JP3300188B2 - 圧縮式ヒートポンプ - Google Patents

圧縮式ヒートポンプ

Info

Publication number
JP3300188B2
JP3300188B2 JP05737695A JP5737695A JP3300188B2 JP 3300188 B2 JP3300188 B2 JP 3300188B2 JP 05737695 A JP05737695 A JP 05737695A JP 5737695 A JP5737695 A JP 5737695A JP 3300188 B2 JP3300188 B2 JP 3300188B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
source
refrigerant
heat radiation
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP05737695A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08254364A (ja
Inventor
定祐 伊藤
靖夫 内川
薫 浜田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP05737695A priority Critical patent/JP3300188B2/ja
Publication of JPH08254364A publication Critical patent/JPH08254364A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3300188B2 publication Critical patent/JP3300188B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧縮式ヒートポンプに関
し、詳しくは、個別の採熱源により通流冷媒を加熱する
複数の採熱熱交換器を蒸発器としてを備え、膨張手段を
通過した蒸発対象冷媒を複数の前記採熱熱交換器に対し
直列に通流する複数採熱源の圧縮式ヒートポンプ、並び
に、個別の放熱源により通流冷媒を冷却する複数の放熱
熱交換器を凝縮器として備え、圧縮機から送られる凝縮
対象冷媒を複数の前記放熱熱交換器に対し直列に通流す
る複数放熱源の圧縮式ヒートポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような直列通流を行う圧縮式
ヒートポンプでは、図8に示すように、蒸発対象冷媒を
直列に通流(実線の矢印で示す流れ)する複数の採熱熱
交換器Ne1,Ne2、及び、凝縮対象冷媒を直列に通
流(破線の矢印で示す流れ)する複数の放熱熱交換器N
c1,Nc2のいずれについても冷媒経路上で単に直列
接続する構成を採っており、複数の採熱熱交換器Ne
1,Ne2に対する冷媒直列通流の順序、並びに、複数
の放熱熱交換器Nc1,Nc2に対する冷媒直列通流の
順序は夫々、固定されていた。
【0003】また、各採熱熱交換器Ne1,Ne2と使
用採熱源G1,G2との組み合わせや、各放熱熱交換器
Nc1,Nc2と使用放熱源G2,G1との組み合わせ
についても固定化されていた。図中、3は圧縮機、4は
膨張弁やキャピラリーチューブなどの膨張手段である。
【0004】なお、四方弁等による冷媒循環方向の逆転
操作により、複数の熱源用熱交換器を採熱熱交換器(蒸
発器)Ne1,Ne2として機能させる採熱運転と、こ
れら複数の熱源用熱交換器を放熱熱交換器(凝縮器)N
c1,Nc2として機能させる放熱運転との切り換え
(すなわち、上記の図8において実線に示す流れと破線
に示す流れとの切り換え)を行うものでは、冷媒循環方
向の逆転に伴い複数の熱源用熱交換器に対する冷媒直列
通流の順序が採熱運転時と放熱運転時とで逆転するが、
採熱運転において複数の採熱熱交換器Ne1,Ne2に
対する冷媒直列通流の順序が固定され、また、放熱運転
において複数の放熱熱交換器Nc1,Nc2に対する冷
媒直列通流の順序が固定されている点に変わりはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、研究の結果、
冷媒の直列通流順序が固定されている従来の圧縮式ヒー
トポンプでは、各採熱源G1,G2の冷媒昇温効果(す
なわち、蒸発過程を経て飽和蒸気となっている冷媒を加
熱により昇温する効果、略言すれば、過熱度shの取得
効果)について見た場合、直列通流において最終順位の
採熱熱交換器Ne2で使用する採熱源G2の冷媒昇温効
果と、それよりも上流側の他の採熱熱交換器Ne1で使
用する採熱源G1の冷媒昇温効果との高低関係によっ
て、ヒートポンプ運転における冷媒の蒸発圧力pe,蒸
発温度teが異なるものとなる。
【0006】そして、いずれかの採熱源G1,G2が種
々の原因により状況変化(例えば、採熱源の温度変化や
流量変化等)して、その冷媒昇温効果に変化を生じる場
合には、この冷媒昇温効果の変化により、最終順位の採
熱熱交換器Ne2で使用する採熱源G2の冷媒昇温効果
と、上流側の他の採熱熱交換器Ne1で使用する採熱源
G1の冷媒昇温効果との高低関係が変化することで、ヒ
ートポンプ運転における蒸発圧力pe,蒸発温度teが
変化するといったことが生じ、このため、蒸発圧力p
e,蒸発温度teの低下による成績係数copの低下を
来す場合があることが判明した。
【0007】また、放熱源についても同様に、各放熱源
G2,G1の冷媒降温効果(すなわち、凝縮過程を経て
飽和液となっている冷媒を冷却により降温する効果、略
言すれば、過冷却度scの取得効果)について見た場
合、直列通流において最終順位の放熱熱交換器Nc2で
使用する放熱源G1の冷媒降温効果と、それよりも上流
側の他の放熱熱交換器Nc1で使用する放熱源G2の冷
媒降温効果との高低関係によって、ヒートポンプ運転に
おける冷媒の凝縮圧力pc,凝縮温度tcが異なるもの
となる。
【0008】そして、いずれかの放熱源G2,G1が種
々の原因により状況変化(例えば、放熱源の温度変化や
流量変化等)して、その冷媒降温効果に変化を生じる場
合には、この冷媒降温効果の変化により、最終順位の放
熱熱交換器Nc2で使用する放熱源G1の冷媒降温効果
と、上流側の他の放熱熱交換器Nc1で使用する放熱源
G2の冷媒降温効果との高低関係が変化することで、ヒ
ートポンプ運転における凝縮圧力pc,凝縮温度tcが
変化するといったことが生じ、このため、凝縮圧力p
c,凝縮温度tcの上昇による成績係数copの低下を
来す場合があることが判明した。
【0009】以上の実情に対し、本発明の目的は次の通
りである。本発明の第1目的は、各採熱源の状況変化に
かかわらず、その時々の状況下で最大限の高成績係数運
転を可能にする点にある。本発明の第2目的は、一部採
熱源の状況悪化による成績係数の低下を防止する点にあ
る。本発明の第3目的は、検出手段の面での装置構成の
簡略化を可能にする点にある。本発明の第4目的は、各
採熱源の冷媒昇温効果の高低関係を正確に判定する点に
ある。本発明の第5目的は、各放熱源の状況変化にかか
わらず、その時々の状況下で最大限の高成績係数運転を
可能にする点にある。本発明の第6目的は、一部放熱源
の状況悪化による成績係数の低下を防止する点にある。
本発明の第7目的は、検出手段の面での装置構成の簡略
化を可能にする点にある。本発明の第8目的は、各放熱
源の冷媒降温効果の高低関係を正確に判定する点にあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】〔第1特徴構成〕 本発明の第1特徴構成は、個別の採熱源により通流冷媒
を加熱する複数の採熱熱交換器を蒸発器として備え、膨
張手段を通過した蒸発対象冷媒を複数の前記採熱熱交換
器に対し直列に通流する圧縮式ヒートポンプにおいて、
前記採熱源のうち冷媒昇温効果が最も高い状況にある最
有効の採熱源を判定する判定手段と、この判定手段の判
定結果に基づき、前記最有効の採熱源を使用採熱源とす
る採熱熱交換器が前記の直列通流において最終順位の採
熱熱交換器となるように、前記採熱熱交換器に対する冷
媒通流順序の変更を行う、又は、前記採熱熱交換器どう
しの間で使用採熱源を相互に交換する切換制御手段を設
け、 前記判定手段は、前記最有効の採熱源を判定すると
ともに、この最有効の採熱源との冷媒昇温効果の差が設
定差以上に大きい状況にある無効の採熱源を判定する構
成とし、 前記切換制御手段は、この判定結果に基づき、
前記最有効の採熱源を使用採熱源とする採熱熱交換器を
最終順位の採熱熱交換器とすることと、前記無効の採熱
源を使用採熱源とする採熱熱交換器を冷媒通流対象から
外すこととを行う構成としてあることにある。
【0011】〔第特徴構成〕 本発明の第特徴構成は、上記第1特徴構成の実施にお
いて好適な構成を特定するものであり、前記判定手段
は、各採熱源の冷媒昇温効果の高低関係と、各採熱源の
温度との相関を用いて、各採熱源の温度の検出値から、
各採熱源の冷媒昇温効果の高低関係を判定する構成とし
てあることにある。
【0012】〔第特徴構成〕 本発明の第特徴構成は、上記第1特徴構成の実施にお
いて好適な構成を特定するものであり、前記判定手段
は、各採熱源の冷媒昇温効果の高低関係と、各採熱源の
一種又は複数種の状態値と、各採熱源の流量との相関を
用いて、各採熱源の状態値及び流量の検出値から、各採
熱源の冷媒昇温効果の高低関係を判定する構成としてあ
ることにある。
【0013】〔第特徴構成〕 本発明の第特徴構成は、個別の放熱源により通流冷媒
を冷却する複数の放熱熱交換器を凝縮器として備え、圧
縮機から送られる凝縮対象冷媒を複数の前記放熱熱交換
器に対し直列に通流する圧縮式ヒートポンプにおいて、
前記放熱源のうち冷媒降温効果が最も高い状況にある最
有効の放熱源を判定する判定手段と、この判定手段の判
定結果に基づき、前記最有効の放熱源を使用放熱源とす
る放熱熱交換器が前記の直列通流において最終順位の放
熱熱交換器となるように、前記放熱熱交換器に対する冷
媒通流順序の変更を行う、又は、前記放熱熱交換器どう
しの間で使用放熱源を相互に交換する切換制御手段を設
け、 前記判定手段は、前記最有効の放熱源を判定すると
ともに、この最有効の放熱源との冷媒降温効果の差が設
定差以上に大きい状況にある無効の放熱源を判定する構
成とし、 前記切換制御手段は、この判定結果に基づき、
前記最有効の放熱源を使用放熱源とする放熱熱交換器を
最終順位の放熱熱交換器とすることと、前記無効の放熱
源を使用放熱源とする放熱熱交換器を冷媒通流対象から
外すこととを行う構成と してあることにある。
【0014】〔第特徴構成〕 本発明の第特徴構成は、上記第4特徴構成の実施にお
いて好適な構成を特定するものであり、前記判定手段
は、各放熱源の冷媒降温効果の高低関係と、各放熱源の
温度との相関を用いて、各放熱源の温度の検出値から、
各放熱源の冷媒降温効果の高低関係を判定する構成とし
てあることにある。
【0015】〔第特徴構成〕 本発明の第特徴構成は、上記第4特徴構成の実施にお
いて好適な構成を特定するものであり、前記判定手段
は、各放熱源の冷媒降温効果の高低関係と、各放熱源の
一種又は複数種の状態値と、各放熱源の流量との相関を
用いて、各放熱源の状態値及び流量の検出値から、各放
熱源の冷媒降温効果の高低関係を判定する構成としてあ
ることにある。
【0016】
【作用】〔第1特徴構成の作用〕 つまり、最終順位の採熱熱交換器で使用する採熱源の冷
媒昇温効果と、上流側の他の採熱熱交換器で使用する採
熱源の冷媒昇温効果との高低関係により、ヒートポンプ
運転における冷媒の蒸発圧力pe,蒸発温度teが異な
るものとなることについて研究した結果、採熱源のう
ち、最終順位の採熱熱交換器で使用する採熱源の冷媒昇
温効果が最も高い場合に、他の場合に比べ蒸発圧力p
e,蒸発温度teの高い運転が可能となることが判明し
た。
【0017】すなわち、膨張手段を通過した蒸発対象冷
媒を複数の採熱熱交換器に対し直列に通流する形式で
は、最終順位の採熱熱交換器において、一定の蒸発圧力
pe,蒸発温度teのもとで冷媒蒸発を進行させて冷媒
を飽和蒸気に到らせることと、これに続き蒸発温度te
から冷媒温度を上昇させて過熱度shを取得することと
を行い、これに対し、上流側の他の採熱熱交換器では、
最終順位の採熱熱交換器と等しい蒸発圧力pe,蒸発温
度teもとで、ある程度の乾き度xまで冷媒を蒸発させ
ることのみを行う形態となることから、このような直列
通流形式のヒートポンプ運転において適当な過熱度sh
を取得する場合の蒸発圧力pe,蒸発温度teは、最終
順位の採熱熱交換器で使用する採熱源の冷媒昇温効果
(過熱度shの取得効果)により異なるものとなる。
【0018】そして、最終順位の採熱熱交換器について
見れば、蒸発圧力pe,蒸発温度teを一定に維持する
運転において、最終順位の採熱熱交換器で使用する採熱
源の冷媒昇温効果を変化させた場合に、その冷媒昇温効
果が高いほど取得過熱度shが大きくなることからも理
解されるように、一定の過熱度shを得るには、最終順
位の採熱熱交換器で使用する採熱源の冷媒昇温効果が高
いほど(すなわち、蒸発温度teからの過熱度sh分の
冷媒温度上昇(顕熱熱交換)をより効率的に行えるほ
ど)、蒸発圧力pe,蒸発温度teは高いものでよく、
このことから、各採熱熱交換器で使用する採熱源のう
ち、最終順位の採熱熱交換器で使用する採熱源の冷媒昇
温効果が最も高い場合に、他の場合に比べ蒸発圧力p
e,蒸発温度teの高い運転が可能となる。
【0019】このことに着目して、本発明の第1特徴構
成では、採熱源のうち冷媒昇温効果が最も高い状況にあ
る最有効の採熱源を、採熱源状況の検出等による適当な
判定手法をもって判定手段に判定させ、そして、この判
定結果に基づき、切換制御手段により、最有効の採熱源
を使用採熱源とする採熱熱交換器が最終順位の採熱熱交
換器となるように、採熱熱交換器に対する冷媒通流順序
の変更を行うことで、又は、採熱熱交換器どうしの間
使用採熱源を相互に交換することで、状況変化による各
採熱源の冷媒昇温効果の変化にかかわらず、その時々の
状況下で蒸発圧力pe,蒸発温度teの極力高い運転、
すなわち、成績係数copの極力高い運転を可能とす
る。
【0020】そしてまた、最有効の採熱源を使用採熱源
とする採熱熱交換器を最終順位の採熱熱交換器とし、こ
れにより、蒸発圧力pe,蒸発温度teの極力高い運転
を実施する場合、上流側の他の採熱熱交換器で使用する
他の採熱源の冷媒昇温効果が最有効の採熱源に比べ過度
に小さいと、この上流側の他の採熱熱交換器では、冷媒
に対する作用温度が上記の蒸発温度teよりも低いもの
となって、乾き度xの増大とは逆に乾き度xの減少や過
冷却scが生じたり、また、乾き度xの増大はある程度
あるものの、これに比べ、この採熱熱交換器での圧力損
失によるエネルギ損失(換言すれば必要圧縮機仕事の増
大)の方が大きくなるといったことが生じ、これらが成
績係数copの低下要因となる。
【0021】このことに着目して、本発明の第特徴構
成では、最有効の採熱源の判定とともに、この最有効の
採熱源との冷媒昇温効果の差が設定差以上に大きい状況
にある無効の採熱源を判定手段に判定させ、そして、こ
の判定結果に基づき、最有効の採熱源を使用採熱源とす
る採熱熱交換器を最終順位の採熱熱交換器とすることに
加え、切換制御手段により、無効の採熱源を使用採熱源
とする採熱熱交換器を冷媒通流対象から外す(すなわ
ち、蒸発器としての対象から外す)ことで、上記の如き
成績係数copの低下要因を排除する。
【0022】〔第特徴構成の作用〕 採熱源の冷媒昇温効果は、採熱源の温度変化や流量変
化、あるいは、湿度変化(気体採熱源の場合)などによ
り変化するが、これら採熱源の状況変化のうち、一般に
は採熱源の温度変化が冷媒昇温効果を変化させる最も大
きな要因となることから、各採熱源の冷媒昇温効果の高
低関係と、各採熱源の温度との間には、近似的ではある
が特定の相関を認めることができる。
【0023】したがって、この特定相関を用いれば、各
採熱源の温度から、各採熱源の冷媒昇温効果の高低関係
を判定することができ、また、このことは、各採熱源の
種別(すなわち、液体か気体か固体かの種別、また、液
体採熱源としての液体の種別、気体採熱源としての気体
の種別、固体採熱源としての固体の種別)が互いに異な
り、この種別の相違による冷媒昇温効果の差が各採熱源
にある場合についても、上記特定相関の把握上で各採熱
源の種別を加味して各採熱源の温度を見ることにより、
同様に可能である。
【0024】このことに着目して、本発明の第特徴構
成では、各採熱源の冷媒昇温効果の高低関係と、各採熱
源の温度との相関(上記の特定相関)を用いて、各採熱
源の温度の検出値から、各採熱源の冷媒昇温効果の高低
関係を判定手段に判定させ、これにより、各採熱源の中
から前記最有効の採熱源や前記無効の採熱源を判定手段
に判定させる。
【0025】〔第特徴構成の作用〕 前述の如く、採熱源の冷媒昇温効果は、採熱源の温度や
湿度の変化(すなわち、採熱源の状態値変化)により、
また、採熱源の流量変化により変化することから、各採
熱源の冷媒昇温効果の高低関係と、各採熱源の一種又は
複数種の状態値と、各採熱源の流量との間には、特定の
相関を認めることができる。
【0026】したがって、この特定相関を用いれば、各
採熱源の状態値及び流量から、各採熱源の冷媒昇温効果
の高低関係を判定することができ、また、このことは、
前述の第特徴構成の場合と同じく、各採熱源の種別が
互いに異なる場合についても同様に可能である。
【0027】このことに着目して、本発明の第特徴構
成では、各採熱源の冷媒昇温効果の高低関係と、各採熱
源の一種又は複数種の状態値と、各採熱源の流量との
関(上記の特定相関)を用いて、各採熱源の状態値及び
流量の検出値から、各採熱源の冷媒昇温効果の高低関係
を判定手段に判定させ、これにより、各採熱源の中から
前記最有効の採熱源や前記無効の採熱源を判定手段に判
定させる。
【0028】〔第特徴構成の作用〕 つまり、最終順位の放熱熱交換器で使用する放熱源の冷
媒降温効果と、上流側の他の放熱熱交換器で使用する放
熱源の冷媒降温効果との高低関係により、ヒートポンプ
運転における冷媒の凝縮圧力pc,凝縮温度tcが異な
るものとなることについて研究した結果、放熱源のう
ち、最終順位の放熱熱交換器で使用する放熱源の冷媒降
温効果が最も高い場合に、他の場合に比べ凝縮圧力p
c,凝縮温度tcの低い運転が可能となることが判明し
た。
【0029】すなわち、圧縮機から送られる凝縮対象冷
媒を複数の放熱熱交換器に対し直列に通流する形式で
は、最終順位の放熱熱交換器において、一定の凝縮圧力
pc,凝縮温度tcのもとで冷媒凝縮を進行させて冷媒
を飽和液に到らせることと、これに続き凝縮温度tcか
ら冷媒温度を低下させて過冷却度scを取得することと
を行い、これに対し、上流側の他の放熱熱交換器では、
最終順位の放熱熱交換器と等しい凝縮圧力pc,凝縮温
度tcもとで、ある程度の湿り度mまで冷媒を凝縮させ
ることのみを行う形態となることから、このような直列
通流形式のヒートポンプ運転において適当な過冷却度s
cを取得する場合の凝縮圧力pc,凝縮温度tcは、最
終順位の放熱熱交換器で使用する放熱源の冷媒降温効果
(過冷却度scの取得効果)により異なるものとなる。
【0030】そして、最終順位の放熱熱交換器について
見れば、凝縮圧力pc,凝縮温度tcを一定に維持する
運転において、最終順位の放熱熱交換器で使用する放熱
源の冷媒降温効果を変化させた場合に、その冷媒降温効
果が高いほど取得過冷却度scが大きくなることからも
理解されるように、一定の過冷却度scを得るには、最
終順位の放熱熱交換器で使用する放熱源の冷媒降温効果
が高いほど(すなわち、凝縮温度tcからの過冷却度s
c分の冷媒温度低下(顕熱熱交換)をより効率的に行え
るほど)、凝縮圧力pc,凝縮温度tcは低いものでよ
く、このことから、各放熱熱交換器で使用する放熱源の
うち、最終順位の放熱熱交換器で使用する放熱源の冷媒
降温効果が最も高い場合に、他の場合に比べ凝縮圧力p
c,凝縮温度tcの低い運転が可能となる。
【0031】このことに着目して、本発明の第特徴構
成では、放熱源のうち冷媒降温効果が最も高い状況にあ
る最有効の放熱源を、放熱源状況の検出等による適当な
判定手法をもって判定手段に判定させ、そして、この判
定結果に基づき、切換制御手段により、最有効の放熱源
を使用放熱源とする放熱熱交換器が最終順位の放熱熱交
換器となるように、放熱熱交換器に対する冷媒通流順序
の変更を行うことで、又は、放熱熱交換器どうしの間
使用放熱源を相互に交換することで、状況変化による各
放熱源の冷媒降温効果の変化にかかわらず、その時々で
凝縮圧力pc,凝縮温度tcの極力低い運転、すなわ
ち、成績係数copの極力高い運転を可能とする。
【0032】そしてまた、最有効の放熱源を使用放熱源
とする放熱熱交換器を最終順位の放熱熱交換器とし、こ
れにより、凝縮圧力pc,凝縮温度tcの極力低い運転
を実施する場合、上流側の他の放熱熱交換器で使用する
他の放熱源の冷媒降温効果が最有効の放熱源に比べ過度
に小さいと、この上流側の他の放熱熱交換器では、冷媒
に対する作用温度が上記の凝縮温度tcよりも高いもの
となって、湿り度mの増大とは逆に湿り度mの減少や過
熱shが生じたり、また、湿り度mの増大はある程度あ
るものの、これに比べ、この放熱熱交換器での圧力損失
によるエネルギ損失(換言すれば必要圧縮機仕事の増
大)の方が大きくなるといったことが生じ、これらが成
績係数copの低下要因となる。
【0033】このことに着目して、本発明の第特徴構
成では、最有効の放熱源の判定とともに、この最有効の
放熱源との冷媒降温効果の差が設定差以上に大きい状況
にある無効の放熱源を判定手段に判定させ、そして、こ
の判定結果に基づき、最有効の放熱源を使用放熱源とす
る放熱熱交換器を最終順位の放熱熱交換器とすることに
加え、切換制御手段により、無効の放熱源を使用放熱源
とする放熱熱交換器を冷媒通流対象から外す(すなわ
ち、凝縮器としての対象から外す)ことで、上記の如き
成績係数copの低下要因を排除する。
【0034】〔第特徴構成の作用〕 放熱源の冷媒降温効果は、放熱源の温度変化や流量変
化、あるいは、湿度変化(気体放熱源の場合)などによ
り変化するが、これら放熱源の状況変化のうち、一般に
は放熱源の温度変化が冷媒降温効果を変化させる最も大
きな要因となることから、各放熱源の冷媒降温効果の高
低関係と、各放熱源の温度との間には、近似的ではある
が特定の相関を認めることができる。
【0035】したがって、この特定相関を用いれば、各
放熱源の温度から、各放熱源の冷媒降温効果の高低関係
を判定することができ、また、このことは、各放熱源の
種別(すなわち、液体か気体か固体かの種別、また、液
体放熱源としての液体の種別、気体放熱源としての気体
の種別、固体放熱源としての固体の種別)が互いに異な
り、この種別の相違による冷媒降温効果の差が各放熱源
にある場合についても、上記特定相関の把握上で各放熱
源の種別を加味して各放熱源の温度を見ることにより、
同様に可能である。
【0036】このことに着目して、本発明の第特徴構
成では、各放熱源の冷媒降温効果の高低関係と、各放熱
源の温度との相関(上記の特定相関)を用いて、各放熱
源の温度の検出値から、各放熱源の冷媒降温効果の高低
関係を判定手段に判定させ、これにより、各放熱源の中
から前記最有効の放熱源や前記無効の放熱源を判定手段
に判定させる。
【0037】〔第特徴構成の作用〕 前述の如く、放熱源の冷媒降温効果は、放熱源の温度や
湿度の変化(すなわち、放熱源の状態値変化)により、
また、放熱源の流量変化により変化することから、各放
熱源の冷媒降温効果の高低関係と、各放熱源の一種又は
複数種の状態値と、各放熱源の流量との間には、特定の
相関を認めることができる。
【0038】したがって、この特定相関を用いれば、各
放熱源の状態値及び流量から、各放熱源の冷媒降温効果
の高低関係を判定することができ、また、このことは、
前述の第特徴構成の場合と同じく、各放熱源の種別が
互いに異なる場合についても同様に可能である。
【0039】このことに着目して、本発明の第特徴構
成では、各放熱源の冷媒降温効果の高低関係と、各放熱
源の一種又は複数種の状態値と、各放熱源の流量との
関(上記の特定相関)を用いて、各放熱源の状態値及び
流量の検出値から、各放熱源の冷媒降温効果の高低関係
を判定手段に判定させ、これにより、各放熱源の中から
前記最有効の放熱源や前記無効の放熱源を判定手段に判
定させる。
【0040】
【発明の効果】〔第1特徴構成の効果〕 本発明の第1特徴構成によれば、各採熱源の状況変化に
かかわらず,その時々で最大限の高成績係数運転を行え
ることにより、省エネを効果的に達成でき、また、凝縮
器側で高い加熱能力を安定的に得ることができる。
【0041】また、最有効の採熱源との冷媒昇温効果の
差が設定差以上に大きい状況にある無効の採熱源を用い
ることによる成績係数の低下を防止でき、これにより、
最有効の採熱源を使用採熱源とする採熱熱交換器を最終
順位の採熱熱交換器とすることによる蒸発圧力,蒸発温
度の上昇と相まって、成績係数の向上を一層効果的に達
成することができる。
【0042】〔第特徴構成の効果〕 本発明の第特徴構成によれば、採熱源温度の検出が容
易であること、及び、採熱源温度の検出のみにより最有
効の採熱源や無効の採熱源を判定できることから、検出
手段の面で装置構成が簡略となる。
【0043】〔第特徴構成の効果〕 本発明の第特徴構成によれば、各採熱源の一種又は複
数種の状態値の検出値と、各採熱源の流量の検出値とを
用いて、各採熱源の冷媒昇温効果の高低関係を判定する
から、最有効の採熱源や無効の採熱源を正確に判定で
き、これにより、前述の第1特徴構成の効果を確実に得
ることができる。
【0044】〔第特徴構成の効果〕 本発明の第特徴構成によれば、各放熱源の状況変化に
かかわらず,その時々で最大限の高成績係数運転を行え
ることにより、省エネを効果的に達成でき、また、蒸発
器側で高い冷却能力を安定的に得ることができる。
【0045】また、最有効の放熱源との冷媒降温効果の
差が設定差以上に大きい状況にある無効の放熱源を用い
ることによる成績係数の低下を防止でき、これにより、
最有効の放熱源を使用放熱源とする放熱熱交換器を最終
順位の放熱熱交換器とすることによる凝縮圧力,凝縮温
度の低下と相まって、成績係数の向上を一層効果的に達
成することができる。
【0046】〔第特徴構成の効果〕 本発明の第特徴構成によれば、放熱源温度の検出が容
易であること、及び、放熱源温度の検出のみにより最有
効の放熱源や無効の放熱源を判定できることから、検出
手段の面で装置構成が簡略となる。
【0047】〔第特徴構成の効果〕 本発明の第特徴構成によれば、各放熱源の一種又は複
数種の状態値の検出値と、各放熱源の流量の検出値とを
用いて、各放熱源の冷媒降温効果の高低関係を判定する
から、最有効の放熱源や無効の放熱源を正確に判定で
き、これにより、前述の第4特徴構成の効果を確実に得
ることができる。
【0048】
【実施例】図1において、1は冷暖房対象域の加熱(暖
房)や冷却(冷房)、あるいは、物品の加熱や冷却など
に用いる出力熱交換器、2A,2Bは第1及び第2の熱
源熱交換器であり、これら出力熱交換器1及び熱源熱交
換器2A,2Bは、圧縮機3及び膨張弁4(あるいはキ
ャピラリーチューブ)等とともに圧縮式ヒートポンプを
構成する。
【0049】第1熱源熱交換器2Aは、空気G1を採熱
源ないし放熱源とする空気・冷媒熱交換器であり、この
第1熱源熱交換器2Aで用いる空気G1としては、外気
や、冷暖房対象域からの排気、あるいは、太陽熱集熱器
等の加熱手段を通過させた加熱空気や、散水冷却器等の
冷却手段を通過させた冷却空気などを適用できる。
【0050】一方、第2熱源熱交換器2Bは水G2を採
熱源ないし放熱源とする水・冷媒熱交換器であり、この
第2熱源熱交換器2Bで用いる水G2としては、河川
水、井水、海水、生活排水や工場排水、あるいは、太陽
熱集熱器等の加熱手段を通過させた加熱水や加熱ブライ
ン、冷却塔等の冷却手段を通過させた冷却水や冷却ブラ
イン、あるいはまた、蓄熱手段により温熱や冷熱を蓄熱
した蓄熱水や蓄熱ブラインなどを適用できる。
【0051】また、これら採・放熱源としての空気G1
や水G2は、ファン5やポンプ6等により熱源熱交換器
2A,2Bに対し強制供給する形態、あるいは、自然対
流により熱源熱交換器2A,2Bに接触させる形態のい
ずれを採用してもよい。
【0052】7は冷媒の循環方向を切り換える四方弁で
あり、この冷媒循環方向の切り換えにより採熱運転と放
熱運転の切り換えを行い、採熱運転(図中、実線の矢印
で示す冷媒流れ)では、出力熱交換器1を凝縮器として
加熱作用させるとともに、第1及び第2熱源熱交換器2
A,2Bの両方ないし一方を蒸発器として採熱作用さ
せ、これに対し、放熱運転(図中、破線で示す冷媒流
れ)では、出力熱交換器1を蒸発器として冷却作用させ
るとともに、第1及び第2熱源熱交換器2A,2Bの両
方ないし一方を凝縮器として放熱作用させる。
【0053】つまり、採熱運転(換言すれば加熱運転)
では、第1及び第2熱源熱交換器2A,2Bが個別の採
熱源(すなわち、空気採熱源G1と水採熱源G2)によ
り通流冷媒(膨張弁4を通過した蒸発対象冷媒)を加熱
する採熱熱交換器となり、放熱運転(換言すれば冷却運
転)では、第1及び第2熱源熱交換器2A,2Bが個別
の放熱源(空気放熱源G1と水放熱源G2)により通流
冷媒(圧縮機3から吐出された凝縮対象冷媒)を冷却す
る放熱熱交換器となる。
【0054】V1〜V4は、採熱運転及び放熱運転の夫
々において第1及び第2熱源熱交換器2A,2Bに対す
る冷媒通流形態を切り換える三方弁であり、これら三方
弁V1〜V4の切り換え操作により、下記第1〜第4通
流形態の選択を可能にしてある。
【0055】第1通流形態;図2の(イ)に示す如く、
採熱運転では蒸発対象冷媒を第1熱源熱交換器2Aから
第2熱源熱交換器2Bの順に直列に通流(実線の矢印)
し、放熱運転では逆に凝縮対象冷媒を第2熱源熱交換器
2Bから第1熱源熱交換器2Aの順に直列に通流(破線
の矢印)する。
【0056】第2通流形態;図2の(ロ)に示す如く、
採熱運転では蒸発対象冷媒を第2熱源熱交換器2Bから
第1熱源熱交換器2Aの順に直列に通流(実線の矢印)
し、放熱運転では逆に凝縮対象冷媒を第1熱源熱交換器
2Aから第2熱源熱交換器2Bの順に直列に通流(破線
の矢印)する。
【0057】第3通流形態;図2の(ハ)に示す如く、
採熱運転(実線の矢印)及び放熱運転(破線の矢印)の
夫々において、第熱源熱交換器2Bを冷媒通流対象か
ら外し、第熱源熱交換器2Aにのみ冷媒を通流する。
【0058】第4通流形態;図2の(ニ)に示す如く、
第3通流形態とは逆に、採熱運転(実線の矢印)及び放
熱運転(破線の矢印)の夫々において、第熱源熱交換
2Aを冷媒通流対象から外し、第熱源熱交換器2B
にのみ冷媒を通流する。
【0059】他方、8Pは冷媒の蒸発圧力に等しい蒸発
器出口圧力pe(すなわち、圧縮機3が吸入する低圧蒸
気冷媒の圧力)を検出する冷媒圧力検出器、8Tは冷媒
の蒸発温度teと過熱度shとの和に等しい蒸発器出口
温度te’(すなわち、圧縮機3が吸入する低圧蒸気冷
媒の温度を検出する冷媒温度検出器、9Aは採熱源ない
し放熱源としての空気G1の温度t1を検出する空気側
検出器、9Bは採熱源ないし放熱源としての水G2の温
度t2を検出する水側検出器であり、10は各検出器8
P,8T,9A,9Bの検出結果や、適当な検出手段に
より検出する出力熱交換器1の熱負荷などに応じヒート
ポンプ運転を制御する制御器である。
【0060】この制御器10は基本制御として、運転モ
ード指令に応じ四方弁7の切り換え操作により採熱運転
と放熱運転との切り換えを行い、また、採熱運転と放熱
運転との夫々において出力熱交換器1の熱負荷に応じ圧
縮機3の出力を調整し、かつ、冷媒圧力検出器8Pによ
る検出圧力peと冷媒温度検出器8Tによる検出温度t
e’とから演算する過熱度shが目標過熱度になるよう
に、膨張弁4の絞り度を調整する。
【0061】なお、過熱度shは、冷媒圧力検出器8P
による検出圧力pe(蒸発圧力)のもとでの飽和蒸気冷
媒の温度(蒸発温度te)と、冷媒温度検出器8Tによ
る検出温度te’(蒸発器出口温度)との差(sh=t
e’−te)として演算される。
【0062】また、制御器10は上記の基本制御ととも
に、採熱運転では次記の如き「採熱源状況による基本発
停」、「冷媒昇温効果の比較判定」、及び、「蒸発対象
冷媒の通流形態切換」の各制御(図3のフローチャート
参照)を実行し、放熱運転では次記の如き「放熱源状況
による基本発停」、「冷媒降温効果の比較判定」、及
び、「凝縮対象冷媒の通流形態切換」の各制御(図4の
フローチャート参照)を実行する。
【0063】(採熱運転) 「採熱源状況による基本発停」 設定された下限蒸発圧力,下限蒸発温度を実行の蒸発圧
力pe,蒸発温度teとした場合の第1熱源熱交換器2
Aでの空気採熱源G1の冷媒加熱能力HQ1と、その空
気採熱源G1の温度t1との相関R1を用いて、空気側
検出器9Aの検出温度t1から、下限蒸発圧力,下限蒸
発温度を実行の蒸発圧力pe,蒸発温度teとした場合
の現状における第1熱源熱交換器2Aでの空気採熱源G
1の冷媒加熱能力HQ1を演算する。
【0064】また同様に、下限蒸発圧力,下限蒸発温度
を実行の蒸発圧力pe,蒸発温度teとした場合の第2
熱源熱交換器2Bでの水採熱源G2の冷媒加熱能力HQ
2と、その水採熱源G2の温度t2との相関R2を用い
て、水側検出器9Bの検出温度t2から、下限蒸発圧
力,下限蒸発温度を実行の蒸発圧力pe,蒸発温度te
とした場合の現状における第2熱源熱交換器2Bでの水
採熱源G2の冷媒加熱能力HQ2を演算する。
【0065】そして、演算した各採熱源G1,G2の冷
媒加熱能力HQ1,HQ2の和と、下限蒸発圧力,下限
蒸発温度を実行の蒸発圧力pe,蒸発温度teとした場
合の第1及び第2熱源熱交換器2A,2Bの全体として
の設定必要加熱能力HQQとを比較し、演算した各採熱
源G1,G2の冷媒加熱能力HQ1,HQ2の和が上記
の設定必要加熱能力HQQ未満(HQ1+HQ2<HQ
Q)のときには、圧縮機3を停止してヒートポンプ運転
を停止する。また、演算した各採熱源G1,G2の冷媒
加熱能力HQ1,HQ2の和が上記の設定必要加熱能力
HQQ以上(HQ1+HQ2≧HQQ)のときには、ヒ
ートポンプ運転を実施継続する。
【0066】「冷媒昇温効果の比較判定」 各熱源熱交換器2A,2Bでの各採熱源(空気採熱源G
1と水採熱源G2)の冷媒昇温効果HT1,HT2(す
なわち、蒸発過程を経て飽和蒸気となっている冷媒を加
熱により昇温する効果、換言すれば過熱度shの取得効
果)の高低関係と、各採熱源G1,G2の温度t1,t
2との相関R3を用いて、空気側検出器9Aの検出温度
t1と水側検出器9Bの検出温度t2とから、各熱源熱
交換器2A,2Bでの各採熱源G1,G2の冷媒昇温効
果HT1,HT2の高低関係を判定する。
【0067】そして、この高低関係の判定において、各
採熱源G1,G2のうち、冷媒昇温効果HTがより高い
状況にある最有効の採熱源を判定するとともに、この最
有効採熱源の冷媒昇温効果(すなわち、HT1>HT2
の場合はHT1,HT1≦HT2の場合はHT2)と設
定された下限冷媒昇温効果HTTとを比較し、最有効採
熱源の冷媒昇温効果HT1ないしHT2が下限冷媒昇温
効果HTT未満(<HTT)のときには、圧縮機3を停
止してヒートポンプ運転を停止する。
【0068】また、最有効採熱源の冷媒昇温効果HT1
ないしHT2が下限冷媒昇温効果HTT以上(≧HT
T)のときには、冷媒昇温効果HTがより低い状況にあ
る他方の採熱源と最有効採熱源との冷媒昇温効果HTの
差(すなわち、HT1>HT2の場合はHT1−HT
2,HT1≦HT2の場合はHT2−HT1)が設定差
ΔHT以上であるか否かを判定し、最有効採熱源との冷
媒昇温効果HTの差が設定差ΔHT以上であるとき、そ
の他方の採熱源を成績係数copの低下要因となる無効
の採熱源と判定する。
【0069】「蒸発対象冷媒の通流形態切換」 上記の如き最有効の採熱源と無効の採熱源との判定結果
に応じて下記a〜dの通流形態切換を行う。 a.空気採熱源G1が前記最有効の採熱源で、かつ、水
採熱源G2が前記無効の採熱源に当たらない場合(すな
わち、HT1>HT2、かつ、HT2≧HT1−ΔH
T)には、三方弁V1〜V4の切り換えにより、第2熱
源熱交換器2Bから第1熱源熱交換器2Aの順で蒸発対
象冷媒を直列に通流する前記の第2通流形態(図2の
(ロ)の実線の矢印)を採る。なお、図5の(イ)は、
この際のヒートポンプ・サイクルを示す圧力p・比エン
タルピh線図(モリエル線図)であり、Δxは各熱源熱
交換器2A,2Bでの乾き度xの変化量を示す。
【0070】b.空気採熱源G1が最有効の採熱源で、
かつ、水採熱源G2が無効の採熱源である場合(すなわ
ち、HT1>HT2、かつ、HT2<HT1−ΔHT)
には、三方弁V1〜V4の切り換えにより、第2熱源熱
交換器2Bを冷媒通流対象から外して第1熱源熱交換器
2Aにのみ蒸発対象冷媒を通流する前記の第3通流形態
(図2の(ハ)の実線の矢印)を採る。
【0071】c.水採熱源G2が最有効の採熱源で、か
つ、空気採熱源G1が無効の採熱源に当たらない場合
(すなわち、HT2>HT1、かつ、HT1≧HT2−
ΔHT)には、三方弁V1〜V4の切り換えにより、第
1熱源熱交換器2Aから第2熱源熱交換器2Bの順で蒸
発対象冷媒を直列に通流する前記の第1通流形態(図2
の(イ)の実線の矢印)を採る。なお、図5の(ロ)
は、この際のヒートポンプ・サイクルを示す圧力p・比
エンタルピh線図(モリエル線図)である。
【0072】d.水採熱源G2が最有効の採熱源で、か
つ、空気採熱源G1が無効の採熱源である場合(すなわ
ち、HT2>HT1、かつ、HT1<HT2−ΔHT)
には、三方弁V1〜V2の切り換えにより、第1熱源熱
交換器2Aを冷媒通流対象から外して第2熱源熱交換器
2Bにのみ蒸発対象冷媒を通流する前記の第4通流形態
(図2の(ニ)の実線の矢印)を採る。
【0073】すなわち、この「蒸発対象冷媒の通流形態
切換」では、前記の「冷媒昇温効果の比較判定」におけ
る判定結果に基づき、採熱源G1,G2のうちで冷媒昇
温効果HTが最も高い状況にある最有効の採熱源を使用
採熱源とする採熱熱交換器が蒸発対象冷媒の直列通流に
おいて最終順位の採熱熱交換器となるように、採熱熱交
換器2A,2Bに対する冷媒通流順序の変更を行い、ま
た、この最有効の採熱源との冷媒昇温効果HTの差が設
定差ΔHT以上に大きい状況にある無効の採熱源を使用
採熱源とする採熱熱交換器を冷媒通流対象から外すよう
にしてある。
【0074】以上要するに、本実施例において採熱運転
の場合、制御器10は、採熱源G1,G2のうち冷媒昇
温効果HTが最も高い状況にある最有効の採熱源を判定
するとともに、この最有効の採熱源との冷媒昇温効果H
Tの差が設定差ΔHT以上に大きい状況にある無効の採
熱源を判定する判定手段Xを構成する。
【0075】また、制御器10と三方弁V1〜V4は、
この判定手段の判定結果に基づき、最有効の採熱源を使
用採熱源とする採熱熱交換器が直列通流において最終順
位の採熱熱交換器となるように、採熱熱交換器2A,2
Bに対する冷媒通流順序を変更するとともに、無効の採
熱源を使用採熱源とする採熱熱交換器を冷媒通流対象か
ら外す切換制御手段Yを構成する。
【0076】そして、上記の判定手段Xは、各採熱源G
1,G2の冷媒昇温効果HT1,HT2の高低関係と、
各採熱源G1,G2の温度t1,t2との相関R3を用
いて、各採熱源G1,G2の温度t1,t2の検出値か
ら、各採熱源G1,G2の冷媒昇温効果HTの高低関係
を判定する構成としてある。
【0077】(放熱運転) 「放熱源状況による基本発停」 設定された上限凝縮圧力,上限凝縮温度を実行の凝縮圧
力pc,凝縮温度tcとした場合の第1熱源熱交換器2
Aでの空気放熱源G1の冷媒冷却能力LQ1と、その空
気放熱源G1の温度t2との相関R4を用いて、空気側
検出器9Aの検出温度t1から、上限凝縮圧力,上限凝
縮温度を実行の凝縮圧力pc,凝縮温度tcとした場合
の現状における第1熱源熱交換器2Aでの空気放熱源G
1の冷媒冷却能力LQ1を演算する。
【0078】また同様に、上限凝縮圧力,上限凝縮温度
を実行の凝縮圧力pc,凝縮温度tcとした場合の第2
熱源熱交換器2Bでの水放熱源G2の冷媒冷却能力LQ
2と、その水放熱源G2の温度t2との相関R5を用い
て、水側検出器9Bの検出温度t2から、上限凝縮圧
力,上限凝縮温度を実行の凝縮圧力pc,凝縮温度tc
とした場合の現状における第2熱源熱交換器2Bでの水
放熱源G2の冷媒冷却能力LQ2を演算する。
【0079】そして、演算した各放熱源G1,G2の冷
媒冷却能力LQ1,LQ2の和と、上限凝縮圧力,上限
凝縮温度を実行の凝縮圧力pc,凝縮温度tcとした場
合の第1及び第2熱源熱交換器2A,2Bの全体として
の設定必要冷却能力LQQとを比較し、演算した各放熱
源G1,G2の冷媒冷却能力LQ1,LQ2の和が上記
の設定必要冷却能力LQQ未満(LQ1+LQ2<LQ
Q)のときには、圧縮機3を停止してヒートポンプ運転
を停止する。また、演算した各放熱源G1,G2の冷媒
冷却能力LQ1,LQ2の和が上記の設定必要冷却能力
LQQ以上(LQ1+LQ2≧LQQ)のときには、ヒ
ートポンプ運転を実施継続する。
【0080】「冷媒降温効果の比較判定」 各熱源熱交換器2A,2Bでの各放熱源(空気放熱源G
1と水放熱源G2)の冷媒降温効果LT1,LT2(す
なわち、凝縮過程を経て飽和液となっている冷媒を冷却
により降温する効果、換言すれば過冷却度scの取得効
果)の高低関係と、各放熱源G1,G2の温度t1,t
2との相関R6を用いて、空気側検出器9Aの検出温度
t1と水側検出器9Bの検出温度t2とから、各熱源熱
交換器2A,2Bでの各放熱源G1,G2の冷媒降温効
果LT1,LT2の高低関係を判定する。
【0081】そして、この高低関係の判定において、各
放熱源G1,G2のうち、冷媒降温効果LTがより高い
状況にある最有効の放熱源を判定するとともに、この最
有効放熱源の冷媒降温効果(すなわち、LT1>LT2
の場合はLT1,LT1≦LT2の場合はLT2)と設
定された下限冷媒降温効果LTTとを比較し、最有効放
熱源の冷媒降温効果LT1ないしLT2が下限冷媒降温
効果LTT未満(<LTT)のときには、圧縮機3を停
止してヒートポンプ運転を停止する。
【0082】また、最有効放熱源の冷媒降温効果LT1
ないしLT2が下限冷媒降温効果LTT以上(≧LT
T)のときには、冷媒降温効果LTがより低い状況にあ
る他方の放熱源と最有効放熱源との冷媒降温効果LTの
差(すなわち、LT1>LT2の場合はLT1−LT
2,LT1≦LT2の場合はLT2−LT1)が設定差
ΔLT以上であるか否かを判定し、最有効放熱源との冷
媒降温効果LTの差が設定差ΔLT以上であるとき、そ
の他方の放熱源を成績係数copの低下要因となる無効
の放熱源と判定する。
【0083】「凝縮対象冷媒の通流形態切換」 上記の如き最有効の放熱源と無効の放熱源との判定結果
に応じて下記e〜hの通流形態切換を行う。 e.空気放熱源G1が前記最有効の放熱源で、かつ、水
放熱源G2が前記無効の放熱源に当たらない場合(すな
わち、LT1>LT1、かつ、LT2≧LT1−ΔL
T)には、三方弁V1〜V4の切り換えにより、第2熱
源熱交換器2Bから第1熱源熱交換器2Aの順で凝縮対
象冷媒を直列に通流する前記の第1通流形態(図2の
(イ)の破線の矢印)を採る。なお、図6の(イ)は、
この際のヒートポンプ・サイクルを示す圧力p・比エン
タルピh線図(モリエル線図)であり、Δmは各熱源熱
交換器2A,2Bでの湿り度m(=1−x)の変化量を
示す。
【0084】f.空気放熱源G1が最有効の放熱源で、
かつ、水放熱源G2が無効の放熱源である場合(すなわ
ち、LT1>LT2、かつ、LT2<LT1−ΔLT)
には、三方弁V1〜V4の切り換えにより、第2熱源熱
交換器2Bを冷媒通流対象から外して第1熱源熱交換器
2Aにのみ凝縮対象冷媒を通流する前記の第3通流形態
(図2の(ハ)の破線の矢印)を採る。
【0085】g.水放熱源G2が最有効の放熱源で、か
つ、空気放熱源G1が無効の放熱源に当たらない場合
(すなわち、LT2>LT1、かつ、LT1≧LT2−
ΔLT)には、三方弁V1〜V4の切り換えにより、第
1熱源熱交換器2Aから第2熱源熱交換器2Bの順で凝
縮対象冷媒を直列に通流する前記の第2通流形態(図2
の(ロ)の破線の矢印)を採る。なお、図6の(ロ)
は、この際のヒートポンプ・サイクルを示す圧力p・比
エンタルピh線図(モリエル線図)である。
【0086】h.水放熱源G2が最有効の放熱源で、か
つ、空気放熱源G1が無効の放熱源である場合(すなわ
ち、LT2>LT1、かつ、LT1<LT2−ΔLT)
には、三方弁V1〜V4の切り換えにより、第1熱源熱
交換器2Aを冷媒通流対象から外して第2熱源熱交換器
2Bにのみ凝縮対象冷媒を通流する前記の第4通流形態
(図2の(ニ)の破線の矢印)を採る。
【0087】すなわち、この「凝縮対象冷媒の通流形態
切換」では、前記の「冷媒降温効果の比較判定」におけ
る判定結果に基づき、放熱源G1,G2のうちで冷媒降
温効果LTが最も高い状況にある最有効の放熱源を使用
放熱源とする放熱熱交換器が凝縮対象冷媒の直列通流に
おいて最終順位の放熱熱交換器となるように、放熱熱交
換器2A,2Bに対する冷媒通流順序の変更を行い、ま
た、この最有効の放熱源との冷媒降温効果LTの差が設
定差ΔLT以上に大きい状況にある無効の放熱源を使用
放熱源とする放熱熱交換器を冷媒通流対象から外すよう
にしてある。
【0088】以上要するに、本実施例において放熱運転
の場合、制御器10は、放熱源G1,G2のうち冷媒降
温効果LTが最も高い状況にある最有効の放熱源を判定
するとともに、この最有効の放熱源との冷媒降温効果L
Tの差が設定差ΔLT以上に大きい状況にある無効の放
熱源を判定する判定手段Xを構成する。
【0089】また、制御器10と三方弁V1〜V4は、
この判定手段の判定結果に基づき、最有効の放熱源を使
用放熱源とする放熱熱交換器が直列通流において最終順
位の放熱熱交換器となるように、放熱熱交換器2A,2
Bに対する冷媒通流順序を変更するとともに、無効の放
熱源を使用放熱源とする放熱熱交換器を冷媒通流対象か
ら外す切換制御手段Yを構成する。
【0090】そして、上記の判定手段Xは、各放熱源G
1,G2の冷媒降温効果LT1,LT2の高低関係と、
各放熱源G1,G2の温度t1,t2との相関R6を用
いて、各放熱源G1,G2の温度t1,t2の検出値か
ら、各放熱源G1,G2の冷媒降温効果LTの高低関係
を判定する構成としてある。
【0091】〔別実施例〕 次に別実施例を列記する。 (採熱源について) 前記の空気側検出器9Aや水側検出器9Bの如き採熱源
状況の検出器を、各採熱源G1,G2の一種又は複数種
の状態値(例えば温度tや湿度r、あるいは、比エンタ
ルピh等)と、各採熱源G1,G2の流量(流量に相応
する検出値として採熱源用のファン5やポンプ6の運転
状況値であって良い)を検出するものとし、この検出方
式のもとで、判定手段Xは、各採熱源G1,G2の冷媒
昇温効果HTの高低関係と、各採熱源G1,G2の一種
又は複数種の状態値と、各採熱源G1,G2の流量との
相関を用いて、各採熱源G1,G2の状態値及び流量の
検出値から、各採熱源G1,G2の冷媒昇温効果HTの
高低関係を判定し、この高低関係の判定において、冷媒
昇温効果HTが最も高い状況にある最有効の採熱源や、
この最有効の採熱源との冷媒昇温効果HTの差が設定差
ΔHT以上に大きい状況にある無効の採熱源を判定する
構成としても良い。
【0092】図3のフローチャートにおいて〔HT1≧
HTT?〕,〔HT2≧HTT?〕の部分を省略した制
御形態を採用してもよい。
【0093】直列通流の対象とする採熱熱交換器2A,
2Bは2器に限定されるものではなく、3器以上の複数
であっても良い。また、これら複数の採熱熱交換器2
A,2Bで使用する採熱源G1,G2は、液体採熱源、
気体採熱源、固体採熱源のいずれであっても良く、さら
に、これら採熱源は互いに同種のもの、あるいは、異種
のもの、いずれであっても良い。
【0094】最有効の採熱源を使用採熱源とする採熱熱
交換器を最終順位の採熱熱交換器とするのに、前述の実
施例のように複数の採熱熱交換器2A,2Bに対する冷
媒通流の順序を変更するのに代えて、図7に示す如く、
三方弁V5,V6による切り換え等により、複数の採熱
熱交換器2A,2Bどうしの間で使用採熱源G1,G2
相互に交換する形態を採用しても良い。
【0095】複数の採熱熱交換器2A,2Bに対する冷
媒通流の順序を変更する構成としては、前述実施例の如
き三方弁V1〜V4を用いる回路切換構成に代えて、図
1におけるu1〜u6の箇所に二方弁を介装する回路切
換構成や、あるいは、三方弁V1,V2を介装するとと
もに、u5,u6の箇所に二方弁を介装する回路切換構
成など、種々の形態の回路切換構成を採用できる。
【0096】本発明は、複数の専用の採熱熱交換器を備
える圧縮式ヒートポンプについて実施してもよい。
【0097】(放熱源について) 前記の空気側検出器9Aや水側検出器9Bの如き放熱源
状況の検出器を、各放熱源G1,G2の一種又は複数種
の状態値(例えば温度tや湿度r、あるいは、比エンタ
ルピh等)と、各放熱源G1,G2の流量(流量に相応
する検出値として放熱源用のファン5やポンプ6の運転
状況値であって良い)を検出するものとし、この検出方
式のもとで、判定手段Xは、各放熱源G1,G2の冷媒
降温効果LTの高低関係と、各放熱源G1,G2の一種
又は複数種の状態値と、各放熱源G1,G2の流量との
相関を用いて、各放熱源G1,G2の状態値及び流量の
検出値から、各放熱源G1,G2の冷媒降温効果LTの
高低関係を判定し、この高低関係の判定において、冷媒
降温効果LTが最も高い状況にある最有効の放熱源や、
この最有効の放熱源との冷媒降温効果LTの差が設定差
ΔLT以上に大きい状況にある無効の放熱源を判定する
構成としても良い。
【0098】図4のフローチャートにおいて〔LT1≧
LTT?〕,〔LT2≧LTT?〕の部分を省略した制
御形態を採用してもよい。
【0099】直列通流の対象とする放熱熱交換器2A,
2Bは2器に限定されるものではなく、3器以上の複数
であっても良い。また、これら複数の放熱熱交換器2
A,2Bで使用する放熱源G1,G2は、液体放熱源、
気体放熱源、固体放熱源のいずれであっても良く、さら
に、これら放熱源は互いに同種のもの、あるいは、異種
のもの、いずれであっても良い。
【0100】最有効の放熱源を使用放熱源とする放熱熱
交換器を最終順位の放熱熱交換器とするのに、前述の実
施例のように複数の放熱熱交換器2A,2Bに対する冷
媒通流の順序を変更するのに代えて、先述の採熱源の場
合と同様、図7に示す如く、三方弁V5,V6による切
り換え等により、複数の放熱熱交換器2A,2Bどうし
の間で使用放熱源G1,G2を相互に交換する形態を採
用しても良い。
【0101】複数の放熱熱交換器2A,2Bに対する冷
媒通流の順序を変更する構成としては、これも先述の採
熱源の場合と同様、前述実施例の如き三方弁V1〜V4
を用いる回路切換構成に代えて、図1におけるu1〜u
6の箇所に二方弁を介装する回路切換構成や、あるい
は、三方弁V1,V2を介装するとともに、u5,u6
の箇所に二方弁を介装する回路切換構成など、種々の形
態の回路切換構成を採用できる。
【0102】前述の実施例においては、各放熱源G1,
G2の冷媒冷却能力LQ1,LQ2の和が第1及び第2
熱源熱交換器2A,2Bの全体としての設定必要冷却能
力LQQ以上であることを運転条件とすることにより、
適当な過冷却度scが確保されるようにしているが、放
熱源用のファン5やポンプ6の調整により過冷却度sc
を目標過冷却度に調整する制御や、あるいは、蒸発器出
口冷媒と凝縮器通過最終段階の冷媒との熱交換により過
冷却度を増大させる方式において、その熱交換量の調整
により過冷却度scを目標過冷却度に調整する制御を実
施するようにしてもよい。
【0103】本発明は、複数の専用の放熱熱交換器を備
える圧縮式ヒートポンプについて実施してもよい。
【0104】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするため符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】装置構成を示す図
【図2】冷媒通流の切換形態を示す図
【図3】採熱運転の制御フローチャート
【図4】放熱運転の制御フローチャート
【図5】運転サイクルを示すモリエル線図
【図6】運転サイクルを示すモリエル線図
【図7】別実施例を示す装置構成図
【図8】従来の装置構成を示す図
【符号の説明】
G1,G2 採熱源,放熱源 2A,2B 採熱熱交換器,放熱熱交換器 3 圧縮機 4 膨張手段 HT(HT1,HT2) 冷媒昇温効果 ΔHT 冷媒昇温効果の設定差 LT(LT1,LT2) 冷媒降温効果 ΔLT 冷媒降温効果の設定差 X 判定手段 Y 切換制御手段 t1,t2 採熱源の温度,放熱源の温度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜田 薫 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会 社クボタ 技術開発研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−27467(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 1/00 F25B 5/00 - 6/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 個別の採熱源(G1),(G2)により
    通流冷媒を加熱する複数の採熱熱交換器(2A),(2
    B)を蒸発器として備え、膨張手段(4)を通過した蒸
    発対象冷媒を複数の前記採熱熱交換器(2A),(2
    B)に対し直列に通流する圧縮式ヒートポンプであっ
    て、 前記採熱源(G1),(G2)のうち冷媒昇温効果(H
    T)が最も高い状況にある最有効の採熱源を判定する判
    定手段(X)と、 この判定手段(X)の判定結果に基づき、前記最有効の
    採熱源を使用採熱源とする採熱熱交換器が前記の直列通
    流において最終順位の採熱熱交換器となるように、前記
    採熱熱交換器(2A),(2B)に対する冷媒通流順序
    の変更を行う、又は、前記採熱熱交換器(2A),(2
    B)どうしの間で使用採熱源を相互に交換する切換制御
    手段(Y)を設け、 前記判定手段(X)は、前記最有効の採熱源を判定する
    とともに、この最有効の採熱源との冷媒昇温効果(H
    T)の差が設定差(ΔHT)以上に大きい状況にある無
    効の採熱源を判定する構成とし、 前記切換制御手段(Y)は、この判定結果に基づき、前
    記最有効の採熱源を使用採熱源とする採熱熱交換器を最
    終順位の採熱熱交換器とすることと、前記無効の採熱源
    を使用採熱源とする採熱熱交換器を冷媒通流対象から外
    すこととを行う構成としてある 圧縮式ヒートポンプ。
  2. 【請求項2】 前記判定手段(X)は、各採熱源(G
    1),(G2)の冷媒昇温効果(HT1),(HT2)
    の高低関係と、各採熱源(G1),(G2)の温度(t
    1),(t2)との相関を用いて、各採熱源(G1),
    (G2)の温度(t1),(t2)の検出値から、各採
    熱源(G1),(G2)の冷媒昇温効果(HT1),
    (HT2)の高低関係を判定する構成としてある請求項
    1記載の圧縮式ヒートポンプ。
  3. 【請求項3】 前記判定手段(X)は、各採熱源(G
    1),(G2)の冷媒昇温効果(HT1),(HT2)
    の高低関係と、各採熱源(G1),(G2)の 一種又は
    複数種の状態値と、各採熱源(G1),(G2)の流量
    との相関を用いて、各採熱源(G1),(G2)の状態
    値及び流量の検出値から、各採熱源(G1),(G2)
    の冷媒昇温効果(HT1),(HT2)の高低関係を判
    定する構成としてある請求項1記載の圧縮式ヒートポン
    プ。
  4. 【請求項4】 個別の放熱源(G1),(G2)により
    通流冷媒を冷却する複数の放熱熱交換器(2A),(2
    B)を凝縮器として備え、圧縮機(3)から送られる凝
    縮対象冷媒を複数の前記放熱熱交換器(2A),(2
    B)に対し直列に通流する圧縮式ヒートポンプであっ
    て、 前記放熱源(G1),(G2)のうち冷媒降温効果(L
    T)が最も高い状況にある最有効の放熱源を判定する判
    定手段(X)と、 この判定手段(X)の判定結果に基づき、前記最有効の
    放熱源を使用放熱源とする放熱熱交換器が前記の直列通
    流において最終順位の放熱熱交換器となるように、前記
    放熱熱交換器(2A),(2B)に対する冷媒通流順序
    の変更を行う、又は、前記放熱熱交換器(2A),(2
    B)どうしの間で使用放熱源を相互に交換する切換制御
    手段(Y)を設け、 前記判定手段(X)は、前記最有効の放熱源を判定する
    とともに、この最有効の放熱源との冷媒降温効果(L
    T)の差が設定差(ΔLT)以上に大きい状況にある無
    効の放熱源を判定する構成とし、 前記切換制御手段(Y)は、この判定結果に基づき、前
    記最有効の放熱源を使用放熱源とする放熱熱交換器を最
    終順位の放熱熱交換器とすることと、前記無効の放熱源
    を使用放熱源とする放熱熱交換器を冷媒通流対象から外
    すこととを行う構成としてある 圧縮式ヒートポンプ。
  5. 【請求項5】 前記判定手段(X)は、各放熱源(G
    1),(G2)の冷媒降温効果(LT1),(LT2)
    の高低関係と、各放熱源(G1),(G2)の温度(t
    1),(t2)との相関を用いて、各放熱源(G1),
    (G2)の温度(t1),(t2)の検出値から、各放
    熱源(G1),(G2)の冷媒降温効果(LT1),
    (LT2)の高低関係を判定する構成としてある請求項
    4記載の圧縮式ヒートポンプ。
  6. 【請求項6】 前記判定手段(X)は、各放熱源(G
    1),(G2)の冷媒 降温効果(LT1),(LT2)
    の高低関係と、各放熱源(G1),(G2)の一種又は
    複数種の状態値と、各放熱源(G1),(G2)の流量
    との相関を用いて、各放熱源(G1),(G2)の状態
    値及び流量の検出値から、各放熱源(G1),(G2)
    の冷媒降温効果(LT1),(LT2)の高低関係を判
    定する構成としてある請求項4記載の圧縮式ヒートポン
    プ。
JP05737695A 1995-03-16 1995-03-16 圧縮式ヒートポンプ Expired - Fee Related JP3300188B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05737695A JP3300188B2 (ja) 1995-03-16 1995-03-16 圧縮式ヒートポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05737695A JP3300188B2 (ja) 1995-03-16 1995-03-16 圧縮式ヒートポンプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08254364A JPH08254364A (ja) 1996-10-01
JP3300188B2 true JP3300188B2 (ja) 2002-07-08

Family

ID=13053888

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05737695A Expired - Fee Related JP3300188B2 (ja) 1995-03-16 1995-03-16 圧縮式ヒートポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3300188B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6664503B2 (ja) * 2016-09-23 2020-03-13 三菱電機株式会社 空気調和装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08254364A (ja) 1996-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7984621B2 (en) Air conditioning system for communication equipment and controlling method thereof
US20090173091A1 (en) Multi-range composite-evaporator type cross-defrosting system
KR101153513B1 (ko) 냉매시스템 및 그 제어방법
JP4885481B2 (ja) 冷却装置の運転方法
CN111397045B (zh) 一种基于半导体换热器的机组、其控制方法及空调
JP2006283989A (ja) 冷暖房システム
KR20120045916A (ko) 히트 펌프식 급탕장치
US7386984B2 (en) Refrigerator
GB2218499A (en) Air-cooled cooling apparatus
JP3140333B2 (ja) ヒートポンプ装置
Yoo et al. Determination of defrosting start time in an air-to-air heat pump system by frost volume calculation method
JP4503630B2 (ja) 空気調和システム及びその制御方法
JP2008128617A (ja) 空気調和装置
JP3300188B2 (ja) 圧縮式ヒートポンプ
JP2960218B2 (ja) 吸収式冷暖房機の制御方法
JPH0886527A (ja) 空気調和装置
JP4559134B2 (ja) 水冷式排熱回収型ヒートポンプ
JP3140346B2 (ja) ヒートポンプの熱源側運転方法、及び、熱源装置
JPH07127955A (ja) 冷凍サイクル装置
JP2013167368A (ja) 空気調和装置
JP3300197B2 (ja) 圧縮式ヒートポンプ
KR102066694B1 (ko) 히트펌프 시스템
JPH06257868A (ja) 空調用ヒートポンプ式氷蓄熱装置
JP2002195675A (ja) 空気調和装置
KR100592672B1 (ko) 멀티형 공기조화기 및 그 제어방법

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees