JP3300285B2 - 電磁放射測定装置及び測定システム - Google Patents

電磁放射測定装置及び測定システム

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JP3300285B2
JP3300285B2 JP13922998A JP13922998A JP3300285B2 JP 3300285 B2 JP3300285 B2 JP 3300285B2 JP 13922998 A JP13922998 A JP 13922998A JP 13922998 A JP13922998 A JP 13922998A JP 3300285 B2 JP3300285 B2 JP 3300285B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に電子機器など
から放射される電磁放射を測定する電磁放射測定装置
と、それを用いた測定システムに関し、特に、高い性能
と豊富な機能とを持つように構成したものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器などから放射される電磁
放射を測定する電磁放射測定装置として、例えば、特開
平9−127166、特開平9−127167に記載さ
れたものが知られている。この装置は、1000乃至2
000個程度の微小ループアンテナを形成した多層基板
で構成されている。この微小ループアンテナは、多層基
板の表層パターンとスルーホールとで形成され、各微小
ループアンテナが測定微小単位(測定セル)を構成し、
各測定セルでの検出結果を取り出すために、多層基板に
設けたPINダイオードによりスイッチングが行なわれ
る。
【0003】この種の電磁放射測定装置は、一般に、2
00乃至400mm四方程度の面を測定範囲とし、測定
面上に被測定機器を乗せて、被測定機器からの電磁放射
の位置と放射レベルとを検出し、結果を表示または記憶
する。
【0004】この種の電磁放射測定装置では、微小ルー
プアンテナのループ長と検出感度(アンテナファクタ)
とがほぼ比例関係にあり、ループ長を大きくすると検出
感度が向上する。しかし、ループ長を大きくすると、ル
ープインダクタンスが大きくなるため高い周波数領域
(例えば1000MHz以上)の感度が劣化する傾向が
あり、また、微小ループアンテナの物理的面積が大きく
なるため、検出の位置分解能が低下する。また、微小ル
ープアンテナの検出感度は、1000MHz以下の周波
数でほぼ周波数に比例する関係にあるため、位置分解能
を高める、すなわちループ長を小さく(例えば5mm以
下)すると、特に低い周波数(100MHz以下)にお
いて実用的な検出感度が得られない。したがって、一般
に微小ループアンテナのループ長は、感度と周波数特性
と位置分解能のそれぞれの妥協点で決定されることにな
る。一般には、ループ長及び位置分解能は6乃至7mm
程度に設定され、実用的な感度が得られる周波数範囲は
10乃至1000MHz程度である。
【0005】また、この種の電磁放射測定装置は、微小
ループアンテナを同一の多層基板上に形成しているた
め、微小ループアンテナそれぞれの間が多層基板を構成
する誘電体で充填されていることになり、寄生浮遊容量
が大きくなる。この基板上の寄生浮遊容量成分は、近接
する測定微小単位(測定セル)間のアイソレーション
を、特に高い周波数で劣化させる原因になる。
【0006】また、この種の電磁放射測定装置は、一般
に、測定面が一つであるために、被測定機器(一般には
回路基板)の表面を測定し、次に裏面を測定する、と言
うように、被測定機器の表面及び裏面の測定が別々に行
なわれる。
【0007】また、この種の電磁放射測定装置は、電磁
放射の水平面の2次元的位置分布を検出及び表示するこ
とはできるが、電磁放射の波源の高さ方向の位置検出は
できない。
【0008】また、この種の電磁放射測定装置は、30
0乃至500mm程度の長さのストリップラインで構成
された測定系をPINダイオードでスイッチングするた
め、ダイオードのOFF容量の影響により特に高い周波
数において伝送系の損失が大きかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この従来の電磁放射測
定装置は、広い周波数帯域(例えば10乃至3000M
Hz程度)にわたって高い感度と良好なアイソレーショ
ンとを確保することができないという問題点を有してい
る。
【0010】また、位置分解能を高めるために微小ルー
プアンテナのループ長を小さく(例えば5mm以下)す
ると、特に低い周波数(100MHz以下)において実
用的な検出感度が得られないという問題点がある。
【0011】また、近接する測定セル間のアイソレーシ
ョンが特に高い周波数で劣化するという問題点がある。
【0012】また、被測定機器の表面及び裏面を同時に
測定できないという問題点がある。また、電磁放射の波
源の高さ方向の位置検出ができないという問題点があ
る。また、特定の周波数において高い性能を確保できな
いという問題点がある。
【0013】また、特に高い周波数において伝送系の損
失が大きいという問題点がある。
【0014】また、アンテナ部全体の検出感度のばらつ
きを補正する手段を持っていないため、高い測定精度を
確保できないという問題点がある。
【0015】本発明は、こうした従来の問題点を総合的
に解決するものであり、広い周波数帯域にわたって高い
性能を有し、豊富な機能を持つ電磁放射測定装置及び測
定システムを提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の電磁放
射測定装置では、同一平面上に平行に配列された、この
平面と直交する表面を有する複数の第1基板と、第1基
板と格子状を成すように平行に配列された、前記平面と
直交する表面を有する複数の第2基板とを設け、第1基
板の各々に、複数の微小ループアンテナと、微小ループ
アンテナのそれぞれを選択的に伝送線路に接続する複数
の半導体素子と、伝送線路としてのストリップラインと
を設け、第2基板の各々に、GNDパターンと制御信号
パターンとを設け、第1基板と第2基板とが交わる箇所
で、微小ループアンテナを制御信号パターンに接続して
いる。
【0017】また、複数の第1微小ループアンテナと第
1微小ループアンテナを選択する手段とを備えた第1測
定部と、複数の第2微小ループアンテナと第2微小ルー
プアンテナを選択する手段とを備えた第2測定部とを設
け、第1微小ループアンテナのループ長と第2微小ルー
プアンテナのループ長とを異なる値に設定し、第1測定
部の測定可能な周波数範囲と第2測定部の測定可能な周
波数範囲とを異なるように設定している。
【0018】また、複数の第1微小ループアンテナと第
1微小ループアンテナを選択する手段とを備えた第1測
定部と、複数の第2微小ループアンテナと第2微小ルー
プアンテナを選択する手段とを備えた第2測定部と、第
1測定部及び第2測定部を収納するための開閉構造の筐
体とを設け、第1測定部を筐体の本体部に測定面を蓋側
に向けて収納し、第2測定部を筐体の蓋部に測定面を本
体側に向けて収納し、本体部と蓋部との間に被測定機器
を配置して、被測定機器からの電磁放射を測定するよう
に構成している。
【0019】また、複数の微小ループアンテナと、微小
ループアンテナの第1端を伝送線路に接続するPINダ
イオードと、微小ループアンテナの第2端をGNDへ高
周波接地する第1コンデンサと、微小ループアンテナの
第1端と第2端との間または第1端とGNDとの間に配
置した第2コンデンサとを設け、微小ループアンテナと
第2コンデンサとで構成される並列回路の共振周波数が
測定周波数に等しくなるように第2コンデンサの値を設
定している。
【0020】また、複数の微小ループアンテナが選択的
に接続される伝送線路で一つの測定系を構成し、複数の
測定系からの信号を選択して次段に伝送するために、各
測定系の伝送線路端にPINダイオードの一端を接続
し、PINダイオードの他端を共通にして次段へ接続
し、PINダイオードの両端にリアクタンス素子を並列
に接続して、PINダイオードがOFFの状態のときの
PINダイオードとリアクタンス素子との並列回路の並
列共振周波数を、測定可能な周波数範囲に設定してい
る。
【0021】また、複数の微小ループアンテナと、微小
ループアンテナの第1端を第1伝送線路へ接続する第1
PINダイオードと、微小ループアンテナの第2端を第
2伝送線路へ接続する第2PINダイオードと、この第
2端をGNDへ接続する第3PINダイオードと、微小
ループアンテナの中点をGNDに接続する第4PINダ
イオードとを設け、低い周波数範囲を測定する場合に
は、第1PINダイオード及び第3PINダイオードを
ONとし第2PINダイオード及び第4PINダイオー
ドをOFFとし、高い周波数範囲を測定する場合には、
第1PINダイオード、第2PINダイオード及び第4
PINダイオードをONとし第3PINダイオードをO
FFに設定するように構成している。
【0022】また、各測定セルに第1微小ループアンテ
ナと、ループ長を第1微小ループアンテナのループ長よ
り短く設定した第2微小ループアンテナとを設け、第1
微小ループアンテナの第1端を第1PINダイオードを
介して第1伝送線路に接続し、第2微小ループアンテナ
の第1端を第2PINダイオードを介して第2伝送線路
に接続し、第1微小ループアンテナ及び第2微小ループ
アンテナの第2端を接続してコンデンサを介して高周波
接地し、低い周波数範囲を測定する場合には、第1PI
NダイオードをONとし第2PINダイオードをOFF
とし、高い周波数範囲を測定する場合には、第2PIN
ダイオードをONとし第1PINダイオードをOFFに
設定するように構成している。
【0023】また、微小ループアンテナを備える測定セ
ルが多数形成された多層基板の測定面における前記測定
セルの外周にGNDパターンを形成するとともに、多層
基板の裏面にGNDパターンを形成し、測定面のGND
パターンと裏面のGNDパターンとを接続するスルーホ
ールを多数配列している。
【0024】また、複数の微小ループアンテナと、微小
ループアンテナの第1端を伝送線路に接続するミキサ素
子と、微小ループアンテナに外部から入力される局部発
振信号を印加する手段とを設け、微小ループアンテナで
受信した高い周波数の信号と局部発振信号とをミキサ素
子で混合し、低い中間周波数に変換して伝送線路を介し
て出力するように構成している。
【0025】また、本発明の測定システムでは、電磁放
射測定装置が、被測定機器の電磁放射を、異なる方向か
ら、または異なる周波数範囲で測定して、二種類の測定
信号を第1出力信号及び第2出力信号として出力し、電
磁放射測定装置より出力された各測定信号から電磁放射
レベルを求める二つのレベル測定装置と、電磁放射測定
装置から測定信号が読み出される測定セルの選択または
測定周波数を制御し、レベル測定装置で求めたレベル情
報の処理を行なう制御装置とを設け、被測定機器の電磁
放射に対する異なる方向からの測定、または異なる周波
数範囲での測定が同時に行なわれるように構成してい
る。
【0026】また、基準となる被測定機器からの電磁放
射レベルの測定結果を記憶する記憶手段を設け、基準と
なる被測定機器の測定結果と他の被測定機器を測定した
結果とを比較して、他の被測定機器の故障を検出するよ
うに構成している。
【0027】また、基準となる被測定機器の電磁放射レ
ベルの測定結果から電磁放射の発生源の周波数及び3次
元的位置を認識する認識手段と、認識された電磁放射の
発生源の周波数及び3次元的位置を基準情報として記憶
する記憶手段とを設け、基準情報と他の被測定機器を測
定した結果とを比較して、他の被測定機器の故障部位を
推定するように構成している。
【0028】そのため、この電磁放射測定装置は、測定
セル間の良好なアイソレーションを確保し、位置分解能
を高めることができる。また、共振回路の利用により、
広い周波数範囲にわたる測定が可能になり、また、特定
の周波数において高い性能を確保することができ、ま
た、伝送系の損失を減らすことができる。
【0029】また、本発明の測定システムでは、被測定
機器の表面及び裏面の同時測定が可能であり、また、電
磁放射の波源の高さ方向の位置を求めることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、電子機器から放射される近傍電磁界を測定する電磁
放射測定装置であって、同一平面上に平行に配列され
た、この平面と直交する表面を有する複数の第1基板
と、第1基板と格子状を成すように平行に配列された、
この平面と直交する表面を有する複数の第2基板とを設
け、第1基板の各々に、複数の微小ループアンテナと、
微小ループアンテナのそれぞれを選択的に伝送線路に接
続する複数の半導体素子と、伝送線路としてのストリッ
プラインとを設け、第2基板の各々に、GNDパターン
と制御信号パターンとを設け、第1基板と第2基板とが
交わる箇所で、微小ループアンテナを制御信号パターン
に接続するようにしたものであり、高い測定周波数にお
いて高いアイソレーションを確保できる。
【0031】請求項2に記載の発明は、GNDパターン
が形成された複数の第3基板を設け、第3基板の各々を
第1基板の配列の第1基板同士の間に平行に配列し、第
3基板と第2基板とが交わる箇所で、それぞれの基板の
GNDパターンを接続するようにしたものであり、特に
高いアイソレーションを確保できる。
【0032】請求項3に記載の発明は、前記半導体素子
としてPINダイオードを用い、PINダイオードの一
端を微小ループアンテナの第1端に接続し、PINダイ
オードの他端をストリップラインに接続し、微小ループ
アンテナの第2端を制御信号パターンに接続し、制御信
号パターン及びストリップラインに印加するバイアス電
圧によりPINダイオードをONまたはOFFするよう
に構成したものであり、高い測定周波数において高いア
イソレーションを確保できる。
【0033】請求項4に記載の発明は、前記半導体素子
としてトランジスタを用い、トランジスタのベースを微
小ループアンテナの第1端に接続し、トランジスタのコ
レクタをストリップラインに接続し、トランジスタのエ
ミッタをGNDパターンに接続し、微小ループアンテナ
の第2端を制御信号パターンに接続し、制御信号パター
ン及びストリップラインに印加するバイアス電圧により
トランジスタをONまたはOFFするように構成したも
のであり、高い測定周波数において高い感度を確保でき
る。
【0034】請求項5に記載の発明は、電子機器から放
射される近傍電磁界を測定する電磁放射測定装置であっ
て、複数の第1微小ループアンテナと第1微小ループア
ンテナを選択する手段とを備えた第1測定部と、複数の
第2微小ループアンテナと第2微小ループアンテナを選
択する手段とを備えた第2測定部とを設け、第1微小ル
ープアンテナのループ長と第2微小ループアンテナのル
ープ長とを異なる値に設定し、第1測定部の測定可能な
周波数範囲と第2測定部の測定可能な周波数範囲とを異
なるように設定したものであり、低い周波数と高い周波
数とのそれぞれにおいて最適な性能を有する測定部を使
い分けることができるため、広帯域な測定周波数に対応
できる。
【0035】請求項6に記載の発明は、前記第1測定部
を第1多層基板上に構成し、第2測定部を第2多層基板
上に構成し、第1多層基板と第2多層基板とをそれぞれ
の測定面が反対の方向を向くように互いに裏向きに固定
し、第1測定部を利用する時には第1測定部を上側に向
けて使用し、第2測定部を利用する時には第2測定部を
上側に向けて使用するようにしたものであり、測定部の
専有面積を小さくすることができるため、小型でかつ広
帯域な測定周波数に対応できる。
【0036】請求項7に記載の発明は、前記第1測定部
を多層基板の片面側複数層に構成し、第2測定部をこの
多層基板の他の面側複数層に構成し、第1測定部を利用
する時には第1測定部を上側に向けて使用し、第2測定
部を利用する時には第2測定部を上側に向けて使用する
ようにしたものであり、測定部の専有面積を小さくする
とともに、1枚の多層基板で二つの測定部を構成できる
ため、簡単な構成でかつ広帯域な測定周波数に対応でき
る。
【0037】請求項8に記載の発明は、前記第1測定部
と第2測定部とを同一の多層基板上に構成し、第1測定
部の出力端子と、第2測定部の出力端子とを別々に設け
たものであり、二つの測定部を用いて同時に測定を行な
うことができる。
【0038】請求項9に記載の発明は、前記第1測定部
と第2測定部とを同一の多層基板上に構成し、第1測定
部の出力と第2測定部の出力とのいずれか一方を選択す
る高周波SWをこの多層基板上に設け、高周波SWの選
択出力を出力端子に接続するようにしたものであり、出
力端子を二つの測定部で共用することができ、経済的で
かつ広帯域な測定周波数に対応できる。
【0039】請求項10に記載の発明は、電子機器から
放射される近傍電磁界を測定する電磁放射測定装置であ
って、複数の第1微小ループアンテナと第1微小ループ
アンテナを選択する手段とを備えた第1測定部と、複数
の第2微小ループアンテナと第2微小ループアンテナを
選択する手段とを備えた第2測定部と、第1測定部及び
第2測定部を収納するための開閉構造の筐体とを設け、
第1測定部を筐体の本体部に測定面を蓋側に向けて収納
し、第2測定部を筐体の蓋部に測定面を本体側に向けて
収納し、本体部と蓋部との間に被測定機器を配置して、
被測定機器からの電磁放射を測定するようにしたもので
あり、被測定機器の表面または裏面からの電磁放射を同
時に測定することができるため、高速な測定が可能とな
る。
【0040】請求項11に記載の発明は、前記第1微小
ループアンテナのループ長と第2微小ループアンテナの
ループ長とを異なる値に設定し、第1測定部の測定可能
な周波数範囲と第2測定部の測定可能な周波数範囲とを
異なるように設定したものであり、被測定機器の表面ま
たは裏面からの電磁放射を同時に測定するとともに、低
い周波数と高い周波数とのそれぞれにおいて最適な性能
を有する測定部を使い分けることができるため、広帯域
な測定周波数に対応できる。
【0041】請求項12に記載の発明は、前記第1測定
部及び第2測定部の微小ループアンテナを選択する手段
として、微小ループアンテナと伝送線路との間にSW用
のPINダイオードを設け、第1測定部の測定可能な周
波数範囲が第2測定部の測定可能な周波数範囲よりも高
い場合に、第1測定部のPINダイオードのOFF容量
を第2測定部のPINダイオードのOFF容量よりも低
く設定したものであり、高い周波数において高い感度を
確保することができ、広帯域な測定周波数に対応でき
る。
【0042】請求項13に記載の発明は、前記第1測定
部及び第2測定部の微小ループアンテナを選択する手段
として、微小ループアンテナと伝送線路との間にSW用
のPINダイオードを設け、第1測定部の測定可能な周
波数範囲が第2測定部の測定可能な周波数範囲よりも高
い場合に、第1測定部のPINダイオードの両端にリア
クタンス素子を並列に接続し、第1測定部のPINダイ
オードがOFFの状態において、このPINダイオード
とリアクタンス素子との並列回路の並列共振周波数が第
1測定部の測定可能な周波数範囲となるように設定した
ものであり、高い周波数において高い感度を確保でき、
広帯域な測定周波数に対応できる。
【0043】請求項14に記載の発明は、前記リアクタ
ンス素子として、コイルと直流素子コンデンサとを直列
に接続した回路を用いたものであり、高い周波数におい
て高い感度を確保でき、広帯域な測定周波数に対応でき
る。
【0044】請求項15に記載の発明は、電子機器から
放射される限られた周波数範囲の近傍電磁界を測定する
電磁放射測定装置であって、複数の微小ループアンテナ
と、微小ループアンテナの第1端を伝送線路に接続する
PINダイオードと、微小ループアンテナの第2端をG
NDへ高周波接地する第1コンデンサと、微小ループア
ンテナの第1端と第2端との間または第1端とGNDと
の間に配置した第2コンデンサとを設け、微小ループア
ンテナと第2コンデンサとで構成される並列回路の共振
周波数が測定周波数に等しくなるように第2コンデンサ
の値を設定したものであり、特定の周波数範囲で高い感
度を確保することができる。
【0045】請求項16に記載の発明は、前記第2コン
デンサを、多層基板上に形成された導体パターンから成
る分布定数回路で構成したものであり、特定の周波数範
囲で高い感度を確保することができる。
【0046】請求項17に記載の発明は、前記第2コン
デンサと直列に第2PINダイオードを挿入し、微小ル
ープアンテナが選択されない場合に、第2PINダイオ
ードをOFFするように構成したものであり、特定の周
波数範囲で高いアイソレーション性能を確保できる。
【0047】請求項18に記載の発明は、電子機器から
放射される限られた周波数範囲の近傍電磁界を測定する
電磁放射測定装置であって、複数の微小ループアンテナ
と、微小ループアンテナの第1端を伝送線路に接続する
第1可変容量ダイオードと、微小ループアンテナの第2
端をGNDへ高周波接地する第1コンデンサと、微小ル
ープアンテナの第1端と第2端との間または第1端とG
NDとの間に配置した第2可変容量ダイオードとを設
け、選択状態の微小ループアンテナに接続される第1可
変容量ダイオード及び第2可変容量ダイオードの逆バイ
アス電圧を、非選択状態の微小ループアンテナに接続さ
れる第1可変容量ダイオード及び第2可変容量ダイオー
ドの逆バイアス電圧よりも低く設定したものであり、高
い感度を有する特定の周波数範囲を変化することができ
る。
【0048】請求項19に記載の発明は、電子機器から
放射される限られた周波数範囲の近傍電磁界を測定する
電磁放射測定装置であって、複数の微小ループアンテナ
が選択的に接続される伝送線路で一つの測定系を構成
し、複数の測定系からの信号を選択して次段に伝送する
ために、各測定系の伝送線路端にPINダイオードの一
端を接続し、PINダイオードの他端を共通にして次段
へ接続し、PINダイオードの両端にリアクタンス素子
を並列に接続して、PINダイオードがOFFの状態の
ときのPINダイオードとリアクタンス素子との並列回
路の並列共振周波数を、測定可能な周波数範囲に設定し
たものであり、特定の周波数範囲で高い感度を確保する
ことができる。
【0049】請求項20に記載の発明は、電子機器から
放射される広い周波数範囲の近傍電磁界を測定する電磁
放射測定装置であって、複数の微小ループアンテナと、
微小ループアンテナの第1端を第1伝送線路へ接続する
第1PINダイオードと、微小ループアンテナの第2端
を第2伝送線路へ接続する第2PINダイオードと、第
2端をGNDへ接続する第3PINダイオードと、微小
ループアンテナの中点をGNDに接続する第4PINダ
イオードとを設け、低い周波数範囲を測定する場合に
は、第1PINダイオード及び第3PINダイオードを
ONとし第2PINダイオード及び第4PINダイオー
ドをOFFとし、高い周波数範囲を測定する場合には、
第1PINダイオード、第2PINダイオード及び第4
PINダイオードをONとし第3PINダイオードをO
FFに設定するようにしたものであり、広い周波数範囲
に対応することができ、高い周波数範囲を測定する場合
には位置分解能を2倍にすることができる。
【0050】請求項21に記載の発明は、電子機器から
放射される広い周波数範囲の近傍電磁界を測定する電磁
放射測定装置であって、各測定セルに第1微小ループア
ンテナと第2微小ループアンテナと第3微小ループアン
テナとを設け、第1微小ループアンテナのループ面を測
定セルの対角線に配置し、第2微小ループアンテナと第
3微小ループアンテナとを第1微小ループアンテナの近
傍に配置するとともに、第2微小ループアンテナ及び第
3微小ループアンテナのループ長を第1微小ループアン
テナのループ長よりも短く設定し、第1微小ループアン
テナを第1PINダイオードを介して第1伝送線路に接
続し、第2微小ループアンテナを第2PINダイオード
を介して第2伝送線路に接続し、第3微小ループアンテ
ナを第3PINダイオードを介して第3伝送線路に接続
し、低い周波数範囲を測定する場合には、第1PINダ
イオードをONとし第2PINダイオード及び第3PI
NダイオードをOFFとし、高い周波数範囲を測定する
場合には、第2PINダイオード及び第3PINダイオ
ードをONとし第1PINダイオードをOFFに設定す
るようにしたものであり、広い周波数範囲に対応するこ
とができ、高い周波数範囲を測定する場合には位置分解
能を2倍にすることができる。
【0051】請求項22に記載の発明は、前記測定セル
内で、第2微小ループアンテナ及び第3微小ループアン
テナを第1微小ループアンテナの両側に第1微小ループ
アンテナを挟むように配置したものであり、広い周波数
範囲に対応することができ、高い周波数範囲を測定する
場合には位置分解能を2倍にすることができるととも
に、第1微小ループアンテナがシールド素子として動作
することで高いアイソレーションを確保できる。
【0052】請求項23に記載の発明は、前記測定セル
内で、第1微小ループアンテナのループ面と第2微小ル
ープアンテナ及び第3微小ループアンテナのループ面と
が互いに垂直になるように配置したものであり、広い周
波数範囲に対応することができ、高いアイソレーション
を確保できる。
【0053】請求項24に記載の発明は、前記第1微小
ループアンテナ、第2微小ループアンテナ及び第3微小
ループアンテナの各々を多層基板表面に平行な一つのル
ープパターンと多層基板表面に垂直な二つのスルーホー
ルとで構成し、第1微小ループアンテナのループパター
ンと第2微小ループアンテナ及び第3微小ループアンテ
ナのループパターンとを異なる層に配置し、第1微小ル
ープアンテナのループ面と第2微小ループアンテナ及び
第3微小ループアンテナのループ面とが互いに垂直に交
わるように配置したものであり、広い周波数範囲に対応
することができ、測定セルサイズを小さくできるため、
位置分解能を向上することができる。
【0054】請求項25に記載の発明は、電子機器から
放射される広い周波数範囲の近傍電磁界を測定する電磁
放射測定装置であって、各測定セルに第1微小ループア
ンテナと、ループ長を第1微小ループアンテナのループ
長より短く設定した第2微小ループアンテナとを設け、
第1微小ループアンテナの第1端を第1PINダイオー
ドを介して第1伝送線路に接続し、第2微小ループアン
テナの第1端を第2PINダイオードを介して第2伝送
線路に接続し、第1微小ループアンテナ及び第2微小ル
ープアンテナの第2端を接続してコンデンサを介して高
周波接地し、低い周波数範囲を測定する場合には、第1
PINダイオードをONとし第2PINダイオードをO
FFとし、高い周波数範囲を測定する場合には、第2P
INダイオードをONとし第1PINダイオードをOF
Fに設定するようにしたものであり、広い周波数範囲に
対応することができ、また、各PINダイオードをO
N、OFFするためのバイアス供給回路を簡単な構成に
することができる。
【0055】請求項26に記載の発明は、電子機器から
放射される広い周波数範囲の近傍電磁界を測定する電磁
放射測定装置であって、多層基板の測定側表面に配置さ
れた水平微小ループアンテナと、水平微小ループアンテ
ナの第1端を第1伝送線路に接続する第1PINダイオ
ードと、水平微小ループアンテナの第2端を多層基板の
裏面へ接続するスルーホールと、多層基板の裏面におい
てスルーホールを高周波接地するコンデンサと、水平微
小ループアンテナの中点を第2伝送線路に接続する第2
PINダイオードとを設け、第1伝送線路及び第2伝送
線路にそれぞれ異なるバイアス電圧を印加することで、
低い周波数範囲を測定する場合には、第1PINダイオ
ードをONとし第2PINダイオードをOFFとし、高
い周波数範囲を測定する場合には、第2PINダイオー
ドをONとし第1PINダイオードをOFFに設定する
ようにしたものであり、広い周波数範囲に対応すること
ができ、測定セルサイズを小さくできるため、位置分解
能を向上することができ、また、各PINダイオードを
ON、OFFするためのバイアス供給回路を簡単な構成
にすることができる。
【0056】請求項27に記載の発明は、電子機器から
放射される広い周波数範囲の近傍電磁界を測定する電磁
放射測定装置であって、微小ループアンテナを備える測
定セルが多数形成された多層基板の測定面における測定
セルの外周にGNDパターンを形成するとともに、この
多層基板の裏面にGNDパターンを形成し、測定面のG
NDパターンと裏面のGNDパターンとを接続するスル
ーホールを多数配列したものであり、高いアイソレーシ
ョンを確保することができる。
【0057】請求項28に記載の発明は、前記測定セル
が、平行なループ面を有する複数の微小ループアンテナ
を具備するとき、それらのループ面の間に平行に延びる
GNDパターンを形成し、このGNDパターンと裏面の
GNDパターンとを接続するスルーホールを多数配列し
たものであり、広い周波数範囲に対応することができ、
高いアイソレーションを確保することができる。
【0058】請求項29に記載の発明は、前記第1伝送
線路及び第2伝送線路を多層基板の内層に形成されるス
トリップラインとして構成し、第1伝送線路のストリッ
プラインと第2伝送線路のストリップラインとを異なる
層に配置するようにしたものであり、低い周波数の測定
系と高い周波数の測定系との間のアイソレーションを向
上することができる。
【0059】請求項30に記載の発明は、前記第1伝送
線路のストリップラインと第2伝送線路のストリップラ
インとが直角に交わるように配置したものであり、低い
周波数の測定系と高い周波数の測定系との間のアイソレ
ーションを向上することができる。
【0060】請求項31に記載の発明は、電子機器から
放射される広い周波数範囲の近傍電磁界を測定する電磁
放射測定装置であって、複数の微小ループアンテナが選
択的に接続される伝送線路で一つの測定系を構成し、複
数の測定系からの信号を選択して次段に伝送するため
に、各測定系の伝送線路端に増幅回路と測定系を選択す
る回路とを接続し、測定系が選択状態の時のみ増幅回路
を動作させるようにしたものであり、高い測定周波数範
囲において高いアイソレーションを確保することができ
る。
【0061】請求項32に記載の発明は、前記増幅回路
の利得の周波数特性と、増幅回路が挿入された測定系の
周波数特性とが逆の特性を持つように調整し、次段に伝
送される信号の周波数特性を平坦にしたものであり、測
定周波数範囲において平坦な周波数特性と高いアイソレ
ーションを確保できる。
【0062】請求項33に記載の発明は、電子機器から
放射される限られた周波数範囲の近傍電磁界を測定する
電磁放射測定装置であって、複数の微小ループアンテナ
と、微小ループアンテナの第1端を伝送線路に接続する
ミキサ素子と、微小ループアンテナに外部から入力され
る局部発振信号を印加する手段とを設け、微小ループア
ンテナで受信した高い周波数の信号と局部発振信号とを
ミキサ素子で混合し、低い中間周波数に変換して伝送線
路を介して出力するようにしたものであり、特定の周波
数範囲で高い感度と高いアイソレーションを確保するこ
とができる。
【0063】請求項34に記載の発明は、前記局部発振
信号を微小ループアンテナに印加する手段として、微小
ループアンテナの第2端に第2伝送線路を接続し、微小
ループアンテナの第2端とGNDとの間にコンデンサと
コイルとの並列共振回路を設け、並列共振回路の共振周
波数を局部発振信号の周波数に設定し、第2伝送線路
に、外部から入力される局部発振信号を印加するように
構成したものであり、局部発振信号を効率良く印加で
き、特定の周波数範囲で高い感度と高いアイソレーショ
ンを確保することができる。
【0064】請求項35に記載の発明は、前記局部発振
信号を微小ループアンテナに印加する手段として、微小
ループアンテナの近傍に第2ループアンテナを配置し
て、第2ループアンテナに外部から入力される局部発振
信号を印加し、微小ループアンテナと第2ループアンテ
ナとを相互誘導結合させるようにしたものであり、少な
い回路素子により、特定の周波数範囲で高い感度と高い
アイソレーションを確保することができる。
【0065】請求項36に記載の発明は、前記微小ルー
プアンテナの第1端がミキサ素子を介して接続する伝送
線路上の点と、隣接する測定セルの微小ループアンテナ
の第1端がミキサ素子を介して接続する伝送線路上の点
との間に、コイルとコンデンサとの直列共振回路を挿入
し、直列共振回路の共振周波数を伝送線路上を伝送する
中間周波数に設定したものであり、特定の周波数範囲で
高い感度と高いアイソレーションを確保することができ
る。
【0066】請求項37に記載の発明は、前記微小ルー
プアンテナの第2端が接続する第2伝送線路上の点と、
隣接する測定セルの微小ループアンテナの第2端が接続
する第2伝送線路上の点との間に、コイルとコンデンサ
との直列共振回路を挿入し、直列共振回路の共振周波数
を第2伝送線路上を伝送する局部発振周波数に設定した
ものであり、特定の周波数範囲で高い感度と高いアイソ
レーションを確保することができる。
【0067】請求項38に記載の発明は、前記ミキサ素
子としてダイオードを用いるようにしたものであり、こ
のダイオードには直流バイアスを印加しないため、消費
電流を低く押さえるとともに特定の周波数範囲で高いア
イソレーションを確保することができる。
【0068】請求項39に記載の発明は、前記ミキサ素
子としてトランジスタを用い、トランジスタのベースま
たはエミッタを微小ループアンテナに接続し、トランジ
スタのコレクタを伝送線路に接続し、トランジスタに直
流バイアスを印加するようにしたものであり、特定の周
波数範囲で特に高い感度を確保することができる。
【0069】請求項40に記載の発明は、多数の測定セ
ルを備える電磁放射測定装置を用いて被測定機器からの
電磁放射を測定する測定システムであって、電磁放射測
定装置が、被測定機器の電磁放射を、異なる方向から、
または異なる周波数範囲で測定して、二種類の測定信号
を第1出力信号及び第2出力信号として出力し、電磁放
射測定装置より出力された各測定信号から電磁放射レベ
ルを求める二つのレベル測定装置と、電磁放射測定装置
から測定信号が読み出される測定セルの選択または測定
周波数を制御し、レベル測定装置で求めたレベル情報の
処理を行なう制御装置とを設け、被測定機器の電磁放射
に対する異なる方向からの測定、または異なる周波数範
囲での測定が同時に行なわれるようにしたものであり、
異なる測定部または測定周波数範囲の電磁放射を同時に
測定することができるため、高速な測定が可能となる。
【0070】請求項41に記載の発明は、前記電磁放射
レベルの位置分布を表示する表示手段を設け、表示手段
に、第1出力信号及び第2出力信号から得られる電磁放
射レベルの位置分布を重ねて表示するようにしたもので
あり、異なる測定部または測定周波数範囲の電磁放射を
比較しながら目視することができる。
【0071】請求項42に記載の発明は、前記電磁放射
レベルの周波数スペクトラムを表示する表示手段を設
け、表示手段に、第1出力信号及び第2出力信号から得
られる電磁放射レベルの周波数スペクトラムを連結して
表示するようにしたものであり、広い周波数範囲の周波
数スペクトラムを表示することができる。
【0072】請求項43に記載の発明は、前記電磁放射
測定装置が、被測定機器を間に挟むように配置した二つ
の測定部で被測定機器の電磁放射を測定して、各測定部
で測定した測定信号を第1出力信号及び第2出力信号と
して出力し、制御装置が、二つのレベル測定装置で求め
た、二つの測定部の対向する位置にある測定セルの電磁
放射レベルの差分を算出し、それを基に被測定機器の内
部の電磁放射源の高さ方向の位置を推定するようにした
ものであり、被測定機器の内部に存在する放射源の高さ
方向の位置を推定することができる。
【0073】請求項44に記載の発明は、前記電磁放射
測定装置に、読み書き可能な記憶手段を設け、電磁放射
測定装置の検査時にアンテナファクタの検査結果を記憶
手段に書き込み、被測定機器の電磁放射の測定時に、記
憶手段に記憶された検査結果を制御装置に伝えて、制御
装置が、検査結果に基づいて、測定時の測定結果に補正
を加えるようにしたものであり、複数の測定部間の測定
結果のばらつきを抑えて、高い測定精度が得られる。
【0074】請求項45に記載の発明は、請求項18に
記載の電磁放射測定装置を用いて被測定機器からの電磁
放射を測定する測定システムであって、この電磁放射測
定装置より出力された測定信号から電磁放射レベルを求
めるレベル測定装置と、電磁放射測定装置から測定信号
が読み出される測定セルの選択と測定周波数とを制御す
る制御装置と、電磁放射測定装置の選択状態の微小ルー
プアンテナに接続する第1可変容量ダイオード及び第2
可変容量ダイオードの逆バイアス電圧を制御する制御電
圧発生手段とを設け、制御電圧発生手段が、制御装置が
制御する測定周波数に連動してこの逆バイアス電圧を変
動させるようにしたものであり、レベル測定装置の測定
周波数と微小ループアンテナの共振周波数とを一致させ
ることで、高い感度を確保することができる。
【0075】請求項46に記載の発明は、請求項33乃
至39に記載の電磁放射測定装置を用いて被測定機器か
らの電磁放射を測定する測定システムであって、電磁放
射測定装置より出力された中間周波数の測定信号から電
磁放射レベルを求めるレベル測定装置と、電磁放射測定
装置から測定信号が読み出される測定セルの選択と測定
周波数とを制御する制御装置とを設け、レベル測定装置
が、内蔵する局部発振器の局部発振出力を電磁放射測定
装置に出力し、電磁放射測定装置が、レベル測定装置か
ら入力する局部発振信号を用いて中間周波数の測定信号
を生成するようにしたものであり、局部発振信号発生装
置を追加することなく、既存のレベル測定装置を有効に
活用できるため、簡単なシステム構成を実現できる。
【0076】請求項47に記載の発明は、基準となる被
測定機器からの電磁放射レベルの測定結果を記憶する記
憶手段を設け、基準となる被測定機器の測定結果と他の
被測定機器を測定した結果とを比較して、他の被測定機
器の故障を検出するようにしたものであり、非接触で故
障検出を行なうことができる。
【0077】請求項48に記載の発明は、基準となる被
測定機器の電磁放射レベルの測定結果から電磁放射の発
生源の周波数及び3次元的位置を認識する認識手段と、
認識された電磁放射の発生源の周波数及び3次元的位置
を基準情報として記憶する記憶手段とを設け、基準情報
と他の被測定機器を測定した結果とを比較して、他の被
測定機器の故障部位を推定するようにしたものであり、
非接触で故障部位を推定することができる。
【0078】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図36を用いて説明する。
【0079】(第1の実施の形態)第1の実施形態の電
磁放射測定装置は、図1に示すように、直立するアンテ
ナ基板1と制御GND基板4とを格子状に組み合わせて
構成される。アンテナ基板1には、その一面に複数の微
小ループアンテナ2と、PINダイオード3と、細幅の
GNDパターン10とが形成され、その裏面(図1
(c))には、前記GNDパターン10とスルーホールで
接続された細い幅のGNDパターン10が形成されてい
る。また、制御GND基板4には、制御パターン5と広
幅のGNDパターン6とが形成され、その裏面(図1
(b))には広幅のGNDパターン6が形成されてい
る。
【0080】アンテナ基板1及び制御GND基板4は、
板厚が0.8乃至1.6mm程度の汎用的なガラスエポ
キシ基板で構成され、そのZ方向の高さが約5乃至10
mm程度に設定される。アンテナ基板1をX方向に平行
に複数列(A列)配置し、制御GND基板4をY方向に
平行に複数列(B列)配置し、お互いの切り欠き部を組
み合わせて格子状のアンテナ部を構成する。図1は説明
の便宜上、一つのアンテナ基板1と二つの制御GND基
板4とを拡大して図示している。アンテナ基板1上に
は、銅箔パターンで形成された微小ループアンテナ2が
複数個(B個)配置される。図1は説明の便宜上、二つ
の微小ループアンテナ2を拡大して図示している。した
がって、(A×B)個の微小ループアンテナ2が、XY
面に格子状に配置される。
【0081】一般に、A及びBは20乃至50程度に設
定される。微小ループアンテナ2のループ長Lは、例え
ば3.0mm程度に設定される。制御GND基板4上に
は、制御パターン5とGNDパターン6とが銅箔パター
ンで形成される。微小ループアンテナ2のループの一端
がアンテナ基板1上に実装されたPINダイオード3の
アノードに半田付けされ、ループの他端は制御GND基
板4上の制御パターン5の接続部7に半田付けされる。
また、PINダイオード3のカソードはスルーホール8
を介してアンテナ基板1の内層に形成されたストリップ
ライン9に接続される。
【0082】制御GND基板4の両面に形成されたGN
Dパターン6及びアンテナ基板1の両面に形成されたG
NDパターン10は、スルーホールで両面のパターンが接
続され、アンテナ基板1上のGNDパターン10は、接続
部11で制御GND基板4上のGNDパターン6に半田付
けされる。
【0083】この制御GND基板4のGNDパターン6
は、アンテナ基板1上で隣接する微小ループアンテナ2
との間をシールドし、また、アンテナ基板1上のGND
パターン10は、微小ループアンテナ2の感知領域を規定
する。
【0084】このように構成された電磁放射測定装置に
おいて、微小ループアンテナ2はY方向の磁界により誘
導電圧を発生するループアンテナとして動作する。制御
パターン5に電流制限抵抗を介してH電圧(例えば12
V)が印加され、ストリップライン9にL電圧(例えば
5V)がバイアスされている場合には、PINダイオー
ド3は順バイアスされてON状態となり、誘導された信
号はPINダイオード3を介してストリップライン9に
伝送される。この状態が微小ループアンテナ2が選択さ
れた状態である。
【0085】逆に、制御パターン5の電圧がGND(0
V)に制御された場合は、PINダイオード3は逆バイ
アスされてOFF状態となり、微小ループアンテナ2は
非選択状態となる。このように、B本の制御パターン5
とA本のストリップライン9とのバイアス電圧により制
御されて、同一時間には(A×B)個の微小ループアン
テナ2の内、ただ一つが選択状態に設定される。
【0086】この実施形態の電磁放射測定装置では、Z
方向に垂直に配置した基板の表面に微小ループアンテナ
2を形成しているため、隣合うアンテナ基板1に形成さ
れている微小ループアンテナとの間には誘電体が存在し
ない(空間が存在する)。
【0087】従来の電磁放射測定装置では、微小ループ
アンテナが多層基板の内部に表層パターンとスルーホー
ルとで形成されているため、微小ループアンテナの隣接
する微小ループアンテナとの間に多層基板を構成する誘
電体が介在し、そのため、ループ長を4.0mm程度ま
で小さくした場合に、寄生浮遊容量が大きくなり、特に
高い周波数(1000MHz以上)で近接する微小ルー
プアンテナ間のアイソレーションが劣化していたが、こ
の実施形態の装置では、微小ループアンテナ間に誘電体
が存在しないため、隣合うアンテナ基板1に形成された
微小ループアンテナとの間のアイソレーションが劣化し
ない。
【0088】また、同じアンテナ基板1に形成された隣
接する微小ループアンテナとの間にはGNDパターン6
が介在し、これが隣接する微小ループアンテナ2との間
をシールドする。
【0089】そのため、この装置では、高い測定周波数
においても、高いアイソレーションを確保することがで
きる。
【0090】また、この装置では、ループのZ方向の導
体を基板表面パターンで形成しているため、導体幅を小
さく(例えば0.1mm程度)選ぶことができるので、
ループ長を小さくする場合に好都合である。
【0091】また、従来の電磁放射測定装置では、多層
基板の板厚を厚く(4乃至5mm程度)設定する必要が
あり、重量が重くコスト高になる傾向があるが、この実
施形態の装置では、格子状の組み合わせによって機械強
度が保てるため、汎用的な板厚(0.8乃至1.6m
m)の基板を利用することができる。また、アンテナ部
全てを誘電体で充填しないため軽量化が可能である。
【0092】なお、微小ループアンテナの構成は上記の
説明に限るものではなく、他の構成を採る場合でも、ア
ンテナ基板1の表面上に形成する構成であれば同様な効
果が得られる。また、各基板間の接続方法は上記の説明
に限るものではなく、他の接続方法においても同様な効
果が得られる。微小ループアンテナをストリップライン
に接続する手段は上記の説明に限るものではなく、他の
手段(例えば、トランジスタやFETなど)を用いても
同様な効果が得られる。また、制御パターンやGNDパ
ターンの構成及び形状は上記の説明に限るものではな
く、他の構造及び形状においても同様な効果が得られ
る。
【0093】(第2の実施の形態)第2の実施形態の電
磁放射測定装置は、図2に示すように、アンテナ基板1
と隣接するアンテナ基板1との間にGND基板12を配置
して、隣合うアンテナ基板1に形成された微小ループア
ンテナとの間をシールドしている。このGND基板12
は、両面にGNDパターン13を備えている。その他の構
成は、第1の実施形態(図1)と変わりがない。
【0094】図2において、GND基板12は、アンテナ
基板1を挟むようにX方向に平行に複数列(A+1列)
配列される。GND基板12は、アンテナ基板1と同様に
板厚は0.8乃至1.6mm程度の汎用的なガラスエポ
キシ基板が使用され、そのZ方向の高さは約5乃至10
mm程度に設定される。GND基板12上には、GNDパ
ターン13が銅箔パターンで形成される。GNDパターン
13は、接続部14において制御GND基板4上のGNDパ
ターン6と半田付けされる。
【0095】この電磁放射測定装置では、微小ループア
ンテナ2の4方向がGNDパターンで確実にシールドさ
れ、高い測定周波数においても、隣接する微小ループア
ンテナ2との間に高いアイソレーションが確保される。
【0096】(第3の実施の形態)第3の実施形態の電
磁放射測定装置では、トランジスタを用いて微小ループ
アンテナのスイッチング動作が行なわれる。この装置
は、図3に示すように、アンテナ基板1上に表面実装型
の高周波用トランジスタ15が実装されており、このトラ
ンジスタ15のベースに微小ループアンテナ2のループの
一端が半田付けされている。また、トランジスタ15のコ
レクタはスルーホール8を介してアンテナ基板1の内層
に形成されたストリップライン9に接続され、トランジ
スタ15のエミッタはGNDパターン10に半田付けされ
る。その他の構成は第1の実施形態(図1)と変わりが
ない。
【0097】この電磁放射測定装置では、微小ループア
ンテナ2が選択状態にある場合には、トランジスタ15の
ベースに、制御パターン5、接続部7、電流制限抵抗17
及び微小ループアンテナ2を通じて、制御電圧(5V)
が印加される。また、ストリップライン9には、L電圧
(5V)が印加されているため、トランジスタ15のコレ
クタは5Vにバイアスされる。その結果、トランジスタ
15は動作状態にバイアスされるため、微小ループアンテ
ナ2で誘導された信号は5乃至10dB増幅されてスト
リップライン9に伝送される。
【0098】また、微小ループアンテナ2が非選択状態
にある場合には、制御パターン5を通じて印加される制
御電圧がGND(0V)に制御され、トランジスタ15の
ベースはバイアスされず動作しない。
【0099】この実施形態の測定装置では、トランジス
タ15の動作により、選択状態の感度が向上し、その結
果、非選択状態にある微小ループアンテナ2との区別が
明確になり、非選択状態におけるアイソレーションが改
善される。
【0100】なお、トランジスタの接続方法及びバイア
ス電圧は上記の説明に限るものではなく、他の方法にお
いても増幅作用が得られる方法であれば同様な効果が得
られる。また、トランジスタを高周波FETで代用して
も同様な効果が得られる。また、トランジスタまたはF
ETをカスケード接続またはダーリントン接続すれば、
さらに高い増幅度が得られ、効果がさらに向上する。
【0101】(第4の実施の形態)第4の実施形態の電
磁放射測定装置は、測定セルの大きさを異にする複数の
測定部を配置して、それらの使い分けを可能にしてい
る。
【0102】この装置は、図4に示すように、多層基板
20に、大きい測定セルを有する第1測定部18と、小さい
測定セルを有する第2測定部19と、第1測定部18からの
信号を出力する第1出力端子23と、第2測定部19からの
信号を出力する第2出力端子24とを備えている。
【0103】図4において、第1測定部18及び第2測定
部19は、同一の多層基板20上に構成されており、第1測
定部18には、多層基板20に形成された微小ループアンテ
ナ26をそれぞれ一つ備えた測定セル25が多数(例えば1
000個)配置され、また、第2測定部19には、多層基
板20に形成された微小ループアンテナ28をそれぞれ一つ
備えた測定セル27が多数(例えば1000個)配置され
ている。
【0104】微小ループアンテナ26のループ長は、例え
ば7mmに設定され、測定セル25は7mm角の正方形に
設定される。また、微小ループアンテナ28のループ長
は、例えば4mmに設定され、測定セル27は4mm角の
正方形に設定される。
【0105】微小ループアンテナ26及び28は、多層基板
20の上に配置された被測定物からの電磁放射に対応する
誘導電圧を発生する。この図4では、微小ループアンテ
ナ26及び28として、多層基板20上に銅箔パターンで平面
的に形成された微小ループアンテナを示している。この
微小ループアンテナで誘導された信号は、多層基板20の
内層に形成されたストリップラインを通じて測定系選択
部21及び22に伝送される。測定系選択部21及び22では、
各測定系からの信号を選択して第1及び第2出力端子23
及び24に出力する。この微小ループアンテナの構成は、
第1乃至第3の実施形態で示した構成を採ることもでき
る。
【0106】この電磁放射測定装置では、第1測定部18
の測定可能な周波数範囲は、その微小ループアンテナ26
のループ長が7mmであるので、10乃至1000MH
zとなる。また、第2測定部19の測定可能な周波数範囲
は、その微小ループアンテナ28のループ長が4mmであ
るので、1000乃至2000MHzとなる。また、第
1測定部18の測定位置分解能は7mmであり、第2測定
部のそれは4mmとなる。この第1測定部は、位置分解
能をやや犠牲にして低い周波数帯域の測定が可能であ
り、また、第2測定部は、低い周波数帯域の測定を犠牲
にして高い周波数の測定が可能であり、位置分解能も、
第1測定部に比べて高い。
【0107】このように、第4の実施形態の電磁放射測
定装置では、低い周波数と高い周波数のそれぞれにおい
て最適な性能を有する測定部を使い分けることができる
ため、広帯域な測定周波数に対応できる。
【0108】なお、第1及び第2測定部の微小ループア
ンテナの構成は、図4の構成、あるいは第1乃至第3の
実施形態の構成に限るものではない。
【0109】また、測定部の種類及び数は、上記の説明
にかぎるものではなく、例えば3種類以上の測定部を備
える構成によっても同様な効果が得られる。
【0110】(第5の実施の形態)第5の実施形態の電
磁放射測定装置は、図5に示すように、筐体29の一方の
表面に大きい測定セルを有する第1測定部30を設け、筐
体29の他方の表面に小さい測定セルを有する第2測定部
31を設けている。
【0111】この第1測定部30及び第2測定部31は、第
1乃至第4の実施形態で示すような微小ループアンテナ
を多数備えた測定部である。また、第1測定部30の微小
ループアンテナのループ長を例えば7mmに設定し、第
2測定部31の微小ループアンテナのループ長を例えば4
mmに設定する。したがって、第1測定部30の測定可能
周波数は10乃至1000MHzであり、第2測定部31
の測定可能周波数は1000乃至2000MHzであ
る。第1測定部30は、筐体29の上面に測定面を上側に向
けて配置され、第2測定部31は、筐体29の下面に測定面
を下側に向けて配置される。
【0112】この筺体29は、第1測定部30を設けた第1
多層基板と、第2測定部31を設けた第2多層基板とを、
それぞれの測定面が反対の方向に向くように互いに裏向
きに固定して構成してもよい。
【0113】この筐体29を、対象とする測定周波数に応
じて、反転させて測定を行なうことにより、低い周波数
及び高い周波数のそれぞれにおいて最適な測定を行なう
ことができ、広い周波数範囲への適用が可能となる。ま
た、筐体29の上下面を利用して複数の測定部を配置して
いるため、電磁放射測定装置の平面的な面積の増大を抑
えることができる。
【0114】このように、第5の実施形態の電磁放射測
定装置では、専有面積を小さくすることができるため、
小型でかつ広帯域な測定周波数に対応できる。
【0115】(第6の実施の形態)第6の実施形態の電
磁放射測定装置は、多層基板の一方の面に大きい測定セ
ルを設け、多層基板の他方の面に小さい測定セルを設け
ている。
【0116】この電磁放射測定装置は、図6の断面図で
示すように、多層基板32の第1測定面39の側の表面にル
ープパターン33を形成し、基板内に形成したスルーホー
ル34とともに微小ループアンテナを構成する。また、多
層基板32の第2測定面40の側の表面にループパターン36
を形成し、基板内に形成したスルーホール37とともに微
小ループアンテナを構成する。また、第1測定面39側と
第2測定面40側との間に電磁的分離を図るためのGND
層38を配置する。
【0117】多層基板32は、板厚が6乃至8mm程度の
誘電体基板であり、GND層38により第1測定面39側と
第2測定面40側に電磁的に分離されている。ループパタ
ーン33は第1測定面39の表面に形成される銅箔パターン
であり、そのループ長は例えば7mmに設定される。ル
ープパターン33はスルーホール34とともに微小ループア
ンテナを構成する。また、ループパターン36は第2測定
面40の表面に形成される銅箔パターンであり、そのルー
プ長は例えば4mmに設定される。ループパターン36は
スルーホール37とともに微小ループアンテナを構成す
る。図6において、表面実装部品35は、各表面に実装さ
れるPINダイオードや高周波接地用のコンデンサを表
している。
【0118】この測定装置では、低い周波数と高い周波
数のそれぞれにおいて最適な性能を有する第1及び第2
測定部を、同一の多層基板上の上下面に、それぞれ、分
けて配置している。したがって、広い周波数範囲に対応
できる電磁放射測定装置を、平面的な面積を増大するこ
となく、単一の多層基板を配置する簡単な構造として構
成することができる。
【0119】このように、第6の実施形態の電磁放射測
定装置では、測定部の専有面積を小さくするとともに、
1枚の多層基板で二つの測定部を構成できるため、簡単
な構成でかつ広帯域な測定周波数に対応できる。
【0120】(第7の実施の形態)第7の実施形態の電
磁放射測定装置は、低い周波数と高い周波数のそれぞれ
に最適な性能を有する第1及び第2測定部の出力端子を
共用する。
【0121】この測定装置は、図7に示すように、第1
測定部18及び第2測定部19からの出力を切り替える高周
波SW41と、共用する出力端子42とを備えている。その
他の構成は第4の実施形態(図4)と変わりがない。
【0122】この装置の高周波SW41は、PINダイオ
ードまたはGaAs−MMICで構成され、多層基板20
上に実装される。第1測定部18及び第2測定部19の測定
系選択部21及び22からの出力を、高周波SW41に入力
し、高周波SW41の出力を出力端子42に導くように構成
する。高周波SW41は、第1測定部18を使用する場合に
は第1測定部側を選択し、第2測定部19を使用する場合
には第2測定部側を選択するように制御される。
【0123】この実施形態の測定装置では、第1または
第2測定部で測定された結果が選択されて出力される。
したがって、第1及び第2測定部を同時に使って測定す
ることはできないが、出力端子を二つの測定部で共用す
ることができるため、出力端子を数を削減することがで
き、かつ、一つのレベル測定器を各測定部で共用するこ
とができる。
【0124】このように、第7の実施形態の電磁放射測
定装置では、出力端子を二つの測定部で共用することが
でき、経済的でかつ広帯域な測定周波数に対応できる。
【0125】(第8の実施の形態)第8の実施形態の電
磁放射測定装置は、被測定機器の表面または裏面からの
電磁放射を同時に測定することができる。
【0126】この測定装置は、図8に示すように、筺体
の本体部43に第1測定部45が設けられ、蓋部44の側に第
2測定部46が設けられ、本体部43と蓋部44とが可動接続
部47で接続されている。
【0127】第1測定部45及び第2測定部46は、第1乃
至第4の実施形態で示すように微小ループアンテナを多
数備えた測定部である。第1測定部45は本体部43に内蔵
され、第2測定部46は蓋部44に内蔵される。蓋部44は、
可動接続部47によって本体部43に固定される。本体部43
の第1測定部45の上に、被測定機器48(例えば携帯電話
端末)を置き、蓋部44を本体部43側へ倒し、蓋を閉める
ようにすると、被測定機器48は、上下を第1及び第2測
定部で挟まれることになる。
【0128】この電磁放射測定装置では、例えば、第1
及び第2測定部の微小ループアンテナのループ長が同一
であり、測定可能周波数範囲が同じである場合には、被
測定機器48の上面及び下面の両方から放射される同一周
波数の電磁放射を同時に測定することができる。また、
第1及び第2測定部の位置分解能を一致され、また、第
1及び第2測定部の各微小ループアンテナの対向位置が
一致するように、水平面位置を一致させておけば、被測
定機器の同一部位から放射される電磁放射を上面及び下
面の両方から同時に測定することができる。
【0129】また、例えば、第1及び第2測定部の微小
ループアンテナのループ長が異なり、測定可能周波数範
囲が異なる場合は、被測定機器48の上面及び下面の両方
から放射される異なる周波数の電磁放射を同時に測定す
ることができる。
【0130】このように、第8の実施形態の電磁放射測
定装置では、被測定機器の表面または裏面からの電磁放
射を同時に測定することができるため、高速な測定が可
能となる。また、低い周波数と高い周波数のそれぞれに
おいて最適な性能を有する測定部を使いわけて同時に測
定することができるため、広帯域な測定周波数範囲を高
速に測定することができる。
【0131】(第9の実施の形態)第9の実施形態の電
磁放射測定装置は、低い周波数で最適な性能を有する測
定部に用いるPINダイオードと、高い周波数で最適な
性能を有する測定部に用いるPINダイオードとの特性
を違えることにより、広帯域での高い感度を確保してい
る。
【0132】この測定装置では、図9に示すように、低
い周波数で最適な性能を有する第1測定部18の微小ルー
プアンテナ49は、ON抵抗が小さくOFF容量が大きい
PINダイオード51を介してストリップライン9に接続
し、高い周波数で最適な性能を有する第2測定部19の微
小ループアンテナ50は、ON抵抗が大きくOFF容量が
小さいPINダイオード52を介してストリップライン9
に接続する。
【0133】微小ループアンテナ49のループ長は例えば
7mmに設定され、微小ループアンテナ50のループ長は
例えば4mmに設定される。したがって、第1測定部18
の測定可能周波数範囲は10乃至1000MHzであ
り、第2測定部19の測定可能周波数範囲は1000乃至
2000MHzである。
【0134】一般にPINダイオードにおいて、ON抵
抗が小さいタイプのものはOFF容量が大きく、ON抵
抗が大きいタイプのものはOFF容量が小さい傾向にあ
る。この測定装置では、PINダイオード51としてON
抵抗が小さくOFF容量が大きいものを使用し、PIN
ダイオード52としてON抵抗が大きくOFF容量が小さ
いものを使用する。
【0135】この電磁放射測定装置では、例えば20個
の微小ループアンテナ49及び50とPINダイオード51及
び52とをストリップライン9に接続した伝送系により一
つの測定系を構成する。この測定系では、選択状態(P
INダイオードがON状態)の微小ループアンテナはだ
た一つであり、他の19個の微小ループアンテナは非選
択状態(PINダイオードがOFF状態)である。非選
択状態の微小ループアンテナは、PINダイオードのO
FF容量とループインダクタンスとが直列接続されたト
ラップ回路を構成し、その共振周波数は、PINダイオ
ードのOFF容量とループインダクタンスとによって決
定される。したがって、測定系には、19個のトラップ
回路が並列に常時接続されることになる。このトラップ
回路が測定系の周波数特性(特に高い周波数の感度)を
阻害する最大の要因となる。また、PINダイオードの
ON抵抗が大きい場合は測定系の感度が劣化する。
【0136】ここで、第1測定部18においては、測定周
波数の上限が1000MHzと比較的低いため、上記の
トラップ回路の共振周波数を比較的低く(例えば130
0MHz程度)設定できるため、PINダイオード51は
ON抵抗が小さくOFF容量が大きいものを採用すれ
ば、特に低い周波数の感度を重視した構成とすることが
できる。
【0137】また、第2測定部19においては、測定周波
数の上限が2000MHzと高いため、上記のトラップ
回路の共振周波数を高く(例えば2300MHz程度)
設定する必要があり、PINダイオード52はON抵抗が
大きくOFF容量が小さいものを採用すれば、特に高い
周波数の感度を重視した構成とすることができる。
【0138】このように、第9の実施形態の電磁放射測
定装置では、高い周波数において高い感度を確保でき、
広帯域な測定周波数に対応できる。
【0139】なお、微小ループアンテナの構成は上記の
説明に限るものではなく、他の構成でも同様な効果が得
られる。
【0140】(第10の実施の形態)第10の実施形態
の電磁放射測定装置は、図10に示すように、高い周波
数で最適な性能を有する第2測定部のPINダイオード
52に、コイル53及びコンデンサ54を並列接続して、トラ
ップの影響を減らしている。
【0141】コンデンサ54は直流阻止を目的としその容
量値は十分大きく設定される。コイル53のインダクタン
ス値は、PINダイオード52のOFF容量との並列共振
周波数が測定周波数範囲内(例えば1000乃至200
0MHz)になるように設定される。
【0142】この電磁放射測定装置では、微小ループア
ンテナが選択状態(PINダイオード52がON状態)の
場合は、PINダイオード52のON抵抗はコイル53及び
コンデンサ54の直列回路のインピーダンスより十分小さ
いため、コイル53及びコンデンサ54は無視できる。逆
に、微小ループアンテナが非選択状態(PINダイオー
ド52がOFF状態)の場合は、PINダイオード52のO
FF容量とコイル53との並列共振回路により、ストリッ
プライン9側から見た微小ループアンテナ側のインピー
ダンスは非常に高い値となる。したがって、PINダイ
オード52のOFF容量とループインダクタンスによるト
ラップの影響を低減することができる。
【0143】ここで、上記の並列共振回路では、周波数
が共振周波数より相当低い場合(数百MHz以下)に
は、ストリップライン9から見た微小ループアンテナ側
のインピーダンスは誘導性の低い値を示し、測定系全体
の感度が著しく劣化する。しかし、第2測定部19におい
ては、測定周波数の下限が1000MHzであるため、
この現象は問題ない。逆に、第1測定部(測定周波数範
囲が1000MHz以下)においては、この方法を取る
ことができない。
【0144】このように、第10の実施形態の電磁放射
測定装置では、高い周波数において高い感度を確保で
き、広帯域な測定周波数に対応できる。
【0145】(第11の実施の形態)第11の実施形態
の電磁放射測定装置は、図11に示すように、微小ルー
プアンテナ50の両端を、コンデンサ55、56を介してアー
スすることにより、測定感度の向上を図っている。
【0146】この微小ループアンテナ50は、特定の測定
周波数範囲(例えば1500乃至2000MHz)を持
つ測定部の微小ループアンテナである。
【0147】コンデンサ55は、この微小ループアンテナ
50とPINダイオード52との接続点とGNDとの間に挿
入される。この微小ループアンテナ50の他端は、制御パ
ターン5に接続するとともに、コンデンサ56に接続して
おり、コンデンサ56は、微小ループアンテナ50の他端を
高周波接地している。このコンデンサ56は、バイパスコ
ンデンサであり、十分大きい容量値に設定される。一
方、コンデンサ55の容量値は、微小ループアンテナ50の
ループインダクタンスとの共振周波数が測定周波数範囲
内(例えば1500乃至2000MHz)になるように
設定される。
【0148】この電磁放射測定装置では、微小ループア
ンテナが選択状態(PINダイオード52がON状態)の
場合は、コンデンサ55と微小ループアンテナ50のループ
インダクタンスとの共振により測定周波数においてスト
リップライン9との整合が取れることになり、測定系全
体の感度が向上する。逆に、微小ループアンテナが非選
択状態(PINダイオード52がOFF状態)の場合は、
コンデンサ55と微小ループアンテナ50のループインダク
タンスとの並列共振回路がPINダイオード52のOFF
容量を介して見えることになるが、このインピーダンス
は測定周波数範囲内では非常に大きい値となる。したが
って、PINダイオード52のOFF容量とループインダ
クタンスとによるトラップの影響を低減することができ
る。
【0149】ここで、上記の並列共振回路においては、
周波数が共振周波数より相当低い場合(1500MHz
以下)には、ストリップライン9との整合が取れず測定
系全体の感度が著しく劣化する。しかし、測定部の測定
周波数が(1500乃至2000MHz)の範囲では、
この現象は問題ない。
【0150】このように、第11の実施形態の電磁放射
測定装置では、特定の周波数範囲で高い感度を確保する
ことができる。
【0151】(第12の実施の形態)第12の実施形態
の電磁放射測定装置は、図11の回路構成をコンデンサ
の数を減らして具体化している。
【0152】この電磁放射測定装置では、図12(a)
(b)に示すように、多層基板62の測定面63に銅箔パタ
ーンでループパターン57を形成し、多層基板62の裏面64
に、コンデンサパターン59とランド61、60とを形成し、
PINダイオード52とコンデンサ56とを実装してい。ま
た、スルーホール58で多層基板62の測定面63と裏面64と
の回路を繋いでいる。
【0153】多層基板62の測定面63に形成されたループ
パターン57は、その両端が二つのスルーホール58で多層
基板62の裏面64に接続され、微小ループアンテナを構成
している。一方のスルーホール58には裏面64に実装され
たPINダイオード52が接続されてランド61を介してス
トリップラインへ接続される。他方のスルーホール58は
裏面64に実装されたコンデンサ56を介して接地ランド60
へ接続される。コンデンサパターン59は、多層基板62の
裏面64に銅箔パターンで形成された分布定数回路であ
り、スルーホール58の間にコンデンサ素子として配置さ
れる。
【0154】この電磁放射測定装置では、コンデンサパ
ターン59が、図11におけるコンデンサ55と同様な動作
を行なう。このコンデンサパターン59の容量値を、ルー
プパターン57及びスルーホール58から成るループインダ
クタンスとの共振周波数が測定周波数範囲内になるよう
に設定することにより、図11と同様な効果を得ること
ができる。
【0155】この装置では、コンデンサパターン59が基
板製作時に決定されてしまうために自由度はないが、図
11と対比して、コンデンサ部品を削減することができ
るので、経済的な面で好都合である。
【0156】このように、第12の実施形態の電磁放射
測定装置では、特定の周波数範囲で高い感度を確保する
ことができる。
【0157】(第13の実施の形態)第13の実施形態
の電磁放射測定装置は、アイソレーション性能の向上を
図っている。
【0158】この測定装置では、図13に示すように、
微小ループアンテナ50とPINダイオード52との接続点
に、PINダイオード65を接続するとともに、このPI
Nダイオード65のアノードを、コンデンサ66で接地する
とともに、抵抗67を介して制御パターン5に接続してい
る。微小ループアンテナ50の他端は図11と同じであ
り、コンデンサ56で高周波接地され、また、制御パター
ン5に接続している。
【0159】図13は、特定の測定周波数範囲(例えば
1500乃至2000MHz)を持つ測定部の微小ルー
プアンテナ50及びPINダイオード52を示している。P
INダイオード65のカソードは微小ループアンテナ50と
PINダイオード52との接続点に接続され、アノードは
コンデンサ66により接地されるとともに抵抗67を介して
制御パターン5に接続される。コンデンサ66の容量値
は、微小ループアンテナ50のループインダクタンスとの
共振周波数が測定周波数範囲内(例えば1500乃至2
000MHz)になるように設定される。抵抗67は、P
INダイオード65及び52の直流バイアス用の抵抗であ
り、高周波的な動作には影響ない抵抗値に設定される。
【0160】この電磁放射測定装置では、微小ループア
ンテナが選択状態(PINダイオード52がON状態)の
場合は、PINダイオード65もON状態に制御され、コ
ンデンサ66が接続される。この場合の動作は図11の場
合と同様に、コンデンサ66と微小ループアンテナ50のル
ープインダクタンスとの共振により、測定周波数(15
00乃至2000MHz)においてストリップライン9
との整合が取れることになり測定系全体の感度が向上す
る。逆に、微小ループアンテナが非選択状態(PINダ
イオード52がOFF状態)の場合は、PINダイオード
65もOFF状態となり、コンデンサ66は無視でき、微小
ループアンテナ50は共振回路を構成しない。
【0161】したがって、選択状態の微小ループアンテ
ナ50に近接する微小ループアンテナは、非選択状態であ
ってその感度が低い状態となっている。これにより、近
接する微小ループアンテナ間の測定周波数(1500乃
至2000MHz)におけるアイソレーションが向上す
ることになる。
【0162】このように、第13の実施形態の電磁放射
測定装置では、特定の周波数範囲で高いアイソレーショ
ン性能を確保できる。
【0163】(第14の実施の形態)第14の実施形態
の電磁放射測定装置は、高い感度を有する周波数範囲を
変更することができる。
【0164】この測定装置では、図14に示すように、
微小ループアンテナ50の一端を、可変容量ダイオード68
を介してストリップライン9に接続するとともに、可変
容量ダイオード69を介してアースしている。微小ループ
アンテナ50の他端に関しては図11と同じである。
【0165】図14は、特定の測定周波数範囲(例えば
1000乃至2000MHz)を持つ測定部の微小ルー
プアンテナ50を示している。可変容量ダイオード68及び
69のカソードは微小ループアンテナ50の一端に接続され
る。可変容量ダイオード68のアノードはストリップライ
ン9に接続される。また、可変容量ダイオード69のアノ
ードはGNDに接地される。
【0166】この電磁放射測定装置では、微小ループア
ンテナが選択状態の場合は、制御パターン5に低い電圧
(例えば5V以下)が印加される。このとき、可変容量
ダイオード68及び69の容量値は大きい値となり、可変容
量ダイオード68は微小ループアンテナ50とストリップラ
イン9との結合度を増加し、可変容量ダイオード69は微
小ループアンテナ50との並列共振によりストリップライ
ン9との整合を取るように動作する。さらに、制御パタ
ーン5の電圧を例えば5V以下で変化させることで、最
適な整合が取れる周波数を変化することができる。
【0167】逆に、微小ループアンテナ50が非選択状態
の場合には、制御パターン5には高い電圧(例えば15
V以上)が印加される。このとき、可変容量ダイオード
68及び69の容量値は小さい値となり、可変容量ダイオー
ド68は微小ループアンテナ50とストリップライン9との
結合度を減少し、可変容量ダイオード69と微小ループア
ンテナ50との共振周波数は高い周波数(例えば2000
MHz以上)に設定される。
【0168】このように、第14の実施形態の電磁放射
測定装置では、微小ループアンテナ50の一端に接続する
可変容量ダイオードの逆バイアス電圧を、選択状態では
低く、非選択状態では高く設定して、選択時の微小ルー
プアンテナ50とストリップライン9との結合度を増や
し、非選択時の結合度を減らしている。また、選択状態
での逆バイアス電圧を変えて、高い感度を有する特定の
周波数範囲を変化することができ、比較的広い周波数範
囲に対応することができる。
【0169】(第15の実施の形態)第15の実施形態
では、微小ループアンテナからストリップラインを通じ
て伝送された誘導電圧を次段回路に出力する構成につい
て示している。
【0170】この電磁放射測定装置では、図15に示す
ように、複数の微小ループアンテナと選択的に接続する
各ストリップライン9が、SW回路を構成するPINダ
イオード70を介して結合され、PINダイオード70のO
Nによって選択されたストリップライン9の信号が次段
回路73に出力される。各ストリップライン9に接続する
PINダイオード70の両端には、コイル71とコンデンサ
72との直列回路が並列に接続される。
【0171】図15は、特定の測定周波数範囲(例えば
1500乃至2000MHz)を持つ測定部の測定系を
選択する回路の一部を示している。ストリップライン9
には複数の微小ループアンテナが選択的に接続されてお
り、それぞれが一つの測定系を構成する。この実施形態
では、三つの測定系を選択する回路としてPINダイオ
ード70によるSW回路を構成している。ストリップライ
ン9にはPINダイオード70のアノードが接続され、三
つのPINダイオードのカソードは共通に接続されて次
段回路73に接続される。PINダイオード70の両端には
コイル71とコンデンサ72との直列回路が並列に接続され
る。コンデンサ72は直流阻止用のコンデンサであり、そ
の容量値は十分大きく設定される。コイル71のインダク
タンス値は、PINダイオード70のOFF容量との共振
周波数が測定周波数範囲内になるように設定される。
【0172】この電磁放射測定装置では、選択される測
定系のストリップライン9にL電圧(5V)がバイアス
され、その測定系のPINダイオード70をON状態と
し、他の非選択状態の測定系のPINダイオード70をO
FF状態とする動作が行なわれる。このとき、選択され
た測定系のコイル71は無視される。一方、非選択状態の
測定系では、PINダイオード70とコイル71との並列共
振回路が形成される。したがって、次段回路73から見た
非選択状態の測定系のインピーダンスは大きい値とな
り、この測定系を無視することができる。
【0173】ここで、周波数が例えば1000MHz以
下の場合は、上記並列共振回路のインピーダンスは誘導
性の低い値となり、次段回路73以降のレベルを著しく低
下させる。そのため、従来の電磁放射測定装置のよう
に、広帯域な測定周波数範囲に対応する場合には、コイ
ル71を挿入することはできないが、この実施形態のよう
に、特定の周波数範囲に限った動作を目的とする場合に
は、上記の方法をとることができる。
【0174】このように、第15の実施形態の電磁放射
測定装置では、特定の周波数範囲で高い感度を確保する
ことができる。
【0175】(第16の実施の形態)第16の実施形態
の電磁放射測定装置は、測定する周波数範囲を切り替え
ることができる。この測定装置は、図16に示すよう
に、微小ループアンテナがE字状を呈しており、微小ル
ープアンテナの両端74及び75は、それぞれ、PINダイ
オード78を介して、ストリップライン82に接続し、PI
Nダイオード76を介してストリップライン9に接続して
いる。また、微小ループアンテナ74及び75の中点は、P
INダイオード77及びコンデンサ80の直列回路に接続
し、このPINダイオード77とコンデンサ80との中間で
制御パターン81に接続している。同様に、微小ループア
ンテナ74は、PINダイオード79及びコンデンサ56の直
列回路にも接続し、このPINダイオード79とコンデン
サ56との中間で制御パターン5に接続している。
【0176】この微小ループアンテナ74及び75は、基板
上に銅箔パターンで形成され、その総ループ長は例えば
7mmに設定される。
【0177】この電磁放射測定装置では、低い周波数範
囲(10乃至1000MHz)が選択される場合には、
制御パターン5にH電圧(12V)が印加され、制御パ
ターン81はGND(0V)に制御される。したがって、
PINダイオード76及び79がON状態となり、PINダ
イオード77はOFF状態となる。このため、微小ループ
アンテナ74及び75はループ長7mmの微小ループアンテ
ナとして動作し、測定信号はストリップライン9に伝送
される。
【0178】また、高い周波数範囲(1000乃至20
00MHz)が選択される場合には、制御パターン5は
GND(0V)に制御され、制御パターン81にH電圧
(12V)が印加される。したがって、PINダイオー
ド76、77及び78がON状態となり、PINダイオード79
はOFF状態となる。このため、微小ループアンテナ74
及び75はループ長3.5mmの二つの微小ループアンテ
ナとして動作し、測定信号はストリップライン9とスト
リップライン82とに別々に伝送される。
【0179】このように、第16の実施形態の電磁放射
測定装置では、測定する周波数範囲の選択を切り替える
ことにより、広い周波数範囲(例えば10乃至2000
MHz)に対応することができ、また、高い周波数範囲
を測定する場合には位置分解能を2倍にすることができ
る。
【0180】(第17の実施の形態)第17の実施形態
の電磁放射測定装置は、1つの測定セル内に複数種類の
ループパターンを設けて、測定する周波数範囲の選択を
切り替えられるように構成している。
【0181】この測定装置は、図17に示すように、多
層基板62の測定面63に、ループ長が例えば7mmに設定
されたループパターン83と、ループ長が例えば3.5m
mに設定された2本のループパターン84とが平行に配置
され、これらで構成される3つの微小ループアンテナが
1つの測定セルに含まれている。ループパターン83の両
端はスルーホール85に接続し、このスルーホール85の一
方は、多層基板62の裏面64に形成された制御パターン5
に接続し、他方のスルーホール85は、裏面64に実装され
たPINダイオード76とスルーホールとを介して、内層
のストリップライン9に接続している。また、ループパ
ターン84の両端はスルーホール86に接続し、このスルー
ホール86の一方は、多層基板62の裏面64に形成された制
御パターン81に接続し、他方のスルーホール86は、裏面
64に実装されたPINダイオード78とスルーホールとを
介して、内層のストリップライン82に接続している(も
う一方のループパターン84も、同様に、図示していない
別のストリップライン82に接続している)。内層に形成
されたストリップライン9及び82は、それぞれ別の層に
水平面内で垂直に交わるように配置されている。
【0182】ループパターン83は、二つのスルーホール
85とともに低い周波数帯域(10乃至1000MHz)
に対応した微小ループアンテナを構成する。また、ルー
プパターン84は、二つのスルーホール86とともに高い周
波数帯域(1000乃至2000MHz)に対応した微
小ループアンテナを構成する。
【0183】この電磁放射測定装置では、低い周波数範
囲(10乃至1000MHz)が選択される場合には、
制御パターン5にH電圧(12V)が印加され、PIN
ダイオード76がON状態となる。また、高い周波数範囲
(1000乃至2000MHz)が選択される場合に
は、制御パターン81にH電圧(12V)が印加され、P
INダイオード78がON状態となる。ここで、同一測定
セル87内に一つの低い周波数用の微小ループアンテナと
二つの高い周波数用の微小ループアンテナとを備えてい
るために、高い周波数範囲を選択した場合には、測定位
置分解能が2倍になる。また、ストリップライン9及び
82を異なる層で、かつ垂直に配置することで、高い周波
数範囲と低い周波数範囲との両測定系間のアイソレーシ
ョンを向上することができる。
【0184】このように、第17の実施形態の電磁放射
測定装置では、広い周波数範囲(例えば10乃至200
0MHz)に対応することができる。また、高い周波数
範囲を測定する場合には位置分解能を2倍にすることが
できる。
【0185】(第18の実施の形態)第18の実施形態
の電磁放射測定装置は、図18に示すように、1つの測
定セル88に、ループ長が長いループパターン83と、ルー
プ長が短い二つのループパターン84とを設け、この二つ
のループパターン84を、ループパターン83に対して垂直
方向に両側から挟むように配置している。ここで、ルー
プパターン84は、そのループ長が3.5mm程度必要で
あるため、測定セル88のセルサイズは8mm角以上と大
きくなる。
【0186】この各ループパターン83、84は、図17の
ループパターン83、84と同じように、ストリップライン
に接続され、同じように動作する。ただ、基板の表面か
らループパターン83、84を見たとき、ループパターン83
の向きとループパターン84の向きとが直交している点だ
けが図17と相違している。
【0187】この電磁放射測定装置では、低い周波数範
囲(10乃至1000MHz)に対応したループパター
ン83に対して、高い周波数範囲(1000乃至2000
MHz)に対応したループパターン84が垂直方向に配置
され、磁界の最大検出方向が垂直になるので、電磁誘導
による両微小ループアンテナ間のアイソレーションが低
減される。また、ループパターン83を有する微小ループ
アンテナは、ループパターン84を有する2つの微小ルー
プアンテナのシールドとしても作用する。
【0188】このように、第18の実施形態の電磁放射
測定装置は、広い周波数範囲(例えば10乃至2000
MHz)に対応することができ、また、高いアイソレー
ションを確保できる。
【0189】(第19の実施の形態)第19の実施形態
の電磁放射測定装置は、図19に示すように、ループパ
ターン83に対して、ループパターン84を垂直方向に交わ
るように内層に配置して、セル89のサイズを小さくして
いる。このループパターン84を、例えば3.5mmに設
定するとき、測定セル89のセルサイズを7mm角以下に
小さくすることができる。
【0190】この電磁放射測定装置では、低い周波数範
囲(10乃至1000MHz)に対応したループパター
ン83に対して、高い周波数範囲(1000乃至2000
MHz)に対応したループパターン84が他の層に構成さ
れるため、物理的に干渉することがない。そのため、同
一セル89内に三つのループパターンを配置しながら、測
定セル89のセルサイズを小さくすることができる。
【0191】このように、第19の実施形態の電磁放射
測定装置では、広い周波数範囲(例えば10乃至200
0MHz)に対応することができ、また、測定セルサイ
ズを小さくできるため、位置分解能を向上することがで
きる。
【0192】(第20の実施の形態)第20の実施形態
の電磁放射測定装置は、図20に示すように、ループパ
ターン84及びスルーホール86から成る微小ループアンテ
ナが、同一測定セル90内のループパターン83及びスルー
ホール85から成る微小ループアンテナと平行になるよう
に配置している。また、ループパターン84の一端を、ス
ルーホール86を介して、制御パターン5に接続し、制御
パターン5をループパターン83側と共通に使用してい
る。この共通に接続したスルーホール85、86は、コンデ
ンサ(不図示)を介してGNDに高周波接地される。こ
こで、ループパターン84は、例えば3.5mmに設定さ
れる。その他の構成は図17と同じである。
【0193】この電磁放射測定装置では、制御パターン
5にH電圧(12V)が印加されると、低い周波数範囲
(10乃至1000MHz)に対応したループパターン
83の出力がストリップライン9に伝送され、また、高い
周波数範囲(1000乃至2000MHz)に対応した
ループパターン84の出力がストリップライン82に伝送さ
れる。したがって、広い周波数帯域(例えば10乃至2
000MHz)を同時に測定することが可能であるとと
もに、制御パターンが一つで済むという長所がある。
【0194】また、低い周波数範囲だけを測定する場合
は、PINダイオード76をONとしPINダイオード78
をOFFとするようにストリップライン9、82にそれぞ
れ異なるバイアス電圧を印加し、高い周波数範囲だけを
測定する場合は、PINダイオード78をONとしPIN
ダイオード76をOFFとするようにストリップライン
9、82にそれぞれ異なるバイアス電圧を印加する。
【0195】このように、第20の実施形態の電磁放射
測定装置では、広い周波数範囲に対応することができ、
バイアス供給回路を簡単な構成にすることができる。
【0196】(第21の実施の形態)第21の実施形態
の電磁放射測定装置は、微小ループアンテナを円形パタ
ーンで形成している。
【0197】この測定装置の各測定セルは、図21に示
すように、多層基板62の測定面63に銅箔パターンで形成
された直径が2.5mmの円形パターン91を備えてい
る。この水平微小ループアンテナは、Z方向の磁界成分
に応答して誘導電圧を発生する。円形パターン91の周囲
長は約7mmに設定され、両端がスルーホール85により
裏面64に導かれ、その一方は、裏面64に実装されたPI
Nダイオード76及びスルーホールを介してストリップラ
イン9に接続し、他方は、制御パターン5に接続してい
る。また、円形パターン91の中心はPINダイオード78
に接続し、さらにスルーホール86を介してストリップラ
イン82に接続している。
【0198】この電磁放射測定装置では、低い周波数範
囲(10乃至1000MHz)が選択される場合には、
制御パターン5にH電圧(12V)が印加され、PIN
ダイオード76がON状態となり、PINダイオード78が
OFF状態となる。このとき、円形パターン91は周囲長
7mmの水平微小ループアンテナとして動作する。ま
た、高い周波数範囲(1000乃至2000MHz)が
選択される場合には、制御パターン5はGND(0V)
に制御され、ストリップライン82にはL電圧(5V)が
印加され、ストリップライン9にはH電圧(12V)が
印加される。したがって、PINダイオード78がON状
態となり、PINダイオード76はOFF状態となる。こ
のとき、円形パターン91及びスルーホール85、86が垂直
微小ループアンテナとして動作し、そのループ長は約
3.5mmとなる。ここで、測定セル92は、円形パター
ン91の直径が2.5mmであることから、4mm角程度
と非常に小さくできる。
【0199】このように、第21の実施形態の電磁放射
測定装置では、広い周波数範囲(例えば10乃至200
0MHz)に対応することができ、測定セルサイズを小
さくできるため位置分解能を向上することができ、ま
た、バイアス供給回路を簡単な構成にすることができ
る。
【0200】(第22の実施の形態)第22の実施形態
の電磁放射測定装置では、図19の測定セルに対して、
シールドするための構成を追加している。
【0201】この測定装置は、図22に示すように、ル
ープパターン83と2つのループパターン84とを備えた図
19の測定セルの周囲に、GNDパターン93を形成し、
このGNDパターン93に接続する多数のスルーホール94
を形成している。GNDパターン93は、多層基板の測定
面に銅箔パターンで形成され、測定セルの境界近傍と二
つのループパターン84の間隙とに配置される。また、多
層基板の裏面にも同様に形成される。スルーホール94
は、このGNDパターン93に接続して、測定セルの境界
近傍と二つのループパターン84の間隙とに多数配置さ
れ、GNDパターン93と裏面のGNDとを接続する。
【0202】この電磁放射測定装置では、多数のスルー
ホール94が垂直方向のシールド板と同様な動作を行な
い、近接する測定セル間及び二つのループパターン84同
士のアイソレーションを向上する。
【0203】このように、第22の実施形態の電磁放射
測定装置では、高いアイソレーションを確保することが
できる。
【0204】(第23の実施の形態)第23の実施形態
の電磁放射測定装置は、図15と同じように、複数の測
定系から1つの測定系の信号を選択して出力する構成に
おいて、高いアイソレーションの確保を可能にしたもの
である。
【0205】この測定装置は、図23に示すように、ス
トリップライン9とPINダイオード70のアノードとの
間に広帯域アンプ95を配置し、PINダイオード70のカ
ソードを共通にして次段回路73に接続している。広帯域
アンプ95は、測定周波数範囲(10乃至2000MH
z)において10乃至20dB程度の利得を有し、逆方
向のアイソレーションは20乃至30dBを有してい
る。
【0206】この電磁放射測定装置では、選択される測
定系の広帯域アンプ95及びPINダイオード70をON状
態とし、他の非選択状態の測定系の広帯域アンプ95及び
PINダイオード70をOFF状態とするように動作す
る。このとき、選択される測定系の信号は広帯域アンプ
95で10乃至20dB増幅され、非選択状態の測定系で
は、PINダイオード70のOFF状態のアイソレーショ
ンと広帯域アンプ95の逆アイソレーションとの和(40
乃至60dB)のアイソレーションを確保できる。
【0207】このように、第23の実施形態の電磁放射
測定装置では、高い測定周波数範囲において高いアイソ
レーションを確保できる。
【0208】(第24の実施の形態)第24の実施形態
の電磁放射測定装置は、図24に示すように、図23の
装置の広帯域アンプ95とPINダイオード70との間にフ
ィルタ96を設け、次段回路に出力する信号の周波数特性
を平坦にしている。
【0209】フィルタ96は、コイルとコンデンサとから
なるフィルタ回路であり、ストリップライン9を伝送系
とする測定系全体の周波数特性と逆の周波数特性を伝達
関数として持つように設定される。
【0210】この電磁放射測定装置では、選択される測
定系の信号は広帯域アンプ95で増幅された後、フィルタ
96において周波数特性が補正される。したがって次段回
路73には平坦な周波数特性の信号が伝送される。
【0211】このように、第24の実施形態の電磁放射
測定装置では、広い測定周波数範囲(例えば10乃至2
000MHz)において平坦な周波数特性と高いアイソ
レーションとを確保できる。
【0212】(第25の実施の形態)第25の実施形態
の電磁放射測定装置は、電磁放射測定の結果を、局部発
振信号を利用して中間周波数の信号で出力する。
【0213】この測定装置では、図25に示すように、
微小ループアンテナ50の一端がミキサダイオード97を介
してストリップライン9に接続され、微小ループアンテ
ナ50の他端がコイル98及びコンデンサ56から成る並列共
振回路と、ストリップライン99とに接続され、ストリッ
プライン99には、測定部の外部に設けられた局部発振回
路100から局部発振信号が供給される。
【0214】微小ループアンテナ50の一端に接続するミ
キサダイオード97は、信号の周波数成分を混合して出力
する動作を行ない、ここでは高周波用のショットキーバ
リアダイオードを用いている。また、コイル98及びコン
デンサ56から成る並列共振回路は、微小ループアンテナ
50の他端とGNDとの間に挿入される。この並列共振回
路の共振周波数は、局部発振回路100が出力する局部発
振信号の周波数の範囲内(900乃至1200MHz)
に設定される。
【0215】この電磁放射測定装置では、例えば、19
00MHzの電磁放射101を測定する場合、局部発振回
路100が出力する信号の周波数は、1100MHzに設
定される。ここで、コイル98及びコンデンサ56からなる
並列共振回路のインピーダンスは、局部発振周波数付近
では大きい値となり、それより高い周波数(測定する電
磁放射の周波数1700乃至2000MHz)では、容
量性の小さい値となる。したがって、電磁放射の周波数
1700乃至2000MHzにおいては、微小ループア
ンテナ50の一端が高周波接地されていることと等価とな
る。
【0216】このとき、ミキサダイオード97では、微小
ループアンテナ50に誘導された1900MHzの信号成
分と1100MHzの局部発振信号とが混合され、80
0MHzの中間周波数信号が生成される。この信号はス
トリップライン9を通じて出力される。
【0217】このように、ストリップライン9の出力で
中間周波数(800MHz)を観測しておき、局部発振
回路100の信号周波数を900から1200MHzまで
変化させることで、特定の測定周波数範囲(1700乃
至2000MHz)の電磁放射測定が可能となる。
【0218】このとき、ストリップライン9を伝送し、
測定系選択回路で選択される信号は中間周波数(800
MHz)であるため、測定系及び測定系選択回路での周
波数特性やアイソレーションの劣化の影響が非常に少な
い。
【0219】このように、第25の実施形態の電磁放射
測定装置では、局部発振信号を効率良く印加でき、特定
の周波数範囲(例えば1700乃至2000MHz)で
高い感度と高いアイソレーションを確保することができ
る。また、ここでは、微小ループアンテナ50の一端にダ
イオードを接続してストリップライン9への信号出力を
行なっており、このダイオードへの直流バイアスの印加
を行なっていない。そのため、消費電流を小さく抑える
ことができる。
【0220】(第26の実施の形態)第26の実施形態
の電磁放射測定装置は、図26に示すように、(図20
と同じように)ループパターン83とループパターン102
とを同一測定セル内で平行に配置し、供給手段100から
ループパターン102側に供給される局部発振信号を、微
小ループアンテナ同士の電磁誘導結合を利用してループ
パターン83において利用する。
【0221】ループパターン102はスルーホール103とと
もに微小ループアンテナを構成し、ループパターン83に
近接して配置される。ループパターン102はスルーホー
ル103を介してストリップライン99に接続し、局部発振
回路100からの局部発振信号が供給される。供給された
局部発振信号はループパターン102から電磁誘導結合に
よってループパターン83に供給される。ループパターン
83に接続するスルーホール85の一方は制御パターン5に
接続し、他方のスルーホール85はミキサダイオード97を
介してストリップライン9に接続している。
【0222】この電磁放射測定装置では、例えば、19
00MHzの電磁放射101を測定する場合、局部発振回
路100が出力する信号の周波数は、1100MHzに設
定され、ループパターン102及び83を介してミキサダイ
オード97に供給される。このとき、ミキサダイオード97
では、微小ループアンテナ83に誘導された1900MH
zの信号成分と1100MHzの局部発振信号とが混合
され、800MHzの中間周波数信号が生成される。こ
の中間周波数信号はストリップライン9を伝送して出力
される。
【0223】このように、第26の実施形態の電磁放射
測定装置では、少ない回路素子により、特定の周波数範
囲(例えば1700乃至2000MHz)で高い感度と
高いアイソレーションとを確保することができる。
【0224】(第27の実施の形態)第27の実施形態
の電磁放射測定装置は、図27に示すように、図25の
微小ループアンテナのストリップライン9にコンデンサ
104及びコイル105からなる直列共振回路を追加して、測
定セル間の高いアイソレーションを確保している。
【0225】コンデンサ104及びコイル105からなる直列
共振回路の共振周波数は、ストリップライン9を伝送す
る中間周波数(800MHz)に設定される。
【0226】この電磁放射測定装置では、コンデンサ10
4及びコイル105からなる直列共振回路のインピーダンス
は、中間周波数(800MHz)においては十分低いた
め、中間周波数信号は損失無く伝送する。しかし、局部
発振周波数や測定電磁放射の周波数(1700乃至20
00MHz)ではインピーダンスは高くなり、ストリッ
プライン9を伝送しない。したがって、ストリップライ
ン9を介して漏洩する局部発振信号及び電磁放射信号に
起因するアイソレーションの劣化を低減することができ
る。
【0227】このように、第27の実施形態の電磁放射
測定装置では、特定の周波数範囲(例えば1700乃至
2000MHz)で高い感度と特に高いアイソレーショ
ンとを確保することができる。
【0228】(第28の実施の形態)第28の実施形態
の電磁放射測定装置は、図28に示すように、図25の
微小ループアンテナに局部発振信号を伝送するストリッ
プライン99にコンデンサ107及びコイル106からなる直列
共振回路を追加して、測定セル間の高いアイソレーショ
ンを確保している。
【0229】コンデンサ106及びコイル107からなる直列
共振回路の共振周波数は、ストリップライン99を伝送す
る局部発振周波数(900乃至1200MHz)に設定
される。
【0230】この電磁放射測定装置では、コンデンサ10
6及びコイル107からなる直列共振回路のインピーダンス
は、局部発振周波数においては十分低いため、局部発振
信号は損失無く伝送する。しかし、中間周波数や測定電
磁放射の周波数(1700乃至2000MHz)ではイ
ンピーダンスは高くなり、ストリップライン99を伝送し
ない。したがって、ストリップライン99を介して漏洩す
る局部発振信号及び電磁放射信号に起因するアイソレー
ションの劣化を低減することができる。
【0231】このように、第28の実施形態の電磁放射
測定装置では、特定の周波数範囲(例えば1700乃至
2000MHz)で高い感度と特に高いアイソレーショ
ンとを確保することができる。
【0232】(第29の実施の形態)第29の実施形態
の電磁放射測定装置は、図29に示すように、図25の
ミキサ素子としてトランジスタ108を使用し、信号を増
幅してストリップライン9に出力する。また、ストリッ
プライン99を通じてトランジスタ108の制御電圧を印加
する端子111を備え、端子111は高周波阻止用のコイル11
0を介してストリップライン99に接続され、局部発振回
路100は、直流素子用のバイパスコンデンサ109を介して
ストリップライン9に接続される。
【0233】トランジスタ108は、高周波用トランジス
タであり、ベースが微小ループアンテナ50に、コレクタ
がストリップライン99に、エミッタがGNDにそれぞれ
接続される。
【0234】この電磁放射測定装置では、測定周波数を
1900MHzとして、微小ループアンテナ50が選択さ
れる場合には、端子111に制御電圧が電流制限を受けて
供給される。ストリップライン9にはL電圧(5V)が
供給される。このとき、トランジスタ108は動作状態に
バイアスされて、ストリップライン99によって供給され
た局部発振信号(1100MHz)と微小ループアンテ
ナ50に誘導された電磁放射信号とを混合し、中間周波数
(800MHz)を生成しストリップライン9を介して
出力する。ここでは、ミキサ素子としてトランジスタ10
8を使用しており、5乃至10dBの周波数変換利得が
得られる。
【0235】このように、第29の実施形態の電磁放射
測定装置では、特定の周波数範囲(例えば1700乃至
2000MHz)において特に高い感度を確保すること
ができる。
【0236】(第30の実施の形態)第30の実施形態
では、異なる測定部の電磁放射を同時に測定する測定シ
ステムについて説明する。
【0237】この測定システムは、図30に示すよう
に、本体部43及び蓋部44を備え、本体部43に第1測定部
45を有し、蓋部44に第2測定部46を有する電磁放射測定
装置と、測定周波数を選択して第1測定部45からのレベ
ル情報を検出する選択レベル測定装置116と、測定周波
数を選択して第2測定部46からのレベル情報を検出する
選択レベル測定装置117と、選択レベル測定装置116及び
117の測定周波数と第1測定部45及び第2測定部46の測
定セル選択とを制御する制御部118と、測定結果を表示
する表示部120とを備えている。
【0238】この測定システムは、非測定機器48(例え
ば携帯電話)の上面及び下面から放射される電磁放射を
同時に高速に測定する。第1測定部45の出力は出力端子
112及びケーブル114を介して選択レベル測定装置116に
入力される。同様に、第2測定部46の出力は選択レベル
測定装置117に入力される。制御部118は、パーソナルコ
ンピュータ(PC)及びソフトウェアで構成され、2台
の選択レベル測定装置116及び117の測定周波数と第1測
定部45及び第2測定部46の測定セル選択とを制御する。
【0239】また、2台の選択レベル測定装置116及び1
17から出力される検出レベル情報は制御部118に入力さ
れて、記憶及び処理される。表示部120は測定結果を表
示するCRTである。
【0240】2台の選択レベル測定装置116及び117での
測定結果は、表示部120において横軸が位置、縦軸がレ
ベル(電磁放射位置分布)として表示される。
【0241】この測定システムでは、特定の周波数にお
ける測定位置の掃引を行なう場合、制御部118は、第1
測定部45及び第2測定部46の同一位置の微小ループアン
テナを選択するように制御し、そのときのレベル検出結
果を記憶する。測定範囲すべてのレベル測定を終了した
後、表示部120上に第1測定部の結果121と第2測定部の
結果122とを重ねて表示する。
【0242】ここで、第1測定部45及び第2測定部46は
同時に測定することができるため、高速に測定を実施す
ることができるとともに、表示部120上で両者の結果を
即座に重ねて比較できるため、測定結果の解析を行なう
面で便利である。
【0243】このように、第30の実施形態の測定シス
テムでは、異なる測定部の電磁放射を同時に測定するこ
とができるため、高速な測定が可能となり、測定結果を
比較しながら目視することができる。
【0244】(第31の実施の形態)第31の実施形態
の測定システムは、図31に示すように、本体部43の測
定部として図17の広帯域測定部123を備えている。こ
の広帯域測定部123は、同一測定セルの中に、ループパ
ターン83を具備する低い周波数帯域を測定する微小ルー
プアンテナと、ループパターン84を具備する高い周波数
帯域を測定する微小ループアンテナとを備えており、広
帯域測定部123の低い周波数帯域(10乃至1000M
Hz)側出力は出力端子112及びケーブル114を介して選
択レベル測定装置116に入力され、同様に、広帯域測定
部123の高い周波数帯域(1000乃至2000MH
z)側出力は選択レベル測定装置117に入力される。選
択レベル測定装置116の測定周波数範囲は10乃至10
00MHzであり、選択レベル測定装置117の測定周波
数範囲は1000乃至2000MHzである。
【0245】2台の選択レベル測定装置116及び117から
出力された検出レベル情報は、制御部118に入力し、制
御部118は、選択レベル測定装置116から入力する検出レ
ベル情報に一定の補正係数を乗算して10乃至1000
MHzの周波数範囲の周波数スペクトラムを求め、ま
た、選択レベル測定装置117から入力する検出レベル情
報に一定の補正係数を乗算して1000乃至2000M
Hzの周波数範囲の周波数スペクトラムを求めて記憶
し、記憶された周波数スペクトラムが表示部120上に、
横軸が周波数、縦軸がレベル(周波数スペクトラム)と
して、合体して表示される。
【0246】この測定システムでは、制御部118は、選
択レベル測定装置116で測定された低い周波数帯域(1
0乃至1000MHz)のスペクトラム124と、選択レ
ベル測定装置117で測定された高い周波数帯域(100
0乃至2000MHz)のスペクトラム125とを表示部1
20に連結して表示する。ここで、低い周波数帯域(10
乃至1000MHz)と高い周波数帯域(1000乃至
2000MHz)は同時に測定可能である。
【0247】このように、第31の実施形態の測定シス
テムでは、広い周波数範囲の周波数スペクトラムを高速
に測定し表示することができる。
【0248】(第32の実施の形態)第32の実施形態
の測定システムは、被測定機器の内部に存在する放射源
の高さ方向の位置を推定することができる。
【0249】この測定システムでは、図32に示すよう
に、電磁放射測定装置の蓋部44を閉めて、被測定機器48
(例えば携帯電話)を挟み込んだ状態で測定が行なわれ
る。第1測定部45と第2測定部46とは同一の測定セルサ
イズと同一の周波数特性を持ち、各測定セルが1対1で
対向するように、即ち、各測定セルの水平面位置が一致
するように配置されている。この測定システムでは、制
御部118は、第1測定部45及び第2測定部46からの信号
を同時に測定した結果を、横軸が位置で縦軸が電磁放射
レベル(電磁放射の位置分布)として表示部120に表示
する。表示127は、両方の測定部のレベルの高い方の結
果を表示している。また、表示126は、第1測定部45と
第2測定部46の測定結果の差を計算した結果を縦軸とし
て表示している。
【0250】ここで、波源から第1測定部45までの距離
をh1、波源から第2測定部46までの距離をh2とした
場合、第1測定部及び第2測定部で検出される検出レベ
ルの差は(数1)で示される。
【0251】検出レベル差(dB)=20 Log(h
1/h2) (数1)これにより、表示126
に示されるレベル差から電磁放射の波源の垂直方向の高
さを推定することができる。
【0252】このように、第32の実施形態の測定シス
テムでは、被測定機器の内部に存在する放射源の高さ方
向の位置を推定することができる(第33の実施の形
態)第33の実施形態の測定システムは、図33に示す
ように、検査時の電磁放射測定装置の第1及び第2測定
部の電磁放射検出感度(アンテナファクタ)の検査情報
を記憶するメモリ128及び129を備えている。
【0253】メモリ128及び129は書き込み及び読み出し
可能な半導体メモリで構成され、本体部43及び蓋部44に
それぞれ内蔵される。第1及び第2測定部45、46の検査
時には、それぞれの測定部の検出感度の周波数特性を検
査した結果がメモリ128及び129に書き込まれる。
【0254】被測定機器の電磁放射の測定時には、制御
部118がデータライン130を介してメモリ128及び129から
検出感度の周波数特性の情報を読み出す。制御部118で
は、読み出した検出感度の周波数特性の値を、両方の測
定部から得られた測定結果に加減算により補正を加え表
示または出力する。
【0255】例えば、特定周波数における検出感度が2
dB低い測定部の場合には、制御部118は、その特定周
波数の結果に対して2dB加算するように動作する。こ
うすることにより、各測定部から得られる電磁放射の絶
対値を広い周波数範囲にわたって高い精度で測定するこ
とができ、また、測定部間の相対的な誤差を抑えること
ができる。また、故障による交換や機種変更などの理由
により本体部または蓋を交換した場合でも、内蔵される
測定部の検出感度の周波数特性情報が記憶されているメ
モリが一対一に対応しているため、常に高い精度が得ら
れる。
【0256】このように、第33の実施形態の測定シス
テムでは、複数の測定部間の測定結果のばらつきを抑え
て、高い測定精度が得られる。
【0257】(第34の実施の形態)第34の実施形態
の測定システムは、図34に示すように、本体部43の測
定部131として図14の測定部を備え、また、測定部131
からのレベル情報を検出する選択レベル測定装置116
と、測定部131の制御パターン5に印加する可変容量ダ
イオードの逆バイアス電圧を発生する制御電圧発生部13
2と、制御電圧発生部132が発生する逆バイアス電圧を測
定周波数に連動して制御する制御部118とを備えてい
る。
【0258】測定部131は、図14に示す測定セルを多
数備えている。制御パターン5は制御端子132に接続さ
れており、制御部118の指令により制御電圧発生部133で
発生された電圧が印加される。
【0259】ここで、制御部118は、選択レベル測定装
置116の測定周波数を設定すると同時に、この測定周波
数において最適な整合がとれるように、その測定周波数
に対応した制御電圧を発生するように制御電圧発生部13
3に指令を出す。したがって、測定部131は、常に現在の
測定周波数に対して最良の状態に調整されることにな
る。
【0260】このように、第34の実施形態の測定シス
テムでは、選択レベル測定装置116の測定周波数と微小
ループアンテナの共振周波数とを一致させることで、高
い感度を確保することができる。
【0261】(第35の実施の形態)第35の実施形態
の測定システムは、図35に示すように、本体部43の測
定部134として、局部発振信号を利用して中間周波数の
信号を出力する図26の測定部を備えており、この測定
部134に、スーパヘテロダイン構成の選択レベル測定装
置144から局部発振信号が供給される。
【0262】この選択レベル測定装置144は、信号が入
力する入力端子136と、局部発振信号を発生する局部発
振部141と、入力信号に局部発振信号を混合して中間周
波数の信号を生成するミキサ140と、入力信号を対数に
変換する対数アンプ143とを備えており、さらに、局部
発振部141で発振された局部発振信号を出力する局部発
振出力端子138と、測定部134から出力される中間周波数
の信号が入力する中間周波数入力端子137と、中間周波
数入力端子137から入力した信号またはミキサ140から出
力された信号を選択して対数アンプ143に供給する中間
周波数SW142とを備えている。
【0263】測定部134は図26に示す測定セルを多数
備えている。この測定部134のストリップライン99に印
加される局部発振信号は、選択レベル測定装置116の局
部発振部141で発生されたものが用いられ、選択レベル
測定装置116の局部発振出力端子138から出力されて局部
発振信号端子135に入力する。
【0264】測定部134での測定周波数を1700乃至
2000MHzとして、局部発振部141の周波数を90
0乃至1200MHzに設定すると、測定部134から出
力される中間周波数は800MHzとなる。
【0265】測定部134から出力される中間周波数の信
号は、測定部134の中間周波数出力部112から選択レベル
測定装置144の中間周波数入力端子137に入力し、対数ア
ンプ143でレベル情報に変換される。
【0266】この選択レベル測定装置144は、周波数変
換してレベルを検出する一般的なスーパヘテロダイン構
成のレベル測定装置であり、入力端子136から入力した
信号は、ミキサ140で局部発振器141の局部発振信号と混
合され、中間周波数に変換される。この測定システムで
は、この選択レベル測定装置144の局部発振部141の出力
を測定部134で利用しているため、電磁放射測定装置の
局部発振信号用に別に発振器を備える必要が無い。
【0267】このように、第34の実施形態の測定シス
テムでは、局部発振信号発生装置を追加することなく、
既存の選択レベル測定装置が備えている機能を有効に活
用できるため、簡単なシステム構成を実現できる。
【0268】(第36の実施の形態)第36の実施形態
の測定システムは、図36に示すように、固定治具145
を用いて被測定機器48を同一位置に固定し、電磁放射を
測定する。制御部118は、被測定機器48の故障の有無を
判定し、故障部位を特定する。その他の構成は図32と
同じである。
【0269】固定治具145は、被測定機器48(例えば携
帯電話)を、常に同一の位置に固定できるように支持す
る治具であり、木材やプラスチックなどの電磁放射に影
響を及ぼさない材料で構成される。以下、被測定機器48
を測定する場合は必ず固定治具145により同一位置に固
定されるものとして説明する。
【0270】測定前の準備として、予め、正常な被測定
機器(例えば、基準となる携帯電話)の測定を行ない、
その機器から放射される主要な電磁放射の発生源の3次
元的位置とその電磁放射の周波数の情報とを基準データ
として制御部118が記憶する。ここで、被測定機器が携
帯電話の場合、例えば、局部発振部と送信回路部とアン
テナ部から主要な電磁放射が検出される。
【0271】次に、検査対象となる被測定機器(基準と
なる携帯電話と同型の携帯電話)を測定し、制御部118
が、上記の基準データとの比較を、ソフトウェアプログ
ラムにより行なう。このとき、例えば、アンテナ部から
の電磁放射が極端に少なく、かつ、他の部位(局部発振
部及び送信回路部)からの電磁放射が正常である場合
は、アンテナ部の故障として判定する。また、例えば、
局部発振部の3次元的位置に相当する部位からの電磁放
射の周波数に異常が見られる場合には、局部発振部の周
波数制御機能の異常と判定できる。これらの故障モード
の例を予めソフトウェアによりプログラムしておくこと
で、故障部位の特定を行なうことができる。
【0272】このように、第36の実施形態の測定シス
テムでは、被測定機器の故障の有無の判定と故障部位の
特定とを行なうことができる。
【0273】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の電磁放射測定装置は、高い測定周波数において高いア
イソレーションを確保できる。
【0274】また、高い測定周波数において高い感度を
確保できる。
【0275】また、低い周波数と高い周波数のそれぞれ
において最適な性能を有する測定部を使いわけることが
できるため、広帯域な測定周波数に対応できる。
【0276】また、測定部の専有面積を小さくすること
ができるため、小型でかつ広帯域な測定周波数に対応で
きる。
【0277】また、測定部の専有面積を小さくするとと
もに、1枚の多層基板で二つの測定部を構成できるた
め、簡単な構成でかつ広帯域な測定周波数に対応でき
る。
【0278】また、二つの測定部を用いて同時に測定を
行なうことができる。
【0279】また、出力端子を二つの測定部で共用する
ことができ、経済的でかつ広帯域な測定周波数に対応で
きる。
【0280】また、被測定機器の表面または裏面からの
電磁放射を同時に測定することができるため、高速な測
定が可能となる。
【0281】また、特定の周波数範囲で高い感度を確保
することができる。
【0282】また、特定の周波数範囲で高いアイソレー
ション性能を確保できる。
【0283】また、高い感度を有する特定の周波数範囲
を変化することができる。
【0284】また、広い周波数範囲に対応することがで
き、高い周波数範囲を測定する場合には位置分解能を2
倍にすることができる。
【0285】また、広い周波数範囲に対応することがで
き、測定セルサイズを小さくできるため、位置分解能を
向上することができる。
【0286】また、広い周波数範囲に対応することがで
き、バイアス供給回路を簡単な構成にすることができ
る。
【0287】また、低い周波数の測定系と高い周波数の
測定系との間のアイソレーションを向上することができ
る。
【0288】また、測定周波数範囲において平坦な周波
数特性と高いアイソレーションとを確保できる。
【0289】また、特定の周波数範囲で高い感度と高い
アイソレーションとを確保することができる。
【0290】また、局部発振信号を効率良く印加でき、
特定の周波数範囲で高い感度と高いアイソレーションを
確保することができる。
【0291】また、本発明の測定システムでは、異なる
測定部または測定周波数範囲の電磁放射を同時に測定す
ることができるため、高速な測定が可能となる。
【0292】また、異なる測定部または測定周波数範囲
の電磁放射を比較しながら目視することができる。
【0293】また、広い周波数範囲の周波数スペクトラ
ムを表示することができる。
【0294】また、被測定機器の内部に存在する放射源
の高さ方向の位置を推定することができる。
【0295】また、複数の測定部間の測定結果のばらつ
きを抑えて、高い測定精度が得られる。
【0296】また、選択レベル測定装置の測定周波数と
微小ループアンテナの共振周波数を一致させることで、
高い感度を確保することができる。
【0297】また、局部発振信号発生装置を追加するこ
となく、既存の選択レベル測定装置を有効に活用できる
ため、簡単なシステム構成を実現できる。
【0298】また、非接触で故障検出を行なうことがで
きる。
【0299】また、非接触で故障部位を推定することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における電磁放射測定装置を示
す構成図、
【図2】第2の実施形態における電磁放射測定装置を示
す構成図、
【図3】第3の実施形態における電磁放射測定装置を示
す構成図、
【図4】第4の実施形態における電磁放射測定装置を示
す構成図、
【図5】第5の実施形態における電磁放射測定装置を示
す構成図、
【図6】第6の実施形態における電磁放射測定装置を示
す構成図、
【図7】第7の実施形態における電磁放射測定装置を示
す構成図、
【図8】第8の実施形態における電磁放射測定装置を示
す構成図、
【図9】第9の実施形態における電磁放射測定装置を示
す構成図、
【図10】第10の実施形態における電磁放射測定装置
を示す構成図、
【図11】第11の実施形態における電磁放射測定装置
を示す構成図、
【図12】第12の実施形態における電磁放射測定装置
を示す構成図、
【図13】第13の実施形態における電磁放射測定装置
を示す構成図、
【図14】第14の実施形態における電磁放射測定装置
を示す構成図、
【図15】第15の実施形態における電磁放射測定装置
を示す構成図、
【図16】第16の実施形態における電磁放射測定装置
を示す構成図、
【図17】第17の実施形態における電磁放射測定装置
を示す構成図、
【図18】第18の実施形態における電磁放射測定装置
を示す構成図、
【図19】第19の実施形態における電磁放射測定装置
を示す構成図、
【図20】第20の実施形態における電磁放射測定装置
を示す構成図、
【図21】第21の実施形態における電磁放射測定装置
を示す構成図、
【図22】第22の実施形態における電磁放射測定装置
を示す構成図、
【図23】第23の実施形態における電磁放射測定装置
を示す構成図、
【図24】第24の実施形態における電磁放射測定装置
を示す構成図、
【図25】第25の実施形態における電磁放射測定装置
を示す構成図、
【図26】第26の実施形態における電磁放射測定装置
を示す構成図、
【図27】第27の実施形態における電磁放射測定装置
を示す構成図、
【図28】第28の実施形態における電磁放射測定装置
を示す構成図、
【図29】第29の実施形態における電磁放射測定装置
を示す構成図、
【図30】第30の実施形態における測定システムを示
す構成図、
【図31】第31の実施形態における測定システムを示
す構成図、
【図32】第32の実施形態における測定システムを示
す構成図、
【図33】第33の実施形態における測定システムを示
す構成図、
【図34】第34の実施形態における測定システムを示
す構成図、
【図35】第35の実施形態における測定システムを示
す構成図、
【図36】第36の実施形態における測定システムを示
す構成図である。
【符号の説明】
1 アンテナ基板 2 微小ループアンテナ 3 PINダイオード 4 制御GND基板 6、10 GNDパターン 8 スルーホール 9 ストリップライン 12 GND基板 13 GNDパターン 15 高周波用トランジスタ 18、30 第1測定部 19、31 第2測定部 20 多層基板 21、22 測定系選択部 23 第1出力端子 24 第2出力端子 25 測定セル 26、28 微小ループアンテナ 27 測定セル 29 筐体 32 多層基板 33、36 ループパターン 34、37 スルーホール 35 表面実装部品 39 第1測定面 40 第2測定面 41 高周波SW 42 出力端子 43 本体部 44 蓋部 45 第1測定部 46 第2測定部 47 可動接続部 48 被測定機器 49、50 微小ループアンテナ 51、52 PINダイオード 53 コイル 54 コンデンサ 55、56 コンデンサ 57 ループパターン 58 スルーホール 59 コンデンサパターン 60、61 ランド 62 多層基板 63 測定面 64 裏面 65、76 PINダイオード 66、72 コンデンサ 67 抵抗 68、69 可変容量ダイオード 70 PINダイオード 73 次段回路 74、75 微小ループアンテナ 77、78 PINダイオード 79 PINダイオード 80 コンデンサ 81 制御パターン 82 ストリップライン 83、84 ループパターン 85、86 スルーホール 88、89 測定セル 91 円形パターン 93 GNDパターン 94 スルーホール 95 広帯域アンプ 96 フィルタ 97 ミキサダイオード 98 コイル 99 ストリップライン 100 局部発振回路 101 電磁放射 102 ループパターン 103 スルーホール 104、107 コンデンサ 105、106 コイル 108 トランジスタ 109 バイパスコンデンサ 110 コイル 111 端子 116、117 選択レベル測定装置 118 制御部 120 表示部 121 第1測定部の結果 122 第2測定部の結果 123 広帯域測定部 128、129 メモリ 130 データライン 131、134 測定部 132、133 制御電圧発生部 136 入力端子 137 中間周波数入力端子 138 局部発振出力端子 141 局部発振部 140 ミキサ 142 中間周波数SW 143 対数アンプ 144 選択レベル測定装置 145 固定治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 29/08 G01R 29/10

Claims (48)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子機器から放射される近傍電磁界を測
    定する電磁放射測定装置であって、 同一平面上に平行に配列された、前記平面と直交する表
    面を有する複数の第1基板と、前記第1基板と格子状を
    成すように平行に配列された、前記平面と直交する表面
    を有する複数の第2基板とを備え、 前記第1基板の各々が、複数の微小ループアンテナと、
    前記微小ループアンテナのそれぞれを選択的に伝送線路
    に接続する複数の半導体素子と、前記伝送線路としての
    ストリップラインとを備え、 前記第2基板の各々が、GNDパターンと制御信号パタ
    ーンとを備え、 前記第1基板と前記第2基板とが交わる箇所で、前記微
    小ループアンテナが前記制御信号パターンに接続される
    ことを特徴とする電磁放射測定装置。
  2. 【請求項2】 GNDパターンが形成された複数の第3
    基板を備え、前記第3基板の各々が前記第1基板の配列
    の第1基板同士の間に平行に配列され、前記第3基板と
    前記第2基板とが交わる箇所で、それぞれの基板の前記
    GNDパターンが接続されることを特徴とする請求項1
    に記載の電磁放射測定装置。
  3. 【請求項3】 前記半導体素子としてPINダイオード
    を備え、前記PINダイオードの一端を前記微小ループ
    アンテナの第1端に接続し、前記PINダイオードの他
    端を前記ストリップラインに接続し、前記微小ループア
    ンテナの第2端を前記制御信号パターンに接続し、前記
    制御信号パターン及びストリップラインに印加するバイ
    アス電圧により前記PINダイオードをONまたはOF
    Fすることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁
    放射測定装置。
  4. 【請求項4】 前記半導体素子としてトランジスタを備
    え、前記トランジスタのベースを前記微小ループアンテ
    ナの第1端に接続し、前記トランジスタのコレクタを前
    記ストリップラインに接続し、前記トランジスタのエミ
    ッタを前記GNDパターンに接続し、前記微小ループア
    ンテナの第2端を前記制御信号パターンに接続し、前記
    制御信号パターン及びストリップラインに印加するバイ
    アス電圧により前記トランジスタをONまたはOFFす
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁放射
    測定装置。
  5. 【請求項5】 電子機器から放射される近傍電磁界を測
    定する電磁放射測定装置であって、 複数の第1微小ループアンテナと前記第1微小ループア
    ンテナを選択する手段とを備えた第1測定部と、 複数の第2微小ループアンテナと前記第2微小ループア
    ンテナを選択する手段とを備えた第2測定部とを備え、
    前記第1微小ループアンテナのループ長と前記第2微小
    ループアンテナのループ長とを異なる値に設定し、前記
    第1測定部の測定可能な周波数範囲と前記第2測定部の
    測定可能な周波数範囲とを異なるように設定したことを
    特徴とする電磁放射測定装置。
  6. 【請求項6】 前記第1測定部を第1多層基板上に構成
    し、前記第2測定部を第2多層基板上に構成し、前記第
    1多層基板と第2多層基板とをそれぞれの測定面が反対
    の方向を向くように互いに裏向きに固定し、前記第1測
    定部を利用する時には第1測定部を上側に向けて使用
    し、前記第2測定部を利用する時には第2測定部を上側
    に向けて使用することを特徴とする請求項5に記載の電
    磁放射測定装置。
  7. 【請求項7】 前記第1測定部を多層基板の片面側複数
    層に構成し、前記第2測定部を前記多層基板の他の面側
    複数層に構成し、前記第1測定部を利用する時には第1
    測定部を上側に向けて使用し、前記第2測定部を利用す
    る時には第2測定部を上側に向けて使用することを特徴
    とする請求項5に記載の電磁放射測定装置。
  8. 【請求項8】 前記第1測定部と前記第2測定部とを同
    一の多層基板上に構成し、前記第1測定部の出力端子
    と、前記第2測定部の出力端子とを別々に備えたことを
    特徴とする請求項5に記載の電磁放射測定装置。
  9. 【請求項9】 前記第1測定部と前記第2測定部とを同
    一の多層基板上に構成し、前記第1測定部の出力と前記
    第2測定部の出力とのいずれか一方を選択する高周波S
    Wを前記多層基板上に備え、前記高周波SWの選択出力
    を出力端子に接続することを特徴とする請求項5に記載
    の電磁放射測定装置。
  10. 【請求項10】 電子機器から放射される近傍電磁界を
    測定する電磁放射測定装置であって、 複数の第1微小ループアンテナと前記第1微小ループア
    ンテナを選択する手段とを備えた第1測定部と、 複数の第2微小ループアンテナと前記第2微小ループア
    ンテナを選択する手段とを備えた第2測定部と、 前記第1測定部及び第2測定部を収納するための開閉構
    造の筐体とを備え、前記第1測定部を前記筐体の本体部
    に測定面を蓋側に向けて収納し、前記第2測定部を前記
    筐体の蓋部に測定面を本体側に向けて収納し、前記本体
    部と前記蓋部との間に被測定機器を配置して、前記被測
    定機器からの電磁放射を測定することを特徴とする電磁
    放射測定装置。
  11. 【請求項11】 前記第1微小ループアンテナのループ
    長と前記第2微小ループアンテナのループ長とを異なる
    値に設定し、前記第1測定部の測定可能な周波数範囲と
    前記第2測定部の測定可能な周波数範囲とを異なるよう
    に設定したことを特徴とする請求項10に記載の電磁放
    射測定装置。
  12. 【請求項12】 前記第1測定部及び第2測定部の微小
    ループアンテナを選択する手段として、前記微小ループ
    アンテナと伝送線路との間にSW用のPINダイオード
    を設け、前記第1測定部の測定可能な周波数範囲が前記
    第2測定部の測定可能な周波数範囲よりも高い場合に、
    前記第1測定部のPINダイオードのOFF容量を前記
    第2測定部のPINダイオードのOFF容量よりも低く
    設定することを特徴とする請求項5乃至9または11に
    記載の電磁放射測定装置。
  13. 【請求項13】 前記第1測定部及び第2測定部の微小
    ループアンテナを選択する手段として、前記微小ループ
    アンテナと伝送線路との間にSW用のPINダイオード
    を設け、前記第1測定部の測定可能な周波数範囲が第2
    測定部の測定可能な周波数範囲よりも高い場合に、前記
    第1測定部のPINダイオードの両端にリアクタンス素
    子を並列に接続し、前記第1測定部のPINダイオード
    がOFFの状態において、前記PINダイオードと前記
    リアクタンス素子との並列回路の並列共振周波数が前記
    第1測定部の測定可能な周波数範囲となるように設定す
    ることを特徴とする請求項5乃至9または11に記載の
    電磁放射測定装置。
  14. 【請求項14】 前記リアクタンス素子として、コイル
    と直流素子コンデンサとを直列に接続した回路を用いた
    ことを特徴とする請求項13に記載の電磁放射測定装
    置。
  15. 【請求項15】 電子機器から放射される限られた周波
    数範囲の近傍電磁界を測定する電磁放射測定装置であっ
    て、 複数の微小ループアンテナと、前記微小ループアンテナ
    の第1端を伝送線路に接続するPINダイオードと、前
    記微小ループアンテナの第2端をGNDへ高周波接地す
    る第1コンデンサと、前記微小ループアンテナの第1端
    と第2端との間または前記第1端とGNDとの間に配置
    した第2コンデンサとを備え、前記微小ループアンテナ
    と前記第2コンデンサとで構成される並列回路の共振周
    波数が測定周波数に等しくなるように前記第2コンデン
    サの値を設定したことを特徴とする電磁放射測定装置。
  16. 【請求項16】 前記第2コンデンサを、多層基板上に
    形成された導体パターンから成る分布定数回路で構成し
    たことを特徴とする請求項15に記載の電磁放射測定装
    置。
  17. 【請求項17】 前記第2コンデンサと直列に第2PI
    Nダイオードを挿入し、当該微小ループアンテナが選択
    されない場合に、前記第2PINダイオードをOFFす
    るように構成したことを特徴とする請求項16に記載の
    電磁放射測定装置。
  18. 【請求項18】 電子機器から放射される限られた周波
    数範囲の近傍電磁界を測定する電磁放射測定装置であっ
    て、 複数の微小ループアンテナと、前記微小ループアンテナ
    の第1端を伝送線路に接続する第1可変容量ダイオード
    と、前記微小ループアンテナの第2端をGNDへ高周波
    接地する第1コンデンサと、前記微小ループアンテナの
    第1端と第2端との間または前記第1端とGNDとの間
    に配置した第2可変容量ダイオードとを備え、選択状態
    の微小ループアンテナに接続される第1可変容量ダイオ
    ード及び第2可変容量ダイオードの逆バイアス電圧を、
    非選択状態の微小ループアンテナに接続される第1可変
    容量ダイオード及び第2可変容量ダイオードの逆バイア
    ス電圧よりも低く設定したことを特徴とする電磁放射測
    定装置。
  19. 【請求項19】 電子機器から放射される限られた周波
    数範囲の近傍電磁界を測定する電磁放射測定装置であっ
    て、 複数の微小ループアンテナが選択的に接続される伝送線
    路で一つの測定系を構成し、複数の測定系からの信号を
    選択して次段に伝送するために、各測定系の伝送線路端
    にPINダイオードの一端を接続し、前記PINダイオ
    ードの他端を共通にして次段へ接続し、前記PINダイ
    オードの両端にリアクタンス素子を並列に接続して、前
    記PINダイオードがOFFの状態のときの前記PIN
    ダイオードと前記リアクタンス素子との並列回路の並列
    共振周波数を、測定可能な周波数範囲に設定したことを
    特徴とする電磁放射測定装置。
  20. 【請求項20】 電子機器から放射される広い周波数範
    囲の近傍電磁界を測定する電磁放射測定装置であって、 複数の微小ループアンテナと、前記微小ループアンテナ
    の第1端を第1伝送線路へ接続する第1PINダイオー
    ドと、前記微小ループアンテナの第2端を第2伝送線路
    へ接続する第2PINダイオードと、前記第2端をGN
    Dへ接続する第3PINダイオードと、前記微小ループ
    アンテナの中点をGNDに接続する第4PINダイオー
    ドとを備え、 低い周波数範囲を測定する場合には、第1PINダイオ
    ード及び第3PINダイオードをONとし第2PINダ
    イオード及び第4PINダイオードをOFFとし、高い
    周波数範囲を測定する場合には、第1PINダイオー
    ド、第2PINダイオード及び第4PINダイオードを
    ONとし第3PINダイオードをOFFに設定すること
    を特徴とする電磁放射測定装置。
  21. 【請求項21】 電子機器から放射される広い周波数範
    囲の近傍電磁界を測定する電磁放射測定装置であって、 各測定セルに第1微小ループアンテナと第2微小ループ
    アンテナと第3微小ループアンテナとを設け、前記第1
    微小ループアンテナのループ面を前記測定セルの対角線
    に配置し、前記第2微小ループアンテナと第3微小ルー
    プアンテナとを第1微小ループアンテナの近傍に配置す
    るとともに、第2微小ループアンテナ及び第3微小ルー
    プアンテナのループ長を前記第1微小ループアンテナの
    ループ長よりも短く設定し、第1微小ループアンテナを
    第1PINダイオードを介して第1伝送線路に接続し、
    第2微小ループアンテナを第2PINダイオードを介し
    て第2伝送線路に接続し、第3微小ループアンテナを第
    3PINダイオードを介して第3伝送線路に接続し、低
    い周波数範囲を測定する場合には、第1PINダイオー
    ドをONとし第2PINダイオード及び第3PINダイ
    オードをOFFとし、高い周波数範囲を測定する場合に
    は、第2PINダイオード及び第3PINダイオードを
    ONとし第1PINダイオードをOFFに設定すること
    を特徴とする電磁放射測定装置。
  22. 【請求項22】 前記測定セル内で、前記第2微小ルー
    プアンテナ及び第3微小ループアンテナを前記第1微小
    ループアンテナの両側に前記第1微小ループアンテナを
    挟むように配置することを特徴とする請求項21に記載
    の電磁放射測定装置。
  23. 【請求項23】 前記測定セル内で、前記第1微小ルー
    プアンテナのループ面と第2微小ループアンテナ及び第
    3微小ループアンテナのループ面とが互いに垂直になる
    ように配置することを特徴とする請求項21に記載の電
    磁放射測定装置。
  24. 【請求項24】 前記第1微小ループアンテナ、第2微
    小ループアンテナ及び第3微小ループアンテナの各々を
    多層基板表面に平行な一つのループパターンと多層基板
    表面に垂直な二つのスルーホールとで構成し、前記第1
    微小ループアンテナのループパターンと前記第2微小ル
    ープアンテナ及び第3微小ループアンテナのループパタ
    ーンとを異なる層に配置し、前記第1微小ループアンテ
    ナのループ面と前記第2微小ループアンテナ及び第3微
    小ループアンテナのループ面とが互いに垂直に交わるよ
    うに配置することを特徴とする請求項21に記載の電磁
    放射測定装置。
  25. 【請求項25】 電子機器から放射される広い周波数範
    囲の近傍電磁界を測定する電磁放射測定装置であって、 各測定セルに第1微小ループアンテナと、ループ長を前
    記第1微小ループアンテナのループ長より短く設定した
    第2微小ループアンテナとを設け、前記第1微小ループ
    アンテナの第1端を第1PINダイオードを介して第1
    伝送線路に接続し、前記第2微小ループアンテナの第1
    端を第2PINダイオードを介して第2伝送線路に接続
    し、前記第1微小ループアンテナ及び第2微小ループア
    ンテナの第2端を接続してコンデンサを介して高周波接
    地し、低い周波数範囲を測定する場合には、第1PIN
    ダイオードをONとし第2PINダイオードをOFFと
    し、高い周波数範囲を測定する場合には、第2PINダ
    イオードをONとし第1PINダイオードをOFFに設
    定することを特徴とする電磁放射測定装置。
  26. 【請求項26】 電子機器から放射される広い周波数範
    囲の近傍電磁界を測定する電磁放射測定装置であって、 多層基板の測定側表面に配置された水平微小ループアン
    テナと、前記水平微小ループアンテナの第1端を第1伝
    送線路に接続する第1PINダイオードと、前記水平微
    小ループアンテナの第2端を前記多層基板の裏面へ接続
    するスルーホールと、前記多層基板の裏面において前記
    スルーホールを高周波接地するコンデンサと、前記水平
    微小ループアンテナの中点を第2伝送線路に接続する第
    2PINダイオードとを備え、前記第1伝送線路及び第
    2伝送線路にそれぞれ異なるバイアス電圧を印加するこ
    とで、低い周波数範囲を測定する場合には、第1PIN
    ダイオードをONとし第2PINダイオードをOFFと
    し、高い周波数範囲を測定する場合には、第2PINダ
    イオードをONとし第1PINダイオードをOFFに設
    定することを特徴とする電磁放射測定装置。
  27. 【請求項27】 電子機器から放射される広い周波数範
    囲の近傍電磁界を測定する電磁放射測定装置であって、 微小ループアンテナを備える測定セルが多数形成された
    多層基板の測定面における前記測定セルの外周にGND
    パターンを形成するとともに、前記多層基板の裏面にG
    NDパターンを形成し、前記測定面のGNDパターンと
    裏面のGNDパターンとを接続するスルーホールを多数
    配列したことを特徴とする電磁放射測定装置。
  28. 【請求項28】 前記測定セルが、平行なループ面を有
    する複数の微小ループアンテナを具備するとき、それら
    のループ面の間に平行に延びるGNDパターンを形成
    し、前記GNDパターンと裏面のGNDパターンとを接
    続するスルーホールを多数配列することを特徴とする請
    求項27に記載の電磁放射測定装置。
  29. 【請求項29】 前記第1伝送線路及び第2伝送線路を
    多層基板の内層に形成されるストリップラインとして構
    成し、前記第1伝送線路のストリップラインと前記第2
    伝送線路のストリップラインとを異なる層に配置するこ
    とを特徴とする請求項20乃至28に記載の電磁放射測
    定装置。
  30. 【請求項30】 前記第1伝送線路のストリップライン
    と前記第2伝送線路のストリップラインとが直角に交わ
    るように配置することを特徴とする請求項29に記載の
    電磁放射測定装置。
  31. 【請求項31】 電子機器から放射される広い周波数範
    囲の近傍電磁界を測定する電磁放射測定装置であって、 複数の微小ループアンテナが選択的に接続される伝送線
    路で一つの測定系を構成し、複数の測定系からの信号を
    選択して次段に伝送するために、各測定系の伝送線路端
    に増幅回路と測定系を選択する回路とを接続し、前記測
    定系が選択状態の時のみ前記増幅回路を動作させるよう
    にしたことを特徴とする電磁放射測定装置。
  32. 【請求項32】 前記増幅回路の利得の周波数特性と、
    前記増幅回路が挿入された測定系の周波数特性とが逆の
    特性を持つように調整し、次段に伝送される信号の周波
    数特性を平坦にしたことを特徴とする請求項31に記載
    の電磁放射測定装置。
  33. 【請求項33】 電子機器から放射される限られた周波
    数範囲の近傍電磁界を測定する電磁放射測定装置であっ
    て、 複数の微小ループアンテナと、前記微小ループアンテナ
    の第1端を伝送線路に接続するミキサ素子と、前記微小
    ループアンテナに外部から入力される局部発振信号を印
    加する手段とを備え、前記微小ループアンテナで受信し
    た高い周波数の信号と前記局部発振信号とを前記ミキサ
    素子で混合し、低い中間周波数に変換して前記伝送線路
    を介して出力することを特徴とする電磁放射測定装置。
  34. 【請求項34】 前記局部発振信号を前記微小ループア
    ンテナに印加する手段として、前記微小ループアンテナ
    の第2端に第2伝送線路を接続し、前記微小ループアン
    テナの第2端とGNDとの間にコンデンサとコイルとの
    並列共振回路を設け、前記並列共振回路の共振周波数を
    前記局部発振信号の周波数に設定し、前記第2伝送線路
    に、外部から入力される前記局部発振信号を印加するこ
    とを特徴とする請求項33に記載の電磁放射測定装置。
  35. 【請求項35】 前記局部発振信号を前記微小ループア
    ンテナに印加する手段として、前記微小ループアンテナ
    の近傍に第2ループアンテナを配置して、前記第2ルー
    プアンテナに外部から入力される前記局部発振信号を印
    加し、前記微小ループアンテナと前記第2ループアンテ
    ナとを相互誘導結合させることを特徴とする請求項33
    に記載の電磁放射測定装置。
  36. 【請求項36】 前記微小ループアンテナの第1端がミ
    キサ素子を介して接続する伝送線路上の点と、隣接する
    測定セルの微小ループアンテナの第1端がミキサ素子を
    介して接続する前記伝送線路上の点との間に、コイルと
    コンデンサとの直列共振回路を挿入し、前記直列共振回
    路の共振周波数を前記伝送線路上を伝送する中間周波数
    に設定したことを特徴とする請求項33乃至35に記載
    の電磁放射測定装置。
  37. 【請求項37】 前記微小ループアンテナの第2端が接
    続する第2伝送線路上の点と、隣接する測定セルの微小
    ループアンテナの第2端が接続する前記第2伝送線路上
    の点との間に、コイルとコンデンサとの直列共振回路を
    挿入し、前記直列共振回路の共振周波数を第2伝送線路
    上を伝送する局部発振周波数に設定したことを特徴とす
    る請求項34に記載の電磁放射測定装置。
  38. 【請求項38】 前記ミキサ素子としてダイオードを用
    いることを特徴とする請求項33乃至37に記載の電磁
    放射測定装置。
  39. 【請求項39】 前記ミキサ素子としてトランジスタを
    用い、前記トランジスタのベースまたはエミッタを微小
    ループアンテナに接続し、前記トランジスタのコレクタ
    を前記伝送線路に接続し、前記トランジスタに直流バイ
    アスを印加することを特徴とする請求項33乃至37に
    記載の電磁放射測定装置。
  40. 【請求項40】 多数の測定セルを備える電磁放射測定
    装置を用いて被測定機器からの電磁放射を測定する測定
    システムであって、 前記電磁放射測定装置が、被測定機器の電磁放射を、異
    なる方向から、または異なる周波数範囲で測定して、二
    種類の測定信号を第1出力信号及び第2出力信号として
    出力し、 前記電磁放射測定装置より出力された各測定信号から電
    磁放射レベルを求める二つのレベル測定装置と、 前記電磁放射測定装置から測定信号が読み出される測定
    セルの選択または測定周波数を制御し、前記レベル測定
    装置で求めたレベル情報の処理を行なう制御装置とを備
    え、被測定機器の電磁放射に対する異なる方向からの測
    定、または異なる周波数範囲での測定が同時に行なわれ
    ることを特徴とする測定システム。
  41. 【請求項41】 前記電磁放射レベルの位置分布を表示
    する表示手段を備え、前記表示手段に、前記第1出力信
    号及び第2出力信号から得られる電磁放射レベルの位置
    分布を重ねて表示することを特徴とする請求項40に記
    載の測定システム。
  42. 【請求項42】 前記電磁放射レベルの周波数スペクト
    ラムを表示する表示手段を備え、前記表示手段に、前記
    第1出力信号及び第2出力信号から得られる電磁放射レ
    ベルの周波数スペクトラムを連結して表示することを特
    徴とする請求項40に記載の測定システム。
  43. 【請求項43】 前記電磁放射測定装置が、被測定機器
    を間に挟むように配置した二つの測定部で被測定機器の
    電磁放射を測定して、各測定部で測定した測定信号を前
    記第1出力信号及び第2出力信号として出力し、前記制
    御装置が、前記二つのレベル測定装置で求めた、二つの
    測定部の対向する位置にある測定セルの電磁放射レベル
    の差分を算出し、それを基に被測定機器の内部の電磁放
    射源の高さ方向の位置を推定することを特徴とする請求
    項40に記載の測定システム。
  44. 【請求項44】 前記電磁放射測定装置が、読み書き可
    能な記憶手段を備え、前記電磁放射測定装置の検査時に
    アンテナファクタの検査結果が前記記憶手段に書き込ま
    れ、被測定機器の電磁放射の測定時に、前記記憶手段に
    記憶された検査結果が前記制御装置に伝えられ、前記制
    御装置が、前記検査結果に基づいて、測定時の測定結果
    に補正を加えることを特徴とする請求項40乃至43に
    記載の測定システム。
  45. 【請求項45】 請求項18に記載の電磁放射測定装置
    を用いて被測定機器からの電磁放射を測定する測定シス
    テムであって、 前記電磁放射測定装置より出力された測定信号から電磁
    放射レベルを求めるレベル測定装置と、 前記電磁放射測定装置から測定信号が読み出される測定
    セルの選択と測定周波数とを制御する制御装置と、 前記電磁放射測定装置の選択状態の微小ループアンテナ
    に接続する第1可変容量ダイオード及び第2可変容量ダ
    イオードの逆バイアス電圧を制御する制御電圧発生手段
    とを備え、前記制御電圧発生手段が、前記制御装置が制
    御する測定周波数に連動して前記逆バイアス電圧を変動
    させることを特徴とする測定システム。
  46. 【請求項46】 請求項33乃至39に記載の電磁放射
    測定装置を用いて被測定機器からの電磁放射を測定する
    測定システムであって、 前記電磁放射測定装置より出力された中間周波数の測定
    信号から電磁放射レベルを求めるレベル測定装置と、 前記電磁放射測定装置から測定信号が読み出される測定
    セルの選択と測定周波数とを制御する制御装置とを備
    え、前記レベル測定装置が、内蔵する局部発振器の局部
    発振出力を前記電磁放射測定装置に出力し、前記電磁放
    射測定装置が、前記レベル測定装置から入力する局部発
    振信号を用いて中間周波数の測定信号を生成することを
    特徴とする測定システム。
  47. 【請求項47】 基準となる被測定機器からの電磁放射
    レベルの測定結果を記憶する記憶手段を備え、前記基準
    となる被測定機器の測定結果と他の被測定機器を測定し
    た結果とを比較して、前記他の被測定機器の故障を検出
    することを特徴とする請求項40乃至46に記載の測定
    システム。
  48. 【請求項48】 基準となる被測定機器の電磁放射レベ
    ルの測定結果から電磁放射の発生源の周波数及び3次元
    的位置を認識する認識手段と、認識された前記電磁放射
    の発生源の周波数及び3次元的位置を基準情報として記
    憶する記憶手段とを備え、前記基準情報と他の被測定機
    器を測定した結果とを比較して、前記他の被測定機器の
    故障部位を推定することを特徴とする請求項40乃至4
    6に記載の測定システム。
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