JP3354805B2 - 水中航走体の移動位置およびその周辺流れ場の流速分布測定方法および装置 - Google Patents

水中航走体の移動位置およびその周辺流れ場の流速分布測定方法および装置

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JP3354805B2 JP22925996A JP22925996A JP3354805B2 JP 3354805 B2 JP3354805 B2 JP 3354805B2 JP 22925996 A JP22925996 A JP 22925996A JP 22925996 A JP22925996 A JP 22925996A JP 3354805 B2 JP3354805 B2 JP 3354805B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパイラル状軌跡
等各種軌跡に沿って水中を上昇および下降する一般の航
走体を含み、さらに例えば海洋観測用中層漂流ブイ、
投げ込み回収式観測機器および海底掘削設備のリエント
リー先端部等をも広く含む水中航走体の位置およびその
軌跡周辺の流れ場の速度分布を測定する測定方法および
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水中ビークル等の水中航走体の測
位の方法としては、例えば音響測位による方法や、慣性
航法装置による測位の方法等が考えられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の方法のいずれもが、以下のとおり、測位の精度お
よび測位の時間間隔等において満足すべきものでなく、
測定結果を利用して制御作動を行うような制御システム
を構築しようとしても、有効な制御システムを構築する
ことができなかった。
【0004】まず、上記従来の音響測位による測位方法
は、水中ビークル等の水中航走体にロング・ベース・ラ
イン(LBL)およびスーパー・ショート・ベース・ラ
イン(SSBL)等の受波器および信号処理装置を設け
る方法で、これらの受波器および信号処理装置を水中航
走体に装備するに当たっては、以下の不具合がある。
例えばトランスポンダ等の送信源を測位した上で同
時に設置する必要があり、その周辺における水中航走体
の行動が制約される。また、信号処理装置も大型となり
不都合である。 計測の時間間隔が、音響機器間の距
離にもよるが数秒以上となり、そのため、得られる情
報が、水中航走体の制御情報としては粗くて不十分であ
る。 測位の精度が、スーパー・ショート・ベース・
ライン(SSBL)でも、スラントレンジの数%であっ
て、精度上不十分である。
【0005】また、上記従来の慣性航法装置による測位
方法の原理は、3軸加速度を積分することによる位置の
算出であり、現在の技術では精度の面で十分とは言え
ず、水中航走体が長時間にわたって潜航する場合には、
ドリフト等の外部条件の変化により位置誤差が数マイル
にも及ぶ可能性がある。
【0006】他方、流れ場の鉛直方向の分布を計測する
に当たっては、従来は、各深度レベルに潮流計を置く
か、あるいは潮流計にエレベーション移動をさせるかす
ることにより計測を行うようにしており、能率および連
続性等の面で問題を有している。そのため、測定範囲
および測定メッシュにも限界がある。
【0007】本発明は、以上の課題を解決するため、水
中航走体が例えばスパイラル状軌跡で海底へと下降し、
あるいは逆に海底付近のある位置から例えばスパイラル
状軌跡で上昇する間の水中航走体の測位を高精度で行う
ことができ、また例えば従来の音響測位装置等のような
大型の装置を使用した測位システムを水中航走体に搭載
しなくても済み、その結果水中航走体の運動性能を高く
保つことができ、さらに従来の慣性航法装置による測位
の精度を大幅に上回る精度を実現することができ、また
水中航走体の周辺の流れ場による測位への影響を補償す
ることができ、さらに水中航走体の上昇・下降移動の際
における水中航走体の周辺の流れ場の3次元的な速度分
布を連続的に測定することができるような、水中航走体
の移動位置およびその周辺流れ場の流速分布測定方法を
提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
本発明の水中航走体の移動位置およびその周辺流れ
場の流速分布測定方法においては、スパイラル状軌跡等
各種軌跡に沿って上昇および下降移動をする水中航走体
の移動速度および移動位置を慣性航法装置により測定す
るとともに、同時に上記水中航走体の移動速度および移
動位置を多層式ドップラー流速計によっても計測し、上
記慣性航法装置により測定された上記水中航走体の移動
速度および移動位置と上記多層式ドップラー流速計によ
り計測した上記水中航走体の移動速度および移動位置と
の間の差に基づいて上記各測定結果の相互補正を行う
とにより、上記水中航走体の補正された移動速度および
補正された移動位置を求め、その周辺の流れ場の上記補
正された移動位置に対応する3次元的な流速分布を測定
する。
【0009】また、本発明の水中航走体の移動位置およ
びその周辺流れ場の流速分布測定方法においては、スパ
イラル状軌跡等各種軌跡に沿って上昇および下降移動を
する水中航走体の深度を深度計により計測するととも
に、上記水中航走体の対水速度を多層式ドップラー流速
計により計測し、上記深度計により計測した上記水中航
走体の深度と、上記多層式ドップラー流速計により計測
した上記対水速度の上下方向の移動速度成分を時間積分
することにより得られた上記水中航走体の上下方向位置
との間の誤差に対応した補正値を、上記多層式ドップラ
ー流速計の計測値演算部にフィードバックして、上記多
層式ドップラー流速計による上記水中航走体の対水速度
の水平成分の演算値を補正するとともに、上記水中航走
体の補正された移動速度およびその周辺の流れ場の補正
された移動位置に対応する3次元的な流速分布を測定す
る。
【0010】さらに、本発明の水中航走体の移動位置お
よびその周辺流れ場の流速分布測定装置は、スパイラル
状軌跡等各種軌跡に沿って上昇および下降移動をする水
中航走体の移動速度および移動位置を測定する慣性航法
装置と、同慣性航法装置とは別に上記水中航走体の移動
速度および移動位置を計測する多層式ドップラー流速計
と、上記慣性航法装置により測定された上記水中航走体
の移動速度および移動位置と上記多層式ドップラー流速
計により計測した上記水中航走体の移動速度および移動
位置との間の差に基づいて上記各測定結果の相互補正
行う補正演算手段と、上記水中航走体の補正された移
動速度および補正された移動位置に基づき、上記軌跡の
周辺の流れ場の上記補正された移動位置に対応する3次
元的な流速分布を演算する流速分布演算手段とを備えて
いる。
【0011】また、本発明の水中航走体の移動位置およ
びその周辺流れ場の流速分布測定装置は、スパイラル状
軌跡等各種軌跡に沿って上昇および下降移動をする水中
航走体の深度を計測する深度計と、上記水中航走体の対
水速度を計測する多層式ドップラー流速計と、上記深度
計により計測した上記水中航走体の深度、および上記多
層式ドップラー流速計により計測した上記対水速度の上
下方向の移動速度成分を時間積分することにより得られ
た上記水中航走体の上下方向位置間の誤差に対応した補
正値を、上記多層式ドップラー流速計の計測値演算部に
フィードバックして、上記多層式ドップラー流速計によ
る上記水中航走体の対水速度の演算値を補正するフィー
ドバック補正演算手段と、上記水中航走体の補正された
移動速度およびその周辺の流れ場の補正された移動位置
に基づき、上記軌跡の周辺の流れ場の上記補正された移
動位置に対応する3次元的な流速分布を演算する流速分
布演算手段とを備えている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態として、自律型無人潜水機(AUV)に本発明を
適用した場合について説明する。洋上において例えばG
PS(globalpositioning system ) 等の位置測定シス
テムを用いて測位した位置における水中の流れ場の流速
分布を計測する場合や、余り位置を変えずに海底までの
水中を上下動し、海底での正確な位置を知る必要がある
場合等において本方法および装置を適用することができ
る。
【0013】図1に、上記本発明の実施の形態におけ
る、水中航走体としての自律型無人潜水機(AUV)の
位置およびその周辺流れ場の速度分布測定方法および装
置に係るシステム構成図を示す。同図において、同シス
テムのセンサー部は、X,Y,Zの3軸方向の自律型無
人潜水機(AUV)の加速度を検出する加速度計1およ
びジャイロ2により構成される慣性航法装置と、加速度
計1およびジャイロ2からの出力信号を受けて作動する
慣性航法装置のエレクトロニクス部6と、上記自律型無
人潜水機の機体に下向きに装備され、流れ場の3次元的
な流向および流速を計測する多層式ドップラー流速計
(ADCP)3と、同多層式ドップラー流速計3からの
出力信号を受けて作動する多層式ドップラー流速計3の
エレクトロニクス部7と、上記自律型無人潜水機の機体
の傾斜度を計測する傾斜計4と、同傾斜計4からの出力
信号を受けて作動する傾斜計4のエレクトロニクス部8
と、上記自律型無人潜水機の深度を計測する深度計5
と、同深度計5からの出力信号を受けて作動する深度計
5のエレクトロニクス部9とにより構成されている。
【0014】上記センサー部からの計測値信号、すなわ
ち各エレクトロニクス部6、7、8および9からの計測
値信号は航海用マルチプレクサユニット(MPU)10
に集められ、ここで慣性航法ストラップダウン演算部1
1、多層速度演算部12および速度・位置演算比較部1
3等の各種演算部により、短いサイクルで演算処理され
る。
【0015】他方、初期位置の設定のため、GPS(gl
obal positioning system ) アンテナ15において受信
した地球上の絶対位置を示す受信信号を、信号処理機1
4により信号処理した後、航海用マルチプレクサユニッ
ト10へ送る。
【0016】航海用マルチプレクサユニット10におい
て演算されて得られた上記自律型無人潜水機の移動位
置、移動速度および上記自律型無人潜水機周辺の流れ場
の流速分布は入出力装置16を通して、上記自律型無人
潜水機の運動制御装置すなわち水中航走体運動制御装置
17および記録装置18へと送られる。また、外部制御
装置19からは、航海用マルチプレクサユニット10に
おける信号の処理、演算を統括する初期設定信号および
各種の演算モードに関するコマンド等の命令信号が、入
出力装置16を通して航海用マルチプレクサユニット1
0へと送られる。
【0017】図2に、本発明の実施の形態に係る、水中
航走体の位置測定およびその周辺の流れ場の流速分布に
関する信号処理のブロック図を示す。同図において、慣
性航法センサー21により計測され、バッファ22に記
録された水中航走体としての上記自律型無人潜水機の加
速度、角速度および方位等に係る計測値を示す計測値信
号は、傾斜計26により計測されバッファ27に記録さ
れた傾斜データに係る傾斜データ信号とともに演算回路
23へ送られ、この演算回路23においてストラップダ
ウン補正演算をされる。このストラップダウン補正演算
により、一次積分された速度データがバッファ24ヘ、
また二次積分により累積された位置デ−タがバッファ2
5へ送られる。
【0018】他方、多層式ドップラー流速計のソナー処
理部であるADCPソナー処理部28において計測さ
れる、水中航走体としての上記自律型無人潜水機の多層
の速度データである対水速度データは、バッファ29を
経て高速演算回路30へ送られ、ここで慣性航法センサ
ー21から送られた上記自律型無人潜水機の方位を示す
方位姿勢データと、上記自律型無人潜水機の深度を示す
深度計36のバッファ37から送られた深度データとに
よって補正され、水中航走体としての上記自律型無人潜
水機の3方位の速度がバッファ31へ、また深度方向に
多層に分離された流れ場の流速分布がバッファ38へそ
れぞれ送られる。
【0019】バッファ38からの流れ分布データは、測
定深度ごとの測定ファイルすなわち多層の流速分布ファ
イル39を構成する。バッファ24からの水中航走体の
慣性航法速度データおよびバッファ31から送られるA
DCPソナー処理部28からの水中航走体の速度データ
は、比較・積分回路32へ送られてここで信号処理され
る。比較・積分回路32は、水中航走体のより正確な位
置を示す出力信号をバッファ33へ送る。 さらにこの
水中航走体の位置情報を示す位置情報信号は、バッファ
25の慣性航法位置データ信号と、水中航走体が洋上に
いる場合に位置測定システムGPS41により計測さ
れ、信号処理器42を経て送られた絶対位置データを示
す絶対位置データ信号により信号処理回路34において
補正され、最終的に信号処理回路34の出力信号とし
て、水中航走体位置データ信号を水中航走体位置データ
ファイル40へ送る。
【0020】信号処理回路34において演算された水中
航走体の上下方向の移動量は、逐次フィードバック回路
35を介して高速演算回路30へフィードバックされ、
バッファ37からの実測の深度データと比較され、必要
と判断された場合は、高速演算回路30において水中航
走体の速度および流れ場の流速の補正が行われ、新たに
データ補正が繰り返され、より正確な流れ場の流速分布
流速分布ファイル39へ送られるとともに、水中航
走体位置データファイル40が作成される。以上のよう
な測定および演算は高速で実施されるため、連続的な水
中航走体の位置および流れ場の流速分布の測定が行わ
る。
【0021】図3に、水中航走体が多層式ドップラー流
速計(ADCP)によって計測した深度毎の多層の対水
速度を水中航走体の移動速度と海潮流等の流れ場の
流速とに分離する方法を示す。同図において、スパイラ
ル軌跡を描いて下降中の位置51における水中航走体
と、このときの方位から180゜方位を変化させたとき
の位置52における水中航走体との速度成分を見ると、
この流れ場での流速vcはほぼ同一と考え、位置51に
おける水中航走体のベクトル53として示す対水速度V
1の水平成分をVv1 、位置52における水中航走体のベ
クトル54として示す対水速度V2の水平成分をVv2
すると、各水平成分Vv1 、Vv2 の差の平均は、流れ場
の流速が相互にキャンセルされ打ち消しあうことによっ
て、ほぼ水中航走体の移動速度の平均を示すこととな
る。このことから、水中航走体の各位置および方位にお
ける流れ場の流速vc が演算される。
【0022】実際には、方位角の微小変化と多層式ドッ
プラー流速計の計測サイクルとが同期して、よりきめ細
かな測定メッシュに従った計測が実行され、各速度成分
が測定される。この測定のための演算は、多層式ドップ
ラー流速計の深度層毎に実施され、その時点での流れ場
の各深度毎の流速分布が測定される。
【0023】図4に、計測した対水速度から、水中航走
体の鉛直方向の移動速度と、海潮流の流速の鉛直方向の
成分とを分離する方法を示す。同図において、水中航走
体の対水速度の鉛直成分は、例えば位置51においてベ
クトル53として示す対水速度V1の向きに対し角α1
けずれた向きの水中航走体の中心線に対する垂直成分と
して計測された垂直成分V1z1、・・・、V2zn と対応
する位置52においてベクトル54として示す対水速度
2の向きに対し角α2だけずれた向きの水中航走体の中
心線に対する垂直成分として計測された垂直成分
2z1、・・・、V2znの各々の和平均として求めること
ができ、この鉛直速度の積分値と深度計により計測され
た水中航走体の高さ方向の移動量との差を求め、それを
微分したものを流れ場の流速の鉛直成分として測定す
る。
【0024】図5に、水中航走体の3次元的な軌跡およ
びその周辺の流れ場の3次元的な流速分布の、測定結果
としての出力例を示す。同図において、O−E,N立体
座標中に示された水中航走体の軌跡61は、上述のよう
な各種の補正が行われ速度の積分をベースとして3次元
的に高精度で求められる。また多層式ドップラー流速計
により計測された流れ場の流速分布は、深度をベースに
して合成され、平均処理等がなされてO−E,N立体座
標中の3次元分布62のように求められる。
【0025】
【発明の効果】本発明の水中航走体の移動位置およびそ
の周辺流れ場の流速分布測定方法によれば、以下のよう
な効果が得られる。 ()スパイラル状軌跡等各種軌跡に沿って上昇および
下降移動をする水中航走体の移動速度および移動位置を
慣性航法装置により測定するとともに、同時に、上記水
中航走体の移動速度および移動位置を多層式ドップラー
流速計によっても計測し、上記慣性航法装置により測定
された上記水中航走体の移動速度および移動位置と上記
多層式ドップラー流速計により計測した上記水中航走体
の移動速度および移動位置との間の差に基づいて上記各
測定結果の相互補正を行うことにより、上記水中航走体
の補正された移動速度および補正された移動位置を求
め、その周辺の流れ場の上記補正された移動位置に対応
する3次元的な流速分布を測定するようにしたので、従
来の大型の音響測位装置等のような大型の装置を使用し
た測位システムを水中航走体に搭載しなくても済み、そ
の結果水中航走体の運動性能を高く保つことができ、さ
らに従来の慣性航法装置による測位の精度を大幅に上回
る精度を実現することができ、また水中航走体の周辺の
流れ場による測位への影響を補償することができ、さら
に水中航走体の上昇・下降移動の際における水中航走体
の周辺の流れ場の3次元的な速度分布を連続的に測定す
ることができる(請求項)。 ()スパイラル状軌跡等各種軌跡に沿って上昇および
下降移動をする水中航走体の深度を深度計により計測す
るとともに、上記水中航走体の対水速度を多層式ドップ
ラー流速計により計測し、上記深度計により計測した上
記水中航走体の深度と、上記多層式ドップラー流速計に
より計測した上記対水速度の上下方向の移動速度成分を
時間積分することにより得られた上記水中航走体の上下
方向位置との間の誤差に対応した補正値を、上記多層式
ドップラー流速計の計測値演算部にフィードバックし
て、上記多層式ドップラー流速計による上記水中航走体
の対水速度の水平成分の演算値を補正するとともに、上
記水中航走体の補正された移動速度およびその周辺の流
れ場の補正された移動位置に対応する3次元的な流速分
布を測定するようにしたので、水中航走体が例えばスパ
イラル状軌跡で海底へと下降し、あるいは逆に海底付近
のある位置から例えばスパイラル状軌跡で上昇する間の
水中航走体の測位を高精度で行うことができ、また例え
ば従来の大型の音響測位装置等のような大型の装置を使
用した測位システムを水中航走体に搭載しなくても済
み、その結果水中航走体の運動性能を高く保つことがで
き、また水中航走体の周辺の流れ場による測位への影響
を補償することができ、さらに水中航走体の上昇・下降
移動の際における水中航走体の周辺の流れ場の3次元的
な速度分布を連続的に測定することができる(請求項
)。また、本発明の水中航走体の移動位置およびその
周辺流れ場の流速分布測定装置によれば、以下のような
効果が得られる。 ()スパイラル状軌跡等各種軌跡に沿って上昇および
下降移動をする水中航走体の移動速度および移動位置を
測定する慣性航法装置と、同慣性航法装置とは別に上記
水中航走体の移動速度および移動位置を計測する多層式
ドップラー流速計と、上記慣性航法装置により測定され
た上記水中航走体の移動速度および移動位置と上記多層
式ドップラー流速計により計測した上記水中航走体の移
動速度および移動位置との間の差に基づいて上記各測定
結果の相互補正を行う補正演算手段と、上記水中航走体
の補正された移動速度および補正された移動位置に基づ
き、上記軌跡の周辺の流れ場の上記補正された移動位置
に対応する3次元的な流速分布を演算する流速分布演算
手段とを備えているので、従来の大型の音響測位装置等
のような大型の装置を使用した測位システムを水中航走
体に搭載しなくても済み、その結果水中航走体の運動性
能を高く保つことができ、さらに従来の慣性航法装置に
よる測位の精度を大幅に上回る精度を実現することがで
き、また水中航走体の周辺の流れ場による測位への影響
を補償することができ、さらに水中航走体の上昇・下降
移動の際における水中航走体の周辺の流れ場の3次元的
な速度分布を連続的に測定することができる(請求項
)。 ()スパイラル状軌跡等各種軌跡に沿って上昇および
下降移動をする水中航走体の深度を計測する深度計と、
上記水中航走体の対水速度を計測する多層式ドップラー
流速計と、上記深度計により計測した上記水中航走体の
深度、および上記多層式ドップラー流速計により計測し
た上記対水速度の上下方向の移動速度成分を時間積分す
ることにより得られた上記水中航走体の上下方向位置間
の誤差に対応した補正値を、上記多層式ドップラー流速
計の計測値演算部にフィードバックして、上記多層式ド
ップラー流速計による上記水中航走体の対水速度の演算
値を補正するフィードバック補正演算手段と、上記水中
航走体の補正された移動速度およびその周辺の流れ場の
補正された移動位置に基づき、上記軌跡の周辺の流れ場
の上記補正された移動位置に対応する3次元的な流速分
布を演算する流速分布演算手段とを備えているので、水
中航走体が例えばスパイラル状軌跡で海底へと下降し、
あるいは逆に海底付近のある位置から例えばスパイラル
状軌跡で上昇する間の水中航走体の測位を高精度で行う
ことができ、また例えば従来の大型の音響測位装置等の
ような大型の装置を使用した測位システムを水中航走体
に搭載しなくても済み、その結果水中航走体の運動性能
を高く保つことができ、また水中航走体の周辺の流れ場
による測位への影響を補償することができ、さらに水中
航走体の上昇・下降移動の際における水中航走体の周辺
の流れ場の3次元的な速度分布を連続的に測定すること
ができる(請求項)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における、水中航走体と
しての自律型無人潜水機(AUV)の位置およびその周
辺流れ場の速度分布測定方法および装置に係るシステム
構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る、水中航走体の位置
測定およびその周辺の流れ場の流速分布に関する信号処
理のブロック図である。
【図3】水中航走体が多層式ドップラー流速計(ADC
P)によって計測した深度毎の多層の対水速度を、水中
航走体の移動速度と海潮流等の流れ場の流速とに分離す
る方法について説明するための説明図である。
【図4】計測した対水速度から水中航走体の鉛直方向の
移動速度と海潮流の流速の鉛直方向の成分とを分離する
方法について説明するための説明図である。
【図5】水中航走体の3次元的な軌跡、およびその周辺
の流れ場の3次元的な流速分布の、測定結果としての出
力例について説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 x,y,z軸加速度計 2 ジャイロ 3 多層式ドップラー流速計(ADCP) 4 傾斜計 5 深度計 6 慣性航法装置のエレクトロニクス部 7 多層式ドップラー流速計(ADCP)のエレクト
ロニクス部 8 傾斜計のエレクトロニクス部 9 深度計のエレクトロニクス部 10 航海用マルチプレクサユニット(MPU) 11 慣性航法ストラップダウン演算部 12 多層速度演算部 13 速度・位置演算比較部 14 信号処理器 15 位置測定システムGPSのGPSアンテナ 16 入出力装置 17 水中航走体運動制御装置 18 記録装置 19 外部制御装置 21 慣性航法センサ 22,24,25,27,29,31,33,37,3
8 バッファ 23 演算回路 26 傾斜計 28 多層式ドップラー流速計(ADCP)のソナー
処理部 30 高速演算回路 32 比較・積分回路 34 信号処理回路 35 フィードバック回路 36 深度計 39 流速分布ファイル 40 水中航走体位置データファイル 51,52 位置 53,54 対水速度ベクトル 61 水中航走体の軌跡 62 流れ場の3次元流速分布 Vc 流れ場の流速 V1,V2 水中航走体の対水速度 Vv1,Vv2 水中航走体の対水速度の水平成分 V1z1,・・・,V1zn,V2z1,・・・,V2zn 水中
航走体の対水速度の垂直成分 α1,α2 水中航走体の中心線に対する対水速度のず
れ角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01S 5/18 G01S 5/18 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 21/12 B63C 11/00 B63G 8/00 G01C 21/20 G01P 5/00 G01S 5/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スパイラル状軌跡等各種軌跡に沿って上
    昇および下降移動をする水中航走体の移動速度および移
    動位置を慣性航法装置により測定するとともに、同時に
    上記水中航走体の移動速度および移動位置を多層式ドッ
    プラー流速計によっても計測し、上記慣性航法装置によ
    り測定された上記水中航走体の移動速度および移動位置
    と上記多層式ドップラー流速計により計測した上記水中
    航走体の移動速度および移動位置との間の差に基づいて
    上記各測定結果の相互補正を行うことにより、上記水中
    航走体の補正された移動速度および補正された移動位置
    を求め、その周辺の流れ場の上記補正された移動位置に
    対応する3次元的な流速分布を測定することを特徴とす
    る、水中航走体の移動位置およびその周辺流れ場の流速
    分布測定方法。
  2. 【請求項2】 スパイラル状軌跡等各種軌跡に沿って上
    昇および下降移動をする水中航走体の深度を深度計によ
    り計測するとともに、上記水中航走体の対水速度を多層
    式ドップラー流速計により計測し、上記深度計により計
    測した上記水中航走体の深度と、上記多層式ドップラー
    流速計により計測した上記対水速度の上下方向の移動速
    度成分を時間積分することにより得られた上記水中航走
    体の上下方向位置との間の誤差に対応した補正値を、上
    記多層式ドップラー流速計の計測値演算部にフィードバ
    ックして、上記多層式ドップラー流速計による上記水中
    航走体の対水速度の水平成分の演算値を補正するととも
    に、上記水中航走体の補正された移動速度およびその周
    辺の流れ場の補正された移動位置に対応する3次元的な
    流速分布を測定することを特徴とする、水中航走体の移
    動位置およびその周辺流れ場の流速分布測定方法。
  3. 【請求項3】 スパイラル状軌跡等各種軌跡に沿って上
    昇および下降移動をする水中航走体の移動速度および移
    動位置を測定する慣性航法装置と、同慣性航法装置とは
    別に上記水中航走体の移動速度および移動位置を計測す
    る多層式ドップラー流速計と、上記慣性航法装置により
    測定された上記水中航走体の移動速度および移動位置と
    上記多層式ドップラー流速計により計測した上記水中航
    走体の移動速度および移動位置との間の差に基づいて上
    記各測定結果の相互補正を行う補正演算手段と、上記水
    中航走体の補正された移動速度および補正された移動位
    置に基づき、上記軌跡の周辺の流れ場の上記補正された
    移動位置に対応する3次元的な流速分布を演算する流速
    分布演算手段とを備えたことを特徴とする、水中航走体
    の移動位置およびその周辺流れ場の流速分布測定装置。
  4. 【請求項4】 スパイラル状軌跡等各種軌跡に沿って上
    昇および下降移動をする水中航走体の深度を計測する深
    度計と、上記水中航走体の対水速度を計測する多層式ド
    ップラー流速計と、上記深度計により計測した上記水中
    航走体の深度、および上記多層式ドップラー流速計によ
    り計測した上記対水速度の上下方向の移動速度成分を時
    間積分することにより得られた上記水中航走体の上下方
    向位置間の誤差に対応した補正値を、上記多層式ドップ
    ラー流速計の計測値演算部にフィードバックして、上記
    多層式ドップラー流速計による上記水中航走体の対水速
    度の演算値を補正するフィードバック補正演算手段と、
    記水中航走体の補正された移動速度およびその周辺の
    流れ場の補正された移動位置に基づき、上記軌跡の周辺
    の流れ場の上記補正された移動位置に対応する3次元的
    な流速分布を演算する流速分布演算手段とを備えたこと
    を特徴とする、水中航走体の移動位置およびその周辺流
    れ場の流速分布測定装置。
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