JP3302315B2 - ディジタル位置制御システムを適用したディスク記憶装置 - Google Patents

ディジタル位置制御システムを適用したディスク記憶装置

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JP3302315B2
JP3302315B2 JP36678597A JP36678597A JP3302315B2 JP 3302315 B2 JP3302315 B2 JP 3302315B2 JP 36678597 A JP36678597 A JP 36678597A JP 36678597 A JP36678597 A JP 36678597A JP 3302315 B2 JP3302315 B2 JP 3302315B2
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  • Control Of Position Or Direction (AREA)
  • Moving Of Head For Track Selection And Changing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばディスク記
憶装置のヘッド位置決め制御システムに適用するディジ
タル位置制御システムに関し、特にモデル追従制御と有
限整定制御とを組合わせたディジタル位置制御システム
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばハードディスクドライブ
(HDD)などのディスク記憶装置では、制御内容の複
雑化や高性能化の要求に伴って、近年ではマイクロコン
ピュータ(CPU)によるディジタル位置制御を適用し
て、ヘッド位置決め制御(サーボ制御)を行なうことが
一般的になりつつある。ディジタル位置制御では、制御
対象の状態を一定時間周期毎に観測し、プログラムで記
述された制御則を実行することにより、制御入力を制御
対象に加えるという処理が行われる。従って、高度な制
御則をプログラムの記述により実現することが可能であ
るため、高精度のヘッド位置決め制御システムを設計す
ることができる。
【0003】ところで、ディジタル位置制御に適用する
最適制御方式として、有限整定制御(finite t
ime settling controlまたはde
adbeat control)と呼ばれる方式があ
る。この有限整定制御とは、有限時間により状態(例え
ば制御対象の初期位置)を目標値に収束する方式であ
る。具体的には、各サンプリング毎に制御入力を所定回
数だけ切換えて、その一連の制御入力を加えた後には初
期状態から目標状態に到達するように有限時間整定を行
なう制御である。ここで、所定回数は、初期状態と目標
状態とから算出されて、制御対象の次数と等しい回数を
意味する。
【0004】有限整定制御における制御入力は、以下の
ような計算により求めれる。
【0005】まず、初期状態(状態ベクトル)xと目標
状態(目標値)rとから制御対象の次数と等しいn個の
制御入力(入力ベクトル)u(1) ,…,u(n) を各サン
プリング毎に順に出力するものとする。
【0006】ここで、制御対象の状態方程式を下記式
(1)のように、
【0007】
【数1】 と設定することができる。初期状態xからnサンプル後
に目標値rに到達するには、次式(2)のように、
【0008】
【数2】 となる。従って、制御入力u(1) ,…,u(n) は下記式
(3)のように与えられる。
【0009】
【数3】 ここで、kは時刻、A,Bは行列である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、HD
Dのヘッド位置決め制御システムに、有限整定制御方式
のディジタル位置制御を適用することが可能である。し
かしながら、有限整定制御は入力値の不連続な切り替え
を伴って、短時間に大きく変動するため、制御対象の高
次モードの振動を励起しやすい特性を有する。このた
め、有限整定制御をヘッド位置決め制御などの実際の制
御システム(実制御系と呼ぶ場合がある)に適用した場
合に、有限整定入力中では制御対象の状態を観測する制
御を実行しない理由により、高次モードの影響や外乱に
対して弱く実用的ではない。
【0011】また、初期状態の観測値と真値とに誤差が
あると、目標状態への到達誤差が発生する。特に、不可
観測な状態量を有する制御対象では、オブザーバを利用
しても任意の時刻での全ての状態量を正確に得ることは
できないので、必然的に誤差が発生する。
【0012】そこで、本発明の目的は、ヘッド位置決め
制御システムに適用するディジタル位置制御システムに
おいて、有限整定制御を直接に実制御系に適用すること
なく、モデル追従制御の入力として有限整定制御を適用
することにより、高速でかつ外乱に強いディジタル位置
制御システムを提供することにある。具体的には、HD
Dなどのディスク記憶装置のシーク制御に適用するディ
ジタル位置制御システムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、モデル追従制
御方式と有限整定制御方式とを組合わせたディジタル位
置制御システムであり、規範入力値に基づいたモデルか
らの応答に追従して、制御対象を目標位置に位置決め制
御するための補正値を算出するモデル追従制御手段と、
当該モデル追従制御手段への規範入力値を有限整定制御
方式により算出するための有限整定入力生成手段とを有
するシステムである。
【0014】具体的には、本発明のシステムは、HDD
などのディスク記憶装置のヘッド位置決め制御システム
に適用するものであり、特にヘッドのシーク制御時に有
効である。ここで、モデルとは、制御対象の動特性であ
る例えばヘッドの移動特性を運動方程式などの数式に表
現したものであり、全ての状態量を利用できるものを想
定する。モデル追従制御手段は、状態変化量(具体的に
はヘッドの目標位置までのシーク距離)に従った規範入
力のモデルからの応答を規範軌道として、制御対象が当
該規範軌道に追従するような補正値を算出する追従制御
手段を有する。このようなモデル追従制御方式のディジ
タル位置制御システムにおいて、モデル追従制御手段の
規範入力値を有限整定制御方式の有限整定入力生成手段
により生成する。従って、有限整定制御を実制御系に直
接適用した方式と比較して、有限整定制御をモデル追従
制御のモデルの入力として利用することにより、有限整
定入力中でも制御対象の状態を観測しながらの位置制御
が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を説明する。
【0016】図1は本実施形態のディジタル位置制御シ
ステムの基本的構成を示すブロック図であり、図2は本
実施形態に関係するHDDの要部を示すブロック図であ
る。 (システム構成)本システムは、図1に示すように、モ
デル追従制御系を構成する追従制御部23およびモデル
26、さらに当該モデル追従制御系の規範入力部として
有限整定入力生成部24を有する。モデル26は、制御
対象25の動特性を運動方程式などの数式に表現したも
のであり、全ての状態量を利用できるものを想定する。
制御対象は後述するように、具体的にはHDDのヘッド
である。従って、制御対象の動特性はシーク動作におけ
るヘッドの移動特性に相当する。
【0017】追従制御部23は、規範入力RIに対する
モデル26からの応答(モデル位置MP)を規範軌道と
して、制御対象25が当該規範軌道に追従するような補
正入力EIを算出する。具体的には、補正入力EIはモ
デル位置MPと制御対象25の位置(ヘッド位置)CP
との誤差を解消するように、制御対象25を制御(シー
ク制御)させるための補正値である。有限整定入力生成
部24は、目標位置21と初期位置22とから状態変化
量(即ち、ヘッドの目標位置までのシーク距離)SDに
従った規範入力RIを算出する。 (HDDの構成)本実施形態は、ディジタル位置制御シ
ステムをHDDのヘッド位置決め制御システム(サーボ
システム)に適用した場合を想定する。HDDは、図2
に示すように、データ記憶媒体であるディスク(磁気デ
ィスク)1、ヘッド(磁気ヘッド)2、ヘッドアクチュ
エータを構成するアーム4とボイスコイルモータ(VC
M)5、および制御回路群8〜12を有する。
【0018】ヘッド2は、アーム4に搭載されて、ディ
スク1の両面の各データ面に対応して設けられており、
データ面に対してデータのリード/ライトを実行する。
ヘッド2は、VCM5の駆動力によりディスク1の半径
方向に移動する。VCM5は、後述するCPU11の制
御によりVCMドライバ7から駆動電流を供給される。
【0019】ディスク1は、1枚また複数枚がスピンド
ルモータ(SPM)3に取り付けられて高速回転する。
ディスク1の両面には、同心円状の多数のトラックが形
成されている。各トラックには、予めサーボデータ(位
置情報)が記録されている複数のサーボ領域101が等
間隔で配置されている。これらのサーボ領域101は、
ディスク1上では中心から各トラックを渡って放射状に
配置されている。サーボ領域101間はデータ領域(ユ
ーザデータ領域)102であり、当該データ領域102
は単数または複数のデータセクタが設定される。1つの
サーボ領域101とそれに続く1つのデータ領域102
は、固有の番号(サーボセクタ番号)が割り当てられた
サーボセクタ100を構成する。
【0020】サーボデータには、前記サーボセクタ番号
以外に、トラックアドレス(シリンダ番号)およびサー
ボバ−ストデータが含まれている。トラックアドレスは
各トラックの識別コードであり、ヘッド2のトラック位
置を認識するために使用される。サーボバ−ストデータ
は、トラックの範囲内におけるヘッド2の位置誤差(ト
ラック中心または隣接トラック境界を基準とする)を検
出するためのアナログ振幅信号パターンである。
【0021】SPM3は、通常ではVCMドライバ7と
共に集積化されているSPMドライバ6から駆動電流が
供給される。VCMドライバ7は、VCM5の駆動用の
制御制御量(駆動電流値)を、CPU11の制御処理
(本実施形態のディジタル位置制御処理)により設定さ
れる。
【0022】ヘッド2は図示せぬヘッドアンプを介して
リードチャネル8と接続されている。リードチャネル8
は、ディスク1からヘッド2により読出されたリード信
号(サーボデータまたはユーザデータ)を入力して、各
種の信号処理によりサーボデータまたはユーザデータを
抽出して再生する。
【0023】制御回路群8〜12はリードチャネル8以
外に、アドレスデコーダ9、A/Dコンバータ10、C
PU11、およびROM12を有する。アドレスデコー
ダ9及びA/Dコンバータ10は、ヘッド2の位置情報
を生成するための位置検出回路14を構成する要素であ
る。アドレスデコーダ9は、リードチャネル8により抽
出されたサーボデータからサーボセクタ番号とトラック
アドレスをデコードしてCPU11に出力する。A/D
コンバータ10は、サーボデータからサーボバ−ストデ
ータ(アナログの位置誤差信号)を例えば8ビットのデ
ィジタル値に変換してCPU11に出力する。CPU1
1は位置誤差演算を実行して、トラックアドレスにより
検出された当該トラックの範囲内のヘッド2の位置を検
出する。この位置とは、いわば1トラック範囲内のサブ
トラック単位での位置を意味する。サブトラックは、1
つのトラックをディスク1の半径方向に一定間隔で例え
ば512に分割した同心円状の各分割領域に相当する。
【0024】CPU(マイクロプロセッサ)11及びR
OM12は、HDDにおけるヘッド位置決め制御などの
制御処理を実行するためのコントローラ13を構成す
る。ROM12はCPU11の制御プログラムを格納し
ている。コントローラ13は、後述するディジタル位置
制御システムを構成する(図1を参照)。即ち、コント
ローラ13は、アドレスデコーダ9から入力されるトラ
ックアドレスによりトラック位置を算出し、A/Dコン
バータ10から入力されるディジタル値により当該トラ
ック範囲の位置を算出する。コントローラ13は、算出
したヘッド2の位置に基づいて、目標位置(アクセス対
象のデータセクタを含む目標トラック)に位置決めする
ためのヘッド位置決め制御を実行する。
【0025】なお、図2では、HDDとホストコンピュ
ータとのインターフェースを構成し、HDDとホストコ
ンピュータとの間のデータ転送を行なうディスクコント
ローラ(HDC)などの構成要素は省略されている。
【0026】ここで、ディスク1はSPM3により一定
の角速度で回転運動している。現在のヘッド位置は、デ
ィスク1の回転角に同期して、各サーボセクタ100の
先頭のサーボ領域101から得られる。そこで、コント
ローラ13は、一定時間間隔で制御対象(具体的にはヘ
ッド2を駆動するVCMドライバ7)への制御入力を決
定するディジタル位置制御システムを実現している。な
お、VCMドライバ7に与えられる制御入力の最大値
は、機械的および電気的な制限から駆動回路により予め
設定されている。
【0027】HDDのヘッド位置決め制御は、ヘッド2
を現在のトラック位置から目標位置(目標トラック)ま
で移動させるためのシーク制御と、目標トラックの範囲
内に位置を維持するオントラック制御(位置整定または
トラック追従制御)とに大別される。本実施形態は、シ
ーク制御に適用するディジタル位置制御を想定してい
る。 (ディジタル位置制御システムの具体的構成)図3は本
実施形態のシステムを、図2に示すHDDのコントロー
ラ13に適用した場合に、規範入力テーブル32および
規範軌道テーブル33を設けた具体的構成を示すブロッ
ク図である。さらに、図4は規範入力テーブル32およ
び規範軌道テーブル33を生成するための構成を示すブ
ロック図である。
【0028】図3に示すシステムは、規範入力と規範軌
道を予めシミュレーションなどの計算処理により算出
し、これらの算出結果を規範入力テーブル32および規
範軌道テーブル33の形式で用意する。具体的には、コ
ントローラ13の中のROM12に規範入力テーブル3
2および規範軌道テーブル33を格納し、コントローラ
13はシーク制御の実行時に、サンプリングカウンタ3
1によるサンプル数のカウントに応じて順次参照する。
サンプリングカウンタ31は、シーク動作の開始から所
定のサンプリングパルスをカウントする。シーク距離補
正部34は、任意のシーク距離に対応するように、各テ
ーブル32,33の値を距離に応じて換算する要素であ
る。ここで、目標位置21との誤差であるモデル位置M
Pは、遅れ時間(後述する)を考慮した値である。この
ような具体的構成のシステムをコントローラ13にセッ
トすることにより、規範入力テーブル32および規範軌
道テーブル33から予め計算された値を参照できるた
め、図1に示す基本的構成と比較して、CPU11の計
算処理時間を短縮化できる実際的な効果がある。
【0029】次に、規範入力テーブル32および規範軌
道テーブル33は、図4に示すような構成により生成さ
れる。即ち、有限整定入力生成部24は、複数の特定の
シーク距離41に関して有限整定入力値(規範入力値)
を算出し、規範入力テーブル32の各テーブル値として
設定する。一方、規範軌道テーブル33には、算出され
た規範入力値に応じたモデル26の位置を遅れ時間を考
慮して計算されたモデル位置が設定される。 (有限整定入力生成部の生成処理)以下数式(4)から
数式(9)を参照して、有限整定入力生成部24の有限
整定入力値(規範入力値)の算出方法を説明する。
【0030】今狩りに、ヘッド位置をP、入力をu、ゲ
インをkとすると、制御対象の運動方程式は、下記式
(4)のように表される。
【0031】
【数4】 即ち、Pの2回微分が「ku」となる。これをサンプリ
ング時間Tで離散化したものがモデルになる。このモデ
ルの状態方程式を下記式(5)に示す。
【0032】
【数5】 但し、前記式(5)は下記式(6)に示すように、
【0033】
【数6】 とする。このモデルは次数が2なので、有限制定入力u
(1),u(2)は、
【0034】
【数7】 となる。規範軌道作成の際にはシーク距離をl(エル)
とすると、シーク開始、終了時点で速度が0になるの
で、
【0035】
【数8】 となる。なお、ディジタル位置制御系のサンプリング時
間と有限整定入力の継続時間は一致する必要はなく、複
数サンプルに渡ってーつの入力が続く場合も考えられ
る。入力継続サンプル数をnとすると、入力値はそれぞ
れ、
【0036】
【数9】 となる。このようにシーク距離とゲイン、入力の継続時
間のみで有限整定入力の大きさが決められる。なお、制
御入力の大きさに制限があったり、切り替わりの大きな
変動を避ける必要がある場合、またはシーク距離が大幅
に変動する場合には、複数の規範入力テーブルおよび規
範軌道テーブルを切り替える方法が考えられる。 (遅れ時間の算出方法)前述したように、ディジタル位
置制御システムを実際にコントローラ13にセットした
場合に、CPU11による計算遅れ時間が影響する。こ
の計算遅れ時間に関して、図5を参照して説明する。
【0037】図5に示すように、システムの追従制御部
23への観測p(t)および観測p(t+T)の入力か
ら制御入力(EI)の生成まで、ROM12内に格納さ
れているプログラムに基づいて、CPU11は一連の処
理を実行するため、一定の時間を要する。即ち、時刻t
で観測された状態に基づいて生成される制御入力は、観
測時点から計算時間d後の時点t+dに出力されるた
め、それをモデルの計算にも反映させる必要がある。
【0038】いま仮に、各サンプル点で観測される制御
対象の出力をp(t)、制御入力発生までの計算時間を
d、その時の制御入力値をu(t+d)、モデルの出力
をm(t+d)とする。
【0039】モデルの出力値は、前記式(5)で示す状
態方程式により、観測時点からdだけ遅れて、時問Tご
とに更新される。補正入力は観測値p(t+T)とモデ
ルの出力値m(t+T)とから得られるため、モデルの
更新間隔[(t+n)*(T+d)]とは異なる途中の
値を計算しなければならない。図5に示すように、入力
発生時点(t+d)から次の観測時点(t+T)までは
時間(T−d)であり、その間の入力値はu(t+d)
に保たれるので、下記式(10)に示すように計算され
る。
【0040】
【数10】 但し、Ad,Bdは運動方程式をサンプリング時間(T
−d)で離散化したものであり、下記式(11)に示す
ように与えられる。
【0041】
【数11】 (規範入力及び規範軌道の算出方法)図6と図7は本実
施形態の規範入力テーブル32及び規範軌道テーブル3
3を作成するときの算出方法の一例を示すフローチャー
トである。
【0042】ここでは、HDDのシーク制御に適用した
場合のシミュレーションを実行して、結果として規範入
力テーブル32及び規範軌道テーブル33を生成する処
理を示す。シミュレーションの内部変数には、各サンプ
ルの出力時点での状態量を保持するベクトル量x,サン
プル点での時刻を表す整数iがある。また、テーブルの
長さを規定するパラメータMから、規範入力及び規範軌
道の各テーブル値を格納する配列Ur(i):i=
1..Mとdr(i):i=1..Mとが確保されてい
る。
【0043】以下具体的な処理ステップについて説明す
ると、まずシミュレーションの内部変数の初期化処理を
実行する(ステップS1,S3)。設定されるシーク距
離と有限整定入力の継続時間とから、有限整定入力値を
算出する(ステップS2)。次に、各サンプル時点での
入力値を選択する(ステップS4〜S8)。
【0044】さらに、図7に示す処理ステップに移行し
て、計算遅れ時間に伴う観測時点での各サンプルの位置
を算出する(ステップS9)。そして、各サンプルの状
態量xを算出し、時刻iを更新する(ステップS10,
S11)。このような処理をテーブル長M分の軌道が得
られるまで繰り返す(ステップS12)。そして、規範
入力及び規範軌道の各値をテーブル化して保存すること
により、シミュレーションの終了となる(ステップS1
3)。
【0045】このように生成された規範入力及び規範軌
道の各テーブル32,33は、コントローラ13のRO
M12に格納される。CPU11はシーク制御の実行時
に、シーク動作の時間経過に伴って順に各テーブル3
2,33を参照する。ここで、シーク動作における全て
のシーク距離に対応するテーブル32,33を生成して
保存することは不可能であるため、前述したように、特
定のシーク距離に対応するテーブル32,33を生成す
る(図4を参照)。実際のシーク動作では、CPU11
は、シーク距離補正部34によりシーク動作における実
際の移動距離に応じて各テーブル32,33のテーブル
値を換算している(図3を参照)。この換算方法は、下
記式(12)及び式(13)に示すように、各シーク距
離の比例倍としている。
【0046】
【数12】
【0047】
【数13】 (本実施形態のモデル追従制御処理)図8と図9は、本
実施形態のモデル追従制御をHDDのシーク制御に適用
した場合の処理を説明するフローチャートである。
【0048】コントローラ13のCPU11は、シーク
動作の介し時点でサンプル点のカウンタiを初期化し、
シーク距離(現時点の位置から目標位置までのヘッド2
の移動距離)に応じて各テーブル32,33のテーブル
値を補正する(ステップS20,S21)。即ち、規範
軌道のテーブル補正値gは、前記式(12)から、「g
=実際のシーク距離/規範軌道のシーク距離」となる。
規範入力のテーブル補正値gについても、同様に前記式
(13)から算出する。
【0049】次に、CPU11はヘッド2の位置p
(i)を観測し、カウンタ値iがテーブル長M以下であ
れば値が存在するので、規範入力、規範軌道の各テーブ
ル32,33を参照する(ステップS22,S23のY
ES,S24)。カウンタ値iがテーブル長Mを越えた
場合には、規範入力及び規範軌道の各値を「0」に設定
する(ステップS23のNO,S25)。
【0050】さらに、図9に示す処理ステップに移行し
て、CPU11は目標位置rと距離補正済みの軌道テー
ブル値(g*dr(i))とからモデル位置m(i)を
算出する(ステップS26)。そして、CPU11は、
算出したモデル位置m(i)と観測したヘッド位置p
(i)とを比較して、補正入力値を算出する(ステップ
S27)。ここで、関数F(*)は内部状態を有する線
形な追従補償処理を示すすものである。CPU11は、
距離補正済みの入力テーブル値(g*Ur(i))と算
出した補正入力値とから、制御対象(ここではVCMド
ライバ7)への制御入力値(図3に示す誤差入力値EI
に相当)を算出する(ステップS28)。そして、カウ
ンタ値(i)をインクリメントした後に、ヘッド位置が
目標位置に到達するまで同様の処理を繰り返す(ステッ
プS29〜S30)。
【0051】以上のように本実施形態によれば、モデル
追従制御の入力として有限整定制御を適用したディジタ
ル位置制御システム(具体的にはHDDのシーク制御シ
ステム)を構成する場合に、予めシミュレーションによ
り、特定状態変化量(即ち、特定シーク距離)に応じた
規範入力および規範軌道の各テーブルを作成し、コント
ローラ13にセットする。これにより、コントローラ1
3のCPU11がシーク制御処理の実行時に、各テーブ
ルを参照することによりモデル計算に必要な規範入力お
よび規範軌道を得ることができるため、結果的にモデル
計算に要する処理時間の短縮化を図ることができる。さ
らに、各テーブルの状態変化量と実際の制御実行中に与
えられる目標変化量(シーク距離)とが異なる場合に、
各テーブル値を目標変化量に適した値に補正(換算)す
る機能を有することにより、各テーブルを利用する目標
変化量の範囲を拡大することが可能となる。また、制御
対象の観測から制御入力の生成までのCPUによる計算
遅れ時間を考慮することにより、実際の制御動作に適合
する規範軌道を生成することが可能となる。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、モ
デル追従制御方式と有限整定制御方式とを組合わせたデ
ィジタル位置制御システムにおいて、モデル追従制御の
規範入力として有限整定制御方式による有限整定入力を
生成し、モデルの応答である規範軌道に制御対象を追従
させるための補正入力を生成するシステムを提供するこ
とができる。従って、有限整定制御を実制御系に直接適
用した方式と比較して、有限整定制御をモデル追従制御
のモデルの入力として利用することにより、有限整定入
力中でも制御対象の状態を観測しながらの位置制御が可
能となり、結果的に高速でかつ外乱に強いディジタル位
置制御システムを実現することができる。特に、本発明
のシステムをHDDなどのディスク記憶装置のヘッド位
置決め制御システムに適用すれば、実際上のシーク制御
に適合したサーボシステムを構築することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に関係するディジタル位置制
御システムの基本的構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態に関係するHDDの要部を示すブロ
ック図。
【図3】本実施形態に関係するディジタル位置制御シス
テムの具体的構成を示すブロック図。
【図4】図3の規範入力テーブル及び規範軌道テーブル
を生成するための構成を示すブロック図。
【図5】本実施形態のシステムにおいて制御入力の算出
処理における遅れ時間を説明するための概念図。
【図6】本実施形態の規範入力テーブル32及び規範軌
道テーブル33を作成するときの算出方法の一例を示す
フローチャート。
【図7】本実施形態の規範入力テーブル32及び規範軌
道テーブル33を作成するときの算出方法の一例を示す
フローチャート。
【図8】本実施形態のモデル追従制御をHDDのシーク
制御に適用した場合の処理内容を説明するためのフロー
チャート。
【図9】本実施形態のモデル追従制御をHDDのシーク
制御に適用した場合の処理内容を説明するためのフロー
チャート。
【符号の説明】
1…ディスク 2…ヘッド(磁気ヘッド) 3…スピンドルモータ(SPM) 4…アーム 5…ボイスコイルモータ(VCM) 6…SPMドライバ 7…VCMドライバ 8…リードチャネル 9…アドレスデコーダ 10…A/Dコンバータ 11…CPU 12…ROM 13…コントローラ 23…追従制御部 24…有限整定入力生成部 25…制御対象 26…モデル 31…サンプリングカウンタ 32…規範入力テーブル 33…規範軌道テーブル 34…シーク距離補正部
フロントページの続き (56)参考文献 谷津正英、外1名,モデル追従制御に よるHDDのシーク方式,第74期通常総 会講演会論文集(▲IV▼),日本,社 団法人日本機械学会,1997年3月30日, P.410−411 西村行雄、外2名,操作量飽和のある 系に対する有限時間整定制御装置の設 計,計測時動制御学会論文集,日本,社 団法人計測自動制御学会,1986年11月30 日,第22巻、第11号,P.1134−1141 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 3/00 - 3/20 G05B 7/02 G05B 13/00 - 13/04 G11B 21/08 - 21/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モデル追従制御方式及び有限整定制御方
    式を組み合わせたディジタル位置制御システムを適用
    し、ヘッドをディスク上の目標位置までシーク制御する
    ためのサーボ手段を有するディスク記憶装置であって、 前記サーボ手段は、メモリに保存されたプログラムによ
    り前記モデル追従制御方式によるシーク制御を実行する
    CPU、及び前記有限整定制御方式を利用して生成され
    た規範入力テーブル値と規範軌道テーブル値とを設定し
    た規範テーブル手段を有し、 前記規範入力テーブル値はシーク距離に対応する規範入
    力値からなり、前記規範軌道テーブル値は、当該規範入
    力値に対する前記モデル追従制御方式でのモデルの応答
    に相当し、かつ前記CPUによるモデル追従制御処理に
    おける補正値を算出するまでの計算遅れ時間が含まれた
    規範軌道値からなり、 前記CPUは、 前記規範入力テーブル値及び前記規範軌道テーブル値を
    参照し、 前記目標位置とのシーク距離に応じて前記規範軌道値か
    ら前記モデルの位置を算出し、 前記モデルの位置と前記ヘッドの位置との誤差に基づい
    て前記モデル追従制御処理における補正値を算出し、当
    該補正値を使用してシーク制御を実行することを特徴と
    するディスク記憶装置。
  2. 【請求項2】 前記規範テーブル手段は、特定のシーク
    距離毎に対応する規範入力値からなる規範入力テーブル
    値、及び当該規範入力値に対する前記モデル追従制御方
    式でのモデルの応答に相当し、かつ当該モデルの観測時
    間に前記CPUによる前記計算遅れ時間を加算したモデ
    ル位置に相当する規範軌道値からなる規範軌道テーブル
    値を有し、 前記CPUは、シーク制御時に実際上の前記シーク距離
    に応じて前記規範入力テーブル値及び前記規範軌道テー
    ブル値を補正するためのシーク距離補正処理を実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載のディスク記憶装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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西村行雄、外2名,操作量飽和のある系に対する有限時間整定制御装置の設計,計測時動制御学会論文集,日本,社団法人計測自動制御学会,1986年11月30日,第22巻、第11号,P.1134−1141
谷津正英、外1名,モデル追従制御によるHDDのシーク方式,第74期通常総会講演会論文集(▲IV▼),日本,社団法人日本機械学会,1997年3月30日,P.410−411

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