JP3327420B2 - 簡易住所入力による郵便番号検索方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、郵便番号が未記載の郵
便物に郵便番号を記入する際に、郵便番号検索を効率よ
く行って番号を記入する簡易住所入力による郵便番号検
索方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】個人が郵便物を出す場合には、封筒また
は葉書の表に住所を記入した後に、ポスタルガイド（郵
便番号帳）を参照して、該当する住所に対応する郵便番
号を手動で探索し、それを封筒または葉書の郵便番号記
入欄に記入している。ポスタルガイドによれば、都道府
県の掲載順序が北海道から沖縄に至る配列で、００１〜
９０７の郵便番号が決定されており、また市、区、郡、
町、村名は、５０音順に郵便番号が決定されている。従
って、ポスタルガイドで郵便番号を探索する場合には、
先ず目次で都道府県の掲載頁を参照し、次にその都道府
県内の市、区、郡、町、村名を探せば、該当するものの
右側に示される番号が求める郵便番号である。また、
市、区、町、村名の右側に番号が記載されていない場合
には、『上記以外の・・・』と表示されている右側の番
号が求める郵便番号である。しかしながら、会社や団体
等で郵便物を出す場合には、その数量が膨大であるた
め、ポスタルガイドを手動で探索している時間がないこ
とが多い。このような場合には、計算機により自動検索
を行って該当する郵便番号を求め、各々の郵便物の記入
欄に求められた郵便番号を記入するか、またはゴム印に
より押印する。その場合、一般に住所を表記する文字列
（以下、住所列と記す）から郵便番号を検索するために
は、計算機の入力装置から住所の全文を入力する必要が
あった。また、住所の一部である町村名をキーワードと
して、全住所列および郵便番号を検索する方法が提案さ
れている（例えば、特開昭６１−７５４６８号公報参
照）。この方法は、町村名をキーワードとして郵便番号
から都道府県名、市区町村名までをメモリに登録するこ
とにより、地名の入力を効率化するものである。すなわ
ち、市町村名以外の語句は、各町村に共通しているた
め、キーワードとして使用することは不適当であると判
断している。例えば、『かすみがせき』を入力し変換す
れば、画面には『郵便番号１００、東京都千代田区霞が
関』が表示されるので、検索操作の時間を短縮すること
ができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の検索方法、つま
り住所列を全文、もしくは大部分を入力して郵便番号を
検索する方法は、郵便番号が必ず１つに決定されるとい
う利点はあるが、全文入力のための手数と時間がかか
り、極めて非効率的であった。また、前述の提案されて
いる方法は、単に町村名、大字名等だけを入力するだけ
であるため簡単であるが、町村名や大字名だけでは、全
国に重複する地名が多数存在するので、郵便番号を１つ
に絞り込むことが困難であった。本発明の目的は、この
ような従来の課題を解決し、住所列の全文を入力せず
に、短い入力文字数で、郵便番号を一意に確定すること
が可能な簡易住所入力による郵便番号検索方法を提供す
ることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の簡易住所入力による郵便番号検索方法は、 （イ）住所を複数の階層に分割し、一部の階層を選択し
て、該一部の階層の住所列を計算機に入力し、省略され
た住所列をもとに該当する郵便番号を検索する郵便番号
検索方法であって、上記省略住所列として、住所列を、
都道府県名からなる第１階層と、市郡名・都内区名から
なる第２階層と、区名・郡内町村名からなる第３階層
と、大字名・市内町名からなる第４階層と、大字・字間
区画等の通称名からなる第５階層と、字名・丁目からな
る第６階層と、小字名からなる第７階層とに分割し、上
記第１〜第７階層のうちの２以上の階層を予め選択して
おき、選択された階層の一部文字列ないし全文字列を用
い、該文字列をそれぞれキーワードとしてそれぞれ郵便
番号を検索し、各検索結果の中の共通する郵便番号を最
終結果とすることを特徴としている。 （ロ）上記省略住所列として、上記第１〜第７階層のう
ちの第２階層（市郡名・都区内名）と第４階層（大字名
・市内町名）を指定し、両階層の漢字第１文字、あるい
は一方の漢字第１文字、他方の全文字列を選択し、該第
１文字ないし全文字列をキーワードとして、各階層毎に
住所列対応の郵便番号が記憶されているデータベースを
それぞれ検索して、各検索結果の中の共通する郵便番号
を最終結果とすることを特徴としている。

【０００５】

【作用】本発明においては、住所列を県名、市名、町名
等のいくつかの階層に分類し、各階層毎に住所の一部あ
るいは全部を用いた新しい郵便番号検索のための文字列
（キーワード）を生成する。この文字列を用いて郵便番
号検索を行うことにより、住所入力の効率を向上させ
る。また、新しい文字列（キーワード）に対して、該当
する郵便番号を対応付けたテーブルを作成することによ
り、入力効率のよい検索方法を実現する。具体的には、
住所列を第１階層（都道府県名）から第７階層（小字
名）までの区分に分割し、その中の予め指定された２以
上の階層、ここでは住所列中で最も特徴的である第２階
層（市郡名・都内区名）と第４階層（大字名・市内町
名）を指定し、両階層の第１文字目、あるいは一方の階
層の第１文字目と他方の階層の全文字列とを選択して、
それぞれ第１文字目ないし全文字列をキーワードとして
検索を行う。そして、各検索において得られた郵便番号
候補のうち、両階層に共通する郵便番号を入力したキー
ワードの郵便番号として確定する。または、それぞれ第
１文字目ないし全文字列をキーワードとして、順次、候
補となる郵便番号を絞り込み、最終結果を求める。この
ように、本発明では、短い省略された住所列により郵便
番号を確定できるので、短時間で大量の郵便物に対して
郵便番号を付加することができ、郵送事務の効率化を図
ることができる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例を、図面により詳細に
説明する。図１は、本発明における住所列の階層分類例
を示す説明図である。図１においては、住所列の階層分
類の方法として７つの階層に分類する例を示している。
すなわち、ここでは、７つの階層の最上位（第１階層）
として都道府県名を、次位階層（第２階層）として市郡
名・都内区名を、その次の階層（第３階層）として区名
・郡内町村名を、その次の階層（第４階層）として大字
名・市内町名を、その次の階層（第５階層）として通称
名（大字・字間区画）を、その次の階層（第６階層）と
して字名・丁目を、最下位階層（第７階層）として小字
名を、それぞれ分類する。例えば、『郵便番号１００東
京都千代田区霞が関１丁目１６番５号』を上記分類毎に
抽出すると、『東京都』が第１階層に属し、『千代田
区』が第２階層に属し、『霞が関』が第４階層の市内町
名に属し、『１丁目』が第６階層の丁目に属するものと
考えられる。

【０００７】本発明においては、これらの階層の中か
ら、例えば第２階層（市郡名）の漢字１文字と、第４階
層（大字名・市内町名）の全文字とを、入力装置から入
力するのである。すなわち、前述の『霞が関』の例でも
判るように、第２階層の市郡名と第４階層の大字名・市
内町名とが、住所内の最も特徴的な部分であることに着
目し、全住所名を入力しなくても、この２組を入力する
だけで、郵便番号を検索することが可能であることに想
到した。さらに、これら２組の検索結果を用いて、共通
の郵便番号を抽出することにより、高速でしかも正確な
郵便番号を得ることができる。なお、これら第２階層と
第４階層の全文字をキーワードにしてもよいが、いずれ
か一方は１文字だけをキーワードとすればよく、さら
に、両方とも１文字だけをキーワードとしてもよい結果
が得られることが判った。ここでは、第２階層の１文字
目と第４階層の全文字をキーワードに用いる例を説明す
る。いま、宛名が『愛知県愛知郡長久手町大字長湫字戸
田谷』の場合には、第２階層の『愛知郡』と第４階層の
『長湫』とに着目する。すなわち、第２階層『愛知』の
１文字目の『愛』と、第４階層『長湫』の全文字を入力
する。これら２つの用語をキーワードとして検索を行
う。

【０００８】図２は、本発明によるキーワードを用いた
郵便番号検索例を示す説明図である。図２において、１
０は第２層の市郡名・都内区名と郵便番号との対応が記
憶されているデータベース、１１は第４階層の大字名・
市内町名と郵便番号との対応が記憶されているデータベ
ースである。これらのデータベース１０，１１は、予め
市郡名・都内区名に対応して該当する郵便番号を割り当
てたデータベース、および大字名・市内町名に対応した
該当する郵便番号を割り当てたデータベースを、それぞ
れ作成しておく。いま、『愛』、『長湫』をキーワード
として郵便番号を検索する方法を、図２に示す。検索条
件は、前方一致検索、各階層の住所表記毎の検索と
する。図２の例によれば、先ず第２層の漢字１文字のデ
ータベース１０から『愛』の検索を行い、候補となる郵
便番号を確定する。図２では、２４３−０３と２５７と
４８０−１１の３つの候補が抽出されたため、確定はで
きない。次に、第４階層の全文字のデータベース１１か
ら『長湫』の検索を行い、同じく候補となる郵便番号を
検索する。図２では、４８０−１１の候補が１つに絞ら
れたので、この番号に確定された。最後に、これら２組
の候補の中で共通する郵便番号を選択し、入力したキー
ワードの郵便番号として確定する。なお、図２の場合に
は、データベース１０の検索によりいくつかの候補が得
られても、データベース１１の検索により１つの候補に
絞られたため、２組の共通の候補が必然的に確定され
た。しかし、データベース１０の検索により複数の候補
が得られ、データベース１１の検索によっても複数の候
補が得られた場合には、これらの２組の候補から共通す
る郵便番号を抽出することが重要となる。また、各階層
毎に郵便番号を検索する代りに、上位階層から順次、郵
便番号を絞り込み、最終結果を得る方法も可能である。
本実施例では、各階層枚に郵便番号を検索して、それら
の中から共通のものを得る方法を説明したが、絞り込み
の方法でも同様である。また、仮に、郵便番号が最終的
に１つに確定しない場合でも、郵便番号候補が十分にし
ぼられることによって、人手により容易に選択すること
ができる。

【０００９】図３は、キーワード住所入力による郵便番
号検索の結果を示す図である。本発明の検索方法によ
り、（財）国土地理協会の全国町字ファイルを基に評価
した結果が図３のグラフである。横軸には郵便番号検索
結果として、絞られた郵便番号候補数が示され、縦軸に
は確定する累積割合が示されている。図３の結果によれ
ば、郵便番号が１個に絞られる確率、つまり一意に確定
する割合は９０％であり、さらに郵便番号候補数が３つ
以下に確定する割合は約９９％である。４つ以下、ない
し５つ以下に確定する割合としては、殆んど１００％と
なっている。このように、本発明によれば、９０％の場
合が１つの郵便番号に確定されるので、短時間で郵便番
号を検索することができる。なお、本実施例では、郵便
番号検索のためのキーワードとして、第２階層の漢字１
文字目と第４階層の全文字を用いる例を示したが、これ
に限定されることはなく、階層の全文を用いない方法、
例えば、第２階層の漢字１文字目『愛』と、第４階層の
漢字１文字目『長』を、キーワードとすることも可能で
ある。

【００１０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
計算機を用いて郵便番号を検索する場合に、短い入力文
字数で郵便番号を一意に確定することができるので、短
時間で大量の郵便物に対して郵便番号を付加することが
可能となり、郵便事務の効率化が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す住所列の階層分類の説
明図である。

【図２】本発明におけるキーワードを用いた郵便番号検
索例を示す説明図である。

【図３】本発明を用いたキーワード住所入力による郵便
番号検索結果を示す図である。

【符号の説明】

１０ 第２階層の住所による郵便番号記憶のデータベー
ス １１ 第４階層の住所による郵便番号記憶のデータベー
ス

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井澤 一朗 東京都港区麻布台一丁目６番19号 郵政 省郵政研究所技術開発研究センター内 (72)発明者 寺本 正人 愛知県尾張旭市晴丘町池上１番地 株式 会社日立製作所オフィスシステム事業部 内 (72)発明者 加藤 厚志 愛知県尾張旭市晴丘町池上１番地 株式 会社日立製作所オフィスシステム事業部 内 (56)参考文献 特開 昭59−188737（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−369764（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−309450（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−225238（ＪＰ，Ａ) ＦＡＣＯＭ ＯＳ ＩＶ／Ｘ８ ＦＳ Ｐ ＫＵＩＮ オンライン解説書，日 本，富士通株式会社，1983年 ９月30 日，第１頁乃至第37頁 (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G06F 17/30 ＪＩＣＳＴファイル（ＪＯＩＳ)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 住所を複数の階層に分割し、一部の階層
   を選択して、該一部の階層の住所列を計算機に入力し、
   省略された住所列をもとに該当する郵便番号を検索する
   郵便番号検索方法であって、 上記省略住所列として、住所列を、都道府県名からなる
   第１階層と、市郡名・都内区名からなる第２階層と、区
   名・郡内町村名からなる第３階層と、大字名・市内町名
   からなる第４階層と、大字・字間区画等の通称名からな
   る第５階層と、字名・丁目からなる第６階層と、小字名
   からなる第７階層とに分割し、上記第１〜第７階層のう
   ちの２以上の階層を予め選択しておき、選択された階層
   の一部文字列ないし全文字列を用い、該文字列をそれぞ
   れキーワードとしてそれぞれ郵便番号を検索し、各検索
   結果の中の共通する郵便番号を最終結果とすることを特
   徴とする簡易住所入力による郵便番号検索方法。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の簡易住所入力による郵
   便番号検索方法において、 上記省略住所列として、上記第１〜第７階層のうちの第
   ２階層（市郡名・都区内名）と第４階層（大字名・市内
   町名）を指定し、両階層の漢字第１文字、あるいは一方
   の漢字第１文字、他方の全文字列を選択し、該第１文字
   ないし全文字列をキーワードとして、各階層毎に住所列
   対応の郵便番号が記憶されているデータベースをそれぞ
   れ検索して、各検索結果の中の共通する郵便番号を最終
   結果とすることを特徴とする簡易住所入力による郵便番
   号検索方法。