JP3355764B2 - 平面アンテナ - Google Patents

平面アンテナ

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JP3355764B2
JP3355764B2 JP03604494A JP3604494A JP3355764B2 JP 3355764 B2 JP3355764 B2 JP 3355764B2 JP 03604494 A JP03604494 A JP 03604494A JP 3604494 A JP3604494 A JP 3604494A JP 3355764 B2 JP3355764 B2 JP 3355764B2
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博規 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波帯無線通信
端末機器に適用して好適となる平面アンテナに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、マイクロ波帯無線通信の分野
におけるアンテナ系として、構成が簡単で丈夫であり、
かつ低プロファイルな平面アンテナが広く知られてい
る。また、衛星を利用した移動体通信の分野では、移動
体が動くために広角な指向性をもつアンテナ素子が必要
となっている。
【0003】ところで、上述の平面アンテナの一つとし
て円形パッチアンテナなどでは高誘電率な基板を用いる
ことで磁流波源を小さくでき広角な指向性を実現でき
る。しかし、従来の円形パッチアンテナでは、指向性の
開き角が基板の誘電率に左右されるために指向性の開き
角に対し基板の選択に自由度がない、といった欠点をも
っている。
【0004】このような課題に応えて、基板の誘電率に
左右されない構成として、図5にその一例を示すような
平面アンテナがすでに報告されている(電子情報通信学
会論文誌 B−II Vol.J72−B−II N
o.9 pp.462−4671989年9月)。
【0005】この従来の技術による平面アンテナは、例
えば円形状の接地導体23と円環形状の放射導体21と
が、やはり円形状の誘電体層22を介して配され、接地
導体23の外周部と放射導体21の外周部は短絡導体2
7により接続されて形成されている。
【0006】そして給電点10は、放射導体21のX軸
上において、原点Oから適宜オフセットされた位置に配
され、導電ピン12を通じて給電コネクタ11の心線に
接続されている。なお、給電コネクタ11のアース側は
接地導体23に接続されている。
【0007】以上のように構成される平面アンテナで
は、円環形状の放射導体21の内径(a)と外径(b)
の比を変えることにより、指向性の開き角を変えること
ができる。すなわち、基板の誘電率に左右されずに広角
な指向性を実現することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが上述した従来
の技術による平面アンテナでは、アンテナのサイズが比
較的大きなものとなり、例えば、携帯型の移動体通信機
器にはそぐわない構成である。
【0009】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であって、従来の技術による平面アンテナより、サイズ
の小さな平面アンテナを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の手段
は、下部接地導体3と、下部誘電体層2と、放射導体1
と、前記下部誘電体層2と略同一の厚みを有する上部誘
電体層4と、環状に形成される上部接地導体5とが、順
次積層されて配設され、上記上部接地導体5と上記下部
接地導体3とが、その外周に配設される筒状の側面接地
導体6とにより接続され、上記上部接地導体5の内環
(a)は、上記放射導体の外郭(b)より内側に設定さ
、上記放射導体の外郭より内側に設定され上記放射導
体1と上記下部接地導体3とが、その中心に配設される
棒状の短絡導体7により接続され、且つ、上記上部接地
導体の内環(a)と、上記放射導体の外郭(b)の大き
さを、 Jn′( kb) 〔Nn′( ka) Jn( kb) −Jn′( ka) Nn( kb) 〕 +Jn( kb) 〔Nn′( ka) Jn′( kb) −Jn′( ka) Nn′( kb ) 〕 =0 ただし、kは、波数 Jn′、Nn′は、第1種、第2種のベッセル関数の微
分形 で求めるようにした ことを特徴とする平面アンテナであ
る。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】本発明による第の手段は、下部接地導体
3と、下部誘電体層2と、放射導体1と、前記下部誘電
体層と略同一の厚みを有する上部誘電体層4と、環状に
形成される上部接地導体5とが、順次積層されて配設さ
れ、上記上部接地導体5と上記下部接地導体3とが、そ
の外周に配設される筒状の側面接地導体6とにより接続
され、上記上部接地導体の内環(a)は、上記放射導体
の外郭(b)より内側に設定され、上記放射導体1が環
状に形成され、上記放射導体1の内環(c)は、上記上
部誘電体層の内環より内側に設定され、且つ、上記上部
接地導体5の内環(a)と、上記放射導体1の外郭
(b)及び内環(c)の大きさを、 〔Nn′( ka) Jn( kb) −Jn′( ka) Nn( kb) 〕 〔Nn′( kc) Jn′( kb) −Jn′( kc) Nn′( kb) 〕 +〔Nn′( ka) Jn′( kb) −Jn′( ka) Nn′( kb) 〕 〔Nn′( kc) Jn( kb) −Jn′( kc) Nn( kb) 〕 =0 ただし、kは、波数 Jn′、Nn′は、第1種、第2種のベッセル関数の微
分形 で求めるようにしたことを特徴とする平面アンテナであ
る。
【0018】本発明による第の手段は、下部接地導体
と、下部誘電体層と、放射導体と、前記下部誘電体層と
略同一の厚みを有する上部誘電体層と、環状に形成され
る上部接地導体とが、順次積層されて配設され、 上記上
部接地導体と上記下部接地導体とが、その外周に配設さ
れる筒状の側面接地導体とにより接続され、 上記上部接
地導体の内環は、上記放射導体の外郭より内側に設定さ
れ、 上記放射導体と上記下部接地導体とが、上記放射導
体の内環に沿って配設される筒状の短絡導体により接続
され、 且つ、上記上部接地導体5の内環(a)と、上記
放射導体1の外郭(b)及び内環(c)の大きさを、 〔Nn′( ka) Jn( kb) −Jn′( ka) Nn( kb) 〕 〔Nn( kc) Jn′( kb) −Jn( kc) Nn′( kb) 〕 +〔Nn′( ka) Jn′( kb) −Jn′( ka) Nn′( kb) 〕 〔Nn( kc) Jn( kb) −Jn( kc) Nn( kb) 〕 =0 ただし、kは、波数 Jn′、Nn′は、第1種、第2種のベッセル関数の微
分形 で求めるようにしたことを特徴とする平面アンテナであ
る。
【0019】
【0020】
【作用】これによれば、下部接地導体と、下部誘電体層
と、放射導体と、上部誘電体層と、環状に形成される上
部接地導体とを順次積層して配設し、上部接地導体と下
部接地導体とをその外周に配設される筒状の側面接地導
体により接続し、上部接地導体の内環を放射導体の外郭
より内側に設定することにより、基板(誘電体層)の誘
電率に左右されずに広角な指向性を実現でき、かつサイ
ズを小型にすることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の平面アンテナの実施例につい
て、理論による計算式及び図面等を参照しながら説明す
る。
【0022】図1において、同図のAは、第1の実施例
による平面アンテナの正面構成を示している。また同図
のBは、その平面アンテナのα−α線による断面構成を
示している。
【0023】これらの図1のA及びBに示すように、第
1の実施例では、下部接地導体3、下部誘電体層2、放
射導体1、上部誘電体層4、上部接地導体5が順次積層
されて構成される。なお、下部誘電体層2と上部誘電体
層4について、それぞれの厚みは略同じである。下部接
地導体3、下部誘電体層2、放射導体1、上部誘電体層
4は、それぞれ円形状に形成され、また、上部接地導体
5は、円環形状に形成されている。さらに、上部接地導
体5と、下部接地導体3は、その外周部において、筒状
の側面接地導体6により接続されている。
【0024】そして、上部接地導体5の内周(a)は、
放射導体1の外周(b)より内側に設定されている。な
お、放射導体1と下部接地導体3は、その中心部におい
て、棒状の短絡導体7により接続されているが、これは
主に動作を安定させるためのもので、特に必要となるも
のではなく、省略してもよい。
【0025】給電点10は、インピーダンス整合をとる
ため放射導体のX軸上において原点Oから適宜オフセッ
トした位置に配され、下部誘電体層2を貫通する導体ピ
ン12を通じて、給電ポートとしての給電コネクタ11
の心線に接続されている。給電コネクタ11のアース側
は、下部接地導体3に接続されている。導体ピン12に
代替してスルーホールにより接続しても良い。信号電力
の入出力は、この給電コネクタ11を通じて行われる。
【0026】本発明の平面アンテナの第1の実施例は、
以上のように構成される。そして、この第1の実施例に
おいて、各部の大きさが以下のようにして求められる。
【0027】通常平面アンテナのサイズは、接地導体と
放射導体との間の内部電界の式を境界条件について解く
ことにより求められる。円形あるいは円環の放射導体を
有する平面アンテナの場合、その内部電界は、円筒座標
系において次式のように表すことができる。
【0028】
【数1】Ez=Eo cos(nφ)〔AnJn(kρ)+Bn
Nn(kρ)〕 ただし、Ez :内部電界のz成分 Jn、Nn :第1種、第2種のベッセル関数 ρ、φ :円筒座標における径及び方位角 An、Bn :任意係数 Eo :振幅 k :波数 である。また、基板(誘電体層)の厚さ(h)は波長に
比べて十分小さいことを前提として、導出されている。
【0029】すなわち、Maxwellの方程式より、
波動方程式は、
【数2】 と書ける。
【0030】この〔数2〕の式を、円筒座標(ρ、φ、
z)で表すと、
【数3】 となる。
【0031】ここで、アンテナ内部の電界は、z成分の
みであり、基板の厚さ(h)は自由空間波長λ0 に比べ
て十分に小さいので、z方向に沿って変化しない。従っ
て、
【数4】 と変数変換できるものと仮定すると、〔数3〕の式は
〔数5〕のようになる。
【0032】
【数5】
【0033】この〔数5〕の式は、
【数6】 の2式に分離される。nは分離定数と呼ばれる。
【0034】この〔数6〕式の第1式のR(ρ)に対す
る2つの独立な解を、Jn(kρ)、Nn(kρ)と表
す。Jn(kρ)はベッセル関数、もしくは第1種ベッ
セル関数、Nn(kρ)はノイマン関数、もしくは第2
種ベッセル関数と呼ばれる。
【0035】従ってR(ρ)の一般解は、
【数7】R(ρ)=AnJn(kρ)+BnNn(kρ) と表される。An、Bnは未定係数である。
【0036】また〔数6〕式の第2式のΨ(φ)に対す
る解は、
【数8】Ψ(φ)=Cn sin(nφ)+Dn cos(nφ)=E
n cos[n(φ−φ0)] である。Cn、Dn、Enは未定係数である。
【0037】従って〔数3〕の解は、
【数9】Ez=En cosn(φ−φ0)〔AnJn(kρ)
+BnNn(kρ)〕 と表される。
【0038】そこでφの基準となるφ0 をx軸上にお
く、すなわちφ0 =0とすると、〔数9〕の式は、上述
の〔数1〕の式となり、この式が平面アンテナの内部電
界の一般式である。
【0039】そこでさらに、上述の第1の実施例におい
て、上述の〔数1〕の式より、領域の内部電界E
z1は、
【数10】Ez1=E01 cos(nφ)〔AnJn(kρ)+B
nNn(kρ)〕 である。
【0040】一方、領域において、Nn(kρ)はρ
=0で無限大となり、物理的に不適である。従ってBn
=0とし、内部電界Ez2は、
【数11】Ez2=E02 cos(nφ)Jn(kρ) と表される。
【0041】そこで、領域において、アンテナが共振
するための境界条件は、
【数12】 である。
【0042】そこで、領域において、アンテナが共振
するための境界条件は、
【数13】 である。
【0043】また、領域、において、アンテナが共
振するための境界条件は、
【数14】
【0044】
【数15】 である。
【0045】従って、4つの境界条件を、上述の〔数1
0〕〔数11〕の式にあてはめることにより、アンテナ
の共振条件
【数16】Jn′(kb)〔Nn′(ka)Jn(kb)−J
n′(ka)Nn(kb)〕+Jn(kb)〔Nn′(ka)J
n′(kb)−Jn′(ka)Nn′(kb)〕=0 ただし、kは波数 Jn′、Nn′は、第1種、第2種のベッセル関数の微
分形 が求められる。
【0046】そこでこの〔数16〕の式において、指向
性の開き角を決定するパラメータであるkaが1.0と
なる場合について、kbを求めれば1.58となり、図
5に示した従来の技術による平面アンテナのka=1.
0となる場合について求めたkb=3.46に比し、半
分以下となる。なお図2に、それぞれ計算によって求め
た、従来の技術による平面アンテナと、本発明の平面ア
ンテナの固有値(kb)特性の一例を示す。図より明ら
かなように、本発明の平面アンテナは、従来の技術によ
る平面アンテナに比し、半分以下のサイズとなる。
【0047】こうして上述の装置によれば、下部接地導
体3と、下部誘電体層2と、放射導体1と、上部誘電体
層4と、環状に形成される上部接地導体5とを順次積層
して配設し、上部接地導体5と下部接地導体3とをその
外周に配設される筒状の側面接地導体6により接続し、
上部接地導体5の内環(a)を放射導体1の外郭(b)
より内側に設定することにより、基板(誘電体層2、
4)の誘電率に左右されずに広角な指向性を実現でき、
かつサイズを小型にすることができるものである。
【0048】なお上述の第1の実施例において、アンテ
ナサイズとして、放射導体1の外周(b)を30.0m
mとし、基板(誘電体層2、4)の厚さ(h)を、誘電
体層2ならびに誘電体層4のそれぞれについて同一の厚
さ、h=0.8mmとした場合について試作し、上部接
地導体5の内周(a)の値を順次変えたときの共振周波
数(fr)を求めると、その値は次のようになる。ただ
し、基板(誘電体層)の材質はチューコーフロー(テフ
ロングラスファイバー)を使用し、εr =2.6、tan
δ=1.8×10-3(1GHz)とする。
【0049】(1) a=15.0mm fr=
1.64GHz (2) a=18.0mm fr=1.61GH
z (3) a=22.0mm fr=1.62GH
z (4) a=26.0mm fr=1.68GH
【0050】一方、例えば(1)と同じ周波数(1.6
4GFz)で、外径(b)/内径(a)=2.0となる
円環キャビティーアンテナの場合、計算機によるシミュ
レーションでは、 外径(b)=70.7mm 内径(a)=35.7mm となる。
【0051】また、同一周波数の円形パッチアンテナの
場合の径は、 径:32.9mm 径:30.0mmの円形パッチアンテナの周波数は、 fr=1.83GHz となる。
【0052】従ってこれらの結果より、同一周波数では
小型のサイズが得られるものであり、また同一径での共
振周波数が低いことは、より小型のサイズが可能となる
ことを意味するものである。
【0053】次に、本発明の平面アンテナの第2の実施
例について、図3等を参照しながら説明する。
【0054】図3において、同図のAは、第2の実施例
による平面アンテナの正面構成を示している。また同図
のBは、その平面アンテナのα−α線による断面構成を
示している。
【0055】これらの図3のA及びBに示すように、第
2の実施例では、第1の実施例と同様に、下部接地導体
3、下部誘電体層2、放射導体1、上部誘電体層4、上
部接地導体5が順次積層されて構成される。そして、下
部接地導体3、下部誘電体層2、上部誘電体層4は、そ
れぞれ円形状に形成され、また、放射導体1と上部接地
導体5は、それぞれ円環形状に形成される。上部接地導
体5と、下部接地導体3は、その外周部において、筒状
の側面接地導体6により接続されている。
【0056】そして、上部接地導体5の内周(a)は、
放射導体1の外周(b)より内側に、放射導体1の内周
(c)はさらにその内側に設定されている。
【0057】給電点10は、インピーダンス整合をとる
ため放射導体のX軸上において原点Oから適宜オフセッ
トした位置に配され、下部誘電体層2を貫通する導体ピ
ン12を通じて、給電ポートとしての給電コネクタ11
の心線に接続されている。給電コネクタ11のアース側
は、下部接地導体3に接続されている。導体ピン12に
代替してスルーホールにより接続しても良い。信号電力
の入出力は、この給電コネクタ11を通じて行われる。
【0058】本発明の平面アンテナの第2の実施例は以
上のように構成される。そしてこの第2の実施例につい
ても、第1の実施例と同様に、境界条件を〔数1〕の式
に代入して方程式を解けば、kbが求められ、やはり第
1の実施例と同様に、従来の技術による平面アンテナの
kbに比べて小さくなるので、アンテナサイズは小型と
なる。
【0059】なお、第2の実施例において、境界条件を
〔数1〕の式に代入して得た方程式は、次の〔数17〕
のようになる。
【0060】
【数17】〔Nn′(ka)Jn(kb)−Jn′(ka)N
n(kb)〕〔Nn′(kc)Jn′(kb)−Jn′(kc)
Nn′(kb)〕+〔Nn′(ka)Jn′(kb)−Jn′
(ka)Nn′(kb)〕〔Nn′(kc)Jn(kb)−J
n′(kc)Nn(kb)〕=0 ただし、kは、波数 Jn′、Nn′は、第1種、第2種のベッセル関数の微
分形
【0061】さらに、本発明の平面アンテナの第3の実
施例について、図4等を参照しながら説明する。
【0062】図4において、同図のAは、第2の実施例
による平面アンテナの正面構成を示している。また同図
のBは、その平面アンテナのα−α線による断面構成を
示している。
【0063】これらの図4のA及びBに示すように、第
3の実施例では、第1の実施例と同様に、下部接地導体
3、下部誘電体層2、放射導体1、上部誘電体層4、上
部接地導体5が順次積層されて構成される。そして、下
部接地導体3、下部誘電体層2、上部誘電体層4は、そ
れぞれ円形状に形成され、また、放射導体1と上部接地
導体5は、それぞれ円環形状に形成される。上部接地導
体5と、下部接地導体3は、その外周部において、筒状
の側面接地導体6により接続されている。
【0064】また、放射導体1と下部接地導体3とは、
その内周部において、筒状の短絡導体17により接続さ
れている。なお、この筒状の短絡導体17は、複数に分
割構成してもよく、例えば、内周部に沿って多数配置さ
れたスルーホールでも代替可能である。そして、上部接
地導体5の内周(a)は、放射導体1の外周(b)より
内側に、放射導体1の内周(c)はさらにその内側に設
定されている。
【0065】給電点10は、インピーダンス整合をとる
ため放射導体のX軸上において原点Oから適宜オフセッ
トした位置に配され、下部誘電体層2を貫通する導体ピ
ン12を通じて、給電ポートとしての給電コネクタ11
の心線に接続されている。給電コネクタ11のアース側
は、下部接地導体3に接続されている。導体ピン12に
代替してスルーホールにより接続しても良い。信号電力
の入出力は、この給電コネクタ11を通じて行われる。
【0066】本発明の平面アンテナの第3の実施例は以
上のように構成される。そしてこの第3の実施例につい
ても、第1の実施例と同様に、境界条件を〔数1〕の式
に代入して方程式を解けば、kbが求められ、やはり第
1の実施例と同様に、従来の技術による平面アンテナの
kbに比べて小さくなるので、アンテナサイズは小型と
なる。
【0067】なお、第3の実施例において、境界条件を
〔数1〕の式に代入して得た方程式は、次の〔数18〕
のようになる。
【0068】
【数18】〔Nn′(ka)Jn(kb)−Jn′(ka)N
n(kb)〕〔Nn(kc)Jn′(kb)−Jn(kc)N
n′(kb)〕+〔Nn′(ka)Jn′(kb)−Jn′
(ka)Nn′(kb)〕〔Nn(kc)Jn(kb)−Jn
(kc)Nn(kb)〕=0 ただし、kは、波数 Jn′、Nn′は、第1種、第2種のベッセル関数の微
分形
【0069】以上に示した全ての実施例において、筒状
の側面接地導体6は、複数に分割構成してもよく、例え
ば、外周部に沿って多数配置されたスルーホールでも代
替可能である。
【0070】また、以上に示した全ての実施例では、放
射導体、接地導体及び誘電体層の形状が円形状及び円環
形状の場合について示したが、矩形状またはそのほかの
形状であっても、同様な効果を得ることができる。なお
矩形の場合の計算式は提示しないが、サイズが小型化で
きることは上述の円形の実施例から理解される。またサ
イズは実験により求めることができるものである。
【0071】さらに、給電構成は、1点給電のみなら
ず、複数給電でもよく、これより、円偏波及び楕円偏波
を放射する場合においても、同様の構成が可能であり、
本発明の効果を得ることができる。
【0072】なお、本発明は、上記した実施例に限ら
ず、本発明の要旨を逸脱することなく種々の構成をとり
うることはもちろんである。
【0073】
【発明の効果】この発明によれば、下部接地導体と、下
部誘電体層と、放射導体と、上部誘電体層と、環状に形
成される上部接地導体とを順次積層して配設し、上部接
地導体と下部接地導体とをその外周に配設される筒状の
側面接地導体により接続し、上部接地導体の内環を放射
導体の外郭より内側に設定することにより、基板の誘電
率に左右されずに広角な指向性を実現でき、かつサイズ
を小型にすることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による平面アンテナの第1の実施例の構
成図である。
【図2】本発明の平面アンテナと従来の技術による平面
アンテナの固有値特性の一例を示す線図である。
【図3】本発明による平面アンテナの第2の実施例の構
成図である。
【図4】本発明による平面アンテナの第3の実施例の構
成図である。
【図5】従来の技術による平面アンテナの一例の構成図
である。
【符号の説明】
1 放射導体 2 下部誘電体層 3 下部接地導体 4 上部誘電体層 5 上部接地導体 6 側面接地導体 7 短絡導体 10 給電点 11 給電コネクタ 12 導体ピン 17 短絡導体 21 放射導体 22 誘電体層 23 接地導体 27 短絡導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−152828(JP,A) 特開 平7−221542(JP,A) 特開 平5−291816(JP,A) 特開 平4−357702(JP,A) 特開 平4−144304(JP,A) 特開 昭63−88904(JP,A) 特開 昭63−199503(JP,A) 実開 平3−121716(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 13/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部接地導体と、下部誘電体層と、放射
    導体と、前記下部誘電体層と略同一の厚みを有する上部
    誘電体層と、環状に形成される上部接地導体とが、順次
    積層されて配設され、 上記上部接地導体と上記下部接地導体とが、その外周に
    配設される筒状の側面接地導体とにより接続され、 上記上部接地導体の内環は、上記放射導体の外郭より内
    側に設定され 上記放射導体の外郭より内側に設定され上記放射導体と
    上記下部接地導体とが、その中心に配設される棒状の短
    絡導体により接続され、 且つ、上記上部接地導体の内環(a)と、上記放射導体
    の外郭(b)の大きさを、 Jn′( kb) 〔Nn′( ka) Jn( kb) −Jn′( ka) Nn( kb) 〕 +Jn( kb) 〔Nn′( ka) Jn′( kb) −Jn′( ka) Nn′( kb ) 〕 =0 ただし、kは、波数 Jn′、Nn′は、第1種、第2種のベッセル関数の微
    分形 で求めるようにした ことを特徴とする平面アンテナ。
  2. 【請求項2】 下部接地導体と、下部誘電体層と、放射
    導体と、前記下部誘電体層と略同一の厚みを有する上部
    誘電体層と、環状に形成される上部接地導体とが、順次
    積層されて配設され、 上記上部接地導体と上記下部接地導体とが、その外周に
    配設される筒状の側面接地導体とにより接続され、 上記上部接地導体の内環は、上記放射導体の外郭より内
    側に設定され、 上記放射導体が環状に形成され、上記放射導体の内環
    は、上記上部誘電体層の内環より内側に設定され、 且つ、 上記上部接地導体の内環(a)と、上記放射導体
    の外郭(b)及び内環(c)の大きさを、 〔Nn′( ka) Jn( kb) −Jn′( ka) Nn( kb) 〕 〔Nn′( kc) Jn′( kb) −Jn′( kc) Nn′( kb) 〕 +〔Nn′( ka) Jn′( kb) −Jn′( ka) Nn′( kb) 〕 〔Nn′( kc) Jn( kb) −Jn′( kc) Nn( kb) 〕 =0 ただし、kは、波数 Jn′、Nn′は、第1種、第2種のベッセル関数の微
    分形 で求めるようにしたことを特徴とする平面アンテナ。
  3. 【請求項3】 下部接地導体と、下部誘電体層と、放射
    導体と、前記下部誘電体層と略同一の厚みを有する上部
    誘電体層と、環状に形成される上部接地導体とが、順次
    積層されて配設され、 上記上部接地導体と上記下部接地導体とが、その外周に
    配設される筒状の側面接地導体とにより接続され、 上記上部接地導体の内環は、上記放射導体の外郭より内
    側に設定され、 上記放射導体と上記下部接地導体とが、上記放射導体の
    内環に沿って配設される筒状の短絡導体により接続さ
    れ、 且つ、 上記上部接地導体の内環(a)と、上記放射導体
    の外郭(b)及び内環(c)の大きさを、 〔Nn′( ka) Jn( kb) −Jn′( ka) Nn( kb) 〕 〔Nn( kc) Jn′( kb) −Jn( kc) Nn′( kb) 〕 +〔Nn′( ka) Jn′( kb) −Jn′( ka) Nn′( kb) 〕 〔Nn( kc) Jn( kb) −Jn( kc) Nn( kb) 〕 =0 ただし、kは、波数 Jn′、Nn′は、第1種、第2種のベッセル関数の微
    分形 で求めるようにしたことを特徴とする平面アンテナ。
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