JP3346519B2 - 水硬性物質用水溶性分離低減剤ならびにそれを用いた水硬性組成物および水硬性物質成形物 - Google Patents
水硬性物質用水溶性分離低減剤ならびにそれを用いた水硬性組成物および水硬性物質成形物Info
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- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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- C04B24/12—Nitrogen containing compounds organic derivatives of hydrazine
- C04B24/14—Peptides; Proteins; Derivatives thereof
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- Structural Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリグルタミン酸を含
有してなる水硬性物質用水溶性分離低減剤、ならびにそ
れを用いた水硬性組成物および水硬性物質成形物に関す
るもので、特に、高流動性、高充填性および高分離抵抗
性を有するペースト、モルタルあるいはコンクリートな
どの水硬性組成物に用いることができる水溶性分離低減
剤に関するものである。
有してなる水硬性物質用水溶性分離低減剤、ならびにそ
れを用いた水硬性組成物および水硬性物質成形物に関す
るもので、特に、高流動性、高充填性および高分離抵抗
性を有するペースト、モルタルあるいはコンクリートな
どの水硬性組成物に用いることができる水溶性分離低減
剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリートに高流動性、高充填性を付
与して、打設時の締固めを不要にする技術として、例え
ば土木施工1989年10月号記載の「ハイパフォーマ
ンスコンクリート(東京大学工学部、岡村 甫教授開
発)」、あるいは水溶性分離低減剤などをコンクリート
材料に添加して増粘させる水中不分離性コンクリートな
どがある。そして、上記水溶性分離低減剤として、メチ
ルセルロース(MC)などが開発されている。
与して、打設時の締固めを不要にする技術として、例え
ば土木施工1989年10月号記載の「ハイパフォーマ
ンスコンクリート(東京大学工学部、岡村 甫教授開
発)」、あるいは水溶性分離低減剤などをコンクリート
材料に添加して増粘させる水中不分離性コンクリートな
どがある。そして、上記水溶性分離低減剤として、メチ
ルセルロース(MC)などが開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来技術には
次のような問題点がある。厳選した材料を使用し、水硬
性物質粉体の非常に多い状態で、かつ、場合によっては
これに水溶性分離低減剤を微量添加し粘度を増加させた
状態で、コンクリート流動時の分離抵抗性を確保する必
要がある。そのために使用材料の品質管理および製造管
理に非常な厳密さが要求される。また、従来のコンクリ
ート材料に添加される水溶性分離低減剤は、コンクリー
ト中の自由水に作用し、その粘度を高めることにより分
離低減性を示すものである。そのような水溶性分離低減
剤では、コンクリート粘度の急増が生じたりして、粘度
を適当な範囲に抑制することが困難である。そのために
流動性や充填性が損なわれたり、あるいは、高密度配筋
の部材に自己充填性を付与することが困難になる場合が
生じる。上記のコンクリート粘度の急増は、水溶性分離
低減剤を極めて微量な範囲で使用することにより避ける
ことができる。しかし、その場合、材料の練混ぜにおい
て、微量の水溶性分離低減剤を全体に均等に分散させる
ことが非常に困難である。また、従来の水溶性分離低減
剤では、使用する高性能減水剤の種類により分離低減効
果が異なるため、各々の水溶性分離低減剤と相性のよい
高性能減水剤あるいは高性能AE減水剤を選択し、使用
せざるを得なかった。
次のような問題点がある。厳選した材料を使用し、水硬
性物質粉体の非常に多い状態で、かつ、場合によっては
これに水溶性分離低減剤を微量添加し粘度を増加させた
状態で、コンクリート流動時の分離抵抗性を確保する必
要がある。そのために使用材料の品質管理および製造管
理に非常な厳密さが要求される。また、従来のコンクリ
ート材料に添加される水溶性分離低減剤は、コンクリー
ト中の自由水に作用し、その粘度を高めることにより分
離低減性を示すものである。そのような水溶性分離低減
剤では、コンクリート粘度の急増が生じたりして、粘度
を適当な範囲に抑制することが困難である。そのために
流動性や充填性が損なわれたり、あるいは、高密度配筋
の部材に自己充填性を付与することが困難になる場合が
生じる。上記のコンクリート粘度の急増は、水溶性分離
低減剤を極めて微量な範囲で使用することにより避ける
ことができる。しかし、その場合、材料の練混ぜにおい
て、微量の水溶性分離低減剤を全体に均等に分散させる
ことが非常に困難である。また、従来の水溶性分離低減
剤では、使用する高性能減水剤の種類により分離低減効
果が異なるため、各々の水溶性分離低減剤と相性のよい
高性能減水剤あるいは高性能AE減水剤を選択し、使用
せざるを得なかった。
【0004】
【発明の目的】従って、本発明の目的は、高流動性、高
充填性および高分離抵抗性を有し、打設時の締固めが不
要で耐久性に優れたペースト、モルタルあるいはコンク
リートなどの水硬性組成物に用いられる新規水溶性分離
低減剤、ならびにそれを用いた水硬性組成物および水硬
性物質成形物を提供することにある。
充填性および高分離抵抗性を有し、打設時の締固めが不
要で耐久性に優れたペースト、モルタルあるいはコンク
リートなどの水硬性組成物に用いられる新規水溶性分離
低減剤、ならびにそれを用いた水硬性組成物および水硬
性物質成形物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究した結果、特定のポリアミノ酸
が、コンクリート粘度の急激な増加を引き起こさず、か
つ分離低減効果に優れ、しかもその分離低減効果が高性
能減水剤の種類に影響されないことを知見した。
を達成すべく鋭意研究した結果、特定のポリアミノ酸
が、コンクリート粘度の急激な増加を引き起こさず、か
つ分離低減効果に優れ、しかもその分離低減効果が高性
能減水剤の種類に影響されないことを知見した。
【0006】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、ポリグルタミン酸を含有してなる水硬性物質用水
溶性分離低減剤を提供するものである。また、本発明
は、水硬性物質粉体、高性能減水剤あるいは高性能AE
減水剤、および上記の本発明の水溶性分離低減剤を含有
してなる水硬性組成物を提供するものである。また、本
発明は、上記の本発明の水硬性組成物に水を添加し、硬
化させてなる水硬性物質成形物を提供するものである。
ので、ポリグルタミン酸を含有してなる水硬性物質用水
溶性分離低減剤を提供するものである。また、本発明
は、水硬性物質粉体、高性能減水剤あるいは高性能AE
減水剤、および上記の本発明の水溶性分離低減剤を含有
してなる水硬性組成物を提供するものである。また、本
発明は、上記の本発明の水硬性組成物に水を添加し、硬
化させてなる水硬性物質成形物を提供するものである。
【0007】以下、まず本発明の水硬性物質用水溶性分
離低減剤について詳述する。
離低減剤について詳述する。
【0008】本発明の水溶性分離低減剤に用いるポリグ
ルタミン酸としては、D体およびL体のいずれも用いる
ことができる。
ルタミン酸としては、D体およびL体のいずれも用いる
ことができる。
【0009】上記ポリアミノ酸としては、その分子量が
1万以上のものが好ましく、より好ましくは2万以上、
特に好ましくは5万以上のものである。
1万以上のものが好ましく、より好ましくは2万以上、
特に好ましくは5万以上のものである。
【0010】
【0011】前記のポリグルタミン酸の中でも好適に用
いられるのは、γ−グルタミル結合を有するγ−ポリグ
ルタミン酸である。
いられるのは、γ−グルタミル結合を有するγ−ポリグ
ルタミン酸である。
【0012】γ−ポリグルタミン酸は、発酵法で大量
に、かつ安価に生産されるのでコスト面から本発明に特
に好適に用いられる。その製造法は、例えば、γ−ポリ
グルタミン酸生産能をもつ微生物、例えば、バチルス・
ズブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・リケニホ
ルミス (Bacillus licheniformis) 、バチルス・メガテ
リウム(Bacillus megatherium) 、およびバチルス・ア
ントラシス (Bacillus anthracis) などのバチルス属細
菌など、具体的にはバチルス・ズブチルス (Bacillus s
ubtilis)の中の市販納豆菌株の宮城野菌 (宮城野納豆製
造所製) 、成瀬菌(成瀬発酵化学研究所製)など、ま
た、それら菌株の変異株(特開平6−330885号公
報および特開昭59−42895号公報参照)および遺
伝子組換微生物を培養するものである。そしてその培養
は固体培養、液体培養などの通常の公知方法で行なわれ
る(特開平3−130090号公報;特開平6−330
885号公報;日本農芸化学会誌、第37巻、407〜
411頁および346〜350頁、1963年;月刊組
織培養、第16巻、No. 10,369〜372頁、19
90年参照)。なお、上記の発酵法により生産されたγ
−ポリグルタミン酸は、D体グルタミン酸および/また
はL体グルタミン酸を主体とするものとして得られ、微
量であるが他のアミノ酸を成分として含むものである。
に、かつ安価に生産されるのでコスト面から本発明に特
に好適に用いられる。その製造法は、例えば、γ−ポリ
グルタミン酸生産能をもつ微生物、例えば、バチルス・
ズブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・リケニホ
ルミス (Bacillus licheniformis) 、バチルス・メガテ
リウム(Bacillus megatherium) 、およびバチルス・ア
ントラシス (Bacillus anthracis) などのバチルス属細
菌など、具体的にはバチルス・ズブチルス (Bacillus s
ubtilis)の中の市販納豆菌株の宮城野菌 (宮城野納豆製
造所製) 、成瀬菌(成瀬発酵化学研究所製)など、ま
た、それら菌株の変異株(特開平6−330885号公
報および特開昭59−42895号公報参照)および遺
伝子組換微生物を培養するものである。そしてその培養
は固体培養、液体培養などの通常の公知方法で行なわれ
る(特開平3−130090号公報;特開平6−330
885号公報;日本農芸化学会誌、第37巻、407〜
411頁および346〜350頁、1963年;月刊組
織培養、第16巻、No. 10,369〜372頁、19
90年参照)。なお、上記の発酵法により生産されたγ
−ポリグルタミン酸は、D体グルタミン酸および/また
はL体グルタミン酸を主体とするものとして得られ、微
量であるが他のアミノ酸を成分として含むものである。
【0013】また、発酵法で得られるα−ポリグルタミ
ン酸も本発明には好適に用いることができる。このα−
ポリグルタミン酸は、キサントバクター(Xanthobacte
r) 、マイコバクテリウム・チューバーキュロシス (Myc
obacterium tuberculosis) 、コリネバクテリウム・グ
ルタミカム (Corynebacterium glutamicum) などの細胞
壁中に存在し、D体グルタミン酸およびL体グルタミン
酸を主体とするものとして得られ、微量であるが他のア
ミノ酸を成分として含むものである。
ン酸も本発明には好適に用いることができる。このα−
ポリグルタミン酸は、キサントバクター(Xanthobacte
r) 、マイコバクテリウム・チューバーキュロシス (Myc
obacterium tuberculosis) 、コリネバクテリウム・グ
ルタミカム (Corynebacterium glutamicum) などの細胞
壁中に存在し、D体グルタミン酸およびL体グルタミン
酸を主体とするものとして得られ、微量であるが他のア
ミノ酸を成分として含むものである。
【0014】
【0015】また、ポリグルタミン酸は合成法で容易に
製造できる。例えば、グルタミン酸エステル−Nカルボ
ン酸無水物の重合体から誘導される合成α−ポリグルタ
ミン酸として得られる。
製造できる。例えば、グルタミン酸エステル−Nカルボ
ン酸無水物の重合体から誘導される合成α−ポリグルタ
ミン酸として得られる。
【0016】本発明で用いられるポリグルタミン酸は、
上述した方法などにより生産されるが、本発明におい
て、微生物により生産されたものは、これを未精製のま
ま、すなわち、培養物のままにて用いてもよい。また、
必要に応じて、高度に精製して用いてもよく、この分離
精製方法には、例えば以下の方法があり、本発明にはど
のような方法を採用してもよい。
上述した方法などにより生産されるが、本発明におい
て、微生物により生産されたものは、これを未精製のま
ま、すなわち、培養物のままにて用いてもよい。また、
必要に応じて、高度に精製して用いてもよく、この分離
精製方法には、例えば以下の方法があり、本発明にはど
のような方法を採用してもよい。
【0017】(1)固体培養物からの20%以下の食塩
水による抽出分離法(特開平3−30648号公報参
照)。 (2)硫酸銅による沈殿法(Throne. B. C., C. C. Gom
ez, N. E. Noues and R.D. Housevright:J. Bacterio
l., 68巻、307ページ、1954年)。 (3)アルコール沈殿法(R. M. Vard, R. F. Anderson
and F. K. Dean:Biotechnology and Bioengineering,
5巻、41ページ、1963年;沢純彦、村川武雄、村
尾沢夫、大亦正次郎:農化、47巻、159〜165ペ
ージ、1973年;藤井久雄:農化、37巻、407〜
412ページ、1963年参照)。 (4)架橋化キトサン成形物を吸着剤とするクロマトグ
ラフィー法(特開平3−244392号公報参照)。 (5)分子限外濾過膜を使用する分子限外濾過法。 (6)上記(1)〜(5)の方法の適当な組合せ。 合成法により得られるポリグルタミン酸も上記の分離精
製方法を好適に用いることができる。そして、得られた
ポリグルタミン酸はナトリウム、カリウム、カルシウム
などの塩の形態で用いられる。
水による抽出分離法(特開平3−30648号公報参
照)。 (2)硫酸銅による沈殿法(Throne. B. C., C. C. Gom
ez, N. E. Noues and R.D. Housevright:J. Bacterio
l., 68巻、307ページ、1954年)。 (3)アルコール沈殿法(R. M. Vard, R. F. Anderson
and F. K. Dean:Biotechnology and Bioengineering,
5巻、41ページ、1963年;沢純彦、村川武雄、村
尾沢夫、大亦正次郎:農化、47巻、159〜165ペ
ージ、1973年;藤井久雄:農化、37巻、407〜
412ページ、1963年参照)。 (4)架橋化キトサン成形物を吸着剤とするクロマトグ
ラフィー法(特開平3−244392号公報参照)。 (5)分子限外濾過膜を使用する分子限外濾過法。 (6)上記(1)〜(5)の方法の適当な組合せ。 合成法により得られるポリグルタミン酸も上記の分離精
製方法を好適に用いることができる。そして、得られた
ポリグルタミン酸はナトリウム、カリウム、カルシウム
などの塩の形態で用いられる。
【0018】なお、本発明においては、ポリグルタミン
酸の水溶性を阻害しない程度に、メチル、エチル、メト
キシ(methoxy)、エトキシ(ethoxy) 基などおよびアル
コール、カルボン酸などの誘導体(すなわち修飾体類)
も十分に用いることができる。また、このようなポリグ
ルタミン酸の末端に各種糖のポリマー、例えば、セルロ
ース類、MC類、蛋白質類などを結合させたものも本発
明に好適に用いられる。このようなポリグルタミン酸
は、通常の公知の方法、例えば、微生物による発酵法
(特開平3−130090号公報および特公昭59−2
0359号公報参照)、合成法〔特開平6−25650
4号公報、ペプチド合成の基礎と実験:泉屋信夫他著、
丸善株式会社出版、250頁、1985年、合成高分
子、第5巻、16〜17頁および45〜46頁、197
1年(朝倉書店出版)参照)〕で製造することができ
る。
酸の水溶性を阻害しない程度に、メチル、エチル、メト
キシ(methoxy)、エトキシ(ethoxy) 基などおよびアル
コール、カルボン酸などの誘導体(すなわち修飾体類)
も十分に用いることができる。また、このようなポリグ
ルタミン酸の末端に各種糖のポリマー、例えば、セルロ
ース類、MC類、蛋白質類などを結合させたものも本発
明に好適に用いられる。このようなポリグルタミン酸
は、通常の公知の方法、例えば、微生物による発酵法
(特開平3−130090号公報および特公昭59−2
0359号公報参照)、合成法〔特開平6−25650
4号公報、ペプチド合成の基礎と実験:泉屋信夫他著、
丸善株式会社出版、250頁、1985年、合成高分
子、第5巻、16〜17頁および45〜46頁、197
1年(朝倉書店出版)参照)〕で製造することができ
る。
【0019】本発明の水硬性物質用水溶性分離低減剤
は、上記のポリグルタミン酸を1種又は2種以上含有す
るものである。
は、上記のポリグルタミン酸を1種又は2種以上含有す
るものである。
【0020】また、本発明の水硬性物質用水溶性分離低
減剤は、粉末形態および溶液形態など、所望の形態にす
ることができる。また、本発明の水硬性物質用水溶性分
離低減剤には、適当な賦化剤を添加してもよい。粉末化
する方法としては凍結、噴霧、熱風、減圧などの乾燥法
を用いることができる。また、水溶液として用いる場合
には、コンクリートに悪影響を与えない範囲で、各種の
塩、防腐剤、例えば、アジ化ナトリウム、次亜塩素酸、
ほう酸、各種界面活性剤、EDTA、リゾチーム、ポリ
リジンなどを単独あるいは複数添加することもできる。
また、この場合のポリグルタミン酸の濃度は、好ましく
は0.01〜5%、より好ましくは0.1〜2%、特に
好ましくは0.5〜1%である。
減剤は、粉末形態および溶液形態など、所望の形態にす
ることができる。また、本発明の水硬性物質用水溶性分
離低減剤には、適当な賦化剤を添加してもよい。粉末化
する方法としては凍結、噴霧、熱風、減圧などの乾燥法
を用いることができる。また、水溶液として用いる場合
には、コンクリートに悪影響を与えない範囲で、各種の
塩、防腐剤、例えば、アジ化ナトリウム、次亜塩素酸、
ほう酸、各種界面活性剤、EDTA、リゾチーム、ポリ
リジンなどを単独あるいは複数添加することもできる。
また、この場合のポリグルタミン酸の濃度は、好ましく
は0.01〜5%、より好ましくは0.1〜2%、特に
好ましくは0.5〜1%である。
【0021】次に、上記の本発明の水溶性分離低減剤を
用いた本発明の水硬性組成物および水硬性物質成形物に
ついて説明する。
用いた本発明の水硬性組成物および水硬性物質成形物に
ついて説明する。
【0022】本発明の水硬性組成物に用いる水硬性物質
粉体としては、例えば、ポルトランドセメントなどの各
種セメント、石灰、石コウ、ケイ酸カルシウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウムな
どを挙げることができ、これらの水硬性物質粉体は、高
炉スラグ、フライアッシュ、シリカ質粉末および石灰石
粉末からなる群から選ばれる少なくとも一種以上と併用
することが好ましい。
粉体としては、例えば、ポルトランドセメントなどの各
種セメント、石灰、石コウ、ケイ酸カルシウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウムな
どを挙げることができ、これらの水硬性物質粉体は、高
炉スラグ、フライアッシュ、シリカ質粉末および石灰石
粉末からなる群から選ばれる少なくとも一種以上と併用
することが好ましい。
【0023】また、本発明の水硬性組成物に用いる高性
能減水剤としては、例えば、リグニン系のもの、ナフタ
リンスルホン酸ホルマリン高縮合物で代表されるナフタ
リン系のもの、スルホン化メラミンホルマリン縮合物で
あるメラミン系のものが挙げられ、また、高性能AE減
水剤としては、例えば、ポリカルボン酸系、アミノスル
ホン酸系、ナフタリン系、メラミン系のものが挙げられ
る。
能減水剤としては、例えば、リグニン系のもの、ナフタ
リンスルホン酸ホルマリン高縮合物で代表されるナフタ
リン系のもの、スルホン化メラミンホルマリン縮合物で
あるメラミン系のものが挙げられ、また、高性能AE減
水剤としては、例えば、ポリカルボン酸系、アミノスル
ホン酸系、ナフタリン系、メラミン系のものが挙げられ
る。
【0024】本発明の水硬性組成物は、上記の本発明の
水溶性分離低減剤を、ポリグルタミン酸含量が水硬性物
質粉体量に対して0.001〜0.5%となるように含
有していることが好ましい。また、本発明の水硬性組成
物は、高性能減水剤あるいは高性能AE減水剤を、水硬
性物質粉体量に対して0.1〜6%含有していることが
好ましい。また、水硬性物質粉体と共にシリカ質粉末を
併用する場合は、該シリカ質粉末含量を水硬性物質粉体
中6〜30%とすることが好ましい。
水溶性分離低減剤を、ポリグルタミン酸含量が水硬性物
質粉体量に対して0.001〜0.5%となるように含
有していることが好ましい。また、本発明の水硬性組成
物は、高性能減水剤あるいは高性能AE減水剤を、水硬
性物質粉体量に対して0.1〜6%含有していることが
好ましい。また、水硬性物質粉体と共にシリカ質粉末を
併用する場合は、該シリカ質粉末含量を水硬性物質粉体
中6〜30%とすることが好ましい。
【0025】本発明の水硬性組成物には、必要に応じ
て、この種の水硬性組成物に用いられている細骨材また
は粗骨材を配合することができる。また、本発明の水硬
性組成物には、膨張性混和材〔CSA(カルシウムサル
ハァアルミネート)あるいは水酸化カルシウムを主成分
とする混和材〕、鋼繊維、ガラス繊維、炭素繊維、凝結
・硬化時間調整剤(硬化促進剤、硬化遅延剤、急結剤、
超遅延剤など)、収縮調整剤、気泡剤、防錆剤などを適
宜配合することもできる。本発明の水硬性組成物は、従
来の水硬性組成物と同様にして、使用する際に水を添加
し、混練して用いられる。水の添加は、例えば、本発明
の水溶性分離低減剤に水を添加して溶解させたものと、
その他の水硬性組成物成分に水を添加して混合したもの
とを混合するなどのように、少なくとも2回以上に分け
て添加することが好ましい。
て、この種の水硬性組成物に用いられている細骨材また
は粗骨材を配合することができる。また、本発明の水硬
性組成物には、膨張性混和材〔CSA(カルシウムサル
ハァアルミネート)あるいは水酸化カルシウムを主成分
とする混和材〕、鋼繊維、ガラス繊維、炭素繊維、凝結
・硬化時間調整剤(硬化促進剤、硬化遅延剤、急結剤、
超遅延剤など)、収縮調整剤、気泡剤、防錆剤などを適
宜配合することもできる。本発明の水硬性組成物は、従
来の水硬性組成物と同様にして、使用する際に水を添加
し、混練して用いられる。水の添加は、例えば、本発明
の水溶性分離低減剤に水を添加して溶解させたものと、
その他の水硬性組成物成分に水を添加して混合したもの
とを混合するなどのように、少なくとも2回以上に分け
て添加することが好ましい。
【0026】水の添加量は、正確には、水硬性物質粉
体、あるいはそれと高炉スラグ、フライアッシュ、シリ
カ質粉末、および石灰石粉末からなる群から選ばれる少
なくとも一種を含有するもの(これらは結合材とも総称
される)、粗骨材、細骨材などの水硬性物質組成物に占
める容積、混練時の空気連行性との関係で決まる。例え
ば、コンクリートの場合には、一般的には、水を加えて
出来上がった水硬性組成物全体の容積1m3 あたり、1
00〜650リットル、好ましくは110〜300リッ
トル、特に好ましくは130〜220リットルである。
水の添加量が100リットル未満の場合は、水硬性組成
物全体が混和不可能になり、また650リットルを超え
る場合は、粗骨材、細骨材などが分離してしまう。この
水を加えてなる水硬性組成物において、ポリグルタミン
酸の添加量、結合材の添加量、高性能減水剤あるいは高
性能AE減水剤の添加量、細骨材または/および粗骨材
の添加量はつぎのようである。ポリグルタミン酸の添加
量は、一般的には、水を加えて出来上がった水硬性組成
物全体の容積1m3 あたり、0.5〜2500g、好ま
しくは5〜250g、特に好ましくは10〜100gで
ある。ポリグルタミン酸の添加量が0.5g未満の場合
は、分離低減効果が認めがたく、また2500gを超え
る場合は、粘度が過多となり、水硬性組成物としての流
動性が損われる。また、結合材の添加量は、一般的に
は、水を加えて出来上がった水硬性組成物全体の容積1
m3 あたり、250〜700kg、好ましくは300〜
650kg、特に好ましくは400〜600kgであ
る。また、高性能減水剤あるいは高性能AE減水剤を加
える場合における、その添加量は、一般的には、水を加
えて出来上がった水硬性組成物全体の容積1m3 あた
り、上記結合材量に対して、0.1〜6%、好ましくは
0.5〜3%、より好ましくは1〜2%である。高性能
減水剤あるいは高性能AE減水剤の添加量が0.1%未
満の場合は、水硬性組成物を混練できない。また、6%
を超える場合は、コストが高くなる。
体、あるいはそれと高炉スラグ、フライアッシュ、シリ
カ質粉末、および石灰石粉末からなる群から選ばれる少
なくとも一種を含有するもの(これらは結合材とも総称
される)、粗骨材、細骨材などの水硬性物質組成物に占
める容積、混練時の空気連行性との関係で決まる。例え
ば、コンクリートの場合には、一般的には、水を加えて
出来上がった水硬性組成物全体の容積1m3 あたり、1
00〜650リットル、好ましくは110〜300リッ
トル、特に好ましくは130〜220リットルである。
水の添加量が100リットル未満の場合は、水硬性組成
物全体が混和不可能になり、また650リットルを超え
る場合は、粗骨材、細骨材などが分離してしまう。この
水を加えてなる水硬性組成物において、ポリグルタミン
酸の添加量、結合材の添加量、高性能減水剤あるいは高
性能AE減水剤の添加量、細骨材または/および粗骨材
の添加量はつぎのようである。ポリグルタミン酸の添加
量は、一般的には、水を加えて出来上がった水硬性組成
物全体の容積1m3 あたり、0.5〜2500g、好ま
しくは5〜250g、特に好ましくは10〜100gで
ある。ポリグルタミン酸の添加量が0.5g未満の場合
は、分離低減効果が認めがたく、また2500gを超え
る場合は、粘度が過多となり、水硬性組成物としての流
動性が損われる。また、結合材の添加量は、一般的に
は、水を加えて出来上がった水硬性組成物全体の容積1
m3 あたり、250〜700kg、好ましくは300〜
650kg、特に好ましくは400〜600kgであ
る。また、高性能減水剤あるいは高性能AE減水剤を加
える場合における、その添加量は、一般的には、水を加
えて出来上がった水硬性組成物全体の容積1m3 あた
り、上記結合材量に対して、0.1〜6%、好ましくは
0.5〜3%、より好ましくは1〜2%である。高性能
減水剤あるいは高性能AE減水剤の添加量が0.1%未
満の場合は、水硬性組成物を混練できない。また、6%
を超える場合は、コストが高くなる。
【0027】本発明の水硬性組成物に水を添加したあ
と、一定時間経過させることによって成形物(本発明の
水硬性物質成形物)を製造できる。ここにいう成形物と
は一般のコンクリート製品の全てを意味するものであ
る。
と、一定時間経過させることによって成形物(本発明の
水硬性物質成形物)を製造できる。ここにいう成形物と
は一般のコンクリート製品の全てを意味するものであ
る。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるもので
はない。
明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるもので
はない。
【0029】実施例1 セメント中の自由水の増粘効果を検討するために、粉体
を含まないセメント水溶性区分(試験区1)とこれに下
記〔表1〕に示す水溶性分離低減剤を添加混合した区分
(試験区2および3)とを調製し、各区分の粘度の増加
を測定した。すなわち、ポルトランドセメントと水を
1:10の割合で混合、攪拌する。その溶液を静置して
得られる上清液を0.45μmのフィルターで濾過し
た。この濾液に対して水溶性分離低減剤MCおよびγ−
ポリグルタミン酸を添加し、その溶液の粘度をマイクロ
ビスコメーター(アントンパール社製)にて測定した。
測定値は無添加時の粘度を1とした相対粘度で表した。
その結果を下記〔表1〕に示す。下記〔表1〕に示す結
果から明らかなように、γ−ポリグルタミン酸はMCと
は異なり、セメント水溶性区分では粘度の急増を示さな
かった。従って、本発明の水溶性分離低減剤は、セメン
ト中の自由水を増粘するMCのような従来の水溶性分離
低減剤とは、作用機構が明らかに異なるものである。
を含まないセメント水溶性区分(試験区1)とこれに下
記〔表1〕に示す水溶性分離低減剤を添加混合した区分
(試験区2および3)とを調製し、各区分の粘度の増加
を測定した。すなわち、ポルトランドセメントと水を
1:10の割合で混合、攪拌する。その溶液を静置して
得られる上清液を0.45μmのフィルターで濾過し
た。この濾液に対して水溶性分離低減剤MCおよびγ−
ポリグルタミン酸を添加し、その溶液の粘度をマイクロ
ビスコメーター(アントンパール社製)にて測定した。
測定値は無添加時の粘度を1とした相対粘度で表した。
その結果を下記〔表1〕に示す。下記〔表1〕に示す結
果から明らかなように、γ−ポリグルタミン酸はMCと
は異なり、セメント水溶性区分では粘度の急増を示さな
かった。従って、本発明の水溶性分離低減剤は、セメン
ト中の自由水を増粘するMCのような従来の水溶性分離
低減剤とは、作用機構が明らかに異なるものである。
【0030】
【表1】
【0031】実施例2 γ−ポリグルタミン酸(γ−PGA)の分離低減性を評
価するにあたり、水(W)170kgと水硬性物質粉体
〔結合材(P)〕として普通ポルトランドセメント20
0kg、高炉スラグ微粉末200kgおよびフライアッ
シュ100kgを含むペースト系に下記〔表2〕の配合
割合で高性能AE減水剤および水溶性分離低減剤を添加
して粘度の増加を測定した。粘度の測定は、30℃にお
けるペースト粘度をB型粘度計にて測定した。その結果
を下記〔表3〕に示す。下記〔表3〕に示す結果から明
らかなように、MCとは異なり、γ−ポリグルタミン酸
は、高性能AE減水剤の種類に関係なく安定した粘度発
現を示し、水溶性分離低減剤として有用であることが分
かった。
価するにあたり、水(W)170kgと水硬性物質粉体
〔結合材(P)〕として普通ポルトランドセメント20
0kg、高炉スラグ微粉末200kgおよびフライアッ
シュ100kgを含むペースト系に下記〔表2〕の配合
割合で高性能AE減水剤および水溶性分離低減剤を添加
して粘度の増加を測定した。粘度の測定は、30℃にお
けるペースト粘度をB型粘度計にて測定した。その結果
を下記〔表3〕に示す。下記〔表3〕に示す結果から明
らかなように、MCとは異なり、γ−ポリグルタミン酸
は、高性能AE減水剤の種類に関係なく安定した粘度発
現を示し、水溶性分離低減剤として有用であることが分
かった。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】実施例3 γ−PGAを分離低減剤として添加した下記〔表4〕に
示す配合の水硬性組成物(コンクリート)について、そ
の流動性、充填性、分離抵抗性、および強度発現性を検
証した。ここで、充填性は、図1に示すような鉄筋の最
小間隔35mmの流動障害を中央部に設けた構造を有す
るU形充填試験装置を用いて評価したものである。すな
わち、図2(a)に示すようにA室にコンクリートを充
填した後、仕切りゲートを引き上げ、図2(b)に示す
ようにB室に流れ込んだコンクリートの充填高さHを測
定し、この充填高さHが30cm以上となる場合には、
高密度配筋部において良好な自己充填性を有するコンク
リートであると判定した。
示す配合の水硬性組成物(コンクリート)について、そ
の流動性、充填性、分離抵抗性、および強度発現性を検
証した。ここで、充填性は、図1に示すような鉄筋の最
小間隔35mmの流動障害を中央部に設けた構造を有す
るU形充填試験装置を用いて評価したものである。すな
わち、図2(a)に示すようにA室にコンクリートを充
填した後、仕切りゲートを引き上げ、図2(b)に示す
ようにB室に流れ込んだコンクリートの充填高さHを測
定し、この充填高さHが30cm以上となる場合には、
高密度配筋部において良好な自己充填性を有するコンク
リートであると判定した。
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】上記〔表5〕に示すように、本発明の分離
低減剤を使用したコンクリートは、いずれも30cm以
上の充填高さとなり、高密度配筋部において良好な自己
充填性を有するコンクリートであり、また、圧縮強度に
ついても良好な強度発現を有することが分った。なお、
塩化物含有物はいずれもJIS規制値以下であり、混和
剤として問題なく使用できることが分った。
低減剤を使用したコンクリートは、いずれも30cm以
上の充填高さとなり、高密度配筋部において良好な自己
充填性を有するコンクリートであり、また、圧縮強度に
ついても良好な強度発現を有することが分った。なお、
塩化物含有物はいずれもJIS規制値以下であり、混和
剤として問題なく使用できることが分った。
【0038】
【発明の効果】本発明の水溶性分離低減剤は、高流動
性、高充填性および高分離抵抗性を有し、打設時の締固
めが不要で耐久性に優れたペースト、モルタルあるいは
コンクリートなどの水硬性組成物に好適に用いられるも
のであり、具体的には次のような効果を奏する。本発明
の水溶性分離低減剤は、ポリグルタミン酸からなるもの
であるために、水によく溶ける。そのために、それを用
いた水硬性組成物の練混ぜにおいて、微量でも容易に均
等に分散させることができる。また、ポリグルタミン酸
はMCに比べてコンクリート中の自由水の増粘効果がほ
とんどないのに、実際の粉体を含むコンクリート中では
増粘効果を示すことから明らかなように、本発明の水溶
性分離低減剤は、従来の水溶性分離低減剤とはその作用
機構が全く異なる新規水溶性分離低減剤である。また、
その使用に当っては、MCのように高性能減水剤の種類
を選ばない。従って、微量添加によるコンクリート粘度
の急激な増加も起こらず、さらに、高性能減水剤の種類
によってその使用がMCのように制限されることもな
い。また、水溶性であるために、液状剤として水硬性組
成物と分離して、保存したり、また製造現場に運搬でき
る。また、製造時の添加においては、一般の製造プラン
トに常設の混和剤投入装置をそのまま使用することが可
能である。
性、高充填性および高分離抵抗性を有し、打設時の締固
めが不要で耐久性に優れたペースト、モルタルあるいは
コンクリートなどの水硬性組成物に好適に用いられるも
のであり、具体的には次のような効果を奏する。本発明
の水溶性分離低減剤は、ポリグルタミン酸からなるもの
であるために、水によく溶ける。そのために、それを用
いた水硬性組成物の練混ぜにおいて、微量でも容易に均
等に分散させることができる。また、ポリグルタミン酸
はMCに比べてコンクリート中の自由水の増粘効果がほ
とんどないのに、実際の粉体を含むコンクリート中では
増粘効果を示すことから明らかなように、本発明の水溶
性分離低減剤は、従来の水溶性分離低減剤とはその作用
機構が全く異なる新規水溶性分離低減剤である。また、
その使用に当っては、MCのように高性能減水剤の種類
を選ばない。従って、微量添加によるコンクリート粘度
の急激な増加も起こらず、さらに、高性能減水剤の種類
によってその使用がMCのように制限されることもな
い。また、水溶性であるために、液状剤として水硬性組
成物と分離して、保存したり、また製造現場に運搬でき
る。また、製造時の添加においては、一般の製造プラン
トに常設の混和剤投入装置をそのまま使用することが可
能である。
【0039】また、本発明の水溶性分離低減剤を用いた
本発明の水硬性組成物は、コンクリート打設時に振動機
による締固めを必要としないか、締固めを行ったとして
も型枠に固定した振動機を僅かにかける程度で、短時間
で骨材の分離もなく、容易に型枠の隅々まで充填する自
己充填性を有するコンクリートである。
本発明の水硬性組成物は、コンクリート打設時に振動機
による締固めを必要としないか、締固めを行ったとして
も型枠に固定した振動機を僅かにかける程度で、短時間
で骨材の分離もなく、容易に型枠の隅々まで充填する自
己充填性を有するコンクリートである。
【図1】実施例3において使用したU形充填試験装置を
示す概略図である。
示す概略図である。
【図2】U形充填試験装置を用いて充填高さを測定する
要領を示す説明図である。
要領を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 7:26) C04B 103:30 103:30 103:44 103:44 111:62 111:62 (72)発明者 山崎 恵美子 千葉県野田市野田339番地 キッコーマ ン株式会社内 (72)発明者 須賀 繁夫 千葉県野田市野田339番地 キッコーマ ン株式会社内 (72)発明者 新藤 竹文 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (72)発明者 松岡 康訓 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (72)発明者 横田 和直 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (72)発明者 横井 謙二 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−172888(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 24/12 C04B 24/14 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (15)
- 【請求項1】 ポリグルタミン酸を含有してなる水硬性
物質用水溶性分離低減剤。 - 【請求項2】 ポリグルタミン酸が、γ−グルタミル結
合を有するポリグルタミン酸である請求項1記載の水硬
性物質用水溶性分離低減剤。 - 【請求項3】 γ−グルタミル結合を有するポリグルタ
ミン酸が、微生物により生産されたものである請求項2
記載の水硬性物質用水溶性分離低減剤。 - 【請求項4】 水硬性物質粉体および請求項1記載の水
溶性分離低減剤を含有してなる水硬性組成物。 - 【請求項5】 水硬性物質粉体、高性能減水剤あるいは
高性能AE減水剤、および請求項1記載の水溶性分離低
減剤を含有してなる水硬性組成物。 - 【請求項6】 水硬性物質粉体が、セメントである請求
項4または5記載の水硬性組成物。 - 【請求項7】 水硬性物質粉体が、高炉スラグ、フライ
アッシュ、シリカ質粉末および石灰石粉末からなる群か
ら選ばれる少なくとも一種を含有する請求項4または5
記載の水硬性組成物。 - 【請求項8】 水溶性分離低減剤を、ポリグルタミン酸
含量が水硬性物質粉体量に対して0.0001〜0.5
重量%となるように含有させた請求項4または5記載の
水硬性組成物。 - 【請求項9】 高性能減水剤あるいは高性能AE減水剤
を、水硬性物質粉体量に対して0.1〜6重量%含有さ
せた請求項5記載の水硬性組成物。 - 【請求項10】 シリカ質粉末を、水硬性物質粉体中に
6〜30重量%含有させた請求項7記載の水硬性組成
物。 - 【請求項11】 細骨材または/および粗骨材を添加し
てなる請求項4または5記載の水硬性組成物。 - 【請求項12】 水を添加してなる請求項4〜11のい
ずれかに記載の水硬性組成物。 - 【請求項13】 水を少なくとも2回以上に分けて添加
してなる請求項12記載の水硬性組成物。 - 【請求項14】 水を加えて出来上がった水硬性組成物
全体の容積1m3 あたり、ポリグルタミン酸の添加量が
0.5〜2500gである請求項12または13記載の
水硬性組成物。 - 【請求項15】 請求項4〜11のいずれかに記載の水
硬性組成物に水を添加し、硬化させてなる水硬性物質成
形物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12814095A JP3346519B2 (ja) | 1995-05-26 | 1995-05-26 | 水硬性物質用水溶性分離低減剤ならびにそれを用いた水硬性組成物および水硬性物質成形物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12814095A JP3346519B2 (ja) | 1995-05-26 | 1995-05-26 | 水硬性物質用水溶性分離低減剤ならびにそれを用いた水硬性組成物および水硬性物質成形物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08325048A JPH08325048A (ja) | 1996-12-10 |
JP3346519B2 true JP3346519B2 (ja) | 2002-11-18 |
Family
ID=14977396
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12814095A Expired - Fee Related JP3346519B2 (ja) | 1995-05-26 | 1995-05-26 | 水硬性物質用水溶性分離低減剤ならびにそれを用いた水硬性組成物および水硬性物質成形物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3346519B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108585589A (zh) * | 2018-04-28 | 2018-09-28 | 榛硕(武汉)智能科技有限公司 | 一种混凝土外加剂及其应用 |
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---|---|---|---|---|
JP2008063203A (ja) * | 2006-09-11 | 2008-03-21 | Nippon Poly-Glu Co Ltd | 漆喰用組成物 |
JP5176253B2 (ja) * | 2006-10-10 | 2013-04-03 | ヒメノイノベック株式会社 | 消石灰を含む水配合コーティング組成物 |
JP5176252B2 (ja) * | 2006-10-10 | 2013-04-03 | ヒメノイノベック株式会社 | 石灰を含有する水配合コーティング組成物の改良 |
JP5429453B2 (ja) * | 2008-04-09 | 2014-02-26 | ヒメノイノベック株式会社 | 石灰を含有する水配合コーティング組成物 |
-
1995
- 1995-05-26 JP JP12814095A patent/JP3346519B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108585589A (zh) * | 2018-04-28 | 2018-09-28 | 榛硕(武汉)智能科技有限公司 | 一种混凝土外加剂及其应用 |
CN108585589B (zh) * | 2018-04-28 | 2020-12-18 | 榛硕(武汉)智能科技有限公司 | 一种混凝土外加剂及其应用 |
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---|---|
JPH08325048A (ja) | 1996-12-10 |
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---|---|---|---|
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