JP3340119B2 - 現像剤補給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、補給用の
現像剤を収容する現像剤補給容器を装填して現像剤を補
給する現像剤補給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】複写機やファクシミリ、プリンタなどの
画像形成装置は現像装置を備え、この現像装置に補給さ
れる現像剤としてのトナーは、画像品質を高める重要な
構成要素として改善が重ねられている。そして、各メー
カとも、自社の装置の設計仕様に最も適合したトナーを
純正品（以下、正規品という）として提供している。

【０００３】一方、近年においては、複数メーカの画像
形成装置に共通して使用が可能な最低限の仕様を満たす
トナーも流通されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような最低限の仕様を満たすトナー（以下、非正規の
トナーという）は、一般に画像品質が劣る上、像担持体
である感光体ドラムや現像部にも悪影響をもたらし、装
置の信頼性を損なうことがある。

【０００５】トナーは通常、容器に収納されて提供され
るが、従来、ユーザの操作性を高めるためなどの目的で
容器が改善されることはあっても、正規品のトナーの使
用を推奨するための改善はあまり講じられていなかっ
た。

【０００６】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、正規品の現像剤が収容した補給容器が装填されたと
きのみ現像剤の補給動作を可能する現像剤補給装置、さ
らに、装填された補給容器が正規品の現像剤を収容した
ものであるか否かの検出精度を向上できるようにした現
像剤補給装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、請求項１記載のものは、補給用の現像剤を収
容する補給容器を装填させる装填部と、この装填部に装
填された前記補給容器の外周面に現像剤が正規品である
ことを表示する表示用突起部があるか否か検出する検出
手段と、この検出手段により前記表示用突起部が検出さ
れたことに基づき、前記装填された補給容器を回転させ
て現像剤を被補給部に補給させる駆動手段と、を具備
し、前記検出手段は前記回転する現像剤補給容器の表示
用突起部に接触することによりその存在を検出する検出
素子と、前記補給容器の外周面に接触する接触子と、こ
の接触子及び前記検出素子を取り付ける取付部材と、こ
の取付部材を弾性的に付勢することにより、前記接触子
を前記現像剤補給容器の外周面に弾性的に接触させて前
記現像剤補給容器の外周面と前記検出素子との間に一定
の隙間を形成する付勢手段と、を具備する。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態を参照して詳細に説明する。

【０００９】図１は、デジタル方式の複写機を示す概略
的構成図である。

【００１０】この複写機は、光学的手段により取得した
画像情報を画像データに一旦変換し、この画像データに
基づいてレーザ光を生成して感光体ドラムを露光走査す
るものである。

【００１１】図１中１は複写機本体で、この複写機本体
１の上部側には画像読取部２が設けられている。複写機
本体１内の略中央部には画像保存部３、レーザユニット
４、画像形成部５及び定着部６が配設されている。複写
機本体１内の下部側には給紙部７が配設されている。

【００１２】画像読取部２は、スキャナ１０及び自動原
稿送り装置１１を有する。スキャナ１０は原稿の画像を
読取り、画像データに変換するもので、自動原稿送り装
置１１は、シート原稿をスキャナ１０に送り込むもので
ある。

【００１３】画像保存部３は、スキャナ１０から供給さ
れる画像データを格納するものである。レーザユニット
４は、複数の半導体レーザ発振器（図示せず）とポリゴ
ンミラー１２を有している。このレーザユニット４は、
画像保存部３から画像データを取出して半導体レーザ発
振器を発光させポリゴンミラー１２の反射により画像形
成部５にレーザ光ＬＢを走査する。

【００１４】給紙部７は、複数段の給紙ユニット７ａ〜
７ｄと手差し給紙トレイ１５と両面ユニット１６を有す
る。給紙ユニット７ａ〜７ｄは機体下部に設けられ、こ
れら給紙ユニット７ａ〜７ｄには画像が転写されるシー
トが多数収納されている。シートとしては普通紙が一般
的に用いられるが、トレース紙やＯＨＰフィルムを用い
ても良い。

【００１５】手差し給紙トレイ１５は、複写機本体１の
右側面部に画像形成部５に近接して設けられ、この手差
し給紙トレイ１５によりＪＩＳ規格外サイズのシートや
葉書等の厚紙等もマニュアル操作で給紙できるようにな
っている。

【００１６】また、両面ユニット１６は複写機本体１の
右側面に設けられ、この両面ユニット１６はシートの表
裏両面を複写するために、画像形成部５を一旦通過して
片面に画像の転写を受けたシートを表裏反転させて再び
画像形成部５に供給するものである。

【００１７】図２は、画像形成部５を拡大して示す正面
図である。

【００１８】画像形成部５は、矢印方向に沿って回転す
る感光体ドラム１９を備え、この感光体ドラム１９の周
囲部にはその回転方向に沿って帯電チヤージャ２０、現
像器２１、転写チャージャ２２ａ、剥離チャージャ２２
ｂ、ドラムクリーナ２４及び除電ランプ２３が配設され
ている。現像装置２１の上部側には現像剤補給装置とし
てのトナー補給装置２５が取り付けられている。

【００１９】画像形成部５は、反転現像方式を採用して
おり、帯電チャージャ２０が感光体ドラム１９の表面に
負極の電荷を帯電させ、レーザユニット４から照射され
るレーザ光ＬＢが感光体ドラム１９を露光すると、原稿
の画像部分に対応する領域で感光体ドラム１９の表面電
位が画像の濃度に応じて０に近づき、潜像が形成され
る。

【００２０】また、複写機は２成分システムを採用して
おり、現像器２１には現像剤を構成するキヤリアとトナ
ーが収納され、キャリア約９５％に対して約５％の割合
となるようにトナーが補給される。トナーの量は、図示
しない磁気センサなどにより常に監視され、現像器２１
内のトナーの割合が５％を下回ると、トナー補給装置２
５の後述する装填部としてのトナー補給部２８が作動し
て必要量のトナーが補給される。

【００２１】キャリアとトナーは、現像器２１内で攪拌
され、攪拌時の摩擦帯電によりトナーに負極の電荷が与
えられる。

【００２２】感光体ドラム１９の回転により潜像が現像
器２１の上方に至ると、キャリアを介してトナーが感光
体ドラム１９に吸着され、可視像が形成される。この可
視像は給紙部７から供給されるシートに転写チャージャ
２２ａにより転写される。シートは予め正極性に帯電さ
れている。画像が転写されたシートは、転写直後に剥離
チャージャ２２ｂにより正電荷が除電されて定着部６へ
搬送される。定着部６は、熱圧着によりトナーをシート
に融着させて、排紙トレイ２６に排出する。

【００２３】また、シートに転写されずに感光体ドラム
１９の表面に残留したトナーは、シートから付着した紙
粉等とともにドラムクリーナ２４により除去されるとと
もに、感光体ドラム１９上の残留電荷は、除電ランプ２
３により除去される。

【００２４】一方、トナー補給装置２５は、ほぼ円筒の
形状を有する補給容器としてのトナーカートリッジ３１
と、光学センサ３２と、クリーニング部３３とを有す
る。

【００２５】トナーカートリッジ３１は、後述するよう
に、回転駆動装置３５により駆動されて矢印方向に回転
することにより、先端部（機体前面から見て奥側の部
分）に設けられたトナー補給孔（図３に示す）３６から
トナーを排出して現像器２１内に補給するようになって
いる。

【００２６】図３はトナーカートリッジ３１が図示しな
いガイドに沿って挿入されてトナー補給装置２５内のト
ナー補給部２８に装填された状態を示す。

【００２７】トナーカートリッジ３１は前述した通り、
略円筒の形状を有し、その先端の周面にはトナー補給孔
３６が設けられている。この先端部はトナーカートリッ
ジ３１の装填時に押圧されることにより、トナー補給部
２８に連結される構造になっている。

【００２８】トナー補給部２８は、駆動モータ３８を含
む回転駆動装置３５に連結される。詳細な構成の説明は
省略するが、回転駆動装置３５は、制御部５１からの指
令を受けてトナーカートリッジ３１を反時計方向Ｂ、又
は、時計方向Ａに回転させる。このトナーカートリッジ
３１の回転動作により、トナーカートリッジ１６内に収
納されたトナーが攪拌されるようになっている。

【００２９】トナーカートリッジ３１の内周面には螺旋
形状の螺旋突状体（図示せず）が形成されている。この
螺旋突状体の形成により、トナー補給部２８を介して回
転駆動装置３５により時計方向Ａに回転すると、トナー
が攪拌されながら先端部のトナー補給孔３６に向けて移
動するようになっている。

【００３０】複写機の使用中に、トナーカートリッジ３
１内のトナーが全て現像器２１に補給され、さらに現像
器２１内のトナー量が規格値（本実施形態では５％）を
下回ると、複写機の図示しないコントロールパネル（操
作パネル）に「トナーエンプティ」の表示が現れてユー
ザにトナーカートリッジ３１の交換を促す。

【００３１】この「トナーエンプティ」の表示を見たユ
ーザは、新たなトナーカートリッジ３１を準備して交換
作業を行う。

【００３２】この交換作業を行う場合には、まず、ユー
ザは、画像形成部５の前面に設けられた開閉可能なフロ
ントカバー（図示せず）を開き、空のトナーカートリッ
ジ３１を取り出す。ついで、新たなトナーカートリッジ
３１をトナー補給装置２５に装填し、フロントカバーを
閉じる。

【００３３】図４はトナーカートリッジ３１内に収容さ
れたトナーが正規品であるか否かを検出する検出装置４
２を示す正面図で、図５はその平面図である。なお、図
３には検出装置４２の分解状態が示されている。

【００３４】検出装置４２は装填されるトナーカートリ
ッジ３１の反挿入端側に位置して設けられている。

【００３５】装填されるトナーカートリッジ３１の反挿
入端側の外周面にはその周方向に沿って突条に突起部４
１が突設されている。この突起部４１が突設されたトナ
ーカートリッジ３１の内部には純正品（以下、正規品と
いう）のトナーが収容されている。

【００３６】検出装置４２は検出素子としての検出スイ
ッチ４３を有し、この検出スイッチ４３は取付部材とし
てのブラケット４４の一端部に取り付けられている。ま
た、ブラケット４４の一端部には接触子としてのコロ４
５が回転自在に取り付けられている。ブラケット４４は
支軸４６を介してフレーム（図３に示す）４７に揺動自
在に取り付けられている。

【００３７】ブラケット４４の他端部には付勢部材とし
てのスプリング４９が接続され、このスプリング４９の
付勢力により、ブラケット４４は支軸４６を中心として
反時計方向に回動するように付勢されている。この付勢
によりコロ４５がトナーカートリッジ３１の外周面に常
時当接され、検出スイッチ４３のアクチュエータ４３ａ
とトナーカートリッジ３１の外周面との間に一定の隙間
が形成されるようになっている。

【００３８】上記したように、新規のトナーカートリッ
ジ３１が装填されると、そのトナーの補給動作に先立
ち、検知装置４２により装填されたトナーカートリッジ
３１内のトナーが正規品であるか否かが検出される。

【００３９】即ち、このときには、トナー補給部２８の
回転駆動装置３５によりトナーカートリッジ３１が反時
計回り（矢印Ｂ方向）、即ち、トナーを補給するときの
回転方向（矢印Ａ方向）とは逆の方向に２回転以上回転
される。

【００４０】この回転により、検知スイッチ４３により
トナーカートリッジ３１の突起部４１の有無が検出され
る。即ち、突起部４１がある場合には検知スイッチ４３
のアクチュエータ４３ａの先端部がトナーカートリッジ
３１の回転により突起部４１により押圧されて動作しス
イッチオン状態となる。このスイッチオンにより、トナ
ーカートリッジ３１が正規品のトナーを収容するもので
あると制御部５１により判別され、補給動作が開始され
る。

【００４１】また、装填されたトナーカートリッジ３１
に突起部４１がない場合には検知スイッチ４３はオフ状
態のままとなり、また、突起部はあっても、その突起部
が所望の仕様と異なる場合はスイッチオン状態になって
も、装填されたトナーカートリッジ３１に収容されるト
ナーは非正規品であると制御部５１により判別され、ト
ナーの補給動作は停止される。

【００４２】なお、制御部５１により、トナーカートリ
ッジ３１内のトナーが非正規品であると判別された場合
には、その結果をユーザに伝達できるようにコントロー
ルパネルに表示しても良いし、所定のサービスコードの
入力によりサービス係員にのみが引き出せるようにして
も良い。

【００４３】また、通信回線等を用いて複写機の可動状
態を遠隔管理できる場合は、判断結果の情報をサービス
センタの管理コンピュータに伝達して、サービス係員や
ユーザ担当の代理店，販売係員に連絡するようにしても
良い。

【００４４】このようにトナーカートリッジ３１に収容
されるトナーが正規品であることが判別された場合に
は、トナー補給装置２５は、現像器２１へのトナーの補
給に先立って、トナーカートリッジ３１内のトナーの撹
絆動作を行う。即ち、回転駆動装置３５により、突起部
４０を中心としてトナーカートリッジ３１を時計方向
（矢印Ａ方向）及び反時計方向（矢印Ｂ方向）にそれぞ
れ所定の角度だけ交互に回転させる。

【００４５】このトナーカートリッジ３１の揺動によ
り、保存期間や保存状態によってトナーがトナーカート
リッジ３１内で固まってしまった場合に、この固まりを
崩すことができるので、その後のトナー補給量を安定化
させる事ができる。これにより、従来はユーザが装着前
に行っていたトナーカートリッジ３１内のトナーの撹絆
作業が不要となり、ユーザの作業負担を解消する事がで
きる。

【００４６】上記したように、この実施の形態によれ
ば、補給用のトナーを収容するトナーカートリッジ３１
の外周面にトナーが正規品であることを表示するための
表示用の突起部４１を突設するため、正規品の現像剤を
収容するトナーカートリッジ３１を装填前においても目
視で判別できる。

【００４７】また、トナー補給部２８に装填されたトナ
ーカートリッジ３１の突起部４１を検出する検出装置４
２を備え、その検出スイッチ４３が突起部４１を検出し
たときのみトナーの補給を可能とするため、正規品のト
ナーのみを確実に補給することができる。

【００４８】さらに、検出装置４２はトナーカートリッ
ジ３１の外周面に接触するコロ４５を有し、このコロ４
５の接触により検出スイッチ４３のアクチュエータ４３
ａとトナーカートリッジ３１の外周面との間に一定の隙
間を形成するため、トナーカートリッジ３１の外径寸法
にばらつきがあった場合でも、アクチュエータ４３ａを
確実にトナーカートリッジ３１の突起部に接触させるこ
とができ、常に、正確で安定した検知を行うことができ
る。

【００４９】

【発明の効果】本発明は以上説明したように、補給用の
現像剤を収容する補給容器の外周面に現像剤が正規品で
あることを表示するための表示用の突起部を突設するた
め、正規品の現像剤を収容する補給容器をその装填前に
おいても目視で判別できる。

【００５０】また、装填部に装填された補給容器の表示
用の突起部を検出する検出手段を備え、この検出手段が
突起部を検出したときのみ現像剤の補給を可能とするた
め、正規品の現像剤のみを確実に補給することができ
る。

【００５１】また、検出手段は補給容器の外周面に接触
する接触子を有し、この接触子の接触により検出素子と
補給容器の外周面との間に一定の隙間を形成するため、
補給容器の外径寸法にばらつきがあった場合でも、検出
素子を確実に補給容器の突起部に接触させることがで
き、常に、正確で安定した検知を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態である電子写真複写機を
示す概略的構成図。

【図２】電子写真複写機の画像形成部を拡大して示す
図。

【図３】トナー補給装置を示す斜視図。

【図４】補給容器及び検出装置を示す正面図。

【図５】補給容器及び検出装置を示す平面図。

【符号の説明】

２８…トナー補給部（装填部） ３１…トナーカートリッジ（補給容器） ３５…回転駆動装置（駆動手段） ４１…表示用の突起部 ４２…検出装置（検出手段） ４３…検出スイッチ（検出素子） ４５…コロ（接触子） ４４…ブラケット（取付部材） ４９…スプリング（付勢手段）

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 補給用の現像剤を収容する補給容器を装
   填させる装填部と、 この装填部に装填された前記補給容器の外周面に現像剤
   が正規品であることを表示する表示用突起部があるか否
   か検出する検出手段と、 この検出手段により前記表示用突起部が検出されたこと
   に基づき、前記装填された補給容器を回転させて現像剤
   を被補給部に補給させる駆動手段と、 を具備し、 前記検出手段は前記回転する現像剤補給容器の表示用突
   起部に接触することによりその存在を検出する検出素子
   と、 前記補給容器の外周面に接触する接触子と、 この接触子及び前記検出素子を取り付ける取付部材と、 この取付部材を弾性的に付勢することにより、前記接触
   子を前記現像剤補給容器の外周面に弾性的に接触させて
   前記現像剤補給容器の外周面と前記検出素子との間に一
   定の隙間を形成する付勢手段と、 を具備することを特徴とする現像剤補給装置。
2. 【請求項２】 前記被補給部は現像装置であることを特
   徴とする請求項１記載の現像剤補給装置。
3. 【請求項３】 前記表示用突起部は前記補給容器の回転
   方向に沿って突条に形成されたことを特徴とする請求項
   １記載の現像剤補給装置。
4. 【請求項４】 前記接触子は前記取付部材に回転自在に
   取り付けられ、前記補給容器の回転に伴って回転するこ
   とを特徴とする請求項１記載の現像剤補給装置。
5. 【請求項５】 前記取付部材は揺動自在に設けられ、一
   端側に前記接触子及び検出素子を取り付け、他端側が付
   勢部材によって付勢されることを特徴とする請求項１記
   載の現像剤補給装置。