JP3300894B2 - 帯電浮遊粒子の製造 - Google Patents

帯電浮遊粒子の製造

Info

Publication number
JP3300894B2
JP3300894B2 JP51115890A JP51115890A JP3300894B2 JP 3300894 B2 JP3300894 B2 JP 3300894B2 JP 51115890 A JP51115890 A JP 51115890A JP 51115890 A JP51115890 A JP 51115890A JP 3300894 B2 JP3300894 B2 JP 3300894B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
particles
fine particle
particle layer
charged floating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP51115890A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04507031A (ja
Inventor
ジョージ スザーメイ,ステファン
Original Assignee
コモンウエルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガニゼイション
オースファーム インターナショナル リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by コモンウエルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガニゼイション, オースファーム インターナショナル リミテッド filed Critical コモンウエルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガニゼイション
Publication of JPH04507031A publication Critical patent/JPH04507031A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3300894B2 publication Critical patent/JP3300894B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は粉末の如き個々の微粒子から成る物質の帯電
浮遊粒子の製造装置における改良に関する。
背景技術 帯電による粒子の浮遊化、または帯電による粒子の拡
散化は、密封又は開放容器の中で微細な個々の微粒子か
ら成る物質を浮遊化する技術であって、通常は拡散室の
中に配設された固定電極に高圧の直流電圧をかけること
によって達成される。浮遊効果は印加された電界と微粒
子との間の相互作用によって生じる。浮遊粒子は概して
容器内の静止した粉末層上方に部分的に充満するダスト
の雲を形成する。雲のかたまりは、電極にかける電圧を
上げ下げすることにより要求される通りに調整される。
電極の形状の中でも特徴的なものは、他の電極が粉末層
の表面上20〜30ミリに配設される中で、静止した粉末層
内に埋め込まれた電極である。使用可能な数々の両極性
の組合せが存在するが、それは埋め込まれた電極がアー
ス電位にある場合である。浮遊化を起こすために必要な
加えられる電圧は、適切な電極の間隔、微粒子の重量、
サイズ、形状等の要素によって決定されるが、たいてい
10キロボルト以上で十分であり、30〜40キロボルトまで
強くできる。微粒子のサイズは概して数μmから数百μ
mの範囲である。
帯電による粒子の浮遊化技術の開発は、1980年の51
(10)5215−5222と5223−5227のJ.of Appl.Physと、1
984年の55(11)4088−4094のJ.of Appl.Physに報告さ
れている。帯電による粒子の浮遊化技術の開発の明細書
は、英国特許2074610Bと2143989にも示されている。
従来の帯電浮遊粒子の製造装置には、幾つか固有の問
題点がある。
まず第一に、多数のガラス絶縁体(塩化カリウム、塩
化ナトリウム、砂糖、アスコルビン酸、ニコチンアミ
ド)等を含む電界によって簡単に極性を与えられた微粒
子は工程中で、電界と各微粒子に沿って一直線に並び、
鎖、フィラメント又は磁針を形成する傾向がある。前記
の形成は電極の1つに各微粒子が付着し、断続的に、最
終的には継続的に拡散場内部の空気のイオン化を引き起
こす電界集束器として作用する傾向がある。イオン化し
た空気は電気的に伝導するので、このメカニズムは高電
圧電界を崩壊させ、浮遊する雲の急激な縮小が生じる。
フィラメントの形成はアスベストやセルロース等の繊維
質のダストの場合では特に一般的であり、電圧がかけら
れる間、この種の粉末層は電極の間に張り渡される固体
の橋をしばしば形成する。
その上、浮遊するダストの取扱又は使用法(微粒子の
蒸気コーティング等)を伴う出願では、電極場内部から
の浮遊物の除去がしばしば必要とされる。システム内に
空気流を流すことによって浮遊物の除去は効果的に行な
われるが、この方法は常に有効であるとは限らない。固
有の上向きの運動量によって押しだされ、上部電極にシ
ュート・パスト(shoot past)する微粒子の傾向に基
づいた除去技術は、配設された上部電極が微粒子に対し
て物理的障壁として作用するので、通常成功しない。こ
の問題は、電極の設計を調整すること、例えばワイヤメ
ッシュ型の使用によって述べられている。しかしなが
ら、結局は開口部をふさぐ微粒子の傾向は簡単には排除
できず、特に不伝導性のダストに関して一般的である。
さらに、電極の周囲を通じて明らかにできるダストの総
量と集束を制限する要素は、電極との物質的接触によっ
て微粒子に逆電荷を与えて事実上電荷を逆にし、その結
果微粒子が受ける力の方向を逆にすることである。
しかしまだ、数μmのサイズの微粒子の帯電による浮
遊化に関連する問題がある。このサイズの微粒子はしば
しば微粒子化された微粒子にあてはまるが、ここでは30
μm以下のサイズの微粒子のことである。従来、多種の
微粒子化された粉末の帯電浮遊粒子を効果的に発生させ
ることは不可能だった。
2〜5μm以下の範囲のサイズの超微粒子粉末を使用
しなければならない粉末薬品製造工業や塗料製造と塗装
等の分野や、医学技術分野等での帯電浮遊化の工程の実
際的な使用には厳しい制限があった。
発明の開示 本発明の目的は、上記問題点の1つないしは複数を改
善あるいは克服した微粒子の帯電浮遊粒子の製造装置を
提供することである。
したがって、第1の態様として、本発明の微粒子の帯
電浮遊粒子を製造する装置は、前記微粒子の層を収容す
る容器と、該容器中に配設されて前記層の上方に帯電浮
遊粒子を製造するための電界を形成する少なくとも2つ
の第1及び第2の電極とを備え、該第2の電極は駆動手
段により高速で回転するよう設けられ、前記第2の電極
は、ドラムの如き型であって、外周に等間隔で取付けら
れ、実質上回転軸に対して平行で等距離に張られている
複数の伝導体によって形成されている。
第2の態様として、本発明の微粒子化された帯電浮遊
粒子を製造する装置は、前記微粒子を収容する容器と、
該容器中に配設されて帯電浮遊粒子を製造するための電
界を形成する少なくとも2つの第1及び第2の電極とを
備え、前記第1の電極は前記微粒子層と接触して配設さ
れ、前記第2の電極は前記微粒子層と間隔をとって配設
され、前記第1の電極と反対の極性を帯びたイオン発生
させて、該イオンを前記微粒子層表面に吹き付ける前記
第2の電極に接続された電界集束手段を備え、該電界集
束手段は、前記第2の電極に取付けられた細いワイヤか
らなるものである。また、第2の態様では、第2の電極
は、駆動手段により高速で回転するように取付けられて
いる。さらに、第2の電極は、前記帯電浮遊粒子の通過
を許容するオープン形状で、例えばメッシュ型やドラム
型にでき、微粒子の通過を許容するブレードからなるフ
ァン形状も可能で、また、外周に等間隔で取付けられ、
実質上回転軸に対して平行で等距離に張られている複数
の伝導体によって形成されている。
通常10キロボルト〜40キロボルトの範囲における通常
の拡散電圧まで電気的に電荷される間、回転電極は1500
rpm以上の速度が出せる性能であることが望ましい 回転電極は正負の極性に電荷でき、又はアース電位で
操作できる。パルスされた電荷と直流電荷に付加された
交流及び/と又は純粋の交流モードでも電極を操作する
ことも可能である。
微粒子の静止した層との直接的電気接触を防止するた
めの充分な除去が行なわれた状態で、微粒子を浮遊させ
るために、1つ以上の回転電極が微粒子の静止した層の
表面上方に配置されることが望ましい。1つの実施例で
は、回転軸は事実上層の表面と平行であるが、ほかにも
多数の形状が可能であることは明らかである。
1つ以上の回転電極が使用される場合、回転電極は異
なる回転速度と方向、又はその他に適当な組合せで操作
することができる。
回転電極は、適切な知られている物質、又は金属と不
伝導物質のような物質の組合せで構成される。ある明細
書では、ホコリの多い環境での円滑な操作を確実にする
ために物質を選択している。
本発明の帯電浮遊粒子装置は次の利点が明らかであ
る。
i)微粒子が実質的に自由に動きまわる電荷された空間
の領域の供給。
ii)拡散中に粉末がフィラメントを形成する傾向の実質
的な減少。
iii)微粒子が電極に付着することによって引き起こさ
れるイオン化放電の事実上の減少。
iv)空気流を発生させて粒子を付勢してロータ間を通過
させる。
iv)電極間の間隔の減少。
微粒子化された微粒子の場合、本発明の第2の態様の
装置が従来の装置では不可能だった効果的な微粒子の帯
電浮遊化を可能にすることは明らかである。従来の装置
では不可能だった多数の微粒子化された粒子の帯電浮遊
化の発生は、微粒子が大量に示す高い電気抵抗の結果で
あると考えられている。
装置は微粒子の物質の層に埋め込まれた固定電極から
構成され、微粒子の普通の電荷方式は電子伝導による。
高い電気抵抗は微粒子化された粉末の微粒子間の接触抵
抗力のために生じ、浮遊化を発生するために使用された
装置内で、層を通過する電子伝導によって微粒子を電荷
することを妨げる。通常の拡散(帯電浮遊化)状態の下
で、電極への電圧の利用は、埋め込まれた電極から層の
あらゆる部分での個々の微粒子間接触を経由して層の表
面へ至る電子の伝導によって表面の微粒子を電荷するこ
とになる。特に微粒子が小さくなればなるほど、小さな
不伝導性微粒子の層が示す抵抗値は、微粒子自体の総電
気抵抗よりも微粒子間接触によって測定される抵抗量が
増加することが知られている。不伝導性の表面間の接触
抵抗はノン・オーミック(non−ohmic)、即ち、電流は
かけられた電圧に比例していないということも知られて
いる。このことは大量の粉末のノン・オーミック抵抗に
よってさらに例証され、結果として電気抵抗は物質の電
気的特性による個々の継続した決定よりもむしろかけら
れた電圧次第である。サイズが小さくなるにつれて微粒
子相互の接触数は増加することが知られており、そして
超微粒子に対して抵抗量がたっぷり1012オーム−cm超過
する。これにより、浮遊化を継続するために必要な電荷
の継続的で規則的な移行を妨げる。
一部の微粒子化された粉末が上記の特性を示さないこ
とに注意しなければならない。例えば、3〜5μmの球
状の自走(free−running)ニッケル粉末のサンプル
は、他のもっと結合性のある金属粉末が弱まった動きを
示す中で、極めて自由に拡散することが知られている。
例外は微粒子化された非金属粉末の超微粒子の中にも存
在する。微粒子化された塩酸ピリドキシンは個々よりも
30μmの塊状で拡散する傾向があるけれども、適当な粉
末の表面処理の後は拡散を示す。理論上は、少量の超微
粒子を拡散する能力は、微粒子間の接触抵抗を調整する
現在のところあまり解明されていないメカニズムによ
る。
本発明の第2の態様の本質は、二次的な反イオン化現
象に依存する選択的又は付加的なメカニズムを提供する
ことにより、微粒子を電荷するための伝導(粉末層の高
い電気抵抗により困難である)を回避していることであ
る。
反イオン化は、静電気量以上の高電圧に直面すること
はめったにない静電気効果で、ここにおいて、静電気量
工程の効率を減少させる好ましくない副次効果を示し、
可能な限り排除すべきものである。
本発明の第2の態様によると、微粒子は微粒子層内部
の空気又はガスの二次的なイオン化によって電荷され
る。二次的なイオン化とは、帯電浮遊化容器内部でコロ
ナ放電によって発生した第1のイオンを微粒子層にスプ
レーするのに反応して二次的なイオン化が起こることで
ある。
図面の簡単な説明 本発明は、以下の共通する図面を参照して、実施例に
基づいて詳細に説明される。
図1は、本発明の第1の態様による装置の全体図。
図2は、本発明の第2の態様を含む図1と同様な装置
の全体図。
発明を実施するための態様 図1において、絶縁容器3中に回転電極2を備えた、
微粒子を帯電浮遊させるための装置1が示されている。
微粒子物質5の下方の容器3の底部には第2の電極4が
固設されている。回転電極2は中空のシリンダチューブ
7から等距離で実質的に平行に延びて円周上に間隔を置
いて配置された導体6によって形成されたドラムの如き
ローターにより構成される。導体6はチューブ7に固定
された円盤状の末端部品8に夫々取り付けられる。回転
電極2は微粒子あるいは粉末層5の上方にシャフト9、
10により設置される。シャフト9はローターを回転可能
に支持するテフロン加工された軸受11内に配設されてい
る。シャフト9と軸受11からなるアッセンブリは、絶縁
性支持リング12によって容器3の壁に設置される。シャ
フト9の外端はさらに絶縁体13に囲まれ、電気的端子14
を形成する。シャフト10は容器3の側部に固定された別
のテフロン加工された軸受15内に回転自在に設けられ
る。シャフト10の一端は絶縁ブッシュ16の手段により回
転電極2の中心のシリンダチューブ7に固定される。シ
ャフト10の他端は容器3から突出しプーリー17が設けら
れている。プーリー17と、電動モータ20の同様なプーリ
ー19との間にはベルト18が懸架されている。この手段に
より、電動モータの回転力が回転電極2に伝達される。
シャフト9と回転電極2との間の電気的接触は、ブッシ
ュ16の導体部16Aに設けられた溝に配設されたスチール
ボール21の手段によって維持される。スチールボール21
はシャフト9の固定端とブッシュの導体部16Aとの間の
ベアリングとして働き、また、ブッシュ16の残りの絶縁
部分はシャフト10との電気的接触を妨げる。
テフロン加工を施された軸受11、15と、回転電極2の
夫々の末端部品8との間にはダストスリーブ22が設置さ
れ、軸受表面に粉末が付着するのを防いでいる。
本装置を作動させるにあたっては、電極2、4間に電
圧を印加し、モータ20に電力を供給することによって回
転電極2を回転させる。これにより二つの電極の間の領
域に電界が生じ、微粒子の帯電浮遊が引き起こされる。
回転電極2が開口した構造になっているため、回転電極
2の回転により生じる気流により帯電浮遊粒子は電極2
の上方の空間に昇って行く。この空間に達した浮遊粒子
は、既存の適当な方法で容易に取り出すことが可能であ
る。図1に示される実施例においては、容器3は上面が
開放されており、帯電浮遊処理中に粗大な粒子が流出す
るのを規制するための格子23が備え付けてある。
図2に示される装置の構成は前述の図1に示される装
置と大体において一致している。対応する構成要素が理
解しやすいよう構成要素番号は共通のものが割り振って
ある。図2の実施例においては、回転電極2の外周部に
軸対称の位置に数本の細い導線24が取付けている。各導
線24は電極の末端部品8の間に弓成りに張られ、それぞ
れの中央には重りとして磁器製のビード25が取付られて
いる。さらに、図2の実施例においては電極4を覆うよ
うに固体半導体層26が設置されている。
図2の装置は特に通常の環境下では容易に帯電浮遊粒
子とはならない、微細化した粒子を対象に設計されたも
のである。装置の作動は前述のものと基本的には同じで
あり、電極間に電圧を印加し、回転電極2をモータ20に
より比較的高速で回転させる。回転電極2に備え付けら
れた細い導線24は遠心力を受けて外側に張出され、コロ
ナ放電を生じさせるための電界集束器として作動する。
これにより容器3中の空気又はその他のガスはイオン化
される。このようなコロナ放電によるイオン化は静電学
に通じた分野では良く知られている効果であり、静電集
塵の分野など広い応用範囲をもつ。静電集塵においては
通常静止したポイント/プレーン又は細いワイア/プレ
ーン構造を持つ一組みの電極によってコロナ放電を生じ
させ、イオン化を行なう。本発明では正に印加された高
速に回転する回転電極2によってイオン化が行なわれ
る。静電引力と回転電極2が引き起こす空気力学的力に
より、発生したマイナスイオンは即座に電極に引き付け
られ、プラスイオンは微粒子5の表面に吹き付けられ
る。微粒子層5は高い電気抵抗をもつため、これらのイ
オンは即座には消滅せず、微粒子層5の表面に正の荷電
層を形成し、また、微粒子層5の反対側(下面)は下部
電極4、26との接触により、逆(負)に帯電する。する
と、微粒子層5の上下間に高い電位差が生じ、微粒子間
の隙間の空気のイオン化を引き起こす。これは一般に反
イオン化と呼ばれ、正負双方のイオンが生成されること
による副作用として知られている。微粒子層5内で生成
されたイオンは、一方は即座に電極に吸収され、他方は
微粒子中を上に進み微粒子に吸収され、それにより微粒
子は帯電する。上述のマイナスイオン、即ち電子の両極
配置を利用することにより微粒子の拡散が素早く行なわ
れ、それらは微粒子層5の上に浮遊粒子の雲を形成す
る。
本発明に伴う選択的な機能として、微粒子層にかかる
電圧を調整する手段を設ける。これは図2の27で示され
るように上部電極の垂直方向の位置を調整可能にし、微
粒子層の厚さを任意に変化させることを可能とすること
により達成される。これはまた図2の26で示されるよう
に適当な半導体板を用いて、微粒子層と下部電極との電
気的伝達がその半導体板を通して行なわれるようにする
ことによっても達成される。電極間の空間の抵抗と微粒
子層の抵抗との不整合は、以下の2つの好ましくない状
態のいずれかを招く: (1)微粒子層にかかる電圧が微粒子層におけるイオ
ン化を引き起こすのに不十分であり、第2段階のイオン
化が行なわれない。(2)微粒子層における電位差が、
電極間の電圧に比べて高くなりすぎ、電荷が流れるよう
になって微粒子層における電位差が突然前者に加えられ
ると、電位差の合計がシステムの火花電圧を越え、必要
とされる連続的な第2段階の微粒子層におけるイオン化
に代わって電気火花の発生や放電が行なわれる。
本発明の図に示す装置と方法を用いて、以下の実験が
行なわれた。図1に示される装置構成において、100gm
の乾燥KCl(0.05%の浮遊促進材添加)を用い、電極間
電圧25,000ボルト、回転電極は微粒子層との距離が30mm
の位置に設定した。ローターの直径は45mm、幅は60mmで
ある。帯電浮遊粒子の濃度はHe−Neレーザー光を入射
し、浮遊粒子の雲を通過した後のレーザー光の強度の減
衰の度合を、レーザー光強度測定機でモニタすることに
より測定した。回転数1400rpmでのローターの作動での
透過レーザー光の強度は、ローターの静止した状態で測
定した透過レーザー光の初期強度2.8mwに対し、40%減
衰した。これは浮遊粒子の濃度が画期的に上昇したこと
を表すものである。
産業上の利用性 本発明の産業上の使用例の一つとして、各粉末の表面
を半透膜で覆い、有効成分の開放を制御する粉末薬の製
造がある。微粒子の帯電浮遊はそのような表面処理の必
要な粉末の連続的な製造に適しており、各微粒子は拡散
の間互いに分離されて、絶えず撹拌されているため、コ
ーティングの原料を速乾性のエアゾールに混合して吹き
付けるなど、適当な技術の応用でコーティングが可能と
なる。しかし、薬剤を構成する多くの物質は容易に分極
する結晶を含み、それらは電界中でフィラメントを形成
する傾向があるため、満足できる帯電浮遊粒子を製造す
ることが主な問題点となっている。また、それらの物質
はしばしば吸湿性を有するため、問題はさらに悪化し、
結果的に非常に貧弱で不均質な拡散しか得られず、それ
は時間とともに衰退し、最後には行程が停止してしま
う。本発明の装置を用いることによりこの問題は解消さ
れ、多くの帯電浮遊粒子によるコーティング処理に問題
なく適用することができる。
本発明のさらなる適用例としては、水を使用しない製
紙の分野がある。紙は通常巨大な水槽にはった水に、分
離した紙の繊維(処理済みの木材パルプからなる)を浮
べ、移動する帯状の金網のような適当な基板(サブスト
レート)に繊維を定着させ、そこから剥して乾燥させる
工程により製造される。取扱う大量の水(一般的に2kg
の紙に対して1/2トンの水を用いる)を鑑みるに、繊維
の分離と浮遊を水を用いずに行うことを可能とする技術
はおそらく重大な経済的有意性を持つものであろう。そ
のような技術で可能であるものの一つにセルロース粉末
の帯電浮遊があるが、前述の繊維状粉末が高電界中でフ
ィラメントや鎖状となる性質のため実際に行うことはで
きない。本発明による装置では回転する電極によりフィ
ラメントの形成行程が機械的に破壊されるため、繊維状
粉末の浮遊が達成され、したがって本発明による装置を
用いることにより、この技術を水を使用しない製紙業に
適用する際の問題点は解消されることになる。
本発明のさらなる適用例としては、固体のコーティン
グがある。例えば、本発明は現在のものよりさらに細か
いシリコンカーバイドやエメリーの粒子が接着され、静
電的にコーティングされた紙やベルト、ディスク等の研
磨用具の生産を可能とする。また、加熱した金属の表面
に超純のセラミック粉末を堆積させ、粉末を微粒子化す
ることにより粒子の熱容量による金属表面の温度低下を
抑え、金属、セラミック両方の表面で粒子の直接焼結が
行われるようにすることにより金属とセラミックの「溶
接」を可能とする。セラミクスと金属の結合は現代の自
動車産業、航空機産業、宇宙工業等で生じている重要な
技術的課題であり、経済的に実行可能な方法によっての
解決はまだされていない。
本発明のさらなる適用例としては、肺に直接吸入する
ことによって様々な種類の喘息やエイズ等の治療に効果
的な、サルブタモール硫酸塩やペンタアミジン、ステロ
イド等の医薬物質の超微粒子のエアゾールの製造があ
る。現行の1〜3μmの粒子の乾燥超微細粉末の吸入器
は、通常微粒子の圧縮CFCによる放出に基づいており、
装置の作る微粒子の噴出に合せて息をしなけらばならな
い。多くの場合、特に子供にはこれは困難な要求であ
る。また、患者が深く息を吸ったときの吸気に依存する
装置も知られているが、喘息の患者には深く息を吸うこ
とは困難あるいは不可能であり、故にこれらの装置は使
用に制限がある。図2に示される装置によって、拡散さ
れたサルブタモール硫酸塩は、通常の呼吸によっても吸
入できる緩やかに上昇する超微細粉末の雲をなすことが
実演され、本発明が従来の吸入器の持つ問題を解決する
能力があることが示された。
本発明のさらなる適用例としては、直径30μmほどの
アルミナ粉末などの不活性キャリアの個々の粒子に、微
粒子化した触媒をその固有の粘着力で貼り付け、コーテ
ィングすることによる新しい表面活性触媒の製造があ
る。この技術は、キャリア粒子の表面への活性触媒の付
着を、溶液からの析出によって行っている現在の非経済
的な表面活性触媒の製造法と置き代えることができる。
フロントページの続き (73)特許権者 999999999 オースファーム インターナショナル リミテッド オーストラリア国,6000,ウェスターン オーストラリア,パース,ウィリアム ストリート 15―17,オーストラリア プレース,レヴェル 6 (72)発明者 スザーメイ,ステファン ジョージ オーストラリア国,2063,ニュー サウ ス ウェールズ,ノースブリッジ,クリ フ アヴニュー 56 (56)参考文献 特開 昭56−166931(JP,A) 特開 昭54−73837(JP,A) 特開 昭63−134503(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01T 23/00 B05B 5/08 H01T 19/00 B01J 37/00

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微粒子の帯電浮遊粒子を製造する装置であ
    って、前記微粒子の層を収容する容器と、該容器中に配
    設されて前記層の上方に帯電浮遊粒子を製造するための
    電界を形成する第1及び第2の少なくとも2つの電極と
    を備え該第2の電極は駆動手段により高速で回転するよ
    う設けられ、前記第2の電極は、ドラムの如き型であっ
    て、外周に等間隔で取付けられ、実質上回転軸に対して
    平行で等距離に張られている複数の伝導体によって形成
    されている帯電浮遊粒子の製造装置。
  2. 【請求項2】前記第2の電極は、1500rpm以上の速度で
    駆動される請求項1記載の帯電浮遊粒子の製造装置。
  3. 【請求項3】前記第1の電極は、前記微粒子層と接触し
    て配設され、前記第2の電極は、前記微粒子層に隣接し
    て配設される請求項1又は2記載の帯電浮遊粒子の製造
    装置。
  4. 【請求項4】前記容器は、前記帯電浮遊粒子を抽出する
    ために前記微粒子層から隔置された前記第2の電極の側
    面上に開口部を含んでいる請求項1乃至3のいずれか1
    項記載の帯電浮遊粒子の製造装置。
  5. 【請求項5】前記第2の電極の回転軸は、前記微粒子層
    の表面に実質上平行である請求項1乃至4のいずれか1
    項記載の帯電浮遊粒子の製造装置。
  6. 【請求項6】前記電極間の電気抵抗を調整する手段を備
    える請求項1乃至5のいずれか1項記載の帯電浮遊粒子
    の製造装置。
  7. 【請求項7】前記電気抵抗は、前記電極間の間隔を変更
    することによって調整される請求項6記載の帯電浮遊粒
    子の製造装置。
  8. 【請求項8】前記電気抵抗は、前記第1及び第2の電極
    の1つと前記微粒子の間に入れた半導体物質の層を使用
    して調整される請求項6記載の帯電浮遊粒子の製造装
    置。
  9. 【請求項9】微粒子化された帯電浮遊粒子を製造する装
    置であって、前記微粒子を収容する容器と、該容器中に
    配設されて帯電浮遊粒子を製造するための電界を形成す
    る第1及び第2の少なくとも2つの電極とを備え前記第
    1の電極は前記微粒子層と接触して配設され、前記第2
    の電極は前記微粒子層と間隔をとって配設され、前記第
    1の電極と反対の極性を帯びたイオン発生させて、該イ
    オンを前記微粒子層表面に吹き付ける前記第2の電極に
    接続された電界集束手段を備え、該電界集束手段は、前
    記第2の電極に取付けられた細いワイヤからなる帯電浮
    遊粒子の製造装置。
  10. 【請求項10】前記第2の電極は、駆動手段により高速
    で回転するように取付けられる請求項9記載の帯電浮遊
    粒子の製造装置。
  11. 【請求項11】前記第2の電極は、前記帯電浮遊粒子の
    通過を許容するオープン形状を有している請求項9又は
    請求項10記載の帯電浮遊粒子の製造装置。
  12. 【請求項12】前記第2の電極は、ドラムの如き型であ
    って、外周に等間隔で取付けられ、実質上回転軸に対し
    て平行で等距離に張られている複数の伝導体によって形
    成されている請求項9乃至11のいずれか1項記載の帯電
    浮遊粒子の製造装置。
  13. 【請求項13】前記第2の電極は、1500rpm以上の速度
    で駆動される請求項9乃至12のいずれか1項記載の帯電
    浮遊粒子の製造装置。
  14. 【請求項14】前記容器は、前記帯電浮遊粒子を抽出す
    るために前記微粒子層から隔置された前記第2の電極の
    側面上に開口部を含んでいる請求項9乃至13項のいずれ
    か1項記載の帯電浮遊粒子の製造装置。
  15. 【請求項15】前記第2の電極の回転軸は、前記微粒子
    層の表面に実質上平行である請求項9乃至14項のいずれ
    か1項記載の帯電浮遊粒子の製造装置。
  16. 【請求項16】前記電極間の電気抵抗を調整する手段を
    備える請求項9乃至15のいずれか1項記載の帯電浮遊粒
    子の製造装置。
JP51115890A 1989-08-10 1990-08-09 帯電浮遊粒子の製造 Expired - Fee Related JP3300894B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
AU570289 1989-08-10
AU5702 1998-12-14

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04507031A JPH04507031A (ja) 1992-12-03
JP3300894B2 true JP3300894B2 (ja) 2002-07-08

Family

ID=3696197

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51115890A Expired - Fee Related JP3300894B2 (ja) 1989-08-10 1990-08-09 帯電浮遊粒子の製造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3300894B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04507031A (ja) 1992-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6923979B2 (en) Method for depositing particles onto a substrate using an alternating electric field
EP0210194B1 (en) Electrostatic deposition of coating materials
JPH11503870A (ja) いわゆるイオンウインドを用いて空気を搬送するための装置および/または空気を浄化するための装置
US4084019A (en) Electrostatic coating grid and method
Cooper et al. Surface cleaning by electrostatic removal of particles
EP0486543B1 (en) Method for producing an electrosuspension of micronised particles
JP3300894B2 (ja) 帯電浮遊粒子の製造
CA1269571A (en) Electrostatic coating apparatus and method
AU546948B2 (en) Improvements in high tension electrostatic separators
US3891415A (en) Electrostatic dust collector for exhaust gases containing fine particles
US2788081A (en) Electrostatic gas-treating apparatus
WO2000056462A1 (en) A particle separator
US4772982A (en) Powder charging apparatus and electrostatic powder coating apparatus
JP2671009B2 (ja) 超微粒子の回収方法及びその回収装置
KR100235290B1 (ko) 기류 충돌 정전 분리형을 이용한 미분체의 분리방법 및 장치
US3181502A (en) Manufacturing apparatus and method for operating the same
AU2009209037B2 (en) High-tension electrostatic separator lifting electrode
EP0230723B1 (en) Powder charging apparatus and electrostatic powder coating apparatus
JPS6393362A (ja) 粉末の形状分級装置
JPH08108106A (ja) 静電塗装方法及び静電塗装機
JP2021167459A (ja) 成膜装置
JPS6359359A (ja) 金属粉末の形状分級装置
JPH08323250A (ja) 粒子の荷電方法及び荷電装置
AU772892B2 (en) A particle separator
JPS6393361A (ja) 粉末の形状分級装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090426

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees