JP3287449B2 - 光ピックアップの不良判定方法及びそれを用いた光ピックアップ検査装置 - Google Patents

光ピックアップの不良判定方法及びそれを用いた光ピックアップ検査装置

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JP3287449B2 JP31530796A JP31530796A JP3287449B2 JP 3287449 B2 JP3287449 B2 JP 3287449B2 JP 31530796 A JP31530796 A JP 31530796A JP 31530796 A JP31530796 A JP 31530796A JP 3287449 B2 JP3287449 B2 JP 3287449B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザを用
いた光ピックアップの不良を判定する光ピックアップの
不良判定方法、及びそれを用いた光ピックアップ検査装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ピックアップは、光ディスク装置や光
磁気ディスク装置(以降、光ディスク装置で代表する)
に組み込まれ、光ディスク及び光磁気ディスク(以降、
光ディスクで代表する)に対して、レーザ光源からレー
ザ光を照射して情報の記録または再生を行うものであ
る。光ピックアップの組立工程、組み付け工程等には、
必ず光ピックアップのアクチュエータの傾きを調整する
姿勢調整の工程が存在する。これは、アクチュエータに
組み込まれている対物レンズの傾きを光ディスクと平行
となるように、或いはレーザ光を光ディスクに対して垂
直に当たるように調整して、光ディスク面に結像するス
ポットを良好にすることが目的である。
【0003】光ディスク面に結像したスポットを撮像し
て得られるスポット画像(スポットの中間調画像)は、
傾きの無い場合、図31に示すようなものとなる。この
図において、中央部の円が、レーザによる基本的なスポ
ットであり、最も輝度が高く0次光と呼ばれる。また、
この0次光から同心円状に広がっている環状の像が、0
次光に近いものから順に、1次光、2次光と呼ばれ、2
次光の外側にも3次光、4次光…と続く。しかしなが
ら、実際には、3次光以降は輝度が弱いため殆ど見え
ず、観察されない。尚、図と実際の画像とは輝度反転し
ており、図で黒い部分がレーザ光により光っている部分
であり、図で白い部分が輝度の低い暗い部分を示してい
る(このことは、以降に示すスポット画像、及び後述す
る2値化画像を示す全図面で同様である)。
【0004】図中に示すm,nはそれぞれ、スポットの
中心を通る直線L3 ,L4 における輝度分布を示してい
る。これらm,nからもわかるように、傾きの無い場
合、スポットの中心を通る断面の輝度分布が対称とな
る。
【0005】これに対し、傾きの有る場合のスポット画
像は、図32に示すようなものとなる。図中o,pはそ
れぞれ、このスポットの中心を通る直線L5 ,L6 にお
ける輝度分布を示している。これらo,pからもわかる
ように、傾きの有る場合、輝度分布は方向によって違
い、スポットの中心を通る直線の輝度分布も非対称とな
る。このことから、非対称な輝度分布を対称となるよう
に傾きを調整することで、姿勢を調整できることがわか
る。
【0006】このような姿勢調整は、従来から顕微鏡と
カメラ、モニタを使用して、模擬ディスク面にレーザ光
を照射させ、対物レンズにより結像されたスポットを顕
微鏡とカメラを用いて拡大撮像し、モニタ画面に映し出
されたスポット画像を観察しながら行われている。
【0007】一方、スポットの形状が異常な光ピックア
ップは、光ピックアップとしての性能が良くないことが
経験上判明している。スポットの形状が異常になる原因
は、複数の原因が重なり合ったものや、未だ原因の解明
が十分に行われていないものまでさまざまであるが、ス
ポットが異常であることにはかわりなく、スポットが異
常な光ピックアップは、不良品として廃棄もしくは修正
を行う必要があり、出荷できるものではない。
【0008】そこで、上記のようにスポット画像を観察
しながら姿勢調整を行う工程では、姿勢を調整してもス
ポットの形状が良好にならないとき、この光ピックアッ
プはスポット異常であると判定できるため、スポットの
形状を検査する工程を兼ねている場合が多い。
【0009】従来、異常なスポットを見つけ、それに基
づいて光ピックアップが不良であることを判定する手法
として、例えば、特開平6−36321号公報、特
開平6−36322号公報、特開平6−180857
号公報、特開平6−60384号公報のようなものが
ある。
【0010】上記では、スポット画像を基に、最高
輝度点を0次光の中心とし、この点を通る有限個数の直
線のそれぞれの輝度分布を計測し、1次光における輝度
のピークを求めて1次光の状態等を測定することで、ス
ポットが異常であるか正常かを判定し、光ピックアップ
の不良を判定するようになっている。また、上記で
は、最高輝度点を0次光の中心とし、この点を中心とす
る円上の画素の輝度を調査して1次光の状態を判定する
ようになっている。すなわち、これらのものは全
て、1直線の輝度を対象とした処理の繰り返しにより、
スポットが異常であるか正常かを判定するものである。
そして、これらは何れも1次光を主な計測対象としてい
る。
【0011】また、上記は、計測対象を0次光として
いるものである。スポットの中心を求めて、その中心を
通る直線上の輝度分布をもとにピークを求めて処理を行
う点では上記と同じである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、光ピ
ックアップの対物レンズとしては、ガラスからなるガラ
スレンズが主であったが、最近では、樹脂を成型してな
る樹脂レンズに置き換わってきている。これは、樹脂レ
ンズ自体の価格がガラスレンズに比べ非常に安いこと、
樹脂レンズはガラスレンズに比べ、その重量が軽いた
め、レンズを動作させるアクチュエータの可動部の構造
全体の強度や制御用の電力を下げられること等の特徴が
あるためである。
【0013】特に、上記可動部の構造全体の強度や制御
用の電力の違いにより、光ピックアップ全体で見た場合
にも構造面で小型軽量になること、小型軽量化のために
周辺もコストダウンできること、さらに、制御面でも、
レンズが軽いためにアクチュエータの反応速度が上がる
ことや、トータルの消費電力の低下により電池などで連
続使用できる時間が長くなることなど、樹脂レンズを用
いることのメリットが非常に多い。
【0014】しかしながら、上記した〜の従来の手
法では、このようなメリットの多い樹脂レンズを対物レ
ンズに用いた光ピックアップに対しては、その不良を正
確に判定できない場合があり、正確な判定をするには、
所要時間が長くなるといった問題点がある。以下にその
理由を説明する。
【0015】樹脂レンズには、その光学的精度(形状精
度も含む)が、ガラスレンズに比べるとかなり悪く、そ
のため、光ディスクに結像するスポットの各部の形状等
も数段悪く、多少の変形も見られ、特に、1次光以降の
環状の部分は欠けや、ムラ等が多発するといった欠点を
有している。
【0016】図33(a)に、樹脂レンズを用いた光ピ
ックアップのスポット画像の一例を示す。樹脂レンズは
ムラが多いため、この画像のように、多少の輝度ムラが
発生することが多い。
【0017】上記の手法で、このようなスポット
画像となる光ピックアップを判定すると、不良と判定さ
れる可能性が高い。なぜならば、このようなスポット画
像の場合、1次光の輝度がまばらになっているためであ
る。しかしながら、この程度のスポット画像しか得られ
ない光ピックアップでも、0次光はほぼ円形であり、1
次光も全体としては均一であるため、性能としては十分
であることが確かめられている。
【0018】ここで、図面を用いてもう少し具体的に説
明する。図33(a)に示すスポット画像を説明し易い
ように、1次光の部分を線状に表現したものが同図
(b)である。同図(c)はさらに、上記の手法で
用いられている輝度分布を測定するためのスポットの中
心を通過する複数の直線l…を、同一画面上に表現した
ものである。
【0019】同図(b)に示す画像において、1次光の
右上の部分に1次光を切断する細かい欠けが存在し、下
には大きな欠けがあり、左には1次光を切断しない欠け
が存在する。1次光全体としては欠けた量に偏りはな
い。上記の手法のように、直線上の輝度のみから判
断すると、同図(c)のような場合は、直線lと1次光
の交点がl次光の切断された部分を多く通過し、結果と
して異常と判定される。
【0020】一方、同図(e)は、同図(c)と同じ輝
度分布を有するものと判定される画像であるが、1次光
自体の偏りの傾向は全く違う。すなわち、同図(c)
は、1次光は全体としては偏りのないものであるのに対
して、同図(e)は、1次光は全体としては偏ったもの
である。すなわち同図(c)の画像を示す光ピックアッ
プは良品、同図(e)の画像を示す光ピックアップは不
良品であるにもかかわらず、上記の手法では同じも
のとして判定されることとなる。
【0021】また、同図(d)は、同図(c)において
直線l…を中心でわずかに傾けた場合の画像である。こ
の場合は、直線lと1次光の切断された部分の交差はな
いため、同図(f)と同じものとして判断される。
【0022】このように、スポット画像にムラがある樹
脂レンズを用いた光ピックアップを、直線上の輝度を分
析し、代表点の個数等をカウントするような、上記
の手法では正確に判定することはできない。特に、1次
光の欠けの数等を数え、その個数やバランスを見るよう
な手法では、光ピックアップの不良を判定することはで
きない。
【0023】一方、図34のように、スポットの中心を
中心とした円上の輝度分布を見て、そのピーク値を数
え、その数が多い場合には不良とする手法では、ムラの
個数を数えることになり、全体的な傾向を見るのは難し
い。したがって、このように1次光のピークの個数でス
ポットの異常・正常を判定し、光ピックアップの不良を
判定する上記の手法を用いても、樹脂レンズを用いた
光ピックアップの判定を正確に行うことはできない。
【0024】このように上記の手法では、全て直
線上の輝度しか対象としていないため、スポットの画像
にムラが多く存在する樹脂レンズを用いた光ピックアッ
プを判定することが難しい。また、ムラの多い画像で
は、ムラの数だけ部分的なピークが存在することになる
ため、l次光のピーク値の個数や、位置を判定すること
自体が難しくなる。なぜなら、ムラの数だけ、部分的な
ピークが存在することになるからである。
【0025】一方、上記の手法は、計測対象を0次光
にしたものであるため、1次光を計測対象とするものと
比較して、ムラによる影響は少ないと言える。しかしな
がら、上記を含め、何れもスポットの中心を求め
てから処理を行うようになっている。スポットの中心部
分の座標を求める作業は、スポットがどの位置にあるか
がわかっていれば比較的容易に行えるものの、場合によ
ってはスポットの位置を正確に決まった位置に調整、保
持する必要ある。
【0026】実際、0次光のスポット径は高々1μm程
度しかないため、わずかな振動でも位置がずれるため、
このような位置の固定は困難である。したがって、スポ
ットの中心を求めるためには、画像をある程度スキャン
して中心を求める必要があり、かなりの回数の輝度部分
の測定を、画像全体にわたって行わないと、その中心を
求めることができない。したがって、結局、画像の中心
を求めるために、多くの画像データのアクセスや計算が
必要であり、処理全体が複雑となり、時間も必要とな
る。また、輝度ムラがあれば、中心の検出がずれる可能
性があり、その場合には正確な不良の判定が行えない。
また、何れも直線上の点のみを対象とするため、その直
線の間隔等により、計測結果の違いや、計測ミスもあり
得る。
【0027】つまり、スポット画像のある1ラインの輝
度情報からその画像の特徴を導き出すことは可能ではあ
るが、画像にムラがある場合は非常に困難になる。ま
た、前述したように、一部の小さな欠けのために、間違
った判断をする可能性がある。そして、これらの影響を
受けないようにするために、よりたくさんの本数の直線
上のデータを扱うようにすると、その扱う情報量や情報
処理量は非常に多くなってしまい、所要時間が長くなる
と共に、ある点を通過する直線を数多く扱うことは、そ
の中心付近の画素を複数回扱うことになり、非常に無駄
でもある。また、何れも直線上の点のみを対象とするた
め、その直線の間隔等により、計測結果の違いや、計測
ミスもあり得る。
【0028】また、振動による影響を抑えるために、装
置実現のためには非常に剛性の高い装置が必要であり、
これは大きなコストアップになる。しかも、実際の工場
内には各種装置が稼働しているため、振動は絶えず発生
している。そのため、たとえ装置の剛性を上げたとして
も、工場内で発生する振動が大きい場合は、どうしても
判定装置自体も振動し、画像も振動する。そのため、装
置自体より、他の振動を発生させる周辺装置に至るま
で、振動を抑えるようにしなければならない場合もあ
る。このような場合のコストアップは莫大なものにな
る。振動を0に近づけるためにはよりいっそうのコスト
がかかることになる。また実際、振動を完全に0にする
ことは不可能である。
【0029】さらに、コスト面から考えて、通常、スポ
ット画像の取り込み(撮像)はインターレースで行われ
るが、インターレースでの入力では、交互に撮像した時
間が違うため、図35(a)に示すように、奇数ライン
と偶数ラインとで僅かにずれている。そのため、0次光
の周辺である輝度変化の最も大きな部分(ラインL7
での輝度分布は、同図(b)に示すようながたがたのも
のとなる。同図(c)は、同図(a)のスポット画像を
2値化した画像であり、同図(d)はその要部拡大図で
ある。尚、2値化については後述する。
【0030】このようなインターレースでの入力画像を
基にして、直線の情報を基に、中心や、輝度特性を正確
に求めるには、処理が複雑になる。また、処理が複雑に
なれば、処理時間が長くなることや、ソフトウエアのバ
グが発生しやすくなること等の問題を発生させる。尚、
このような問題は、ノンインターレースで画像を取り込
むカメラと画像入力システムを用いれば解決できる部分
もあるが、これらは通常のシステムに比べ高価であり、
安易に用いることはできない。
【0031】本発明は、上記の課題に鑑み成されたもの
であって、その目的は、樹脂レンズ等のスポットの形状
に歪さを有するレンズを用いた光ピックアップの不良判
定に適し、しかも判定に要する時間は短く、装置に必要
とされる剛性も比較的低くて済み、かつ、安価で容易に
実現できる、光ピックアップの不良判定方法及びそれを
用いた光ピックアップ検査装置を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明の光ピックアップ
の不良判定方法は、上記の課題を解決するために、模擬
ディスク面に結像されるレーザ光のスポットを撮像して
得たスポット画像を基にして、光ピックアップの不良を
判定する判定方法において、スポット画像から、理想的
なスポットでは0次光の部分のみが抽出されるような輝
度を閾値として画像抽出し、抽出により得た抽出画像と
理想的なスポットの抽出画像との図形的特徴の比較によ
り、光ピックアップの不良を判定することを特徴として
いる。
【0033】これによれば、まず、検査対象となる光ピ
ックアップにおけるスポット像を撮像し、そのスポット
画像から理想的なスポットでは0次光の部分のみが抽出
されるような輝度を閾値として画像を抽出する。スポッ
ト画像から輝度を基に抽出した抽出画像にはスポットの
形状の特徴が現れており、スポットの形状と光ピックア
ップの性能との関係は経験的に判明している。
【0034】したがって、検査対象となる光ピックアッ
プの抽出画像と理想的なスポットの抽出画像との図形的
特徴を比較することで、光ピックアップの不良を見つけ
出し、良否の判定が可能となる。
【0035】ここで言う図形的特徴の比較としては、抽
出画像の面積値の比較、抽出画像の図形数の比較、抽出
画像の円度の比較、抽出画像に外接する長方形の直交す
る2辺の長さ及び/又はその比に基づく比較、抽出画像
に外接する長方形に対する該抽出画像の占有率の比較等
がある。上記の円度とは、4π×S/L2 の式で求まる
値で、式中のSは抽出画像の面積、Lは、抽出画像が複
数図形の場合は全図形を結ぶ包絡線の長さであり、抽出
画像が1図形の場合はその図形の周囲長である。
【0036】上記した種々の図形的特徴の比較それぞれ
における、各種の不良に対する判定能力及び検出感度は
異なり、以下に種々の図形的特徴の比較を簡単に説明す
る。
【0037】1)面積の比較 良品の光ピックアップで理想的なスポットの場合、抽出
画像は0次光部分のみの円形の1図形となる。これに対
し、光量過多で輝度の高い異常なスポットの場合、抽出
画像は0次光部分だけでなく1次光部分まで含んだ2図
形となったり、たとえ0次光部分の1図形であっても、
その大きさは大きくなる。また、反対に光量不足で輝度
の低い異常なスポットの場合は、0次光部分の1図形で
あってもその大きさは小さくなる。
【0038】したがって、図形の大きさを表す面積を理
想的な抽出画像のものと比較することで、所定の範囲を
超えて大きくなったり小さくなったり、或いは1次光部
分まで含んで大きくなったりしたものに対して、光ピッ
クアップの不良を判定できる。特に、面積値は、例えば
抽出画像に外接する長方形(以下、外接長方形と称す
る)の辺の長さである外形長(詳細には後述する)を用
いた比較に比べ、長さの2乗オーダで変化するため、輝
度不足や輝度過多の異常による、抽出画像は0次光部分
の1図形の良好な円形でありながら、その大きさが大き
かったり小さかったりするような異常による不良を高い
感度で検出し、判定できる。
【0039】2)図形数の比較 上述の如く、良品の光ピックアップで理想的なスポット
の場合、抽出画像は0次光部分のみの1図形となる。こ
れに対し、程度の大きい輝度過多や、光軸に傾きがある
等の理由により、1次光の全部或いは一部に高輝度な部
分が存在する場合や、何らかの理由により0次光が二つ
のスポットに分割されてしまったり、さらには、閾値を
超える輝度を有するノイズが有る場合など、抽出画像に
2つの図形が現れることとなる。
【0040】したがって、抽出画像の図形数が1以外の
場合、光ピックアップの不良と判定できる。特に、0次
光のスポットが分裂するような異常による不良を高い感
度で正確に検出し、判定できる。
【0041】そして、この場合、特に、抽出画像におけ
る基準値以上の面積を有する図形のみを1図形として計
測することが好ましい。これにより、高輝度ではある
が、光ピックアップの性能に関係のない微小なノイズに
よる図形は1図形として計測されないので、そのような
微小な問題のないノイズにより、良品の光ピックアップ
までも不良と判定されるような判定ミスを回避できる。
【0042】3)円度の比較 円度とは、4π×S/L2 の式で求まる値であり、抽出
画像が円形であり、かつ、円の中に空洞の全くない場合
に1となり、円から遠ざかるほど小さくなるものであ
る。
【0043】上述の如く、良品の光ピックアップで理想
的なスポットの場合、抽出画像は0次光部分のみの円形
の1図形となるので、円度はほぼ1となる。これに対
し、上記したような理由により、図形が複数あるもの
や、たとえ0次光部分の1図形であっても何らかの理由
にて0次光のスポットの外周が細かく変化するようなも
のは、円度が1より極端に小さくなる。
【0044】したがって、抽出画像の円度が所定の範囲
を超えて小さくなった場合、光ピックアップの不良と判
定できる。特に、0次光のスポットの外周が細かく変化
するような、図形数や面積値では異常と判定できないよ
うな不良を高い感度で検出し、判定できる。
【0045】4)外接長方形の直交する2辺の長さ及び
/又はその比を基にした比較 抽出画像に外接する長方形は、抽出画像が0次光部分の
1図形であり、円形に近い場合は正方形となり、形が歪
むほど一辺の長い長方形となる。また、抽出画像の図形
数が複数となる場合は、それら各図形に外接する長方形
となるので、大きな長方形となる。つまり、外接長方形
の直交する2辺の長さやその比から、抽出画像の外形長
がわかる。
【0046】上述の如く、良品の光ピックアップで理想
的なスポットの場合、抽出画像は0次光部分のみの円形
の1図形となるので、外接長方形は正方形に近く、該長
方形の2辺の長さ、及びその比は一定の範囲内の値とな
る。これに対して、上記したような理由により、図形が
複数あるものは外接長方形が大きくなったり、たとえ0
次光部分の1図形であっても何らかの理由にて0次光の
スポットが楕円となった場合は、長方形の2辺の比が
1:1から大きくずれてしまう。
【0047】したがって、外接長方形の直角を成す2辺
の長さや比が、所定の範囲を超えて大きくなったり小さ
くなったりした場合、光ピックアップの不良と判定でき
る。特に、面積が正常なスポットと同じでありながら、
0次光のスポットが楕円等に変形するような異常による
不良を高い感度で検出し、判定できる。
【0048】5)占有率の比較 抽出画像に外接する長方形に対する抽出画像の占有率
は、抽出画像が理想的な0次光部分の円形の1図形の場
合、π/4となる。これに対し、上記したような理由に
より、図形が複数あるものや、たとえ0次光部分の1図
形であっても何らかの理由にて0次光のスポットが楕円
となった場合等は、外接長方形が大きくなるため、占有
率がπ/4近傍の値よりずれることとなる。
【0049】したがって、抽出画像の0次光部分の占有
率が、所定の範囲を超えて大きくなったり小さくなった
りした場合、光ピックアップの不良と判定できる。特
に、抽出画像の0次光部分が菱形の場合等、同じ面積を
有する正常なものと比べ、面積の変化や、円度、外形長
には現れず、これらの図形的特徴では判定できないが、
外接長方形は、同じ面積を有する正常なものと比較して
大きくなるため、占有率の違いとして現れ、このような
異常による不良を高い感度で検出し、判定できる。
【0050】ところで、上記の外接長方形としては、長
方形の直交する2辺が二次元座標軸に沿ったものと、抽
出画像の最大幅を1辺としたものとの2つある。前者の
二次元座標軸の2方向に沿った方は、所謂フィレ径と称
されるものであり、このフィレ径の計測は、フィレ座標
を求めることで行われ、容易に計測できる。これに対
し、最大幅を1辺とする方、つまり図形最大長,最大長
垂直幅を用いる方は、座標が固定されていないのでフィ
レ径に比べ計測は複雑化するが、フィレ径よりも常に正
確な外形長が計測できるといった利点がある。具体例を
挙げると、フィレ径は、楕円形でありながらその変形し
た方向によっては円形と同じ値となってしまう場合があ
るが、最大幅を利用した方は、スポットの変形した方向
に関係なく正確な外形長がわかる。
【0051】さらに、上記した5)の占有率の比較で
は、直交する2辺が二次元座標軸に沿った外接長方形に
対する占有率と、最大幅を1辺とした外接長方形に対す
る占有率との両方を行うことが好ましい。
【0052】詳しくは、発明の実施の形態の項で説明す
るが、占有率の比較においては、フィレ径を用いた場合
は不良と判定できるが、最大幅を用いた場合は不良と判
定できない場合や、或いはその反対の場合が生じ得るか
らである。したがって、不良と判定されるものに関して
は、必ず不良であるので、両方の外接長方形に対する判
定を行っておくことで、占有率を用いたより正確な判定
が可能となる。
【0053】また、上記の図形的特徴の比較による判定
は、1)面積値、2)図形数、3)円度、4)外接長方
形の直交する2辺の長さ及び/又はその比、5)占有率
の全ての比較を組み合わせて用いることが好ましい。
【0054】上記した1)〜5)の種々の図形的特徴の
比較それぞれにおける、各種の不良に対する判定能力及
び検出感度は異なるため、1)〜5)の各判定手法を組
み合わせることで、それそれの判定では不良とは判定で
きないものを補い、ほぼ全てのタイプの異常について、
正確に判定できる。
【0055】また、このような図形的特徴の比較による
光ピックアップの判定は、対物レンズの模擬ディスクに
対する姿勢調整後に行うことが好ましい。これにより、
対物レンズの姿勢を調整するだけで不良を解消できる光
ピックアップを不良として検出するような事態の招来を
回避できる。
【0056】以上のように、本発明の判定方法では、ス
ポット画像の全体を判定の対象とするため、取りこぼし
がなく、微小範囲の不良も発見でき、従来の直線上のデ
ータを基にした一部のデータでの判定のように、直線上
に無かった異常な画素のために誤った判定を行ってしま
うようなこともなく、また、小さなノイズによる測定精
度への影響もない。したがって、ムラの多い樹脂レンズ
を用いた光ピックアップの判定に特に適したものとな
る。
【0057】しかも、上記のように、全画素もしくは一
定の面積を持った領域を対象とした、1)面積、2)図
形数、3)円度、4)外接長方形の直交する2方向の辺
の長さ、5)外接長方形に対する抽出画像の占有率など
の演算は、画像処理ボード等を用いることで、高速にか
つ容易に処理が可能である。
【0058】また、従来の方法では、スポットの中心部
分の座標を求める必要があり、そのための位置合わせ等
に多大な時間を要していたが、これによれば、スポット
の中心座標を求める必要がないため、スポットは画像の
中のどの位置にあってもよく、このような位置の正確さ
はあまり必要ない。したがって、これによっても判定の
所要時間が短くなる。
【0059】また、抽出画像の図形的特徴を基にした判
定であるので、インターレースでの入力でもほぼ問題な
く判定可能であり、安価にて実現できる。
【0060】一方、本発明の第1の光ピックアップ検査
装置は、上記の課題を解決するために、模擬ディスク面
に結像されるレーザ光のスポットを撮像して得たスポッ
ト画像を基に光ピックアップの不良判定を行う光ピック
アップ検査装置において、スポット画像から、理想的な
スポットでは0次光の部分のみが抽出されるような輝度
を閾値として画像を抽出する抽出手段と、該抽出手段に
より抽出された抽出画像と理想的なスポットの抽出画像
との図形的特徴を比較して光ピックアップの不良を判定
する判定手段とを備えていることを特徴としている。
【0061】これによれば、抽出手段がスポット画像か
ら画像を抽出し、判定手段が抽出手段により得られた抽
出画像と理想的なスポットの抽出画像との図形的特徴を
比較して、光ピックアップの不良を判定する。このよう
な構成により、上記の作用を有する光ピックアップの不
良判定方法を用いた光ピックアップ検査装置を実現でき
る。
【0062】本発明の第2の光ピックアップ検査装置
は、第1の構成において、スポット画像から、0次光の
中心位置とスポット画像全体の中心位置とをそれぞれ求
める演算手段と、該演算手段にて求められた0次光の中
心位置とスポット画像全体の中心位置とを比較する比較
手段と、対物レンズのディスクに対する傾きを調整する
調整手段とを、さらに備えている構成である。
【0063】これによれば、演算手段が、0次光の中心
位置とスポット画像全体の中心位置とをスポット画像か
ら求め、比較手段が、求められた0次光の面積の中心と
0次光以外の面積の中心とを比較する。したがって、比
較結果を基に、調整手段を用いて0次光の中心位置とス
ポット画像全体の中心位置とが一致するように対物レン
ズの姿勢を調整することで、姿勢調整が可能となる。
【0064】このような調整は、スポット画像全体を対
象としているので、樹脂レンズを用いた光ピックアップ
に適している。また、このようにして、対物レンズのデ
ィスクに対する姿勢を予め調整しておくことで、姿勢調
整で解消するような光ピックアップの異常までもが検出
されるようなことがない。しかも、スポット画像を取り
込む構成や、演算手段、比較手段等は、光ピックアップ
の不良を判定するために必要な手段と共用でき、無駄の
ない構造とできる。
【0065】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕本発明の第1の実施の形態について図
1ないし図9に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。本実施の形態では、抽出画像の図形的特徴の比較と
して、抽出画像の面積を比較し、光ピックアップの良否
を判定する光ピックアップ検査装置について説明する。
【0066】本実施の形態に係る光ピックアップ検査装
置は、例えば図2に示す光ピックアップ組立調整ライン
の一点鎖線13にて示す判定位置に配されるものであ
る。図中、一点鎖線14にて示す分岐位置には、図示し
ないが分岐装置が配されており、この分岐装置にて、光
ピックアップ検査装置の判定結果を基に、組立調整ライ
ンを流れる光ピックアップ1…が選別され、良品は次工
程へ、不良品は不良品回収部へと搬送されることとな
る。
【0067】光ピックアップ検査装置は、図1に示すよ
うに、検査対象となる光ピックアップ1からのレーザ光
が結像される模擬ディスク6、この模擬ディスク6を取
り付けた顕微鏡7、CCD(Charge Coupled Device)カ
メラ9、画像処理装置11、ホストコンピュータ10、
及び画像モニタディスプレイ12を備えている。
【0068】光ピックアップ1の内部には、半導体レー
ザ2、半導体レーザ2から照射されたレーザ光の方向を
90°変更させて真上に導く立ち上げミラー5、立ち上
げミラー5にて導かれた光を模擬ディスク6面に集光し
て結像させる対物レンズ4、及びこの対物レンズ4を駆
動するアクチュエータ3が備えられている。尚、以降に
示す実施の形態でも同様であるが、アクチュエータ3と
模擬ディスク6との姿勢ずれは、特に断らない限り既に
調整されているものとする。
【0069】顕微鏡7は、模擬ディスク6面に結像され
たスポット画像を拡大するもので、内部には、減光する
ための光学フィルタ8が取り付けられている。また、顕
微鏡7の焦点位置は、レーザ光の焦点が模擬ディスク6
面にさえ合えば正確にスポット画像を顕微鏡7にて拡大
観測できるように、模擬ディスク6面に一致されてい
る。CCDカメラ9は、顕微鏡7で拡大された画像を撮
像するものであり、撮像した画像は、画像処理装置11
に送られる。これら顕微鏡7及びCCDカメラ9によ
り、撮像手段が構成されている。ここでの画像取り込み
は、安価なインターレースによる画像取り込みで十分で
ある。
【0070】画像処理装置11では、画像に例えば25
6階調の濃淡情報(輝度に応じる)を付して階調表示可
能なデータに処理する機能を有している。また、画像処
理装置11は、ある階調を閾値として閾値以上の部分の
みを「1」、それ以外の部分を「0」に置き換える2値
化機能、及び2値化された画像(以下、2値化画像と称
する場合もある)の面積を求める面積演算機能も有して
いる。ホストコンピュータ10は、画像処理装置11に
て求められた面積値を基に、後述のようにスポットが異
常であるか正常であるかを判定し、光ピックアップ1の
不良を判定するものである。これら画像処理装置11及
びホストコンピュータ10により、本発明における抽出
手段、判定手段が構成されている。画像モニタディスプ
レイ12は、必要に応じてスポット画像や2値化した画
像、その他の文字データ等を表示するものである。
【0071】上記の構成においては、光ピックアップ1
の半導体レーザ2で発生したレーザ光は、立ち上げミラ
ー5で方向を真上に変え、対物レンズ2により模擬ディ
スク6面にスポット像を結像する。結像されたスポット
像は、顕微鏡7により拡大されると共に、光学フィルタ
8にて十分減光された後、CCDカメラ9にて撮像され
る。CCDカメラ9にて撮像されたスポット画像は、画
像処理装置11に送られ、ホストコンピュータ10の指
示のもと階調情報が付されると共に、2値化処理、面積
演算等の処理が施される。そして、ホストコンピュータ
10が、算出された2値化画像の面積値を基に、検査対
象としている光ピックアップ1のスポットの異常・正常
を判定し、光ピックアップ1の良否を判定する。尚、光
ピックアップ1の良否の判定方法の詳細については、フ
ローチャート等を用いて後述する。
【0072】また、上記の構成において、光ピックアッ
プ1から照射されるレーザ光の焦点を模擬ディスク6面
に合わせる方法としては、光ピックアップ1に備えられ
たサーボ機能を用いることで簡単に行える。つまり、ア
クチュエータ3内の対物レンズ4は、各光ディスクの記
録、再生装置で使用される場合には、トラッキング方
向、及びフォーカス方向にそれぞれサーボがかかり、常
時特定のトラックにレーザのフォーカスが合うようにな
っている。したがって、光ピックアップ1側と模擬ディ
スク6との間のフォーカスを合わせるには、このうちの
フォーカスのサーボ機能のみを用いればよく、これによ
りレーザ光のフォーカスは常時模擬ディスク6面に合う
ようにでき、顕微鏡7側の焦点面と一致させることがで
きる。
【0073】このように光ピックアップ1本来の機能を
用いてフォーカスを合わせる場合は、最終的に製品に組
み込んだ場合と同じ状態のスポット画像が得られるとい
う特徴をもち、フォーカスサーボ機能の不良等も同時に
検出できるといった利点がある。
【0074】尚、フォーカスを合わせる手法はどのよう
な手法でもよく、例えば光ピックアップ1の上下位置を
調整することなどでも可能であり、上記のようにフォー
カスサーボ機能を用いることに何ら限定されるものでは
ない。
【0075】以下に、本光ピックアップ検査装置によ
る、光ピックアップ1の良否判定について説明する。理
想的な光ピックアップ1の場合における、模擬ディスク
6面に結像されたスポット像を撮像して得たスポット画
像(中間調画像)を図3に示す。前述したように、中央
部の円がレーザによる基本的なスポットであり、最も輝
度の高い0次光である。そして、この0次光から同心円
状に広がっている環状の像が、内側から順に1次光、2
次光、3次光…である。これらは、半径の最も小さい1
次光の輝度が最も高く、2次光、3次光…と外側になる
につれて低輝度となるが、間隔はほぼ等間隔になってい
る。但し、実際には、2次光以降は、顕微鏡等で観測で
きない場合もある。したがって、以降のスポット画像は
1次光もしくは2次光までを対象とし、それ以上は図示
しない。
【0076】これに対して、不良とされる光ピックアッ
プ1のスポット画像を図6(b)〜(j)、及び図7
(b)〜(h)のそれぞれ左側に示す。尚、各々の右側
の画像は、左側のスポット画像を、理想的なスポットで
0次光部分のみが抽出されるような輝度を閾値として抽
出して得た2値化画像(抽出画像)である。図6(a)
及び図7(a)は、比較の対象となる良好な光ピックア
ップ1の標準的なスポット画像(左側)とその2値化画
像(右側)である。
【0077】図6(b)は、輝度が全体的に低く0次光
が小さくなったものである。同図(c)は、逆に輝度が
全体的に高く0次光が大きくなったものである。同図
(d)は、同図(c)のものよりもさらに輝度が高くな
り、0次光がさらに大きくなったものである。同図
(e)は、1次光に偏りがあり一部が欠けてしまったも
のである。同図(f)(g)は、0次光の形が楕円になっ
たものである。同図(h)は、0次光が変形しているも
のである。同図(i)は、0次光らしきものが2つに分
離しているものである。同図(j)は、1次光の一部の
輝度が異常に高いものである。
【0078】また、図7(b)は、0次光が欠けたよう
になっているものである。同図(c)は、0次光らしき
ものが全体的に変形しているものである。同図(d)
は、0次光が弱く1次光が強いものである。同図(e)
は、1次光が正常なものより強く、0次光が弱いもので
ある。同図(f)(g)は、0次光が長く変形し、1次光
と重なっているものである。同図(h)は、0次光が菱
形になっているものである。
【0079】一方、図4は、図6(a)及び図7(a)
に示したものと同じ、理想的な良品の光ピックアップ1
のスポット画像(但し、図4では2次光までを表示して
いる)であり、図に示すa,bはそれぞれ、このスポッ
トの中心を通過する直線L1,L2 における輝度分布を
示している。この図から分かるように、理想的なスポッ
トでは、中心を通過する任意の直線部分の輝度は全て中
心で対称であり、かつ同じ分布となる。
【0080】図5は、スポットの輝度分布(スポットの
中心を通る直線上のもの)と、2値化画像との関係を示
している。図にcにて示す輝度分布は、図4のbと同じ
ものであるが、このcよりレーザ光の全体の輝度が低い
スポットの輝度分布を示すものがgである。またcより
レーザ光の全体の輝度が高いスポットの輝度分布を示す
ものがfである。eにて示すものは、fよりさらに全体
の輝度が高いスポットの輝度分布であるが、顕微鏡7や
CCDカメラ9等の許容する輝度の最大値を越えた場合
等は、dのように中央部が飽和したものとなる。
【0081】また、図中の破線hは、理想的なスポット
では0次光部分のみが抽出されるように設定された、画
像形成装置11にて2値化処理する際の閾値を示してお
り、このh以上の領域を「1」、それ以外の領域を
「0」とする2値化を行うと、c〜gのような輝度分布
をもつスポット画像は、S1 〜S4 に示すような2値化
画像となる。
【0082】cにて示す標準的な輝度分布の場合の2値
化画像は、S2 の円となる。このcよりも輝度が低いg
の場合では、S1 の円となる。このS1 はS2 より面積
が小さい。また逆に輝度の高いfの場合ではS3 の円と
なる。このS3 の面積はS2の面積よりも大きい。さら
に、輝度の高いd,eの場合には、1次光の領域までも
含んだS4 のような形となる。この場合も当然面積はS
2 の面積よりも大きい。
【0083】すなわち、2値化によって得られる2値化
画像の面積はスポットの輝度が高いほど大きくなるとい
う関係にあり、これを利用することで、2値化画像の面
積が所定の範囲を超えて大きかったり小さかったりする
光ピックアップ1は不良であると判定できる。
【0084】本光ピックアップ検査装置では、このよう
な技術思想に基づき、模擬ディスク6面に結像したスポ
ット像を撮像して得たスポット画像を2値化処理し、そ
の2値化画像の面積を演算し、演算結果を基に、この面
積が所定の範囲内であれば、正常なスポットであるとし
て光ピックアップ1は良品、面積が所定の範囲外であれ
ば、異常なスポットであるとして光ピックアップ1は不
良品と判定するようになっている。
【0085】本光ピックアップ検査装置における光ピッ
クアップ1の良否を判定する手順を、図8のフローチャ
ートに示す。但し、ここで用いる面積値の許容範囲を表
す基準値1と基準値2には、基準値1<基準値2の関係
がある。
【0086】まず、顕微鏡7、CCDカメラ9を用いて
模擬ディスク6面に結像されたスポット像を取り込み
(S1)、このスポット画像を、画像処理装置11にて
2値化する(S2)。次に、2値化画像の面積を求め
(S3)、この面積が面積の最小基準である基準値1よ
り小さいかどうかを判定する(S4)。求めた面積が基
準値1より小さいと判定した場合は、異常有りの処理を
行い終了する(S5)。
【0087】一方、S4にて、面積が基準値1以上と判
定した場合は、続いて、この面積が面積の最大基準であ
る基準値2より大きいかどうかを判定する(S6)。こ
こで、求めた面積が基準値2より大きいと判定した場合
も異常有りの処理を行い終了する(S5)。
【0088】そして、S6にて面積が基準値2以下と判
定した場合、つまり、求めた面積が基準値1と基準値2
との間にあるときは、異常なしの処理を行い終了する
(S7)。
【0089】S7における異常なしの処理としては、こ
こでは、上記した分岐装置に、光ピックアップ1を次工
程へ搬送するような信号を送ることであり、S5におけ
る異常有りの処理は、分岐装置に光ピックアップ1を不
良品回収部へ搬送するような信号を送ることである。そ
の他、例えば、異常なしの処理としては、良品であるこ
とを表示したり、異常有りの処理としては、面積が小さ
過ぎる異常か大き過ぎる異常かを別々に表示したりする
こと等も考えられる。
【0090】上記の判定基準となる基準値1,2は、例
えばある条件で得たスポット画像の2値化画像の場合、
良品の面積を1とすると、レーザ光不足のものは0.5
以下となり、逆に輝度の大きいものや何らかの異常によ
りスポットが肥大したものは、1.5以上であったの
で、このような結果を基に設定すればよい。
【0091】このような面積を基にした判定により、輝
度不足、輝度過多等の異常のために、図6(a)に示す
正常な2値化画像の面積より所定の範囲を越えてその2
値化画像の面積が大きくなった図6(c)(d)や図7
(f)(g)に示すような異常スポット、或いは小さくな
った図6(b)や図7(e)に示すような異常スポット
となる光ピックアップ1を、確実に検出して不良と判定
できる。
【0092】以上のように、本実施の形態の光ピックア
ップ検査装置では、模擬ディスク6面に結像したスポッ
ト像を取り込んで得たスポット画像を2値化処理し、そ
の2値化画像の面積が所定の範囲を超えておれば異常な
スポットの不良品と判定し、所定の範囲内であれば、正
常なスポットの良品と判定するようになっている。
【0093】これにより、輝度不足、輝度過多による0
次光部分が円形でありながら、その面積が正常なスポッ
トに比べて許容範囲を超えて小さくなったり大きくなっ
たりする光ピックアップ1の不良を確実に判定できる。
さらに、0次光以外の領域に閾値以上の高い輝度を持っ
た不正な輝点がある場合は、2値化画像における明確な
面積増加として現れるので、このような不良に関しても
検出が可能である。そして特に、面積は半径の2乗のオ
ーダで変化するため、例えば後述するフィレ径等の外接
長方形による外形長を用いた場合よりも、良否判定の閾
値が決めやすいといった利点がある。また、スポット光
は多少楕円であるので、従来の手法のように1断面の輝
度分布で判定する方法ではその長軸側と短軸側とでは判
定結果が違ってしまうが、面積の場合は長軸側と短軸側
の方向によらず測定できる。
【0094】その他、本光ピックアップ検査装置では、
このような構成により、以下のような作用・効果も得ら
れる。
【0095】A)スポット画像の全体を判定の対象とす
るため、取りこぼしがなく、微小範囲の不良も発見で
き、従来の直線上のデータを基にした一部のデータでの
判定のように、直線上に無かった異常な画素のために誤
った判定を行ってしまうようなこともなく、多少スポッ
トの形がひずんでもあまり影響を与えない。また、2値
化して高輝度の部分のみを判定対象とするため、低輝度
のノイズ成分は全く無視して行うことができ、微小なノ
イズ等にて判定結果が左右されるようなことがない。し
たがって、対物レンズ4にムラの多い樹脂レンズを用い
た光ピックアップ1の判定に特に適したものとなる。
【0096】B)上記のような輝度の検査のためにはレ
ーザ光の光量を計る専用の光量計を使う方法もあるが、
上記した光ピックアップ1は非常に小型であるため、ス
ポットの観察のために複数の撮像もしくは受光手段を1
つの装置内に設置することは困難であり、光量計を使う
ためには、輝度検査のためだけに検査ステージを設ける
必要があり非常に無駄である。これに対し、上記のスポ
ット画像による判定であれば、目視検査用の画像や他の
スポット検査工程の画像を取り込むことで判定できるの
で、検査ステージを増やすことなく、光量検査が行える
というメリットがある。従来から、姿勢調整用等、光ピ
ックアップ1の組立工程、組付け工程には、模擬ディス
ク6面に結像したスポット画像を拡大して検査する項目
があり、また、目視によるスポットの異常検査でもスポ
ット画像を入力するために顕微鏡やカメラを用いている
ので、これらを共用できる。
【0097】C)特に、画像処理装置11を用いた場
合、画像全体(例えば512×512の計262,14
4画素の場合で)の2値化処理に必要な時間や面積の計
算に必要な時間は、一般的な画像処理ボードでそれぞれ
十〜数十msec程度で行え、高速なものでは数mse
cで可能である。また、2値化に至っては、画像の読み
込みと同時に可能な場合もあるので、この判定にかかる
画像処理は非常に高速であり、判定に要する時間が非常
に短い。
【0098】D)従来の1断面の輝度分布で判定する方
法では、まずスポットの中心部分の座標を求める必要が
あるため、高々1μm程度しかないスポットの位置を正
確に決まった位置に調整、保持しなければならず、ま
た、わずかな振動でも位置がずれるため、高い剛性も必
要とされ、結果としてこのような位置の固定は困難であ
る。そこで、スポットの中心は、画像をある程度スキャ
ンして求める必要があるが、この場合もかなりの回数の
輝度部分の測定を画像全体にわたって行う必要があり、
多大な時間を要する。これに対し、上記の構成では、単
純に取り込んだスポット画像全体を2値化して、2値化
画像の面積を求めるだけであるため、スポットは視野内
にさえあれば、どの位置にあってもよく、このような位
置の正確さは必要ない。したがって、これによっても判
定の所要時間を短くでき、加えて、装置に求められる剛
性を低くでき、コストを低く抑えることもできる。
【0099】E)インターレースでの入力では、交互に
撮像した時間が違うため、図35(d)に示すようにわ
ずかにずれており、0次光の周辺である輝度変化の最も
大きな部分での輝度分布は同図(b)に示すようにがた
がたのものとなる。この場合は各直線の輝度情報をもと
に処理や判定することは難しく、できてもその処理は複
雑になる。これに対し、上記のように面積を求める手法
では、このようなわずかなズレやがたがたは全く問題な
く判定可能である。したがって、安価なインターレース
での入力でも迅速にかつ正確に判定できる。
【0100】尚、ここでは、画像処理に画像処理装置1
1といった専用のハードを用いた構成で考えたが、本実
施の形態の光ピックアップ検査装置としては、これに限
定されるものではない。
【0101】例えば、昨今のデジタル回路やPCの高速
化により、フレームメモリに取り込まれた画像を2値化
して面積を求めることも、十分高速にできるようになっ
てきているので、画像処理装置11を使用せず、パソコ
ン内にスポット像を取り込める装置さえあれば同様の処
理を十分実用に耐える範囲で実現可能である。
【0102】この場合の面積を求める手順を、図9のフ
ローチャートを用いて説明する。まず、上記と同様の方
法で画像をパソコン等でアクセスできる領域に取り込む
(S1)。次に、面積を演算するためのカウンタSを0
にする(S11)。そして、X=0、Y=0として、X
がX軸の全画像領域の最大座標であるXmaxまで、Y
がY軸の全画像領域の最大座標であるYmaxまで2重
ループを構成する(S12〜S20)。そして、1ルー
プ毎に、記憶手段Dに(X,Y)座標の画素データをロ
ードし(S14)、その輝度が基準輝度(閾値)より大
きいかどうか判定し(S15)、輝度が基準輝度より大
きい場合のみカウンタSに1を加える(S16)といっ
た処理を行う。このような2重ループを全画素数回回
す。その結果、ループが完了した状態では、カウンタS
には基準輝度より大きな輝度を有する画素の個数が記憶
されていることになる。その後は、前述の図8のフロー
チャートに示すS4以降の処理を行えば良い。
【0103】以上により、画像処理装置11による2値
化を用いなくても、基準輝度より大きな輝度を持つ面積
の計算が可能となる。このように基準輝度以上となる部
分を抽出した画像の面積を基にした判定でも、上記と同
様の作用・効果が得られる。但し、一般的に処理速度に
関しては、画像処理装置11を用いた場合の方が高速と
なる。
【0104】〔実施の形態2〕本発明の実施の他の形態
について図1、図2、図6、図7、図10〜図17、図
24に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施
の形態では、抽出画像の図形的特徴の比較として、抽出
画像の0次光部分に外接する長方形の直交する2辺の長
さ及び/又はその比を比較し、光ピックアップ1の良否
を判定する光ピックアップ検査装置について説明する。
【0105】スポットの形状は、一般にはわずかに楕円
である場合が多いが、あまり楕円であるスポットしか得
られない光ピックアップ1の性能はよくないことが知ら
れている。また、スポットが異常な形をしている場合に
も当然その光ピックアップ1は不良と言える。スポット
の外形長を表す数字としては、スポットに外接する長方
形の直交する2辺の長さで表す、フィレ径がある。
【0106】図10に、フィレ径やフィレ座標(最大X
座標、最小X座標等)の関係を示す。この図から分かる
ように、フィレ径X(FX)は、最大X座標(FXma
x)と最小X座標(FXmin)との差であり、フィレ
径Y(FY)は、最大Y座標(FYmax)と最小Y座
標(FYmin)との差である。
【0107】図11に、同じ面積をもつ円と楕円のフィ
レ径の比較を表す。前述の図6(f)(h)に示した異常
のある光ピックアップ1の場合、2値化画像がこの図1
1に示す楕円形となる。これのフィレ径やフィレ座標を
正常な図6(a)のもの(円)と比較すると明らかに違
うことがわかる。したがって、フィレ径やフィレ径の比
が正常なものと比較して大きく差のある場合には、その
光ピックアップ1は不良であると判定できる。
【0108】本光ピックアップ検査装置では、このよう
な技術思想に基づき、模擬ディスク6面に結像したスポ
ット像を撮像して得たスポット画像を2値化処理し、そ
の2値化画像に外接する長方形の直交する2辺の長さを
求め、その各長さ、及び2辺の比が、何れか一つでもそ
れぞれの所定の範囲を超えておれば、異常なスポットで
あり、光ピックアップ1は不良であると判定するように
なっている。
【0109】尚、光ピックアップ検査装置の構成自体
は、図1に示した前述の実施の形態1の光ピックアップ
検査装置と同じであり、また、図2に示す光ピックアッ
プ1の組立ラインに配置されている。そして、ここで
は、画像形成装置11が後述のように2値化画像を基
に、フィレ座標を演算するようになっている。
【0110】本光ピックアップ検査装置における光ピッ
クアップ1の良否を判定する手順を、図12のフローチ
ャートに示す。
【0111】まずは、顕微鏡7、CCDカメラ9を用い
て模擬ディスク6面に結像されたスポット像を取り込み
(S21)、このスポット画像を、画像処理装置11に
て2値化する(S22)。そして、2値化された画像の
フィレ座標を求める(S23)。
【0112】このS23の2値化画像を基にしたフィレ
座標の計測は、図13のフローチャートに示すアルゴリ
ズムにて実現できる。
【0113】つまり、スポット画像を2値化し(S41
の処理は、図12のフローチャートにおけるS22であ
る)、初期値として、最小X座標(FXmin)にX軸
の全画像領域の最大座標であるXmaxを、最大X座標
(FXmax)にX軸の全画像領域の最小座標である0
を、最小Y座標(FYmin)にY軸の全画像領域の最
大座標であるYmaxを、最大Y座標(FYmax)に
Y軸の全画像領域の最小座標である0を、それぞれ代入
する(S42)。
【0114】そして、X=0、Y=0として、XがX軸
の全画像領域の最大座標であるXmaxまで、YがY軸
の全画像領域の最大座標であるYmaxまでの2重ルー
プを構成する(S43〜S58)。そして、1ループ毎
に、記憶手段Dに(X,Y)座標の画素データをロード
し(S45)、その画素データが「1」であるか「0」
であるかを判定し(S46)、画素データが「0」の値
をもつ場合はなにもせず、次のループに入る。一方、画
像データが「1」の場合には、S47、S49、S5
1、S53の処理を行う。つまり、「1」であった画素
の位置(X、Y)のXとFXmin、FXmaxを、Y
とFYmin、FYmaxをそれぞれ比較し、 S47では、X<FXminならFXmin=X S49では、X>FXmaxならFXmax=X S51では、Y<FYminならFYmin=Y S53では、Y>FYmaxならFYmax=Y をそれぞれ行う。このような2重ループを全画素数回回
す。これにより、このループが終了した後には、対象と
なる画像の最大X座標はFXmaxに、最小X座標はF
Xminに、最大Y座標はFYmaxに、最小Y座標は
FYminに記憶されていることになる。
【0115】そして、このようにして求められたフィレ
座標を基に、フィレ径X、フィレ径Yを以下の(1)
(2)の式から求める(図12のフローチャート、S2
4)。
【0116】 フィレ径X = 最大X座標 − 最小X座標 +1 …(1) フィレ径Y = 最大Y座標 − 最小Y座標 +1 …(2) 尚、ここで+1とするのは、もし最大X(Y)座標と最
小X(Y)座標とが等しい場合に、0となりフィレ比F
Rが算出できないためである。
【0117】続いて、フィレ比(FR)を、(3)の式
を基に求める(S25)。
【0118】 フィレ比 = フィレ径X / フィレ径Y …(3) そして、S26〜S31にて、フィレ径X,Y,フィレ
比RFと基準値X1,X2,Y1,Y2、比基準値1,
2とを比較し、次の1つでも当てはまれば、異常とし
て、実施の形態1と同様の異常有りの処理を行う(S3
3)。
【0119】S26では、フィレ径Xが基準値X1より
小さいかどうか判定 S27では、フィレ径Xが基準値X2より大きいかどう
か判定 S28では、フィレ径Yが基準値Y1より小さいかどう
か判定 S29では、フィレ径Yが基準値Y2より大きいかどう
か判定 S30では、フィレ比が比基準値1より小さいかどうか
判定 S31では、フィレ比が比基準値2より大きいかどうか
判定 そして、S26〜S31にて全てNoと判定された場
合、つまり、フィレ径X、フィレ径Y、フィレ比が全て
一定の範囲(良品のデータ等から決定)にある場合のみ
異常がなかったとして、実施の形態1と同様の異常なし
の処理を行う(S32)。尚、ここでは、6種の比較に
より判定したが、その一部のみで判定を行ってもよい。
【0120】上記の基準値X1はフィレ径X最小許容
値、基準値X2はフィレ径X最大許容値、基準値Y1は
フィレ径Y最小許容値、基準値Y2はフィレ径Y最大許
容値、比基準値lはフィレ比の最小許容値、比基準値2
はフィレ比の最大許容値であり、基準値X1<基準値X
2、基準値Y1<基準値Y2、比基準値1<比基準値2
の関係にある。基準値X1、基準値Y1は正常な円の場
合の値より少し小さい値、基準値X2、基準値Y2は正
常な円の場合の値より少し大きい値、比基準値1は1よ
り少し小さい値、比基準値2は1より少し大きい値とな
る。
【0121】具体例を挙げると、良品でのフィレ径を1
とすると0.8以下、1.3以上のものは不良品とし、
その比は、良品を1として0.7以下、1.5以上のも
のは不良となることから、このような値を基にして、上
記基準値X1,Y1,X2,Y2、比基準値1,2を設
定すればよい。
【0122】このようなフィレ径を用いた判定により、
例えば図6(d)(e)(f)(g)(h)(i)(j)、図7
(d)(e)(f)(g)に示すような異常スポットの光ピッ
クアップ1を、不良と判定できる。これらのうち、図6
(f)(g)(h)のような異常スポットの場合は、フィレ
比を基にした判定が、フィレ径X,Yを用いた場合より
も検出感度が高くなる。また、図6(d)や図7(d)
(f)(g)の場合、フィレ比は正常な場合とほぼ同じと
なるが、フィレ径X,Yが明らかに大きくなるので、不
良と判定できる。図6(e)(i)(j)の場合は、図14
(a)(b)(c)に示すように、二つの図形に外接する外
接長方形を基にフィレ径X,Yが算出されることとな
る。
【0123】以上のように、本光ピックアップ検査装置
では、模擬ディスク6面に結像したスポット像を取り込
んで得たスポット画像を2値化処理し、その2値化画像
に外接する長方形の2辺の長さを基に、2辺の長さ及び
その比が所定の範囲内に入っていない場合は、異常なス
ポットの不良品と判定し、所定の範囲内に入っておれ
ば、正常なスポットの良品と判定するようになってい
る。
【0124】これにより、2値化画像が楕円に変形した
場合はもちろん、0次光部分に閾値以上の輝度を有する
不正な輝点が存在する場合などは外接長方形が大きくな
るので、このような異常スポットの光ピックアップ1を
フィレ径の異常にて確実に判定できる。
【0125】そして、このような構成により、実施の形
態1にて示したA)〜E)と同じ効果を有する。つま
り、 A)スポット画像の全体を判定の対象とするため、取り
こぼしがなく、微小範囲の不良も発見でき、多少スポッ
トの形がひずんでもあまり影響を与えない。また、2値
化して高輝度の部分のみを判定対象とするため、低輝度
のノイズ成分は全く無視して行うことができ、微小なノ
イズ等にて判定結果が左右されるようなことがない。し
たがって、対物レンズ4にムラの多い樹脂レンズを用い
た光ピックアップ1の判定に特に適したものとなる。
【0126】B)画像さえ入力できれば処理可能なた
め、他の画像による処理がある場合はその画像入力を流
用可能な場合がある。この場合は、検査のため新たな検
査ステージを増すことなく実現できる。
【0127】C)全体的に処理が簡単で容易に実現でき
る。また処理にかかる時間も高速である。
【0128】D)画像の中心位置に関係なく処理できる
ため、細かな位置合わせや、面倒な中心検出の必要がな
く、その結果、所要時間の短縮、必要とされる剛性の低
減等が図れる。
【0129】E)インターレースでの入力でも、2値化
された図形等に大きな変化はなく、ほぼ問題なく判定可
能である。
【0130】尚、ここでも画像処理に画像処理装置11
といった専用のハードを用いた構成で考えたが、これに
限定されるものではなく、例えば、画像処理装置11に
よる2値化機能を用いることなく、2値化せずにフィレ
座標を計測することも、図15のフローチャートに示す
ようなのアルゴリズムで実現できる。
【0131】図13のフローチャートと図15のフロー
チャートとを比べて明らかなように、両者の違いは、S
41のステップを有するかどうかの違いで、2値化した
場合は、図13のフローチャートのS46において、画
素データが「0」であるか「1」であるかを判断し、
「1」である場合のみ、S47へと移行するが、2値化
しない場合は、図15のフローチャートのS60に示す
ように、輝度の比較をして、輝度が基準輝度以上の場合
のみS47へと移行するようになっている。
【0132】これによっても、基準輝度より大きな輝度
を持つ画像のフィレ座標を得ることができる。但し、一
般的に処理速度に関しては、画像処理装置11を用いる
場合の方が高速となる。尚、画像処理装置11を用いて
フィレ径を求める場合は、一般に2値化した画像に対し
て行うが、画像処理装置11を用いる場合は、2値化
も、フィレ座標の計測も容易にかつ非常に高速に求める
ことができる。
【0133】さらに、画像処理装置11によっては、図
形の最大幅等を高速に計測できるものも存在する(例え
ば、シャープセミコンダクタ製GPB1等)。図形の最
大幅や最小幅等の詳細を図16に示す。つまり、図形最
大長(MaxL)とは、図形の最も長い方向について計
った長さであり、最大長垂直幅(MaxW)とは図形最
大長の方向に対して垂直な方向に図形を挟む平行線の間
隔を示す。また、その比、長短比(MaxR)は、
(4)の式で求まる。
【0134】 長短比 = 図形最大長 / 最大長垂直幅 …(4) したがって、画像処理装置11に図形の最大幅等を高速
に計測できるものを用いることで、画像処理装置11を
用い、図17のフローチャートに示すような手順を用い
ても、フィレ径と同様に光ピックアップ1の良否を判定
できる。
【0135】つまり、2値化画像に対して、S61、S
62で、図形最大長、最大長垂直幅をそれぞれ求め、上
記の(4)の式にて長短比を求める(S63)。そし
て、求まった図形最大長、最大長垂直幅、長短比を、S
26’〜S31’にて、前述の図12におけるS26〜
S31のフィレ径の場合と同等の比較により判定を行え
ば、不良の判定が可能となる。
【0136】フィレ径を用いる場合と、図形最大長,最
大長垂直幅を用いる場合とでは、得られる値が多少異な
るという違い等は存在するが、どちらを使用しても、特
別な場合も除いて、おおむね判定は可能である。
【0137】ここで言う、特別な場合とは、図24
(d)のような場合である。このような2値化画像の場
合、フィレ径を用いて不良と判定することができない。
つまり、同図(a)は正常な円形であり、同図(d)は
斜めに楕円となったものである。フィレ径での判定で
は、同図(a)の場合も同図(d)の場合の何方も、フ
ィレ径X,Yの比であるフィレ比(FR)はほぼ1とな
る。したがって、同図(d)のような場合で、外接する
長方形の1辺の長さが各辺の長さの基準値程度である場
合は、判定不可能となる。しかしながら、この場合で
も、最大幅を用いた外接長方形の2辺である図形最大
長,最大長垂直幅を基にした判定では、その比が1とは
大きく異なるため、判定が可能となる。
【0138】つまり、フィレ径を用いる判定は、フィレ
座標の計測が容易であり、画像処理装置11無しでも十
分行えるものの、外接する長方形の2方向が、X、Y座
標の各方向が固定されているため、スポットの変形した
方向により(回転方向により)、図形最大長,最大長垂
直幅を用いることで判定できる不良を判定できないとい
った不具合を有している。一方の図形最大長,最大長垂
直幅を用いる判定は、スポットの変形した方向に関係な
く計測できるものの、高速に行うには、画像処理装置1
1等が必要になる場合が多くなる。
【0139】尚、ここでは、2値化画像にある全図形を
対象としてフィレ径、図形最大長,最大長垂直幅を算出
するようにしたが、画像処理装置11に備えられている
ラベリング機能を用いてラベリングすることで、0次光
部分のみを対象とし、0次光部分の異常のみを見ること
も可能である。高輝度ではあるが、非常に微小なもの
で、光ピックアップ1の性能に影響を与えない程度のノ
イズもあり、このようなノイズが、2値化画像に微少な
画像として残り、これを1図形としてフィレ径等を計測
すると、この微少なノイズのせいで、正常なスポットも
不良と判定される場合があるが、このようなラベリング
機能を用いて0次光部分のみを対象とすることで、この
ような不具合を回避できる。
【0140】〔実施の形態3〕本発明の実施の他の形態
について図1、図2、図6、図7、図18、図19に基
づいて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態で
は、抽出画像の図形的特徴の比較として、抽出画像の図
形数を比較し、光ピックアップ1の良否を判定する光ピ
ックアップ検査装置について説明する。
【0141】2値化画像の図形数は、良品の光ピックア
ップ1の場合当然lつとなるが、図6(d)(e)(i)
(j)、図7(d)に示すような異常なスポットの場
合、2つの図形を有する2値化画像が得られ、また、図
7(e)の場合は0個となる。したがって、2値化画像
の図形数が1以外の場合には、その光ピックアップ1が
不良であると判定できる。
【0142】本光ピックアップ検査装置では、このよう
な技術思想に基づき、模擬ディスク6面に結像したスポ
ット像を撮像して得たスポット画像を2値化処理し、そ
の2値化された画像の図形数を求め、それが1以外の場
合は全て異常なスポットであるとして光ピックアップ1
は不良であると判定するようになっている。
【0143】尚、光ピックアップ検査装置の構成自体
は、図1に示した前述の実施の形態1の光ピックアップ
検査装置と同じであり、配置ラインも、図2の光ピック
アップ1の組立ラインである。そして、ここでは、画像
形成装置11が後述のように2値化画像を基に2値化画
像の中にいくつの図形があるかを、ラベリング機能を用
いてカウントするようになっている。ラベリング機能と
は、画像に順番に番号をつける機能であり、このラベリ
ング機能を用いることで図形数のカウントは容易に行え
る。このようなラベリング機能も画像処理としては一般
的な機能であり、画像処理装置11に備えられた機能で
ある。
【0144】本光ピックアップ検査装置における光ピッ
クアップ1の良否を判定する手順を、図18のフローチ
ャートに示す。
【0145】まずは、顕微鏡7、CCDカメラ9を用い
て模擬ディスク6面に結像されたスポット像を取り込み
(S71)、このスポット画像を、画像処理装置11に
て2値化する(S72)。次いで、ラベリング機能を用
いて2値化画像の図形数をカウントする(S73)。そ
して、カウントした個数が「1」であるかどうかを判定
し(S74)、「1」である場合は異常がなかったとし
て、実施の形態1と同様の異常なしの処理を行う(S7
5)。一方、「1」以外であれば、異常ありとして、実
施の形態1と同様の異常有りの処理を行う(S76)。
【0146】このような判定により、図形数が2個とな
る例えば図6(d)(e)(i)(j)、図7(d)に示すよ
うな異常スポットとなる光ピックアップ1を、不良と判
定できる。また、図形数が0個となる例えば図7(e)
に示すような異常スポットとなる光ピックアップ1を、
不良と判定できる。
【0147】以上のように、本光ピックアップ検査装置
では、模擬ディスク6面に結像したスポット像を取り込
んで得たスポット画像を2値化処理し、その2値化画像
の図形数が1以外であれば、異常なスポットの不良品と
判定し、1であれば正常なスポットの良品と判定するよ
うになっている。
【0148】これにより、2値化画像が複数の図形を有
するような光ピックアップ1の不良を、確実に判定でき
る。また、0次光以外の領域に閾値以上の輝度を持った
不正な輝点がある場合も、図形数が1より多くなるの
で、このような不良に関しても検出が可能である。
【0149】そして、このような構成により、実施の形
態2にて示した1)〜5)と同じ効果を有する。
【0150】ところで、高輝度ではあるが、非常に微小
なもので、光ピックアップ1の性能に影響を与えない程
度のノイズもあり、このようなノイズが、2値化した画
像に微小な画像として残ると、上記の図18のフローチ
ャートに示す判定手順では、微小なノイズのせいで、正
常なスポットも不良と判定される場合があり得る。
【0151】そこで、このような不具合は、図19のフ
ローチャートに示すように、図形の面積を算出し、一定
の面積以下のものは、ノイズと見なし、1つの図形とカ
ウントしないようにすることで解消できる。
【0152】つまり、画像入力後2値化してラベリング
し(S71〜S73)、ラベリングされた各図形ごとの
面積を計測する(S80)。この面積の計測は、画像処
理ボード等では非常に高速に行える。そして、カウンタ
Cを0として、ラベリングされた図形の個数回(N回)
だけ、以下のループ処理を行う(S82〜S85)。ル
ープ内では、各ラベリングされた図形の面積と基準面積
とを比較し(S83)、基準面積よりも大きいものの場
合だけカウンタCに1を加える(S84)。
【0153】このループが終了したときのカウント数C
が「1」以外の場合のみ、光ピックアップ1を不良と判
定し、異常有りの処理を行う(S76)。
【0154】〔実施の形態4〕本発明の実施の他の形態
について図1、図2、図6、図7、図20、図21、図
24に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施
の形態では、抽出画像の図形的特徴の比較として、抽出
画像の0次光部分の円度を比較し、光ピックアップ1の
良否を判定する光ピックアップ検査装置について説明す
る。
【0155】円度(R)は、以下に示す(5)の式で定
義されるものである。
【0156】 円度 = 4π × S / L2 …(5) 式中のSは2値化画像が1図形の場合はその図形の面積
であり、Lは、図20(a)(b)に示す図形の周囲長で
ある。一方、2値化画像が複数図形の場合は、Sは総面
積であり、Lは、図20(c)(d)に示す各図形を繋ぐ
包絡線の長さである。
【0157】円度はその形が円であり、その円内に空洞
の全く無い場合に1となり、円から遠ざかるほどその値
は低くなる。スポットの0次光の形はほぼ円であるた
め、2値化したあと計測した円度の値が、一定以下の場
合は不良と判定することができる。
【0158】たとえば、図6(h)、図7(b)(c)に
示すような異常スポットとなる光ピックアップ1でも、
2値化画像の面積は正常なスポットに比べ大きく変わら
ないため、実施の形態1の面積値を基にした判定では、
不良と判定できない。しかしながら、周囲長は大きくな
るため、(5)の式で計算される値は小さくなる。した
がって、このような不良の場合は、円度が小さくなるた
め、円度による判定が可能になる。
【0159】このような技術思想に基づき、模擬ディス
ク6面に結像したスポット像を撮像して得たスポット画
像を2値化処理し、その2値化された画像の面積と外周
長、或いは包絡線から、2値化画像の円度を求め、それ
が所定値を超えておれば、異常なスポットであるとして
光ピックアップ1は不良であると判定するようになって
いる。
【0160】尚、光ピックアップ検査装置の構成自体
は、図1に示した前述の実施の形態1の光ピックアップ
検査装置と同じであり、配置ラインも、図2の光ピック
アップ1の組立ラインである。そして、ここでは、画像
形成装置11が後述のように2値化画像を基に、2値化
画像の面積、周囲長、或いは包絡線を演算し、ホストコ
ンピュータ10がそれらの値を基にして円度を計算する
ようになっている。
【0161】ところで、周囲長を計測する場合、図20
(a)に示すように、2値化画像の凹みに沿わない場合
と、同図(b)に示すように、外周に沿って求める場合
の二つの求め方があるが、(a)よりも(b)の方が一
般的に測定した外周の長さは長くなるため、円度は小さ
くなる場合が多い。しかしながら、どちらの求め方でも
画像処理装置11(シャープセミコンダクタ製GPB1
等)で高速に計算できる。また、どちらの測定方法を用
いて円度を求めたとしても、適当な基準値を求めれば、
不良の検出が行える。
【0162】また、インターレースでの入力では、輝度
ががたがたになるが、この程度のわずかな変化では、図
20(a)の求め方ではほとんど計測値に変化はなく、
ほぼ問題なく判定可能である。
【0163】本光ピックアップ検査装置における光ピッ
クアップ1の良否を判定する手順を、図21のフローチ
ャートに示す。
【0164】まずは、顕微鏡7、CCDカメラ9を用い
て模擬ディスク6面に結像されたスポット像を取り込み
(S91)、このスポット画像を、画像処理装置11に
て2値化する(S92)。そして、2値化画像の面積
と、周囲長或いは包絡線の長さを求め(S93,S9
4)、上記の(5)の式を用いて円度を計算する(S9
5)。そして、円度が基準値RRより大きいなら(S9
6)、円度による判定では異常がなかったとして、実施
の形態1と同様の異常なしの処理を行う(S97)。一
方、基準値RR以下であれば、円度の判定による異常と
して、実施の形態1と同様の異常有りの処理を行う(S
98)。
【0165】このような円度を用いた判定により、2値
化画像の面積は正常なスポットに比べ大きく変わらない
が、周囲長が大きい図6(h)、図7(b)(c)(f)
(g)に示すような異常スポットとなる光ピックアップ
1を、不良品と判定できる。特に図7(b)に示すよう
な円が一部欠けただけのスポット画像となる光ピックア
ップ1は、図24(f)に示すように、その外接する長
方形が円の場合と同じであり、この円の大きさが概ね正
常なものと同じであるため、外接長方形の2辺の長さを
基にした判定では、フィレ径を用いても、図形最大長,
最大長垂直幅を用いても、判定はできなかったものであ
る。
【0166】以上のように、本光ピックアップ検査装置
では、模擬ディスク6面に結像したスポット像を取り込
んで得たスポット画像を2値化処理し、その2値化画像
の円度が基準値より小さければ、異常なスポットの不良
品と判定し、基準値以内であれば、正常なスポットの良
品と判定するようになっている。
【0167】したがって、特に、面積値やフィレ径、図
形最大長,最大長垂直幅等は同じでありながら、0次光
のスポットの外周が細かく変化するような異常を確実に
検出し、判定できる。
【0168】そして、このような構成により、実施の形
態2にて示した1)〜5)と同じ効果を有する。
【0169】尚、ここでは、2値化画像にある全図形を
対象として円度を算出するようにしたが、画像処理装置
11に備えられているラベリング機能を用いてラベリン
グすることで、0次光部分のみを対象とし、0次光部分
の異常のみを見ることも可能である。高輝度ではある
が、非常に微小なもので、光ピックアップ1の性能に影
響を与えない程度のノイズもあり、このようなノイズ
が、2値化画像に微小な画像として残り、これを1図形
として円度を計測すると、この微小なノイズのせいで、
正常なスポットも不良と判定される場合があるが、この
ようなラベリング機能を用いて0次光部分のみを対象と
することで、このような不具合を回避できる。
【0170】〔実施の形態5〕本発明の実施の他の形態
について図1、図2、図6、図7、図22〜図25に基
づいて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態で
は、抽出画像の図形的特徴の比較として、抽出画像に外
接する長方形に対する該抽出画像の占有率を比較し、光
ピックアップ1の良否を判定する光ピックアップ検査装
置について説明する。
【0171】2値化画像の、該2値化画像に外接する長
方形に対する占有率は、以下に示す(6)の式で定義さ
れるもので、2値化画像の面積とこの2値化画像の外接
長方形の面積を計算することで、外接長方形に対する2
値化画像の占有率(OC)を求めることができる。
【0172】 占有率 = 2値化画像の面積 / 外接長方形の面積 …(6) ここでの外接長方形の面積(RS)として、フィレ径X
(FX)、フィレ径Y(FY)を使用する場合は、 RS = FX × FY …(7) 図形最大長(MaxL)、最大長垂直幅(MaxW)を
使用する場合は、 RS = MaxL × MaxW …(8) で計算できる。
【0173】理想的な場合のスポットの0次光は円形で
あり、2値化画像が円形の1図形のみとなるため、その
占有率は、 占有率 = スポットの0次光部分の面積 / 外接する長方形の面積 = 円の面積(半径r) / 円に外接する正方形の面積 =πr2 /(2r×2r) =π/4 ≒0.785 となる。したがって、占有率がこの値付近の場合となる
光ピックアップ1は良品、そうでない場合は不良品とす
ることで判定できる。
【0174】本実施の形態に係る光ピックアップ検査装
置は、模擬ディスク6面に結像したスポット画像を取り
込み、これを2値化処理し、その2値化画像の面積とそ
れに外接する長方形の面積とから、2値化画像の占有率
を求め、それが所定の範囲内であれば、正常なスポット
であるとして光ピックアップ1は良品と判定し、所定の
範囲外であれば、異常なスポットであるとして光ピック
アップ1は不良品と判定するようになっている。
【0175】尚、光ピックアップ検査装置の構成自体
は、図1に示した前述の実施の形態1の光ピックアップ
検査装置と同じであり、配置ラインも、図2の光ピック
アップ1の組立ラインである。そして、ここでは、画像
形成装置11が後述のように2値化画像を基に、2値化
画像の面積、外接長方形の面積を演算し、ホストコンピ
ュータ10がそれらの値を基にして占有率を求めるよう
になっている。
【0176】外接する長方形の面積は、図22(a)
(c)に示すような、前述の実施の形態3で用いた、フ
ィレ径の場合と、同図(b)(d)に示すような、図形最
大長を使用する場合とがあるが、どちらを使用したとし
ても、この値が一定の範囲に無い場合は不良と判定でき
る。
【0177】本光ピックアップ検査装置における光ピッ
クアップ1の良否を判定する手順を、図23のフローチ
ャートに示す。
【0178】まずは、顕微鏡7、CCDカメラ9を用い
て模擬ディスク6面に結像されたスポット像を取り込み
(S101)、このスポット画像を、画像処理装置11
にて2値化する(S102)。そして、2値化画像の面
積を求め(S103)、続いて、外接長方形の2辺の長
さを求める(S104)。ここでの処理は、フィレ座標
の取得とフィレ径の計算、或いは、図形最大長と最大長
垂直幅の取得の何れでもよい。
【0179】次いで、外接長方形の面積を計算し(S1
05)、上記の(6)の式を用いて占有率を計算する
(S106)。そして、占有率が基準値O1より小さい
かどうかを判定し(S107)、小さい場合は異常とし
て、実施の形態1と同様の異常有りの処理を行う(S1
10)。一方、占有率が基準値O1以上の場合は、続い
て、占有率が基準値O2より大きいかどうかを判定し
(S108)、大きい場合は、異常として異常有りの処
理を行う(S110)。一方、占有率が基準値O1と基
準値O2との間の場合は異常がなかったとして、実施の
形態1と同様の異常なしの処理を行う(S109)。
【0180】但し、ここで用いた各基準値には、基準値
O1<π/4、π/4<基準値O2<1の関係があり、
例えば良品の光ピックアップ1では2値化画像は0次光
部分の図形のみでほぼ円形に近いため、フィレ径による
外接長方形の面積を用いた場合の占有率は、0.74〜
0.8の値しか取らないが、菱形のようなスポット形と
なる不良では、0.5〜0.7となることが分かってお
り、このような数値を用いればよい。
【0181】このような判定により、図7(h)に示す
ような異常スポットとなる光ピックアップ1でも不良品
と判定できる。この図7(h)に示す異常スポットとな
る光ピックアップ1は、図24(e)に示すように、フ
ィレ径や図形最大長,最大長垂直幅が、同図(a)にて
示す正常なものと変わらないため、面積や図形数による
判定はもちろん、フィレ径や図形最大長,最大長垂直
幅、並びに円度を用いた判定でも不良と判定できなかっ
たものである。
【0182】以上のように、本光ピックアップ検査装置
では、模擬ディスク6面に結像したスポット像を取り込
んで得たスポット画像を2値化処理し、その2値化され
た画像の占有率が所定の範囲内であれば、正常なスポッ
トであり光ピックアップ1は良品であると判定し、所定
の範囲外であれば、異常なスポットであり光ピックアッ
プ1は不良品であると判定するようになっている。
【0183】これにより、特に、0次光のスポット外周
が菱形に変化となるような、面積値はおろか、円度や、
フィレ径、図形最大長,最大長垂直幅による判定を用い
ても判定できなかった異常を確実に判定できる。
【0184】そして、このような構成により、実施の形
態2にて示した1)〜5)と同じ効果を有する。
【0185】ところで、フィレ径を使用して外接長方形
の面積を求める方は、計測が容易であり、画像処理装置
11を用いずとも十分行える反面、X、Yの各方向が固
定されているため、スポットの変形した方向により(回
転方向により)、計算された占有率の値が異なることと
なる。一方、図形最大長、最大長垂直幅を使用して外接
長方形の面積を求める方は、占有率の値が計測スポット
の変形した方向に関係なく同じ値となるといった利点を
有する反面、高速に行うには、画像処理装置11が必要
になる場合が多い。しかしながら、どちらを用いるか
で、得られる占有率は多少異なるという違いは存在する
が、特別な場合を除いて、どちらを使用しても、概ね判
定は可能である。
【0186】ここで言う特別な場合とは、2値化画像
が、図24(b)(c)(d)(e)に示すような場合であ
る。占有率がπ/4(≒0.785)に近くなるような
場合は、占有率による判定はできない。
【0187】図24(a)は、正常な形であり、同図
(b)(c)(d)は楕円となったものである。しかしなが
ら、同図(b)(c)のような場合は、フィレ径を用いて
も図形最大長,最大長垂直幅を用いても、双方とも外接
長方形は同じ形になる。そして、これらの場合、楕円の
面積は、1×長軸長/2×短軸長であり、外接する長方
形の面積は長軸長×短軸長となるので、占有率は同図
(a)の円形の場合と同じπ/4≒0.785となり、
占有率による判定ができない。
【0188】しかしながら、同図(d)の場合は、フィ
レ径を用いる場合は、図からもわかるように、外接する
長方形の面積が、図形最大長,最大長垂直幅を用いたも
のに比べて大きくなる。したがって、フィレ径を用いた
占有率の計算値は、π/4≒0.785より小さくなる
ため、変形していることを判定できる。
【0189】また、逆に、同図(e)のように、フィレ
径を用いた占有率の計算値が、その回転方向によって
は、π/4≒0.785付近になることがありうる。こ
の場合には当然フィレ径を用いた占有率の計算では判定
できないが、図形最大長,最大長垂直幅を用いた占有率
の計算では、その外接長方形の面積はフィレ径を用いた
場合より大きくなるため、判定が可能となる。
【0190】つまり、より正確な判定のためには、占有
率の判定を、フィレ径による判定と、図形最大長による
判定の双方とも行えばよい。この場合の判定手順を図2
5のフローチャートに示す。
【0191】S104a〜S106aにて、外接長方形
の面積をフィレ径から求め、この長方形に対する占有率
を求め、この占有率が基準値O3と基準値O4の間であ
るかどうかの判定を行い(S107a,S108a)、
この範囲外であれば、異常有りの処理を行う(S11
0)。一方、この範囲内であれば、続いて、S104b
〜S106bにて、外接長方形の面積を図形最大長と最
大長垂直幅とから求め、この長方形に対する占有率を求
め、この占有率が基準値O5と基準値O6の間にあるか
どうかの判定を行う(S107b,S108b)。ここ
でも、この範囲外であれば、異常有りの処理を行い(S
110)、この範囲内であれば、異常なしの処理を行う
(S109)。
【0192】このような判定により、占有率を基にし
た、より高い不良の判定が可能となる。但し、ここで用
いた各基準値には、基準値O3<π/4、π/4<基準
値O4<1、基準値O5<π/4、π/4<基準値O6
<1の関係がある。
【0193】尚、ここでは、2値化画像にある全図形を
対象として占有率を算出するようにしたが、画像処理装
置11に備えられているラベリング機能を用いてラベリ
ングすることで、0次光部分のみを対象とし、0次光部
分の異常のみを見ることも可能である。高輝度ではある
が、非常に微小なもので、光ピックアップ1の性能に影
響を与えない程度のノイズもあり、このようなノイズ
が、2値化画像に微小な画像として残り、これを1図形
として外接長方形の面積を計算し、占有率を計測する
と、この微小なノイズのせいで、正常なスポットも不良
と判定される場合があるが、このようなラベリング機能
を用いて0次光部分のみを対象とすることで、このよう
な不具合を回避できる。
【0194】〔実施の形態6〕本発明の実施の他の形態
について図1、図2、図6、図7、図26に基づいて説
明すれば、以下の通りである。本実施の形態の光ピック
アップ検査装置は、抽出画像の図形的特徴の比較とし
て、面積、図形数、外接長方形の2辺の長さ及びその
比、円度、及び占有率の全てを比較し、光ピックアップ
1の良否を判定する光ピックアップ検査装置について説
明する。
【0195】前述した実施の形態1〜5の各光ピックア
ップ検査装置の判別能力はそれぞれ異なるため、ある装
置では不良と判定できるものの、別の装置では不良と判
定できないものがある。しかしながら、基本的には、前
述した実施の形態1〜5の各光ピックアップ検査装置の
何れか1つにより不良と判定された光ピックアップ1
は、不良であることに変わりない。したがって、全ての
判定手法で不良でないと判定されたもののみ良品とし
て、いずれか1つの判定手法においてでも不良と判定さ
れた光ピックアップ1は不良品とすることで、より確実
に不良品を発見することが可能となる。
【0196】例を挙げて説明すると、図6(b)に示す
ようなスポットとなる光ピックアップ1が不良であるこ
とは、実施の形態1の光ピックアップ検査装置による面
積を基にした判定で容易に行える。しかしながら、この
スポットの2値化画像の図形はほぼ円形であるため、実
施の形態5の光ピックアップ検査装置による占有率を基
にした判定では、占有率がほぼπ/4となり判定できな
い。ところが、逆に図7(h)のようなスポットとなる
場合は、同図(a)に示す、正常なスポットの2値化画
像と面積が同じ程度であるため、実施の形態1の光ピッ
クアップ検査装置では不良と判定できないが、実施の形
態5の光ピックアップ検査装置では、不良と判定するこ
とができる。
【0197】このように、それぞれの判定手法を単独で
用いた場合では不良と判定できない不良を、複数の判定
手法を組み合わせることで判定できるようになり、複数
の種類の判定を行えば、不良の発見率が向上する。
【0198】また、各判定手法では、各種の不良に対す
る検出感度が異なる。例えば、図6(b)のような不良
は、フィレ径が基準値より小さいため、実施の形態2の
検査装置による、外接長方形の2辺の長さやその比を基
にした判定でも、不良判定は可能である。しかしなが
ら、実施の形態1の光ピックアップ検査装置では、面積
を測定しているため、フィレ径に対し2乗の感度で検出
できることとなる。すなわち、ある不良を複数の判定手
法で判定可能であるが、上記した実施の形態1〜5の各
光ピックアップ検査装置は、それぞれに適した分野の不
良の判定に特に有効となる。
【0199】そのため、実施の形態1〜5の光ピックア
ップ検査装置による各判定手法をできる限り多く併用し
た判定とすることで不良品の発見率が向上する。
【0200】また、前述の実施の形態5にて説明したよ
うに、占有率を基にした判定でも、2つの手法のうち、
1方で不良と判定できるが、もう一方の手法では不良と
判定できない場合があり、その逆もある。このように、
占有率や外形長を求める手法では、その中でも複数併用
すればよいものもある。
【0201】そこで、本実施の形態に係る光ピックアッ
プ検査装置は、2値化画像に対して、面積、図形数、外
接長方形の2辺の長さ及びその比、円度、占有率による
各判定を全て組み合わせて行い、いかなる判定において
も不良と判定された光ピックアップ1のみ不良品と判定
するようになっている。これにより、不良検出能力の極
めて高い光ピックアップ検査装置が実現されている。
【0202】尚、光ピックアップ検査装置の構成自体
は、図1に示した前述の実施の形態1の光ピックアップ
検査装置と同じであり、配置ラインも、図2の光ピック
アップ1の組立ラインである。
【0203】本光ピックアップ検査装置における、光ピ
ックアップ1の良否を判定する手順を、図26のフロー
チャートに示す。
【0204】顕微鏡7、CCDカメラ9を用いて模擬デ
ィスク6面に結像されたスポット像を取り込み(S11
1)、このスポット画像を、画像処理装置11にて2値
化する。そして、まず、2値化画像をラベリングしてそ
の図形数を数え(S113)、図形数による判定を行う
(S114)。ここで、図形数が1個以外なら不良と判
定し、実施の形態1にて示したと同じ、異常有りの処理
を行い(S129)、以下の判定は行わない。
【0205】S114の図形数による判定で、不良と判
定されなかった場合は、次に、2値化画像の面積を求め
(S115)、面積による判定を行う(S116)。こ
こでも、不良と判定した場合は、異常有りの処理を行い
(S129)、以下の判定は行わない。
【0206】S116の面積による判定で、不良と判定
されなかった場合は、次に、2値化画像のフィレ径とフ
ィレ比の計算を行い(S117)、フィレ径による判定
を行う(S118)。ここでも、不良と判定した場合
は、異常有りの処理を行い(S129)、以下の判定は
行わない。
【0207】S118のフィレ径による判定で、不良と
判定されなかった場合は、フィレ径の外接長方形の面積
と、2値化画像の面積とから占有率を求め(S11
9)、占有率から不良を判定する(S120)。ここで
も、不良と判定した場合は、異常有りの処理を行い(S
129)、以下の判定は行わない。
【0208】S120のフィレ径を用いた外接長方形に
よる占有率の判定で、不良と判定されなかった場合は、
さらに、図形最大長、最大長垂直幅、それらの比を求め
(S121)、それらの値による判定を行う(S12
2)。ここでも、不良と判定した場合は、異常有りの処
理を行い(S129)、以下の判定は行わない。
【0209】S122の判定でも、不良と判定されなか
った場合は、次に、図形最大長、最大長垂直幅により計
算される外接長方形の面積と、2値化画像の面積の比を
求め(S123)、この比から不良を判定する(S12
4)。ここでも、不良と判定した場合は、異常有りの処
理を行い(S129)、以下の判定は行わない。
【0210】S124の判定でも、不良と判定されなか
った場合は、最後に、2値化画像の外周長と円度を求め
(S125)、この値により判定を行い(S126)、
不良と判定した場合は、異常有りの処理を行う(S12
9)。そして、ここでも不良と判定しなかった場合は、
異常なしとして、実施の形態1と同様の異常なしの処理
を行う(S128)。
【0211】このような判定により、図6(b)〜
(j)、及び図7(b)〜(h)に示す異常スポットと
なる光ピックアップ1を、全て不良品として発見でき
る。したがって、図2のライン上で、次工程へと送られ
る光ピックアップ1は、ほぼ確実に良品であり、また、
良品のものが不良品回収部へと搬送されるようなことが
ない。
【0212】〔実施の形態7〕本発明の実施の他の形態
について図27ないし図30に基づいて説明すれば、以
下の通りである。
【0213】本実施の形態に係る光ピックアップ検査装
置は、図27に示すような構成を有している。本光ピッ
クアップ検査装置は、前述の実施の形態6にて示した光
ピックアップ検査装置に、さらに、対物レンズ4の姿勢
を調整する機能が付加されているものである。
【0214】前述したように、対物レンズ4の姿勢が模
擬ディスク6に対してずれていると、レーザ光の光軸が
ずれることとなり、模擬ディスク6の表面に結像するス
ポット像に輝度部分の偏りが出ることとなる。したがっ
て、対物レンズ4と模擬ディスク6とは、レーザ光の光
軸にずれがないように調整する必要があり、一般的に
は、対物レンズ4と模擬ディスク6とが平行になるよう
に調整された場合が最も高性能となる。
【0215】本実施の形態における光ピックアップ1で
は、対物レンズ4はアクチュエータ3に取り付けられた
ものであるため、光ピックアップ1本体に対するアクチ
ュエータ3の取り付け角度を調整することにより、対物
レンズ4と模擬ディスク6との角度調整が行われる。
【0216】アクチュエータ3の取り付け角度の調整
は、調整ネジ20a・20bとを、それぞれ調整ドライ
バ21a・21bにより調整することにより行われ、こ
れら調整ネジ20a・20bと調整ドライバ21a・2
1bにて調整手段が構成される。これら二つの調整ネジ
20a・20bで調整される対物レンズ4の角度の変化
の方向は、互いに直交している。
【0217】上記の調整ドライバ21a・21bは、そ
れぞれ回転モータ22a・22bからの駆動力が伝達さ
れることで回転されるようになっており、これら回転モ
ータ22a・22bの回転は、モータコントローラ23
a・23bにて制御される。これらモータコントローラ
23a・23bには、画像処理装置11とホストコンピ
ュータ10とで求めた角度の調整量を基にホストコンピ
ュータ10にて計算された調整モータ22a・22bそ
れぞれのモータ回転量が、ホストコンピュータ10から
情報として入力されるようになっている。画像処理装置
11とホストコンピュータ10とで、演算手段、比較手
段が構成されている。
【0218】以下に、本光ピックアップ検査装置におけ
る、アクチュエータ3の角度の調整量の算出方法を説明
する。まずは、調整の概要について説明しておく。対物
レンズ4に傾きがなく、アクチュエータ3の角度調整の
必要ない場合は、模擬ディスク6の表面に結像されるス
ポット像を取り込んで得たスポット画像は、図28
(a)に示すようなものとなり、反対に傾きが有り要調
整の場合には、図29(a)に示すようなものとなる。
これら各スポット画像を0次光部分のみが抽出されるよ
うな高輝度な値を閾値として2値化した画像の中心であ
る0次光中心P0 は各図における(b)に示すようにな
り、スポット画像を2値化せず階調情報のままで求めた
中心であるスポット画像中心Pa は各図における(c)
に示すようになる。各図における(d)は、0次光中心
0 とスポット画像中心Pa を併記したものである。
【0219】これら図28(a)〜(d)より、傾きの
ない状態では、0次光中心P0 とスポット画像中心Pa
とが一致することがわかる。したがって、図29(a)
に示すようなスポット画像となる光ピックアップ1にお
けるアクチュエータ3の傾きを調整するには、同図
(d)に示す0次光中心P0 とスポット画像中心P0
が一致するように調整すればよいことがわかる。
【0220】本光ピックアップ検査装置では、まず、不
良判定と同様、顕微鏡7やCCDカメラ9を用いて、模
擬ディスク6の表面に結像されたスポット像を撮像して
画像処理装置11内にスポット画像を取り込む。次に、
画像処理装置11にて、スポット画像における0次光中
心P0 と、スポット画像中心Pa とを求める。
【0221】このとき、スポット画像中心Pa (Mxa ,
ya)は、以下の式(9)にて求められる。
【0222】
【数1】
【0223】但し、上記の式中の記号は下記のように定
義されている。
【0224】 n:画素の番号 p:全画素数 Mxa:全体の重心のX座標 Mya:全体の重心のY座標 f(n) :画素nの輝度 x(n) :画素nのX座標 y(n) :画素nのY座標 上記の計算により、輝度を含めた画像の中心座標を得る
ことができる。
【0225】また、一般的に画像処理装置11は図形の
単純な中心の計算が高速にできるため、スポット画像中
心Pa (Mxa ,Mya)は、以下に示す式(10)のよう
な計算でも同様のことができる。
【0226】
【数2】
【0227】但し、上記の式中の記号は下記のように定
義されている。
【0228】 k:輝度 Mxa:全体の重心(輝度中心)のX座標 Mya:全体の重心(輝度中心)のY座標 m(k) :輝度kの部分の面積 mx (k) :輝度kの部分の中心のX座標 my (k) :輝度kの部分の中心のY座標 fmax :最大輝度 上記の計算により、輝度を含めた画像の中心座標を得る
ことができる。
【0229】これらの計算による輝度を考慮した重心の
座標は、レーザによるスポット画像のエネルギー中心を
示している。そして、0次光中心P0 (Mx 0 , My 0
)との差は、以下に示す式(11)にて決まる。
【0230】
【数3】
【0231】但し、上記の式中の記号は下記のように定
義されている。
【0232】 Dx :中心間のX座標の差 DY :中心間のY座標の差 Mxa:全体の重心のX座標 Mya:全体の重心のY座標 Mx 0 :0次光中心のX座標 My 0 :0次光中心のY座標 姿勢が調整された状態では、明らかにDx ,DY ともに
0となる。
【0233】図30(a)は、式(11)のDx ,DY
を説明するものである。Dx ,DYは、それぞれ同図
(b)(c)に示すような関係があることが非常に重要で
ある。尚、図中のTsq ,sqはアクチュエータ3の傾き
角を示している。
【0234】つまり、アクチュエータ3の傾き角度とD
x ,DY がほぼ直線的に変化することが重要である。こ
の関係は、輝度やフォーカスが多少変化しても大きく変
わることがない。この図30の場合には、計測された中
心間の距離のX成分とY成分のそれぞれに一定の定数を
掛け合わせたものが、Tsq ,sqとなる。また、非線形
となる部分に関しても、適当な二次関数を当てはめれば
近似可能である。
【0235】ホストコンピュータ10は、こうして得ら
れたTsq ,sqに応じた情報をモータコントローラ23
a・23bに出力し、モータコントローラ23a・23
bが該情報に応じて調整モータ22a・22bの回転駆
動を制御し、これにて調整ドライバ21a・21bが回
転し調整ネジ20a・20bを回転させて調整する。
【0236】この調整が完了した状態では、姿勢による
不良はほぼ完全に取り除かれた状態となる。尚、機械的
にガタが有る場合などの問題により、1回の回転では完
全な調整が行えないことが多いため、さらに計測、調整
を繰り返せば高精度な調整が可能となる。
【0237】その後、この状態で、光ピックアップ1の
不良の判定を行うことで、姿勢さえ調整すれば改善でき
るような不良を検出するようなことはなくなる。即ち、
完全な姿勢調整後に、不良判定を行えば、最も効率よく
判定を行えることになる。
【0238】以上のように、上記のようなスポット画像
を基にして対物レンズ4の姿勢を調整する姿勢調整の機
能を併用することで、非常に高速で、確実な光ピックア
ップ検査装置となる。そして、姿勢調整に要する部材
と、不良判定に要する部材とは、ほぼ同一部材で共用し
得るので、コストアップを伴うのものではなく、安価に
て完全自動化が実行できる。また、特に、このようなス
ポット画像全体を対象として姿勢を調整する方法は、ム
ラの多い樹脂レンズに対して有効であるので、本光ピッ
クアップ検査装置は、確実に樹脂レンズを用いた光ピッ
クアップ1の良・不良を判定できるものとなる。
【0239】尚、ここでは、スポット画像中心Pa を求
め、これと0次光中心P0 とを一致させることで姿勢を
調整するようにしていたが、スポット画像を2次光部分
程度が抽出されるような輝度を閾値として2値化し、2
値化画像を対象に、0次光部分の面積中心と、2値化画
像全体と面積中心とを一致させる、或いは、0次光部分
の面積中心と、2値化画像における0次光部分を除いた
領域の面積中心とを一致させるようにしても姿勢調整は
可能である。但し、精度的には、上記した輝度をとり入
れた姿勢調整の方が優れている。また、画像モニタディ
スプレイ12を黙視しながらの手動による姿勢調整もも
ちろん可能である。
【0240】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の光ピックアップ
の不良判定方法は、模擬ディスク面に結像されるレーザ
光のスポットを撮像して得たスポット画像を基にして、
光ピックアップの不良を判定する判定方法において、ス
ポット画像から、理想的なスポットでは0次光の部分の
みが抽出されるような輝度を閾値として画像抽出し、抽
出により得た抽出画像と理想的なスポットの抽出画像と
の図形的特徴の比較により、光ピックアップの不良を判
定するものである。
【0241】本発明の請求項2記載の光ピックアップの
不良判定方法は、請求項1の方法において、上記の図形
的特徴の比較として、面積値を比較するものである。
【0242】本発明の請求項3記載の光ピックアップの
不良判定方法は、請求項1の方法において、上記の図形
的特徴の比較として、図形数を比較するものである。
【0243】本発明の請求項5記載の光ピックアップの
不良判定方法は、請求項1の方法において、上記の図形
的特徴の比較として、4π×S/L2 の式(Sは抽出画
像の面積、Lは、抽出画像が複数図形の場合は全図形を
結ぶ包絡線の長さであり、抽出画像が1図形の場合はそ
の図形の周囲長)で求まる抽出画像の円度を比較するも
のである。
【0244】本発明の請求項6記載の光ピックアップの
不良判定方法は、請求項1の方法において、上記の図形
的な特徴の比較として、抽出画像に外接する長方形の直
交する2辺の長さ及び/又は長さの比を比較するもので
ある。
【0245】本発明の請求項7記載の光ピックアップの
不良判定方法は、請求項1の方法において、上記の図形
的な特徴の比較として、抽出画像に外接する長方形に対
する該0次光部分の占有率を比較するものである。
【0246】本発明の請求項13記載の光ピックアップ
検査装置は、スポット画像から、理想的なスポットでは
0次光の部分のみが抽出されるような輝度を閾値として
画像を抽出する抽出手段と、該抽出手段により抽出され
た抽出画像と、理想的なスポットの抽出画像との図形的
特徴を比較して光ピックアップの不良を判定する判定手
段とを備えている構成である。
【0247】このような光ピックアップの不良判定方
法、及びそれを用いた光ピックアップ検査装置によれ
ば、スポット中心を求める必要がないので、高速で確実
な判定が可能となる。また、全画素を対象として行うた
め、取りこぼしや、直線の取り方による判定の相違が発
生せず、ムラや欠けに強い、かつ繰り返し判定しても殆
ど結果に違いのでない安定した判定が可能である。この
ため、樹脂レンズのように、精度の比較的悪いレンズを
使ったピックアップの判定にも使用可能である。
【0248】また、撮像をインターレースによる入力と
しても、わずかなズレ程度なら、全く、或いはほぼ問題
なく処理が可能になり、コスト削減が図れる。
【0249】さらに、抽出画像の図形的特徴の比較によ
る判定は、何れも基本的に現在の画像処理ボード等で広
く用いられている処理を基に構成できるため、安定した
確実な判定を、容易に実現できる。また、多くの画素を
対象とするにもかかわらず非常に高速に処理できる。
【0250】しかも、視野内にスポット画像を取り込め
ば良いので、決まった位置に画像がある必要はなく、そ
のスポットの位置あわせの時間が短縮でき、トータルの
タクトタイムが短くできる。
【0251】これらの結果、本発明の判定方法、及びそ
れを用いた光ピックアップ検査装置により、生産現場の
人員削減、生産のコストダウン、生産装置のコストダウ
ン、並びに、判定ばらつきがなくなることによる品質の
向上等の効果を奏する。
【0252】また、本発明の請求項4記載の光ピックア
ップの不良判定方法は、請求項3の不良判定方法におい
て、抽出画像における基準値以上の面積を有する図形の
みを1図形として用いるものである。
【0253】これにより、図形数を基にした判定におい
て、高輝度ではあるが、光ピックアップの性能に関係の
ない微小なノイズによる図形までも計測され、そのよう
な微小な問題のないノイズにより、良品の光ピックアッ
プまでも不良と判定されるような判定ミスを回避できる
という効果を奏する。
【0254】また、本発明の請求項8記載の光ピックア
ップの不良判定方法は、請求項6又は7の不良判定方法
において、比較に用いられる長方形として、該長方形の
直交する2辺が二次元座標軸に沿ったものを用いるもの
である。
【0255】これにより、外接長方形の2辺を容易に計
測できるので、処理のさらなる高速化が図れると共に、
画像処理ボードを用いずとも実現可能であるといった効
果がある。
【0256】また、本発明の請求項9記載の光ピックア
ップの不良判定方法は、請求項6又は7の判定方法にお
いて、比較に用いられる長方形として、抽出画像の最大
幅を1辺としたものを用いるものである。
【0257】これにより、スポットの変形した方向に関
係なく正確な外形長が計測できるので、請求項6による
判定において、より正確な判定が可能となるといった効
果がある。
【0258】また、本発明の請求項10記載の光ピック
アップの不良判定方法は、請求項7の判定方法におい
て、上記の占有率による比較は、直交する2辺が二次元
座標軸に沿った長方形に対する占有率と、抽出画像の最
大幅を1辺とした長方形に対する占有率との両方を用い
て行うものである。
【0259】これにより、請求項7の占有率を用いた判
定において、より正確な判定が可能となるといった効果
がある。
【0260】また、本発明の請求項11記載の光ピック
アップの不良判定方法は、請求項1の判定方法におい
て、図形的特徴の比較として、面積値、図形数、4π×
S/L2 の式(Sは抽出画像の面積、Lは、抽出画像が
複数図形の場合は全図形を結ぶ包絡線の長さであり、抽
出画像が1図形の場合はその図形の周囲長)で求まる抽
出画像の円度、抽出画像に外接する長方形の直交する2
辺の長さ及び/又は長さの比、及び抽出画像に外接する
長方形に対する該抽出画像の占有率の全ての比較を用い
る構成である。
【0261】これにより、複数の判定手法を組み合わせ
ることで、各々の判定では判定できないスポットの異常
による光ピックアップの不良を補いほぼ全ての異常を判
定できるという効果がある。
【0262】また、本発明の請求項12記載の光ピック
アップの不良判定方法は、請求項1ないし11の何れか
の判定方法において、対物レンズの模擬ディスクに対す
る姿勢調整後に実施するものである。
【0263】これにより、対物レンズの姿勢を調整する
だけで不良を解消できる光ピックアップの検出を避ける
ことができ、より効果的な判定が実施できるという効果
を奏する。
【0264】また、本発明の請求項14記載の光ピック
アップ検査装置は、請求項13の構成において、さら
に、スポット画像から、0次光の中心位置とスポット画
像全体の中心位置とをそれぞれ求める演算手段と、該演
算手段にて求められた0次光の中心位置とスポット画像
全体の中心位置とを比較する比較手段と、対物レンズの
ディスクに対する傾きを調整する調整手段とを備えてい
る構成である。
【0265】これにより、対物レンズの姿勢ズレによる
調整と共に、光ピックアップのスポットの判定が行える
ので、優れた光ピックアップ検査装置となり、しかも、
スポット画像を取り込む部分や、演算手段、比較手段等
は、光ピックアップの不良判定に要するものを共用でき
るので、無駄のない検査装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光ピックアッ
プ検査装置の一構成を示すブロック図である。
【図2】上記光ピックアップ検査装置が配置される、光
ピックアップの組立調整ラインを示す説明図である。
【図3】原理的なスポットの中間調画像であるスポット
画像を示す図面代用写真である。
【図4】スポットの中間調画像であるスポット画像を示
す図面代用写真を含む、通常の良好なスポットのスポッ
ト画像とその輝度分布とを示す説明図である。
【図5】スポットの輝度分布と2値化画像との関係を示
す説明図である。
【図6】(a)は良好な光ピックアップのスポットの中
間調画像であるスポット画像とその2値化画像とを示す
図面代用写真であり、(b)〜(j)は不良な光ピック
アップのスポットの中間調画像であるスポット画像とそ
の2値化画像とを示す図面代用写真である。
【図7】(a)は良好な光ピックアップのスポットの中
間調画像であるスポット画像とその2値化画像とを示す
図面代用写真であり、(b)〜(h)は不良な光ピック
アップのスポットの中間調画像であるスポット画像とそ
の2値化画像とを示す図面代用写真である。
【図8】上記光ピックアップ検査装置における、2値化
画像の面積を基にした不良判定の手順を示すフローチャ
ートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る他の光ピック
アップ検査装置にて実施される、一定輝度以上の画素の
数を計測して面積を求めるアルゴリズムを示すフローチ
ャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る光ピックア
ップ装置にて不良判定に用いられる、フィレ径及びフィ
レ座標を示す説明図である。
【図11】同じ面積を有し形状がそれぞれ異なる場合の
フィレ径の違いを比較して示す説明図である。
【図12】上記光ピックアップ検査装置における、2値
化画像のフィレ径を基にした不良判定の手順を示すフロ
ーチャートである。
【図13】上記光ピックアップ検査装置にて実施され
る、2値化画像からフィレ座標を求めるアルゴリズムを
示すフローチャートである。
【図14】上記光ピックアップ装置にて不良判定に用い
られる、フィレ径及びフィレ座標を示す説明図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る他の光ピッ
クアップ検査装置にて実施される、輝度情報からフィレ
座標を求めるアルゴリズムを示すフローチャートであ
る。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係る他の光ピッ
クアップ検査装置にて不良判定に用いられる、図形最大
長、最大長垂直幅を示す説明図である。
【図17】上記光ピックアップ検査装置における、図形
最大長、最大長垂直幅を基にした不良判定の手順を示す
フローチャートである。
【図18】本発明の第3の実施の形態に係る光ピックア
ップ検査装置における、2値化画像の図形数を基にした
不良判定の手順を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第3の実施の形態に係る他の光ピッ
クアップ検査装置における、2値化画像の図形数を基に
した不良判定の手順を示すフローチャートである。
【図20】本発明の第4の実施の形態に係る光ピックア
ップ装置にて不良判定に用いられる円度の演算に必要な
外周長、包絡線の求め方を示す説明図である。
【図21】上記光ピックアップ検査装置における、円度
を基にした不良判定の手順を示すフローチャートであ
る。
【図22】本発明の第5の実施の形態に係る光ピックア
ップ装置にて不良判定に用いられる占有率に係わる外接
長方形を示す説明図である。
【図23】上記光ピックアップ検査装置における、占有
率を基にした不良判定の手順を示すフローチャートであ
る。
【図24】外接長方形の違いによる占有率の違いを示す
説明図である。
【図25】本発明の第5の実施の形態に係る他の光ピッ
クアップ検査装置における、占有率を基にした不良判定
の手順を示すフローチャートである。
【図26】本発明の第6の実施の形態に係る光ピックア
ップ検査装置における、図形数、面積、フィレ径やその
比、図形最大長やその比、占有率、及び円度を基にした
判定を全て行う手順を示すフローチャートである。
【図27】本発明の第7の実施の形態に係る光ピックア
ップ検査装置の構成を示すブロック図である。
【図28】上記光ピックアップ検査装置にて実施され
る、対物レンズの傾き量を計測する方法を説明するもの
で、このうち(a)(c)(d)は、スポットの中間調画像
であるスポット画像を示す図面代用写真を含むものであ
る。
【図29】上記光ピックアップ検査装置にて実施され
る、対物レンズの傾き量を計測する方法を説明するもの
で、このうち(a)(c)(d)は、スポットの中間調画像
であるスポット画像を示す図面代用写真を含むものであ
る。
【図30】上記光ピックアップ検査装置にて実施される
対物レンズの姿勢調整での、アクチュエータの傾き角度
とエネルギー中心位置のずれの関係を示すもので、この
うち(a)は、スポットの中間調画像であるスポット画
像を示す図面代用写真を含むものである。
【図31】スポットの中間調画像を示す図面代用写真を
含む、傾きの無い状態でのスポットの中間調画像とその
輝度分布とを示す説明図である。
【図32】スポットの中間調画像を示す図面代用写真を
含む、傾きの有る状態でのスポットの中間調画像とその
輝度分布とを示す説明図である。
【図33】従来技術のスポット判定方法を示す説明図で
あり、(a)はスポットの中間調表示を示す図面代用写
真である。
【図34】従来技術のスポット判定方法を示す説明図で
ある。
【図35】スポットをインターレースによる入力で取り
込んだ場合において生じる画像ずれを示す説明図であ
り、(a)はスポットの中間調表示を示す図面代用写真
を含む。
【符号の説明】 1 光ピックアップ 2 半導体レーザ 3 アクチュエータ 4 対物レンズ 6 模擬ディスク 7 顕微鏡(撮像手段) 9 CCDカメラ(撮像手段) 10 ホストコンピュータ(判定手段、抽出手段、演
算手段、比較手段) 11 画像処理装置(判定手段、抽出手段、演算手
段、比較手段) 12 画像モニタディスプレイ 20a 調整ネジ(調整手段) 20b 調整ネジ(調整手段) 21a 調整ドライバ(調整手段) 21b 調整ドライバ(調整手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−259784(JP,A) 特開 平6−215414(JP,A) 特開 平6−187660(JP,A) 特開 平6−317414(JP,A) 特開 平5−46768(JP,A) 特開 昭61−282978(JP,A) 特開 平6−267080(JP,A) 特開 平4−123335(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/22 G06T 7/00 - 7/22

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】模擬ディスク面に結像されるレーザ光のス
    ポットを撮像して得たスポット画像を基にして、光ピッ
    クアップの不良を判定する不良判定方法において、 スポット画像から、理想的なスポットでは0次光の部分
    のみが抽出されるような輝度を閾値として画像抽出し、
    抽出により得た抽出画像と理想的なスポットの抽出画像
    との図形的特徴の比較により、光ピックアップの不良を
    判定することを特徴とする光ピックアップの不良判定方
    法。
  2. 【請求項2】上記の図形的特徴の比較として、面積値を
    比較することを特徴とする請求項1記載の光ピックアッ
    プの不良判定方法。
  3. 【請求項3】上記の図形的特徴の比較として、図形数を
    比較することを特徴とする請求項1記載の光ピックアッ
    プの不良判定方法。
  4. 【請求項4】抽出画像における基準値以上の面積を有す
    る図形のみを1図形として用いることを特徴とする請求
    項3に記載の光ピックアップの不良判定方法。
  5. 【請求項5】上記の図形的特徴の比較として、4π×S
    /L2 の式(Sは抽出画像の面積、Lは、抽出画像が複
    数図形の場合は全図形を結ぶ包絡線の長さであり、抽出
    画像が1図形の場合はその図形の周囲長)で求まる抽出
    画像の円度を比較することを特徴とする請求項1記載の
    光ピックアップの不良判定方法。
  6. 【請求項6】上記の図形的な特徴の比較として、抽出画
    像に外接する長方形の直交する2辺の長さ及び/又は長
    さの比を比較することを特徴とする請求項1記載の光ピ
    ックアップの不良判定方法。
  7. 【請求項7】上記の図形的な特徴の比較として、抽出画
    像に外接する長方形に対する抽出画像の占有率を比較す
    ることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップの不
    良判定方法。
  8. 【請求項8】上記の比較に用いられる長方形として、該
    長方形の直交する2辺が二次元座標軸に沿ったものを用
    いることを特徴とする請求項6又は7記載の光ピックア
    ップの不良判定方法。
  9. 【請求項9】上記の比較に用いられる長方形として、抽
    出画像の最大幅を1辺としたものを用いることを特徴と
    する請求項6又は7記載の光ピックアップの不良判定方
    法。
  10. 【請求項10】上記の占有率による比較は、直交する2
    辺が二次元座標軸に沿った長方形に対する占有率と、抽
    出画像の最大幅を1辺とした長方形に対する占有率との
    両方を用いて行うことを特徴とする請求項6記載の光ピ
    ックアップの不良判定方法。
  11. 【請求項11】上記の図形的特徴の比較として、面積
    値、図形数、4π×S/L2 の式(Sは抽出画像の面
    積、Lは、抽出画像が複数図形の場合は全図形を結ぶ包
    絡線の長さであり、抽出画像が1図形の場合はその図形
    の周囲長)で求まる抽出画像の円度、抽出画像に外接す
    る長方形の直交する2辺の長さ及び/又は長さの比、及
    び抽出画像に外接する長方形に対する該抽出画像の占有
    率の全ての比較を用いることを特徴とする請求項1記載
    の光ピックアップの不良判定方法。
  12. 【請求項12】対物レンズの模擬ディスクに対する姿勢
    調整後に実施することを特徴とする請求項1ないし11
    の何れかに記載の光ピックアップの不良判定方法。
  13. 【請求項13】模擬ディスク面に結像されるレーザ光の
    スポットを撮像して得たスポット画像を基に光ピックア
    ップの不良判定を行う光ピックアップ検査装置におい
    て、 スポット画像から、理想的なスポットでは0次光の部分
    のみが抽出されるような輝度を閾値として画像を抽出す
    る抽出手段と、 該抽出手段により抽出された抽出画像と理想的なスポッ
    トの抽出画像との図形的特徴を比較して光ピックアップ
    の不良を判定する判定手段とを備えていることを特徴と
    する光ピックアップ検査装置。
  14. 【請求項14】スポット画像から、0次光の中心位置と
    スポット画像全体の中心位置とをそれぞれ求める演算手
    段と、 該演算手段にて求められた0次光の中心位置とスポット
    画像全体の中心位置とを比較する比較手段と、 対物レンズのディスクに対する傾きを調整する調整手段
    とを、さらに備えていることを特徴とする請求項13記
    載の光ピックアップ検査装置。
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