JP3294011B2 - 合成樹脂キャップ - Google Patents
合成樹脂キャップInfo
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Description
に側壁内周面に形成されたネジ山にガス逃がし溝が形成
されている合成樹脂キャップに関する。
液を充填する容器のキャップとして、図3に示すよう
に、開栓時にガスを逃すために、ネジ山16を横断する
ように複数条のガス逃し用溝17が形成された合成樹脂
キャップ15が多用されている。該合成樹脂キャップの
ネジ16は、多くは有効巻数が1巻以上で2〜3巻以下
となっており、ガス逃し用溝はネジ山の強度を均等にす
る為にネジ山数の多い部分に略等ピッチで形成され、ネ
ジ山数の少ない部分には形成されていない。例えば図4
に展開図が示されているように1巻き以上2巻未満とな
っている場合は、軸方向にネジ山が2条となっている複
条域のネジ山だけに略等ピッチでガス逃し用溝17が形
成され、単条域を含む部分に形成されたネジ山にはガス
逃し溝は形成されてなく、長ネジ山20となっている。
前記ガス逃し用溝17の部分が突出した型面となってい
るので、成形後の型抜きに際して、ガス逃し用溝が形成
されてない通常のネジ付き合成樹脂キャップのように回
し抜きすることはできない。その為、ガス逃し溝付きキ
ャップの型抜きは、成形型を強制的に離型させて、型面
とネジ山との係合を合成樹脂の弾性を利用して無理に拡
げることによって型抜きする、いわゆる無理抜きにより
行っている。
樹脂キャップは、前記のように無理抜きにより型抜きを
行っているので、型抜き時の抵抗が大きく、型抜きに際
してネジ山頂部が変形するネジ垂れ現象が発生し易く、
且つ側壁が座屈して変形してしまい密封性を損なう不良
品がまれに発生するという問題があった。
であって、ガス逃し溝付きの合成樹脂キャップにおい
て、型抜き時の側壁の座屈の発生を防止し、側壁の変形
を確実に防止することができるガス逃し溝付きの合成樹
脂キャップを提供することを目的とするものである。
に、本発明者は種々実験を行った結果、ガス逃し溝付き
の合成樹脂キャップは無理抜きによりネジ垂れ現象が発
生し易いが、該ネジ垂れ現象は特定の部分で多く発生し
ていることが判明した。即ち、ネジ垂れ22は、図4に
示すように、長ネジ山20の始端部、即ちネジ切り終り
流し部19の下方部分21(図3においてハッチングで
示す部分)で発生している。その原因は、単条域のネジ
山は、複条域のネジ山と強度の均衡を保つ為に、ガス逃
し溝を形成しないで長く形成しているが、その端部はネ
ジ切り終り流し部19と軸方向に重なっているため、長
ネジの抵抗に加え天壁に近接した位置にあるネジ切り終
り流し部19の抵抗が加わって部分的に抵抗が大きくな
り、型抜きの際、その部分の側壁が外側に拡がりにくく
なっていることにあると推察される。その結果、型抜き
に際して、側壁に作用する力に不均衡が生じて座屈が発
生し易くなるということが判明した。本発明は、この事
実から型抜きに際して、ネジ山の抵抗がキャップ本体の
側壁全周にわたって均等に作用するように、抵抗が大き
くなっている部分を改良すれば前記問題点を解決するこ
とができることを知得し、さらに研究した結果到達した
ものである。
樹脂キャップは、側壁内周面に形成されたネジのネジ山
を軸方向に横断するように複数個のガス逃し溝が形成さ
れた合成樹脂キャップにおいて、前記ネジは有効巻数が
1以上で、軸方向に2条のネジ山が形成されている複条
域と1条のネジ山が形成されている単条域とからなり、
前記複条域のネジ山のみに前記ガス逃し溝が形成され、
且つ該ネジ山の終端にはネジ切り終り流し部がなくて有
効ネジ山の状態で終端となっており、前記単条域のネジ
山は少なくとも始端が、ガス逃がし溝を介して複条域の
ネジ山と連なっていることを特徴とするものである。
に連続しても良く、あるいはガス逃し溝を介して複条域
のネジ山に連なるようにしても良い。本発明の合成樹脂
キャップは、側壁下端部に弱化線部を介してタンパーエ
ビデントバンドを有する合成樹脂キャップに適用すると
より効果的であるが、タンパーエビデントバンドを有し
ない合成樹脂キャップに適用することも可能である。
端部の上方に位置するネジ切り終端部をなくしたことに
よって、長いネジ山の始端部が完全に単条域に属するの
で、この部分の抵抗が減少し、型抜きに際してネジ山を
介してキャップが受ける力がキャップ側壁全周にほぼ均
一に分散される。その結果、ネジ山に部分的に力が加わ
ることがなく、ネジ垂れの発生を防止できると共に、側
壁の座屈発生を防止でき、且つ胴膨れ等の変形も防ぐこ
とができる。なお、ネジ切り終端部は、ネジ機能上は不
必要な部分であるので、それを無くしてもネジ機能上の
障害は生じない。
に説明する。図1は、本発明の実施例に係るタンパーエ
ビデント機能を有する合成樹脂キャップの断面図であ
る。
プ本体2と、該キャップ本体の側壁4の下端部に引き裂
き可能な弱化線部を介して設けられているタンパーエビ
デントバンド3とからなり、テンパエビデントバンドの
内周面には等ピッチで複数個のフィン5が形成され、且
つの下端部にはフラップリング6が形成され、タンパー
エビデント機能を有している。
示されているように、有効巻数が約1.7巻のネジ7が
形成されている。該ネジ7は、軸方向にネジ山8を2条
有する複条域aと単条のネジ山を有する単条域bとから
なり、複条域のネジ山8のみに等ピッチで複数(図の実
施例では7溝)のガス逃し溝9が形成されている。該ネ
ジのネジ山始端部81は、ネジ山が次第に高くなるネジ
切り始め流し部となっているが、ネジ山終端部85は、
ネジ山が次第に低くなるネジ切り終り流し部がなく、有
効ネジ山の状態で終端となっており、且つ該ネジ山終端
部85の終端はその下方に形成されたネジ山82の終端と
一致する軸線上に位置している。
端10はガス逃がし溝9を介して複条域のネジ山82と
連なっているが、その終端は複条域のネジ山84と連続
する長ネジ山となっている。
うに構成され、図3及び図4に示す従来の合成樹脂キャ
ップと比較した場合、従来の合成樹脂キャップにおいて
ネジ切り終り流し部をなくしたものに相当する。従来の
キャップにおけるネジ切り終り流し部は、成形型の型面
製作上から設けられたものであるが、ネジ機能上は不必
要な部分である。本実施例の合成樹脂キャップは、成形
型面のネジ切り終り流し部を無くすことによって成形す
ることができた。
キャップの効果を確認するため、前記実施例の構成と、
図3に示す従来の構成とからなる側壁の外径30mmの合
成樹脂キャップをそれぞれ成形し、それぞれをサンプリ
ング検査により、ネジ垂れの発生状況、座屈発生状況、
側壁外径の変化(胴膨れ程度)についてそれぞれ検査し
た。
例のものはサンプル数16個で0であり、従来例のもの
はサンプル数14個で10個発生した。また、座屈発生
状況は、前記と同様なサンプル数で、それぞれ0個及び
3個であった。また、胴膨れ検査の結果は、前記と同様
なサンプル数で、0.55mm以上の胴膨れがあったもの
が、実施例では0個、従来例のものでは3個あった。
施例での合成樹脂キャップは、従来の合成樹脂キャップ
と比較して、構成が単にネジ切り終り流し部をなくした
だけの相違だけで、ネジ垂れの発生、座屈の発生及び胴
膨れの発生が、従来のものと比較して明らかに少なく、
格別の効果を奏することが確認された。
ビデント機能を有するキャップに適用した場合である
が、本発明はタンパーエビデント機能を有してない合成
樹脂キャップにも適用できることはいうまでもない。ま
た、前記実施例では、単条域bに位置するネジ山8
3は、その終端が複条域のネジ山84と連続しているが、
始端と同様にガス抜き溝を介して複条域のネジ山に続く
ようにしても良い。又、ガス抜き溝の個数は、7溝に限
らず例えば9溝等任意の個数に形成することができる。
簡単な構造で、型抜きに際してネジ山を介してキャップ
が受ける力がキャップ側壁全周にほぼ均一に分散され、
ネジ山に部分的に力が加わることがなく、ネジ垂れの発
生を防止できると共に、側壁の座屈発生を防止でき、且
つ胴膨れ等の変形を効果的に防止することができる、と
いう格別の効果を奏する。
面図である。
れたネジの展開図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 側壁内周面に形成されたネジのネジ山を
軸方向に横断するように複数個のガス逃し溝が形成され
た合成樹脂キャップにおいて、前記ネジは有効巻数が1
以上で、軸方向に2条のネジ山が形成されている複条域
と1条のネジ山が形成されている単条域とからなり、前
記複条域のネジ山のみに前記ガス逃し溝が形成され、且
つ該ネジ山の終端にはネジ切り終り流し部がなくて有効
ネジ山の状態で終端となっており、前記単条域のネジ山
は少なくとも始端が、ガス逃がし溝を介して複条域のネ
ジ山と連なっていることを特徴とする合成樹脂キャッ
プ。 - 【請求項2】 前記単条域のネジ山の終端は複条域のネ
ジ山に連続している請求項1記載の合成樹脂キャップ。 - 【請求項3】 前記合成樹脂キャップが側壁下端部に弱
化線部を介してタンパーエビデントバンドを有する請求
項1又は2記載の合成樹脂キャップ。
Priority Applications (1)
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JP19125894A JP3294011B2 (ja) | 1994-07-22 | 1994-07-22 | 合成樹脂キャップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP19125894A JP3294011B2 (ja) | 1994-07-22 | 1994-07-22 | 合成樹脂キャップ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0834455A JPH0834455A (ja) | 1996-02-06 |
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Family
ID=16271549
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP19125894A Expired - Fee Related JP3294011B2 (ja) | 1994-07-22 | 1994-07-22 | 合成樹脂キャップ |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3294011B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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-
1994
- 1994-07-22 JP JP19125894A patent/JP3294011B2/ja not_active Expired - Fee Related
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