JP3331947B2 - ネットワーク通信システムおよびその制御用記憶媒体 - Google Patents

ネットワーク通信システムおよびその制御用記憶媒体

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JP3331947B2
JP3331947B2 JP02635798A JP2635798A JP3331947B2 JP 3331947 B2 JP3331947 B2 JP 3331947B2 JP 02635798 A JP02635798 A JP 02635798A JP 2635798 A JP2635798 A JP 2635798A JP 3331947 B2 JP3331947 B2 JP 3331947B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各サービスを提供
するために通話情報とその通話情報の制御を行なう制御
信号の送受を行なうネットワーク通信システムおよびそ
の制御用記憶媒体に係わり、詳細には通信途中に中断後
の通信再開時に破棄される信号を削減したネットワーク
通信システムおよびその制御用記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電話交換網サービスの高度化の要
求を受けて、サービス総合ディジタル網(Integrated
Services Digital Network:以下、ISDNと略
す。)が実現されている。ISDNは、ディジタル技術
により構築された通信網であり、この通信網に収容され
た各種端末からのさまざまなサービス要求に対して、通
信網内の各ノード間の信号を送受している。このように
通信網内の各ノード間の信号を送受して提供すべきサー
ビスを実現するための共通線信号方式は不可欠なものと
なっている。
【0003】共通線信号方式は、国際電気通信連合電気
通信標準化部門(International Telecommunication
Union-Telecommunication Sector:以下、ITU−Tと
略す。)で勧告された信号方式の1つである。その中で
もISDNの信号方式の基盤として「No.7共通線信
号方式」と呼ばれる信号方式が導入されている。
【0004】図8は、ITU−Tで勧告されたNo.7
共通線信号方式の機能構成の概要を表わしたものであ
る。No.7共通線信号方式では、従来の電話サービス
における交換局間の通話回線の設定などに適用されるば
かりでなく、より高度な網サービスを提供するべく機能
レベル1〜4にレベル分けされた機能ブロックで構成さ
れ、各レベルにおいて技術的な条件が仕様として規定さ
れている。
【0005】“レベル1”の信号データリンク部10
は、相互に接続された信号回線の信号速度や伝送方式な
どの物理的・電気的条件等を規定している。また、“レ
ベル2”の信号リンク機能部11は、確立された信号回
線上のメッセージの送受と、誤り検出やフロー制御など
の転送管理手順などを規定している。この信号データリ
ンク部10と信号リンク機能部11により、相互に信頼
性の高いメッセージの転送を可能にしており、両者をま
とめて信号リンク部12として扱われる。
【0006】“レベル3”の信号網機能部13は、上述
した信号リンク部12で行われるメッセージ転送に対し
て、信号網の状態に基づいてその転送に最適な経路選択
や異常時の経路切り換えなどの手順を規定している。こ
の信号リンク部10と信号網機能部13により、信号網
アドレスに基づくメッセージの転送を可能にしており、
両者をまとめてメッセージ転送部(Message Transfer
Part:以下、MTPと略す。)14として扱われる。
【0007】“レベル4”の信号接続制御部(Signalin
g Connection Control Part:以下、SCCPと略
す。)15は、MTP14の機能を捕捉する形で実際の
メッセージ転送に対応しないような交換局とサービス提
供のためのデータベース問い合わせなどの非回線対応信
号を効率的に転送を行なうための制御を行なう。すなわ
ち、信号局の各アプリケーションに相当するサブシステ
ムの管理を行なう一方、コネクションオリエンテッドの
転送を可能にする。また、ユーザ部161〜16Nは、電
話サービスやISDNに適用するための各サービスを提
供するための信号機能を扱う。トランザクション機能部
(Transaction Capabilities:以下、TCと略す。)
17は、呼の制御に直接かかわらずSCCP15を利用
して局間における保守運用情報やサービス処理情報など
のデータ伝送を集中的に制御する。応用部181〜18M
は、TC部17を利用して運用情報やサービス情報の問
い合わせを行ないアプリケーション向けのトランザクシ
ョンの転送を行ない、個別のアプリケーションに依存し
たサービスを提供することができる。
【0008】図9は、このような共通線信号方式による
信号網の構成の概要を表わしたものである。この信号網
は、交換局201、202とを有しており、通話回線21
によって接続されている。これら交換局201、202
の間で送受される通話情報は、この通話回線21を介し
て転送される。また、交換局201、202はそれぞれ制
御部221、222を有しており、各交換局間との制御信
号の送受により、通話回線21を介して送受される通話
情報を用いて所定のサービス提供のための制御を行うこ
とができるようになっている。これら各交換局間の制御
信号の送受は、それぞれ交換局201、202に接続され
ている信号局231、232を介して行われる。このため
信号リンクと呼ばれる信号専用回線241、242経由で
共通線信号網25に接続されている。このように、共通
線信号方式では、各交換局間の信号の送受は通話回線2
1とは別の信号リンクと呼ばれる信号線専用回線2
1、242により信号網が構成されていることが特徴と
なる。これにより、信号を高速に転送するとともに豊富
な信号表現による高度な信号機能を実現することができ
る。
【0009】ところで、これまで説明した共通線信号網
のような相互の制御信号および通話情報に基づいて制御
される信号網において、通信途中に一方の交換局が機能
を停止した場合、これを再開させる手順を予め決定して
おく必要がある。例えば、受信側が機能を停止してその
機能再開の手順が不定の場合、通信再開時互いの交換局
の都合に合わせていると、送信側が通信をそのまま続行
し、受信側は機能停止時に受信したはずの信号を破棄し
てしまうという送受信号の矛盾が生じるなどの問題があ
る。このような手順を含む制御は、図8で示したNo.
7共通線信号方式の機能構成によると、各サブシステム
の管理を行なう“レベル4”のSCCP15で行うこと
ができる。
【0010】このような手順は、例えばIDU−Tで勧
告された仕様記述言語(Specification and Descript
ion Language:SDL)により、通信再開時の手順と
して各交換局を構成する機能部分であるサブシステム
(Subsystem:以下、SSと略す。)の状態を管理する
ことによって、通信再開時の手順を制御している。すな
わち、交換局は通信相手となる全ての交換局(対地局)
のSS状態を記憶し、それぞれの応答に応じて通信相手
となるSSの状態を“許容”状態と“禁止”状態に区分
することによって、“許容”状態のときは送受信が可
能、“禁止”状態のときは送受信が不可能な状態として
いる。そして、通信再開時にこのSS状態の初期設定値
に応じて、次の2通りの手順が知られている。
【0011】まず第1の手順は、通信を再開した交換局
は、記憶している全ての対地局のSSの状態を“許容”
状態とし、これらSSを含む全対地局のSSに対してユ
ニットデータ(Unit Data:以下、UDTと略す。)信
号を送信する。対地局のSSがこのUDT信号を受信で
きない状態であるときには、このSSは受信したUDT
信号を破棄するとともにサブシステム禁止(Subsystem
Prohibited:以下、SSP)信号を返信するようにす
る。そして、このUDT信号の返信信号としてSSP信
号を受信した交換局は、この対地局に対応するSS状態
を“禁止”状態として再開後の通信を行なわないように
する。
【0012】また、第2の手順は、通信を再開した交換
局は、記憶している全ての対地局のSSの状態を“禁
止”状態とし、これらSSを含む全対地局に対してサブ
システム試験(Subsystem Status Test:以下、SS
Tと略す。)信号を送信する。対地局のSSがこのSS
T信号を受信し、それまでこの交換局と通信を行なって
いた場合はサブシステム許容(Subsystem Allowed:以
下、SSAと略す。)信号を返信するようにする。ま
た、この交換局と通信を行なっていなかった場合はSS
P信号を返信するようにする。そして、対地局からSS
T信号に対する応答信号としてSSA信号を受信した交
換局は、この対地局に対応するSS状態を“許容”状態
にして再開後の通信を行なうようにする。
【0013】このような通信再開時の手順について、第
1の手順では、対地局のSSがUDT信号を受信できな
い状態のとき、通信を再開した局から送信されたUDT
信号が破棄されてしまううえ、この対地局からSSP信
号が返信されてこの対地局に対応するSS状態が“禁
止”状態としない限り、この破棄が続いてしまうという
問題がある。一方、第2の手順では、まず対地局からの
返信信号に応じてSS状態を“許容”状態としてからU
DT信号を送信するため、対地局ではUDT信号の破棄
は生じないため、このUDT信号に対する信頼性が高い
と言える。このような点から第2の手順が用いられるこ
とが多い。以下ではこの第2の手順について説明する。
【0014】次に、このような第2の手順に基づいて図
9に示した交換局の動作について説明する。図9に示し
た交換局201、202は、共通線信号網に関する信号網
制御構成については同一とし、以下では交換局201
関して説明し、交換局202に関する説明を省略する。
制御部221は、図示しない中央処理装置(Central Pr
ocessing Unit:以下、CPUと略す。)と、そのCP
Uの制御手順を格納した読み出し専用メモリ(Read On
ly Memory:以下、ROMと略す。)と、CPUの途中
結果や処理結果を格納するメモリを備えている。CPU
は、適時ROM内の記憶内容を読み出して、その読み出
した制御手順に基づいて処理を行なう。さらに、メモリ
には交換局201が通信する全対地局のSSに対応した
SS状態を記憶するSSテーブルを有している。
【0015】なお、図8に示したNo.7共通線信号方
式の機能構成によれば、“レベル4”のSCCP15が
この制御部221に相当する。
【0016】図10は、このようなSSテーブルの構成
の概要を表わしたものである。このSSテーブル26
は、交換局201が通信する全対地局のSSに対応し
て、それぞれのSS状態271、272、…を記憶するよ
うになっている。それぞれのSS状態は、これまで説明
したように通信再開後の通信が可能であることを表わす
“許容”状態と、通信再開後の通信が不可能であること
を表わす“禁止”状態のいずれかを記憶する。
【0017】このようなSSテーブルを格納したメモリ
を有する制御部221は、交換局202との信号送受を行
なうが、信号局231を介して共通線信号網25に対し
て予め決められたフォーマットの信号メッセージを送信
するようになっている。
【0018】図11は、このような信号メッセージの構
成の概要を表わしたものである。この信号メッセージ2
8は、共通部29と個別部30とで構成されている。共
通部29は、さらに転送するメッセージの着信先と送信
元の識別情報と対地局を識別するための信号局コードや
信号局の特定ユーザ機能を識別するサブシステム番号
(Subsystem Number:以下、SSNと略す。)や選択さ
れる信号リンクの番号などが設定されるラベル31と、
SST信号やSSP信号やSSA信号など転送メッセー
ジの種別を表わすメッセージコード32から構成されて
いる。また、個別部30は、特定メッセージ内で設定す
べきパラメータやメッセージそのものを表わすデータ3
3によって構成されている。なお、対地局を識別する信
号局コードとしては、着信号局コード(Destination P
oint Code:以下、DPCと略す。)と送信号局コード
(Originating Point Code:OPC)がある。
【0019】したがって以上のような信号メッセージの
構成により、各交換局において受信した信号メッセージ
に対して、受信した信号メッセージの種類とその送信元
情報に含まれるDPCとSSNにより送信元とをそれぞ
れ識別することができるようになっている。
【0020】次に、これまで説明した構成を有する交換
局において、通信途中に中断した後に通信を再開した時
の処理と、この処理により対地局のSSからの応答に応
じた通信再開動作について説明する。
【0021】図12は、交換局201が通信途中に機能
停止しその後に再び通信を再開した制御部221の通
信再開時の処理手順の概略を表わしたものである。交換
局201が何らかの原因で機能を停止せざるを得なくな
ったときや保守点検などによる強制停止により一旦機能
を停止した後、通信を再開したとき(ステップS35:
Y)には、図10に示したSSテーブルを参照する(ス
テップS36)。SSテーブルには、交換局201が通
信を行なう全対地局のSSに対応してそれぞれのSS状
態を記憶しており、対地局を識別する着信号局コード
(DPC)とSSを識別するサブシステム番号(SS
N)により検索できるようになっている。
【0022】このSSテーブルを参照後、対地局のSS
ごとに記憶しているSS状態を“禁止”状態に設定する
(ステップS37)ことによって通信再開を許可しない
ようにする。その後、この“禁止”状態に設定したSS
に対してSST信号を送信する(ステップS38)。こ
のSS状態の設定とSST信号の送信処理は、SSテー
ブルに記憶されている全SSに対して行なうまで繰り返
す(ステップS39:N)。SSテーブルに記憶されて
いる全SSに対して同様の処理を行なうと(ステップS
39:Y)、一連の処理は終了する。
【0023】図13は、図12に示した通信再開時の処
理により対地局に対して送信したSST信号の対応後の
交換局201の制御部221の通信再開動作を行なう処理
手順の概要を表わしたものである。図12で通信再開時
に全対地局のSSに送信したSST信号に対する応答と
して、全対地局のSS通信可能であるときには図11
に示すフォーマットのSSA信号を送信するようになっ
ている。したがって、通信再開時にSST信号を送信し
た交換局は、SSA信号の受信を持つ(ステップS4
0:N)。もし、SSA信号を受信したとき(ステップ
S40:Y)には、受信したSSA信号のラベルから送
信元のDPCとSSNを抽出する(ステップS41)。
そして、その抽出したDPCとSSNよりSSテーブル
を参照し(ステップS42)、対応する対地局のSSの
SS状態を通信可能とする“許容”状態と設定して(ス
テップS43)、一連の処理を終了する。
【0024】このように通信再開時に対地局のSSのS
S状態を“禁止”状態に設定し、通信相手となる全対地
局のSSに対してSST信号を送信する。このSST信
号に応答してSSA信号を返信してきた対地局のSSに
対してのみ中断後の通信再開が可能であるとしてSS状
態を“許容”状態にして通信を続行させている。
【0025】この他に、特開平7−203049号公報
の「共通線信号方式」には、ネットワーク通信システム
が障害で機能停止時に、初期化してネットワーク処理を
再開する技術が開示されている。これは、共通線信号網
から到来した比較的長い制御信号をローカルリンク用の
ローカル参照番号に置き換える際、このローカル参照番
号の生成手段が常に通信中断前とは異なる番号をローカ
ル参照番号として割り当てるようにしたものである。す
なわち、ある処理に対して中断前に割り当てられたロー
カル参照番号と再開後に別の処理に対して新たに割り当
てられたローカル参照番号とが重複して発生しないよう
にしている。これにより、中断前にローカル参照番号が
割り当てられた処理の完了を待つため再開直後に一時信
号処理を停止させる必要がなくなり、信号処理の停止に
ともなう新たなトラブルの発生を防止することができ
る。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】これまで説明したよう
な交換局は、通信相手の通信許可状態を管理して通信再
開時には、とりあえず全通信相手に対して通信“禁止”
状態を設定するとともに、試験信号を送出してその試験
信号の所定の応答信号を返信してきた相手を通信“許
容”状態として通信再開を行なうようにしていた。した
がって、通信再開直後には、全通信相手となる対地局の
SSのSS状態を“禁止”状態に設定してしまうため、
この再開直後に対地局から正常にUDT信号を受信して
も通信を再開することができず、正常に受信したはずの
UDT信号を破棄してしまうという問題点がある。
【0027】特に、SST信号に応答する対地局からの
SSA信号を受信するまではUDT信号を全て破棄して
しまい、通常の交換局との通信であればリトライ要求が
発生することになる。これにより、通信中断時に多数の
対地局と通信を行なっていた場合、このような正常なは
ずのUDT信号を全て破棄するとともに、リトライ要求
による再送が頻繁に行われるためトラヒックが著しく上
昇してしまうという問題点もある。また、これはSST
信号の送信の遅延を生じさせ、通信再開がより遅れてし
まうという悪循環を招いてしまう。
【0028】そこで本発明の目的は、通信先との通信中
断後に、通信先からの正常な通信情報を破棄することな
く、できるだけ早く通信を再開させるようにしたネット
ワーク通信システムあるいはこのシステムを実現するた
めの記憶媒体を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、(イ)送信先となる通信局それぞれに対応して通信
相手となるこれら対地局との通信が許可されているか否
かを表わす通信許可情報およびこれらの対地局との通信
が中断した後の通信再開であるか否かを表わす再開情報
を記憶する再開情報記憶手段と、(ロ)通信を再開した
ときにこの再開情報記憶手段に記憶されている対地局に
対応した通信許可情報を通信不許可として、再開情報を
通信再開直後であるとしてそれぞれ表わすように設定す
るとともに全対地局に対して所定の試験信号を送信する
通信再開設定手段と、(ハ)この通信再開設定手段によ
って送信された試験信号の送出後に対地局から送出され
た所定の第1および第2の信号を受信する信号受信手段
と、(ニ)この信号受信手段によって受信された第1の
信号に基づいてこの信号を送出した対地局に対応する再
開情報記憶手段に記憶されている再開情報が通信再開で
あることを表わしているか否かを判定する再開判定手段
と、(ホ)信号受信手段によって所定の第2の信号が受
信されたときと、この再開判定手段によって対地局の再
開情報が通信再開であることを表わしていると判定され
たときには信号を送信した対地局に対応して再開情報記
憶手段に記憶されている通信許可情報を通信許可とし
て、再開情報を通信再開直後ではないとしてそれぞれ表
わすように設定するとともに、この対地局と通信を行う
通信手段とをネットワーク通信システムに具備させる。
【0030】
【0031】
【0032】すなわち請求項記載の発明では、送信先
となる通信局(対地局)それぞれに対応して通信再開後
の通信許可を表わす通信許可情報と通信が中断後の再開
であることを表わす再開情報とを再開情報記憶手段に記
憶するようにしている。そして、通信が中断後に通信が
再開されたときにはこの再開情報を通信再開として、通
信許可信号を通信不許可としてそれぞれ設定するととも
に、全対地局に対して所定の試験信号を送信するように
している。そして、この試験信号に対して所定の第1の
信号を受信したときには、その対地局に対応する再開情
報記憶手段の再開情報が通信再開直後であると設定され
ている場合にこの信号を送信した対地局と中断前の通信
を再開するようにしている。また、試験信号に対して
2の信号を受信したときには、その信号を送信した対地
と中断前の通信を再開するようにしている。
【0033】請求項記載発明では、(イ)送信先とな
る通信局それぞれに対応して通信相手となるこれら対地
との通信が許可されているか否かを表わす通信許可情
報およびこれらの対地局との通信が中断した後の通信再
であるか否かを表わす再開情報を記憶する再開情報記
憶手段と、(ロ)対地局に対応して所定の通信再開の条
件を表わす再開条件情報を記憶する再開条件記憶手段
と、(ハ)通信を再開したときにこの再開情報記憶手段
に記憶されている対地局に対応した通信許可情報を通信
不許可として、再開情報を通信再開直後であるとしてそ
れぞれ表わすように設定するとともに全対地局に対して
所定の試験信号を送信する通信再開設定手段と、(ニ)
この通信再開設定手段によって送信された試験信号の送
出後に対地局から送られてくる所定の第1および第2の
信号を受信する信号受信手段と、(ホ)この信号受信手
によって受信された第1および第2の信号これらの
信号を送信した対地局に対応して再開条件記憶手段に記
憶されている再開条件情報に基づく通信再開条件を満た
しているか否かを判定する条件判定手段と、(ヘ)この
条件判定手段によって第1の信号が対応する通信再開条
件を満たしていると判定されたときには第1の信号に基
づいてこの信号を送信した対地局に対応して再開情報記
憶手段に記憶されている再開情報が通信再開であること
を表わしているか否かを判定する再開判定手段と、
(ト)条件判定手段によって第2の信号が対応する通信
再開条件を満たしていると判定されたときと、この再開
判定手段によって対地局の再開情報が通信再開であるこ
とを表わしていると判定されたときには信号を送信した
対地局に対応して再開情報記憶手段に記憶されている通
信許可情報を通信許可として、再開情報を通信再開直後
ではないとしてそれぞれ表わすように設定するととも
に、この送信先通信局と通信の送受を行う通信送受手段
とをネットワーク通信システムに具備させる。
【0034】すなわち請求項記載の発明では、送信先
となる対地局それぞれに対応して通信再開後の通信許可
を表わす通信許可情報と通信が中断後の再開であること
を表わす再開情報とを再開情報記憶手段に記憶するよう
にしている。また、対地局に対応して所定の通信再開条
件を再開条件記憶手段に記憶するようにしている。そし
て、通信が中断後に通信が再開されたときにはこの再開
情報を通信再開直後として、通信許可信号を通信不許可
としてそれぞれ設定するとともに、全対地局に対して所
定の試験信号を送信するようにしている。そして、この
試験信号の送出後に所定の第1の信号を受信したときに
は、再開条件記憶手段に記憶されている通信再開条件を
満たしているか否かを判定し、満たしているときにはそ
対地局に対応する再開情報記憶手段の再開情報が通信
再開であると設定されている場合にこの信号を送信した
対地局と中断前の通信を再開するようにしている。ま
た、試験信号に対して第2の信号を受信したときには、
再開条件記憶手段に記憶されている通信再開条件を満た
しているか否かを判定し、満たしているときにはその
を送信した対地局と中断前の通信を再開するようにし
ている。
【0035】
【0036】
【0037】請求項記載の発明では、(イ)送信先と
なる通信局それぞれに対応して通信相手となるこれら対
地局との通信が許可されているか否かを表わす通信許可
情報およびこれらの対地局との通信が中断した後の通信
再開であるか否かを表わす再開情報を記憶する再開情報
記憶手段を記憶領域の一部に備えるとともに、(ロ)通
信を再開したときにこの再開情報記憶手段に記憶されて
いる対地局に対応した通信許可情報を通信不許可とし
て、再開情報を通信再開直後であるとしてそれぞれ表わ
すように設定するとともに全対地局に対して所定の試験
信号を送信する通信再開設定ステップと、(ハ)この通
信再開設定ステップによって送信された試験信号の送出
後に対地局から送られてくる所定の第1および第2の
を受信する信号受信ステップと、(ニ)この信号受信
ステップによって受信された第1の信号に基づいてこの
信号を送出した対地局に対応する再開情報記憶手段に記
憶されている再開情報が通信再開であることを表わして
いるか否かを判定する再開判定ステップと、(ホ)信号
受信ステップによって所定の第2の信号が受信されたと
きと、この再開判定ステップによって対地局の再開情報
通信再開であることを表わしていると判定されたとき
には信号を送信した対地局に対応して再開情報記憶手段
に記憶されている通信許可情報を通信許可として、再開
情報を通信再開直後ではないとしてそれぞれ表わすよう
に設定するとともに、この対地局と通信を行う通信ステ
ップとを少なくとも備えた制御手順を記憶領域の他の部
分に格納したネットワーク通信システム制御用記憶媒体
であることを特徴としている。
【0038】すなわち請求項記載の発明では、請求項
記載の発明における記憶手段およびネットワーク通信
システムの制御動作を行なう各手順を記憶媒体に格納し
ており、これによってこの記憶媒体を使用したネットワ
ーク通信システムは、通信再開時にも正常な通信情報を
破棄することなく、通信を再開することができるように
なる。
【0039】請求項記載の発明では、(イ)送信先と
なる通信局それぞれに対応して通信相手となるこれら対
地局の通信が許可されているか否かを表わす通信許可情
報およびこの対地局との通信が中断した後の通信再開
あるか否かを表わす再開情報を記憶する再開情報記憶手
段と、対地局に対応して所定の通信再開の条件を表わす
再開条件情報を記憶する再開条件記憶手段とを記憶領域
の一部に備えるとともに、(ロ)通信を再開したときに
この再開情報記憶手段に記憶されている対地局に対応し
た通信許可情報を通信不許可として、再開情報を通信再
であるとしてそれぞれ表わすように設定するとともに
全対地局に対して所定の試験信号を送信する通信再開設
定ステップと、(ハ)この通信再開設定ステップによっ
て送信された試験信号の送出後に対地局から送信された
所定の第1および第2の信号を受信する信号受信ステッ
プと、(ニ)この信号受信ステップによって受信された
第1および第2の信号がこれら信号を送出した対地局
対応して再開条件記憶手段に記憶されている再開条件情
報に基づく通信再開条件を満たしているか否かを判定す
る条件判定ステップと、(ホ)この条件判定ステップに
よって第1の信号が対応する通信再開ステップを満たし
ていると判定されたときには第1の信号に基づいてこの
信号を送信した対地局に対応して再開情報記憶手段に記
憶されている再開情報が通信再開であることを表わして
いるか否かを判定する再開判定ステップと、(ヘ)条件
判定ステップによって第2の信号が対応する通信再開条
件を満たしていると判定されたときと、この再開判定ス
テップによって対地局の再開情報が通信再開であること
を表わしていると判定されたときには信号を送信した
地局に対応して再開情報記憶手段に記憶されている通信
許可情報を通信許可として、再開情報を通信再開直後で
はないとしてそれぞれ表わすように設定するとともに、
この対地局と通信の送受を行う通信送受ステップとを少
なくとも備えた制御手順を記憶領域の他の部分に格納し
たネットワーク通信システム制御用記憶媒体であること
を特徴としている。
【0040】すなわち請求項記載の発明では、請求項
記載の発明における記憶手段およびネットワーク通信
システムの制御動作を行なう各手順を記憶媒体に格納し
ており、これによってこの記憶媒体を使用したネットワ
ーク通信システムは、通信再開時にも正常な通信情報を
破棄することなく、通信を再開することができるように
なる。
【0041】
【発明の実施の形態】
【0042】
【実施例】以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0043】第1の実施例
【0044】図1は、本発明の第1の実施例におけるネ
ットワーク通信システムの構成の概要を表わしたもので
ある。このネットワーク通信システムは、信号メッセー
ジの送受を行なう第1の交換局50と、第2の交換局5
1とを備えており、第1の交換局50と第2の交換局5
1とは信号回線52で接続されている。しかし、それぞ
れDPCにより識別できるようになっているので、第1
の交換局50には複数の第2の交換局51が接続される
ような構成でも、以下で述べる動作は同様である。
【0045】第1の交換局50と第2の交換局51
それぞれSCCP(信号接続制御部)53、54備え
ており、各交換局のSS(サブシステム)の管理を行な
うことによって、交換サービス提供のための図示しない
データベース問い合わせなど非回線対応信号を制御して
いる。
【0046】以下では本実施例における動作の把握を容
易にするために、第1の交換局50と第2の交換局51
は、本実施例に係わる通信再開処理に関する構成同一
であるとする。また、第1の交換局50と第2の交換局
51の間で、通信途中に何らかの原因で第1の交換局5
通信機能が一時停止したものとする。通信途中に中
断した通信の送受の向きとは無関係である。以上から、
第1の交換局50と第2の交換局51は、通信回線52
を介して通信される信号の送信側か着信側かが異なるの
みであり、交換局の構成についての説明では第1の交換
局50について説明を行ない、第2の交換局51の説明
を省略するものとする。
【0047】次に、図1に示したネットワーク通信シス
テムの第1の交換局50の構成要部であるSCCP53
について説明する。
【0048】図2は、図1に示した第1の交換局50の
構成要部であるSCCP53の構成の概要を表わしたも
のである。このSCCP53は、信号メッセージの送受
および通信再開時の処理を行なう制御部55と、対地局
のSSの管理情報を記憶するメモリ部56と、対地局と
の通信メッセージの送受信を行なうインタフェース部5
7とを備えている。制御部55は、CPU58とROM
59とを有し、CPU58は通信再開の処理手順を格納
したROM59から順次その手順を読み出すことによっ
て通信再開処理を行なうようになっている。また、イン
タフェース部57は、信号組立部60と信号送受部61
とを有し、信号組立部60は制御部55の指示により信
号メッセージとして送受する信号に対して図11に示し
た信号フォーマットの組み立ておよび抽出を行い、信号
送受部61は信号組立部60によって構成された信号メ
ッセージの送信や対地局からの信号メッセージを受信し
て信号組立部60への引き渡しを行なう。
【0049】また、メモリ部56は適時ROM59に格
納された処理手順に基づいて処理途中結果などの一時作
業用メモリとして用いられるとともに、上述したように
対地局のSSの管理情報を記憶している。このメモリ部
56が記憶しているSS管理情報は対地局のSSごとに
記憶されているが、SSごとに、これまで説明したSS
状態だけではなく再開フラグを記憶するようにしてい
る。
【0050】図3は、図2に示したメモリ部56に格納
される対地局のSSの管理情報を記憶するSS管理テー
ブルの構成の概要を表わしたものである。このSS管理
テーブル62は、対地局のSSごとにSS管理情報63
1、632、…とを有しており、それぞれ再開フラグ64
1、642、…と、SS状態651、652、…とで構成さ
れている。再開フラグ641、642、…は、通信が再開
されたことを表わす“オン”状態と通信が再開されてな
いことを表わす“オフ”状態の2値のいずれかを記憶す
ることができる。また、SS状態651、652、…は、
“許容”状態と“禁止”状態に区分し、“許容”状態の
ときは通信が可能な状態として、また“禁止”状態のと
きは通信が不可能な状態として記憶することができる。
これら対地局のSSに対応したSS管理情報631、6
2、…は、SS管理テーブル62に対して対地局を識
別するDPCおよびそのSSNにより検索することがで
きるようになっている。
【0051】次に、このようなSS管理テーブルに記憶
されている対地局のSSに対応したSS管理情報6
1、632、…を用いて、通信再開時のSCCP53が
行なう処理の手順と、この処理による応答後の通信再開
動作の手順についてそれぞれ説明する。
【0052】図4は、第1の交換局50が通信途中に機
能を停止しその後に通信を再開した場合におけるSCC
P53の通信再開時の処理手順の概要を表わしたもので
ある。第1の交換局50が何らかの原因で機能を停止せ
ざるを得なくなったときや保守点検などによる強制停止
により一旦機能を停止した後、SCCP53通信を再
開するか否かの検出を行なう(ステップS70)。SC
CP53通信を再開したとき(ステップS70:Y)
に、図3に示したSS管理テーブルを参照する(ステッ
プS71)。なお通信を再開したことが検出できないと
きはさらに検出を続ける(ステップS70:N)ことに
なる。メモリ部56に格納されているSS管理テーブル
には、第1の交換局50が通信を行なう全対地局のSS
に対応してそれぞれの再開フラグ641、642、・・・と
SS状態651、652、・・・とを記憶している。このS
S管理テーブルを参照後、対地局のSSごとに記憶して
いる再開フラグを“オン”状態に、SS状態を“禁止”
状態にそれぞれ設定する(ステップS72、S73)。
そして、このSS状態を“禁止”状態に設定したSSに
対してSST信号を送信する(ステップS74)。この
再開フラグおよびSS状態の設定とSST信号の送信処
理は、SS管理テーブルに記憶されている全SSに対し
て同様に行なう(ステップS75:N)。SS管理テー
ブルに記憶されている全SSに対して、このような設定
が終了する(ステップS75:Y)と、一連の処理は終
了する。
【0053】第1の交換局50のSCCP53は、この
ような通信再開時の処理として送信したSST信号に対
する応答信号に応じて、それぞれ最適な通信再開動作を
行なうことができる。
【0054】図5は、第1の交換局50のSCCP53
が通信再開時に送信したSST信号に対する応答信号に
応じて行なわれる通信再開動作の手順の概要を表わした
ものである。まず、通信再開時にSST信号を送信した
第1の交換局50のSCCP53は、SST信号の送信
先となる対地局のSSからの応答信号の受信を待つ(ス
テップS76)。そして応答信号としてSSA信号を受
信したとき(ステップS76:Y)には、図11に示し
た信号メッセージのフォーマット構成である受信SSA
信号から送信元となる第1の交換局50の対地局のDP
CとそのSSNを抽出する(ステップS77)。そし
て、この抽出したDPCとSSNに基づいてSS管理テ
ーブルを参照し(ステップS78)、対応するDPCの
SSのSS状態を“許容”状態として、また再開フラグ
を“オフ”状態としてそれぞれ設定する(ステップS7
9、S80)。これにより、第1の交換局50が通信再
開時に送信したSST信号に対するSSA信号を送信し
た対地局のSSとは通信再開後も通信をそのまま続行す
ることができる。
【0055】また、ステップS76で受信した信号メッ
セージがSSA信号ではないとき(ステップS76:
N)には、さらにUDT信号あるいはSST信号である
か否かの判定を行う(ステップS81)。受信した信号
メッセージがUDT信号でもなく、SST信号でもない
とき(ステップS81:N)には、通信再開のための有
効な信号メッセージではなかったとして、再びこれまで
のSSA信号の受信を待つステップに戻る。また、受信
した信号メッセージがUDT信号あるいはSST信号で
あるとき(ステップS81:Y)には、図11に示した
信号メッセージのフォーマット構成である受信信号メッ
セージから送信元となる第1の交換局50の対地局のD
PCとSSNを抽出する(ステップS82)。そして、
この抽出したDPCとSSNに基づいてSS管理テーブ
ルを参照する(ステップS83)。
【0056】そして、対応するDPCのSSの再開フラ
グが“オン”状態であるか否かを判定する(ステップS
84)。再開フラグが“オフ”状態であるとき(ステッ
プS84:N)には、通信再開直後に第2の交換局51
から正常なUDT信号またはSST信号が送信されたも
のではないことを表わしているので、通信の再開続行処
理を行う必要もなく、そのまま一連の処理を終了する。
また、再開フラグが“オン”状態であるとき(ステップ
S84:Y)には、通信再開直後に第2の交換局51か
ら第1の交換局50が通信機能を一旦停止したことを認
識せずに正常なUDT信号またはSST信号を送信して
きたことを表わしているので、通信の再開続行処理を行
うために、SS管理テーブルに記憶されている受信した
UDT信号あるいはSST信号を送信した対地局のDP
CのSSのSS状態を“許容”状態として、再開フラグ
を“オフ”状態としてそれぞれ設定して(ステップS7
9、S80)、一連の処理を終了する。
【0057】以上説明したように第1の実施例における
ネットワーク通信システムは、各交換局に、全対地局の
SSに対応してそれぞれの通信許可状態を示すSS状態
と通信再開直後であることを示す再開フラグを記憶した
SS管理テーブルを設けるようにした。そして、通信が
一旦中断した後の通信再開後には、全対地局のSSの再
開フラグを通信再開直後として設定するとともにSST
信号を送信するようにした。これにより、従来のSST
信号の所定の応答信号であるSSA信号だけではなく、
通信機能を停止したことを認識しないで通常どおりに正
常なUDT信号あるいはSST信号を送信してきた対地
局のSSに対して、通信再開直後であることを自局が識
別できるので、SS管理テーブルのSS状態を“許容”
状態に設定して、すぐに通信を再開できるようになる。
したがって、ネットワーク通信システムとして通信再開
時のオーバーヘッドの大幅な削減できるようになるとと
もに、通信再開時のトラヒックの増加を回避することが
できるようになる。
【0058】第2の実施例
【0059】これまで説明した第1の実施例におけるネ
ットワーク通信システムでは、交換局に通信先となる対
地局のSSに対応してそれぞれ通信許可あるいは通信不
許可を表わすSS状態と通信再開直後であるか否かを表
わす再開フラグをSS管理テーブルに記憶するようにし
ていた。しかし、通信再開時には通信回線の電気的条件
や長さにより、雑音を受信信号として認識してしまう場
合があり、通信品質上の信頼性を維持することが難し
い。
【0060】そこで、第2の実施例におけるネットワー
ク通信システムの交換局では、通信開始時に送信したS
ST信号に対する応答信号とその受信すべき回数を全対
地局のSSに対応して記憶する再開条件テーブルを設け
るようにした。これにより、図3に示したSS管理テー
ブルの記憶情報と、再開条件テーブルの再開条件に基づ
いてSCCPは、通信再開処理を行なうことになる。詳
細には、SST信号に対応して返信されてきた応答信号
を、この再開条件テーブルに記憶されている所定の回数
だけ受信してから第1の実施例と同様の通信再開処理を
行なうことになる。
【0061】第2の実施例におけるネットワーク通信シ
ステムは、図1に示す第1の実施例におけるネットワー
ク通信システムの構成と同一であり、その図示および説
明を省略する。また、このネットワーク通信システムの
構成要部についても同様であるので、例えば交換局のS
CCPやSS管理テーブルなどの説明を省略する。した
がって、以下では第1の実施例と同様に第1の交換局5
0について説明を行なうものとする。
【0062】第1および第2の実施例におけるSCCP
53の相違する点は、メモリ部56あるいはROM59
に格納される再開条件テーブルとそれに伴うROM59
に記憶される通信再開動作手順にある。
【0063】図6は、このような第2の実施例における
第1の交換局50のSCCP53のメモリ部56あるい
はROM59に格納される再開条件テーブルの構成の概
要を表わしたものである。この再開条件テーブル90に
は、図3に示したSS管理テーブルと同様に対地局のS
Sごとに再開条件情報911、912、・・・有してい
る。この再開条件情報911、912、…は、対地局のS
Sごとに通信再開時に送信されるSST信号に対する応
答信号921、922、・・・とその受信すべき回数931
932、・・・とで構成されている。したがって、通信再開
時に対地局との通信動作を続行させるためにはこの再開
条件情報に記憶されている再開条件を満たす必要があ
る。これにより、通信再開時にSST信号の応答信頼性
を向上させることができる。
【0064】次に、このような再開条件テーブルに記憶
されている対地局のSSに対応した再開条件911、9
2、・・・を用いて、通信再開時にSCCP53が対地局
からの応答に応じて行なう通信再開動作の手順について
説明する。なお、図4に示す通信再開時にSCCP53
が全対地局のSSに対応して行なうSS管理テーブルの
SS管理情報の設定とSST信号の送信については、同
一であるので説明を省略する。
【0065】図7は、第2の実施例における第1の交換
局50のSCCP53が通信再開時に送信したSST信
号に対する応答信号に応じて行われる通信再開動作の手
順の概要を表わしたものである。まず、通信再開時にS
ST信号を送信した第1の交換局50のSCCP53
は、SST信号の送信先となる対地局のSSからの応答
信号の受信を待つ(ステップS95)。そして応答信号
としてSSA信号を受信したとき(ステップS95:
Y)には、図11に示した信号メッセージのフォーマッ
ト構成である受信SSA信号から送信元となる第1の交
換局50の対地局のDPCとそのSSNを抽出する(ス
テップS96)。そして抽出したDPCとSSNに基づ
いて、図6に示した再開条件テーブルを参照して(ステ
ップS97)、応答信号とその受信すべき回数からなる
再開条件を満たしているか否かの判定を行なう(ステッ
プS98)。
【0066】例えば、このDPCとSSNに対応した再
開条件にSSA信号が登録されていなかったり、SSA
信号が登録されていても受信すべき回数を満たしていな
いとき(ステップS98:N)には、再びSST信号の
応答信号の受信を待つことになる。しかし、再開条件に
SSA信号が登録され、SSA信号を受信すべき回数を
越えたと判定されたとき(ステップS98:Y)には、
SS管理テーブルを参照し(ステップS99)、対応す
るDPCのSSのSS状態を“許容”状態として、また
再開フラグを“オフ”状態としてそれぞれ設定する(ス
テップS100、S101)。これにより、第1の交換
局50が通信再開時に送信したSST信号に対するSS
A信号を送信した対地局のSSとは通信再開後も通信を
そのまま続行することができる。
【0067】また、ステップS95で受信した信号メッ
セージがSSA信号ではないとき(ステップS95:
N)には、さらにUDT信号あるいはSST信号である
か否かの判定を行なう(ステップS102)。受信した
信号メッセージがUDT信号でもなく、SST信号でも
ないとき(ステップS102:N)には、通信再開のた
めの有効な信号メッセージではなかったとして、再びこ
れまでのSSA信号の受信を待つステップに戻る。ま
た、受信した信号メッセージがUDT信号あるいはSS
T信号であるとき(ステップS102:Y)には、図1
1に示した信号メッセージのフォーマット構成である受
信信号メッセージから送信元となる第1の交換局50の
対地局のDPCとSSNを抽出する(ステップS10
3)。そして抽出したDPCとSSNに基づいて、図6
に示した再開条件テーブルを参照して(ステップS10
4)、応答信号とその受信すべき回数からなる再開条件
を満たしているか否かの判定を行なう(ステップS10
5)。
【0068】例えば、このDPCとSSNに対応した再
開条件にUDT信号あるいはSST信号が登録されてい
なかったり、UDT信号あるいはSST信号が登録され
ていてもその受信すべき回数を満たしていないとき(ス
テップS105:N)には、再びSST信号の応答信号
の受信を待つことになる。しかし、再開条件にUDT信
号あるいはSST信号が登録され、その受信すべき回数
を越えたと判定されたとき(ステップS105:Y)に
は、SS管理テーブルを参照する(ステップS10
6)。
【0069】そして、対応するDPCのSSの再開フラ
グが“オン”状態であるか否かを判定する(ステップS
107)。再開フラグが“オフ”状態であるとき(ステ
ップS107:N)には、通信再開直後に第2の交換局
51から正常なUDT信号あるいはSST信号が送信さ
れたものではないことを表わしているので、通信の再開
続行処理を行なう必要もなく、そのまま一連の処理は終
了する。また、再開フラグが“オン”状態であるとき
(ステップS107:Y)には、通信再開直後に第2の
交換局51から第1の交換局50が通信機能を一旦停止
したことを認識せずに正常なUDT信号またはSST信
号を送信してきたことを表わしているので、通信の再開
続行処理を行うために、SS管理テーブルに記憶されて
いる受信したUDT信号あるいはSST信号を送信した
対地局のDPCのSSのSS状態を“許容”状態とし
て、再開フラグを“オフ”状態としてそれぞれ設定して
(ステップS100、S101)、一連の処理を終了す
る。
【0070】以上説明したように第2の実施例における
ネットワーク通信システムは、各交換局に、全対地局の
SSに対応してそれぞれの通信許可状態を示すSS状態
と通信再開直後であることを示す再開フラグを記憶した
SS管理テーブルを設けるようにした。さらに通信開始
時に送信したSST信号に対する応答信号とその受信す
べき回数を全対地局のSSに対応して記憶する再開条件
テーブルを設けるようにした。そして、通信が一旦中断
した後の通信再開後には、全対地局のSSの再開フラグ
を通信再開直後として設定するとともにSST信号を送
信するようにした。これにより、従来のSST信号の所
定の応答信号であるSSA信号だけではなく、通信機能
を停止したことを認識しないで通常どおりに正常なUD
T信号あるいはSST信号を送信してきた対地局のSS
に対して、通信再開直後であることを自局が識別できる
ので、SS管理テーブルのSS状態を“許容”状態に設
定して、すぐに通信を再開できるようになる。また、こ
の再開条件テーブルに記憶されている所定の応答信号を
所定の回数だけ受信してから通信再開処理を行なうよう
にしたので、ネットワーク通信システムとして通信再開
時のオーバヘッドを削減するとともに、通信品質を維持
するのが困難な通信再開直後でもその信頼性を維持する
ことができるようになる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、送信先となる対地局それぞれに対応して通信
中断後の通信再開であることを表わす再開情報を再開
情報記憶手段に記憶するようにした。これにより、通信
再開直後に送信した所定の試験信号に対する信号を受信
することによって、従来のサブシステムごとの通信許可
状態に関わらず、通信を再開することができるようにな
る。したがって、ネットワーク通信システムとして通信
再開時のオーバーヘッドを大幅に削減できるとともに、
通信再開時の不要なトラヒック増加を回避することがで
きるようになる。
【0072】また、請求項記載の発明によれば、第2
の信号として従来の試験信号の所定の応答信号を用いる
ことによって、従来との互換性を維持できるという効果
がある。
【0073】さらに、請求項記載の発明によれば、対
地局のサブシステムごとに通信許可情報および再開情報
を記憶するのに加えて、所定の通信再開条件を再開条件
記憶手段に記憶するようにした。これにより、通信再開
直後に送信した所定の試験信号後に信号を受信すると、
まずこの再開条件記憶手段に記憶されている再開条件を
満たさない限り、再開フラグを参照して通信再開をする
ことができないので、通信再開時の不安定な期間に予想
できない雑音による通信再開の誤認識などを回避するこ
とができる。従って通信再開処理を従来より早く起動で
きたとしても信頼性を維持することができる。
【0074】さらに請求項3および請求項4記載の発明
によれば、これまで説明したようなネットワーク通信シ
ステムで通信再開時に正常な通信情報を破棄することを
回避する所定の記憶手段および制御手順を記憶媒体に格
納するようにしたので、システムの保守性や柔軟性を高
めるとともに、それぞれのネットワーク通信システムの
最適な処理を簡単に実現することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1および第2の実施例におけるネ
ットワーク通信システムの構成の概要を表わした構成図
である。
【図2】 本発明の第1および第2の実施例におけるS
CCPの構成要部を表わしたブロック図である。
【図3】 本発明の第1の実施例におけるサブシステム
管理テーブルの構成の概要を表わしたテーブル構成図で
ある。
【図4】 本発明の第1および第2の実施例における通
信再開時の処理手順の概要を表わした流れ図である。
【図5】 本発明の第1の実施例における通信再開動作
の手順の概要を表わした流れ図である。
【図6】 本発明の第2の実施例における再開条件テー
ブルの構成の概要を表わしたテーブル構成図である。
【図7】 本発明の第2の実施例における通信再開動作
の手順の概要を表わした流れ図である。
【図8】 ITU−Tで勧告されたNo.7共通線信号
方式の機能構成の概要を表わした説明図である。
【図9】 従来の共通線信号方式による信号網の構成の
概要を表わした模式図である。
【図10】 従来のサブシステム・テーブルの構成の概
要を表わしたテーブル構成図である。
【図11】 従来の信号メッセージのフォーマット構成
の概要を表わした説明図である。
【図12】 従来のネットワーク通信システムにおける
通信再開時の処理手順の概要を表わした流れ図である。
【図13】 従来のネットワーク通信システムにおける
通信再開動作の手順の概要を表わした流れ図である。
【符号の説明】
50 第1の交換局 51 第2の交換局 52 信号回線 53、54 信号接続制御部(SCCP) 55 制御部 56 メモリ部 57 インタフェース部 58 CPU 59 ROM 60 信号組立部 61 信号送受部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信先となる通信局それぞれに対応して
    通信相手となるこれら対地局との通信が許可されている
    か否かを表わす通信許可情報およびこれらの対地局との
    通信が中断した後の通信再開であるか否かを表わす再開
    情報を記憶する再開情報記憶手段と、 通信を再開したときにこの再開情報記憶手段に記憶され
    ている前記対地局に対応した通信許可情報を通信不許可
    として、再開情報を通信再開直後であるとしてそれぞれ
    表わすように設定するとともに全対地局に対して所定の
    試験信号を送信する通信再開設定手段と、 この通信再開設定手段によって送信された前記試験信号
    の送出後に対地局から送出された所定の第1および第2
    の信号を受信する信号受信手段と、 この信号受信手段によって受信された前記第1の信号に
    基づいてこの信号を送出した対地局に対応する前記再開
    情報記憶手段に記憶されている再開情報が通信再開であ
    ることを表わしているか否かを判定する再開判定手段
    と、 前記信号受信手段によって前記所定の第2の信号が受信
    されたときと、この再開判定手段によって前記対地局の
    再開情報が通信再開であることを表わしていると判定さ
    れたときには前記信号を送信した対地局に対応して前記
    再開情報記憶手段に記憶されている通信許可情報を通信
    許可として、再開情報を通信再開直後ではないとしてそ
    れぞれ表わすように設定するとともに、この対地局と通
    信を行う通信手段とを具備することを特徴とするネット
    ワーク通信システム。
  2. 【請求項2】 送信先となる通信局それぞれに対応して
    通信相手となるこれら対地局との通信が許可されている
    か否かを表わす通信許可情報およびこれらの対地局との
    通信が中断した後の通信再開であるか否かを表わす再開
    情報を記憶する再開情報記憶手段と、 前記対地局に対応して所定の通信再開の条件を表わす再
    開条件情報を記憶する再開条件記憶手段と、 通信を再開したときにこの再開情報記憶手段に記憶され
    ている前記対地局に対応した通信許可情報を通信不許可
    として、再開情報を通信再開直後であるとして それぞれ
    表わすように設定するとともに全対地局に対して所定の
    試験信号を送信する通信再開設定手段と、 この通信再開設定手段によって送信された前記試験信号
    の送出後に対地局から送られてくる所定の第1および第
    2の信号を受信する信号受信手段と、 この信号受信手段によって受信された前記第1および第
    2の信号がこれらの信号を送信した対地局に対応して前
    記再開条件記憶手段に記憶されている再開条件情報に基
    づく通信再開条件を満たしているか否かを判定する条件
    判定手段と、 この条件判定手段によって前記第1の信号が対応する前
    記通信再開条件を満たしていると判定されたときには前
    記第1の信号に基づいてこの信号を送信した対地局に対
    応して前記再開情報記憶手段に記憶されている再開情報
    が通信再開であることを表わしているか否かを判定する
    再開判定手段と、 前記条件判定手段によって前記第2の信号が対応する前
    記通信再開条件を満たしていると判定されたときと、こ
    の再開判定手段によって前記対地局の再開情報が通信再
    開であることを表わしていると判定されたときには前記
    信号を送信した対地局に対応して前記再開情報記憶手段
    に記憶されている通信許可情報を通信許可として、再開
    情報を通信再開直後ではないとしてそれぞれ表わすよう
    に設定するとともに、この送信先通信局と通信の送受を
    行う通信送受手段とを具備することを特徴とするネット
    ワーク通信システム。
  3. 【請求項3】 送信先となる通信局それぞれに対応して
    通信相手となるこれら対地局との通信が許可されている
    か否かを表わす通信許可情報およびこれらの対地局との
    通信が中断した後の通信再開であるか否かを表わす再開
    情報を記憶する再開情報記憶手段を記憶領域の一部に備
    えるとともに、 通信を再開したときにこの再開情報記憶手段に記憶され
    ている前記対地局に対応した通信許可情報を通信不許可
    として、再開情報を通信再開直後であるとしてそれぞれ
    表わすように設定するとともに全対地局に対して所定の
    試験信号を送信する通信再開設定ステップと、この通信
    再開設定ステップによって送信された前記試験信号の送
    出後に対地局から送られてくる所定の第1および第2の
    信号を受信する信号受信ステップと、この信号受信ステ
    ップによって受信された前記第1の信号に基づいてこの
    信号を送出した対地局に対応する前記再開情報記憶手段
    記憶されている再開情報が通信再開であることを表わ
    しているか否かを判定する再開判定ステップと、前記信
    号受信ステップによって前記所定の第2の信号が受信さ
    れたときと、この再開判定ステップによって前記対地局
    の再開情報が通信再開であることを表わしていると判定
    されたときには前記信号を送信した対地局に対応して前
    記再開情報記憶手段に記憶されている通信許可情報を通
    信許可として、再開情報を通信再開直後ではないとして
    それぞれ表わすように設定するとともに、この対地局と
    通信を行う通信ステップとを少なくとも備えた制御手順
    を前記記憶領域の他の部分に格納していることを特徴と
    するネットワーク通信システム制御用記憶媒体。
  4. 【請求項4】 送信先となる通信局それぞれに対応して
    通信相手となるこれら対地局の通信が許可されているか
    否かを表わす通信許可情報およびこの対地局との通信が
    中断した後の通信再開であるか否かを表わす再開情報を
    記憶する再開情報記憶手段と、前記対地局に対応して所
    定の通信再開の条件を表わす再開条件情報を記憶する再
    開条件記憶手段とを記憶領域の一部に備えるとともに、 通信を再開したときにこの再開情報記憶手段に記憶され
    ている前記対地局に対応した通信許可情報を通信不許可
    として、再開情報を通信再開であるとしてそれぞれ表わ
    すように設定するとともに全対地局に対して所定の試験
    信号を送信する通信再開設定ステップと、この通信再開
    設定ステップによって送信された前記試験信号の送出後
    に対地局から送信された所定の第1および第2の信号を
    受信する信号受信ステップと、この信号受信ステップに
    よって受信された前記第1および第2の信号がこれら信
    号を送出した対地局に対応して前記再開条件記憶手段に
    記憶されている再開条件情報に基づく通信再開条件を満
    たしているか否かを判定する条件判定ステップと、この
    条件判定ステップによって前記第1の信号が対応する前
    記通信再開ステップを満たしていると判定されたときに
    は前記第1の信号に基づいてこの信号を送信した対地局
    に対応して前記再開情報記憶手段に記憶されている再開
    情報が通信再開であることを表わしているか否かを判定
    する再開判定ステップと、前記条件判定ステップによっ
    て前記第2の信号が対応する前記通信再開条件を満たし
    ていると判定されたときと、この再開判定ステップによ
    って前記対地局の再開情報が通信再開であることを表わ
    していると判定されたときには 前記信号を送信した対地
    局に対応して前記再開情報記憶手段に記憶されている通
    信許可情報を通信許可として、再開情報を通信再開直後
    ではないとしてそれぞれ表わすように設定するととも
    に、この対地局と通信の送受を行う通信送受ステップと
    を少なくとも備えた制御手順を前記記憶領域の他の部分
    に格納していることを特徴とするネットワーク通信シス
    テム制御用記憶媒体。
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