JP3291616B2 - 土建材用芯材、これを用いた土建材および土建材の製造方法 - Google Patents

土建材用芯材、これを用いた土建材および土建材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、良好な電波吸収
機能、熱伝導性および難燃性を有し、かつ土建材の薄肉
化とともに強度の向上も図れる都市ごみ焼却灰から回収
した磁性材料製の土建材用芯材、これを用いた土建材お
よびこの土建材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生活圏から排出された一般廃棄物である
都市ごみは、清掃車などにより収集され、その一部がご
み処理工場の焼却炉により焼却される。焼却後の焼却灰
中には、例えばAl、Mg、Pなどの各種の有用資源が
含まれていることは従前から良く知られている。例え
ば、鉄資源としてリサイクル可能なフェライトもその一
種である。従来、焼却灰に含有されたフェライトを産業
上利用することができる程度に効率良く回収する方法は
開発されていなかった。したがって、この利用価値の高
いフェライトを焼却灰中に残したまま、衛生的な最終処
理を目的として、この焼却灰を、例えば周辺を囲いや擁
壁などで覆われた安定型処分場や管理型処分場に埋めて
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では、
有用資源のリサイクルが世界的に提唱されている。これ
を受け、日本でもリサイクル法を制定し、全国の自治
体、ごみ処理業者および民間企業などに対して、可能な
限り廃棄物中に含まれる有用資源の再利用化を推進する
ように指導している。一方、近年では、各地の放送局
や、携帯電話の発信機を含む多数の通信基地から、大量
の電磁波が発信されている。これにより、電磁波による
電気耐性試験や、電磁波不要輻射試験を行う際には、電
磁波を吸収して遮蔽可能な電波暗室が利用されている。
従来、このような特殊な電波暗室の壁材として、例えば
ウレタンピラミッド型吸収体や、ウレタンに平型フェラ
イトを設けた複合型電波吸収体などを芯材とした電波遮
蔽可能なコンクリート壁材が知られている。
【0004】しかしながら、この従来の電波遮蔽可能な
コンクリート壁材では、その重厚な構造上、壁厚が厚く
なってしまい、この結果、効率良く室内空間を利用する
ことができなかったり、施工期間が長くなって、施工コ
ストやメンテナンスコストが嵩むなどの問題点があっ
た。また、平板状の平型フェライトがコンクリートに埋
設されているので、固化後のコンクリートと平型フェラ
イトとの結合力が、建物の強度を確保するには支障がな
いものの、コンクリート壁材自体の強度が比較的弱いと
いう問題点があった。さらに、芯材にウレタンを使用し
ているので、火災時にこの芯材が燃えたり、有毒ガスが
発生するおそれがあるという問題点があった。
【0005】また、例えば舗道の土木工事においては、
各地の街や工場地帯の地下には、多数本の送電線や電話
線といった地下埋没ケーブルを配線するために、ヒュー
ム管が埋設されている。したがって、地下埋没ケーブル
からは多量の電磁波が発生しており、舗道の上などを歩
く歩行者に対して、悪影響を及ぼす危険性があった。す
なわち、人間は、地上、上空および地下からの各種電磁
波に、常に晒されていることになる。
【0006】発明者らは、このような近年のごみ処理事
情に鑑み、都市ごみの焼却灰中に含まれる各種有用資源
のうちで、磁力により比較的容易に灰中から取り出せる
フェライトに着目した。しかも、フェライトに所定量の
シリコンを加えることで、磁性だけでなく誘電性をも備
えた優れた電波吸収物の素材となる磁性材料が得られる
ことを見出し、これをネット状に付形して焼結すれば、
土建材用芯材として応用することができることに到達
し、この発明を開発するに至った。
【0007】
【発明の目的】この発明は、良好な電波吸収機能、熱伝
導性および難燃性を有し、かつ土建材の薄肉化とともに
強度の向上も図れる土建材用芯材およびこれを用いた土
建材ならびにこの土建材の製造方法を提供することを、
その目的としている。また、この発明は、透磁率と誘電
率とが略同じで、電波遮断効果を向上することができる
土建材用芯材を提供することを、その目的としている。
さらに、この発明は、土建材用芯材と土建材用基体とが
一体化した土建材を比較的容易に製造することができる
土建材の製造方法を提供することを、その目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、磁性を有するフェライトと、誘電性を有するシリコ
ン酸化物とを有する都市ごみ焼却灰から回収した磁性材
料をネット状に付形して焼成することで得られた土建材
用芯材である。都市ごみとは、都市などの生活圏から排
出される一般廃棄物をいう。すなわち、ここで取り扱う
一般廃棄物の主なものには、ごみ処理工場で焼却処分さ
れる一般ごみのうち、紙類、ちゅうかい、繊維、木、竹
類などの可燃ごみが挙げられる。なお、現実的な分別ご
みの収集状況から、この中には、一部のプラスチック、
ゴム、金属、ガラス・陶器類、雑物などの不燃・焼却不
適ごみも含まれる。
【0009】フェライトとしては、磁気的に軟磁性で透
磁率が大きな性質を有するスピネル型M2+Fe24(M
2+;Fe,Co,Ni,Mn,Zn,Mg,Cu)が好
ましい。土建材用芯材が付形されるネット状とは、糸や
針金を編んだような網目を有する形状であれば限定され
ない。例えば縦横の枠部材を格子状に組み付けたもので
も、また所定間隔で離間された複数本の縦枠部材(また
は横枠部材)同士を、一括して1本の横枠部材(縦枠部
材)によって連結したものなどでもよい。土建材用芯材
の網目形状は、平面視して円形、楕円形、蜂の巣形、三
角形や四角形以上の多角形など、任意形状でよい。ま
た、土建材用芯材の網目寸法や太さは、土建材用芯材が
埋設される土建材の用途により、適宜に決定される。
【0010】土建材用芯材が適用される土建材とは、土
木または建築の分野で使用される資材および材料をい
う。この土建材としては、板状、ブロック状、管状など
のどのような形状でもよい。例えば建物の分野では、壁
材、天井材、床材、部屋の間仕切り、ドア、窓などが挙
げられる。殊に、電磁波を使った電気耐性試験などを行
う電波暗室や、心臓のペースメーカーをつけた患者もい
る病院などにおける使用に適している。また、土木構築
物の分野では、例えば地中に埋め込まれるヒューム管
や、舗道用ブロック、橋などが挙げられる。土建材用芯
材が埋め込まれる土建材用基体としては、コンクリー
ト、石膏部材、煉瓦、各種セラミック、プラスチック、
木などが挙げられる。
【0011】請求項2に記載の発明は、上記磁性材料
が、フェライト50〜90重量%と、シリコン酸化物1
0〜50重量%とを有する請求項1に記載の土建材用芯
材である。フェライトと誘電性を有するシリコン酸化物
との配合比は、透磁率と誘電率とが同じ程度になる割合
の方が、電波を遮断する効果が高くなって好ましい。こ
の割合が、フェライト50〜90重量%、シリコン酸化
物10〜50重量%である。なお、既製品のフェライト
および/またはシリコン酸化物を添加して、フェライト
50〜90重量%と、シリコン酸化物10〜50重量%
との配合比を調整するので、良好な配合比のフェライト
とシリコン酸化物とを有する都市ごみ焼却灰から回収し
た磁性材料組成物を、安定的に生産することができる。
【0012】請求項3に記載の発明は、磁性を有するフ
ェライトおよび誘電性を有するシリコン酸化物を有する
都市ごみ焼却灰から回収した磁性材料を素材とするネッ
ト状の土建材用芯材と、この土建材用芯材が埋め込まれ
る土建材用基体とを備えた土建材用芯材を用いた土建材
である。土建材用基体としては、例えば請求項4に記載
されたコンクリートや石膏部材の他にも、煉瓦、各種セ
ラミックなどが利用することができる。
【0013】請求項4に記載の発明は、上記土建材用基
体がコンクリートまたは石膏部材である請求項3に記載
の土建材用芯材を用いた土建材である。
【0014】請求項5に記載の発明は、磁性を有するフ
ェライトおよび誘電性を有するシリコン酸化物を有する
都市ごみ焼却灰から回収した磁性材料をネット状に付形
して焼成することで土建材用芯材を製造する工程と、こ
の土建材用芯材を成形型内に配置した後、この成形型内
へ土建材用基体を成型する基体成型材料を充填して固化
し、その後これを脱型する工程とを備えた土建材の製造
方法である。
【0015】磁性材料をネット状に付形する方法として
は、例えば都市ごみ焼却灰から回収した磁性材料を型チ
ューブに注入し、この状態のまま磁性材料を焼成し、そ
の後、この型チューブを薬剤などで溶かしたり、壊した
り、剥ぎ取ったりする方法が挙げられる。また、この他
にも、例えばネット状の意匠面を有する金型により圧縮
成形する方法などが挙げられる。成形型内における土建
材用芯材の位置は、中央部付近や表裏面付近など所定位
置でよい。基体成型材料の素材は、この土建材用芯材が
埋め込まれる土建材用基体の品種(例えばコンクリート
パネル、石膏ボードなど)により、適宜選択される。
【0016】請求項6に記載の発明は、上記基体成型材
料が、半固化状態の流動性を有するコンクリートまたは
石膏である請求項5に記載の土建材の製造方法である。
ここでいう半固化状態とは、水を加えて混練されたコン
クリートや石膏が、まだ完全には固化されていない流動
性を有する状態をいう。また、この流動性の度合いは限
定されない。すなわち、例えば水のように流動性が高く
ても、粘土のように流動性が劣っていてもよい。
【0017】
【作用】この発明にあっては、回収された都市ごみ焼却
灰から磁性材料を造る。都市ごみの焼却灰中には、磁性
を有するフェライトと、誘電性を有するシリコン酸化物
が添加されているので、磁性と誘電性とを兼有した電波
遮蔽物を作製可能な電波吸収性の良い磁性材料となる。
ちなみに、この磁性材料を回収する方法としては、例え
ば都市ごみの焼却灰を分級し(例えば平均粒径20mm
以下)、次いでこの分級された焼却灰を粗選磁選し、そ
れから粗選磁選されたフェライトを含む着磁物を乾燥し
て粉砕する(例えば平均粒径10μm以下)。続いて、
粉砕された着磁物をアルコール中で超音波分散した後、
これを精選磁選することで、より以上に高純度化したフ
ェライトが得られる。そして、得られたフェライトを焼
結すれば、さらに高純度化された磁性材料を、より効率
良く回収することができる。その後、この製造された磁
性材料をネット状に付形して焼成することにより、土建
材用芯材を製造する。
【0018】このように、回収された磁性を有するフェ
ライトと、誘電性を有するシリコン酸化物が添加された
磁性材料をネット状に付形して焼成することにより土建
材用芯材を製造するようにしたので、土建材に良好な電
波吸収機能を与えることができる。しかも、土建材に磁
性材料からなる土建材芯材が埋め込まれているので、比
較的高強度であるにもかかわらず土建材を薄肉化するこ
とができる。また、この薄肉化により土建材で区画され
た空間の拡張が図れ、しかも土建材の施工期間を短縮化
することができる。この結果、土建材の施工コストやメ
ンテナンスコストの低減が図れる。さらに、熱伝導性も
良いので土建材の表面に結露ができにくく、また難燃性
であり、火災時に有毒ガスが発生しない。
【0019】特に、請求項2に記載の発明にあっては、
回収された都市ごみ焼却灰から磁性材料を造る。この際
に用いられる都市ごみの焼却灰中には、磁性を有するフ
ェライトが50〜90重量%、誘電性を有するシリコン
酸化物が10〜50重量%添加されているので、この磁
性材料を原料として製造された土建材用芯材は、磁性と
誘電性とを兼有した電波遮蔽物を作製可能な土建材用芯
材となる。なお、この都市ごみ焼却灰中には、1〜2重
量%のアルカリ酸化物と、例えばカルシウム酸化物やリ
ン酸化物などの微量の重金属酸化物が存在してもよい。
【0020】また、請求項5,請求項6に記載の土建材
の製造方法においては、製造された土建材用芯材を成形
型内に配置し、そしてこの成形型内へ基体成型材料(請
求項6では半固化状態の流動性を有するコンクリートま
たは石膏)を流し込んでこれを固化し、その後、得られ
た土建材を脱型するので、土建材用芯材と土建材用基体
とが一体化した土建材を比較的容易に製造することがで
きる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を説明す
る。図1は、この発明の一実施例に係る都市ごみ焼却灰
から回収した磁性材料製の土建材用芯材の斜視図であ
り、図2は、同土建材用芯材を用いた土建材の斜視図で
あり、図3(a)は、成形型内への土建材用芯材の配置
工程を示す説明図、図3(b)は、成形型内への基体成
型材料の流し込み工程を示す説明図、図3(c)は、土
建材用基体の固化工程を示す説明図、図3(d)は、成
形後の土建材の正面図であり、図4は、他の形態におけ
る土建材の斜視図であり、図5は、円筒状に付形した土
建材用芯材の斜視図であり、図6は、円筒状の土建材用
芯材が埋め込まれたヒューム管の斜視図である。図1に
おいて、10は、この発明の一実施例に係る都市ごみ焼
却灰から回収した磁性材料製の土建材用芯材であり、磁
性を有するフェライトと、誘電性を有するシリコン酸化
物とを有する都市ごみ焼却灰から回収した磁性材料をネ
ット状に付形して焼成したものである。都市ごみ焼却灰
から回収した磁性材料は、以下のようにして得られた。
【0022】すなわち、ごみ処理工場から排出された都
市ごみの焼却灰を、まず平均粒径20mm以下に分級
し、分級された焼却灰に水を加えてミキサ中で混練して
スラリー化する。これを高勾配磁気分離機へ投入して、
フェライトを含む着磁物を粗選磁選し、その後、着磁物
を乾燥して着磁物の平均粒径85%が10μm以下にな
るまで粉砕し、次いで高純度のフェライトが得易くなる
ように、フェライトを含む着磁物をアルコール中で超音
波分散する。それから、分散処理後の着磁物を精選磁選
して、都市ごみ焼却灰から回収した磁性材料を得る。都
市ごみの焼却灰中には、磁性を有するフェライトと、誘
電性を有するシリコン酸化物が添加されているので、磁
性と誘電性とを兼有した電波遮蔽物を作製可能な電波吸
収性の良い磁性材料となる。それから、この製造された
磁性材料をネット状の鋳型に圧密した後、これを冷却し
てから脱型することで、図1に示すような磁性材料から
なるネット状の土建材用芯材10を製造する。なお、こ
の磁性材料中には、電波遮蔽物として機能するための磁
性(Fe2350〜90重量%)と、誘電性(SiO2
10〜50重量%)とを兼備している。
【0023】図2に、この土建材用芯材10を埋め込ん
だ土建材の一例であるコンクリート壁材11を示す。こ
のコンクリート壁材11は、このネット状の土建材用芯
材10と、土建材用芯材10が埋め込まれる土建材用基
体の一例であるコンクリート板12とを備えている。以
下、図3(a)〜(d)を参照してコンクリート壁材1
1の製造方法を説明する。すなわち、土建材用芯材10
を、成形型13内に配置した後(図3(a)参照)、成
形型13内へコンクリート板12を成型するための基体
成型材料の一例である半固化状態のコンクリート12a
を流し込み(図3(b)参照)、それから成形型13に
蓋13aをして、所定時間養生してコンクリート12a
を固化し(図3(c)参照)、その後、これを脱型する
(図3(d)参照)することで、コンクリート壁材11
を製造する。
【0024】このように、回収された磁性を有するフェ
ライトと、誘電性を有するシリコン酸化物が添加された
磁性材料をネット状に付形して土建材用芯材10を焼成
するようにしたので、この土建材用芯材10に、コンク
リート壁材11に良好な電波吸収機能を付与することが
できる。しかも、コンクリート壁材11の薄肉化が可能
であるとともに、コンクリート壁材11の強度の向上が
図れる。また、このコンクリート壁材11の薄肉化によ
って建物の内部空間を拡張することができるとともに、
コンクリート壁材11、ひいては建物の施工期間を短縮
化することができる。この結果、コンクリート壁材11
の施工コストやメンテナンスコストの低減が図れる。さ
らに、良好な熱伝導性を有しているので、コンクリート
壁材11の表面に結露ができにくく、また難燃性であ
り、コンクリート壁材11の素材が、コンクリートと磁
性材料であるので、火災時に有毒ガスが発生しない。
【0025】その後、得られたコンクリート壁材11
を、電磁波を遮蔽する電波暗室の壁材に採用した。そし
て、これと従来の電波暗室の壁材であるウレタンピラミ
ッド型吸収体とを、検査装置を用いて比較検査してみた
ところ、従来品よりこの発明のものの方が電波吸収特性
に優れていることがわかった。すなわち、この発明の都
市ごみ焼却灰から回収した磁性材料により製造された電
波暗室用のコンクリート壁材11の電波吸収特性と、従
来の電波暗室のコンクリート壁材との電波吸収特性とを
比較すると、従来品に比べてこの発明品の方が2倍近い
数値になった。なお、この実施例では、土建材用芯材1
0を、コンクリート壁材11に埋設したが、これに限定
しなくても、例えば石膏ボード(石膏部材)に埋設して
もよい。また、図4に示すようなコンクリート製または
煉瓦製の舗道用ブロック20に埋め込んでもよい。な
お、21は土建材用基体の他の例であるブロック体であ
る。さらに、図5,図6に示すように、平らなネット状
の土建材用芯材を、筒状に湾曲して円筒芯材30を形成
し、この円筒芯材30を地中埋設される地下埋没ケーブ
ル配線用のヒューム管31に埋め込んでもよい。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にあって
は、都市ごみ焼却灰から回収した磁性材料をネット状に
付形して焼成し、土建材用芯材を製造するようにしたの
で、良好な電波吸収機能を有する土建材が得られる。し
かも、土建材の高強度化および薄肉化が図れる。また、
この薄肉化により、土建材により区画される空間の拡張
が図れるとともに、土建材の施工期間を短縮化すること
ができる。この結果、土建材の施工コストやメンテナン
スコストの低減が図れる。さらに、良好な熱伝導性を有
しているので、土建材の表面の結露を防止することがで
き、また難燃性であるので、火災時に燃えにくく、かつ
有毒ガスが発生しない。
【0027】特に、請求項2に記載の発明にあっては、
都市ごみの焼却灰中に、磁性を有するフェライトを50
〜90重量%、誘電性を有するシリコン酸化物を10〜
50重量%添加するようにしたので、磁性と誘電性とを
兼有した土建材を製造することができる。
【0028】また、請求項5,6に記載の土建材の製造
方法では、土建材用芯材を成形型内に入れるとともに基
体成型材料を流し込んでこれを固化するようにしたの
で、土建材用芯材と土建材用基体とが一体化した土建材
を比較的容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る土建材用芯材の斜視
図である。
【図2】この発明の一実施例に係る土建材用芯材を用い
た土建材の斜視図である。
【図3】(a)は、成形型内への土建材用芯材の配置工
程を示す説明図である。(b)は、成形型内への基体成
型材料の流し込み工程を示す説明図である。(c)は、
土建材用基体の固化工程を示す説明図である。(d)
は、成形後の土建材の正面図である。
【図4】他の形態における土建材の斜視図である。
【図5】円筒状に付形した土建材用芯材の斜視図であ
る。
【図6】円筒状の土建材用芯材が埋め込まれたヒューム
管の斜視図である。
【符号の説明】
10 都市ごみ焼却灰から回収した磁性材料製の土建材
用芯材、 11 コンクリート壁材(土建材)、 12 コンクリート板(土建材用基体)、 12a コンクリート(基体成型材料)、 13 成形型、 20 舗道用ブロック(土建材)、 21 ブロック体(土建材用基体)、 30 円筒芯材(土建材用芯材)、 31 ヒューム管(土建材)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北原 直人 埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬2270 三菱 マテリアル株式会社先端事業本部生産技 術センタ−内 (72)発明者 石▲崎▼ 倫朗 福岡県北九州市八幡西区洞南町1番1号 三菱マテリアル株式会社セメント開発 センタ−内 (56)参考文献 特開 平7−60229(JP,A) 特開 平6−269763(JP,A) 特開 平6−226236(JP,A) 特開 平8−207029(JP,A) 特開 平8−4148(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/92 E04C 2/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性を有するフェライトと、誘電性を有
    するシリコン酸化物とを有する都市ごみ焼却灰から回収
    した磁性材料をネット状に付形して焼成することで得ら
    れた土建材用芯材。
  2. 【請求項2】 上記磁性材料が、フェライト50〜90
    重量%と、シリコン酸化物10〜50重量%とを有する
    請求項1に記載の土建材用芯材。
  3. 【請求項3】 磁性を有するフェライトおよび誘電性を
    有するシリコン酸化物を有する都市ごみ焼却灰から回収
    した磁性材料を素材とするネット状の土建材用芯材と、 この土建材用芯材が埋め込まれる土建材用基体とを備え
    た土建材用芯材を用いた土建材。
  4. 【請求項4】 上記土建材用基体がコンクリートまたは
    石膏部材である請求項3に記載の土建材用芯材を用いた
    土建材。
  5. 【請求項5】 磁性を有するフェライトおよび誘電性を
    有するシリコン酸化物を有する都市ごみ焼却灰から回収
    した磁性材料をネット状に付形して焼成することで土建
    材用芯材を製造する工程と、 この土建材用芯材を成形型内に配置した後、この成形型
    内へ土建材用基体を成型する基体成型材料を充填して固
    化し、その後これを脱型する工程とを備えた土建材の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 上記基体成型材料が、半固化状態の流動
    性を有するコンクリートまたは石膏である請求項5に記
    載の土建材の製造方法。
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