JP3293244B2 - 建材用透湿・防水性シート - Google Patents

建材用透湿・防水性シート

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JP3293244B2
JP3293244B2 JP15524893A JP15524893A JP3293244B2 JP 3293244 B2 JP3293244 B2 JP 3293244B2 JP 15524893 A JP15524893 A JP 15524893A JP 15524893 A JP15524893 A JP 15524893A JP 3293244 B2 JP3293244 B2 JP 3293244B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平滑表面を有する建材
透湿・防水性シートに関する。さらに詳しくは、主と
して、木造住宅の外壁通気構法において、透湿・防水性
や断熱性などの目的でハウスラップ材料や屋根下地シー
ト材料等として利用する場合に好適な建材用透湿・防水
性シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、木造家屋等の建築に際して、外気
を遮断し、屋内の保温をする目的で、内装材と外壁との
間に保温材料を充填することが一般に行われている。。
しかし、この場合、室内で生じた水蒸気が、内装材と外
壁の間で冷やされ結露し、その水滴が、保温材料をはじ
め内装材等を腐蝕させたり、また雑菌や害虫の繁殖を助
長するなどして建築物の寿命を縮めるといった弊害があ
り、この傾向は、特に寒冷地等で著しいものであった。
【0003】近年、これらの問題を改善するため、図1
に示すような外壁通気構法と呼ばれる構法が実施される
ようになってきた。すなわち、図1において、外壁1の
内側にグラスウール等の断熱材4を設け、さらに外壁1
の内側にポリエチレンフィルムなどの防湿材5、内装材
6が設けるような構造において、外壁1と断熱材4の間
に通気層2を設けるものである。そして、この場合、通
気層2内の冷気が多孔性の断熱材4に侵入して断熱効果
を著しく低下させることを防止するため、断熱材4の外
側にハウスラップ3を設けることが行なわれている。
【0004】このようなハウスラップ3に要求される機
能特性としては、1)室内で発生した水蒸気を通気層2
内へ通し屋外へ逃がす透湿性を有すること、2)通気層
2内の冷気が多孔性の断熱材4側へ侵入するのを防ぐ防
風性を有すること、3)断熱材4への水滴の浸透を防ぐ
防水性を有すること、さらには4)施工性が良好である
こと等が望まれる。これらの特性は屋根下地シート材料
等においても同様に要求されるものであった。
【0005】このようなハウスラップ材料等としては、
従来、アスファルト含浸フェルトが使用されてきた。ま
た、特開昭63−223249号公報では、ポリオレフ
ィンの延伸フィルムとポリオレフィン製テープ織物との
積層物を使用することが提案され、さらに実開平1−6
5873号公報では、低融点かつ高疎水性の樹脂を鞘成
分に配した芯鞘繊維使い不織シートをカレンダー掛け処
理に供して得られるシートを使用することが提案されて
いる。
【0006】しかし、アスファルト含浸フェルトは、透
湿度が低い(1例データでは264g/cm2 ・24時
間)ため、前述の1)〜3)の機能特性が必ずしも十分
ではなく、さらに目付が大きく重量が大きいため(42
0g/m2 )持運びに不便であり、また、裏側の様子が
全く見えないため横木などに釘で打付ける場合、打損じ
があるなどするため4)の施工性にも劣るという欠陥が
あった。
【0007】また、特開昭63−223249号公報に
て提案されたものでは、透湿性と通気性とのバランスに
難点がありまた製造方法が難しいなどの問題があった。
さらに、実開平1−65873号公報にて提案されたも
のでは、高透湿性を得ようとすると耐水性や通気性に劣
り、高耐水性を得ようとすると透湿性が劣るなどして、
バランスの良い透湿・防水性シート材料は得られていな
かった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のような問題がなく、透湿性、防水性等の機能特性が相
互にバランス性に優れ、特に、寒冷地に対し長期的な機
能特性を維持し、かつ施工性も良好な建材用透湿・防水
性シートを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成する本
発明の建材用透湿・防水性シートは、平均繊維径5ミク
ロン以下の繊維からなり、目付15g/m2 以上、見掛
け密度0.40g/cm3 以下に構成されたメルトブロー
極細繊維不織布(A)の少なくとも片面に、平均繊維径
10ミクロン以上の繊維から目付15g/m2 以上に構
成された長繊維不織布(B)を接着一体化した積層不織
布であり前記不織布(B)は非接着側の表面が表面粗
さ4ミクロン以下であるとともに、該表面から深さ40
ミクロンまでの表面部における繊維充足率が60%以上
であることを特徴とするものである。
【0010】上述のように構成された本発明の透湿・防
水性シートは、メルトブロー極細繊維不織布(A)と長
繊維不織布(B)とが接着一体化した積層構造からなる
ことに特徴があり、前者の不織布(A)は主として透湿
性、防水性等の機能特性を与え、又後者の不織布(B)
は主としてハウスラップ材料等への使用に対する強度特
性等を与える作用を行う。
【0011】まず不織布(A)が有すべき、透湿性、防
水性、防風性などの機能特性は、主としてシートを構成
する繊維間の空隙面積、空隙数密度、厚み、水との接触
角などの要因により大きく左右される。これらの要因の
うち、繊維間の空隙面積、水との接触角を小さくすれば
耐水度が向上し、繊維間の空隙面積、空隙密度を小さ
く、厚みを大きくすれば通気度が小さくなる。反対に空
隙面積、空隙数密度を大きく、厚みを小さくすれば透湿
度が大きくなる。したがって、これらの基本的要因の相
関性をうまくバランスさせることにより透湿性、防水性
等もバランスさせることができる。したがって、具体的
には繊維径の大小や目付に大きく関わってくるものであ
る。
【0012】すなわち、本発明においてメルトブロー極
細繊維不織布(A)が、相互にバランスのとれた透湿
性、防水性、防風性等の機能特性を有するためには、構
成繊維の平均繊維径が5ミクロン以下、目付が15g/
2 以上からなることが重要である。平均繊維径が5ミ
クロンよりも大きい場合、または目付が15g/m2
りも小さい場合には、所期の目的とする透湿性、防水
性、防風性等の諸特性が得られない。特に、平均繊維径
が4ミクロン以下の場合は透湿性はほとんど損なわれず
に耐水度が大きい防水性に優れたものになる。この場
合、通気度も小さくなるため防風性も向上することがで
きる。さらに平均繊維径が3ミクロン以下の場合は、実
用的な透湿性を保持しつつ一層防水性や防風性が向上す
ることができる。一方、目付の方は目付が小さすぎる
と、透湿性は優れるけれども耐水度が小さくなるため防
水性が低下し、また通気度が大きすぎるため防風性が劣
る結果となる。そのため、目付としては、15g/m2
以上であることが重要である。特に、20g/m2 を越
えるものは、上記機能特性を安定して得ることができ
る。
【0013】目付の上限については特に限定されない
が、あまり大きすぎても、防水性や防風性は優れるが透
湿性が除々に低下し、かつ重くなるため施工性に不利に
なり、かつコストも割高となる。従ってできるだけ小さ
な目付であることが好ましく、目付200g/m2 以下
にすることが望ましい。本発明において不織布(A)と
して用いられるメルトブロー極細繊維不織布は、その製
造の基本プロセスが、溶融ポリマーの細流に対して加熱
高速ガス体を噴き当て、そのガス流の作用によって該溶
融ポリマーを引伸ばして極細繊維化し、捕集してシート
とするメルトブロー法によるものであればよく、その詳
細は特に限定されるものではない。
【0014】メルトブロー極細繊維不織布の構成繊維を
形成する樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン
等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン
6、ナイロン66等のポリアミドおよびこれらの共重合
体、ポリ塩化ビニル、アクリル系およびアクリル系共重
合体、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリトリフロロク
ロロエチレン、ポリカーボネート、ポリウレタンなどが
ある。この中でも、紡糸性や撥水特性、特に水との接触
角が小さいことなどからポリプロピレンやポリエチレン
等のポリオレフィンが好ましく、中でもメルトブロー紡
糸のしやすさからポリプロピレンが好ましい。
【0015】本発明において透湿・防水性シートを構成
する不織布(B)は、施工性などの実用面から必要な引
張強力や、適度な硬さを付与するためのものである。前
述のメルトブロー極細繊維不織布(A)だけでは、強力
特性や適度な硬さなどを達成できないため、このメルト
ブロー不織布(A)に対して、構成繊維の平均繊維径1
0ミクロン以上、目付15g/m2 以上の長繊維不織布
(B)を少なくとも片面に、積層一体化させるようにし
ている。
【0016】不織布(B)は、上記要求特性のため、構
成繊維の平均繊維径を10ミクロン以上目付を15g/
2 以上にする必要があり、平均繊維径が、10ミクロ
ン未満であったり、また、目付が15g/m2 未満であ
ったりすると、上述の強力特性や、適度な硬さなどを付
与することは難しい。不織布(B)は、普通繊維からな
るフィラメントをカットして短繊維とし、ウェブ化およ
びニードルパンチなどを経て得られた不織布や、基本プ
ロセスがノズルより出た繊維化か可能な温度に下がった
溶融ポリマーを、高速吸引ガスにより吸引延伸し、その
後、開繊装置を用いて開繊し、コンベア状のネットに衝
突捕集してシートとするスパンボンド法より得られる不
織布などいずれであってもよく、特に限定されるもので
はない。しかし、安定した強力特性が得やすく、また製
造方法が簡単でしかも製造コストが安いことなどから
スパンボンド法による不織布が好ましい。また、該スパ
ンボンド法による不織布の場合、繊維形成性成分を芯成
分、接着性成分を鞘成分とする芯鞘型複合繊維であると
なおよい。
【0017】スパンボンド法による不織布の構成繊維を
形成する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン
6、ナイロン66等のポリアミドまたはこれらの共重合
体、ポリ塩化ビニル、アクリル系またはアクリル系共重
合体、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリトリフロロク
ロロエチレン、ポリカーボネート、ポリウレタンなどが
ある。これらのうちで、紡糸の安定性、撥水特性や低コ
ストなどから、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリ
オレフィンが好ましく、中でもメルトブロー極細繊維不
織布との熱接着性などのしやすさから特にポリプロピレ
ンが好ましい。
【0018】また、芯鞘型複合繊維の場合には、熱接着
性成分(鞘)には上記樹脂が用いられ、繊維形成性成分
(芯)としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート等のポリエステルおよびこれらの
共重合体等が好ましく用いられる。不織布(A)と
(B)とを積層一体化する手段としては、熱的作用によ
る接合や樹脂による接着などを採用することができる。
また、その接着は部分接着、全面接着のいずれでもよ
く、目的の機能特性が損われない範囲であれば、特に限
定されるものではない。特に、部分的な熱融着によって
積層化する手段は、不織布(A)で主として達成された
透湿性、防水性、防風性等の機能特性を良好に保持しや
すいため、優れている。
【0019】部分的な熱融着の方法としては、熱エンボ
ス、超音波あるいは高周波などの手段があるが、コスト
優位性や実用性などから、凹凸模様を付与する熱エンボ
ス法が好ましい。本発明においてさらに重要なことは、
シートの外側を構成する不織布(B)の表面をできるだ
け平滑にし、その表面粗さ(SMD)をKES法による
測定で4ミクロン以下にすることである。このように表
面を平滑にする理由は、次のような知見に基づく。即
ち、本発明者等の研究によれば、JIS−Z0208
(40℃−90%RH)法で評価した透湿度値が同じ値
のシートであっても、少なくとも断熱材側の表面形状が
異なる場合は、主として寒冷地で用いられる新しい住宅
建築工法“外壁通気構法”に則した強制評価法、即ち、
壁体モデル(断熱材+ハウスラップ材)を挟持して、室
内側を20℃−90%RH、室外側を−20℃の条件下
で、該壁体モデルの質量増加量を内部結露量の指標とし
て経時的な結露状態の評価をすると、全く異なる結果と
なる。即ち、同じ透湿性を有するシートでも、表面平滑
なシートに比べ、表面凹凸を有するシートは一定時間を
経過すると、急激に氷結し、結露量が増加する。このこ
とは、JIS−Z0208法の評価において、透湿性が
優れていても、表面形状によっては、ハウスラップ材等
として適さないシートであることを意味している。
【0020】上記知見からKES法によるシートの表面
粗さを4ミクロン以下とすれば目的のシートが得られ、
3ミクロン以下であればさらに安定した特性が得られ、
また2ミクロン以下であれば一層長期間の安定した低温
透湿特性(結露しない特性)が得られる。上述した平滑
化した表面粗さを形成するためには、不織布(B)側の
片表面から深さ40ミクロンまでの表層部において、繊
維充足率が60%以上であり、かつ、さらに好ましく
は、少なくとも部分的に繊維間融着させることによって
達成できる。繊維充足率が80%を越える場合は、繊維
のフィルム状化が進み、充実した繊維充填率となり更に
好ましい。
【0021】なお、「不織布(B)側の表面から深さ4
0ミクロンまでの表層部において繊維充足率が60%以
上」とは、不織布(B)が厚さ40ミクロン以下のもの
である場合(概して希な場合であるが)には、その不織
布(B)全体での繊維充足率が60%以上であるものを
いう。また、不織布(B)が両面に配された積層シート
の場合、その両面の表面から深さ40ミクロンまでの表
層部において繊維充足率がそれぞれ60%以上であれば
良いが、透湿性、防水性の機能特性が満たされる範囲で
あれば、片面だけが上記を満足するものであってよい。
また吸湿性素材を用いた不織布(B)の場合などで、透
湿性、防水性の機能特性が満たされる範囲であれば、繊
維充足率が100%であっても差支えない。
【0022】上述の繊維充足率の測定法としては、図2
(イ)、(ロ)に示すように、長繊維不織布(B)の熱
融接着部分を除いた範囲における表面から深さ40ミク
ロンまでの表層部を、走査型電子顕微鏡において500
倍の断面写真を撮り、その2000ミクロン幅(200
ミクロン幅×10箇所)を、画像処理装置を用いて繊維
部分と空隙部分とを鮮明にするため二値化処理し、その
繊維占有面積率を計算した面積率を繊維充足率とするも
のである。本発明では、測定箇所をランダムにサンプリ
ングして、n数を10としてそれの平均値を求めたもの
である。
【0023】この図2の(イ)、(ロ)は、繊維充足率
の測定方法を示す分解図であり、図2(イ)は長繊維不
織布(B)側の500倍の走査型電子顕微鏡断面写真の
1例の複写図であり、また、図2(ロ)はaの表面から
深さ40ミクロンまでを、画像処理装置を用いて二値化
処理した1例を示したものである。上述のようにして構
成された本発明の積層シートは、透湿度が4000(g
/m2 ・24時間)以上、耐水度が600(mm水柱)以
上の透湿性、防水性を備えたものとなり、優れた透湿・
防水効果を発揮することができる。
【0024】本発明の透湿・防水性シートの製造方法と
しては、上述の機能特性を満足するように構成できるも
のであればよいのであって、特に限定されない。例え
ば、積層不織布の不織布(B)側の表面だけが加熱され
るように熱プレスするか、あるいは、予め表面だけが加
熱されるように熱プレスした不織布(B)と不織布
(A)とを部分的な熱融接着によって接着一体化するこ
となどによって達成できる。このときのロール温度、プ
レス圧力、加工速度、加工クリアランスなどの加工条件
などは、上記要件が満たされれば特に限定されるもので
はない。
【0025】本発明において、不織布(A)の構成繊維
および/または不織布(B)の構成繊維に紫外線吸収剤
を含有させることは、耐久性の向上、特に耐光性の向上
が安定して得られるため好ましい。また、紫外線吸収剤
の添加量は、紫外線吸収剤の種類や耐光性向上の程度に
よっても異なり、本発明の効果を損なわない範囲内にお
いて適宜量を添加すればよい。また、ラジカル連鎖禁止
剤や過酸化物分解剤などの酸化防止剤を紫外線吸収剤と
併用添加するなどのことも、所望により適宜にとり得
る。
【0026】また、本発明のシートに撥水剤処理を施せ
ば、効率良く耐水性が向上できるので積極的に使用する
のがよい。上述のようにして得られたシートは、引張強
力などの実用的な物性を備え、透湿性、防水性そして防
風性等の機能特性に優れ、かつ、適度な硬さを併せ持
ち、施工性が良く、しかも安価なシートが得られること
から、結露防止防風シートとして、少なくとも断熱材側
に平滑面を配し、住宅建築に用いれば、シートの機能特
性すなわち透湿性、防水性そして防風性などが良好なた
め、外壁未施工時の雨水の侵入防止はもちろん、入居後
の保温性、結露防止性などに優れるなど、快適な居住実
感が得られるとともに、建物の耐用年数も大幅に改善さ
れるなど効果は大きい。
【0027】また、該シートは背面状態が透けて見える
ため、横木などに釘で打ち付ける場合などの失敗がな
く、さらに従来より用いられているアスファルトを含浸
したフェルトや紙に比べ、およそ5〜6倍軽量であるな
どのことから、持運びや施工時の作業性が著しく改善さ
れるため、外壁通気工法におけるハウスラップ材として
好適な建材シートを提供することができる。
【0028】
【0029】
【実施例】以下に説明する実施例および比較例における
各項目の評価は次の方法により実施した。 (1) 透湿度:JIS−Z0208(40℃−90%R
H) (2) 耐水度:JIS−L1092A法 (3) 通気度:JIS−L1096(フラジール法) (4) 引張強力:JIS−L1096 (5) 剛軟度:JIS−L1079(45°カンチレバー
法、ただし、不織布(B)側を表面とした測定値) (6) 平均繊維径:1000倍(走査型電子顕微鏡)の拡
大写真より、300本以上の繊維径を読取り、その平均
値とした。
【0030】 (7) 表面粗さ(SMD):KES法 (8) 低温結露性評価 壁体モデル構成:図3の構成にし、断熱材にグラスウ
ール、試料にそれぞ れ実施例1,2、比較例1,2,4
の熱接着シートを使用。 室内側 20℃−90%RH 室内側 −20℃ P(静圧):0.5〜1mmAq V(風速):1m/sec 、風向:下方から上方。
【0031】処理時間:12時間 評価:断熱材、試料の質量増加量を測定および氷結状
態の観察。 比較例1 メルトフローインデックス(荷重2.16kg、230
℃)60g/10分のポリプロピレン(融点157.6
℃)からメルトブロー紡糸法にて平均繊維径1.3ミク
ロンで30g/m2 の目付のメルトブロー極細繊維不織
布(A)を得た。
【0032】次いで該不織布(A)を上層、目付50g
/m2 のポリプロピレン製スパンボンド不織布(B)
(日本不織布(株)製品、平均繊維径27ミクロン)を
下層として積層しつつ、140℃の凹凸シボロール(上
ロール)と140℃のプレーンロール(下ロール)に挟
持しつつ、90kg/cm圧にて接着面積25%の熱接着シ
ートを得た。また、これらシートの不織布(B)側の表
面から深さ40ミクロンまでの表層部における繊維充足
率の測定結果を表1に、物性および機能性評価結果を表
2に、そして結露性評価結果を表3に示した。
【0033】実施例1 比較例1で得た熱接着シートの不織布(B)側が125
℃の鉄プレーンロール(上ロール)とし、不織布(A)
側が常温のゴムロールとなるよう挟持しつつ、ニップ圧
力が30kg/cm圧、クリアランスが0mm、ロール速度が
5m/分の条件にて加工した。このシートの不織布
(B)側の表面層の大部分は繊維間融着していた。ま
た、このシートの不織布(B)側の表面から深さ40ミ
クロンの表層部における繊維充足率の測定結果を表1
に、物性および機能性評価結果を表2に、そして結露性
評価結果を表3に示した。
【0034】比較例2 比較例1で得た30g/m2 の目付のメルトブロー極細
繊維不織布(A)を中層、目付30g/m2 のポリプロ
ピレン製スパンボンド不織布(B)(日本不織布(株)
製品、平均繊維径27ミクロン)を上下層として積層し
つつ、140℃の凹凸シボロール(上ロール)と140
℃のプレーンロール(下ロール)に挟持しつつ、90kg
/cm圧にて接着面積25%の3層構造熱接着シートを得
た。また、このシートの物性および機能性評価結果を表
2に、そして結露性評価結果を表3に示した。
【0035】実施例2 比較例2で得た3層構造の熱接着シートを125℃の鉄
プレーンロールと常温のゴムロールに挟持しつつ、ニッ
プ圧力が30kg/cm圧、クリアランスが0mm、ロール速
度が5m/分の条件にて加工した。このシートの鉄プレ
ーンロール側の不織布(B)の表面層の大部分は繊維間
融着していた。また、このシートの物性および機能性評
価結果を表2に、そして結露性評価結果を表3に示し
た。
【0036】比較例3 比較例1で得た熱接着シートの不織布(A)側が125
℃の鉄プレーンロール(上ロール)とし、不織布(B)
側が常温のゴムロールとなるよう挟持しつつ、ニップ圧
力が30kg/cm圧、クリアランスが0mm、ロール速度が
5m/分の条件にて加工した。このシートの不織布
(A)側の表面層の大部分は繊維間融着していた。この
ものの耐水度は510mmAqと低く、剛軟度が83mmと剛
性も改善されなかった。
【0037】比較例4 アスファルトフェルト20kg品(比較例4)の物性およ
び結露性評価を実施し、それぞれ表2、表3に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】 かかる表1、2、3からわかるように、本発明品(実施
例1、2)は、低温時における結露評価結果も良く、ま
た不織布(B)側の表面から深さ40ミクロンまての表
層部における繊維充足率が比較例1、2品に比べて遙か
に高く、更に剛軟度の値が示すように適度な剛性を持つ
ことから、施工時の形態不安定さがなく、透湿性、耐水
性、防風性等にも優れたものであり、平滑表面を有する
透湿・防水シートとして優れていた。
【0041】一方、JIS−Z0208法による透湿度
の値が同等であっても、平滑表面を有しないシートにつ
いては(比較例1、2)低温時における結露評価結果が
悪く、ハウスラップ材として適さないものであった。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、構
成繊維の平均繊維径と目付とが特定されたメルトブロー
不織布と同じく平均繊維径と目付とが特定された長繊維
不織布とを接着一体化した積層不織布からなり、その長
繊維不織布側の表面粗さを平滑にしたことにより、透湿
性、防水性がバランスされた優れた機能特性を有し、か
つ良好な施工性を有するものにすることができる。特
に、ハウスラップ材等として寒冷地に長期使用した場合
の最大の欠点として、低温透湿特性の低下が考えられた
が、これを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な外壁通気工法の構造を示す断面図であ
る。
【図2】本発明を規定する繊維充足率の測定方法を説明
するもので、(イ)はシート断面図、(ロ)は(イ)の
a表面から深さ40ミクロンまでの表層部を二値化処理
した図である。
【図3】低温結露性評価の壁体モデル構成図である。
【符号の説明】
1 外壁材 2 通気層 3 ハウスラップ(透湿・防水性シート)4 断熱材 5 防湿材 6 内装材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/64 B32B 27/02 E04B 1/76 E04D 12/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均繊維径5ミクロン以下の繊維からな
    り、 目付15g/m2 以上、見掛け密度0.40g/
    cm3 以下に構成されたメルトブロー極細繊維不織布
    (A)の少なくとも片面に、平均繊維径10ミクロン以
    上の繊維から目付15g/m2 以上に構成された長繊維
    不織布(B)を接着一体化した積層不織布であり、前記
    不織布(B)は非接着側の表面が表面粗さ4ミクロン以
    下であるとともに、該表面から深さ40ミクロンまでの
    表面部における繊維充足率が60%以上である建材用
    湿・防水性シート。
  2. 【請求項2】 前記不織布の透湿度が4000(g/m
    2 ・24時間)以上、耐水度が600(mm水柱)以上で
    ある請求項1記載の建材用透湿・防水性シート。
  3. 【請求項3】 前記不織布(A)および/または不織布
    (B)の構成繊維成分が、ポリオレフィン樹脂またはそ
    の共重合物である請求項1記載の建材用透湿・防水性シ
    ート。
  4. 【請求項4】 不織布(A)および/または不織布
    (B)の構成繊維成分が、ポリプロピレン樹脂またはそ
    の共重合物である請求項3記載の建材用透湿・防水性シ
    ート。
  5. 【請求項5】 前記不織布(B)の構成繊維が、繊維形
    成成分を芯成分、接着性成分を鞘成分とする芯鞘型複合
    繊維である請求項1記載の建材用透湿・防水性シート。
  6. 【請求項6】 前記不織布(B)の非接着側表面の表面
    粗さが3ミクロン以下である請求項1記載の建材用透湿
    ・防水性シート。
  7. 【請求項7】 前記不織布(A)および/または不織布
    (B)の構成繊維に、紫外線吸収剤が含有されている請
    求項1に記載の建材用透湿・防水性シート。
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