JP3344835B2 - 永久表情しわの模擬方法 - Google Patents

永久表情しわの模擬方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、永久表情しわの模擬方
法、具体的には、実人間の顔の表情、中でも、表情しわ
のしわ底における永久しわの生成を模擬する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】顔は30前後の表情筋の選択的収縮によ
って各種の表情を作っているが、表情機構に関する力学
的側面からの研究は未だ不十分である。本願出願人は、
先に、加齢に伴うスキン−皮下組織系の物性や厚さ等の
変化および喜怒哀楽の各種の表情に伴って人間の顔に生
じる表情しわをスキン−皮下組織系の座屈および座屈後
の有限変形現象とみなし、実人間を対象とした顔表情、
特に、表情しわを非破壊あるいは無侵襲により模擬する
方法および装置を開発し、提案した(特願平5−247
120号参照)。
【0003】上記提案においては、図5(A)に示され
ているようなスキン−皮下組織系のモデルについて、実
人間の顔のスキン−皮下組織の物性の計測結果、例え
ば、2軸引張および捩り試験の結果と、同一系の有限要
素解析の結果との比較から、多段階最小自乗法により力
学物性すなわちそのスキン−皮下組織系の超弾性構成則
を同定し、同定された構成則に基づいて有限要素法によ
りそのスキン−皮下組織系の座屈および後座屈解析を行
うことにより、座屈しわの発生、成長の解析を行ってい
る。
【0004】そして、座屈しわの発生、成長解析は、次
【0005】
【数1】
【0006】による座屈しわ発生の条件を与えて、後述
する増分型剛性方程式(15)をコンピュータプログラムを
用いて解析することにより実現されることが示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、人間の顔に
は、上記したような表情変形が繰り返される結果、永久
的な表情しわが生成されるが、上記提案はこのような永
久表情しわの生成については解析されておらず、したが
って、永久表情しわの生成を模擬する技術は未開発であ
る。
【0008】本発明は、表情しわのしわ底における残留
変形と、そこに形成される不均一応力場に対する生理学
的反応により誘起される組織の再構築とを解析して、表
情しわのしわ底における永久しわの生成機構を推定し、
永久表情しわの生成を模擬する方法を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明による永
久表情しわの模擬方法の概念的構成を示すフローチャー
トであり、本方法は、生体軟組織標本に対して引張クリ
ープ試験および除荷過程の緩和試験を実施し(ステップ
1)、その試験結果に基づいて生体軟組織についてのク
リープ緩和モデルの構成則を同定し(ステップ2)、そ
うして同定されたクリープ緩和モデルの構成則を多軸応
力場へ一般化し(ステップ3)、同時に、生体軟組織系
に対する有限要素解析を実施して表情しわの発生・成長
を解析するとともに、一般化されたクリープ緩和モデル
の構成則を用いて、解析された表情しわのしわ底にクリ
ープ残留変形により形成される第1の種類の永久しわを
解析し(ステップ4)、また、そのような生体軟組織に
関して応力規範による再構築モデルを設定して再構築に
よる第2の種類の永久しわを解析し(ステップ5)、そ
れらの第1および第2の種類の永久しわを併せることに
より永久表情しわ生成機構を推定する(ステップ6)こ
とを含んでいる。
【0010】
【作用】上記した各ステップからなる模擬方法によれ
ば、生体軟組織系の有限要素解析により模擬した表情し
わのしわ底に生じる応力分布によるクリープ残留変形を
解析して、クリープ残留変形に基づく第1種の永久しわ
を得るとともに、しわ底の不均応力場に誘起される体積
変化や密度変化等の組織の再構築に基づく第2種の永久
しわをも得ることができ、これら二種類の永久しわを併
せることにより有効な永久表情しわの模擬方法を得るこ
とができる。
【0011】
【実施例】本発明による永久表情しわの模擬方法によれ
ば、まず、生体軟組織の引張クリープ試験および除荷後
の緩和試験を実施し、除荷後の残留変形を求め、クリー
プ・緩和過程の構成則を同定する。次いで、こうして得
た構成則を多軸応力場に一般化し、超弾性・有限変形体
のクリープ緩和解析のための有限要素法プログラムを用
いて、表情しわのしわ底断面の応力分布やクリープ残留
変形を解析するとともに、応力規範に基づくしわ底組織
の再構築のモデルを設定し、その再構築系に有限要素解
析を実施する。これらの解析結果を併せて、表情しわの
しわ底における永久しわの生成機構が推定される。
【0012】以下、本発明による永久表情しわの模擬方
法における各ステップについて、順を追って、例示的に
詳述する。 (1)二軸クリープ緩和試験および残留ひずみの計測 図2は、クリープ緩和試験の一例を説明するための説明
図であり、同図(A)は試験装置の概要を示す正面図、
同図(B)はクリープひずみ/時間の関係を示す特性
図、同図(C)は応力/ひずみのヒステリシスを示す特
性図である。図2(A)の試験装置においては、十字型
水槽内の生理食塩中で、家兎腹部スキン(30mm□、
t=2.1mm、試験領域20mm□)の標本11を一
辺9本の糸/メディカルクリップ系でチャッキングし、
ディジタルフォースゲージ12で力を、また、パルスモ
ータ13で負荷一定に保持するようにコントロールし
て、クリープ実験およびクリープ後の除荷による回復緩
和試験を行った。図2(B)は、得られた各負荷条件別
の1時間クリープ試験における静ひずみ+クリープひず
みと時間との関係を示しており、図2(C)は、80g
f負荷条件における応力/ひずみのヒステリシスを示し
ている。
【0013】これにより、負荷を除去した後も、緩和効
果によってひずみが変化するとともに、緩和試験終了後
も負荷の大きさに応じてエネルギー散逸効果によって一
定のクリープひずみが残留することが示されている。図
3は、図2の実験の結果得られるひずみの時間変化の一
例を示す特性図であり、同図(A)は図2(B)のひず
み/時間関係から静弾性部分を除去したクリープひずみ
の時間曲線を示し、同図(B)はクリープ試験終了後の
除荷緩和過程のクリープ緩和ひずみの時間変化を示して
おり、これにより、緩和過程終了後も負荷レベルに応じ
て一定のひずみが永久ひずみとして残留することが示さ
れている。なお、図3(C)は、図3(B)のクリープ
緩和ひずみの時間曲線を対数時間に対する曲線として示
すものである。 (2)クリープ緩和モデルの構成則の同定 上記(1)の実験の結果得られた特性、すなわち、除荷
後の緩和変形が進行する現象および除荷回復試験終了後
も負荷に応じて一定のクリープひずみが残留する特性を
モデル化するために、非可逆的な変形が除荷後に残留す
るMaxwell モデルと緩和現象を表すVoigt モデルとを組
み合わせる。
【0014】図4は、そのようなクリープ緩和モデルの
一例を説明するための力学的構成のモデル(A)および
負荷過程を表す曲線(B)を示す説明図であり、同図
(B)に示されているような一定荷重F0 が作用する負
荷過程においては、変形をδとして、
【0015】
【数2】
【0016】と表すことができる。この式(1) 中の右辺
第2項がMaxwell 系の粘性項に相当する非可逆項であ
り、右辺第3項がVoigt 系のクリープ特性および後述す
る緩和特性を表している。荷重Fが時間とともに階段状
に増加する場合には、式(1) は
【0017】
【数3】
【0018】と書き表せる。次に、除荷過程、すなわ
ち、負荷が図4(B)におけるt1 点のようにステップ
状に消滅した以降か、あるいは、階段状に消滅していく
緩和過程のモデルとしては、式(1) あるいは(1)'の各々
において右辺第2項を削除した関係が成立することとな
る。 (a)単軸クリープ緩和構成則の同定 上述した負荷過程をクリープ変形過程と除荷後の変形回
復過程とに分けて、上記(1)の実験結果と整合するよ
うに、上記(2)の各式からパラメータの同定を行う。 クリープ変形過程 上記式(1) の荷重変形/時間の関係を、適当に無次元化
して、応力/ひずみ関係により表すと、
【0019】
【数4】
【0020】となり、左辺のひずみが全ひずみであり、
超弾性ひずみεneとクリープひずみとの和で表されるも
のとすると、 ε=εne+εc であり、これを用いれば、式(2) は次のようになる。
【0021】
【数5】
【0022】上記式(3) における第1式は、超弾性体の
単軸構成則であり、後述の構成則とクリープ曲線の勾配
とから決定されることが可能である。そして、式(3) に
おける第2式を、εc =g(t)σと置き、更に一般化
して、
【0023】
【数6】
【0024】と表す。 緩和過程 次に、除荷による緩和過程のモデルεc (R) は、上記式
(4) から次式を得ることができる。
【0025】
【数7】
【0026】(b)パラメータの同定 図3(A)および(B)に示されている実験結果に対応
するクリープ変形過程および緩和回復過程のモデルを定
めるために、これらの実験結果を対数時間により表示す
れば、例えば図3(C)に緩和回復過程が示されている
ように、両結果はほぼ直線により表されることとなる。
すなわち、次式のように表される。
【0027】
【数8】
【0028】上記式(6) を用いて、最小自乗法により各
パラメータを同定すれば、
【0029】
【数9】
【0030】が得られる。上記式(4) および(5) の指数
項と式(6) の対数項とをべき級数に展開し、それぞれの
係数を比較することにより、上記各係数に対応する式
(4) および(5) 中のパラメータを定めることができる。
同定したパラメータを用いて、図2(C)の応力/ひず
み曲線、図3(A)および(B)のクリープひずみおよ
び緩和ひずみ曲線を推定すれば、それぞれ図中の実線の
ようになり、ほぼ実験結果と一致していることが分か
る。 (c)多軸応力場への一般化 クリープ関数 G=G(σij,εijc ,κc ) ここで、κc :クリープ硬化係数 を定義し、流れ則が
【0031】
【数10】
【0032】で与えられるものとする。Gとして、Mise
s の条件に従う等方硬化材料を考えると、次式が得られ
る。
【0033】
【数11】
【0034】上記式(8) が単軸の構成則を満足するもの
とすると、上記式(7) における未知関数Λc は、
【0035】
【数12】
【0036】と表すことができ、上記式(9) を式(6) を
満足するように定めると、次式を得ることができる。
【0037】
【数13】
【0038】(3)有限要素解析の実施 ここで、生体軟組織系の超弾性、有限変形、クリープ解
析問題を有限要素法を用いて解析する。 (a)クリープ解析 トータルのひずみ増分ΔEijが超弾性によるひずみ増分
ΔEij e とクリープによるひずみ増分Δεcij との和で
表されると仮定する。すなわち、次式
【0039】
【数14】
【0040】が成立する。そこで、第nステップのグリ
ーンひずみの増分量ΔEij e は、変位をui 、座標系を
i として、
【0041】
【数15】
【0042】と表すことができる。上式は、マトリクス
形で次のように表される。
【0043】
【数16】
【0044】また、増分キルヒホッフ応力/増分グリー
ンひずみの関係式は、式(11)を考慮すれば、
【0045】
【数17】
【0046】と書き表すことができる。ここに、Dhe
超弾性体の応力ひずみ行列であって、DA およびDB
このうちの線形項および非線形項である。なお、c、μ
は実験定数であり、Gはひずみの2次成分である。これ
らの関係を増分型仮想仕事の原理にもちいれば、次の増
分型剛性方程式が得られる。
【0047】
【数18】
【0048】ここに、{Δpc }はクリープによる等価
節点力であり、また、Kn 、{ΔP}および{Rn-1
は、それぞれ、剛性行列、荷重増分ベクトルおよび前ス
テップまでの残差行列であり、式(15)の要素における関
係を構造全体に集めれば必要な関係が得られる。 (b)表情しわの発生、成長解析 上記増分型剛性方程式(15)を用いて表情しわの発生、成
長解析を実行することは、前述したように本出願人が既
に提案している。すなわち、式(15)の第1式において、
荷重増分(外部仕事)=0の条件で、同式を満たす条件
から座屈しわ発生の条件が定まり、その条件は前述した
式(16)のように書き表すことができる。そして、座屈の
発生および成長の解析は、式(16)より得られる固有モー
ドを初期不整として与えて、上記式(15)から必要な解析
を行うことができる。
【0049】具体的には、目的とするスキン−皮下組織
系のモデルについて、前記提案に係る特許出願中に開示
されているような手段により生体内(in vivo) 物性測定
を実施してその力学物性を生体内同定する。次に、その
モデル材料について、モデルの長さLを変化させたパラ
メータモデルを用意して、前記式(16)による有限要素解
析プログラムを用いて座屈発生解析を実施する。図5
は、そのような座屈しわの発生および成長解析を説明す
るための説明図であり、同図(A)はその解析結果を示
すモデル例および同図(B)は座屈解析結果の詳細例で
あり、しわ底断面A1 −A2 に沿う応力分布が示されて
いる。 (c)表情しわ底応力としわ底クリープ変形の解析 上記した座屈しわの発生・成長解析の結果、圧縮ひずみ
の大きさに応じて図5(A)に示されているような座屈
しわが成長する。例えば、図5(B)は圧縮ひずみの各
5%増加毎のしわ底断面A1 −A2 の応力分布を示して
いる。これを基にして、表情しわ発生後のこの応力によ
るしわ底のクリープ・緩和現象による残留変形を、前述
したクリープ・緩和現象による残留変形解析に基づいて
求められる。 (4)組織の再構築モデルの設定 上述したように、図5に示されているような表情変形が
繰り返される結果、しわ底にはクリープ残留変形の蓄積
によって永久ひずみが生成されるが、更に永久しわ生成
の他の原因として、しわ底に形成される不均一な応力場
による組織の再構築がある。このようなしわ底に形成さ
れる不均一な応力場は、生理学的反応によって組織の再
構築を誘起し、対象部位の周辺において形状変化が自由
に行える場合には、体積変化や肉厚変化によって、これ
らの不均一かつ過大な応力場を解消する方向に組織の再
構築が行われる。
【0050】また、骨の内部構造のような制約された空
間では、骨梁の硬度や骨密度の変化のような内部組織の
力学的物性の変化によって組織の再構築が行われること
が知られているが、これらの力学的アプローチはまだ試
行の段階である。そこで、ここでは、まず、これらの生
体特有の応力規範に基づく組織の再構築のモデルを考
え、それに基づく永久しわの生成機構を推定することと
する。 (a)応力規範による組織の再構築モデルの設定 応力規範による組織の再構築は、無制約の自由空間では
体積変化によって、また、制約空間では密度、硬度、ヤ
ング率等の内部物性の変化によって、行われるものとみ
なして以下説明する。また、硬度、密度、ヤング率等の
各物性パラメータ間には一般に一定の関係があるので、
組織の再構築のモデルとしては代表的に密度の変化を取
り扱うこととする。
【0051】組織内で自然で一様な応力状態からの変化
を、 Δσ(xi ,t)=σ(xi ,t)−σ(xi ,t0 ) によって表し、Δσが応力差のしきい値Δσs 以上の有
効応力差、すなわち、 Δσe (xi ,t)=f(Δσ(xi ,t)−Δσs ) に応じて再構築が行われるとみなす。表情変化の場合に
は、座屈しわ発生直前のしわのない状態をΔσs に選ぶ
こととする。
【0052】再構築モデルはこの有効応力差Δσe を解
消する方向に生じ、 開放系では、単位体積当たりの再構築の速度は、有効
応力差のレベルに比例するとすると、次式となる。
【0053】
【数19】
【0054】ただし、λV は実験定数、Vは体積であ
る。 周辺拘束系では、密度(または硬度あるいはヤング
率)の変化速度dρ/dtは、上記と同様に定義して、
次式となる。
【0055】
【数20】
【0056】上記式(17)および(18)を積分すれば、こ
の過程が繰り返される場合の体積あるいは密度の変化
は、次式のようにモデル化されることとなる。
【0057】
【数21】
【0058】(b)再構築系の解析 次に、上記したモデルを有限要素解析モデル上で具体的
にアプローチする方法を考える。肉厚の変化または密度
の変化を設計変数xで表し、繰り返しステップkでの設
計変数xk に対する有限要素の基礎方程式と応力を
【0059】
【数22】
【0060】(ただし、「 」は対角行列である。)に
より表す。ただし、φは節点応力平均化則を表してい
る。表情しわの場合、上記式(19)の履歴積分は応力によ
る評価で置き換え、λV kおよびλρk を設計変数の応
力に対する感度とみなす。また、指数関数をべき級数展
開して、最初の2項により表すようにし、再構築の態様
を説明するための説明図である図6を参考にすれば、有
効応力差Δσe に対するk+1ステップの再構築形状
(あるいは密度)は、
【0061】
【数23】
【0062】ステップk+1での設計変数xk+1 に対す
る変位
【0063】
【数24】
【0064】となる。なお、図6(A)は目標応力と初
期応力との関係、同図(B)は密度変化による構造再構
築のアプローチ、同図(C)は体積変化(形状変化)に
よる構造再構築のアプローチを説明する図である。上記
式(22)中、変位の設計変数に対する勾配は、上記式(20)
の第1式から次式で与えられることとなる。
【0065】
【数25】
【0066】以上の再構築モデルを用いて、設計変数の
更新により組織の再構築を追跡することが可能となる。 (5)永久しわ生成機構の推定 前述したクリープ・緩和解析モデルすなわち粘弾性永久
モデルにおけるクリープ残留変形の蓄積と、上記式(17)
あるいは(18)および上記式(21)の再構築モデルにおける
組織の再構築による永久変形の形成とを併せることによ
り、表情しわのしわ底に沿う永久しわの生成を推定する
ことができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明した本発明による永久表情しわ
の模擬方法により推定した結果と、実人間に対する生体
内(in vivo) 試験結果および加齢しわ統計資料とを比較
した結果が、図7に示されている。表情しわの生成は、
1回1秒のしわ状態が1時間に数回生じるとして15
年、30年、45年間の通算時間はそれぞれ約150、
300、450時間と推定している。
【0068】図7には、実人間の額に加齢に応じて生じ
る永久しわの生成確率の統計データが×印により示され
ており、同時に、前述したモデルを用いて推定した推定
データが示されている。図示されているように、これら
のデータの間にはかなり良好な相関が認められる。表情
しわの生成には、表情の大きさ、眼や口の開口の大きさ
等の多くのパラメータが関係しているが、本発明による
永久表情しわの模擬方法によりその基本的な方向付けが
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による永久表情しわの模擬方法の概念的
構成を示すフローチャートである。
【図2】クリープ緩和試験の一例を説明するための説明
図であり、(A)は試験装置の概要を示す正面図、B)
はクリープひずみ/時間の関係を示す特性図、(C)は
応力/ひずみのヒステリシスを示す特性図である。
【図3】図2の実験の結果得られるひずみの時間変化の
一例を示す特性図である。
【図4】クリープ緩和モデルの一例を説明するための力
学的構成のモデル(A)および負荷過程を表す曲線
(B)を示す説明図である。
【図5】座屈しわの発生および成長解析を説明するため
の説明図であり、(A)はその解析結果を示すモデル例
および(B)は座屈解析結果の詳細例を示している。
【図6】再構築の態様を説明するための説明図である。
【図7】本発明による永久表情しわの模擬方法により推
定した結果の有効性を示すための特性図である。
【符号の説明】
11…標本 12…ディジタルフォースゲージ 13…パルスモータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−10630(JP,A) 特開 平7−100126(JP,A) 第6回バイオエンジニアリング学術講 演会講演論文集(1994年7月20日)第 109−111頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/48 A61B 5/00 A61B 5/107 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体軟組織標本に対して引張クリープ試
    験および除荷後の緩和試験を実施し、 上記試験結果に基づいて生体軟組織についてのクリープ
    緩和モデルの構成則を同定し、 上記同定されたクリープ緩和モデルの構成則を多軸応力
    場へ一般化し、 生体軟組織系に対する有限要素解析を実施して表情しわ
    の発生・成長を解析するとともに、上記一般化されたク
    リープ緩和モデルの構成則を用いて上記解析された表情
    しわのしわ底にクリープ残留変形により形成される第1
    の種類の永久しわを解析し、 生体軟組織に関して応力規範による再構築モデルを設定
    して該再構築による第2の種類の永久しわを解析し、 上記第1および第2の種類の永久しわを併せることによ
    り永久表情しわ生成機構を推定する永久表情しわの模擬
    方法。
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第6回バイオエンジニアリング学術講演会講演論文集(1994年7月20日)第109−111頁

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US11406278B2 (en) 2011-02-24 2022-08-09 Koninklijke Philips N.V. Non-rigid-body morphing of vessel image using intravascular device shape

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