JP3333232B2 - 水素化脱硫触媒およびその製造方法 - Google Patents

水素化脱硫触媒およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硫黄化合物を含有してい
る炭化水素留分、特に軽油留分を水素化脱硫するための
改善された触媒ならびにその製造方法および使用に関す
る。
【0002】
【従来の技術】今日環境問題が大きく取り上げられてい
ることを背景に、脱硫技術においては軽油中の硫黄分の
軽減規制に関心が持たれている。我が国でも1989年
から軽油製品中の硫黄含有量規制の検討が開始され、第
一段階として1992年4月より軽油製品中の硫黄含有
量が0.2重量%以下に規制され、さらに第二段階とし
て1997年までには0.05重量%以下にする規制が
検討されている。
【0003】現状の軽油脱硫装置と既存の触媒を用いる
脱硫技術では、反応条件の苛酷度を上げても硫黄含有量
を0.1〜0.15重量%程度まで低減することが限界
であると言われている。現有設備においては、極端に液
空間速度を下げると処理能力が低下するため設備の規模
を拡大する必要が生じるのみならず、副反応を助長し製
品軽油中の色相(色相値および安定性)を損なう。また
活性を増加するため反応温度を上げると副反応が起こ
り、やはり製品軽油中の色相を低下させてしまう。そこ
で現状の軽油脱硫装置を使用して、苛酷度がより小さい
反応条件下で作用する触媒の出現ならびに水素化精製法
の開発が待望されている。
【0004】水素化精製すなわち水素化脱硫は、一般に
通常約100〜600℃、好ましくは200〜450℃
の範囲内にある温度、通常約10〜300Kg/c
2、好ましくは20〜100Kg/cm2の範囲内にあ
る圧力、通常約0.1〜10hr-1、好ましくは0.5
〜6hr-1の範囲内にある液空間速度、および通常約3
0〜1500Nm3/KL、好ましくは50〜500N
3/KLの範囲内にある水素/原料油比の供給速度の
反応条件下で行われる。水素化脱硫触媒は、好ましくは
耐火性担体上に周期律表第VIB族金属(通常モリブデ
ンもしくはタングステン)化合物、周期律表第VIII
族金属(通常コバルトもしくはニッケル)化合物を担持
させたものが広く用いられている。
【0005】この種の水素化脱硫触媒、触媒担体、それ
らの製造方法および使用方法としてこれまでに様々な提
案がなされている。
【0006】特開昭50−64190号公報には、耐火
性担体上に担持された鉄族金属、第VIB族金属よりな
り異なる大きさの微細孔を有する触媒へ更に希土類(セ
リウムまたはランタン)を添加することによって、脱硫
の程度が増加するだけでなく脱硫活性の低下率が低くな
ることが開示されている。
【0007】特開昭52−5691号公報においては、
耐火性担体上の鉄族金属または第VI族金属よりなる触
媒を、アルカリまたはアルカリ土類金属、希土類金属ま
たは遷移金属の水溶液で還流することよりなる触媒の製
造方法が提案されているが、希土類金属または遷移金属
として具体的にどのような元素を使用するかについては
全く教示されていない。
【0008】特公昭53−6113号公報には、第VI
B族金属化合物、第VIII族金属化合物および耐火性
無機酸化物を用いて混合および解コウして押し出し可能
な軟塊を形成し、この軟塊を押し出し、押し出された軟
塊を乾燥およびカ焼し、カ焼した押出成形体を第VIB
族金属化合物と第VIII族金属化合物で含浸処理した
後、酸化雰囲気中で乾燥およびカ焼することからなる水
素脱硫触媒の製造方法が記載されている。
【0009】特開昭54−127406号公報には、炭
化水素油、特に残渣油のような石油蒸留区分を水素化脱
金属および水素化脱硫するための改善された触媒、特に
水素化脱金属するのに適した触媒が開示されており、約
0.5〜約7.0重量%、好適には約1.0〜約6.0
重量%の希土類元素酸化物(RE23)をアルミナに含
浸させた後、約704℃〜約927℃の温度で予備焼成
してアルミナと希土類元素酸化物とを複合させ、次いで
含浸処理することにより鉄族金属および第VIB族金属
を含有する水素化脱金属触媒が開示されている。
【0010】特開昭60−255143号公報には、少
なくともモリブデンまたはタングステンの化合物を1種
およびコバルト化合物1種および/またはニッケルの化
合物1種と、Mo又はW1モル当たり0.2〜1.0モ
ルの安定化量の燐と、支持体に対して2〜6重量%の適
当な可溶性アミン化合物とを混合することによって得ら
れるpH範囲0.7〜2.7の水性含浸用溶液を製造
し、適当な触媒支持体をこの溶液で含浸し、この複合材
料を乾燥してから焼成することからなる支持された水素
化変換触媒の製造方法が開示されている。
【0011】特開昭61−138537号公報には、p
H7.5〜10.5に調整した非晶質アルミナ水和物の
フィルターケーキをフィルタープレスで脱水してそのA
23濃度を28〜35wt%に上昇させた後、これを
セルフクリーニング型混練機に供給して滞留時間10秒
以上混練し、得られるドウを混練機の入り口直前で第V
IB族および第VIII族金属を、その全使用量に対し
それぞれ20〜60wt%(金属として)を水溶性塩の
水溶液として同時に添加して混練し、次いで押出し機で
押し出し成形し、成形物を乾燥カ焼し、カ焼物を残部触
媒金属のアンモニア性水溶液を含浸させた後乾燥カ焼す
ることからなる水素脱硫触媒の製造方法が記載されてい
る。
【0012】特公平2−54142号公報には、硫酸ア
ルミニウムとアルミン酸ナトリウムとをpH6.0〜
8.5,温度50〜65℃の条件下で反応させて非晶質
アルミナ水和物を含有する第1の水性スラリーを調製
し、この水性スラリーにアルミン酸ナトリウムを加えて
Al23濃度が7wt%以上である第2の水性スラリー
を調製し、第2の水性スラリーに含まれる非晶質アルミ
ナ水和物を濾別し、得られたフィルターケーキをまず稀
アンモニア水で、次に稀硝酸溶液で洗浄後、再び稀アン
モニア水で洗浄してフィルターケーキのpHを7.5〜
10.5に調整し、このフィルターケーキをフィルター
プレスで脱水してそのAl23濃度を28〜35wt%
に上昇させた後、これをセルフクリーニング型混練機に
供給して滞留時間10秒以上混練し、得られるドウを押
出し成形し、押出し成形物を乾燥し、さらに焼成するこ
とからなるアルミナ触媒担体の製造法が記載されてい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】我が国の第二段階規制
に適合するためには、軽油製品中の硫黄含有量を0.1
重量%以下に低減する必要があるため、従来の脱硫領域
では対象外であった深度脱硫領域の難反応性硫黄化合物
(多環芳香族の硫黄化合物)をも水素化脱硫する必要が
ある。
【0014】既存の軽油脱硫装置と水素化脱硫触媒を用
いてこれを達成しようとすれば、反応温度を上げるか、
あるいは液空間速度を落とすかいずれかが一応考えられ
る。しかし、前者の方法では触媒の活性が低下するとと
もに触媒寿命が短くなり、しかも製品軽油中の色相(色
相値および安定性)が低下して商品価値を著しく低下さ
せることになる。一方、後者の方法を採用しようとすれ
ば設備の能力不足を招来するため設備拡大が必要になる
が、これは現状ではほとんど不可能である。このように
従来の水素化脱硫触媒ではこの高深度脱硫に対応できな
いため、更に活性が高く触媒寿命が長い脱硫触媒を開発
することが望まれていた。
【0015】また、従来の触媒を用いた場合、軽油の臭
いをより少なくしようとすれば着色の度合いが増し、逆
に、着色の度合いを低下させようとすれば臭いが強くな
るという問題点もあった。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者はこのような問
題点を解決して、現有の設備でこの高深度脱硫に対応で
きるような、更に活性が高く触媒寿命が長い優れた水素
化脱硫触媒を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、従来の
水素化脱硫触媒にイッテルビウムの化合物を添加するこ
とにより、難反応性硫黄化合物をも脱硫することができ
る高活性な触媒となり、しかも臭いと色の双方が改善さ
れることを見い出した。本発明はかかる知見に基づいて
完成したものである。
【0017】すなわち、本発明の一つの態様は、担持さ
れた全触媒の重量を基準にして元素換算で4〜30重量
%のモリブデンと、1〜10重量%のコバルトおよび/
またはニッケルと、1〜10重量%のリンと、0.05
〜5重量%のイッテルビウムとを耐火性担体上に担持さ
せたことを特徴とする炭化水素の水素化脱硫触媒を提供
することである。本発明の別の態様は、担持された全触
媒の重量を基準にして元素換算で4〜30重量%のモリ
ブデンと、1〜10重量%のコバルトおよび/またはニ
ッケルと、1〜10重量%のリンと、0.05〜5重量
%のイッテルビウムとを耐火性担 体上に担持する水素化
脱硫触媒を製造するにあたり、(a)まず耐火性無機酸
化物と最終担持量の各々10〜100重量%となる量の
モリブデン化合物、コバルトおよび/またはニッケル化
合物、リン化合物およびイッテルビウム化合物とを混練
して押し出し可能な軟塊を形成し、(b)この軟塊を押
し出し、押し出された軟塊を酸化雰囲気において乾燥、
焼成した後、(c)焼成した押し出し成形体にモリブデ
ン化合物、コバルトおよび/またはニッケル化合物、リ
ン化合物およびイッテルビウム化合物の残量を含浸担持
させた後、含浸担持させた押し出し成形体を酸化雰囲気
において乾燥、焼成することを特徴とする炭化水素の水
素化脱硫触媒の製造方法を提供することである。
【0018】本発明の水素化脱硫触媒は、モリブデン化
合物コバルト化合物および/またはニッケル化合物
イッテルビウム化合物およびリン化合物を耐火性担体上
に担持させることにより製造される。触媒成分の担持方
法として、従来用いられてきた含浸担持方法をそのまま
適用することができる。慣用触媒にイッテルビウム化合
を更に含浸担持させても同様な効果を示す。イッテル
ビウム化合物の添加は、従来の担体もしくは触媒を調製
するいずれの工程で行っても良い。
【0019】この場合、触媒成分を担体に添加する方法
としては、押し出し法においてアルミナの軟塊(ドウ)
を湿式・乾式の何れかの方法で混合した後、押し出し成
形することによって触媒を調製することができる。
【0020】本発明で使用する耐火性担体の種類は特に
限定されず、耐火性を有する担体であればいかなるもの
でも使用可能である。例えば、特公平2−54142号
公報に開示されているように、(a)イオン交換水を入
れた容器に硫酸アルミニウム溶液とアルミン酸ナトリウ
ム溶液を同時に注加し、硫酸アルミニウムとアルミン酸
ナトリウムとをpH6.0〜8.5,温度50〜65℃
の条件下に反応させて非晶質アルミナ水和物を含有する
第1の水性スラリーを調製し、(b)この水性スラリー
に、工程(a)で使用したアルミン酸ナトリウムとの合
計量で、工程(a)で使用した硫酸アルミニウムの0.
95〜1.05当量に相当するアルミン酸ナトリウム水
溶液を加えてAl23濃度が7重量%以上である第2の
水性スラリーを調製し、(c)第2の水性スラリーに含
まれる非晶質アルミナ水和物を濾別し、得られたフィル
ターケーキをまず稀アンモニア水で、次に稀硝酸溶液で
洗浄後、再び稀アンモニア水で洗浄してフィルターケー
キのpHを7.5〜10.5に調整し、(d)このフィ
ルターケーキをフィルタープレスで脱水してそのAl2
3濃度を28〜35重量%に上昇させた後、これをセ
ルフクリーニング型混練機に供給して滞留時間10秒以
上混練し、(e)工程(d)から得られるドウを押出し
成形し、しかる後押出し成形物を乾燥し、さらに焼成す
ることにより所望通りの細孔特性特性と比表面積を有す
るアルミナ担体を調製できる。
【0021】上述したアルミナ担体もしくは慣用の耐火
性担体(アルミナ単独もしくはシリカ・アルミナおよび
/またはゼオライトを含有するアルミナ酸化物)に慣用
の含浸法を使用して、以下に述べる様な可溶性化合物の
水溶液を含浸させる。
【0022】触媒成分の含浸処理は、担体に一様に分散
させるのに適した最小容積の含浸溶液で行うのが好まし
い。例えばその使用量は、含浸溶液1容積につき担体
0.5〜1.0容積の割合が良い。
【0023】一つの好ましい方法はスチーム・ジャケッ
ト付きエバポレイターの使用である。担体を含浸溶液中
に浸漬し、エバポレイターの回転運動によってその中で
撹拌させる。
【0024】エバポレイターのジャケットに水蒸気を使
用し、またエバポレイターを乾燥気体、好ましくは空気
または窒素ガスで連続的にパージすることによって、含
浸溶液の蒸発を促進することができる。こうして乾燥さ
れた含浸物を、更に酸素雰囲気下で200〜650℃の
温度で1〜24時間あるいはそれ以上焼成する。
【0025】特に適したモリブデン化合物はモリブデン
酸アンモニウムであり、特に適したコバルト化合物は硝
酸コバルトであり、特に適したリン化合物は燐酸であ
り、また特に適したイッテルビウム化合物は硝酸イッテ
ルビウムである。他の好適なモリブデン化合物には、無
水モリブデン酸、モリブデン酸等の化合物がある。使用
することのできるニッケル化合物には、硝酸ニッケル、
硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル等があり、
使用することのできるコバルト化合物には、硫酸第一コ
バルト等があり、リン化合物には、ピロ燐酸、メタ燐
酸、五塩化燐、十酸化四燐等がある。また他の好適なイ
ッテルビウム化合物には、塩化イッテルビウム、酸化イ
ッテルビウム、フッ化イッテルビウム、硫酸イッテルビ
ウム、酢酸イッテルビウム、蓚酸イッテルビウム等があ
る。
【0026】特公昭53−6113号公報に開示されて
いるような乾式押し出し法を利用して、担持された全触
媒の重量を基準にして元素換算で4〜30重量%のモリ
ブデンと、1〜10重量%のコバルトおよび/またはニ
ッケルと、1〜10重量%のリンと、0.05〜5重量
%のイッテルビウムとを耐火性担体上に担持する水素化
脱硫触媒を製造するにあたり、(a)まず耐火性無機酸
化物と最終担持量の各々10〜100重量%となる量の
モリブデン化合物、コバルトおよび/またはニッケル化
合物、リン化合物およびイッテルビウム化合物とを混合
および解膠して押し出し可能な軟塊(ドウ)を形成し、
(b)この軟塊を押し出し、押し出された軟塊を酸化雰
囲気において乾燥、焼成した後、(c)焼成した押し出
し成形体にモリブデン化合物、コバルトおよび/または
ニッケル化合物、リン化合物およびイッテルビウム化合
物の残量を含浸担持させた後、(d)含浸担持させた押
し出し成形体を酸化雰囲気において乾燥、焼成すること
によって請求項1に記載した炭化水素の水素化脱硫触媒
調製できる。
【0027】また、湿式押し出し法として、担持された
全触媒の重量を基準にして元素換算で(a)モリブデン
の含有量が4〜30重量%になるのに十分な量のモリブ
デンの塩の溶液と(b)コバルトおよび/またはニッケ
の含有量が1〜10重量%になるのに十分な量のコバ
ルトおよび/またはニッケルの塩の溶液と(c)リン
含有量が〜10重量%になるのに十分な量のリンの
の溶液および(d)イッテルビウムの含有量が0.01
〜5重量%になるのに十分な量のイッテルビウムの塩の
溶液を、任意の順序でアルミナドウに直接添加すること
によっても調製できる。
【0028】前述の特公平2−54142号公報に開示
されている技術によって調製されたアルミナドウを使用
すると、解膠剤の使用が避けられるため有効比表面積の
減少を防止できるため好適である。
【0029】アルミナドウに混合するのに特に適した
リブデン化合物はモリブデン酸アンモニウムであり、特
に適したコバルト化合物は硝酸コバルトであり、特に適
したリン化合物は燐酸であり、また特に適したイッテル
ビウム化合物は硝酸イッテルビウムである。他の好適な
モリブデン化合物には、無水モリブデン酸、モリブデン
酸等の化合物がある。使用することのできる他のコバル
ト化合物および/またはニッケル化合物には、硝酸ニッ
ケル、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、硫
酸第一コバルト等があり、リン化合物には、ピロ燐酸、
メタ燐酸、五塩化燐、十酸化四燐等がある。また他の好
適なイッテルビウム化合物には、塩化イッテルビウム、
酸化イッテルビウム、フッ化イッテルビウム、硫酸イッ
テルビウム、酢酸イッテルビウム、蓚酸イッテルビウム
等がある。
【0030】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて本発明を更に
詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって何
ら限定されるものではない。
【0031】[比較例1] 1.45重量%Coと3.2重量%Moを含有するアル
ミナ押し出し担体200gに、36gのモリブデン酸ア
ンモニウム塩と20gのモノエタノールアミンと100
Gの蒸留水からなる水溶液と、27gの85%燐酸溶液
と28gの硝酸コバルト・6水和物と15gの蒸留水か
らなる水溶液とを混合し、得られた水溶液を蒸留水で2
00ccまで希釈して調製したモリブデンとコバルトを
含有するアンモニウム水溶液で含浸処理した。押し出し
担体は含浸溶液に浸漬した後蒸発乾固し、空気中におい
て350℃に1時間、次いで550℃に更に2時間乾燥
・焼成して触媒を調製した。3.4重量%Coと11.
2重量%Moと3.0重量%Pを含有していた。これを
触媒Tとする。
【0032】[実施例1] 本発明に従って、比較例の触媒200gに2.4g硝
酸イッテルビウム・3水和物を蒸留水で180ccまで
希釈して調製した含浸溶液に浸漬した後蒸発乾固し、空
気中において350℃の温度で1時間、次いで550℃
の温度で更に2時間乾燥・焼成した。焼成後、押し出し
触媒は0.1重量%Ybと3.4重量%Coと11.1
重量%Moと3.0重量%Pを含有していた。これを触
媒Cとする。
【0033】[試験例1] 上記実施例1で得られた触媒Cおよび比較例1で得られ
た触媒Tを用いて下記の2種類の活性試験を行った。
【0034】活性試験−1: 41気圧(絶対圧)、3
70℃に保持された縦型管状反応管の中に触媒を固定床
として配置して、原料油VGOを液空間速度3.0hr
-1および水素/原料油の比の供給速度が320Nm3
KLで触媒上で水素化処理した。水素化脱硫された流出
流を121℃の高圧気液分離器で液相と気相に分離し、
液相は更にストリッピングカラムで処理した。8時間に
わたって採取した液相(生成油)の硫黄分について分析
した。
【0035】活性試験−2: 20気圧(絶対圧)、3
40℃に保持された縦型管状反応管の中に触媒を固定床
として配置して、原料油LGOを液空間速度2.0hr
-1および水素/原料油の比の供給速度が120Nm3
KLで触媒上で水素化処理した。水素化脱硫された流出
流を121℃の高圧気液分離器で液相と気相に分離し、
液相は更にストリッピングカラムで処理した。8時間に
わたって採取した液相(生成油)の硫黄分について分析
した。
【0036】これらの活性試験の結果を下記表3に示
す。なお、活性効果を表す触媒Cの数値は触媒Tの脱硫
率(製品の水素化脱硫前後の硫黄含有率から算出)を1
00とした場合の指数で表したものである。
【0037】 表1 各触媒の脱硫効果 触媒T 触媒C 粒子密度(g/cc) 1.26 1.26 粒径(円柱)(mm) 1.40 1.40 Co重量% 3.4 3.4 Mo重量% 11.2 11.1 P 重量% 3.0 3.0 Yb重量% 0 0.1 活性試験−1 100 112 活性試験−2 100 106 表1から明らかなように、本発明の触媒Cは従来の触媒
Tに比べて、活性試験−1の脱硫活性では12%、活性
試験−2の脱硫活性では6%それぞれ優れていることが
裏付けられた。
【0038】[試験例2]−触媒寿命の測定− 上記実施例1で得られた触媒Cおよび比較例1で得られ
た触媒Tを用いて、絶対圧300psig、水素/原料
油の比の供給速度が400SCFB、LHSV(液空間
速度)2.0hr-1の条件下で触媒の寿命を調べた。結
果を図1に示す。図1のグラフは、各触媒を水素化脱硫
触媒として使用する場合に必要な反応温度の経時変化を
表す。通常、反応温度が360℃を越えると水素化脱硫
触媒としては不適となるので、この温度に至る期間がそ
の触媒の寿命と考えられる。図1によれば、従来の触媒
Tの寿命は約4.5カ月であるのに対して、本発明の触
媒Cの寿命は約1年3カ月と大幅に長くなっていること
が分かる。
【0039】[試験例3]−色相安定性− 1.55重量%の硫黄分を含有する原料油LGOを、上
記実施例1で得られた触媒Cを用いて水素化脱硫処理
し、硫黄含有量が0.09重量%および0.05重量%
の軽油を得た。対照として、上記比較例1で得られた触
媒Tを用いて同様に水素化脱硫処理し、硫黄含有量が
0.09重量%および0.05重量%の軽油を得た。そ
れぞれの触媒を用いたときの色相値(セーボルト色相)
の経時変化を図2および図3に示す。図2は本発明の触
媒Cを用いた場合の色相値(セーボルト色相)の経時変
化を表すグラフ、図3は従来の触媒Tを用いた場合の色
相値(セーボルト色相)の経時変化を表すグラフであ
る。これらのグラフによれば、本発明の触媒を用いて水
素化脱硫処理した軽油は、いずれの硫黄含有量の場合も
色相の変化が緩やかであり、しかも35日を過ぎるとほ
とんど色相の変化が見られない。これに対して、従来の
触媒を用いた場合は、いずれの硫黄含有量の場合も色相
が急速に低下しており、この点においても本発明の触媒
の優秀性が裏付けられた。
【0040】
【発明の効果】本発明の水素化脱硫触媒は、従来の水素
化脱硫触媒と比べて、脱硫活性が大幅に高く、触媒寿命
が著しく延び、色相の低下が少なくしかも長期安定性に
優れているという顕著な効果を奏する。したがって、本
発明の水素化脱硫触媒は軽油中の硫黄分と芳香族分の第
二段階規制に十分対応できるものであり、これらの成分
に起因する環境問題の解決のために大いに寄与するもの
と言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水素化脱硫触媒と従来の水素化脱硫触
媒の反応温度の経時変化を示すグラフである。
【図2】本発明の触媒を用いた場合の色相値(セーボル
ト色相)の経時変化を表すグラフである。
【図3】従来の触媒を用いた場合の色相値(セーボルト
色相)の経時変化を表すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 37/36 WPI(DIALOG)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担持された全触媒の重量を基準にして元
    素換算で4〜30重量%のモリブデンと、1〜10重量
    %のコバルトおよび/またはニッケルと、1〜10重量
    %のリンと、0.05〜5重量%のイッテルビウムとを
    耐火性担体上に担持させたことを特徴とする炭化水素の
    水素化脱硫触媒。
  2. 【請求項2】 担持された全触媒の重量を基準にして元
    素換算で4〜30重量%のモリブデンと、1〜10重量
    %のコバルトおよび/またはニッケルと、1〜10重量
    %のリンと、0.05〜5重量%のイッテルビウムとを
    耐火性担体上に担持する水素化脱硫触媒を製造するにあ
    たり、(a)まず耐火性無機酸化物と最終担持量の各々
    10〜100重量%となる量のモリブデン化合物、コバ
    ルトおよび/またはニッケル化合物、リン化合物および
    イッテルビウム化合物とを混練して押し出し可能な軟塊
    を形成し、(b)この軟塊を押し出し、押し出された軟
    塊を酸化雰囲気において乾燥、焼成した後、(c)焼成
    した押し出し成形体にモリブデン化合物、コバルトおよ
    び/またはニッケル化合物、リン化合物およびイッテル
    ビウム化合物の残量を含浸担持させた後、含浸担持させ
    た押し出し成形体を酸化雰囲気において乾燥、焼成する
    ことを特徴とする炭化水素の水素化脱硫触媒の製造方
    法。
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