JP3323916B2 - 化石燃料の脱硫及び脱窒素方法 - Google Patents

化石燃料の脱硫及び脱窒素方法

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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化石燃料の脱硫方
法に関し、特に、化石燃料の精製分野において、アルキ
ル化剤の添加による硫黄化合物の塩への変換を利用して
化石燃料の脱硫を行なう方法に関する。さらに、脱硫と
同時に脱窒素を行なうことが可能な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エネルギー源として広く使用されている
化石燃料は、石炭及び石油に大別することができる。化
石燃料は、通常不純物を除去しながら精製され、ガソリ
ン、灯油、軽油、重油等の燃料として利用される。
【0003】原油には、一般に硫黄化合物がわずかなが
ら存在している。その量は、0.1〜4重量%程度である。
したがって、原油から蒸留により分留した各留分にも硫
黄化合物が存在し、重質留分ほど多い。石油類中に含ま
れている硫黄化合物は、メルカプタン、アルキルスルフ
ィド、アルキルジスルフィド、チオフェン、ベンゾチオ
フェン、ジベンゾチオフェン、ナフトチオフェンなどと
それらの誘導体であり、これら以外に構造不明の化合物
が含まれていて、沸点が高くなるに従い複雑な構造とな
っている。
【0004】石油類中に硫黄化合物が存在すると、石油
を取り扱う装置の腐食、悪臭の発生、触媒被毒などの要
因になる。特に、近年、硫黄化合物の燃焼生成物である
硫黄酸化物は大気汚染物質の一つであるため、石油精製
において石油類の脱硫は、必要不可欠である。石油の脱
硫は、LPG、ガソリン、重油、潤滑油など広い範囲に
適用される。
【0005】また、近年、石炭資源が見直され、石炭資
源をクリーンエネルギー化して活用する試みがなされて
いる。このようなクリーンエネルギー化燃料の一つとし
て、石炭液化油がある。石炭液化油は、水素化分解等の
液状化処理をすることによって石炭を液状化して得られ
る。上述の石油類と同様に、石炭液化油についても、硫
黄化合物が含まれ、装置の腐食、悪臭の発生等の要因と
なる。
【0006】これに対して、従来、化石燃料の脱硫方法
として、水素化脱硫、酸化脱硫(過酸化水素脱硫、バイ
オ脱硫)などが知られている。水素化脱硫は、硫黄化合
物を水素化分解して除去する方法である。この水素化脱
硫においては、高圧の水素、高い反応温度、及び高活性
な触媒を必要とする。しかしながら、水素を高圧にし反
応温度を高めるには高エネルギーが要求されるため、高
価な設備が必要となりコスト面から好ましくない。
【0007】また、酸化脱硫のうち過酸化水素脱硫は、
不安定な反応剤を大量に必要とするため不経済である。
バイオ脱硫は、微生物の取り扱いが容易でなくしかも反
応に長時間を要するため迅速な処理が困難となる。さら
に、水素化脱硫及び酸化脱硫の両者において、化石燃料
に含まれる難脱硫化合物、例えば、ベンゾチオフェン、
ジベンゾチオフェン及びそれらの誘導体に対して、脱硫
効率が悪いという問題点がある。したがって、高い脱硫
効率を有し、かつ、高価な設備を必要とせず省エネルギ
ー的で経済性に富み、しかも迅速な処理が可能な石油類
の脱硫方法が望まれる。にもかかわらず、このような省
エネルギー的で簡便な脱硫方法はこれまで存在しない。
【0008】ところで、化石燃料中には、上記硫黄化合
物のほかに、ごく微量であるがカルバゾール、インドー
ル、アニリン、キノリン、アクリジンなどの窒素化合物
も含まれる。窒素化合物を含む化石燃料を燃焼すると、
窒素化合物中の窒素が、燃料の燃焼の際に主として一酸
化窒素として大気中に放出される。大気汚染物質の一酸
化窒素は、大気中で酸化されて二酸化窒素となる。これ
らの窒素酸化物は、それ自体有害で、光化学スモッグの
原因要素でもある。
【0009】従来では、このような窒素化合物は、水素
化脱硫法により脱硫とともに除去されていた。しかしな
がら、水素化脱硫法では、上記の問題点に加えて、窒素
化合物の分解が非常に困難である。また、窒素化合物
は、反応と同時に触媒上に堆積し、触媒活性の低下を招
くおそれがある。したがって、窒素化合物も良好に除去
し得る脱窒素方法が望まれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、省
エネルギー的で、常温常圧の穏和な条件下で簡便に化石
燃料から硫黄を除去する方法を提供することを目的とす
る。さらに、本発明は、省エネルギー的で常温常圧の条
件下であっても化石燃料から窒素を除去することが可能
な方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の化石燃料の脱硫方法は、化石燃料とアルキ
ル化剤とを混合して、前記化石燃料中の硫黄化合物と前
記アルキル化剤とを反応させて、反応により生じたスル
ホニウム塩を除去することを特徴とする。また、本発明
の化石燃料の脱窒素方法は、化石燃料とアルキル化剤と
を混合して、前記化石燃料中の窒素化合物と前記アルキ
ル化剤とを反応させて、反応により生じた塩を除去する
ことを特徴とする。また、本発明の化石燃料の脱硫及び
脱窒素方法は、反応を、硫黄化合物又は窒素化合物とア
ルキル化剤との反応により生じる塩とイオン対を形成す
る安定化剤の存在下で行なうことを特徴とする。また、
本発明の好ましい実施態様として、安定化剤が、銀イオ
ンを含む塩であることを特徴とする。また、本発明の好
ましい実施態様として、安定化剤が、テトラフルオロホ
ウ酸銀であることを特徴とする。また、本発明の好まし
い実施態様として、反応を、化石燃料と相互溶解する溶
媒の存在下で行なうことを特徴とする。また、本発明の
好ましい実施態様として、アルキル化剤が、ハロゲン化
アルキルであることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】まず、本発明の脱硫及び脱窒素の
対象となる「化石燃料」について説明すると、「化石燃
料」は、石油類と石炭類に大別することができる。石油
類とは、原油を蒸留して分別される、ガソリン留分、灯
油留分、軽油留分及び残油をいい、特に軽油及び残油を
いう。石炭類とは、石炭液化油をいう。石炭液化油は、
広い概念であって、石炭を、例えば水素と反応させ、熱
分解させ、あるいはクラッキングによって、液状化した
ものをいい、石炭液化油には、ガソリン、灯油、軽油及
び重油等を含む。硫黄化合物及び窒素化合物は、石油、
石炭液化油のガソリン、灯油、軽油及び重油のいずれの
留分にも含有されるが、沸点の高い留分に多く含まれ
る。硫黄含有量は、ガソリンに100ppm程度、灯油に500p
pm程度、軽油に約10000〜20000ppm、重油に約40000〜80
000ppmである。窒素含有量は、ガソリンに10ppm程度、
灯油に50ppm程度、軽油に約100〜500ppm、重油に約500
〜10000ppmである。特に、硫黄化合物、窒素化合物を多
く含む軽油や重油を主として説明するが、本発明の脱硫
及び脱窒素の対象となる化石燃料は、これら軽油や重油
に限定される意図ではない。
【0013】化石燃料の脱硫方法 本発明においては、上記化石燃料とアルキル化剤とを混
合して、化石燃料中の硫黄化合物とアルキル化剤とを反
応させて、反応により生じた塩を除去することによって
化石燃料中の硫黄を除去する。硫黄化合物としてジベン
ゾチオフェンを、アルキル化剤としてヨウ化メチルを用
いた場合を一例として、以下のように反応機構を示す。
【式1】
【0014】化石燃料と混合するアルキル化剤として
は、ハロゲン化アルキル(RX)、スルホン酸アルキル
(R‘SOR)、硫酸ジアルキル(RSO)やエポキ
シシド等を挙げることができる。このうち反応性を高め
るという観点から、アルキル鎖が短いのものが好まし
い。アルキル化剤のうち、特に、ヨウ化メチル、ヨウ化
エタン、ヨウ化プロパンなどのハロゲン化アルキル(R
X)が好ましい。さらに好ましくは、炭素鎖の最も短い
ヨウ化メチルである。化石燃料中の硫黄化合物として
は、例えば、メルカプタン、アルキルスルフィド、アル
キルジスルフィド、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジ
ベンゾチオフェン、ナフトチオフェンなどとそれらの誘
導体等を挙げることができ、硫黄化合物には、硫黄を含
む限りこれら以外の化合物が含まれる。
【0015】化石燃料とアルキル化剤との混合に用いる
反応容器の形態は、特に限定されない。反応効率を高め
るという観点から、攪拌器などを使用して攪拌して混合
することが好ましい。化石燃料とアルキル化剤との混合
比は、芳香族化合物の含有量にもより特に限定されない
が、化石燃料を1とすると、アルキル化剤は、化石燃料
に含有される硫黄量の2〜30倍量、好ましくは、5〜
25倍量、さらに好ましくは、10〜20倍量である。
これらの混合比は、芳香族化合物の含有量等の諸条件に
より適宜変更することができる。例えば、芳香族化合物
の含有量が高ければ、アルキル化剤の量を多くする。
【0016】硫黄化合物とアルキル化剤との反応は、上
記の反応式からも分かるように、硫黄化合物上の求核性
の高い孤立電子対を持つ硫黄原子がアルキル化剤を攻撃
し、硫黄−炭素結合を形成する反応である。この反応の
結果、沈殿物としてスルホニウム塩を生じる。生じたス
ルホニウム塩の沈殿物を、常法により除去し、化石燃料
から硫黄を除去することができる。
【0017】化石燃料の脱窒素方法 また、本発明においては、上記化石燃料とアルキル化剤
とを混合して、化石燃料中の窒素化合物とアルキル化剤
とを反応させて、反応により生じた塩を除去することに
よって化石燃料中の窒素を除去する。窒素化合物として
カルバゾールを、アルキル化剤としてヨウ化メチルを用
いた場合を一例として、以下のように反応機構を示す。
【式2】
【0018】化石燃料と混合するアルキル化剤として
は、ハロゲン化アルキル(RX)、スルホン酸アルキル
(R‘SOR)、硫酸ジアルキル(RSO)やエポキ
シシド等を挙げることができる。このうち反応性を高め
るという観点から、アルキル鎖が短いのものが好まし
い。これらのアルキル化剤のうち、特に、ヨウ化メチ
ル、ヨウ化エタン、ヨウ化プロパンなどのハロゲン化ア
ルキル(RX)を挙げることができる。さらに好ましく
は、最も炭素鎖の少ないヨウ化メチルである。化石燃料
中の窒素化合物としては、例えば、カルバゾール、イン
ドール、アニリン、キノリン、アクリジンなどを挙げる
ことができ、窒素化合物には、窒素を含む限りこれら以
外の化合物を含む。
【0019】化石燃料とアルキル化剤との混合に用いる
反応容器の形態は、特に限定されない。反応効率を高め
るという観点から、攪拌器などを使用して攪拌して混合
することが好ましい。化石燃料とアルキル化剤との混合
比は、芳香族化合物の含有量にもより特に限定されない
が、化石燃料を1とすると、アルキル化剤は、化石燃料
に含有される窒素量の2〜30倍量、好ましくは、5〜
25倍量、さらに好ましくは、10〜20倍量である。
これらの混合比は、芳香族化合物の含有量等の諸条件に
より適宜変更することができる。芳香族化合物の含有量
が高ければ、アルキル化剤の量を多くする。
【0020】窒素化合物とアルキル化剤との反応は、上
記の反応式からも分かるように、窒素化合物上の求核性
の高い孤立電子対を持つ窒素原子がアルキル化剤を攻撃
し、窒素−炭素結合を形成する反応である。この反応の
結果、沈殿物としてN−アルキル窒素化合物を生じる。
生じた塩の沈殿物を、常法により除去し、化石燃料から
窒素を除去することができる。
【0021】化石燃料の脱硫及び脱窒素方法の実施態様 本発明によれば、反応を常温常圧下で行なうことができ
るが、常温常圧下に限定されず、適宜温度、圧力を変更
して行なうことができる。但し、生成した塩が熱分解す
る温度以下に保つことを要求される。熱分解する温度
は、硫黄化合物や窒素化合物の種類にもよるが、40℃前
後である。また、油が冷凍するのを避けるという観点か
ら、下限は、0℃前後とすることができる。温度により
脱硫又は脱窒素率は変化するが、脱硫及び脱窒素効率が
高いという観点から、25℃〜35℃近傍の常温が好まし
い。
【0022】また、本発明によれば、反応を安定化剤の
存在下で行なうことができる。安定化剤の存在により、
硫黄化合物及び/又は窒素化合物とアルキル化剤との逆
反応を抑制することができ、硫黄及び窒素の回収率を高
めることができる。安定化剤としては、スルホニウム塩
又は N−アルキル窒素化合物とイオン対を形成するも
のであれば、特に限定されない。安定化剤は、好ましく
は、テトラフルオロホウ酸銀、トリフルオロメタンスル
ホン酸銀及び過塩素酸銀などの銀イオンを含む塩であ
り、より好ましくは、テトラフルオロホウ酸銀である。
硫黄化合物及び窒素化合物について、アルキル化剤とし
てヨウ化メチルを、安定化剤としてテトラフルオロホウ
酸銀を用いた場合を一例として、反応機構を下記に示
す。
【式3】
【式4】
【0023】また、本発明によれば、反応を、化石燃料
と相互溶解する溶媒の存在下で行なうことができる。相
互溶解する溶媒の存在により反応を促進することができ
るからである。相互溶解する溶媒としては、ジクロロメ
タン、ジクロロエタン、四塩化炭素などの油溶性の極性
溶媒を挙げることができ、特に好ましくは、ジクロロメ
タンである。なお、ジクロロメタンは、30℃程度で気化
するため、塩の沈殿回収前に容易に留去され、再利用さ
れる。さらに、本発明によれば、反応を、乾燥雰囲気下
で行なうことができる。水による塩の分解を抑制するこ
とができるからである。乾燥雰囲気下とは、水分を含ま
ない状態をいい、特に限定されない。例えば、N2、A
rなどの不活性ガス雰囲気中で行なうことができる。
【0024】
【実施例】ここで、本発明の一実施例を説明するが、本
発明は、下記の実施例に限定して解釈されるものではな
い。 実施例1 原油の常圧蒸留により得られる直留軽油に水素化前処理
を施した前処理軽油(硫黄分0.18重量%)15mlを三
つ口フラスコに入れ、内部を窒素ガスで置換した。マグ
ネチックスターラーで攪拌しながらヨウ化メチル15.
7mmolを滴下し、30℃で 一定時間反応させて、濃緑
色の沈殿物を生じた。迅速にこの溶液を冷却し、脱硫軽
油と沈殿物を分離した。1時間反応させた場合、得られ
た脱硫軽油の回収率は、99%で、硫黄分は、0.16重量
%であった。3時間反応させた場合、得られた脱硫軽油
の硫黄分は、0.15重量%であった。
【0025】実施例2 原油の常圧蒸留により得られる直留重油に水素化前処理
を施した前処理重油(硫黄分2.4重量%)15mlを三つ
口フラスコに入れ、内部を窒素ガスで置換した。マグネ
チックスターラーで攪拌しながらヨウ化メチル15.7
mmolを滴下し、30℃で 一定時間反応させて、濃緑色
の沈殿物を生じた。迅速にこの溶液を冷却し、脱硫重油
と沈殿物を分離した。1時間反応させた場合、得られた
脱硫重油の回収率は、99%で、硫黄分は、2.2重量
%であった。3時間反応させた場合、得られた脱硫重油
の硫黄分は、2.1重量%であった。
【0026】実施例3 原油の常圧蒸留により得られる直留軽油に水素化前処理
を施した前処理軽油(硫黄分0.18重量%)15mlをジ
クロロメタン15ml、テトラフルオロホウ酸銀1.76
mmolとともに三つ口フラスコに入れ、内部を窒素ガスで
置換した。マグネチックスターラーで攪拌しながらヨウ
化メチル15.7mmolを滴下し、30℃で0.5時間反
応させた。濾過によりヨウ化銀を除去し、さらにジクロ
ロメタンを留去したところ、濃緑色の沈殿物が生成し
た。さらにこの溶液を冷却し、脱硫軽油と沈殿物を分離
した。得られた脱硫軽油の回収率は、99.6%で、硫
黄分は0.04重量%であった。ガスクロマトグラフ分
析より、ベンゾチオフェン類の82%、ジベンソチオフ
ェン類の99%が除去できたことを確認した。
【0027】実施例4 実施例3と同様の方法で、テトラフルオロホウ酸銀の添
加量を変化させ、水素化前処理軽油の脱硫を行なった。
図1に示すように、添加量の増加につれて得られる脱硫
軽油中の硫黄分は減少し、16.2mmolのテトラフルオ
ロホウ酸銀を添加した場合に、硫黄分は0.002重量
%まで減少した。
【0028】実施例5 原油の常圧蒸留により得られる直留軽油(硫黄分1.3
8重量%)に対し、実施例3と同様の方法で、テトラフ
ルオロホウ酸銀55.32mmol、ヨウ化メチル110.
6mmolを用いて脱硫を行なった結果、硫黄分は0.00
4重量%まで減少した。
【0029】実施例6 常圧軽油の減圧蒸留により得られた減圧軽油を接触分解
して得られる軽油留分である接触分解軽油(硫黄分0.
13重量%)に対し、実施例3と同様の方法で、テトラ
フルオロホウ酸銀10.92mmol、ヨウ化メチル10.
92mmolを用いて脱硫を行なった結果、硫黄分は0.0
04重量%まで減少した。
【0030】実施例7 石炭を液状化した得た炭化液化油のうち軽油(硫黄分2.6
重量%)15mlを三つ口フラスコに入れ、内部を窒素ガ
スで置換した。マグネチックスターラーで攪拌しながら
ヨウ化メチル15.7mmolを滴下し、30℃で 一定時
間反応させて、濃緑色の沈殿物を生じた。迅速にこの溶
液を冷却し、脱硫軽油と沈殿物を分離した。1時間反応
させた場合、得られた脱硫軽油の回収率は、98%で、
硫黄分は、 2.5重量%であった。3時間反応さ
せた場合、得られた軽油の硫黄分は、2.4重量%であ
った。
【0031】実施例8 原油の常圧蒸留により得られる直留軽油に水素化前処理
を施した前処理軽油(窒素分81ppmを含む)15mlを三
つ口フラスコに入れ、内部を窒素ガスで置換した。マグ
ネチックスターラーで攪拌しながらヨウ化メチル15.
7mmolを滴下し、30℃で 一定時間反応させて、濃緑
色の沈殿物を生じさせた。迅速にこの溶液を冷却し、脱
窒素軽油と沈殿物を分離した。1時間反応させた場合、
得られた脱窒素軽油の回収率は、99%であり、窒素分
は、78ppmであった。3時間反応させた場合、得られ
た脱窒素軽油の窒素分は、75ppmであった。
【0032】実施例9 原油の常圧蒸留により得られる直留重油に水素化前処理
を施した前処理重油(窒素分10200ppmを含む)15m
lを三つ口フラスコに入れ、内部を窒素ガスで置換し
た。マグネチックスターラーで攪拌しながらヨウ化メチ
ル15.7mmolを滴下し、30℃で 一定時間反応させ
て、濃緑色の沈殿物を生じさせた。迅速にこの溶液を冷
却し、脱窒素重油と沈殿物を分離した。1時間反応させ
た場合、得られた脱窒素重油の回収率は、99%であ
り、窒素分は、9800ppmであった。3時間反応させ
た場合、得られた脱窒素重油の窒素分は、9760ppm
であった。
【0033】実施例10 水素化前処理軽油(窒素分81ppm)に対し、実施例3と
同様の方法でテトラフルオロホウ酸銀1.76mmol、ヨ
ウ化メチル15.7molを用いて脱窒素を行なった。そ
の結果、窒素分は40ppmまで減少した。
【0034】実施例11 原油の常圧蒸留により得られる直硫軽油(窒素分163p
pm)に対し、実施例3と同様の方法で、テトラフルオロ
ホウ酸銀11.1mmol、ヨウ化メチル110.6mmolを
用いて脱窒素を行なった。その結果、窒素分は、58pp
mまで減少した。
【0035】実施例12 常圧残油の減圧蒸留により得られた減圧軽油を接触分解
して得られる軽油留分である接触分解軽油(窒素分22
4ppm)に対し、実施例3と同様の方法で、テトラフルオ
ロホウ酸銀1.09mmol、ヨウ化メチル10.92mmol
を用いて脱窒素を行なった。その結果、窒素分は、11
6ppmまで減少した。
【0036】実施例13 石炭を液状化した得た石炭液化油のうち軽油(窒素分8
0ppm)15mlを三つ口フラスコに入れ、内部を窒素ガス
で置換した。マグネチックスターラーで攪拌しながらヨ
ウ化メチル15.7mmolを滴下し、30℃で 一定時間
反応させて、濃緑色の沈殿物を生じた。迅速にこの溶液
を冷却し、脱窒素軽油と沈殿物を分離した。1時間反応
させた場合、得られた脱窒素軽油の回収率は、98%
で、窒素分は、75ppmであった。3時間反応させた場
合、得られた軽油の窒素分は、74ppmであった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、脱硫が困難な硫黄化合
物や窒素化合物を含む化石燃料であっても、常温常圧下
の穏和な条件下での化学反応による沈殿分離することが
でき、非常に省エネルギー的で、かつ低コストで化石燃
料から硫黄及び窒素を除去することができるという有利
な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】テトラフルオロホウ酸銀の添加量に対する軽油
中の硫黄濃度の変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10G 29/20 - 29/28

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化石燃料とアルキル化剤とを混合して、前
    記化石燃料中の硫黄化合物と前記アルキル化剤とを反応
    させて、反応により生じたスルホニウム塩を除去する化
    石燃料の脱硫方法。
  2. 【請求項2】 前記化石燃料中の窒素化合物と前記アル
    キル化剤とを反応させて、反応により生じたN−アルキ
    ル窒素化合物を除去することにより窒素も除去する請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記反応を、スルホニウム塩とイオン対を
    形成する安定化剤の存在下で行なう請求項1又は2に記
    載の方法。
  4. 【請求項4】安定化剤が、銀イオンを含む塩である請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】安定化剤が、テトラフルオロホウ酸銀であ
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記反応を、化石燃料と相互溶解する溶媒
    の存在下で行なう請求項1〜5のいずれか1項に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】アルキル化剤が、ハロゲン化アルキルであ
    る請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】アルキル化剤が、ヨウ化メチルである請求
    項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】化石燃料が、石油である請求項1〜8のいず
    れか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】化石燃料が、石炭液化油である請求項1
    〜8のいずれか1項に記載の方法。
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