JP3355145B2 - 磁性粒体吸着状態検出及び報知装置 - Google Patents

磁性粒体吸着状態検出及び報知装置

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JP3355145B2
JP3355145B2 JP04505299A JP4505299A JP3355145B2 JP 3355145 B2 JP3355145 B2 JP 3355145B2 JP 04505299 A JP04505299 A JP 04505299A JP 4505299 A JP4505299 A JP 4505299A JP 3355145 B2 JP3355145 B2 JP 3355145B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁性粒体吸着状
態検出及び報知装置に関し、より詳細にいうと、永久磁
石を使用して食品類及び化成品類の樹脂素材中の磁性金
属或いは磁性金属含有する磁性粒体(磁性成分を含む粒
子乃至小片)を異物として除去/選別する永久磁石式異
物除去/選別装置等において、これらの磁性異物の吸着
状態を検出し報知する異物吸着状態検出及び報知装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、永久磁石を使用して磁性をもった
磁性粒体を異物として選別し除去することは、永久磁石
式異物選別機などと呼ばれて既に知られている。このよ
うな異物選別装置は、例えば、食品類素材や化成品類
(合成樹脂)素材中に混入している磁性金属或いは磁性
金属含有素材を永久磁石により異物として選別するよう
にしている。
【0003】このような永久磁石式異物選別機において
は、永久磁石に吸着される磁性異物の量が増大すると、
新たに到来する異物に作用する磁力が減少して異物除去
/選別機能が低下するので、永久磁石に吸着された異物
を適当な時期に掃除する必要がある。つまり、この掃除
のタイミングが少しでも遅れると、永久磁石に一旦吸着
された異物が剥離/脱落して食品類素材や化成品類(合
成樹脂)素材中に再び混入するという不具合が発生する
ことになる。
【0004】しかしながら、従来は、これらの異物の吸
着状態を定量的に把握する手段がなく、量的に的確に把
握することができなかったので、勘と経験によって永久
磁石の掃除を実施してきた。そのため、異物が剥離・脱
落し始める異物除去/選別機能飽和状態になる吸着限界
から十分に余裕をみたタイミングで掃除するようにして
いたので、掃除のタイミングは実際の吸着限界からみて
頻繁なものとならざるを得なかった。これに対して、食
品や化成品の製造工程においては、原材料のファイン化
や品質管理を強化する一方で省力化や合理化を図らなけ
ればならないという相反するニーズが一段と高まってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、永久磁石式異
物除去/選別装置においても、異物除去の機能の強化を
図ると共に永久磁石の掃除の作業効率を向上させる必要
があり、異物吸着状態を外部から的確に把握することが
できるセンサが望まれるところである。
【0006】この発明は、このような事情に鑑み、磁性
成分を含む粒子乃至小片(この明細書では、このような
磁性を有する小物体を「磁性粒体」と称している。)を
永久磁石を用いて異物として除去/選別する永久磁石式
異物除去/選別装置等において、永久磁石への磁性粒体
吸着状態を定量的に検出することができ、また、その状
態を除去/選別装置等の外部において的確に把握するこ
とができる異物吸着状態検出報知装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、原理的にご
く簡単に言えば、パイロット永久磁石体を用いて、永久
磁石式異物除去/選別装置等において異物除去/選別用
永久磁石体に異物が吸着させる環境と同じ模擬的状態を
作り出し、このパイロット永久磁石体への異物吸着量を
物理的に観測することによって、異物吸着状態を機構的
に簡単に検出しようとするものである。
【0008】この発明の一つの特徴によると、筒状体の
内部に永久磁石を遊嵌してなり、永久磁石の磁力により
筒状体外部に磁性粒体を吸着させるための磁性粒体吸着
手段と、吸着された磁性粒体を介して永久磁石が受ける
引力を計測するための引力計測手段と、引力計測手段に
より計測された引力に基づいて、筒状体の外部に吸着さ
れた磁性粒体の量を決定する異物吸着量決定手段とを具
備する磁性粒体吸着状態検出装置が提供される。
【0009】この発明による磁性粒体吸着状態検出装置
において引力計測を行うための具体的手段としては、永
久磁石に連結されたアーム、このアームの反永久磁石側
に取り付けられたバランスウエイト、及び、アーム下部
に設けられたロードセルを備けるか、或いは、永久磁石
体に連結されたアーム、及び、このアームの反永久磁石
体側に取り付けられたトルクセンサを備える方式が採用
される。この検出装置の磁性粒体吸着手段については、
筒状体にステンレス製の外装チューブを用い、また、永
久磁石体には、例えば、約10000ガウスの超高磁力
を有するネオジウム永久磁石を用いており、材料中の磁
性粒体異物を永久磁石構体に吸着させることにより材料
中から磁性粒体異物を除去/選別する永久磁石式異物除
去/選別装置の内部又は出入口に設けられる。
【0010】また、この発明の別の特徴によると、筒状
体の内部に永久磁石を遊嵌してなり、永久磁石の磁力に
より筒状体外部に磁性粒体を吸着させるための磁性粒体
吸着手段と、吸着された磁性粒体を介して永久磁石が受
ける引力を計測するための引力計測手段と、引力計測手
段により計測された引力に基づいて、筒状体の外部に吸
着された磁性粒体の量を決定する異物吸着量決定手段
と、決定された磁性粒体量に基づいて磁性粒体吸着手段
への磁性粒体の吸着状態を報知する報知手段とを具備す
る磁性粒体吸着状態報知装置が提供される。
【0011】この発明による磁性粒体吸着状態報知装置
においては、報知手段として、磁性粒体吸着手段への磁
性粒体の吸着状態をディジタル量で表示する表示器が備
えるられ、所定の吸着状態を超す場合に警報を発する音
響報知器が付設されるのが好ましい。
【0012】〔作用〕この発明によると、上述した構成
によって、ステンレス製外装チューブ等の筒状体の内部
にネオジウム磁石等のパイロット永久磁石体が遊嵌され
たパイロット吸着手段を、永久磁石を使用した異物除去
/選別装置の選別チャンバ等の側壁から内部に突出する
ように設けられる。このパイロット吸着手段は、異物除
去/選別装置の永久磁石構体が磁性粒体を吸着し異物と
して選別する状態と同じ状況を模擬し、永久磁石体の磁
力により磁性粒体を筒状体の外面に吸着させる。従っ
て、パイロット永久磁石体には、異物の除去/選別に使
用される永久磁石構体と同じくネオジウム磁石を使用す
ることが好ましい。
【0013】パイロット永久磁石体は、筒状体上に吸着
された磁性粒体を介して引力を受けるので、この引力を
計測すれば磁性粒体吸着量を定量化することができる。
つまり、パイロット永久磁石体は磁性粒体側に引き寄せ
られ自重が軽くなるので、パイロット永久磁石体重量の
軽減量を、異物除去/選別装置本体における永久磁石構
体への異物吸着量を検出・管理するためのパラメータと
して利用することができる。
【0014】この引力計測手段は、例えば、永久磁石体
の外端に連結された水平アームと、水平アームの他端に
取り付けられたバランスウエイトと、これらの重量を計
測するために水平アームの下部に設けられロードセル等
の重量センサ、或いは、永久磁石体に連結されたアー
ム、及び、このアームの反永久磁石体側に取り付けられ
たトルクセンサで構成される。この重量乃至トルクセン
サによる重量乃至トルク計測値は、吸着された磁性粒体
を介して永久磁石体が受ける引力により吸着量に応じて
減少するので、重量乃至トルク計測値の減少量に基づい
て磁性粒体吸着量を決定し、吸着状態についてディジタ
ル表示乃至警報を行うことにより、磁性粒体吸着状態を
外部にて定量的に把握することができる。
【0015】従って、食品類材料及び化成品類の樹脂素
材中の磁性金属或いは磁性金属混入素材等の磁性粒体を
永久磁石を使用して異物として分離除去する除去/選別
装置等にあって、異物の吸着状態を定量的に把握して装
置の能力管理を行い、現在の付着状態や永久磁石構体の
掃除時期をディジタル表示や警報等により外部に的確に
知らせることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、この発
明の好適な実施例を詳述する。なお、以下の実施例は単
なる一例であって、この発明の精神を逸脱しない範囲で
種々の変更が可能である。
【0017】図1は、この発明による磁性粒体吸着状態
検出及び報知装置を適用することができる永久磁石式異
物選別機SPの一例をごく図解的に略示したものであ
る。この異物選別機SPには、図1(1)に示すよう
に、上部の材料フィーダFDと下部アウトレットOLと
の中間に角柱状の選別チャンバCHが設けられ、このチ
ャンバ内に多数の円柱状永久磁石構体MSが備えられ
る。これらの永久磁石構体MSは、複数本が所定間隔で
水平方向に並列して水平構体群を形成し、複数の水平構
体群が垂直方向に所定間隔をおいて重ねられ、異物選別
の主体となっている。
【0018】永久磁石構体MSは、また、上下に隣り合
う水平構体群間では、図示のように、並列方向を同一と
し軸位置をずらすか、或いは、並列方向を直交させてお
り、これにより、永久磁石構体MSの間を通る原材料に
対して磁力を有効に作用させる。なお、図1(1)で
は、選別チャンバCH内の中間部にある永久磁石構体M
Sについては破線乃至ドット(2つの点)で略示してい
る。
【0019】各永久磁石構体MSは、図1(2)に示す
ように、多数の円柱状永久磁石MGを端面の極性を反対
にした状態で極板PLを介し直列に接合により連結した
ものを両端から強力に締めつけて、ステンレス製の円筒
状外装スリーブSS内に嵌入することにより形成され
る。これらの永久磁石MGには、Fe−Sm−Co系の
サマリウム磁石、Fe−Co−Cr−Ti系のコバルト
磁石、Fe−Co−Ni−Al−Cu−Ti系のアルニ
コ磁石、Fe−Nd−B系のネオジウム磁石等々の所謂
「超高磁力」の永久磁石が使用されるが、特に、ネオジ
ウム磁石が好適である。
【0020】異物選別の動作を簡単に説明すると、図1
において、(1)材料フィーダFから下部のアウトレッ
トLに向って進行していく原材料が多数の永久磁石構体
Miの近傍を通るとき、その中に混入していた磁性異物
は、永久磁石Mgの超高磁力によって、永久磁石構体M
iの周面に強力に吸着させられる。そして、原材料は、
多段の水平構体を通過する間にほぼ異物が除去され、ア
ウトレットOLからはファイン化された材料となって出
ていく。
【0021】このような異物選別機SPによると、原材
料に流動性があれば磁性粒体を異物として分離すること
ができ、適用し得る原材料には、例えば、胡麻、穀類
(米、麦、大豆)類、コーヒー、香辛料、製菓材料等の
各種食品原料や各種プラスチック原料などの粒状体の
外、インキや顔料、石油化学中間品等の液状体、更に
は、魚肉類(練り肉、ミンチ肉、すり身)等の高粘度流
体、等々、がある。また、異物として分離/除去し得る
磁性粒体は、鉄、ステンレスといった磁性金属や、これ
らの磁性金属を含有・混入・付着した磁性成分含有体で
ある。
【0022】さて、図2には、この発明の一実施例によ
る異物吸着状態検出報知装置の全体構造が示されてい
る。異物選別機等の選別チャンバCHの側壁WLに設け
られた配管孔GVには、パイロット永久磁石体1を収納
したステンレス製の円筒状外装チューブ2が嵌入され
る。永久磁石体1の外側の一端に連結された水平アーム
3の他端にはバランスウエイト4が取り付けられる。ア
ーム3の中間の下部には、これらの重量を受けるロード
セル等の重量センサ5(以下の説明では「ロードセル」
で代表する。)が設けられ、この重量センサ5は配管孔
GVの外面上に設けた支持体6等により適宜固定的に支
持される。ロードセル5の検出出力は計測及び表示制御
器7を介して表示装置8に与えられる。
【0023】外装チューブ2は、配管フランジGFとフ
ランジ9との間に密着して固定され、フランジ9の外面
に、ロードセル指示体6及びケース10が固定され、ケ
ース10の外端円にはカバープレート11が設けられ
る。そして、ケース10及びプレート11により形成さ
れる空間内に、上述した磁性粒体検出機構3〜6、計測
及び表示制御器7、表示装置8等が収納される。なお、
この発明による検出及び報知装置は、図2のように異物
選別機等に対して順次組み立てていくシステムではな
く、予め全体をユニット化しておいたものを異物除去/
選別装置やその内部等に挿入するシステムにしてもよ
い。また、計測及び表示制御器7や表示装置8を、集中
監視盤のような別の適当な箇所に設置するようにしても
よい。
【0024】パイロット永久磁石体1は、ステンレス製
円筒状外装チューブ2内に、チューブ内側壁と若干の間
隔をとって遊嵌される。パイロット永久磁石体1を組立
てるには、異物選別機SPの選別用永久磁石構体MSと
同様、図3に示すように、複数の円柱状永久磁石1mを
極板1pを介し連結して両端をネジ締めする。このよう
に、各永久磁石1mは、永久磁石構体MS内の永久磁石
MGと同様に、隣合う磁石と端面の磁極が互いに反発す
るようになっているので、各極板1pを介して外装チュ
ーブ2の円筒外面の磁力が最も大きく成るようにするこ
とができる。
【0025】このパイロット永久磁石体1を構成する永
久磁石1mには、異物選別機SPの永久磁石構体MS
(図1)に使用される永久磁石MGと同様、磁束密度の
高い永久磁石を用いることが好ましい。発明者によるテ
ストでは、8000ガウス以上あれば十分なセンサ感度
が得られることを確認している。従って、サマリウム磁
石、コバルト磁石、アルニコ磁石、ネオジウム磁石等が
挙げられ、やはり、ネオジウム磁石(約10000ガウ
ス)が特に好適である。
【0026】図4は、この発明による磁性粒体吸着状態
定量化の原理を説明するための図である。外装チューブ
2の外面上に磁性粒体が吸着されていない図4〔A〕の
状態では、永久磁石体1、水平アーム3及びカウンタウ
エイト4の重量による重力“Wg”がロードセル5に作
用する。なお、バランスウエイト4は、ロードセル5に
過大な偏加重が加わらないように系の重量バランスを調
整するために設けられたものである。
【0027】ここで、異物として磁性粒体が混じった食
品類材料或いは化成品類の樹脂材料が外装チューブ2の
近傍を落下してくると、磁性粒体は、永久磁石体1の有
する約10000ガウスの超高磁力により引っ張られ
て、チューブ2の外面上部に吸着され、材料自体はその
まま通過してゆく。このようにして、図4〔B〕に示す
ように、磁性粒体Pmがチューブ2上に吸着されてくる
と、永久磁石体1と磁性粒体Pmとの間に磁力が作用し
て永久磁石体1を上方に引き上げる引力ΔFが生じ、永
久磁石体1の自重が軽くなる。この引力ΔFは、チュー
ブ外面への磁性粒体の吸着量にほぼ比例して変化する。
【0028】なお、上記のような材料に異物として混じ
っている磁性粒体Pmは、微細粒子の場合が多く、質量
も小さく永久磁石体1に作用する力ΔFが小さいので、
永久磁石体1には、これを補うためにも、前述のよう
に、約10000ガウスの強力な永久磁石1mが用いら
れる。これによって、検出感度も向上し(例えば、検出
感度1mg)、感度良好な検出装置を提供することがで
きる。
【0029】従って、磁性粒体Pmを介して永久磁石体
1に作用する力ΔFがアーム3を介してロードセル5に
作用することにより、ロードセル5が感知する重力は、
“ΔW”だけ減少し“Wg−ΔW”となるので、この変
化量“ΔW”を観測することにより、吸着された磁性粒
体量を定量化することができる。つまり、ロードセル5
の重量検出出力は制御及び表示制御装置7に与えられ、
この制御装置7において、アンプにより処理可能な大き
さに増幅する等の前処理を経た後、変化量“ΔW”を表
わす計測信号が得られる。
【0030】なお、図4〔B〕の例では磁性粒体Pmを
介して永久磁石体1に作用する引力を計測するのにロー
ドセルを使用したが、これに代えて、トルクセンサを使
用することができる。この場合には、アーム3の反永久
磁石体側にトルクセンサを取り付け、図4〔B〕におい
て一点鎖線で示される永久磁石体1及び水平アーム3の
軸に加わる回転力をトルクセンサにより検出する。つま
り、永久磁石体1及び水平アーム3を回転させようとす
ると、磁性粒体Pmを介して永久磁石体1に作用する引
力が抗力として働くので、この抗力をトルク量として計
測する。
【0031】このようなトルクセンサは、例えば、アー
ム3の反永久磁石体側にトルクモータを取り付けてトル
クモータにより軸回転力を与え、トルクモータ電流から
軸にかかるトルクを電気的に検出したり、或いは、アー
ム3とトルクモータとの間にトルク伝達軸を介在させこ
のトルク伝達軸のねじれ角を機械的に検出したりするこ
とによって、磁性粒体Pmを介して永久磁石体1に作用
する引力を軸回転力に作用する抗力として検出すること
ができる。
【0032】制御装置7では、この変化量“ΔW”の計
測信号値が所定閾値と対比され、磁性粒体吸着状態を表
わす信号に変換され、この信号は表示装置8に出力され
る。表示装置8においては、この信号に対応するディジ
タル値で磁性粒体吸着状態がパネル8P上に表示され、
また、或る限度値を超えると警報を発する。
【0033】このような動作を行う制御装置7は、例え
ば、センサ電源、計測信号増幅部、A/D変換部、閾値
信号設定部、ディジタルコンパレータ及び出力部を設
け、マイクロコンピュータによりこれらを制御するよう
にして構成することができる。また、表示装置8は、制
御装置7の出力部からのディジタル信号により駆動され
る表示制御部やリレー駆動部を備え、これらの制御部乃
至駆動部によって、表示パネル8P上の表示器、表示ラ
ンプ、警報ブザー等を作動する。
【0034】図5は、この発明の一実施例によるパネル
面の一構成例を示す。パネル8Pの上部開口にディジタ
ル表示器8Dが嵌装され、右下部に音響ブザー8Bが設
けられ、また、表示器8Dの左側には作動乃至警報ラン
プ8Lが設けられている。パネル8P上には、さらに、
計測及び表示制御装置7に対するモードボタン7B、感
度ノブ7S、警報ノブ7L等も設けられている。このモ
ードボタン7Bは、この押圧により、「モード設定」→
「モード設定終了」=「通常動作」→「警報閾値表示」
→「警報閾値表示終了」=「通常動作」→「モード設
定」の循環的なモード設定動作を繰り返す。
【0035】表示器8Dには、この例では、この発明に
よる検出装置の通常動作状態では、「吸着指数」を表示
するようになっている。この吸着指数は、磁性粒体の吸
着限度に対応する検出変化量の値“ΔWmax”を10
0とし、この限度値“ΔWmax”に対する実際の検出
変化量の値“ΔW”の百分比で表示するものである。従
って、表示器8Dに表示されている吸着指数を視認する
ことにより、常時、磁性粒体吸着状態を定量的に把握す
ることができる。
【0036】この吸着指数は、例えば、以下のようにし
て予め定めればよい。すなわち、この発明による検出装
置を異物選別機SPに実装するテスト段階において、磁
性粒体吸着量がゼロの状態(ΔW=0)を“0”%と
し、磁性粒体を選別チャンバCHに供給してしてゆき、
アウトレットOLにて磁性粒体が感知されたときのロー
ドセル5の検出変化量ΔWの値を限度値“ΔWmax”
とし、これを100%とする。
【0037】感度ノブ7Sは、上述の100%限度値Δ
Wmaxとして予め複数の可能値を用意しておき、この
発明による検出装置が適用される異物除去/選別装置等
の状況に応じて選択するために設けられたものである。
この例では、感度ノブ7Sの操作により、モード
“A”,“O”,“B”を選択することができる。或る
異物除去/選別装置に対して適用された上述のようなテ
スト段階において標準的に得られた限度値ΔWmaxに
対応するモードを“O”モードとし、その1.5倍及び
0.5倍の値を限度値とするモードを夫々“A”モード
及び“B”モードとする。このようなO・A・Bモード
設定動作及び感度ノブ7Sは、装置の設置前に計測及び
表示制御装置7を微調整する場合には、必要がなければ
省略することができる。
【0038】一方、音響ブザー8Bは、磁性粒体吸着量
が警報すべき状態にあることを聴覚的に報知するために
設けられたものであり、例えば、この吸着指数が50%
を超えると作動して警報を発するように標準設定されて
いる。この警報閾値は、警報ノブ7Lの操作によりディ
ジタル的に設定変更することができる。
【0039】つまり、モードボタン7Bの操作により表
示器8Dを警報閾値表示に切替えた後、警報ノブ7Lを
“+”(右)又は“−”(左)方向に操作すると、表示
器8Dに表示される設定警報閾値は標準設定値“50”
%から操作量に応じて増減される。所望値が表示された
状態で再度モードボタン7Bを操作すると、この値が警
報閾値としてセットされ、表示器8Dは元の吸着指数表
示に戻る。また、警報レベルは、このようなダイヤル式
ではなく、デジタルスイッチにより設定できるようにし
てもよい。
【0040】表示ランプ8Lは、LED等で構成され、
装置が動作中であること或いは吸着状態が警報レベルに
あることを表示するために設けられたものであり、吸着
指数が、上記のように設定された警報閾値(通常は50
%)を超えると、動作中であることを示す「常時点灯」
から「点滅」表示に切替えられて、音響ブザー8Bによ
る音響報知と共に、磁性粒体吸着量が警報すべき状態に
あることを視覚的に報知する。また、表示ランプ8Lを
2色LEDとし、動作中表示を緑色で表示し、警報表示
を赤色で表示するようにしてもよい。さらに、警報状態
では、ランプ表示に代えて/ランプ表示と共に、表示器
8Dの数値表示を点滅させてもよい。この場合、表示器
8Dは7セグメント方式の赤色LED表示器を用いるこ
とが好ましい。
【0041】図6は、磁性粒体の吸着量とロードセルに
よる重量検出変化量との関係についての一測定例を示
す。測定条件は、図4の原理図と同様の配置であり、吸
着手段としては、ステンレス製の円筒状外装チューブ2
に約10、000 ガウスの磁石を有する永久磁石1m
で構成した永久磁石体1を用い、磁性粒体Pmには、永
久磁石式異物除去/選別装置の機能試験等で通常使用し
ているSUS−304の微粉末を使用した。
【0042】永久磁石体1、水平アーム3、バランスウ
エイト4等の基準線(図2の一点鎖線)を水平にしてロ
ードセル5の指示値を「150g」前後に調整し、これ
を検出ゼロ点とする。次に、磁性粒体PmとなるSUS
−304の微粉末を吸着手段の外装チューブ2の上面に
落下させて、この微粉末を0.2グラムずつ増量させつ
つ吸着させながらロードセル5の指示値のゼロ点からの
変位量ΔWを読み取る。その結果、微粉末吸着量Gと指
示値変位量ΔWとの関係について、図6に示すような測
定結果が得られた。
【0043】図6において、「×」で示される点は、チ
ューブ2の表面全体に均一に吸着させた場合にプロット
された点であり、「△」で示される点は、チューブ2の
内側表面(図4で左側)に集中的に吸着させた場合に得
られた点であり、「○」で示される点は、チューブ2の
表面中央部に集中的に吸着させた場合に得られた点であ
り、「◎」で示される点は、チューブ2の外側表面(図
4で右側)に集中的に吸着させた場合に得られた点であ
る。
【0044】各場合は、夫々、図示の曲線A,B,C,
Dで直線的に近似することができるので、この測定結果
は磁性粒体Pmの吸着量Gの増大に応じてロードセル5
の検出変化量ΔWがほぼ比例的に増大することを表わし
ているということができる。従って、この変化量ΔWを
用いて永久磁石式異物除去/選別装置等の異物吸着量を
定量化することができることが十分に確認された。
【0045】なお、実施例では、一般的に、ロードセル
やトルクセンサを用い表示パネル8P上でボタン7B・
ノブ7S,7L等を操作することにより各種設定を行う
ようにし、表示器8Dにはパーセント表示を行うように
したものについて説明した。しかしながら、計測及び表
示制御装置並びに表示装置として市販の歪みゲージ用汎
用型ディジタルインジケータやディジタルトルクメータ
等を用い、磁性粒体の付着状態をディジタル表示器上に
重量乃至トルク(或いはその所定比換算値)で表示し、
付着状態の警報レベルをデジタルスイッチにて重量乃至
トルク(或いはその所定比換算値)で設定するようにし
てもよい。
【0046】このようなディジタルインジケータは、例
えば、センサ電源、信号設定部、増幅部、A/D変換
部、コンパレータ及び出力部を備え二重積分方式のLS
Iを採用しており、コンパレータ機能を含む全体の演算
・制御を行うのにワンチップマイクロコンピュータを搭
載しており、ディジタル表示に7セグメント赤色LED
表示器を用いている。また、デジタルスイッチにより上
下限レベルを設定することができ、3段階比較出力によ
り、上下限レベル間にあるかそれより上又は下であるか
を3種の表示ランプにより報知するようになっている。
【0047】したがって、このようなディジタルインジ
ケータを測及び表示制御装置並びに表示装置に使用する
と、市販の機器をそのまま用いて、下限レベルをも設定
し、磁性粒体の付着状態が少ない初期段階をも報知する
ことができるという利点が得られる。
【0048】また、トルクセンサについては、例えば、
駆動軸にトルク伝達軸を介してトルクモータを取り付
け、トルク伝達軸の両端に夫々取り付けられた歯車に対
向して電磁式(又は光学式)の非接触型回転検出器を設
け、トルクモータにより軸回転力を与えたとき、両回転
検出器の出力からトルク伝達軸のねじれ角をディジタル
的に検出するものが、ディジタルトルクメータとして市
販されているので、これを利用することができる。
【0049】このようなディジタルトルクメータを利用
する場合には、水平アーム3の反永久磁石体側にトルク
モータを取り付け、アーム3とトルクモータとの間にト
ルク伝達軸を介在させ、トルク伝達軸の両端に夫々取り
付けられた歯車に対向して電磁式(又は光学式)の非接
触型回転検出器を設ける。そして、トルクモータにより
軸回転力を与え、両回転検出器の出力からトルク伝達軸
のねじれ角をディジタル的に検出することにより、磁性
粒体の付着状態をトルク量として検出することができ
る。
【0050】〔発明の効果〕以上説明したように、この
発明によれば、磁性粒体の吸着状態を簡便な方法で定量
的に把握することができるので、磁性粒体を異物として
除去/選別する工程管理の強化及び省力化を計り、高品
質の食品類材料や化成品類の樹脂素材等を生産性よく提
供するものであることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明による磁性粒体吸着状態検出
及び報知装置を適用することができる永久磁石式異物除
去/選別装置の一例を示す図である。
【図2】図2は、この発明の一実施例による磁性粒体吸
着状態検出及び報知装置の全体構造を示す図である。
【図3】図3は、この発明の一実施例によるパイロット
永久磁石体を示す図である。
【図4】図4は、この発明による磁性粒体吸着状態の定
量化原理を説明するための図である。
【図5】図5は、この発明の一実施例によるパネル面の
構成を示す図である。
【図6】図6は、磁性粒体吸着量Gと検出変化量ΔWと
の関係の一計測例を示す図である。
【符号の説明】
1 パイロット永久磁石体、 2 ステンレス製外装チューブ、 3 水平アーム、 4 カウンタウエイト、 5 ロードセル、 6 ロードセル支持体、 7 計測及び表示制御装置、 8 表示装置、 8D ディジタル表示器、 8L 表示ランプ、 8B 警報ブザー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 功 徳島県板野郡北島町中村字向須2番地1 ダイカ株式会社 徳島テクノセンター 内 (56)参考文献 実開 平1−137753(JP,U) 実開 昭59−131245(JP,U) 実開 昭63−74244(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B03C 1/00 - 1/32

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒状体の内部に永久磁石体を遊嵌してな
    り、この永久磁石体の磁力により該筒状体の外部に磁性
    粒体を吸着させるための磁性粒体吸着手段と、 吸着された磁性粒体の量に応じて変化する、上記永久磁
    石体が受ける引力を計測するための引力計測手段とこの
    引力計測手段により計測された引力に基づいて、上記筒
    状体の外部に吸着された磁性粒体の量を決定する異物吸
    着量決定手段とを具備することを特徴とする磁性粒体吸
    着状態検出装置。
  2. 【請求項2】前記引力計測手段は、その一端に前記永久
    磁石体が連結されたアーム、このアームの他端に取り付
    けられたバランスウエイト、及び、アーム下部に設けら
    れたロードセルを備えることを特徴とする請求項1に記
    載の吸着状態検出装置。
  3. 【請求項3】前記引力計測手段は、その一端に前記永久
    磁石体が連結されたアーム、及び、このアームの他端に
    取り付けられたトルクセンサを備えることを特徴とする
    請求項1に記載の吸着状態検出装置。
  4. 【請求項4】前記筒状体はステンレス製であり、前記永
    久磁石体はネオジウム磁石からなり、前記磁性粒体吸着
    手段は、永久磁石式異物除去/選別装置の内部又は出入
    口に設けられることを特徴とする請求項1〜3の何れか
    1項に記載の吸着状態検出装置。
  5. 【請求項5】筒状体の内部に永久磁石体を遊嵌してな
    り、この永久磁石体の磁力により該筒状体の外部に磁性
    粒体を吸着させるための磁性粒体吸着手段と、 吸着された磁性粒体の量に応じて変化する、上記永久磁
    石体が受ける引力を計測するための引力計測手段とこの
    引力計測手段により計測された引力に基づいて、上記筒
    状体の外部に吸着された磁性粒体の量を決定する異物吸
    着量決定手段と、 決定された磁性粒体量に基づいて、上記磁性粒体吸着手
    段への磁性粒体の吸着状態を報知する報知手段とを具備
    することを特徴とする磁性粒体吸着状態報知装置。
  6. 【請求項6】前記報知手段は、前記磁性粒体吸着手段へ
    の磁性粒体の吸着状態をディジタル量で表示する表示器
    を備えることを特徴とする請求項5に記載の磁性粒体吸
    着状態報知装置。
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