JP3356311B2 - リベット列又はボルト列により接合した板材の接合部分の接合法 - Google Patents
リベット列又はボルト列により接合した板材の接合部分の接合法Info
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Description
いる、リベット列又はボルト列により接合したパネルの
接合部分の接合法に関するものである。
ャンボ機の後部圧力隔壁の破壊を原因とする無残な墜落
事故や、正に奇跡的にも墜落だけは免れはしたがアロハ
航空機の機体の機首後方部分の上部2/3が吹き飛んだ
事故などは今も記憶に新しい所である。
た機体の破壊は、1フライト毎に基体が内外の圧力差を
受けることによりリベット列を用いて接合したアルミ合
金パネル接合部に繰り返し引張応力が掛かり、金属疲労
による亀裂が個々のリベット穴から隣のリベット穴を互
いに結び合う方向に徐々に進行し、最終的には応力的に
無視できない程大きく発達し、遂には最終の応力賦加時
に数十個にも及ぶリベット穴からなるリベット穴列が、
その間にこの種の事故を防止するだけの強度を持たせて
あったはずの、フレームやストリンガーが複数本設置さ
れていたにも拘わらず一気に破断する“マルチサイトク
ラック”と呼ばれる現象によって惹き起こされるものと
されている。
上の定格応力に近い引張応力がリベット穴の列に繰り返
し賦加され続けることであるということは言うまでもな
いが、一方、金属材料の特性として、賦加応力値が低下
すれば応力の繰り返し回数に対する材料の耐久性は飛躍
的に高くなることが良く知られている。
例とする引張応力を想定した場合について言えば、“パ
ネルの接合部”には設計上の定格応力に近い引張応力が
掛かることは避けるべくも無いが、このとき“リベット
などの穴の列”には減価された応力しか掛からない様に
工夫した工作が加工工作段階で施されていれば、自体は
格段に安全なものとなる筈である。
的なイメージがやや近いものとして例に上げるならば、
コンクリートの構造物に於いては既に広く実用化されて
いる技術であるPC(プレストレスド・コンクリート)
工法と同様な工夫を加工工作段階で施してやれば良い筈
であるということである。
動時に当該等の装置の作動時に生じる(引張)応力と逆
向きで適当な、本発明の効果によりプレストレスとして
残留的に作用する逆(圧縮)応力が賦価された状態とし
てやれば良い筈だということである。
夫はなされておらず、ここで例として取り上げた航空機
の場合に見られるように特に重量に関する制約が重要で
ある場合には、充分な安全係数を見込むことを主眼とす
る安全確保の対策は容易には採用し得ない為に、時とし
て上述のような無残な事故に結び付きがちであった。
無い通常の場合には、充分な安全率を得るため徒に材料
と経費の無駄を招いている。
費の無駄を省き、より安全で有効なリベット列,ボルト
列を用いた板材の接合部分の接合法を提供することを技
術的課題とするものである。
により接合した板材の接合部分において、その加工工作
時に、当該接合部分を有する装置の通常の稼動時に当該
接合部分に掛かると想定されている応力の方向と逆向き
で、且つ、加工の最終段階での締付けにより、その締付
けの効果として、締付けが継続している間は当該装置の
非稼動時にも、プレストレスとして残留的に作用し続け
ている逆応力を賦加せしめておき、当該装置の通常の稼
動時に当該接合部分に掛かる応力を、この当該装置の非
稼動時にも、プレストレスとして残留的に作用し続けて
いる逆応力によって相殺せしめて、接合部分の負荷応力
を軽減せしめるようにしたことを特徴とするリベット列
又はボルト列により接合した板材の接合部分の接合法に
係るものである。
合した板材の接合部分に通常の稼動時に掛かると想定さ
れる応力と逆向きで且つ加工の最終段階での締付けによ
り、その締付けの効果として、締付けが継続している間
は当該装置の非稼動時にも、プレストレスとして残留的
に作用し続けている逆応力を賦加せしめたので、当該装
置の通常の稼動時に当該接合部分に掛かる応力が予め賦
加された当該装置の非稼動時にも、プレストレスとして
残留的に作用し続けている逆応力により減価され接合部
分の負荷応力が軽減される。
ので、航空機の機体のように表面の平滑性についての配
慮から継手板3により板体1,2を突き合わせ状態に接
続するリベット接合部aを図示しており、機体の稼動時
には引張応力が作用する場合について説明する。
1,2の先端1',2'間に間隔Aを設け、この左右の板
体1,2を継手板3により重合状態にリベット(又はボ
ルト)4にて接合し、このリベット(又はボルト)接合
部aの左右に対向状態に賦加板5,6の基部5',6'を
止着し、他端を継手板3に間隙を存して添設し先端部を
下方に折り曲げて垂設板7,8を形成し、垂設板7,8
間に間隔Bを設け、この間隔Bを締縮(又は張拡)固定
せしめて前記リベット(又はボルト)接合部aに稼動時
に生じる応力の方向と逆向きで且つ本発明の効果により
プレストレスとして残留的に作用する逆(圧縮)応力を
賦価せしめる賦加体9を前記垂設板7,8に架設固着し
た場合を図示している。
(又はボルト)を示し、その傾きによってリベットなど
に掛かる剪断応力の方向の区分(圧縮応力が掛かった状
態か、引張応力が掛かった状態かによって夫々のリベッ
トなどに掛かるずれ応力の区分)を示す。(但し、同図
面はあくまでも模式図なので図2及び図3に於けるリベ
ットなどの位置のずれや描示された傾きの程度などは実
際の加工工作によって生ずるリベットなどの位置のずれ
や夫々のリベットに掛かっている応力の大きさを正確に
反映したものではない。)また、“─”印は間隙Bを締
縮(又は拡張)固定せしめる賦加体9を示す。
ト4,4の穴の列には減価された引張応力が掛かった場
合を示しているほか、接着剤の効果などについては考慮
から省いている。
逆(圧縮)応力賦価前 図1は加工工作時の途中の状態即ちプレストレスとして
残留的に作用する逆(圧縮)応力賦価前の状態を模式的
に示したものである。
端1',2'間に間隔Aを設け、この左右の板体1,2を
継手板3により重合状体にリベット4にて接合し、この
リベット接合部aの左右に対向状態に賦加板5,6の基
部5',6'をリベットb,bにより止着し、他端を継手
板3に間隙を存して添設し先端部を下方に折り曲げて垂
設板7,8を形成し、垂設板7,8間に間隔Bを設け、
次の段階でこの間隔Bを締縮固定せしめる賦加体9を前
記垂設板7,8に架設する。
設計において個々に決定される。
逆(圧縮)応力賦価時 図2はプレストレスとして残留的に作用する逆(圧縮)
応力賦価加工が終了した状態で、且つ、装置は非稼動状
態にある場合を示した図である。
加体9によって締縮固定せしめると、板体1,2の先端
1',2'間に設けた隙間Aが狭められる。(図2で隙間
Aはほぼ0となった状態を例示しているが、何処まで狭
められるかは、隙間Aの隙間0を含めてその時の設計に
よる。)この時、“リベット4,4の列”には本発明の
効果によりプレストレスとして残留的に作用する逆(圧
縮)応力(実施例では圧縮応力бc)が掛かった状態と
なっており、また、付随的な事柄ながら板体1,2と賦
加板5,6とを夫々止着しているリベットb,bの列及
び垂設板7,8を締付固着している賦加体9には既にこ
の段階で引張応力が掛かっている(リベット4,4及び
リベットb,bの列についてはリベットなどを示す
“|”印の傾きでそれらの状態を示している。)。
が賦加された状態を示した図である。この時リベット接
合部aに加わる引張応力はб=бt−бcとなりこの減価
された引張応力бは定格の引張応力бtに比較してかな
り小さいものとなるので、リベット接合部aの耐久性が
格段に向上し、安全性が向上する。一方板体1,2と賦
加板5,6とを接合しているリベットb,bの列及び垂
設板7,8とを締縮固定する賦加体9には通常よりも大
きい引張応力が掛かることになるがこれらへの対策はリ
ベットの径を大きくしたり、列数を増やしたり、あるい
は、賦加板5,6及び垂設板の寸法の増大、又は、より
強度の高い材料の使用など比較的その対策は容易であ
る。
るときは、前記とは逆に賦加体9により垂設板7,8の
間隔Bを増大せしめることによりリベット接合部aに当
該装置の非稼動時にも、プレストレスとして残留的に作
用し続けている逆応力を賦価せしめ、該当部の耐久力を
増大せしめることが可能である。
ルト列により接合した板材の接合部分において、その加
工工作時に、当該の接合部分を有する装置の通常の稼動
時に当該の接合部分に掛かると想定されている応力の方
向と逆向きで、且つ、加工の最終段階での締付けによ
り、その締付けの効果として、締付けが継続している間
は当該装置の非稼動時にも、プレストレスとして残留的
に作用し続けている逆応力を賦加せしめておき、当該の
装置の通常の稼動時に当該の接合部分に係る応力を、こ
の当該装置の非稼動時にも、プレストレスとして残留的
に作用し続けている逆応力によって相殺せしめて、接合
部分の負荷応力を軽減せしめるように構成したから、板
材のリベット列やボルト列による接合部分には、作動定
格応力が予め賦価された本発明の効果によりプレストレ
スとして残留的に作用する逆(圧縮)応力によって減価
され、それだけ接合部分の耐久性が向上する。
トによる接合部分はその結果、材料と経費の無駄を省き
より安全性が向上する秀れたリベット列やボルト列など
で接合した板材などの接合法となる。
特に顕著となり、賦加板と賦加板の中間ではやや弱くな
るものと考えられるので、例えば、本発明を航空機に適
用した場合について言えば、フレームやストリンガーが
賦加板に相当することになるが、リベット列のフレーム
やストリンガーに近い部分では何事も無い状態でフレー
ムとフレームの間や、ストリンガーとストリンガーの間
にクラックが発生するように板体に相当する外板の板厚
をやや薄めに設計することにより、機体の異常を逸早く
発見し、早めのメンテナンスが施せるようにすることも
できる。
レスとして残留的に作用し続けている逆応力賦価前の板
体の接合部分の構成を示す模式的説明図である。
レスとして残留的に作用し続けている逆応力賦価時のリ
ベットにかかる応力の状態を示す模式図である。
態を示す模式図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 リベット列又はボルト列により接合した
板材の接合部分において、その加工工作時に、当該接合
部分を有する装置の通常の稼動時に当該接合部分に掛か
ると想定されている応力の方向と逆向きで、且つ、加工
の最終段階での締付けにより、その締付けの効果とし
て、締付けが継続している間は当該装置の非稼動時に
も、プレストレスとして残留的に作用し続けている逆応
力を賦加せしめておき、当該装置の通常の稼動時に当該
接合部分に掛かる応力を、この当該装置の非稼動時に
も、プレストレスとして残留的に作用し続けている逆応
力によって相殺せしめて、接合部分の負荷応力を軽減せ
しめるようにしたことを特徴とするリベット列又はボル
ト列により接合した板材の接合部分の接合法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24970292A JP3356311B2 (ja) | 1992-09-18 | 1992-09-18 | リベット列又はボルト列により接合した板材の接合部分の接合法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24970292A JP3356311B2 (ja) | 1992-09-18 | 1992-09-18 | リベット列又はボルト列により接合した板材の接合部分の接合法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06182478A JPH06182478A (ja) | 1994-07-05 |
JP3356311B2 true JP3356311B2 (ja) | 2002-12-16 |
Family
ID=17196935
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24970292A Expired - Lifetime JP3356311B2 (ja) | 1992-09-18 | 1992-09-18 | リベット列又はボルト列により接合した板材の接合部分の接合法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3356311B2 (ja) |
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JPS6267315A (ja) * | 1985-09-18 | 1987-03-27 | 日本発条株式会社 | 懸架装置用uボルト |
JP2557879B2 (ja) * | 1987-04-24 | 1996-11-27 | トピ−工業株式会社 | ホイ−ルのボルト穴のナツト座加工方法 |
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JPH0562723U (ja) * | 1991-04-26 | 1993-08-20 | 三菱自動車工業株式会社 | コネクティングロッド構造 |
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-
1992
- 1992-09-18 JP JP24970292A patent/JP3356311B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06182478A (ja) | 1994-07-05 |
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