JP3295272B2 - モーメント補償装置 - Google Patents

モーメント補償装置

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JP3295272B2 JP08721695A JP8721695A JP3295272B2 JP 3295272 B2 JP3295272 B2 JP 3295272B2 JP 08721695 A JP08721695 A JP 08721695A JP 8721695 A JP8721695 A JP 8721695A JP 3295272 B2 JP3295272 B2 JP 3295272B2
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    • B63H21/30Mounting of propulsion plant or unit, e.g. for anti-vibration purposes
    • B63H21/302Mounting of propulsion plant or unit, e.g. for anti-vibration purposes with active vibration damping
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H33/00Gearings based on repeated accumulation and delivery of energy
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船舶のピストン推進エ
ンジン、特に大型2ストローククロスヘッドエンジンに
おける慣性力に起因する自由モーメントを補償するため
の装置に関し、この装置は船舶の長手方向においてエン
ジンから所定の距離だけ離れて装着されるようになって
いて、水平軸のまわりで回転できる不平衡質量体と、装
置の始動後に不平衡質量体の回転数及び位相角をエンジ
ンの速度及び位相角の関数として制御できる制御装置と
一緒に不平衡質量体を回転させる駆動手段とを有する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】このような装置及びその
作動方法は既知で、例えばヨーロッパ特許第00109
73号明細書に開示されている。この特許明細書は、エ
ンジンの第1級の自由モーメントを補償するための単一
の不平衡質量体と、第1及び第2級の外部モーメントを
それぞれ補償するための2つの不平衡質量体とを備えた
装置を開示している。第2級モーメント補償機構は既知
で、水平軸のまわりで反対方向に回転する2つの回転質
量体により発生せしめられる可変の垂直補償力を補償す
る。船舶のメインエンジンに関連して使用するモーメン
ト補償機構は通常大きな補償力を生じさせねばならず、
個々の回転質量体は十分大きな補償力を生じさせること
ができるようにかなり大きな質量を有する必要がある。
水平軸のまわりで回転する不平衡質量体を有する既知の
船舶用補償機構の共通の特徴は始動が困難なことであ
る。その理由は、回転運動を開始させるに当たり、大き
な質量による大きな重力に打ち勝って不平衡質量体を回
転させなければならないからである。
【0003】既知の装置の不平衡質量体を回転させるた
めの多数の異なる方法が開発されてきた。1つの方法に
よれば、不平衡質量体が完全1回転でき、その速度をゆ
っくり増大させ、エンジンと同期できるようになるま
で、不平衡質量体を回転させる駆動手段を数回切り換え
て、質量体を大きな振幅の振り子運動で一方向及び反対
方向へ駆動する。制御装置は振動運動の着実に増大する
振幅に応じて連続的に駆動手段を切り換える時間を調整
しなければならない。これを行うには、極めて小さな回
転速度で大きなトルクを生じさせることのできる複雑で
高価な制御装置を必要とする。上述のヨーロッパ特許に
おいては、極めて大きな始動トルクを生じさせるため
に、エンジンに装着したポンプから液圧流体を供給され
る液圧モータを使用している。しかし、大きな出力を発
生させるために液圧モータ及びポンプの寸法を大きくす
る必要があり、更に、ポンプと液圧モータの間の長い流
体的配管も必要となり、このため、モーメント補償装置
を十分正確に制御することが困難であることが分かっ
た。
【0004】ヨーロッパ特許出願第0409462号明
細書はエンジンにより発生する振動を補償するための装
置を開示している。この装置は反対方向に回転する2対
となって同心的に配置された4つのロータを有する。望
ましくない振動の大きさに応じて装置により発生される
慣性力の大きさを調整するために、装置の作動中に、各
対の2つのロータの相対角度位置を0°と180°との
間で調整できる。4つのロータの位置は、各ロータのた
めの電気モータを制御する制御ユニットへ位置信号を伝
達する静止のセンサにより検出され、補償力の大きさ及
び位相をエンジンの作動条件の関数として調整する。ロ
ータは小さな不平衡質量を有し、4つの電気モータは、
始動時の特別な制御を必要とせずに回転運動を生じさせ
ることができる。船舶のためのモーメント補償装置にお
いては、不平衡質量体は、各質量体に直接接続した電気
モータにより装置を始動させるのが困難なほど大きな質
量を有し、不平衡質量体の運動を調整する場合は、モー
タが違う信号を受けてから質量体が新たな速度で回転す
るまでに、ある程度の時間がかかってしまう。
【0005】米国特許第4,289,042号明細書
は、共通の回転軸のまわりで同軸的に装着された2つの
ロータを有するバイブレータを開示しており、これらロ
ータの相対角度位置は、バイブレータのストロークを調
整するために、すなわち、振動発生力の大きさを調整す
るために、調整できる。
【0006】フランス国特許第1,115,555号明
細書は、共通のシャフトに回転可能な状態で支承された
2つのロータを有するバイブレータを開示している。一
方のロータはバネ負荷フックを担持し、このフックは、
他方のロータを捕捉保持でき、これらロータ間の不平衡
を相殺するような相対位置にこれらロータを維持させ
る。バイブレータの始動後にロータが十分大きな速度で
回転したとき、フックが解除され、ロータは、不平衡質
量が最大の不平衡状態となるような第2の相対位置まで
回転する。
【0007】
【発明の目的】本発明の目的は、極めて大きな不平衡質
量体の場合でさえも、簡単な制御で、小さな始動トルク
により始動させることのできる、信頼性の高い自由モー
メント補償装置を提供することである。
【0008】
【発明の構成並びに作用効果】上記目的を達成するた
め、本発明に係る装置の特徴とするところは、ユニット
として回転できる不平衡質量体がそれ自体既知の方法で
2つの不平衡重りに分割されており、これらの各重りが
共通水平回転軸に関して偏心的に装着されていて、これ
らの不平衡重りの質量の共通中心が回転軸の近傍に位置
する第1位置と、質量の共通中心が回転軸から一層離れ
て位置する第2位置との間での回転運動中に回転軸に関
する不平衡重りの相対位置を調整できるようになってお
り;不平衡重りの回転中に第1位置から第2位置へ不平
衡重りを移動させるための調整装置が、第2不平衡重り
に形成した端壁を備え環状セグメントの形をした少なく
とも1つの圧力チャンバと、第1不平衡重りに設けら
れ、圧力チャンバ内に位置し、不平衡重りが相対的に回
転したときに圧力チャンバの湾曲状中央線に沿って移動
するピストン部材と、ピストン部材の両側で圧力チャン
バに開口し、制御弁を介して流体圧力源及び流体ドレン
にそれぞれ接続できる2つの流体チャンネルとから成る
ことである。
【0009】共通運動となって回転できる2つの不平衡
重りに不平衡質量体を分割すると、不平衡重りを相対的
に回転させることが可能となり、質量の共通中心を回転
軸に関して半径方向へ移動させ、回転軸に関する全体の
不平衡質量体の偏心度、従って、ある速度における不平
衡質量体の不平衡度の大きさ及び補償回転力の大きさを
変えることができる。不平衡重りの質量の中心が回転軸
の両側において直径方向で対向しているとき、不平衡度
は最小となる。不平衡重りがこの位置から相対的に回転
したとき、質量の共通中心は回転軸から離れる方向へ移
動し、不平衡度が増大し、補償力も増大する。これによ
り、上述のように、最小の不平衡度又は不平衡度の無い
状態で装置を始動させることができる。ただし、不平衡
度は所望の大きさに調整できる。
【0010】重い不平衡重りの調整に必要な力は、適当
な流体圧力をピストン部材に作用させることにより、簡
単な方法で得ることができる。流体圧力源は、簡単だが
信頼ある方法、例えば液圧ポンプにより、提供できる。
調整装置の作動は流体圧力の維持及び単一の制御弁の機
能のみに依存するので、調整装置の作動の信頼性は高
い。
【0011】装置を始動するとき、質量の中心が回転軸
に一層近づくか回転軸に一致するように不平衡質量体を
調整することができ、また、不平衡質量体が初期の回転
運動において大きな重力に抗して持ち上がらないように
(つまり、慣性モーメントが小さくならないように)不
平衡質量体の不平衡度を適当に小さく又はゼロにするこ
とができる。このようにすれば、初期の振り子運動を必
要とせずに、比較的小さなトルクで不平衡質量体を回転
させることができる。従って、オン/オフ回路ブレーカ
を備えた電気モータの如き小型で簡単に制御できる駆動
子を使用することができる。
【0012】不平衡質量体が回転したとき、質量の中心
は回転軸から離れるようになる。一旦、平衡質量体が回
転すると、偏心質量に対しする重力の影響は邪魔されな
い。その理由は、重力が、質量の上方への揺動運動中に
吸収されるエネルギに対応する運動エネルギを質量の下
方への揺動運動中に発生させるからである。
【0013】大半の駆動モータは、静止しているときよ
りも回転したときに大きなトルクを発生させるが、本発
明においては、駆動モータの始動時に、不平衡質量体の
質量の中心を回転軸に一層近づけるか回転軸に一致させ
るという実質的な効果を奏することができる。回転軸か
ら離れる方向への不平衡質量体の質量の中心の移動は、
例えば50°又は100°の比較的小さな角度回転の後
に開始することができるが、好ましくは、不平衡質量体
の質量の中心は、必要なトルクに対する重力の影響をで
きる限り排除するように、少なくとも不平衡質量体の最
初の半回転の間は、回転軸上に維持される。質量の中心
が回転軸から離れるように移動する前に、駆動モータが
最大トルクを生じさせるような速度まで不平衡質量体を
加速するのが実用的であるといえる。
【0014】推進エンジンの外部モーメント即ち第2級
の自由モーメントはエンジンの往復運動する質量につい
ての慣性力により発生せしめられ、このモーメントの大
きさはエンジン速度に依存する。エンジンの第2級の自
由モーメントは船体の振動モードに大きなエネルギを与
え、その固有振動数はエンジンの現在の速度の2倍に等
しい。大型2ストロークディーゼルエンジンについて、
例えば90rpmの速度では、第2級の自由モーメント
が船体の4節又は5節垂直振動モールでの共鳴振動を発
生させる場合がある。関連する船体の振動モード及び節
(波節)の位置は船舶の負荷状態に依存する。補償装置
の垂直補償力は補償モーメントを発生させ、その大きさ
は補償装置から船体振動の最も近い波節までの水平距離
の関数となる。
【0015】同じ負荷状態の下では、最も近い波節まで
の距離は変化することがある。その理由は、エンジンの
速度が変化したときに、関連する船体の振動モードが一
層多数の波節又は一層少数の波節を有する振動モードに
変化するからである。例えば、全負荷においては、エン
ジンは5節振動モードを発生させ、部分負荷(即ち、一
層遅いエンジン回転速度)においては、4節振動モード
を発生させる場合がある。更に、上述のように、同じ振
動モードにおいても、波節の位置は、船舶における負荷
(荷重)の分布及び量に応じて変化する場合がある。
【0016】エンジンからの自由モーメント(好ましく
は、第2級の自由モーメント)により発生せしめられる
振動は船舶の船体に関連する振動センサにより検出する
ことができ、検出した振動信号に基づき、コンピュータ
ユニットは、不平衡質量体の質量の中心と回転軸との間
の距離の連続的な振動減衰調整に使用する制御信号を決
定できる。測定した現在の振動レベルに基づき、コンピ
ュータユニットが振動の減少が望ましいと判定したと
き、補償力を増大させる必要があるか又は減少させる必
要があるかに応じて、不平衡質量体の質量の中心は回転
軸に対して一層離れるか又は近づくように調整される。
エンジンの作動の関数として補償装置の回転数及び位相
角を調整する外に、本発明に係る装置は、船舶の船体の
実際に測定した振動に基づき、エンジンの現在の作動に
応じた補償力の大きさ及び船舶の負荷状態を調整でき
る。振動の測定、及び装置の不平衡度の調整を連続的に
行う必要はないが、これらの測定及び調整は、船舶の負
荷状態が変化した後及び(又は)エンジン負荷が実質上
変化したときに、適当な期間にわたって行うことができ
る。
【0017】勿論、経験的に得られた数値データに基づ
き、船舶の負荷状態及びエンジンの作動状態の関数とし
て、不平衡質量体の質量の中心を自動的に調整できる
が、この場合は、振動センサを省略することができる。
【0018】好ましい実施例においては、第1不平衡重
りは、回転軸と同軸的に補償装置のハウジングに支承さ
れ、連結部材により回転軸の方向において相互に離間せ
しめられた2つのピボット上に偏心的に装着された2つ
の本体から成り、第2不平衡重りは2つの本体間におい
て連結部材上でこれと同心的に揺動可能な状態で支承さ
れている。第2不平衡重りが軸方向において第1不平衡
重りの内部に位置しているので、2つの不平衡重りの質
量の中心は回転軸に垂直な平面内に存在することがで
き、これにより、補償装置のハウジングは不平衡重りの
質量の中心が回転軸の方向に離された場合に生じるよう
な回転捩りモーメントの影響を受けないという効果を奏
する。
【0019】一方の不平衡重りは、不平衡重りの質量の
中心が相互に小距離だけ離れて位置するような第2位置
における不平衡重りの相対角度位置を決定する調整可能
なストッパを有することができる。始動後は、他方の不
平衡重りを回転させてストッパに当接させることによ
り、不平衡度を簡単な方法で変えることができる。スト
ッパは手動で調整することができる。しかし、好ましく
は、ストッパの手動調整の代わりに、調整装置は不平衡
重りを第2位置へ自動的に位置決めすることができ、こ
の第2位置は装置の作動中に調整することができる。
【0020】エンジンの自由モーメントの補償により、
不平衡質量体の位相角はエンジンの位相角に合致するよ
うに正確に調整される。すなわち、補償モーメントは自
由モーメントに対し位相的に対抗するようにせねばなら
ない。補償装置の位相角の調整は、不平衡質量体がその
第2位置にあるときの不平衡質量体の位相修正と相対角
度位置との相関関係についての修正テーブルに基づき、
手動で行うことができる。位相修正は、調整可能なスト
ッパを調整するときに、制御装置において行うことがで
き、又は、制御装置への入力の調整により行うことがで
きる。変化したエンジンの作動状態に適合するように補
償モーメントを調整するような補償装置の作動中に調整
可能なストッパを調整する場合は、位相修正を手動調整
するのは明らかに望ましくない。その理由は、この場合
の手動調整は誤調整を招き、船舶の船体に大きな振動を
発生させる恐れがあるからである。
【0021】位相修正の自動調整を可能にするために、
補償装置は次のように構成することができる。すなわ
ち、第2不平衡重りの揺動軸が回転軸に一致し;軸方向
に突出する歯を有する湾曲状の歯付ラックが各不平衡重
りに取り付けられて、これら2つの湾曲状の歯付きラッ
クがその円弧の中心を回転軸上に一致させた状態で軸方
向で対向した配置され;回転軸の半径方向に延びる軸の
まわりで回転できる歯車が2つの歯付きラック間に位置
してこれらラックと係合し;この歯車が、静止のゼロパ
ルス発生器を通過したときにこのゼロパルス発生器を作
動させる半径方向に突出したインジケータ部材を有す
る;ような構成である。
【0022】不平衡重りが相対的に揺動したとき、歯付
きラックは、不平衡重りの質量の共通中心の角変位に正
確に対応する不平衡重りの回転角度の半分に相当する円
弧分だけ、歯車を円周方向に揺動させる。それ故、歯車
は常に不平衡質量体の質量の中心を表す位置に存在す
る。補償装置を設置するとき、装置の位相角のための修
正値を一旦決定し、エンジンに関してインジケータ部材
が静止のゼロパルス発生器を作動させたとき、この修正
値は不平衡重りの相対角度位置に関係なく順次修正され
る。
【0023】好ましい別の実施例においては、歯車は、
回転軸に沿って延びるロッドに運動を伝達できる状態で
接続した半径方向に延びるシャフトに取り付けられてい
て、歯車の回転運動をロッドの長手方向変位運動に変換
する。制御弁はロッドに接続されていて、ロッドが平衡
位置から離れるように変位したとき、制御弁が開いて流
体圧力を流体チャンネルへ導き、ロッドを平衡位置へ戻
す。
【0024】ハウジング及び弁スライダを具備し、遮断
縁と、入口及び出口ポートとを備えていて、スライダが
ハウジングに関する平衡位置へ戻るように調整される制
御弁は既知である。ロッド及び調整駆動子をスライダ及
びハウジングに接続することにより、調整駆動子は、ハ
ウジングと、不平衡重りの所望の相対角度位置を確立す
るようにスライダとの間の平衡位置を調整できる。不平
衡重りが所望の位置から離れるように回転した場合、歯
車が回転してロッドを長手方向に変位させ、スライダを
介して制御弁を開いて修正用の流体を圧力チャンバへ供
給し、不平衡重りの所望の角度位置を回復させる。制御
弁は迅速に作動し、例えば1/2°以内の正確さで不平
衡重りを所望の相対角度位置に保持できる。制御弁の平
衡位置を調整できるので、調整可能なストッパを省略す
ることができる。弁スライダを具備した制御弁の代わり
に、電子制御切り換え弁の形をした制御弁を使用しても
よい。
【0025】不平衡質量体の不平衡度を極めて簡単な方
法で機械的に制御するような特に簡単な実施例において
は、本発明の装置の特徴とするところは、2つの不平衡
重りがインジケータ部材をそれぞれ備え、不平衡重りの
1回転毎にインジケータ部材がセンサを通過したとき
に、センサが信号を制御装置へ送信し、制御装置は、受
信した信号及び不平衡重りの質量の中心に関する所定の
値に基づき、不平衡質量体の不平衡度を決定し、この決
定した不平衡度が所定の限界値を越えていた場合は、不
平衡重りを調整するように修正用調整信号を制御弁へ伝
達する。
【0026】制御装置は1回転毎の各不平衡重りの位置
信号をセンサから受け取る。同じセンサからの2つの信
号を受け取る間の時間間隔に基づき、制御装置は不平衡
重りの速度を決定することができ、また、上記時間期間
及び2つのセンサからのそれぞれの信号を受け取る間の
時間遅れに基づき、不平衡重りの相対角度位置を決定で
きる。不平衡重りの質量の中心に関する所定の設定値
は、各不平衡重りの質量、及び、回転軸と不平衡重りの
質量中心との間の半径方向の距離を考慮して決める。測
定した値及び上記所定の設定値に基づき、制御装置は不
平衡質量体の質量の共通中心と回転軸との間の現在の半
径方向距離を計算でき、質量の中心の位相位置を計算で
きる。この半径方向距離により決定された不平衡度が所
定の限界値以上に所望の値からずれていた場合は、修正
用調整信号を制御弁へ送る。
【0027】本発明に係る装置が上述のような構成を有
するので、機械的に調整可能なストッパを不平衡重りに
設ける必要がなく、不平衡重りの現在位置を決定するた
めの機械的な手段を設ける必要もない。
【0028】正確な制御を必要とし、モータの角度位置
を連続的にサンプリングするエンコーダを備えた電気モ
ータも既知である。このエンコーダは例えば回転部分に
設けたストリップにより構成され、このストリップは回
転部分の回転時にセンサをそれぞれ通過する例えば10
24個のマークから成り、各マークがセンサを通過した
ときに、対応する信号が発生される。エンコーダを備え
たこのような既知の駆動モータを使用することにより、
時間的に上述の計算よりも一層簡単な計算方法で不平衡
質量体の不平衡度を決定できる。装置の具体的な構成と
しては、不平衡重りの質量の中心が決定され、不平衡の
大きさ及び位置が不平衡重りの相対角度位置の関数とし
て予め計算され、制御装置に記憶される。更に、不平衡
重りの相対角度位置と駆動モータにおけるマーク(これ
らのマークは、不平衡重りを当該角度位置に維持させる
ために各不平衡重りについての位置信号の受信の間にサ
ンプリングされる)の数との間の相関関係に関する情報
も制御装置に記憶させることができる。従って、所望の
不平衡度は多数のマークにより表され、装置が作動して
いるときには、制御装置は、加算及び減算操作により、
所望数のマークの通過が各不平衡重りについての位置信
号の受信の間に測定されたか否かを覚えるだけでよい。
測定したマークの通過の数が所定の限界数以上に所望数
からずれていた場合は、制御装置は調整信号を制御弁へ
送る。
【0029】
【実施例】図1は船舶のメインエンジンにより発生する
自由モーメントを補償する装置1を示す。エンジンは最
大連続定格で80−120rpm(毎分の回転数)の速
度で回転する大型2ストローククロスヘッドエンジンで
よい。低速の場合は、エンジンにより発生する自由モー
メントは低周波数モーメントとなって、船舶の船体にお
ける垂直振動を伴う共鳴振動を発生させる危険性があ
り、モーメント補償装置を使用する必要が生じる。
【0030】モーメント補償装置1は船体の適所(例え
ば、船体の振動モードにおける最も近い波節に対して通
常有効な長い距離を提供するステアリングギヤルーム)
に位置した座3にボルト止め又は溶着されたハウジング
2を有する。第1の不平衡重り4はハウジング2内のホ
ワイトメタル軸受の如き軸受6に装着した2つのピボッ
ト5に取り付けられ、船体の長手方向垂直中心線に実質
上垂直な回転軸7のまわりで回転できる。
【0031】第1の不平衡重り4は2つの本体8から成
り、これらの本体は、例えば焼ばめ又は圧入により、回
転軸の方向及び連結部材9の方向から見て互いに整合す
るように対応するピボット5に取り付けられる。連結部
材9は、第1不平衡重りが全体として剛直な結合部材と
なるように、2つの本体に固定される。第2の不平衡重
り10は回転軸の方向において2つの本体8間に位置
し、金属軸受を有する2つのリング11により連結部材
9に支承され、回転軸7に平行な揺動軸12のまわりで
限られた量だけ回転できる。例えば、リング11は第2
不平衡重りにネジ止め又はボルト止めされる。
【0032】第1及び第2の不平衡重りは共働して不平
衡質量体を形成し、この質量体は、チェーン又は同期伝
達ベルト14を介して一方のピボット上の歯車15に作
用する駆動モータ13(このモータはハウジング2に装
着されている)により、回転軸7のまわりで共通の運動
として回転できる。エンジンと同期して不平衡質量体が
回転するとき、この質量体の共通の中心は、不平衡質量
体の現在の速度においてこの質量体の中心に作用する遠
心力が所望の補償モーメントを発生させる大きさとなる
ような距離だけ回転軸7から離れている。エンジンから
の第1級の自由モーメントを補償するために装置を使用
する場合は、不平衡質量体はエンジンと同じ速度で回転
し、第2級の自由モーメント等を補償するために装置を
使用する場合は、不平衡質量体はメインエンジンの2倍
の速度で回転する。揺動軸12が回転軸7に関して半径
方向に変位するように連結部材9を配置することによ
り、回転軸7のまわりに位置した不活動質量の量が最小
になるように第2不平衡重り10の質量を回転軸から離
れて位置させることができるので、不平衡質量体の全体
寸法を減少させることができる。全体の不平衡質量体の
寸法が比較的小さくなれば、その分だけ小さな始動トル
クで装置を始動させることができる。
【0033】電子コンピュータユニットの如き制御装置
16はメインエンジンの回転数及び位相角と同期させて
不平衡質量体の回転数及び位相角を制御する。この制御
装置はワイヤ17を介して駆動モータのためのモータ制
御子18(例えば、駆動モータが電気モータである場合
は制御回路)に接続される。制御装置は少なくとも、不
平衡質量体の回転運動に関する情報をゼロパルス発信器
19から受け取り、この発信器は、本体8の対向端面に
取り付けた小さな作動手段21が発信器を通過する毎
に、ワイヤ20を介して信号を制御手段へ送信するもの
である。
【0034】ゼロパルス発信器19からの信号は、作動
手段21及びエンジンに装着したゼロパルス発信器に関
連して不平衡質量体の質量の中心位置の位相修正を考慮
して、不平衡質量体の現在の位相角を決定するために使
用される。位相修正は制御装置の調整部材22を用いて
手動で調整できる。所定の期間におけるゼロパルス発信
器19からの信号の数を計数することにより、制御装置
16は不平衡質量体の現在の回転速度を決定することが
できる。
【0035】不平衡質量体の速度の一層敏感な測定を行
いたい場合は、制御装置16はワイヤ23を介してイン
パルス発生器24に接続できる。このインパルス発生器
は、不平衡質量体が1回転の一部だけ揺動したときに信
号を発生させるものである。この目的に使用される種々
のインパルス発生器は既知であり、例えば、歯車15の
各歯の通過を検出し、歯車の1回転に対して歯車の歯数
に対応する数の信号を発生させる所謂光学増分エンコー
ダ(Optical Incremental Encoder) 又は磁気センサでよ
い。測定した信号に基づき、制御装置16は不平衡質量
体の現在の角度位置、角速度及び各加速度を決定でき
る。
【0036】メインエンジンの位相角及び速度について
の現在の値に関する情報は信号ワイヤ25、26を介し
て制御装置16へ伝達される。この情報を不平衡質量体
の運動についての対応する現在の値と比較することによ
り、制御装置16は2つの運動を同期させるように駆動
モータ13への信号を制御する。
【0037】装置1を始動させる場合、第2不平衡重り
10が揺動軸12のまわりで揺動せしめられ、不平衡質
量体の質量の中心を回転軸7に一層近づけさせる。これ
は調整装置により達成されるが、この調整装置は環状セ
グメントとして形成された2つの圧力チャンバ(室)3
0から成り、各圧力チャンバの半径方向内側は連結部材
9により画定され、外側は第2不平衡重り10の内表面
により画定される。揺動軸12の方向において、圧力チ
ャンバの端面はリング11により画定される。2つの圧
力チャンバは第2不平衡重りに設けた2つの突起31に
より相互に隔離されている。これらの突起は揺動軸12
に平行に延び、連結部材9に接するガスケットを具備す
る。従って、突起の側面は圧力チャンバにおける端壁3
2を構成する。連結部材9は各圧力チャンバ内で軸方向
に延び半径方向に突出したピストン部材33を支持す
る。ピストン部材は第2不平衡重りの円筒状内表面にシ
ール係合するガスケットを具備する。第1不平衡重りに
おいては、2つの流体チャンネル34、35が形成さ
れ、これらのチャンネルは、一端において関連するピス
トン部材33の両側で圧力チャンバに開口し、他端にお
いて一方のピボットの対応する環状溝(グルーブ)3
6、37に開口している。これらの環状溝は、ハウジン
グ2を通って制御弁40に通じる静止の流体チャンネル
に流体連通し、この制御弁は流体チャンネルを流体圧力
源41及び流体ドレン42にそれぞれ接続する。
【0038】例えば、潤滑油又は液圧オイルを圧力流体
として使用できる。既知のように、圧力源はリザーバ4
5からのオイルを吸引導管44を介して供給する1つの
ポンプ43から成ることができる。電気モータ46がポ
ンプを駆動し、高圧側のセンサにより電気モータを調整
して、一定供給圧力を得るようにする。圧力アキュムレ
ータ47は、制御弁40の作動によりオイル系統内に生
じた圧力振動を減衰する。
【0039】制御弁40は、図示の位置において流体チ
ャンネル34を高圧側に接続し流体チャンネル35をド
レンに接続する切り換え弁である。制御弁を切り換えた
とき、流体チャンネルは上述とは逆の態様で接続され、
ピストン部材33から離れるように突起31を押圧し、
第2不平衡重り10を第1不平衡重りに関して揺動軸1
2のまわりで揺動させる。
【0040】それぞれの不平衡重りのピストン部材33
及び突起31は次のように配置されている。すなわち、
ピストン部材と突起とが互いに当接する極限位置(図示
せず)においては、これらが不平衡重りを図6に示す第
1相対位置に保持し、この第1相対位置においては、不
平衡重りの質量M1、M2の中心が回転軸7を挟んで直径
方向両側で対向し、質量M1+2 の共通中心を回転軸にで
きる限り近づけ、不平衡質量体の不平衡度を最小にす
る。図6に示す例においては、2つの不平衡重りの質量
の共通中心が回転軸に一致し、不平衡度がゼロとなって
いる。
【0041】不平衡質量体が回転したとき、制御弁40
が適当な時間で切り換えられ、第2不平衡重り10が、
揺動軸12のまわりで、所望の不平衡度が得られる別の
位置(第2位置)まで揺動せしめられる。流体ドレン4
2は、シフトが例えば20秒で生じるように流出オイル
を制御するオリフィスを有する。図7、8に示すよう
に、この第2位置は、揺動軸12を中心に持つ円弧に沿
って第2不平衡重り10内を延びる関連ガイドトラック
51内でストッパ50を変位させることにより調整でき
る。調整後、ストッパ50はガイドトラック内で固定さ
れる。軸方向に突出したストッパ52は、このストッパ
がガイドトラック51内へ突出しストッパ50の通過を
阻止するような位置において第1不平衡重り4に取り付
けられている。
【0042】第2不平衡重り10は、図6に示す第1位
置から、第2極限位置を決定するようにストッパ50が
ストッパ52に当接するまで、矢印Aの方向に回転でき
る。第2極限位置における不平衡質量体の不平衡度の大
きさはストッパ50を調整することにより調整できる。
図6、7において、第2極限位置における不平衡質量体
の不平衡度がほぼ最大となるように、ストッパはガイド
トラックの一端の近傍で取り付けられている。図7に示
すように、不平衡質量体の質量M1+2 の共通中心は回転
軸7から遠く離れている。
【0043】図8においては、第2不平衡重り10のみ
が小さな角度α回転するだけで第2極限位置へ到達でき
るように、ストッパ50はガイドトラック51の他端の
近傍で取り付けられている。図示のように、この位置に
おける不平衡質量体の質量M1+2 の共通中心は回転軸7
からわずかに離れ、不平衡質量体に小さな不平衡度を与
える。
【0044】代わりに、図1に示すように、調整可能な
ストッパ50′を第1不平衡重り4に取り付け、ストッ
パ52′を第2不平衡重り10に取り付けてもよい。カ
バー53はストッパの手動調整を行う際に開くことがで
きる。制御弁40の切り換えは制御装置16からの指令
により行われる。
【0045】図3は別の実施例を示し、この実施例で
は、装置の運転中に調整装置を調整できる。説明を簡単
にするため、図1の実施例との相違のみを説明し、制御
装置16及びこれに関連する接続ワイヤ等は示さない。
ゼロパルス発信器19はハウジングの一層高い位置に装
着され、作動手段21は本体8の周辺部に装着されてハ
ウジングの内表面の一層近くに位置する。一側におい
て、第2不平衡重り10はリング11に整合したくぼみ
を有し、このくぼみは第2不平衡重りに取り付けたギヤ
リム60を収容する。
【0046】内側の螺旋ネジ部を備えたパイプ61は回
転軸7と同軸のピボット5内の貫通穴に回転可能な状態
で支承されている。このパイプは本体8の内部へ突出
し、ギヤリム60に係合する歯車62を担持している。
【0047】外側の螺旋ネジ部を備えた中央ロッド63
はパイプ61のネジ部に係合し、ピボット5に取り付け
られたカバー68を貫通して延びる。カバー及びロッド
は回転軸に平行な対応する溝(グルーブ)を具備し、ロ
ッドの長手方向の移動を許容するが、ピボットに関する
ロッド63の回転を阻止する。
【0048】第1不平衡重り4に関して第2不平衡重り
10を揺動させることにより、ギヤリム60が揺動する
ので、歯車62が回転する。歯車62と一緒にパイプ6
1が回転し、パイプ及びロッド63の螺旋ネジ部の共働
により、ロッドが長手方向に変位する。
【0049】制御弁40′は、ロッド63を所定の位置
に維持させるためにチャンネル34、35へのオイルの
流れ及びチャンネルからのオイルの流れを制御するよう
に構成されている。この所定位置はセンサ64により決
定されるが、このセンサはロッド63の端部に当接触す
るようにバネ負荷され、板部材65に支持されている。
この板部材の一端は回転軸7に直交する軸のまわりで揺
動できるように支承され、板部材の他端は、偏心ディス
ク66の如き調整可能なストッパにより手動で調整でき
るか、又は、制御装置16により調整される電気作動設
定手段67により電気的に調整できる。制御弁40′は
制御装置16により調整されて、ロッド63をセンサ6
4から引き戻すように第2不平衡重りを一時的に回転さ
せ、このセンサを別の平衡位置用に調整できる。
【0050】図6−8から分かる通り、不平衡重りが相
対的に回転したとき、不平衡質量体の質量M1+2 の共通
中心が回転軸7に関する不平衡質量体の角度位置を変化
させる。これにより、メインエンジンに関する不平衡質
量体の運動の位相修正値が変化する。制御装置16は位
相修正と不平衡重りの相対角度位置との間の相関関係に
ついての修正テーブルを有することができる。
【0051】図4に示す第2実施例においては、同じ機
能を果たす素子には同じ符号を付す。第2不平衡重り1
0は本体8から軸方向に離れ、連結部材9′上の2つの
突出カラー70間において軸方向で位置決めされる。ピ
ボット5′及び連結部材は一体的に形成されて同軸的に
延び、第2不平衡重りの揺動軸が不平衡質量体の回転軸
に一致するようになっている。第2不平衡重り10に向
かった1表面上で、本体8は軸方向に突出した歯を備え
た湾曲状歯付きラック71を具備する。この歯付きラッ
クの円弧の中心は回転軸7上に位置し、従って、歯は回
転軸から一定の半径方向距離を隔てて位置する。第2不
平衡重りの対向する表面は歯付きラック71と軸方向で
向き合って位置した対応する湾曲状歯付きラック72を
有する。例えば、これらの歯付きラックは、関連する不
平衡重りのくぼみ内に装着された鋳造湾曲状歯付きラッ
クとして製造できる。
【0052】歯車73は2つの歯付きラックに係合し、
回転軸7に対して半径方向に延びる軸の回りで回転でき
る。半径方向に突出したインジケータ部材74が歯車に
取り付けてある。ゼロパルス発生器19′はハウジング
2に装着され、インジケータ部材がこのゼロパルス発生
器を通過したときに、ゼロパルス発生器が作動せしめら
れる。第2不平衡重り10が第1不平衡重りに関して揺
動したとき、不平衡質量体の質量の共通中心の回転角に
対応する円弧分だけ、歯車73がインジケータ部材74
を揺動させ、その結果、装置の位相修正を自動的に調整
する。
【0053】歯車73は連結部材9′に設けた穴を通っ
て軸方向に延びたボア76まで半径方向に延びるシャフ
ト75に取り付けられ、このボア内において、シャフト
は中間ギヤを介して歯付きロッド77に係合し、歯車7
3の回転運動を回転軸7の方向への歯付きロッド77の
変位運動に変換する。歯付きロッド77は軸受95を介
して制御弁40′内の弁スライダ78(図5)に接続さ
れている。
【0054】制御弁のハウジングは長手方向に変位でき
る歯付きラック79に取り付けられ、このラックは制御
装置16により制御される電気作動駆動子80により調
整でき、不平衡重りの現在所望される角度位置を調整す
る。
【0055】制御弁40′は、上述のように圧力チャン
バ30に通じた対応する流体チャンネル38、39に接
続された2つの出口ポート81、82を有する。更に、
この制御弁は流体圧力源41に接続した入口ポート83
と、流体ドレン42に接続した2つの出口(ドレン)ポ
ート84、85とを有する。ポート81−85は弁ハウ
ジング内部の環状溝96−90に通じている。弁スライ
ダ78は環状の突起(ランド部)91−93を具備し、
これらの突起は、図示の制御弁のニュートラル位置にお
いては、出口ポート81、82を入り口ポート83及び
ドレンポート84、85から遮断する。
【0056】例えば、弁スライダが弁ハウジングに関し
て右方へ変位した場合、突起92が溝88から離れると
共に突起93が溝90から離れて、出口ポート81を高
圧ポート83に接続すると共に出口ポート82をドレン
ポート85に接続する。これにより、弁スライダをニュ
ートラル位置へ戻す方向へ第2不平衡重り10が回転
し、ポート81、82が再度遮断される。弁スライダが
弁ハウジングに関して左方へ変位した場合は、出口ポー
ト81がドレンポート84に接続すると共に出口ポート
82が高圧ポート83に接続し、第2不平衡重りは弁ス
ライダを右方へ移動させるような方向に回転し、スライ
ダをニュートラル位置へ戻す。従って、制御弁40′は
弁ハウジングの長手方向変位によって駆動子80により
調整できる平衡位置に不平衡重りを位置決めする。
【0057】振動センサ94は、垂直船体振動の抗波節
部又は船舶の一端となることが経験上知られているよう
な位置において、又は、主甲板上において、船舶の船体
に装着される。このセンサ94は制御装置16に接続し
ていて、測定した船体の現在の振動に基づき、補償モー
メントを最適の振動減衰値へ連続的に調整するように、
制御装置が不平衡重りの相対角度位置を微調整できる。
【0058】図9に示す実施例においては、第1不平衡
重りはその周辺部に対応するインジケータ部材301を
担持し、第2不平衡重り10はその周辺部に対応するイ
ンジケータ部材302を担持する。これらインジケータ
部材の回転経路に半径方向で整合した状態で、2つのセ
ンサ303、304がハウジングに装着され、これらの
センサはそれぞれの信号ワイヤ305、306を介して
制御装置16に接続されている。例えば、これらのセン
サは誘導センサ又は光学センサでよい。
【0059】制御装置は2つの不平衡重りの質量M1
2に関する情報及び回転軸7からの関連する質量中心
の半径方向距離R1、R2に関する情報を包含している。
不平衡重り4がシャフトに剛直に装着されているので、
センサ303からの信号は不平衡質量体の質量中心の計
算のための開始点として使用できるゼロパルスを表す。
11、M22が不平衡重りのベクトル長さを表し、セ
ンサからの信号がベクトルの角度位置を表し、M1+2
1+2 が回転質量のベクトル長さを表すような簡単なベク
トル計算により、合成されたベクトルに基づき、回転軸
から不平衡質量体の質量中心までの距離R1+2 及び不平
衡質量体の角度位置を決定できる。
【0060】不平衡質量体の質量中心のための位相位置
が所望の位相から大きくずれている場合は、制御装置は
モータ制御子18へ修正制御信号を送り、不平衡重りの
ための共通回転運動を調整できる。距離R1+2 が所定の
限界値以上に所望の値からずれていた場合は、制御装置
は制御弁40′へ修正制御信号を送り、不平衡重り4に
関して所望の角度位置へ第2不平衡重り10を回転させ
ることができる。限界値は絶対値でよいが、所望の距離
値R1+2 のある百分率の値でもよい。
【0061】駆動モータがモータの角度位置のための信
号を発生させるエンコーダを備えているような実施例に
おいては、これらの信号は信号ワイヤ23を介して制御
装置16へ伝達される。
【0062】本発明は従来の補償装置よりも実質上大き
な不平衡度を有する振動補償装置を提供できる。300
kg×mまでの不平衡度を提供できる補償装置は既知で
ある。本発明によれば、回転軸7から53.7cmの距
離rだけ離れて位置した質量M1+2 の中心を有する55
90kgの重量の不平衡質量体に対応する例えば300
0kg×mまでの不平衡度を使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る装置の縦断面図であ
る。
【図2】図1の装置のIIーII線における断面図である。
【図3】本発明の別の実施例に係る装置の縦断面図であ
る。
【図4】本発明の更に別の実施例に係る装置の縦断面図
である。
【図5】図4の装置のための制御弁(35)を示す拡大
断面図である。
【図6】図4の装置における2つの不平衡重りの第1角
度位置を示す端面図である。
【図7】図4の装置における2つの不平衡重りの第2角
度位置を示す端面図である。
【図8】図4の装置における2つの不平衡重りの第3角
度位置を示す端面図である。
【図9】本発明の他の実施例に係る装置の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 補償装置 4、10 不平衡重り 5 ピボット 7 回転軸 8 本体 9 連結部材 13 駆動モータ 14 伝達ベルト 16 制御装置 19′ ゼロパルス発生器 32 端壁 33 ピストン部材 34、35 流体チャンネル 40、40′ 制御弁 41 流体圧力源 42 流体ドレン 50 ストッパ 71、72 歯付きラック 73 歯車 74 インジケータ部材 75 シャフト 77 ロッド 301、302 インジケータ部材 303、304 センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 594140904 Center Syd,161 Stam holmen,DK−2650 HVIDO VRE,Denmark (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 77/00 F16F 15/22 F16H 33/04

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大型2ストローククロスヘッドエンジン
    の如き船舶のピストン推進エンジンにおける慣性力に起
    因する自由モーメントを補償するための装置であって、
    船舶の長手方向においてエンジンから所定の距離だけ離
    れて装着されて、水平軸のまわりで回転できる不平衡質
    量体と、この不平衡質量体を回転させる駆動手段(1
    3、14)と、当該不平衡質量体の回転数及び位相角を
    エンジンの速度及び位相角の関数として制御する制御装
    置(16)とを有する補償装置において、 ユニットとして回転できる上記不平衡質量体が2つの不
    平衡重り即ち第1不平衡重り(4)及び第2不平衡重り
    (10)に分割されており、これらの各重りが共通水平
    回転軸(7)に関して偏心的に装着されていて、これら
    の不平衡重りの質量(M1+2) の共通中心が上記回転軸
    の近傍に位置する第1位置と、上記質量の共通中心が当
    該回転軸から一層離れて位置する第2位置との間での回
    転運動中に該回転軸に関する上記不平衡重りの相対位置
    を調整できるようになっており;上記不平衡重りの回転
    中に上記第1位置から上記第2位置へ当該不平衡重りを
    移動させるための調整装置が、上記第2不平衡重り(1
    0)に形成した端壁(32)を備え環状セグメントの形
    をした少なくとも1つの圧力チャンバ(30)と、上記
    第1不平衡重り(4)に設けられ、上記圧力チャンバ内
    に位置し、当該不平衡重りが相対的に回転したときに当
    該圧力チャンバの湾曲状中央線に沿って移動するピスト
    ン部材(33)と、上記ピストン部材の両側で該圧力チ
    ャンバに開口し、制御弁(40、40′)を介して流体
    圧力源(41)及び流体ドレン(42)にそれぞれ接続
    できる2つの流体チャンネル(34、35)とから成る
    ことを特徴とする補償装置。
  2. 【請求項2】 上記第1不平衡重り(4)が、上記回転
    軸(7)と同軸的に補償装置のハウジング(2)に支承
    され、連結部材(9)により当該回転軸の方向において
    相互に離間せしめられた2つのピボット(5)上に偏心
    的に装着された2つの本体(8)から成り;上記第2不
    平衡重り(10)が上記2つの本体間において上記連結
    部材上でこれと同心的に揺動可能な状態で支承されてい
    ることを特徴とする請求項1の補償装置。
  3. 【請求項3】 上記第2不平衡重り(10)が、上記不
    平衡重りの質量(M1、M2)の中心が相互にわずか離れ
    て位置する第2位置においてこれら不平衡重りの相対角
    度位置を決定する調整可能なストッパ(50)を有する
    ことを特徴とする請求項1の補償装置。
  4. 【請求項4】 上記調整装置が上記不平衡重り(4、1
    0)を上記第2位置に自動的に位置決めでき;補償装置
    (1)が作動している間に当該第2位置を調整できるこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の補
    償装置。
  5. 【請求項5】 上記第2不平衡重り(10)の揺動軸が
    上記回転軸(7)に一致しており;軸方向に突出する歯
    を有した湾曲状の歯付ラックが各不平衡重りに取り付け
    られて、これら2つの湾曲状の歯付き(71、72)ラ
    ックがその円弧の中心を上記回転軸(7)と一致させて
    軸方向で対向して配置されており;上記回転軸に対して
    半径方向に延びる軸のまわりで回転できる歯車(73)
    が上記2つの歯付きラック間に位置してこれらラックと
    係合しており;上記歯車が、静止のゼロパルス発生器
    (19′)を通過したときにこのゼロパルス発生器を作
    動させる半径方向に突出したインジケータ部材(74)
    を有することを特徴とする請求項1の補償装置。
  6. 【請求項6】 上記歯車(73)が、上記回転軸に沿っ
    て延びるロッド(77)に運動を伝達できる状態で接続
    した半径方向に延びるシャフト(75)に固定されてい
    て、当該歯車の回転運動を上記ロッドの長手方向変位運
    動に変換し;上記制御弁(40′)が上記ロッドに接続
    されていて、当該ロッドが調整可能な平衡位置から離れ
    るように変位したときに、上記制御弁を開いて加圧流体
    を上記流体チャンネルへ供給し、平衡位置を回復させる
    ことを特徴とする請求項5の補償装置。
  7. 【請求項7】 上記2つの不平衡重りが対応するインジ
    ケータ部材(301、302)をそれぞれ具備し、当該
    不平衡重りの各回転時に、上記インジケータ部材が対応
    するセンサ(303、304)を通過したときに発され
    る信号が上記制御装置(16)へ送信されるようになっ
    ており;受信した上記信号及び上記不平衡重りの質量
    (M1、M2)の中心のための所定の値に基づき、上記
    制御装置が不平衡質量体の不平衡度を決定し、この決定
    した不平衡度が所定の限界値以上に所望の不平衡度から
    ずれていた場合は、当該制御装置が修正調整信号を上記
    制御弁(40′)へ送って当該不平衡重りを調整するこ
    とを特徴とする請求項1の補償装置。
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