JP3287385B2 - 自動給水装置 - Google Patents

自動給水装置

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JP3287385B2 JP10885596A JP10885596A JP3287385B2 JP 3287385 B2 JP3287385 B2 JP 3287385B2 JP 10885596 A JP10885596 A JP 10885596A JP 10885596 A JP10885596 A JP 10885596A JP 3287385 B2 JP3287385 B2 JP 3287385B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水田等を灌漑する
ための自動給水装置に関する
【0002】
【従来の技術】農作業においては、例えば灌漑施設によ
って水田に給水され、稲の発育によって必要に応じて水
が取り込まれている。稲作では時期によって水田に水を
張る必要があるため、用水路に設けられたバルブを農作
業に従事する人が自ら開閉することによって水の引き込
みを行う。しかし、そのような場合、水田の水位を一定
に維持する必要があるので、水位の低下に伴いその都度
バルブの開閉を行っていたため、水田への水の引き込み
は手間のかかる作業であった。そのため、従来からこの
ような煩わしさを排除し、作業の省力化を図るべく自動
給水装置が使用されている。そこで、一例として特開平
6−280243号公報のものを挙げて説明する。
【0003】図9は、従来の自動給水装置を示した断面
図である。自動給水装置は、弁本体101が、その内部
に設けられた隔壁102によって区画された入口流路1
03と出口流路104とを有し、その出口流路104に
は、L字形継手108が接続されている。両流路10
3,104の間には、入口流路103と連通するように
配された弁室105が設けられている。また、隔壁10
2には、入口流路103と弁室105とを連通する開口
部106が設けられ、弁室105側の開口部106周り
の隔壁102には、上方に向かって突き出した円錐台状
の弁座107が設けられている。弁体109は、開口部
106に対向位置し、上部をダイアフラム110に保持
された弁軸111の下端部にナット等によって固定さ
れ、弁室105内を上下に移動可能に配されている。
【0004】ボンネット112は、弁本体101上部の
フランジ部にダイアフラム110を挟持して固定され、
その中央部には、弁軸111を摺動自在に保持するスト
ロークリミッタ113が貫通して螺着されている。ま
た、ボンネット112は、ダイアフラム110との間に
一次圧室114を構成している。ボンネット112の上
面には、ピストン型逆洗装置115が一体に形成されて
いる。ピストン型逆洗装置115は、ボンネット112
の上面に形成されたシリンダ116内にピストン117
が摺動自在に嵌挿され、そのピストン117にはハンド
ル118が装着されたピストン軸119が連結されてい
る。なお、シリンダ116内空間は連通孔を介して一次
圧室114に連通されている。
【0005】また、弁本体101には、開口部106よ
り上流の入口流路103にフィルタエレメント120が
設けられている。このフィルタエレメント120は、コ
イルの間隙を通して流体の濾過を行なうスプリング12
2が、アダプタ121に嵌挿固定されたキャップ123
によって弁本体101に固定されている。そして、この
フィルタエレメント120とピストン型逆洗装置115
との間には、導水管125を介して水位センサ126が
設けられている。水位センサ126は、大気ポート12
7を塞ぐ弁体128が回動自在に軸支されたアーム12
9に連結され、更にそのアーム129は、一端には重り
130が固定され、他端にはフロート131が連結され
て構成されている。
【0006】このような構成からなる従来の自動給水装
置によれば、次のように作用する。入口流路103に達
した流体は、開弁時には開口部106、弁室105、出
口流路104を通過してL字形継手108から外部に流
出する。一方、入口流路103に達した流体の一部は、
フィルタエレメント120のスプリング122で濾過さ
れて導水管125を流れ、水位センサ126を構成する
弁内へ流れ込む。ここで、フロート131が水位によっ
て上昇しアーム129を介して降下した弁体128によ
って大気ポート127がふさがれるので、更に導水管1
25を流れピストン型逆洗装置115のシリンダ116
内へ流れ込む。従って、一次圧室114の圧力が高めら
れ、それに伴ってダイアフラム110が下方へ押圧され
るとともに弁体109が弁座107に当接し、閉弁状態
となる。フロート131が下がって大気ポート127が
開いていれば、一次圧室114へ流体が流れ込むことは
ないので、弁体109が流体圧力によって上昇し開状態
となる。
【0007】ところで、水位センサ126へ流れる流体
内の異物等はフィルタエレメント120のスプリング1
22に堆積するので、長期にわたる蓄積によって濾過面
積が減少して導水管125への流体の供給が減少する。
これを防ぐために、本従来例の自動給水装置では、ピス
トン型逆洗装置115のハンドル118を上下に動作さ
せることにより、シリンダ116内の流体を強制的に入
口流路103へと逆流させることで、導水管125の汚
泥等を除去する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の自動給水装置には、導水管125等に入り込んだ
汚泥等を取り除くためのピストン型逆洗装置115が、
実用性に乏しいという問題点があった。即ち、ピストン
型逆洗装置115では、汚泥等を取り除くためにハンド
ル118を上下に動作させ、シリンダ116内の流体を
強制的に入口流路103へと逆流させる。しかし、流体
逆流させるシリンダ内のピストン117には高い水圧
が加わっているため、ハンドル118には非常に大きな
力を加える必要があり、勢いよく逆流させることが困難
であるばかりか、逆流させること自体ができない恐れも
ある。
【0009】従って、特に農作業に従事する人の年齢が
高齢化する現在においては、このような大きな力を必要
とするピストン型逆洗装置115は、実用性に乏しいも
のであり、汚泥等の処理を解決したと言えるものではな
かった。一方、水田等においては、このような自動給水
装置を利用して水を供給することが行なわれているが、
これはあくまでも水を供給するための手段であるため、
例えば、農機具に付いた泥を洗い流す等といった場合に
簡易に水を扱えるものではなかった。
【0010】そこで、本発明は、このような問題点を解
決すべく、容易にかつ確実に汚泥等の異物を取り除くこ
とができ、また、水の取扱いに優れた自動給水装置を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の自動供給装置
は、入力ポートから排水口へ連通する連通路に弁座が形
成された本体と、ダイアフラム又はピストンに連結し前
記弁座に対して配設された弁体と、前記本体に一体固定
され前記ダイアフラム又はピストンとの間に圧力室を構
成するカバー部材と、前記入力ポートと前記圧力室とを
連通する取水管と、水位の変動を検知する水位センサ
と、前記水位センサに係設され圧力室内の水圧を調整す
るパイロット弁とを備え、フィルタエレメントが嵌挿さ
れた導水管の一端側が前記入力ポートに連通し、その他
端側に開閉弁が設けられ、前記フィルタエレメントが介
在する位置に重ねて導水管に前記取水管が連結されてお
り、前記開閉弁が排出側にホース装着部が一体に形成さ
れた排水栓を構成するものであって、前記開閉弁を開い
たときに、前記導水管を流れる水が前記フィルタエレメ
ントに堆積した異物を押し流すことを特徴とする。
【0012】また、本発明の自動給水装置は、前記導水
管に嵌挿されたフィルタエレメントが、圧縮コイルバネ
であることが望ましい。また、本発明の自動給水装置
は、前記圧縮コイルバネの線間ギャップが、取水管を装
着する導水管に形成された取水孔の径より充分小さいも
のであることが望ましい。
【0013】本発明の自動給水装置は、水位センサに基
づいてパイロット弁が開閉し、カバー部材によって構成
された圧力室内の水圧を調節することによって、入力ポ
ートへ供給された水が取水管を通って圧力室に流入して
ダイアフラムまたはピストンへの背圧として作用し、そ
のダイアフラム又はピストンに連結された弁体の移動を
制御するが、入力ポートから導水管内に流入した水は嵌
挿されたフィルタエレメントによって異物が除去されて
取水管へ流れ圧力室内へと流入することとなる。そのた
め、フィルタエレメントによって異物を除去してパイロ
ット弁等への詰まりを防止することができる一方、導水
管の他端部に設けた開閉弁を開弁すれば、導水管内の水
を勢いよく排出させることができるので、フィルタエレ
メントに堆積した異物を効果的に除去することが可能で
ある。
【0014】また、本発明の自動給水装置は、フィルタ
エレメントに圧縮コイルバネを使用すれば目詰まりを生
じることがないので、開閉弁を開弁した際に堆積した異
物が除去されやすい。また、本発明の自動給水装置は、
圧縮コイルバネの線間ギャップを取水管の取水孔の径よ
り充分小さいものとすれば、圧縮コイルバネの線間ギャ
ップを流れる際に取水孔より大きい異物は全て排除され
るため、取水孔を詰まらせることはない。また、本発明
の自動給水装置は、排水栓を利用することにより、即
ち、ホース装着部にホースを取り付け開閉弁を開いて農
機具を洗浄等することができ水の取り扱いに優れ、同時
にフィルタエレメントに堆積した異物を除去することも
できる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の自動給水装置にか
かる一実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、
自動給水装置を示した図である。本実施の形態の自動給
水装置は、大きく分けて水田に水を直接供給する給水栓
1と、水田内の水位を検出して給水栓1の開閉を制御す
る水位センサ2と、その水位センサ2からの信号を受け
て給水栓1を開閉するパイロット弁3とから構成されて
いる。
【0016】給水栓1は、灌漑用水路から給水管によっ
て田面内に引き込まれた水を水田へ供給するためのもの
である。その詳細は後述する。一方、水位センサ2は、
高さの調節が可能な3本の水位検出電極2a,2b,2
cを設け、これらの電極間に生じる電気抵抗を検出して
パイロット弁3への制御信号を出力するものである。即
ち、最も長い電極のコモン電極2c、次に長い電極の下
限電極2b、そして最も短い電極の上限電極2aの各電
極に対して不図示のサンプリングタイム発生器によって
所定のサンプリング間隔でパルスが発生され続け、水田
の水位によって変化する下限電極2bとコモン電極2c
との間の電気抵抗、または上限電極2aとコモン電極2
cとの間の電気抵抗を検出して所定の制御信号をパイロ
ット弁3へ出力するものである。そして、このパイロッ
ト弁3は、給水栓1の開閉を制御する作動流体を扱うべ
く、パイロットパイプ4を介して給水栓1に接続されて
いる。
【0017】次に、本発明の特徴をなす給水栓1の構成
について詳細に説明する。図2及び図3は、給水栓1を
示した断面図であり、図2が閉弁時を示し、図3が開弁
時を示している。給水栓1は、不図示の供給路から分岐
したパイプ5に対し装着可能な本体11から構成されて
いる。この本体11は、円筒体から形成されパイプ5へ
の装着部分に入力ポート12を構成する一方、その上端
に弁座13が形成され、その弁座13が形成された上端
部からパイプ5に装着される下端部にかけて薄肉になる
ようにテーパをもって形成されている。また、本体11
には、弁座13が形成された上端部に外側に張り出した
支持部14が形成され、その弁座13の周りには排水口
15が形成されている。ここで、図4は、弁座13部分
を上方から示したA−A断面であるが、排水口15は、
この図に見られるように支持部14を2方向に開口して
形成されている。
【0018】そして、弁座13に当接するように中心部
が厚肉で形成されたダイアフラム弁体16が、支持部1
4とその支持部14を覆うようにしてネジ止されたカバ
ー17とに挟持されている。このダイアフラム弁体16
とカバー14とによって囲まれた密閉空間によって圧力
作用室18が構成されている。ところで、ダイアフラム
弁体16の中央には、そのダイアフラム弁体16を貫い
た軸材21が嵌合し、上面には受板19が一体に固着さ
れている。カバー17とダイアフラム弁体16との間に
はスプリング20が縮設され、そのスプリング20によ
ってダイアフラム弁体16が下方に付勢されている。
【0019】また、カバー17中央に突設された案内部
材22には、その軸芯部を貫いて調節軸23が螺設され
ている。この調節軸23は、その下端が圧力作用室18
内にまで挿入され、ダイアフラム弁体16に一体固定さ
れた軸材21に当接する位置にある。また、調節軸23
の上端にはハンドル24が固設されている。調節軸23
が貫かれた案内部材22の貫通孔は、下端部分に調節軸
23と螺設するネジ部より大径の拡径部25が圧力作用
室18に開口して形成されている。そして、案内部材2
2には、その拡径部25に連通するパイロットポート2
6が形成され、そのパイロットポート26に取り付けら
れた弁27を介して、パイロットパイプ4が連設されて
いる。従って、圧力作用室18は、拡径部25、パイロ
ットポート26、弁27及びパイロットパイプ4を介し
てパイロット弁3へ連通するよう構成されている。な
お、弁27は、パイロット弁3のメンテナンス時に水の
遮断に使用するものであり、そのオリフィス径はパイロ
ット弁3のオリフィス径よりも充分に大きく形成された
もので、通常は開弁状態のまま放置されている。
【0020】また、本実施の形態の給水栓1には、入力
ポート12に連通する導水管33が本体11に一体に設
けられている。導水管33は、本体11側部に空けられ
た導水口31の周りに突設された円筒形状の装着部32
に装着されている。導水管33は、L字状に折れ曲がっ
た管材からなり、その導水管33の固定部33aが、装
着部32内へ一部を挿入するようにして本体11に対し
一体に固設されている。固定部33aは、他方の排水部
33bに比べて径が大きく形成されている。そして、固
定部33aと装着部32とによって構成された円筒空間
には、導水口31より大きい径の圧縮コイルバネをフィ
ルタエレメント34として嵌挿し濾過装置が構成されて
いる。
【0021】導水管33内に嵌挿されたフィルタエレメ
ント34は、内壁面に密着しないように導水管33には
ガイドが形成されている。図5は、導水管33の固定部
33a、特に取水孔35の形成された部分であるB−B
断面を示した図である。ここで示すように、ガイド3
0,30…は、固定部33a内壁面に軸方向に沿って形
成された4本の湾曲した突起である。そして、固定部3
3a内へ嵌挿されたフィルタエレメント34は、通常は
自重によって下側のガイド30,30に当接し、上側の
ガイド30,30とは隙間が生じるよう形成されてい
る。ところで、フィルタエレメント34は、線径2mm
の針金が巻かれた圧縮コイルバネであり、装着された際
の線間ギャップが0.2mmである。ここで線間ギャッ
プは本実施の形態では0.2mmとしているが、0.1
mm〜0.4mmの範囲であればよい。
【0022】そして、固定部33aには、導水口31か
ら最も離れたフィルタエレメント34の端部が位置する
辺りに1.6mm径の取水孔35が形成され、取水パイ
プ36が連設されている。(図面は、便宜上線間ギャッ
プと取水孔の寸法比に合わせては記載されていない。図
6において同じ) 一方、案内部材22には、その拡径部25に連通するパ
イロットポート37が形成され、取水パイプ36が連設
されている。従って、導水管33は、取水孔35から取
水パイプ36、パイロットポート37及び拡径部25を
介して圧力作用室18へ連通するよう構成されている。
【0023】ところで、給水栓1は、後述するようにダ
イアフラム弁体16上下の圧力差を利用して開閉するた
め、取水孔35は、パイロット弁3のオリフィス径より
小さくする必要がある。特に、水田の場合には、低圧制
御(例えば、50cm水頭圧)する場合があり、取水孔
35とパイロット弁3のオリフィス径の差を充分に大き
くする必要がある。一方、導水管33の排水部33b先
端には、ハンドル38によって開閉可能なゲートバルブ
39を有し、その排水側にホースを取り付けることが可
能なホースニップル40を有する排水栓41が連設され
ている。なお、ゲートバルブ39は、後述する特定の場
合以外の通常時には閉弁状態のまま放置されている。
【0024】次に、本実施の形態の自動給水装置の作用
のうち主として給水栓1について説明する。給水栓1
は、パイロット弁3の開閉によって給水または止水が調
節されるが、そのパイロット弁3の開閉は水位センサ2
からの制御信号によって駆動される。即ち、不図示のサ
ンプリングタイム発生機からパルスが水位センサ2に印
加されたとき、水田の水が下限水位を下回っている場合
には、下限電極2bとコモン電極2cとの電気抵抗が∞
となり、水位センサ2からパイロット弁3へ開弁信号が
出力される。
【0025】そして、水田の水位が下限水位と上限水位
の間にある場合には、下限電極2bとコモン電極2cと
の間の抵抗が水抵抗(10〜30K)となる一方、上限
電極2aとコモン電極2cとの電気抵抗が∞となり、水
位センサ2からパイロット弁3へ更に開弁信号が出力さ
れる。また、水田の水位が上限水位を超えていた場合に
は、上限電極2a、コモン電極2c間の抵抗が∞から水
抵抗(10〜30K)に変化するため、水位センサ2か
らパイロット弁3へ閉弁信号が出力される。
【0026】給水栓1には、常時給水管から入力ポート
12へ水が供給されている。そのため、入力ポート12
内に流入した水は上方の排水口15へ向けて流れる一
方、導水口31から導水管33内へ流入する。導水管3
3内へ流入した水は、取水孔35を通って取水パイプ3
6を流れダイアフラム弁体16上部の圧力作用室18内
に流入することとなる。このとき、パイロット弁3は閉
弁状態にあるため、流入した水は、その圧力作用室18
内に充填されダイアフラム弁体16には上方から背圧が
加わることになる。そこで、ダイアフラム弁体16は、
圧力作用室18側の上面の受圧面積の方が、入力ポート
12側よりの受圧面積よりも大きいため、またスプリン
グ20によって上方から付勢されているため、弁座13
に当接され給水栓1自体が閉弁状態となっている(図
2)。
【0027】そして、水田の水位が吸収されたり蒸発等
して下がり水位センサ2からパイロット弁3へ開弁信号
が出力された場合には、パイロット弁3が開弁され、圧
力作用室18内の水はパイロットパイプ4から水田へ排
水されることとなる。このとき、取水孔35よりパイロ
ット弁3のオリフィス径の方が充分に大きいため、圧力
作用室18内の水が急激に減少する。そのため、圧力作
用室18内の圧力は下がり、ダイアフラム弁体16に背
圧が加わらなくなり入力ポート12へ流入する水の圧力
によってダイアフラム弁体16が上昇し、弁座13から
離間して開弁状態になる(図3)。従って、入力ポート
12内に供給された水は、弁口を通って排水口15から
排水され水田へ供給される。このような状態は、上限電
極2a及び下限電極2bによって設定した水位の間で継
続され、その間水田へ水が供給される。
【0028】そして、水田の水位が上限電極2aにまで
達すると、水位センサ2からパイロット弁3へ閉弁信号
が出力されてパイロット弁3が閉弁される。パイロット
弁3が閉弁されると、導水管33から取水孔35を通っ
て徐々に圧力作用室18内へ流入した水がそこで滞留
し、次第にダイアフラム弁体16に加わる背圧が高ま
る。従って、ダイアフラム弁体16は、圧力作用室18
側の上面の受圧面積の方が入力ポート12側よりの受圧
面積よりも大きいため、水圧とスプリング20の付勢力
によって弁座13に当接され給水栓1が閉弁する(図
2)。
【0029】ところで、給水栓1は河川から引き込まれ
た給水管に接続されたものであるため、土砂や木の葉あ
るいは虫の死骸等の異物が流れ込む。そうした場合、多
くの異物は、排水口15の開口面積が広く入力ポート1
2を上昇する水の流速が導水管33内を流れる水の流速
に比べてはるかに速いため、多くは排水口15から水と
ともに水田内へ排水される。
【0030】しかし、土砂等は開弁時にも導水管33内
へも流れ込み、またダイアフラム弁体16が弁座13へ
当接し入力ポート12内を上昇する流れが止まった後
に、圧力作用室18内が充填されるまでは水が導水管3
3側へも流れ込む。そうした場合、給水栓1にはフィル
タエレメント34を固定部33a内に嵌挿した濾過装置
が構成されているため、導水口31からフィルタエレメ
ント34の内側に流入した水は、0.2mmの線間ギャ
ップを通って外側に向かって流れる際に異物はフィルタ
エレメント34内に残され、濾された水だけが取水孔3
5を通って取水パイプ36を流れていく。フィルタエレ
メント34内の異物は、導水管33内はほとんど流れが
ないため比重の重いものは下に沈澱し、軽いものは上方
に引っかかることによって排除される。
【0031】そして、給水栓1を長期間使用するとフィ
ルタエレメント34によって濾された異物が堆積して線
間ギャップに目詰まりが生じる恐れがある。そのため、
従来からそれを排除すること、即ち上記従来例のように
ピストン型逆洗装置115を使用することが行なわれて
きた。ところが、本実施の形態の給水栓1では、特別な
ことを行なうことが不要であるか、また非常に簡易に行
なうことができる。これは、排水栓41の使用によって
導水管33内を勢いよく水が流れ、フィルタエレメント
34に堆積していた異物が押し流されるためである。本
実施の形態の給水栓1によれば、農作業者が農作業を終
えた後に農機具に付いた泥などを排水栓41を利用して
洗浄することができる。即ち、ゲートバルブ39の閉弁
時にハンドル38を反時計方向に回して開弁すれば、入
力ポート12へ供給された水が導水管33を流れホース
ニップル40から排水され、通常の水道と同様に使用す
ることができる。従って、排水栓41のホースニップル
40のホースをつなげば、容易に農機具の洗浄等に使用
することができる。
【0032】ここで、排水栓41を使用した場合確実に
フィルタエレメント34に堆積した異物を排除できるか
の実験を行なった。図6は、実験装置を示した図であ
る。実験装置は、水の入った水槽51内に挿入されたポ
ンプ52に呼び径50mmの主管53が連設され、その
主管53の先端には止弁54が設けられる一方、主管5
3には呼び径20mmの分管55が分岐して設けられ、
その分管55には、濾過装置56、呼び径15mmの細
管57及びゲートバルブ58が直列に設けられている。
なお、水槽51内には水田の水を想定し、土砂が約10
00g、もみ殻が約40g、そして焼きもみが約40g
を異物として混入し循環させることとした。
【0033】また、図7は、濾過装置56を示した断面
図である。この濾過装置56は、86mmの長さの円筒
からなる導水管61の両端には、分管55及び細管57
を螺設するネジ加工された取付部を有する蓋部材62,
63が固設されている。そして、線径2mmの針金が直
径32mmで巻かれセット時の線間ギャップが0.2m
mとなる圧縮コイルバネからなるフィルタエレメント6
4が導水管61内に嵌挿されている。導水管61の下流
側端部には1.6mm径の取水孔65が形成され、そこ
へチューブ66が連結されている。
【0034】そこで、このような装置を用いてゲートバ
ルブ58が濾過装置56内に嵌挿されたフィルタエレメ
ント64の異物の排除に如何なる効果を示すかの実験を
おこなった。具体的には、フィルタエレメント64を通
って濾過された水が取水されるチューブ66から排水さ
れる水の量の変化を調べた。先ず、ゲートバルブ58を
閉弁状態にしておき、フィルタエレメント64には異物
が堆積していない初期状態で、ポンプ52を起動し取水
孔65を通ってチューブ66から排水される1分当りの
水の量を測定する(A1 )。次に、ポンプ52を起動し
て6時間連続運転した後、チューブ66から排水される
水の量を同じ様に測定する(A2 )。ここで、ポンプ5
2を停止させてゲートバルブ58を取り外してフィルタ
エレメント64及びゲートバルブ58内部の異物の堆積
状況を確認してみる。
【0035】そして、ゲートバルブ58を取り付けて再
びポンプ52を起動させた後、止弁54を閉弁する一方
ゲートバルブ58を開弁したまま約15秒間放置する。
これは、ゲートバルブ58を開弁させることによって分
管55側へ流れる水を出口管59から勢いよく排水さ
せ、フィルタエレメント64及びゲートバルブ58内部
に堆積した異物の押し流すためである。そうした後、再
びゲートバルブ58を閉弁し、三たびチューブ66から
排水される1分当りの水の量を同じく測定する(A3
)。その後、ポンプ52を停止させてゲートバルブ5
8を取り外してフィルタエレメント64及びゲートバル
ブ58内部の異物の堆積状況の変化を確認してみる。
【0036】ここで、本実験では、上記3度の測定(A
1 ,A2 ,A3 )を一連のものとして合計3回行なっ
た。その測定結果を表にして図8に示した。実験結果
は、1回目及び3回目とも初期状態の測定(A1 )とゲ
ートバルブ58を開いて異物を除去する作業をした後の
測定(A3 )とでは同一の値を示した。また、2回目に
してもその差は5mlしか差がなく、同値といってよい
程度の結果となった。一方、フィルタエレメント64内
に異物が堆積した場合の測定(A2 )では、初期状態の
場合と比較して13〜26パーセント排水量が減少し
た。従って、この結果から、フィルタエレメント64に
堆積した異物が濾過装置56から取水されチューブ66
から排水される水量に影響し、また、その異物はゲート
バルブ58の開閉によって完全に除去できることが確認
できた。
【0037】ところで、本実験では測定A1 から測定A
2 までの間に6時間の連続循環を行なったが、これは以
下の評価に相当する。上記実施の形態で示した自動給水
装置は、給水栓1が遠隔制御用として使用するため、パ
イロット弁3の排水口が給水栓1から最終的には100
mもの距離離れている場合があり、その間はパイロット
パイプ4によって接続されている。従って、給水栓1が
開弁状態にある時にパイロット弁3側に流れるパイロッ
ト水は、パイロットパイプ4内の粘性抵抗によって微少
な流れになると考えられる。そのため、パイロット水の
大きな流れは給水栓1の開閉動作直後の約5分以内と考
えられ、給水栓1が1日1回開閉動作を行なうと仮定し
た場合、本実験による評価は次式より2.4ヵ月に相当
する。
【0038】 評価相当日数=360(分)/{5(分/月)×30(日/月)} =2.4(月) 結論として、農作業者は2ヵ月以上水田を見回りに来な
いとは考えられないため、水田を見回りに来た時、或は
農機具等を洗浄する際にゲートバルブを数十秒開弁する
ようにすればフィルタエレメント内の異物が除去でき
る。
【0039】従って、本実施の形態の自動供給装置によ
れば、排水栓41を設けたためハンドルをひねるだけで
フィルタエレメント34に堆積した異物を容易にかつ確
実に排除することが可能となった。また、排水栓41
設けたため、水田等での水の取扱いが非常に便利となっ
た。そのため、従来では農機具等の洗浄を農作業後に行
えず、家まで汚れたまま運んでいたのをその場で洗浄す
ることができるようになり、更にフィルタエレメント3
4に堆積した異物の排除を同時に行なうことが可能とな
った。
【0040】なお、本発明は、上記実施の形態のものに
限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で
様々な変更が可能である。例えば、実施の形態では、水
位センサに水位検出電極2a,2b,2cを用いたが、
フロートを用いてたものであってもよい。また、上記実
施の形態では、請求項に記載した「ダイアフラム又はピ
ストンに連結した弁体」の一例としてダイアフラム弁体
16を示したが、従来例のように弁体がピストンに支持
されたものであってもよい。
【0041】
【発明の効果】本発明は、圧縮コイルバネが嵌挿された
導水管の一端側が入力ポートに連通し、その他端側には
開閉弁を設け、フィルタエレメントが介在する位置に重
ねて導水管に取水管を連結し、開閉弁を開いたときに、
導水管を流れる水がフィルタエレメントに堆積した異物
を押し流すよう構成したので、開閉弁を開ければフィル
タエレメントに堆積した異物を容易にかつ確実に取り除
くことができ、また、その開閉弁の開閉によって水田へ
供給するのとは別に排水でき、水の取扱いに優れた自動
給水装置を提供することが可能となった。また、本発明
は、導水管に嵌挿されたフィルタエレメントに圧縮コイ
ルバネを使用すれば、目詰まりを生じることなく開閉弁
を開弁した際に堆積した異物が除去されやすく、異物を
容易にかつ確実に取り除くことができる自動給水装置を
提供することが可能となった。
【0042】また、本発明は、前記圧縮コイルバネの線
間ギャップが、取水管を装着する導水管に形成された取
水孔の径より充分小さいので、取水孔を詰まらせるよう
な異物を全て排除する自動給水装置を提供することが可
能となった。また、本発明は、導水管の他端に設けられ
た開閉弁が、排出側にホース装着部が一体に形成された
排水栓を構成するものとすれば、その排水栓を使用して
農機具を洗浄等することができ水の取り扱いに優れ、同
時にフィルタエレメントに堆積した異物を除去すること
もできる自動給水装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる自動供給装置の一実施の形態を
示した図である。
【図2】給水栓の閉弁時を示した断面図である。
【図3】給水栓の開弁時を示した断面図である。
【図4】給水栓の本体の排水口を示した断面図である。
【図5】給水栓の導水管を示した断面図である。
【図6】実験装置を示した図である。
【図7】実験装置の濾過装置を示した断面図である。
【図8】実験結果を示した図である。
【図9】従来の自動供給装置を示した図である。
【符号の説明】
1 給水栓 2 水位センサ 3 パイロット弁 4 パイロットパイプ 11 本体 12 入力ポート 13 弁座 15 排水口 16 ダイアフラム弁体 17 カバー 18 圧力作用室 33 導水管 34 フィルタエレメント 35 取水孔 36 取水パイプ 39 ゲートバルブ
フロントページの続き (72)発明者 橋本 泰典 滋賀県長浜市三ツ矢町5番8号 三菱樹 脂株式会社長浜工場内 (56)参考文献 特開 平6−280243(JP,A) 実開 昭60−91211(JP,U) 実開 昭61−22514(JP,U) 実開 昭54−140366(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02B 13/02 A01G 25/00 501 A01G 27/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力ポートから排水口へ連通する連通路
    に弁座が形成された本体と、 ダイアフラム又はピストンに連結し前記弁座に対して配
    設された弁体と、 前記本体に一体固定され前記ダイアフラム又はピストン
    との間に圧力室を構成するカバー部材と、 前記入力ポートと前記圧力室とを連通する取水管と、 水位の変動を検知する水位センサと、 前記水位センサに係設され圧力室内の水圧を調整するパ
    イロット弁とを備えた自動給水装置において、 フィルタエレメントが嵌挿された導水管の一端側が前記
    入力ポートに連通し、その他端側に開閉弁が設けられ、
    前記フィルタエレメントが介在する位置に重ねて導水管
    に前記取水管が連結されており、前記開閉弁が排出側に
    ホース装着部が一体に形成された排水栓を構成するもの
    であって、前記開閉弁を開いたときに、前記導水管を流
    れる水が前記フィルタエレメントに堆積した異物を押し
    流すことを特徴とする自動給水装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の自動給水装置におい
    て、 前記導水管に嵌挿されたフィルタエレメントが、圧縮コ
    イルバネであることを特徴とする自動給水装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の自動給水装置におい
    て、 前記圧縮コイルバネの線間ギャップが、取水管を装着す
    る導水管に形成された取水孔の径より充分小さいことを
    特徴とする自動給水装置。
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