JP3309554B2 - カオス時系列短期予測装置 - Google Patents

カオス時系列短期予測装置

Info

Publication number
JP3309554B2
JP3309554B2 JP6426994A JP6426994A JP3309554B2 JP 3309554 B2 JP3309554 B2 JP 3309554B2 JP 6426994 A JP6426994 A JP 6426994A JP 6426994 A JP6426994 A JP 6426994A JP 3309554 B2 JP3309554 B2 JP 3309554B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
prediction
value
time
series
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP6426994A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07270200A (ja
Inventor
隆義 谷村
正 五百旗頭
泰成 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meidensha Corp
Original Assignee
Meidensha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meidensha Corp filed Critical Meidensha Corp
Priority to JP6426994A priority Critical patent/JP3309554B2/ja
Priority to US08/395,980 priority patent/US5748851A/en
Priority to KR1019950004352A priority patent/KR0142483B1/ko
Publication of JPH07270200A publication Critical patent/JPH07270200A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3309554B2 publication Critical patent/JP3309554B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Testing Or Calibration Of Command Recording Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカオス時系列短期予測装
置に関し、特に時系列データのダイナミズムが変化して
も、その変化にリアルタイムに追随することのできるカ
オス時系列短期予測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、時系列データの予測には、自己回
帰分析を主体としたARIMAモデル等が主に用いられ
ていたが、近年はカオス現象の解明を目的として、決定
論的カオス理論を用いた局所再構成法によるカオス時系
列の予測が研究されてきている。局所再構成法として
は、グラムシュミットの直交系法、テセレーション法等
が挙げられる。以下に決定論的カオスの概要を示す。
【0003】決定論に支配された(初期値が決まれば、
その後の状態がすべて原理的に決定される)微分方程式
や差分方程式から、一見不規則で不安定かつ複雑な振る
舞いがしばしば生成されうる。これが力学系の決定論的
カオスである。
【0004】決定論的カオスの概念は、世の中の不規則
な現象が必ずしも非決定論に支配されたものだけではな
いということを明らかにした。言い替えれば、世の中の
不規則現象の中には、決定論に従ってその挙動を生み出
している現象が少なからず存在するのである。
【0005】カオス的振る舞いを生み出す力学系に共通
するのは、それらの方程式が非線形である事である。
【0006】ところで、ある時系列データの振る舞いが
カオス的であるならば、その振る舞いは決定論的な法則
に従っていると考える事が出来る。とすれば、もしその
非線形な決定論的法則性を推定することが出来れば、あ
る時点の測定データからカオスの「初期値に対する鋭敏
な依存性」により決定論的因果性を失うまでの近未来の
データを予測することが可能である。
【0007】このような決定論的力学系理論の立場から
の予測は、「1本の観測時系列データから、もとの力学
系のアトラクタを再構成する」という時系列データの埋
め込み理論に基づいている。この理論の概要は、以下の
通りである。
【0008】観測されたある時系列データy(t)から
次元ベクトル(y(t),y(t−τ),y(t−2τ),
…,y(t−(n−1)τ))をつくる(τは時間遅れ)。
【0009】このベクトルはn次元再構成状態空間Rn
の1点を示すことになる。従って、tを変化させると、
このn次元再構成状態空間に軌道が描ける。
【0010】もしも対象システムが決定論的力学系であ
って、観測時系列データがこの力学系の状態空間から1
次元ユークリッド空間RへのC1連続写像に対応した観
測系を介して得られたものと仮定すれば、この再構成軌
道は、nを十分大きくとれば元の決定論的系の埋め込み
(embedding)になっている。
【0011】つまり、観測時系列データが元の力学系の
アトラクタに由来するならば、再構成状態空間にはこの
アトラクタの位相構造を保存したアトラクタが再現され
ることになる。nは通常「埋め込み次元」と呼ばれる
が、再構成の操作が「埋め込み」である為には、この次
元nは元の力学系の状態空間の次元をmとした時、下記
(1)式が成立すれば十分であることが証明されてい
る。
【0012】
【数1】 n≧2m+1…(1) ただし、これは十分条件であって、データによっては2
m+1未満でも埋め込みである場合がある。さらに、n
>2d(但しdは元の力学系のアトラクタのボックスカ
ウント次元)であれば、再構成の操作が1対1写像とな
ことも示されている。
【0013】上記のように、決定論的カオスであれば、
一見まったく無秩序にみえるデータに関しても系の構造
が明らかとなり、そのデータによっては高精度に短期予
測を行うことが可能となってくる。
【0014】一方、現在のカオス時系列データの短期予
測技術においては、対象の系の構造を数式でモデル化
し、その数式を用いて予測を行っている。この数式には
パラメータが多く含まれ、その同定には大量の計算が必
要である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、予測対象系に
おいては数式モデルにそぐわないデータが必ず存在し、
そのようなデータはノイズ、測定誤差が含まれるとして
いる。対象の系のダイナミクスが変化した場合にはモデ
ル数式自体の変更が必要となるが、現在の技術ではモデ
ル数式自体を変更して予測を行うことは難しい。
【0016】特に、対象系の変化をモデルの変更に自動
的に結び付けるアルゴリズムを事前に準備することは非
常に困難である。
【0017】本発明は上記背景の下になされたものであ
り、時系列データのダイナミズムの変化にリアルタイム
に対応でき、予測精度の高いカオス時系列短期予測装置
を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決する為に
本発明は、時系列データの埋め込み操作を行ってn次元
状態空間に前記時系列データのアトラクタを再構成して
データ予測を行うカオス時系列短期予測装置であって、
時系列データ実測値を格納するデータ格納手段と、前記
データベクトルの成分となるパラメータの選定を行うパ
ラメータ決定手段と、前記パラメータ決定手段で決定さ
れたパラメータに従って、時系列データからデータベク
トルを生成するとともに、アトラクタの再構成を行って
予測値を求める予測手段と、前記予測値を格納する予測
結果格納手段と、時系列データ実測値に対して、該実測
値に対応する予測値を前記予測結果格納手段から検出す
るとともに、実測値と予測値とを比較して予測精度を評
価する予測結果評価手段と、を有し、前記パラメータ決
定手段は、前記データ格納手段からサンプルデータを抽
し、且つそのサンプルデータの予測に必要となる所定
数の過去データを抽出すると共に、予め埋め込み次元
n、遅れ時間τ、近傍に含まれるデータベクトル数Nに
ついてそれぞれ上限と下限を設定し、前記パラメータの
各組み合わせ時にはこれら設定されたn,τ,Nの範囲
内で組み合わせを実行し、パラメータの各組み合わせ
対して、それぞれ前記予測手段にて前記過去データに基
づいてサンプルデータの予測値を求め、求められた値と
実際のサンプルデータの値とを比較して、サンプルデー
タの予測精度が最も高くなるパラメータの組み合わせを
選択して前記データ予測手段に出力するとともに、前記
予測結果評価手段で予測精度が閾値よりも小さくなった
場合には、パラメータの組み合わせを再選択することを
特徴とする。また、上記カオス時系列短期予測装置にお
いて、前記予測手段は、前記再構成されたアトラクタを
用いて、処理対象データベクトル近傍に位置する近傍ベ
クトルを複数検出する近傍ベクトル検出手段と、処理対
象となる軸成分について、前記検出された各近傍ベクト
ルの該軸成分値と前記処理対象データベクトルの該軸成
分値との差を検出する軸成分検出手段と、 前記各近傍
ベクトルの所定ステップ後の該軸成分値を検出し、もと
のデータベクトルでの前記差が小さいものとの差が小さ
くなるように、前記処理対象データベクトルの該軸成分
の所定ステップ後の成分値を決定するファジィ推論部
と、前記軸成分決定部での処理結果を時系列データに変
換してデータの予測値を生成するデータ予測値生成部
と、を有する局所ファジィ再構成手段を備えたことを特
徴とする。
【0019】
【作用】前記データ格納手段からサンプルデータを抽出
し、前記パラメータの各組み合わせに対して、それぞれ
前記予測手段にて前記サンプルデータに基づいて予測値
を求め、その予測値を対応する実測値と比較して、最も
予測精度が高くなる組み合わせを選択することで、予測
対象となる時系列データのダイナミクスに対応したパラ
メータの組み合わせが生成される。
【0020】特に、前記予測結果評価手段で予測精度が
閾値よりも小さくなった場合は、ダイナミクスがパラメ
ータの組み合わせの再選択を行うことによって、ダイナ
ミクスが変動した場合でも、その変動に対応してパラメ
ータが変動される。
【0021】また、局所的なベクトルの動きを反映した
予測を行う局所ファジィ再構成にては、計算時間は次元
数に比例するが、予測処理のプログラムステップが少な
いので、短時間で予測を行うことができる。従って、予
測値をリアルタイムに算出することができ、上記のよう
なパラメータもリアルタイムで再決定される。
【0022】
【実施例】図1に本実施例に係るカオス時系列短期予測
装置の機能ブロック図を示す。この図において11は時
系列データの入力部、12はデータ格納部、13はパラ
メータ決定部、14は予測部、15は出力部、16は予
測結果格納部、17は予測結果評価部である。
【0023】入力部11は図7に示されるような対象の
系から等サンプリング間隔で時系列データy(t)を取
り込み、データ格納部12は得られた各データを格納す
る。
【0024】パラメータ決定部13ではパラメータを一
定範囲で動かし、データ格納部12内の観測されている
過去のデータのいくつかを用いて残りのデータの短期予
測を行う。そして、その予測誤差率を最小とし、予測値
実測値の相関係数を最大にするようなパラメータを求め
る(パラメータの自動同定)。
【0025】この例では、埋め込み次元、時間遅れ、近
傍データ数の3つを選択し、その各値の組み合わせのう
ち最適な組み合わせを求めるようにした。これらパラメ
ータは予測部14でデータベクトルを生成する際に必要
となるものである。
【0026】予測部14ではパラメータ決定部13で決
定されたパラメータを用いて局所ファジィ再構成法によ
って所定時間経過後のデータの値を予測する。その結果
を出力部15及び予測結果格納部16に出力する。
【0027】出力部15は予測結果を出力し、予測結果
格納部16は予測結果を格納する。予測結果評価部17
は、予測結果格納部16から得られる予測結果を上記所
定時間が経過した後の実際のデータと比較する。この実
データはデータ格納部12から得られる。
【0028】上記予測データとその実データとの比較を
常時行い、予測誤差率または相関係数が悪化した場合に
は、対象とする系のダイナミックスが変化したものと判
断し、パラメータ決定部13に各パラメータの値を再決
定させる信号を出力する。
【0029】以下、所定の時系列データを例にとってパ
ラメータ決定部13における動作を図2、図3の各フロ
ーチャートを用いて詳細に説明する。この例では、入力
開始時点から130ステップ分のデータが得られてい
た。
【0030】まず、パラメータ決定部で埋め込み次元
n、遅れ時間τ、近傍に含まれるデータベクトル数Nの
値についてすべての組み合わせを求める(S21)。こ
の際、n、τ、Nについてそれぞれ上限値と下限値とを
予め定めておく。
【0031】この例ではnを2〜6、τを3〜7、Nを
2〜8とした。nは2〜6の5種の値を取ることがで
き、同様にτは5種、Nは7種の値を取り得るので、そ
の組み合わせは5×5×7=175通り存在することに
なる。
【0032】これら各組み合わせそれぞれについて、過
去データを用いて予測値と実測値との一致度を調べる。
観測開始時点から第130ステップまでのデータがデー
タ格納部12に格納されている場合、予測基準ステップ
を第αステップとし、その前のβステップ分のデータを
用いて第(α+1)ステップのデータ予測を予測部14
を用いて行う(S22)。
【0033】α=121、β=20とすると、第102
ステップからから第121ステップまでのデータ(過去
データ)を用いて第122ステップのデータ(テストデ
ータ)の予測を行うことになる。
【0034】同様に、α=122とすると、第103ス
テップから第122ステップまでのデータが過去データ
となり、第123ステップのデータがテストデータとな
る。このようにして、α=122〜(122+γ)ステ
ップまでの予測を行う。この例ではγ=9として第12
2〜130ステップまでの予測を行った。このように、
その時点で得られている最新のデータ群をテストデータ
とすることで、測定対象となる系の最新の状態を反映し
たアトラクタが得られる。尚、β,γの値は適宜自由に
設定してよい。
【0035】これら第122〜第130ステップまでの
予測値と、データ格納部12に格納された第122〜第
130ステップの実際の値とを比較し、相関係数、平均
誤差、平均誤差率等の任意に設定される評価関数を用い
て評価値を算出する(S23)。この評価値をすべてのパ
ラメータ値の組み合わせ毎に算出し(S24,25)、
最も評価値の高い組み合わせを検出し(S26)、その
時点での最適組み合わせとして予測部14に出力する
(S27)。
【0036】この例ではn=3,τ=4,N=3という
値が得られた。
【0037】予測部14では、上記最適組み合わせ(n
=3,τ=4,N=3)に従って、最新の観測データを
用いて予測を行う。この例では、上記最適組み合わせが
第131ステップ目のデータが得られるより前の時点で
算出されたので、この組み合わせを用いて第131ステ
ップ以降の予測を行った。
【0038】第131ステップ以降の予測結果は出力部
15で出力されるとともに、予測結果格納部16に格納
される。
【0039】予測結果評価部17では、常時最新入力部
11から得られる最新のδ個の実測値と、その実測値に
それぞれ対応する予測値とを比較し、相関係数、誤差、
誤差率等の評価関数を用いて実測値と予測値との評価を
行う(S31)。その評価値が所定の閾値よりも低い場
合にはパラメータ決定部を作動させる信号を出力する
(S32、33)。
【0040】パラメータ決定部では、この出力を受け
て、再度最適なパラメータの組み合わせを求めて予測部
14に出力する。
【0041】以上説明したように最適なパラメータの組
み合わせが決定される。
【0042】なお、上記例ではパラメータの決定評価基
準として、相関係数、誤差、誤差平均率等の評価関数を
用いているが、この評価関数は対象とする系の予測目的
に併せて任意にかえることができる。例えば、電力需要
の予測であれば、電力需要のピーク値での予測精度が要
求される。
【0043】このように、特別な精度が要求されれば、
この評価もパラメータ決定基準とする。
【0044】以下、図4を用いて局所ファジィ再構成を
用いた予測部14の詳細な構成を説明する。
【0045】アトラクタ再構成部42では、タケンスの
埋め込み理論を用いて、データ格納部12から得られる
データからn次元状態空間にデータベクトルのアトラク
タを再構成してn次元状態空間データベースを作成す
る。
【0046】43は処理対象データベクトル選択部、4
4は近傍ベクトル検出部、45はsステップ後ベクトル
検出部、46は軸成分検出部、47はファジィ推論部、
48はデータ予測値データ予測値生成部であり、これら
各部によって局所ファジィ再構成部が構成される。
【0047】以下、各部の機能を詳細に説明する。
【0048】アトラクタ再構成部42では下式に示され
るベクトルx(t)を生成する。
【0049】
【数2】x(t)=(y(t),y(t−τ),y(t−2
τ),…y(t−(n−1)τ)) t:(n-1)τ+1≦t≦N 埋め込み次元n及び遅れ時間τの値としてパラメータ決
定部13で決定された値を用いて埋め込み操作により状
態空間とアトラクタを再構成する。
【0050】前述したように、このベクトルはn次元再
構成状態空間Rnの1点を示し、tを変化させると、こ
のn次元再構成状態空間に軌道が描ける。その例を図5
に示す。
【0051】予測対象となるデータが決定論的カオスに
従う場合、図6に示すようにそのアトラクタは滑らかな
多様体となり、このアトラクタを用いてデータの予測を
行うことが可能となる。
【0052】次に、処理対象となるデータベクトル(通
常は最新の観測によって得られたデータベクトル)をz
(T)として、そのsステップ後のデータベクトルz(T
+s)の予測データベクトルz"(T+s)を以下のよう
に求める。
【0053】処理対象データベクトル選択部43では、
処理対象となるデータベクトル[通常は最新のデータベ
クトルz(T)]を選択し、近傍ベクトル検出部44に出
力する。近傍ベクトル検出部44では、アトラクタ再構
成部42内のデータベクトルから、z(T)の近傍にあ
る近傍ベクトルx(i)を複数検出する[i∈N(z
(T))、N(z(T)):z(T)の近傍x(i)の
インデックスiの集合]。
【0054】軸成分検出部46では、z(T)とx
(i)との軸成分を検出してファジィ推論部47に出力
する。
【0055】sステップ後ベクトル検出部45では各x
(i)について、そのsステップ後のベクトルx(i+
s)を検出してファジィ推論部47に出力する。
【0056】ファジィ推論部47では、各軸ごとにz
(T)とx(i)との成分値を比較し、その比較結果と
各x(i+s)における成分値とから、予測ベクトル
z"(T+s)の各成分値を決定する。これにより得ら
れる予測ベクトルz"(T+s)をデータ予測値生成部
48に出力する。
【0057】実データからなるアトラクタの軌道は通常
は理想的な多様体とならないこともあり、線形的に軸成
分を求めるよりも、ファジィ推論を用いて非線形的に軸
成分の決定を行うことが好ましい。
【0058】以下にファジィ理論を用いた軸成分の決定
過程を以下に示す。
【0059】もしもデータが決定論的法則に従って生成
されたものであって、かつsの値が十分に小さければ、
x(i)がsステップ先のデータであるx(i+s)に
至る過程は、決定論に従ったダイナミズムに基づいてい
ると考えられる。
【0060】そして、このダイナミズムは以下のような
言語的表現で表すことができる。
【0061】
【数3】 IF x(T) is x(i) THEN x(T+s) is x(i+s) ここで、 x(T):n次元最構成状態空間におけるz
(T)の近傍のデータベクトルを表す集合 x(T+s):x(T)のsステップ後のデータベクトルを表
す集合 i∈N(z(T))、N(z(T)):z(T)の近傍x(i)のイ
ンデックスiの集合 x(i)はz(T)の近傍のデータベクトルであるから、ス
テップsがカオスの「初期値に対する鋭敏な依存性」に
より、決定論的因果性を失う以前であれば、状態z(T)
から状態z(T+s)のダイナミクスを、状態x(i)から状
態(i+s)のダイナミクスと近似的に等価であると仮定す
る事ができる。
【0062】n次元再構成状態空間に埋め込まれたアト
ラクタが、なめらかな多様体であるとき、z(T)からz
(T+s)へのベクトル距離は、z(T)からx(i)へのベク
トル距離によって影響される。すなわちz(T)から近い
x(i)の軌道ほどz(T)からz(T+s)への軌道におよぼ
す影響が大きく、遠いほどその影響が小さいと考える事
ができる。
【0063】ところで、
【0064】
【数4】 x(i)=(y(i), y(i−τ),…,y(i−(n−1)τ)) x(i+s)=(y(i+s), y(i+s−τ),…,y(i+s−(n−1τ)) …(1) であるので、n次元再構成状態空間におけるj軸に注目
すると式(1)は、
【0065】
【数5】 IF aj(T) is yj(i) THEN aj(T+s) is y(i+s) (j=1〜n) …(2) ここで、 aj(T):z(T)の近傍値x(i)のn次元再構成状態空間
におけるj軸成分 aj(T+s):x(j+s)のn次元再構成状態空間におけ
るj軸成分 n:埋め込み次元数 と表す事ができる。
【0066】また、z(T)からz(T+s)への軌道は、
z(T)からx(i)へのベクトル距離によって影響される
が、このベクトルの軌跡であるアトラクタはなめらかな
多様体であるので、この影響は非線形な形で表される。
よってその影響を非線形化するために、式(2)をファジ
ィ関数により表現すると、
【0067】
【数6】 IF aj(T) is y'j(i) THEN aj(T+s) is y'j(i+s) ただし(j=1〜n) …(3) なお、通常は関数y(i)をファジィ化する場合には
「〜」記号を用いるが、ここでは「'」記号を用いる。
【0068】また、
【0069】
【数7】z(T)=(y(T), y(T−τ),…,y(T−
(n−1)τ)) であるので、z(T)のn次元再構成状態空間における
j軸成分はyj(T)となる。よって、データベクトルz
(T)のsステップ後のデータベクトルz(T+s)の予測値
をz”(T+s)とすると、そのj軸成分は、式(3)のaj
(T)にyj(T)を代入しファジィ推論をする事により、
aj(T+s)として求める事ができる。
【0070】このように、パラメータ決定部13で求め
られた各パラメータの値を用いることにより、時系列デ
ータの予測を精度良く行うことができる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
最適なパラメータの組み合わせを求めることによって、
ダイナミクスが変動しても高い精度予測値を求めること
ができる。
【0072】特に、局所ファジィ再構成法を用いてデー
タ予測を行うことで、短時間でパラメータの組み合わせ
を求めることができ、ダイナミクスの変動にもリアルタ
イムに対応して予測を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カオス時系列短期予測装置の機能ブロック図。
【図2】パラメータの最適組み合わせの求め方を示すフ
ローチャート。
【図3】予測結果評価部の動作を表すフローチャート。
【図4】予測部の機能ブロック図。
【図5】データベクトルの軌跡の説明図。
【図6】アトラクタの説明図。
【図7】時系列データの説明図。
【符号の説明】
11…入力部 12…データ格納部 13…パラメータ決定部 14…予測部 15…出力部 16…予測結果格納部 17…予測結果評価部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−44294(JP,A) 特開 平4−264536(JP,A) 特開 昭58−223805(JP,A) 五百旗頭正,局所ファジィ再構成法に よるカオス的振る舞いをする時系列デー タの短期予測,電気学会研究会資料 産 業システム情報化研究会,日本,社団法 人電気学会,1994年3月2日,IIS− 94−2,p11−20 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 21/00 G06F 9/44 550 G06F 17/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時系列データの埋め込み操作を行ってn
    次元状態空間に前記時系列データのアトラクタを再構成
    してデータ予測を行うカオス時系列短期予測装置であっ
    て、 時系列データ実測値を格納するデータ格納手段と、 前記データベクトルの成分となるパラメータの選定を行
    うパラメータ決定手段と、 前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに従っ
    て、時系列データからデータベクトルを生成するととも
    に、アトラクタの再構成を行って予測値を求める予測手
    段と、 前記予測値を格納する予測結果格納手段と、 時系列データ実測値に対して、該実測値に対応する予測
    値を前記予測結果格納手段から検出するとともに、実測
    値と予測値とを比較して予測精度を評価する予測結果評
    価手段と、を有し、 前記パラメータ決定手段は、 前記データ格納手段からサンプルデータを抽出し、且つ
    そのサンプルデータの予測に必要となる所定数の過去デ
    ータを抽出すると共に、予め埋め込み次元n、遅れ時間
    τ、近傍に含まれるデータベクトル数Nについてそれぞ
    れ上限と下限を設定し、 前記パラメータの各組み合わせ時にはこれら設定された
    n,τ,Nの範囲内で組み合わせを実行し、パラメータ
    の各組み合わせに対して、それぞれ前記予測手段にて前
    記過去データに基づいてサンプルデータの予測値を求
    め、求められた値と実際のサンプルデータの値とを比較
    して、サンプルデータの予測精度が最も高くなるパラメ
    ータの組み合わせを選択して前記データ予測手段に出力
    するとともに、 前記予測結果評価手段で予測精度が閾値よりも小さくな
    った場合には、パラメータの組み合わせを再選択するこ
    とを特徴とするカオス時系列短期予測装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のカオス時系列短期予測装
    置において、 前記予測手段は、 前記再構成されたアトラクタを用いて、処理対象データ
    ベクトル近傍に位置する近傍ベクトルを複数検出する近
    傍ベクトル検出手段と、 処理対象となる軸成分について、前記検出された各近傍
    ベクトルの該軸成分値と前記処理対象データベクトルの
    該軸成分値との差を検出する軸成分検出手段と、 前記
    各近傍ベクトルの所定ステップ後の該軸成分値を検出
    し、もとのデータベクトルでの前記差が小さいものとの
    差が小さくなるように、前記処理対象データベクトルの
    該軸成分の所定ステップ後の成分値を決定するファジィ
    推論部と、 前記軸成分決定部での処理結果を時系列データに変換し
    てデータの予測値を生成するデータ予測値生成部と、を
    有する局所ファジィ再構成手段を備えたことを特徴とす
    るカオス時系列短期予測装置。
JP6426994A 1994-02-28 1994-04-01 カオス時系列短期予測装置 Expired - Lifetime JP3309554B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6426994A JP3309554B2 (ja) 1994-04-01 1994-04-01 カオス時系列短期予測装置
US08/395,980 US5748851A (en) 1994-02-28 1995-02-28 Method and apparatus for executing short-term prediction of timeseries data
KR1019950004352A KR0142483B1 (ko) 1994-02-28 1995-02-28 시계열 데이타의 단기 예측을 실행하기 위한 방법 및 장치

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6426994A JP3309554B2 (ja) 1994-04-01 1994-04-01 カオス時系列短期予測装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07270200A JPH07270200A (ja) 1995-10-20
JP3309554B2 true JP3309554B2 (ja) 2002-07-29

Family

ID=13253323

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6426994A Expired - Lifetime JP3309554B2 (ja) 1994-02-28 1994-04-01 カオス時系列短期予測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3309554B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2015083333A1 (ja) * 2013-12-04 2017-03-16 日本電気株式会社 性能予測装置、性能予測方法、及び、コンピュータ・プログラム

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
五百旗頭正,局所ファジィ再構成法によるカオス的振る舞いをする時系列データの短期予測,電気学会研究会資料 産業システム情報化研究会,日本,社団法人電気学会,1994年3月2日,IIS−94−2,p11−20

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07270200A (ja) 1995-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7004364B1 (ja) グラフニューラルネットワークに基づくマルチソースタイミングデータ故障診断方法及び媒体
KR0142483B1 (ko) 시계열 데이타의 단기 예측을 실행하기 위한 방법 및 장치
McNames A nearest trajectory strategy for time series prediction
Tobon-Mejia et al. Hidden Markov models for failure diagnostic and prognostic
EP3422518B1 (en) A method for recognizing contingencies in a power supply network
EP3791324A1 (en) Sample-efficient reinforcement learning
CN111506814B (zh) 一种基于变分自注意力网络的序列推荐方法
Zhao et al. Model-based fault diagnosis methods for systems with stochastic process–a survey
CN110858062B (zh) 目标优化参数的获取方法及模型训练方法、装置
Jiang et al. Remaining useful life prediction of rolling bearings based on Bayesian neural network and uncertainty quantification
JP3309554B2 (ja) カオス時系列短期予測装置
CN112380073A (zh) 一种故障位置的检测方法、装置及可读存储介质
CN117097541A (zh) Api服务攻击检测方法、装置、设备和存储介质
JPH09146915A (ja) カオス時系列短期予測装置
EP4131090A1 (en) Machine learning device, learning model generation method, and program
CN114925808A (zh) 一种基于云网端资源中不完整时间序列的异常检测方法
Sun et al. Research on Satellite Fault Detection Method Based on MSET and SRPRT
CN115278757A (zh) 一种检测异常数据的方法、装置及电子设备
KR102258206B1 (ko) 이종 데이터 융합을 이용한 이상 강수 감지 학습 장치, 이상 강수 감지 학습 방법, 이종 데이터 융합을 이용한 이상 강수 감지 장치 및 이상 강수 감지 방법
Rinner et al. Monitoring piecewise continuous behaviors by refining semi-quantitative trackers
CN113240098A (zh) 基于混合门控神经网络的故障预测方法、装置和存储介质
Arief et al. Better Modeling Out-of-Distribution Regression on Distributed Acoustic Sensor Data Using Anchored Hidden State Mixup
JP2022105454A (ja) 情報処理プログラム、情報処理方法及び情報処理装置
CN116976530B (zh) 一种电缆设备状态预测方法、装置及存储介质
Marei et al. CNC Machining Centre Thermal Error Prediction from Temperature Sensors Using Autoencoder-Augmented Long Short Term Memory Networks

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090524

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100524

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100524

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110524

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120524

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130524

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140524

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term