JP3355171B2 - 印刷用塗装金属板 - Google Patents
印刷用塗装金属板Info
- Publication number
- JP3355171B2 JP3355171B2 JP2000068498A JP2000068498A JP3355171B2 JP 3355171 B2 JP3355171 B2 JP 3355171B2 JP 2000068498 A JP2000068498 A JP 2000068498A JP 2000068498 A JP2000068498 A JP 2000068498A JP 3355171 B2 JP3355171 B2 JP 3355171B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- metal plate
- adhesive film
- printing
- transfer
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、転写シートのインクを
塗装金属板に転写することにより意匠模様が塗膜に付与
される印刷用塗装金属板に関する。
塗装金属板に転写することにより意匠模様が塗膜に付与
される印刷用塗装金属板に関する。
【０００２】
【従来の技術】昇華性染料を用いて印刷塗装金属板を製
造する方法では、オフセット，シルク，グラビア，転写
等の印刷法で昇華性染料を塗装金属板のトップクリア層
に印刷した後、加熱処理で昇華性染料をクリア塗膜に浸
透させている。たとえば、硬化性合成樹脂の塗布により
形成された塗膜に転写シートを接触させて加熱する方法
（特開昭５３−２４３１３号公報），昇華性染料を用い
た転写印刷で塗装金属板上に印刷層を形成した後、印刷
層の上にトップ塗膜を形成し、次いで加熱処理によって
塗膜の内側から昇華性染料をトップ塗膜に浸透させる方
法（特開昭５４−１０４９０７号公報），鋼板表面にプ
ライマ塗膜及び有色トップ塗膜を形成したプリペイント
鋼板の塗膜に熱昇華性インクを浸透させる方法（特開平
７−３１９３１号公報），下地金属板に不透明樹脂層及
び透明樹脂層を順次積層し，樹脂層内部に昇華型着色剤
を浸透させる方法（特開平７−１０２７３３号公報）等
が知られている。
造する方法では、オフセット，シルク，グラビア，転写
等の印刷法で昇華性染料を塗装金属板のトップクリア層
に印刷した後、加熱処理で昇華性染料をクリア塗膜に浸
透させている。たとえば、硬化性合成樹脂の塗布により
形成された塗膜に転写シートを接触させて加熱する方法
（特開昭５３−２４３１３号公報），昇華性染料を用い
た転写印刷で塗装金属板上に印刷層を形成した後、印刷
層の上にトップ塗膜を形成し、次いで加熱処理によって
塗膜の内側から昇華性染料をトップ塗膜に浸透させる方
法（特開昭５４−１０４９０７号公報），鋼板表面にプ
ライマ塗膜及び有色トップ塗膜を形成したプリペイント
鋼板の塗膜に熱昇華性インクを浸透させる方法（特開平
７−３１９３１号公報），下地金属板に不透明樹脂層及
び透明樹脂層を順次積層し，樹脂層内部に昇華型着色剤
を浸透させる方法（特開平７−１０２７３３号公報）等
が知られている。
【０００３】また、特開平５−７８９８８号公報では、
昇華性染料が透過するフッ素フィルムを貼合せ剤で金属
板にラミネートし、昇華性染料を用いてオフセット，シ
ルク，グラビア等で印刷した転写紙をラミネート金属板
のフィルム面に重ね合わせ、加熱圧着処理で昇華性染料
を貼合せ剤に浸透させることにより印刷ラミネート金属
板を製造している。この方法では、染着することなくフ
ッ素系フィルムを昇華性染料が容易に透過する特性を利
用しており、耐候性及び耐汚染性に優れた印刷ラミネー
ト金属板が得られる。
昇華性染料が透過するフッ素フィルムを貼合せ剤で金属
板にラミネートし、昇華性染料を用いてオフセット，シ
ルク，グラビア等で印刷した転写紙をラミネート金属板
のフィルム面に重ね合わせ、加熱圧着処理で昇華性染料
を貼合せ剤に浸透させることにより印刷ラミネート金属
板を製造している。この方法では、染着することなくフ
ッ素系フィルムを昇華性染料が容易に透過する特性を利
用しており、耐候性及び耐汚染性に優れた印刷ラミネー
ト金属板が得られる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】塗装金属板は、取扱い
作業及び加工時に発生する塗膜表面の傷つきを防止する
ため、粘着フィルムを貼り付けた状態で取り扱われるこ
とが多い。しかし、昇華性染料を塗装金属板に転写する
際、転写作業に先立って塗膜表面保護用の粘着フィルム
を剥離し、転写した後では施工時，輸送時等の傷付きを
防止するため粘着フィルムを再度貼り付ける必要があ
る。塗装金属板から一旦剥離した粘着フィルムは、皺発
生，位置精度，寸法精度等から再利用できない。そのた
め、転写前後で粘着フィルムを貼り替える作業は、作業
効率及びコストの両面から好ましいものとはいえない。
しかも、剥離した粘着フィルムは、全てゴミとして処分
されるため廃棄コストが嵩み、これによってもコスト上
昇の原因となる。
作業及び加工時に発生する塗膜表面の傷つきを防止する
ため、粘着フィルムを貼り付けた状態で取り扱われるこ
とが多い。しかし、昇華性染料を塗装金属板に転写する
際、転写作業に先立って塗膜表面保護用の粘着フィルム
を剥離し、転写した後では施工時，輸送時等の傷付きを
防止するため粘着フィルムを再度貼り付ける必要があ
る。塗装金属板から一旦剥離した粘着フィルムは、皺発
生，位置精度，寸法精度等から再利用できない。そのた
め、転写前後で粘着フィルムを貼り替える作業は、作業
効率及びコストの両面から好ましいものとはいえない。
しかも、剥離した粘着フィルムは、全てゴミとして処分
されるため廃棄コストが嵩み、これによってもコスト上
昇の原因となる。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような問
題を解消すべく案出されたものであり、昇華性染料で染
着されないポリエチレン及び／又はポリプロピレンを基
材として含む塗膜表面保護用粘着フィルムを使用するこ
とにより、粘着フィルムを貼り付けたままでの転写を可
能とし、転写前後で粘着フィルムを貼り替える必要がな
い印刷用塗装金属板を提供することを目的とする。本発
明は、その目的を達成するため、昇華性染料を塗布した
転写シートを用い、粘着フィルムを貼り付けたまま塗膜
に転写模様を印刷できる塗装金属板であって、下地金属
板の表面に形成された上塗り塗膜に、ポリエチレン及び
／又はポリプロピレンを基材とする粘着フィルムが貼り
付けられていることを特徴とする。
題を解消すべく案出されたものであり、昇華性染料で染
着されないポリエチレン及び／又はポリプロピレンを基
材として含む塗膜表面保護用粘着フィルムを使用するこ
とにより、粘着フィルムを貼り付けたままでの転写を可
能とし、転写前後で粘着フィルムを貼り替える必要がな
い印刷用塗装金属板を提供することを目的とする。本発
明は、その目的を達成するため、昇華性染料を塗布した
転写シートを用い、粘着フィルムを貼り付けたまま塗膜
に転写模様を印刷できる塗装金属板であって、下地金属
板の表面に形成された上塗り塗膜に、ポリエチレン及び
／又はポリプロピレンを基材とする粘着フィルムが貼り
付けられていることを特徴とする。
【０００６】
【実施の形態】本発明に従った印刷用塗装金属板は、た
とえば図１に示すように、下地金属板１の表面に必要に
応じてベースコート層２及びプライマ層３を設け、表層
に透明又は半透明の上塗り塗膜４を形成している。下地
金属板１は、材質に別段の制約を受けるものでなく、冷
延鋼板，各種めっき鋼板，ステンレス鋼板，銅板，アル
ミニウム合金板等があるが、金属本来の意匠性を出す上
ではステンレス鋼板，銅板，アルミニウム合金板のよう
に金属光沢のある金属板が好ましい。下塗り塗膜２，３
又は上塗り塗膜４の形成に先立って金属板の種類や表面
状態に応じた機械的研磨，酸洗，リン酸塩処理，クロメ
ート処理等を施し、金属板に対する塗膜密着性を改善す
ることもできる。
とえば図１に示すように、下地金属板１の表面に必要に
応じてベースコート層２及びプライマ層３を設け、表層
に透明又は半透明の上塗り塗膜４を形成している。下地
金属板１は、材質に別段の制約を受けるものでなく、冷
延鋼板，各種めっき鋼板，ステンレス鋼板，銅板，アル
ミニウム合金板等があるが、金属本来の意匠性を出す上
ではステンレス鋼板，銅板，アルミニウム合金板のよう
に金属光沢のある金属板が好ましい。下塗り塗膜２，３
又は上塗り塗膜４の形成に先立って金属板の種類や表面
状態に応じた機械的研磨，酸洗，リン酸塩処理，クロメ
ート処理等を施し、金属板に対する塗膜密着性を改善す
ることもできる。
【０００７】表層に上塗り塗膜４がある限り、下地金属
板１と上塗り塗膜４との間にベースコート層２を設けた
塗装金属板（ａ），下地金属板１と上塗り塗膜４との間
にベースコート層２及びプライマ層３を設けた塗装金属
板（ｂ），下地金属板１に上塗り塗膜４を直接形成した
塗装金属板（ｃ）の何れであっても良い。ベースコート
層２は，白色に限らず、クリア塗膜を含めた他の色調を
呈するものが使用できる。プライマ層３は、下地金属板
１を隠蔽する。下地金属板１に上塗り塗膜４を直接形成
した塗装金属板（ｃ）では、下地金属板１の表面光沢が
活用される。
板１と上塗り塗膜４との間にベースコート層２を設けた
塗装金属板（ａ），下地金属板１と上塗り塗膜４との間
にベースコート層２及びプライマ層３を設けた塗装金属
板（ｂ），下地金属板１に上塗り塗膜４を直接形成した
塗装金属板（ｃ）の何れであっても良い。ベースコート
層２は，白色に限らず、クリア塗膜を含めた他の色調を
呈するものが使用できる。プライマ層３は、下地金属板
１を隠蔽する。下地金属板１に上塗り塗膜４を直接形成
した塗装金属板（ｃ）では、下地金属板１の表面光沢が
活用される。
【０００８】上塗り塗膜４は、ポリビニルアルコール，
ポリビニルブチラール，ポリビニルアセタール，ポリ酢
酸ビニル，ポリ塩化ビニル，ポリビニルピロリドン，ポ
リスチレン等のビニル系樹脂、ポリメチル（メタ）アク
リレート，ポリアクリルアミド，ポリアクリロニトリル
等のアクリレート系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂，尿
素樹脂，ポリカプロラクトン樹脂，ポリアリレート樹
脂、ポリスルホン樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、
エポキシ樹脂等、或いはこれらの共重合体又は混合物を
含む染着性塗料から形成される。なかでも，ポリエステ
ル樹脂は，昇華性染料による染着性が良く、しかも得ら
れる画像の保存安定性も良好であることから，染着性塗
料の少なくとも１成分とすることが好ましい。
ポリビニルブチラール，ポリビニルアセタール，ポリ酢
酸ビニル，ポリ塩化ビニル，ポリビニルピロリドン，ポ
リスチレン等のビニル系樹脂、ポリメチル（メタ）アク
リレート，ポリアクリルアミド，ポリアクリロニトリル
等のアクリレート系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂，尿
素樹脂，ポリカプロラクトン樹脂，ポリアリレート樹
脂、ポリスルホン樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、
エポキシ樹脂等、或いはこれらの共重合体又は混合物を
含む染着性塗料から形成される。なかでも，ポリエステ
ル樹脂は，昇華性染料による染着性が良く、しかも得ら
れる画像の保存安定性も良好であることから，染着性塗
料の少なくとも１成分とすることが好ましい。
【０００９】上塗り塗膜４形成用の染着性塗料に、太陽
光線，紫外線等の透過による密着性の低下や変色を抑制
するため紫外線吸収剤を添加しても良い。紫外線吸収剤
としては、耐熱性，耐昇華性及び溶解性に優れているこ
とが要求される。なかでも、空気雰囲気中、昇温速度５
℃／分の加熱条件下で３００℃における重量減少が１０
質量％以下の耐熱性を呈するものが好ましい。このよう
な紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系，トリ
アジン系等の紫外線吸収剤がある。
光線，紫外線等の透過による密着性の低下や変色を抑制
するため紫外線吸収剤を添加しても良い。紫外線吸収剤
としては、耐熱性，耐昇華性及び溶解性に優れているこ
とが要求される。なかでも、空気雰囲気中、昇温速度５
℃／分の加熱条件下で３００℃における重量減少が１０
質量％以下の耐熱性を呈するものが好ましい。このよう
な紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系，トリ
アジン系等の紫外線吸収剤がある。
【００１０】最表層の上塗り塗膜４に、ポリエチレン及
び／又はポリプロピレンを基材にした塗膜表面保護用の
粘着フィルム５が貼り付けられている。粘着フィルム５
は、取扱い時，加工時等に塗膜表面を保護する上で１５
μｍ以上の膜厚をもつことが好ましい。粘着フィルム５
の膜厚が１５μｍ未満になると、塗膜表面を保護する機
能が低下しやすくなる。逆に、厚すぎる粘着フィルム５
では、転写後のフィルム中に残留する染料が多くなるた
め十分な反射濃度が得られない。また、昇華性染料が粘
着フィルム５を透過するのに長時間を要し、作業効率が
低下するばかりでなく、転写柄のエッジ部が不鮮明化し
メリハリのない転写模様となりやすい。このようなこと
から、粘着フィルム５の膜厚上限を２００μｍに設定す
ることが好ましい。なかでも、膜厚５０〜１００μｍの
粘着フィルム５は、塗膜表面保護及び転写印刷の双方か
ら好適なフィルムといえる。
び／又はポリプロピレンを基材にした塗膜表面保護用の
粘着フィルム５が貼り付けられている。粘着フィルム５
は、取扱い時，加工時等に塗膜表面を保護する上で１５
μｍ以上の膜厚をもつことが好ましい。粘着フィルム５
の膜厚が１５μｍ未満になると、塗膜表面を保護する機
能が低下しやすくなる。逆に、厚すぎる粘着フィルム５
では、転写後のフィルム中に残留する染料が多くなるた
め十分な反射濃度が得られない。また、昇華性染料が粘
着フィルム５を透過するのに長時間を要し、作業効率が
低下するばかりでなく、転写柄のエッジ部が不鮮明化し
メリハリのない転写模様となりやすい。このようなこと
から、粘着フィルム５の膜厚上限を２００μｍに設定す
ることが好ましい。なかでも、膜厚５０〜１００μｍの
粘着フィルム５は、塗膜表面保護及び転写印刷の双方か
ら好適なフィルムといえる。
【００１１】粘着フィルム５には、基材としてポリエチ
レン及び／又はポリプロピレンが含まれている。ポリエ
チレンやポリプロピレンは、昇華性染料で染着されるこ
となく、昇華性染料を透過させる特性をもっている。そ
のため、粘着フィルム５を透過した昇華性染料で上塗り
塗膜４が染着され、鮮明な転写模様が発現される。この
点、アクリル樹脂やポリエステル樹脂等でできた粘着フ
ィルム５では、粘着フィルム５自体が昇華性染料で染着
されるため、上塗り塗膜４が十分に染着されず、得られ
る転写模様も不鮮明になる。フッ化ビニリデン樹脂等の
フッ素樹脂フィルムも、昇華性染料で染着されず且つ昇
華性染料を透過させる特性をもっているが、コストが高
いことから印刷用塗装金属板には適していない。
レン及び／又はポリプロピレンが含まれている。ポリエ
チレンやポリプロピレンは、昇華性染料で染着されるこ
となく、昇華性染料を透過させる特性をもっている。そ
のため、粘着フィルム５を透過した昇華性染料で上塗り
塗膜４が染着され、鮮明な転写模様が発現される。この
点、アクリル樹脂やポリエステル樹脂等でできた粘着フ
ィルム５では、粘着フィルム５自体が昇華性染料で染着
されるため、上塗り塗膜４が十分に染着されず、得られ
る転写模様も不鮮明になる。フッ化ビニリデン樹脂等の
フッ素樹脂フィルムも、昇華性染料で染着されず且つ昇
華性染料を透過させる特性をもっているが、コストが高
いことから印刷用塗装金属板には適していない。
【００１２】ポリエチレン及び／又はポリプロピレン
は、８０質量％以上の含有量で粘着フィルム５に含まれ
ることが好ましい。樹脂コンポジションをフィルム成形
するためには可塑剤等が添加されるが、可塑剤等の添加
物が２０質量％以上の割合で含まれていると、転写後の
粘着フィルム５に残留する昇華性染料が多く、十分な反
射濃度が得られなくなる。粘着フィルム５は、アクリル
系，合成ゴム系，変成ゴム系等の粘着剤を用いて上塗り
塗膜４に貼り付けられる。これら粘着剤には染着性を示
すものが多いため、粘着剤層の膜厚を可能な限り薄く
（具体的には，１０μｍ以下）して、粘着剤層の染着に
よる転写模様の不鮮明化を防止することが好ましい。粘
着剤層の膜厚が１０μｍを超えると、転写後の粘着剤層
に残留する昇華性染料が多くなり、十分な反射濃度をも
つ転写模様が得られ難くなる。
は、８０質量％以上の含有量で粘着フィルム５に含まれ
ることが好ましい。樹脂コンポジションをフィルム成形
するためには可塑剤等が添加されるが、可塑剤等の添加
物が２０質量％以上の割合で含まれていると、転写後の
粘着フィルム５に残留する昇華性染料が多く、十分な反
射濃度が得られなくなる。粘着フィルム５は、アクリル
系，合成ゴム系，変成ゴム系等の粘着剤を用いて上塗り
塗膜４に貼り付けられる。これら粘着剤には染着性を示
すものが多いため、粘着剤層の膜厚を可能な限り薄く
（具体的には，１０μｍ以下）して、粘着剤層の染着に
よる転写模様の不鮮明化を防止することが好ましい。粘
着剤層の膜厚が１０μｍを超えると、転写後の粘着剤層
に残留する昇華性染料が多くなり、十分な反射濃度をも
つ転写模様が得られ難くなる。
【００１３】上塗り塗膜４の転写印刷に使用される転写
シートは、グラビア印刷，オフセット印刷，スクリーン
印刷等の印刷法で昇華性染料を基材シートに印刷するこ
とにより作製される。小ロット印刷用としては、製版工
程を必要としないコンピュータグラフィックスを用いた
電子写真法，静電記録法，インクジェット法，感熱転写
法等で昇華性染料を静電記録紙等の基材シートに印刷で
きる。昇華性染料は、加熱によって昇華又は揮発し、対
象物を染着する染料をいい、従来から昇華熱転写，昇華
転写捺染等で使用されている。たとえば、キノフタロン
誘導体，アントラキノン誘導体，アゾ系色素等の分散染
料が好適に使用される。
シートは、グラビア印刷，オフセット印刷，スクリーン
印刷等の印刷法で昇華性染料を基材シートに印刷するこ
とにより作製される。小ロット印刷用としては、製版工
程を必要としないコンピュータグラフィックスを用いた
電子写真法，静電記録法，インクジェット法，感熱転写
法等で昇華性染料を静電記録紙等の基材シートに印刷で
きる。昇華性染料は、加熱によって昇華又は揮発し、対
象物を染着する染料をいい、従来から昇華熱転写，昇華
転写捺染等で使用されている。たとえば、キノフタロン
誘導体，アントラキノン誘導体，アゾ系色素等の分散染
料が好適に使用される。
【００１４】転写シートを下地金属板１に接触させて加
熱すると、転写シートから昇華又は揮発した昇華性染料
が粘着フィルム５を透過して上塗り塗膜４に浸透する。
昇華性染料の浸透により上塗り塗膜４が厚み方向に染着
され、昇華性染料の染着層６により所定の転写模様が上
塗り塗膜４に付与される。このとき、粘着フィルム５が
昇華性染料で染着されないため、転写模様が不鮮明化せ
ず、粘着フィルム５は上塗り塗膜４及び転写模様に対す
る保護膜として作用する。
熱すると、転写シートから昇華又は揮発した昇華性染料
が粘着フィルム５を透過して上塗り塗膜４に浸透する。
昇華性染料の浸透により上塗り塗膜４が厚み方向に染着
され、昇華性染料の染着層６により所定の転写模様が上
塗り塗膜４に付与される。このとき、粘着フィルム５が
昇華性染料で染着されないため、転写模様が不鮮明化せ
ず、粘着フィルム５は上塗り塗膜４及び転写模様に対す
る保護膜として作用する。
【００１５】
【実施例】塗装鋼板の製造 板厚０．５ｍｍの溶融亜鉛めっき鋼板に脱脂，表面調整
を施し、塗布型クロメート処理した後，白色ポリエステ
ル系樹脂塗料（日本ペイント株式会社製 ＦＬＣ６０
０）を乾燥膜厚が１８μｍとなるように塗布し、板温２
２０℃で１分間焼き付けることにより白色ベースコート
層２を形成した。次いで，透明ポリエステル系樹脂塗料
（日本ペイント株式会社製 ＦＬＣ５１００）を乾燥膜
厚が１２μｍとなるように塗布し、板温２３０℃で１分
間焼き付けることにより透明の上塗り塗膜４を形成し
た。
を施し、塗布型クロメート処理した後，白色ポリエステ
ル系樹脂塗料（日本ペイント株式会社製 ＦＬＣ６０
０）を乾燥膜厚が１８μｍとなるように塗布し、板温２
２０℃で１分間焼き付けることにより白色ベースコート
層２を形成した。次いで，透明ポリエステル系樹脂塗料
（日本ペイント株式会社製 ＦＬＣ５１００）を乾燥膜
厚が１２μｍとなるように塗布し、板温２３０℃で１分
間焼き付けることにより透明の上塗り塗膜４を形成し
た。
【００１６】粘着フィルムの貼付 粘着フィルム５としては、膜厚２０〜１５０μｍのポリ
エチレン系フィルム（日立化成株式会社製 ヒタレック
スＡ−１３５５），ポリプロピレン系フィルム（日立化
成株式会社製 ヒタレックスＬ−３３５５），ポリエス
テル系フィルム（東洋紡株式会社製 Ａ４１００），塩
化ビニル系フィルム（日立化成株式会社製 ヒタレック
ス・ダイシングＨＡＥ−１５４５）を使用した。アクリ
ル系又は変成ゴム系粘着剤を３〜４μｍの厚みで粘着フ
ィルム５に塗布した後、ゴムローラを用いて速度２ｍ／
分，荷重６ｋｇｆ／ｃｍの条件で粘着フィルム５を塗装
鋼板に圧着した。
エチレン系フィルム（日立化成株式会社製 ヒタレック
スＡ−１３５５），ポリプロピレン系フィルム（日立化
成株式会社製 ヒタレックスＬ−３３５５），ポリエス
テル系フィルム（東洋紡株式会社製 Ａ４１００），塩
化ビニル系フィルム（日立化成株式会社製 ヒタレック
ス・ダイシングＨＡＥ−１５４５）を使用した。アクリ
ル系又は変成ゴム系粘着剤を３〜４μｍの厚みで粘着フ
ィルム５に塗布した後、ゴムローラを用いて速度２ｍ／
分，荷重６ｋｇｆ／ｃｍの条件で粘着フィルム５を塗装
鋼板に圧着した。
【００１７】昇華性染料の転写 静電プロッタ方式の画像プリントシステム（株式会社Ｅ
ｘｉｓ製 Ｊｕａｎａ）で昇華性染料（新日鐵化学株式
会社製 昇華捺染用トナー）を３０ｃｍ間隔で静電記録
紙に出力し、サイズ５ｃｍ×５ｃｍのベタ模様（シア
ン）を印刷した転写シートを作製した。下地金属板１に
貼り付けられた粘着フィルム５に転写シートを重ね合わ
せ、温度１６０℃，圧力０．５ｋｇｆ／ｃｍ2で２４０
秒間加熱圧着した。圧着完了後、印刷用塗装金属板から
転写シートを剥離した。
ｘｉｓ製 Ｊｕａｎａ）で昇華性染料（新日鐵化学株式
会社製 昇華捺染用トナー）を３０ｃｍ間隔で静電記録
紙に出力し、サイズ５ｃｍ×５ｃｍのベタ模様（シア
ン）を印刷した転写シートを作製した。下地金属板１に
貼り付けられた粘着フィルム５に転写シートを重ね合わ
せ、温度１６０℃，圧力０．５ｋｇｆ／ｃｍ2で２４０
秒間加熱圧着した。圧着完了後、印刷用塗装金属板から
転写シートを剥離した。
【００１８】作製された各印刷塗装金属板から試験片を
切り出し、シアンの平均反射濃度測定試験に供した。反
射濃度測定試験では、試験片表面から粘着フィルム５を
剥離し、５ｃｍ×５ｃｍのシアン転写部分を任意に４箇
所摘出し、各シアン転写部分の反射濃度を測定した。測
定値を平均することにより，シアンの平均反射濃度を求
めた。粘着フィルム５のない印刷用塗装金属板に転写し
たときシアンの平均反射濃度が２．０７であったことか
ら、粘着フィルム５を介して転写した場合でも平均反射
濃度が１．７０以上であれば使用可能なレベルといえ
る。
切り出し、シアンの平均反射濃度測定試験に供した。反
射濃度測定試験では、試験片表面から粘着フィルム５を
剥離し、５ｃｍ×５ｃｍのシアン転写部分を任意に４箇
所摘出し、各シアン転写部分の反射濃度を測定した。測
定値を平均することにより，シアンの平均反射濃度を求
めた。粘着フィルム５のない印刷用塗装金属板に転写し
たときシアンの平均反射濃度が２．０７であったことか
ら、粘着フィルム５を介して転写した場合でも平均反射
濃度が１．７０以上であれば使用可能なレベルといえ
る。
【００１９】表１の調査結果にみられるように、ポリエ
チレン系又はポリプロピレン系粘着フィルム５を使用し
た本発明例（試験番号１〜１０）では、何れもシアンの
平均反射濃度が１．７０以上と高く、鮮明な転写模様が
上塗り塗膜４に付与されていた。これに対し、昇華性染
料で染着されやすいポリエステル系及び塩化ビニル系粘
着フィルム５を介して転写印刷した比較例（試験番号１
１，１２）では、粘着フィルム５自体が染着されたた
め、シアンの平均反射濃度が０．７２及び１．１１と低
く、上塗り塗膜４に付与された転写模様もエッジ部がぼ
やけていた。
チレン系又はポリプロピレン系粘着フィルム５を使用し
た本発明例（試験番号１〜１０）では、何れもシアンの
平均反射濃度が１．７０以上と高く、鮮明な転写模様が
上塗り塗膜４に付与されていた。これに対し、昇華性染
料で染着されやすいポリエステル系及び塩化ビニル系粘
着フィルム５を介して転写印刷した比較例（試験番号１
１，１２）では、粘着フィルム５自体が染着されたた
め、シアンの平均反射濃度が０．７２及び１．１１と低
く、上塗り塗膜４に付与された転写模様もエッジ部がぼ
やけていた。
【００２０】
【００２１】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の印刷用
塗装金属板は、昇華性染料で染着されず且つ昇華性染料
を透過させる特性をもつポリエチレン及び／又はポリプ
ロピレン系の粘着フィルムを上塗り塗膜に貼り合わせて
いる。この粘着フィルムを貼り付けたままで転写シート
を用いて上塗り塗膜に転写模様を印刷できるため、従来
のポリエステル系，ポリ塩化ビニル系粘着フィルムを貼
り合わせた塗装金属板のように転写前後で粘着フィルム
を貼り替える必要なく、転写後にも粘着フィルムを塗膜
表面の保護に使用できる。しかも、ポリエチレン又はポ
リプロピレン系の粘着フィルムが昇華性染料で染着され
ないため、輪郭がはっきりした鮮明で反射濃度の高い画
像として転写模様が上塗り塗膜に印刷でき、高品質の印
刷塗装金属板が安価に製造される。
塗装金属板は、昇華性染料で染着されず且つ昇華性染料
を透過させる特性をもつポリエチレン及び／又はポリプ
ロピレン系の粘着フィルムを上塗り塗膜に貼り合わせて
いる。この粘着フィルムを貼り付けたままで転写シート
を用いて上塗り塗膜に転写模様を印刷できるため、従来
のポリエステル系，ポリ塩化ビニル系粘着フィルムを貼
り合わせた塗装金属板のように転写前後で粘着フィルム
を貼り替える必要なく、転写後にも粘着フィルムを塗膜
表面の保護に使用できる。しかも、ポリエチレン又はポ
リプロピレン系の粘着フィルムが昇華性染料で染着され
ないため、輪郭がはっきりした鮮明で反射濃度の高い画
像として転写模様が上塗り塗膜に印刷でき、高品質の印
刷塗装金属板が安価に製造される。
【図１】 粘着フィルムを介して昇華性染料が上塗り塗
膜に転写印刷された印刷用塗装金属板の数例
膜に転写印刷された印刷用塗装金属板の数例
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 勝司 神奈川県横浜市青葉区荏田西１−１−10 有限会社マーキングマジック内 (56)参考文献 特開 平11−77891（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−239897（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−206678（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−48955（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−24778（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−102733（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−87397（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B32B 1/00 - 35/00 B05D 7/14
Claims (1)
- 【請求項１】 昇華性染料を塗布した転写シートを用
い、粘着フィルムを貼り付けたまま塗膜に転写模様を印
刷できる塗装金属板であって、下地金属板の表面に形成
された上塗り塗膜に、ポリエチレン及び／又はポリプロ
ピレンを基材とする粘着フィルムが貼り付けられている
印刷用塗装金属板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000068498A JP3355171B2 (ja) | 2000-03-13 | 2000-03-13 | 印刷用塗装金属板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000068498A JP3355171B2 (ja) | 2000-03-13 | 2000-03-13 | 印刷用塗装金属板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001253009A JP2001253009A (ja) | 2001-09-18 |
| JP3355171B2 true JP3355171B2 (ja) | 2002-12-09 |
Family
ID=18587548
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000068498A Expired - Fee Related JP3355171B2 (ja) | 2000-03-13 | 2000-03-13 | 印刷用塗装金属板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3355171B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006248084A (ja) * | 2005-03-11 | 2006-09-21 | Nisshin Steel Co Ltd | 転写印刷方法 |
-
2000
- 2000-03-13 JP JP2000068498A patent/JP3355171B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2001253009A (ja) | 2001-09-18 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US6165593A (en) | Ink jet imaging process and recording element for use therein | |
| US4919994A (en) | Dry transfer graphics article and methods of preparation and use thereof | |
| EP0529691A1 (en) | Image-receiving sheet | |
| EP0648610A1 (en) | Sheet for marking, marked sheet, and method for manufacturing said sheet | |
| CN1450956A (zh) | 图像形成方法 | |
| Brault et al. | Ink jet imaging process and recording element for use therein | |
| US5869168A (en) | Reflective heat activated transfer | |
| US5364412A (en) | Process for producing dyed laminated products | |
| EP1270256B1 (en) | Heat transfer recording medium and printed product | |
| JPH10297122A (ja) | 中間転写シート | |
| JP3355171B2 (ja) | 印刷用塗装金属板 | |
| KR20040050291A (ko) | 투명홀로그램 전사인쇄물 및 그 제조방법 | |
| US20040143914A1 (en) | Method and laminate for applying dye sublimated ink decoration to a surface | |
| GB2084931A (en) | Heat transfer printing | |
| JPH10509102A (ja) | カード | |
| EP0845371B1 (en) | Thermal dye transfer print laminated to a protective sheet by an adhesive layer | |
| JP3231146B2 (ja) | 熱転写フイルム及びカード作製方法 | |
| US20040185192A1 (en) | Image-recordable, image-recording medium and adhesive sheet structure | |
| JP2000351265A (ja) | アルミニウム転写蒸着記録用紙及びそれを用いたタック加工記録用紙 | |
| JP2835720B2 (ja) | 被熱転写シート | |
| EP1138518A2 (en) | Ink jet receptor sheets and transfer elements | |
| JP3141695B2 (ja) | 感熱転写記録画像保護媒体 | |
| JP2003094834A (ja) | 感熱転写シート | |
| JP3314056B2 (ja) | 保護層形成方法 | |
| JPH0483685A (ja) | 熱転写方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20020917 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |