とガイド部を示
す要部正面図である。図9は、図8に使用する締付け工
具の先端部の形状を示す説明図である。
【0009】まず、締付けバンド10の構成について図
1から図3を用いて説明する。12は金属製のバンド本
体であり、その一端が、他端側の外側に位置するように
巻かれてリング状に形成された状態において、内側重ね
合わせ部14と外側重ね合わせ部16とを有する。18
は第1の係止部であり、バンド本体12の一端がT字状
に形成され、バンド本体12の幅方向に突出する部分を
外方に折曲することで、バンド本体12の一端に設けら
れている。なお、突出する部分は内方に折曲してもよい
し、また折曲しない構造としても良い。20は内側重ね
合わせ部14に設けられたフック状の第2の係止部であ
る。第2の係止部20の間隔は、第1の係止部18の幅
より狭くなるように形成されており、バンド本体12が
カールされてリング状に形成された状態において、第1
の係止部18と係合可能である。係合した場合には、第
1の係止部18が第2の係止部20の外側(バンド本体
12の幅方向の外側)に位置し、締付けバンド10を締
めつけた際に第2の係止部20の間隔が広がるのを防止
している。なお、第1の係止部18と第2の係止部20
の形状は、本実施例に限定されるものではなく、例えば
第1の係止部18の形状を係止穴とし、第2の係止部2
0の形状を係止穴と係合する係止片としても良い。
【0010】22は締付け耳部であり、外側重ね合わせ
部16の中途部分を外方に突出させてコ字状に形成され
ている。24a、24bは締付け耳部の立ち上げ部分と
しての脚部である。なお、締付け耳部22には補強のた
めの凹部26が設けられている。また、本実施例では脚
部24a、24bの幅は、図1に示す様に下端部から上
端部方向に向けて次第に幅広となるように形成されてい
るが、脚部24a、24bの中途部が下端部より幅広と
なるような形状であれば、どの様な形状であっても良
い。28a、28bはガイド部であり、少なくとも締付
け耳部22の領域内にある内側重ね合わせ部14の幅方
向の両端部から、外方に突出して設けられている。ま
た、各ガイド部28a、28bの間隔は、締付け耳部2
2の各脚部24a、24bの下端部の幅より若干長く形
成されている。本実施例においてガイド部28a、28
bは、バンド本体12がリング状に形成された際に、締
付け耳部22を含む範囲に亘り、締付け耳部22の突出
高さより低い高さで連続して突設されているが、例えば
各ガイド部28a、28bを幾つかに分割して突設する
ようにしても良い。
【0011】続いて、図1と、図4から図8を用いて、
締付けバンド10の加工手順について説明する。平板状
の金属板(不図示)から、型抜きして図4に示すような
形状のバンド本体12を製作し、続いて図4に示すB部
に、図5に示すように締付け耳部22をプレスで形成す
る。この際に、C部が脚部24a、24bとなる。次
に、バンド本体12の他端部にあるD部とE部を所定の
径にカールしながら、直線M、Nで外方へ折り曲げて、
図6に示すようにそれぞれの位置に第2の係止部20と
ガイド部28a、28bを形成する。次に、バンド本体
12の一端からバンド本体12の幅方向に突出するF部
分を直線M、Nで外方へ折り曲げて、第1の係止部18
を形成する。最後に、バンド本体12を、その一端が他
端の外側に位置するように重ねてさらにカールし、第1
の係止部18を第2の係止部20と係合させて図1に示
すリング状の締付けバンド10とする。なお、30はバ
ンド本体12の他端に設けられた第1の透孔であり、締
付けバンド10を用いてゴム管等の被締結体(不図示)
をパイプ(不図示)に接続した際に生ずる段差を軽減さ
せるためのものである。また32はバンド本体12のD
部に設けられた第2の透孔であり、第2の係止部20が
折曲されて形成され、曲げの変形に対して強度が増して
いるD部が、締付け時に弧状に変形し易くするためのも
のである。
【0012】次に、上述した締付け耳部22を締めつけ
る締付け工具32について図8、図9を用いて説明す
る。締付け工具32は、従来の締付け工具32と略同様
の構造を有するが、締付け耳部22の脚部24a、24
bと当接する先端部34の形状が異なっている。詳細に
は、その先端縁が、中央部分が窪んだ凹状に形成されて
いる。また、先端部34の幅は、脚部24a、24bの
下端部の幅と略同じか、または若干幅広に形成されてい
る。なお、締付けバンド10の縮径量を多くするために
は、なるべく締付け耳部22の脚部24a、24bの下
端部に当接することが必要となるので、先端部34の幅
はガイド部28a、28bの間隔より狭くした方が良い
が、ガイド部28a、28bの突出高さが低い場合に
は、先端部34の幅はガイド部28a、28bの間隔よ
り広くても良い。
【0013】次に、図1と図8を用いて、締付けバンド
10の締付け手順について説明する。図1に示すよう
に、リング状に形成した締付けバンド10の各脚部24
a、24bの下端部に締付け工具32の先端部34を当
接させ、締付け工具32の先端部34を接近させること
で各脚部24a、24bを互いに接近させて締付けバン
ド10を縮径させて被締結体(不図示)をパイプ(不図
示)に接続する。各脚部24a、24bは下端部から上
端部方向に向けて次第に幅広となるように形成されてお
り、また締付け工具32の先端部34の先端縁の形状も
凹状に形成されている。このため、一旦先端部34が脚
部24a、24bに当接した後の締付け時には、締付け
工具32の先端部34が脚部24a、24bの幅方向の
両端縁に引っ掛かるように食い込むため滑り難く、図8
に示す締付け工具32による締付け耳部22の締めつけ
を確実に行うことができる。
【0014】また、さらに締付け耳部22の脚部24
a、24bはガイド部28a、28bによりガイドされ
て接近するため、締付け工具32から締付け耳部22に
加わる力が多少斜め方向にずれても、脚部24a、24
bはバンド本体12の内側重ね合わせ部14からはみ出
さず、締付け耳部22がねじれた状態で締めつけられる
ことはない。これにより、締付け後、常時加わる拡径方
向の力に対して強くなる。また、図1に示すように締付
け耳部22をリング状の締付けバンド10の最上部に位
置させた場合に、第1の係止部18と第2の係止部20
の係合位置が締付けバンド10の中心線Lより下方とな
る位置にすると、係合部分に加わる力が周方向に沿って
働くため、フック状の第2の係止部20が変形し難くな
る。
【0015】以上本発明の好適な実施例を挙げて種々説
明したが、本発明は上記実施例に限定されるものでな
く、ガイド部を内側重ね合わせ部に設けず、締付け耳部
の脚部の形状を中途部が下端部より幅広とするだけであ
っても、先端縁が凹状に形成された締付け工具を用いれ
ば締付け作業の作業性を向上させることができる等、発
明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るこ
とは勿論である。
【0016】
【発明の効果】本発明に係る締付けバンドと締付け工具
を用いると、締付けバンドを被締結物に外嵌し、締付け
工具により締付けバンドの締付け耳部を締め付けてバン
ド本体を縮径する際に、締付け耳部の各立ち上げ部分の
下端部は、内側重ね合わせ部に設けられたガイド部にガ
イドされて互いに接近する。このため、締め付けた際に
締付け耳部へ斜め方向の力が加わった場合でも、締付け
耳部がねじれて締付けられることがなく、バンドに対し
て常時加わる拡径方向の力に対して強くなる。また、締
付け耳部の立ち上げ部分の中途部を下端部より幅広に形
成し、締付け工具の先端部の先端縁の形状を中央部分が
窪んだ凹状とすると、締付けの際に立ち上げ部の下端部
に締付け工具の先端部が食い込み、滑りにくくなるた
め、締付け作業が正確、かつ迅速に行うことができると
いう顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる締付けバンドの締付け状態を示
す正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の左側面図である。
【図4】図1の締付けバンドのカールする前の状態を示
す平面図である。
【図5】図4の締付けバンドに締付け耳部を形成した際
の正面図である。
【図6】図4の締付けバンドにガイド部と第2の係止部
を形成した際の正面図である。
【図7】図4の締付けバンドに第1の係止部を形成した
際の正面図である。
【図8】図1の締付けバンドを締めつけた際の、締付け
耳部とガイド部を示す要部正面図である。
【図9】図8に使用する締付け工具の先端部の形状を示
す説明図である。
【図10】従来の締付けバンドの締付け状態を示す図面
である。
【図11】図10に示す従来の締付け工具の矢印A方向
から見た図であり、締付け工具の先端部の形状を示す説
明図である。
【符号の説明】
10 締付けバンド 12 バンド本体 14 内側重ね合わせ部 16 外側重ね合わせ部 18 第1の係止部 20 第2の係止部 22 締付け耳部 28a、28b ガイド部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端が、他端側の外側に位置するように
    巻かれてリング状に形成された状態において内側重ね合
    わせ部と外側重ね合わせ部とを有する金属製のバンド本
    体と、 該バンド本体の一端に設けられた第1の係止部と、 前記内側重ね合わせ部に設けられ、前記第1の係止部と
    係合可能な第2の係止部と、 前記外側重ね合わせ部の中途部分を外方に突出させてコ
    字状に形成され、各立ち上げ部分の中途部は立ち上げ部
    分の下端部より幅広に形成された締付け耳部とを具備す
    ることを特徴とする締付けバンド。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記締付け耳部の領域内にあ
    る前記内側重ね合わせ部の幅方向の両端部から、外方に
    突出して設けられたガイド部を備えていることを特徴と
    する請求項1記載の締付けバンド。
  3. 【請求項3】 前記請求項1または2記載の締付けバン
    ドの締付け耳部の立ち上げ部分に各先端部が当接すると
    共に、該各先端部が互いに接近することで各立ち上げ部
    分を近づけて前記バンド本体を縮径させる締付け工具に
    おいて、 前記各先端部の先端縁の形状は、中央部分が窪んだ凹状
    に形成されていることを特徴とする締付け工具。
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