JP3307258B2 - 弦振動ピックアップ装置 - Google Patents

弦振動ピックアップ装置

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JP3307258B2
JP3307258B2 JP01746997A JP1746997A JP3307258B2 JP 3307258 B2 JP3307258 B2 JP 3307258B2 JP 01746997 A JP01746997 A JP 01746997A JP 1746997 A JP1746997 A JP 1746997A JP 3307258 B2 JP3307258 B2 JP 3307258B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弦楽器の各弦の弦
振動を検出する弦振動ピックアップ装置に関し、特に、
弦の本数が所定範囲内にあり、かつ弦間隔が所定範囲内
にあるすべての種類の弦楽器の弦振動を精度よく検出す
ることが可能な汎用的な弦振動ピックアップ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ギター等の弦楽器の弦振動を各弦毎に検
出して電気信号に変換する弦振動ピックアップ装置は、
従来より知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の弦振動ピックアップ装置では、取り付け対象となる
弦楽器を弦の本数が固定(通常6本)であるギターに限
定していたので、かかる弦振動ピックアップ装置を弦の
本数が異なる他の弦楽器(たとえばベースでは、4弦か
ら6弦まで3種類ある)に適用した場合には、各弦の振
動をそれぞれ検出する各ピックアップ部の幅や配設位置
等により、本来検出すべき弦の弦振動に加えて隣の弦の
弦振動を検出したり、本来検出すべき弦の振動を検出で
きなかったりすることがあった。
【0004】これは、弦振動ピックアップ装置の取り付
け対象を弦の本数が固定であるギターに限定し、弦の本
数が異なる他の弦楽器に汎用的に使用することは考えら
れていなかったため、各ピックアップ部の幅や配設位置
も、各種ギターによって生ずる弦の配置面の湾曲形状の
相違や弦間隔の相違のみを考慮して決定されていたから
である。
【0005】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
で、弦の本数が所定範囲内にあり、かつ弦間隔が所定範
囲内にあるすべての種類の弦楽器に使用してその弦振動
を精度よく検出することが可能な汎用的な弦振動ピック
アップ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、弦の本数が所定範囲内にあ
り、かつ弦間隔が所定範囲内にある弦楽器の各弦の振動
をそれぞれ検出して電気信号に変換するピックアップ部
を前記所定範囲の最大本数に対応する個数備えた弦振動
ピックアップ装置であって、前記各ピックアップ部は、
当該隣接するピックアップ部の幅方向の中心間の距離が
前記弦間隔の所定範囲内の値になるように配設され、該
各ピックアップ部のピックアップ幅は、当該弦振動ピッ
クアップ装置が取り付けられる弦楽器の弦の本数が前記
所定範囲内のいずれの本数であっても、該各ピックアッ
プ部が配置される平面領域内にその対応する弦が収まる
ように設定されたことを特徴とする。
【0007】これにより、弦の本数が前記所定範囲内に
あり、かつ弦間隔が所定範囲内にある弦楽器に当該弦振
動ピックアップ装置を取り付けたときには、前記各ピッ
クアップ部のピックアップ幅内にその対応する弦がすべ
て収まるため、該各弦の弦振動を精度よく検出すること
ができる。
【0008】また、請求項2記載の発明は、前記複数の
ピックアップ部のうち所定位置のピックアップ部の内側
の端部を該ピックアップ部の内側に隣接するピックアッ
プ部の外側の端部より高い位置に配設することを特徴と
する。
【0009】これにより、弦の本数が所定本数より多く
なるにつれて弦の配置面の湾曲形状がより緩やかになる
という特性を有する弦楽器のすべての弦の弦振動をより
精度よく検出することができる。
【0010】さらに、請求項3記載の発明は、前記複数
のピックアップ部のうち所定位置のピックアップ部より
内側のピックアップ部のピックアップ配置面の湾曲形状
に対し、該ピックアップ部より外側のピックアップ部の
ピックアップ配置面の湾曲形状をより緩く形成したこと
を特徴とする。
【0011】これにより、請求項2記載の発明と同様の
効果を得ることができる。
【0012】また、請求項4記載の発明は、弦の本数が
所定範囲内にあり、かつ弦間隔が所定範囲内にある弦楽
器の各弦の振動をそれぞれ検出して電気信号に変換する
ピックアップ部を前記所定範囲の最大本数に対応する個
数備えた弦振動ピックアップ装置であって、所定位置の
ピックアップ部の内側の端部を該ピックアップ部の内側
に隣接するピックアップ部の外側の端部より高い位置に
配設することを特徴とする。
【0013】これにより、弦の本数が所定本数より多く
なると弦の配置面の湾曲形状がより緩やかになるという
特性を有する弦楽器のすべての弦の弦振動を精度よく検
出することができる。
【0014】さらに、請求項5記載の発明は、弦の本数
が所定範囲内にあり、かつ弦間隔が所定範囲内にある弦
楽器の各弦の振動をそれぞれ検出して電気信号に変換す
るピックアップ部を前記所定範囲の最大本数に対応する
個数備えた弦振動ピックアップ装置であって、前記複数
のピックアップ部のうち所定位置のピックアップ部より
内側のピックアップ部のピックアップ配置面の湾曲形状
に対し、該ピックアップ部より外側のピックアップ部の
ピックアップ配置面の湾曲形状をより緩く形成したこと
を特徴とする。
【0015】これにより、請求項4記載の発明と同様の
効果を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明の実施の一形態に係る弦振
動ピックアップ装置の構成を示す図であり、(a)は、
平面図であり、(b)は、正面図であり、(c)は、要
部拡大図である。
【0018】同図に示すように、本実施の形態の弦振動
ピックアップ装置1は、たとえばアルミニウムにより形
成されたトップ・ケース2aと、たとえばプラスチック
により形成されたボトム・ケース2bとから成るケース
2を備えている。
【0019】トップ・ケース2aの上面は、所定の曲率
半径R,R′およびR″(本実施の形態では、R=R′
=R″であり、その値は、たとえば640mmである)
で、ぞれぞれ湾曲された3つの湾曲部2a1,2a2お
よび2a3により構成されている。そして、左右両端側
の湾曲部2a2および2a3の中央側の湾曲部2a1に
隣接する端部は、湾曲部2a1の両端部より、所定の高
さH(本実施の形態では、たとえば0.5mm)だけ高
くなるように段差Sが設けられている((c)参照)。
ここで、湾曲部2a1は4弦ベースの弦の配置面の湾曲
形状に対応し、湾曲部2a2,2a3は6弦ベースの弦
の配置面の湾曲形状に対応する。このように、トップ・
ケース2aの上面を3つの湾曲部2a1,2a2および
2a3により構成し、湾曲部2a1の湾曲形状を4弦ベ
ースの弦の配置面の湾曲形状に合わせたこと、および湾
曲部2a1と湾曲部2a2および2a3との間に段差S
を設けたことが本発明の第1の特徴であり、その根拠
は、図2〜5を用いて後述する。
【0020】また、トップ・ケース2aの上面には、6
対の孔3a〜3fが設けられ、該各1対の孔3a〜3f
には、それぞれ、弦楽器(本実施の形態では、エレクト
リックベース)の弦振動を各弦毎に検出するピックアッ
プコイル10a〜10fの各1対のヨーク(鉄心)10
a1〜10f1の上端部が貫通される。これにより、各
ピックアップコイル10a〜10はその対応する弦の弦
振動を正確に検出することができる。ここで、各孔3a
〜3fの弦楽器本体の幅方向(以下、単に「幅方向」と
いう)の長さ、すなわち各ヨーク10a1〜10f1の
上端部の幅方向の長さ(以下、「ピックアップ幅」とい
う)は、本発明の第2の特徴を成すものであり、本実施
の形態では、たとえば12mmに設定されている。な
お、この12mmに設定した根拠については、図5を用
いて後述する。
【0021】ピックアップコイル10a〜10fの他の
構成は、この種の弦振動ピックアップ装置に通常用いら
れるピックアップコイルと同様であり、たとえばその構
成要素である磁石(図示せず)も本発明に特有のものは
使用されていない。したがって、各ピックアップコイル
10a〜10fと対応する弦との間隔(クリアランス)
は、通常の弦振動ピックアップ装置と同様のクリアラン
ス(本実施の形態では、たとえば1.5mm程度)を設
ける必要がある。しかし、このクリアランスはあくまで
も適正値であって、本実施の形態の1.5mmに限定さ
れず、たとえば0.5〜2.0mmの範囲内にクリアラ
ンスを設定すれば、各ピックアップコイル10a〜10
fは、弦振動を精度よく検出することができる。
【0022】また、各孔3a〜3fの幅方向の中心から
隣接する孔の幅方向の中心までの距離は、主要なベース
が最も多く採用している弦間隔(所定値)D(本実施の
形態では、たとえば18.5mm)に設定されている。
この所定値Dの設定根拠は、以下である。
【0023】すなわち、弦振動ピックアップ装置1を主
要なベース(弦間隔が18.5mmのベース)に取り付
けたときに、当該ベースの各弦は、それぞれ対応するピ
ックアップコイル10a〜10fの幅方向の中心を通る
ため、ユーザは、この各弦とピックアップコイル10a
〜10fとの位置関係を基準にして、弦振動ピックアッ
プ装置1をベース本体に容易に取り付けることができる
からである。具体的には、各弦がその対応するピックア
ップコイル10a〜10fの幅方向の中心近傍に位置す
るように、弦振動ピックアップ装置1をベース本体に取
り付ければよい。そして、もう一つの根拠は、各弦がそ
の対応するピックアップコイル10a〜10fの幅方向
の中心を通ることにより、見栄えがよくなるからであ
る。したがって、所定値Dとしては、上記弦間隔に限る
必要はなく、図5を用いて後述する所定範囲(たとえば
18〜20mm)の弦間隔の下限値(18mm)から上
限値(20mm)までの値であれば、いずれの値を採用
してもよい。
【0024】ボトム・ケース2bは、ピックアップコイ
ル10a〜10fを前記トップ・ケース2aの上面に沿
って配設するための、たとえば樹脂によって形成された
湾曲部2b1と、弦振動ピックアップ装置1を弦楽器側
に固定された台座プレート(図示せず)に取り付けるた
めの2つの取り付け片2b2および2b3とを有してい
る。湾曲部2b1の上面は、トップ・ケース2aの上面
と同一の湾曲形状を成し、取り付け片2b2および2b
3には、上記台座プレートに弦振動ピックアップ装置1
を取り付ける際の位置決め孔2b21および2b31が
設けられている。
【0025】ピックアップコイル10a〜10fは、ボ
トム・ケース2bの湾曲部2b1の上面と同一形状を成
すピックアップ基板20に取り付けられ、該基板20
は、前記ボトム・ケース2b内の湾曲部2b1の上面上
に配設されている。そして、基板20には、ピックアッ
プコイル10a〜10fからそれぞれ検出された弦振動
を、図6を用いて後述するコントローラ部110に供給
するケーブル30が接続されている。該ケーブル30
は、トップ・ケース2aの側面に形成されたケーブル貫
通孔4を介して外部に導出されている。
【0026】このように、ピックアップ基板20に取り
付けられたピックアップコイル10a〜10fは、トッ
プ・ケース2aとボトム・ケース2bとにより狭着さ
れ、ピックアップコイル10a〜10fの各1対のヨー
ク10a1〜10f1の上端部は、前記トップ・ケース
2aの対応する孔3a〜3fを貫通している。
【0027】図2〜4は、それぞれ、弦の本数が4本〜
6本の各種ベースの弦の配置面の湾曲形状と本実施の形
態の弦振動ピックアップ装置1のトップ・ケース2aの
湾曲形状との差異を説明するための図であり、図2に
は、4弦ベースの主要なもの7種類が図示され、図3に
は、5弦ベースの主要なもの2種類が図示され、図4に
は、6弦ベースの主要なもの3種類が図示されている。
【0028】各図中、縦軸は、所定位置のフレット(図
示せず)の上面に接する面からの高さを示し、黒点は弦
を示し、最も右側のものが第1弦である。また、実線は
本実施の形態の弦振動ピックアップ装置1の上面(以
下、「ピックアップ面」という)の湾曲形状を示し、こ
のピックアップ面の湾曲形状と弦の配置面、すなわち各
弦が位置する平面の湾曲形状との差が一目で分かるよう
に、ピックアップ面を当該複数個の弦のうち最も左側の
ものに一致するように描いている。すなわち、実際の弦
振動ピックアップ装置1の取り付け位置は、上記ピック
アップ面が図示位置より所定距離(たとえば、0.5〜
1.0mm程度)下方にずれた位置である。
【0029】前述したように、湾曲部2a1の湾曲形状
は、4弦ベースの弦の配置面の湾曲形状に略合致するよ
うに決定されている(本発明の第1の特徴のうち前
者)。このため、図2に示すように、弦振動ピックアッ
プ装置1のピックアップ面の湾曲形状と弦の配置面の湾
曲形状とは略同一形状を成している。換言すれば、湾曲
部2a1の湾曲形状は、主要な4弦ベースの弦の配置面
の湾曲形状に略合致するように決定されている。しか
し、湾曲部2a1の湾曲形状と4弦ベースの弦の配置面
の湾曲形状とは、完全には一致していない。
【0030】同図に示すように、弦振動ピックアップ装
置1のピックアップ面と弦とが最も離れているベース
は、(d)の4弦ベースであり、その第2または3弦と
ピックアップ面とは1.0mm程度離れている。弦振動
ピックアップ装置1を実際に設置するときには、前述し
たように、弦振動を正確に検出するために、各弦と弦振
動ピックアップ装置1のピックアップ面との距離を0.
5〜2.0mmの範囲内に収まるようにしている。
【0031】したがって、上記図2(d)の4弦ベース
のように、弦と弦振動ピックアップ装置1のピックアッ
プ面との距離が最大1.0mm程度であれば、最も左の
弦とピックアップ面との距離を、たとえば0.5mmに
した場合には、ピックアップ面と最も離れている弦との
距離は1.5mm程度になるため、すべてのピックアッ
プコイル10a〜10fは、各弦の弦振動を正確に検出
することができる。
【0032】次に、湾曲部2a1と湾曲部2a2および
2a3との間に段差Sを設けた根拠を、図5(b)を参
照して説明する。
【0033】図5(b)は、4弦ベースの弦の配置面の
湾曲形状と6弦ベースの弦の配置面の湾曲形状との一般
的な特徴の相違を示す図であり、同図に示すように、1
点鎖線で示した6弦ベースの弦の配置面の湾曲形状は、
2点鎖線で示した4弦ベースの弦の配置面の湾曲形状よ
り緩やかである。
【0034】本実施の形態の弦振動ピックアップ装置1
のピックアップ面は、この4弦ベースおよび6弦ベース
間の弦の配置面の湾曲形状の特徴の差を考慮して形成さ
れている。すなわち、ピックアップ面を前記トップ・ケ
ース2aの湾曲部2a1のみで形成したとき、換言すれ
ば、ピックアップ面を4弦ベースの弦の湾曲形状のみに
応じて形成したときには、本実施の形態の弦振動ピック
アップ装置1を6弦ベースに適用した場合に、第1およ
び6弦とピックアップ面との距離(クリアランス)が当
該弦の弦振動を正確に検出可能な限界値(本実施の形態
では、2.0mm)を超えてしまう。このため、前述し
たように、本実施の形態では、ピックアップ面を3つの
湾曲部2a1〜2a3によって構成し、湾曲部2a1と
湾曲部2a2および2a3との間に段差Sを設け、後者
湾曲部2a2および2a3とピックアップ面との距離を
上記限界値以下にしている。
【0035】以上説明した本発明の第1の特徴により、
図2〜5に示すように、弦の本数が異なる各種ベース
に、本実施の形態の弦振動ピックアップ装置1を取り付
けたときにも、そのピックアップ面の湾曲形状と当該ベ
ースの弦の配置面の湾曲形状とは略合致し、したがっ
て、本実施の形態の弦振動ピックアップ装置1は、各弦
の弦振動を精度よく検出することができる。
【0036】なお、本実施の形態では、上述のように、
湾曲部2a1と湾曲部2a2および2a3との間に段差
Sを設けるようにしたが、これに限らず、図7に示すよ
うに、端部2a2′(図示しないが、端部2a3も同
様)を平面状に形成してもよい。要は、湾曲部2a1の
湾曲面に対して、その外側のピックアップ面がより弦側
にあればよく、したがって、この条件を満足するような
ピックアップ面であれば、図7に示す形状でなくてもよ
い。
【0037】次に、ピックアップコイル10a〜10f
の各ヨーク10a1〜10f1の上端部の幅方向の長さ
(ピックアップ幅)の決定根拠を、図5(a)を参照し
て説明する。
【0038】図5(a)は、弦間隔の異なる2種類のベ
ースの弦幅の中心CLを一致させるとともに、該ベース
に弦振動ピックアップ装置1を取り付けたときに、弦振
動ピックアップ装置1の各ピックアップコイル10a〜
10fの幅方向の中心と対応する各弦とのずれを示す図
である。同図には、弦間隔が、たとえば18mmおよび
20mmである2種類の6弦ベースの弦が記載されてい
る。
【0039】このように、18mmおよび20mmの2
種類の6弦ベースを例に挙げたのは、現在市販されてい
る大部分のベースの弦間隔は18〜20mmの範囲内に
あり、その弦本数は最大6本であるため、弦間隔および
弦本数が限界値であるベースに弦振動ピックアップ装置
1を取り付けたときに、各ピックアップコイル10a〜
10fがその対応する弦の弦振動を精度よく検出できる
だけのピックアップ幅を決定すれば十分であるからであ
る。
【0040】同図に示すように、弦間隔が20mmのベ
ースにおいて、中心CLに最も近い弦、すなわち第3ま
たは第4弦とピックアップコイル10d,10cの各ヨ
ーク10d1,10f1の上端部の幅方向の中心との外
側方向へのずれ幅は0.75mmであり、外側に行くに
従って、各弦とのずれ幅は、2.25mm,3.75m
mと増大する。一方、弦間隔が18mmのベースでは、
中心CLに最も近い弦とその対応するピックアップコイ
ル10d,10cの各ヨーク10d1,10f1の上端
部の幅方向の中心との内側方向へのずれ幅は0.25m
mであり、外側に行くに従って、各弦とのずれ幅は、
0.75mm,1.25mmと増大する。すなわち、ヨ
ークの上端部の幅方向の中心とその対応する弦との最大
ずれ幅は、外側方向に3.75mmであり、内側方向に
1.25mmであり(同図(b)のヨーク10fと同図
(a)の対応する第6弦参照)、したがって、ピックア
ップ幅は、この弦間隔の相違により、少なくとも5.0
mm(=3.75+1.25)必要になる。そして、各
弦の太さは0.5mm〜3.0mmの範囲であり、第6
弦は各弦中最も太いため、その上限値3.0mmを採
り、さらに、たとえばビブラートやチョーキング等の特
殊な演奏を行ったときの最大揺れ幅(たとえば、4mm
程度)を考慮すると、図5(c)に示すように、各ヨー
ク10a1〜10f1のピックアップ幅は、12mm
(=5.0+3.0+4.0)程度にすればよいことに
なる。
【0041】なお、弦の本数が6本より少ないベース、
たとえば4弦または5弦ベース(これらのベースも通常
その弦間隔は上記範囲内である)に、本実施の形態の弦
振動ピックアップ装置1を取り付けたときには、ヨーク
の上端部の幅方向の中心と対応する弦との最大ずれ幅
は、6弦ベースにおける最大ずれ幅より短いため、該弦
振動ピックアップ装置1は、各弦の弦振動を十分な精
度、すなわち弦振動ピックアップ装置1を6弦ベースに
取り付けたときの精度以上の精度で検出することができ
る。
【0042】このように、各ピックアップコイル10a
〜10fの設置間隔およびヨーク10a1〜10f1の
ピックアップ幅は、相互に影響を及ぼすため、この影響
を考慮しながら、その設置間隔および長さを決定する必
要がある。
【0043】図6は、以上のように構成された本実施の
形態の弦振動ピックアップ装置1を4弦ベース100に
適用した適用例を示す図である。
【0044】同図に示すように、弦振動ピックアップ装
置1は、4弦ベース100のブリッジ101近傍に固定
された、前記台座プレートを有するステー40に着脱可
能であり、弦振動ピックアップ装置1の高さは、ステー
40側で調整するように構成されている。
【0045】弦振動ピックアップ装置1の出力側は、前
記ケーブル30を介して、検出された弦振動の振幅(音
量)を変更したりする等の各種制御を行うためのコント
ローラ部110に接続され、該コントローラ部110の
出力側には、コントローラ部110から出力された弦振
動のピッチを検出して、対応するMIDIデータに変換
するMIDIコンバータ120の入力側に接続され、M
IDIコンバータ120の出力側は、出力されたMID
Iデータに応じて楽音を生成する音源装置(図示せず)
に接続されている。
【0046】弦振動ピックアップ装置1により検出され
た各弦の弦振動(電気信号)は、コントローラ部110
によりその振幅が調整されて、MIDIコンバータ12
0に入力される。MIDIコンバータ120は、入力さ
れた弦振動のピッチを検出して、当該ピッチおよび現在
選択されている音色番号を示すMIDIデータを生成
(変換)して、前記音源装置に出力する。音源装置で
は、このMIDIデータに応じて楽音信号が生成され、
該楽音信号は、たとえばアンプやスピーカ等から成るサ
ウンドシステムを介して音響に変換される。
【0047】以上説明したように、本実施の形態では、
4弦ベースおよび6弦ベース間の弦の配置面の湾曲形状
の特徴の差に応じてピックアップ面の湾曲形状を決定す
るとともに、弦間隔が異なるベースに弦振動ピックアッ
プ装置1を適用したときにも、各弦の振動を精度よく検
出することができるように各ピックアップコイル10a
〜10fの設置間隔(幅方向の中心間の距離)およびそ
の各ヨーク10a1〜10f1のピックアップ幅を決定
したので、4〜6弦ベースのすべてのベースの各弦の弦
振動を精度よく検出することができる。
【0048】なお、本実施の形態では、弦振動ピックア
ップ装置1を設置する弦楽器としてエレクトリックベー
スを例に挙げて説明したが、これに限らないことは云う
までもない。
【0049】また、本実施の形態では、弦の本数が4〜
6本である弦楽器を例に挙げて説明したが、本発明はこ
の範囲外の弦の本数の弦楽器にも適用することができ
る。ただし、7本以上の弦楽器に適用するときには、ピ
ックアップコイル10a〜10fの個数を変更する必要
がある。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明に依れば、弦の本数が所定範囲内にあり、かつ弦間隔
が所定範囲内にある弦楽器の各弦の振動をそれぞれ検出
して電気信号に変換するピックアップ部を前記所定範囲
の最大本数に対応する個数備えた弦振動ピックアップ装
置であって、前記各ピックアップ部は、当該隣接するピ
ックアップ部の幅方向の中心間の距離が前記弦間隔の所
定範囲内の値になるように配設され、該各ピックアップ
部のピックアップ幅は、当該弦振動ピックアップ装置が
取り付けられる弦楽器の弦の本数が前記所定範囲内のい
ずれの本数であっても、該各ピックアップ部が配置され
る平面領域内にその対応する弦が収まるように設定され
るので、弦の本数が前記所定範囲内にあり、かつ弦間隔
が所定範囲内にある弦楽器に当該弦振動ピックアップ装
置を取り付けたときには、前記各ピックアップ部のピッ
クアップ幅内にその対応する弦がすべて収まるため、該
各弦の弦振動を精度よく検出することが可能となる効果
を奏する。
【0051】また、請求項2記載の発明に依れば、前記
複数のピックアップ部のうち所定位置のピックアップ部
の内側の端部を該ピックアップ部の内側に隣接するピッ
クアップ部の外側の端部より高い位置に配設するので、
弦の本数が所定本数より多くなるにつれて弦の配置面の
湾曲形状がより緩やかになるという特性を有する弦楽器
のすべての弦の弦振動をより精度よく検出することがで
きる。
【0052】さらに、請求項3記載の発明に依れば、前
記複数のピックアップ部のうち所定位置のピックアップ
部より内側のピックアップ部のピックアップ配置面の湾
曲形状に対し、該ピックアップ部より外側のピックアッ
プ部のピックアップ配置面の湾曲形状をより緩く形成し
たので、上記請求項2記載の発明と同様の効果を得るこ
とができる。
【0053】また、請求項4記載の発明に依れば、弦の
本数が所定範囲内にあり、かつ弦間隔が所定範囲内にあ
る弦楽器の各弦の振動をそれぞれ検出して電気信号に変
換するピックアップ部を前記所定範囲の最大本数に対応
する個数備えた弦振動ピックアップ装置であって、所定
位置のピックアップ部の内側の端部を該ピックアップ部
の内側に隣接するピックアップ部の外側の端部より高い
位置に配設するので、弦の本数が所定本数より多くなる
と弦の配置面の湾曲形状がより緩やかになるという特性
を有する弦楽器のすべての弦の弦振動を精度よく検出す
ることができる。
【0054】さらに、請求項5記載の発明に依れば、弦
の本数が所定範囲内にあり、かつ弦間隔が所定範囲内に
ある弦楽器の各弦の振動をそれぞれ検出して電気信号に
変換するピックアップ部を前記所定範囲の最大本数に対
応する個数備えた弦振動ピックアップ装置であって、前
記複数のピックアップ部のうち所定位置のピックアップ
部より内側のピックアップ部のピックアップ配置面の湾
曲形状に対し、該ピックアップ部より外側のピックアッ
プ部のピックアップ配置面の湾曲形状をより緩く形成し
たので、上記請求項4記載の発明と同様の効果を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る弦振動ピックアッ
プ装置の構成を示す図である。
【図2】弦の本数が4本の主要ベースの弦の配置面の湾
曲形状と図1のの弦振動ピックアップ装置のトップ・ケ
ースの湾曲形状との差異を説明するための図である。
【図3】弦の本数が5本の主要ベースの弦の配置面の湾
曲形状と図1のの弦振動ピックアップ装置のトップ・ケ
ースの湾曲形状との差異を説明するための図である。
【図4】弦の本数が6本の主要ベースの弦の配置面の湾
曲形状と図1のの弦振動ピックアップ装置のトップ・ケ
ースの湾曲形状との差異を説明するための図である。
【図5】弦間隔の異なる2種類のベースの中心を一致さ
せるとともに、該ベースに図1の弦振動ピックアップ装
置を設置したときに、弦振動ピックアップ装置の各ピッ
クアップコイルの幅方向の中心と対応する各弦とのず
れ、および4弦ベースの弦の配置面の湾曲形状と6弦ベ
ースの弦の配置面の湾曲形状との一般的な特徴の相違を
示す図である。
【図6】図1の弦振動ピックアップ装置を4弦ベースに
適用した適用例を示す図である。
【図7】弦振動ピックアップ装置の他の実施の形態を示
す図であり、図1(c)に対応するものである。
【符号の説明】
1 弦振動ピックアップ装置 10a〜10f ピックアップコイル(ピックアップ
部) 100 エレクトリックベース(弦楽器)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弦の本数が所定範囲内にあり、かつ弦間
    隔が所定範囲内にある弦楽器の各弦の振動をそれぞれ検
    出して電気信号に変換するピックアップ部を前記所定範
    囲の最大本数に対応する個数備えた弦振動ピックアップ
    装置であって、 前記各ピックアップ部は、当該隣接するピックアップ部
    の幅方向の中心間の距離が前記弦間隔の所定範囲内の値
    になるように配設され、 該各ピックアップ部のピックアップ幅は、当該弦振動ピ
    ックアップ装置が取り付けられる弦楽器の弦の本数が前
    記所定範囲内のいずれの本数であっても、該各ピックア
    ップ部が配置される平面領域内にその対応する弦が収ま
    るように設定されたことを特徴とする弦振動ピックアッ
    プ装置。
  2. 【請求項2】 前記複数のピックアップ部のうち所定位
    置のピックアップ部の内側の端部を該ピックアップ部の
    内側に隣接するピックアップ部の外側の端部より高い位
    置に配設することを特徴とする請求項1記載の弦振動ピ
    ックアップ装置。
  3. 【請求項3】 前記複数のピックアップ部のうち所定位
    置のピックアップ部より内側のピックアップ部のピック
    アップ配置面の湾曲形状に対し、該ピックアップ部より
    外側のピックアップ部のピックアップ配置面の湾曲形状
    をより緩く形成したことを特徴とする請求項1記載の弦
    振動ピックアップ装置。
  4. 【請求項4】 弦の本数が所定範囲内にあり、かつ弦間
    隔が所定範囲内にある弦楽器の各弦の振動をそれぞれ検
    出して電気信号に変換するピックアップ部を前記所定範
    囲の最大本数に対応する個数備えた弦振動ピックアップ
    装置であって、 所定位置のピックアップ部の内側の端部を該ピックアッ
    プ部の内側に隣接するピックアップ部の外側の端部より
    高い位置に配設することを特徴とする弦振動ピックアッ
    プ装置。
  5. 【請求項5】 弦の本数が所定範囲内にあり、かつ弦間
    隔が所定範囲内にある弦楽器の各弦の振動をそれぞれ検
    出して電気信号に変換するピックアップ部を前記所定範
    囲の最大本数に対応する個数備えた弦振動ピックアップ
    装置であって、 前記複数のピックアップ部のうち所定位置のピックアッ
    プ部より内側のピックアップ部のピックアップ配置面の
    湾曲形状に対し、該ピックアップ部より外側のピックア
    ップ部のピックアップ配置面の湾曲形状をより緩く形成
    したことを特徴とする弦振動ピックアップ装置。
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