JP3268654B2 - 輸液ポンプ用の閉塞検知装置 - Google Patents

輸液ポンプ用の閉塞検知装置

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JP3268654B2
JP3268654B2 JP18545692A JP18545692A JP3268654B2 JP 3268654 B2 JP3268654 B2 JP 3268654B2 JP 18545692 A JP18545692 A JP 18545692A JP 18545692 A JP18545692 A JP 18545692A JP 3268654 B2 JP3268654 B2 JP 3268654B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可撓性チューブを順次
押圧しながら該チューブ内を通る液体を移動させるポン
プ部を備えた輸液ポンプに組み込まれ、ポンプ部よりも
下流側におけるチューブの閉塞を検知するための閉塞検
知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、薬液を生体内に注入する際や、自
動点滴等を行う際には、種々の型式の輸液ポンプが使用
されているが、特公昭61−55,393号公報に開示
されているように、ペリスタリックフィンガ式の輸液ポ
ンプが知られている。
【0003】この種の輸液ポンプ10は、図6に示すよ
うに、本体部11の前面には、輸液バック等に接続され
た可撓性チューブが装着されるチューブ装着部12が設
けられている。このチューブ装着部12には、チューブ
内を通る液体を移動させるポンプ部13が設けられると
共に、ポンプ部13に対向するドア14がヒンジ15を
介して開閉自在に取り付けられている。更に、本体部1
1の前面には、種々の稼働条件を設定するための操作部
16や、稼働状態等を表示するための表示部17が設け
られている。また、図7にも示すように、前記ドア14
におけるポンプ部13に対向する内面14aには、チュ
ーブ18をポンプ部13に向かう方向に沿って押圧する
バックプレート19が設けられている。このバックプレ
ート19とドア内面14aとの間には、バックプレート
19をポンブ部13に向けて押圧する弾発力を付勢する
スプリング20が取り付けられている。
【0004】前記ポンプ部13は、図7に示すように、
装着されたチューブ18に対して進退移動自在な複数個
(例えば6個)のフィンガ25と、これら各フィンガ2
5を摺動自在に保持するケーシング26とを有する。ケ
ーシング26は、相互に突き合わせられる一対のケーシ
ング構成体27からなり、このケーシング26内には、
各フィンガ25を摺動自在に保持する保持溝28が棚状
に形成されている。また、ケーシング26内には、支軸
29が軸受30を介して回転自在に取り付けられてお
り、この支軸29には複数個(例えば6個)の偏心カム
31が所定の角度で位相をずらして固定されている。フ
ィンガ25は、略板状の形状を有し、偏心カム31が摺
接するカム孔32が形成されている。ケーシング26か
ら突出した支軸29の一端には、ステッピングモータ、
タイミングベルト等を備えた図示しない回転駆動手段が
接続されている。
【0005】そして、回転駆動手段を作動させて支軸2
9を回転駆動すると、この支軸29に位相をずらして固
定された偏心カム31のそれぞれは、対応するフィンガ
25のカム孔32の内周面に摺接しつつ回転する。この
カム作用の結果によって、各フィンガ25は、保持溝2
8内を摺動しつつ、上部から順次前進移動を開始し、前
進限まで移動したフィンガ25は、バックプレート19
との間でチューブ18を押圧してチューブ18の流路を
閉塞する。また、前進限まで移動したフィンガ25は、
支軸29が更に回転するのに伴い後進限に向けて移動
し、前記閉塞が解除される。このように、上方に位置す
るフィンガ25から順次前進限まで移動する動作を繰り
返すことにより、チューブ18を閉塞する点つまり圧閉
点18aがチューブ18の長手方向に沿って順次下方に
移動し、チューブ18内の液が吸入側から吐出側へ向け
て輸液されるようになっている。
【0006】このようにして輸液を行っている途中で、
ポンプ部13よりも下流側におけるチューブ18の一部
が折れ曲がったり、捩れたり、チューブ18の先端に取
り付けた針等が詰まったりして、チューブ18の流路が
閉塞し、チューブ18の内圧が上昇することがあった。
このようなチューブ内圧の上昇を放置すると該チューブ
18が破損する虞があることから、図6に示すように、
輸液ポンプ10のチューブ装着部12には、ポンプ部1
3よりも下流側におけるチューブ18の閉塞を検知する
ための閉塞検知機構35が設けられている。
【0007】従来の閉塞検知機構35には、リンク機構
を使用したものや、歪みゲージを使用したもの等が提案
されている。
【0008】リンク機構を使用した閉塞検知機構35
は、チューブ18の外表面にリンク機構の一部を接触さ
せ、チューブ内圧の上昇に伴うチューブ18の膨張量を
リンク機構で増大させ、このリンク機構に設けられた移
動部材の変位量を検出することにより、チューブ18が
閉塞したか否かを検知するように構成されている。
【0009】また、歪みゲージを使用した閉塞検知機構
35は、チューブ18の外表面に接触する板ばね等に歪
みゲージが取り付けられており、運転開始時における歪
みゲージの出力と、運転中における歪みゲージの出力と
の出力差を検出することにより、チューブ18が閉塞し
たか否かを検知するように構成されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、リンク機構
を使用した閉塞検知機構35は、半径方向に0.1mm
程度しか膨らまないチューブ18の微小な膨張量を増大
して閉塞を検知する構成であるため、リンク機構が必然
的に大型なものとなり、閉塞検知機構35の小型化ひい
ては輸液ポンプ10の小型化を達成できないという問題
があった。また、振動等の影響を受け易いために、チュ
ーブ18の閉塞検知が不安定になるという問題もあっ
た。
【0011】また、歪みゲージを使用した閉塞検知機構
35にあっても、半径方向に0.1mm程度しか膨らま
ないチューブ18に板ばねが接触しているため、チュー
ブ内圧の上昇に伴う歪みゲージの微小な出力差を検出し
なければ、チューブ18の閉塞検知を正確に行うことが
できなかった。
【0012】ところで、前記チューブ18には、その形
成素材の堅さや、径寸法、肉厚寸法等の違いで多数の種
類があることから、ある一定のチューブ内圧が作用した
場合であっても、チューブ18の種類によってチューブ
18の膨らみ方が大きく違ってくるものである。
【0013】このように、チューブ18の種類が異なる
と、例えば歪みゲーシを使用した閉塞検知機構35で
は、基準となる運転開始時における歪みゲージの初期出
力値がばらついてしまうことになる。このため、従来の
閉塞検知機構35は、チューブ18の種類が異なると正
確な閉塞検知を行うことができず、決められた種類のチ
ューブを備えた専用の輸液チューブセットを必要とし、
コスト的に不利なものであった。
【0014】チューブ18の種類ごとに、チューブ閉塞
時における移動部材の変位量や、歪みゲージの初期出力
値、出力差を予め求めておき、複数種類のチューブに対
応し得るように構成することも考えられる。しかしなが
ら、従来の閉塞検知機構35は、そもそも、極めて微小
なチューブの膨張量に基づいてチューブ18が閉塞した
か否かを判断している以上、複数種類のチューブに対応
することは事実上困難であった。
【0015】本発明者は、複数種類のチューブのそれぞ
れに対応して閉塞検知を正確に行い得る閉塞検知装置を
提供するため、閉塞した際のチューブ自身の膨張量が大
きければ複数種類のチューブのそれぞの閉塞を正確に検
知できる点に着目して鋭意研究した結果、基準となる運
転開始の時点でチューブに一定の圧力をかけてチューブ
を所定寸法に予め押し潰した状態で保持しておけば、閉
塞した際のチューブ自身の膨張量が大きくとれることを
見出だし、本発明を完成するに至った。
【0016】そこで、本発明は、複数種類のチューブの
それぞれに対応して、チューブ内圧の上昇を伴うチュー
ブの閉塞検知を正確に行い得る閉塞検知装置を提供する
ことを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、可撓性チューブを順次押圧しながら該チュ
ーブ内を通る液体を移動させるポンプ部を備えた輸液ポ
ンプに組み込まれ、前記ポンプ部よりも下流側における
前記チューブの閉塞を検知する閉塞検知装置であって、
前記チューブの外表面に当接すると共に移動自在に設け
られた移動部材と、この移動部材との間で前記チューブ
を保持する保持部材と、前記移動部材と前記保持部材と
の間で前記チューブを所定寸法に押し潰した状態で、か
つ、所定の圧力をかけて保持する弾発力を前記移動部材
に付勢する弾発手段と、閉塞によるチューブ内圧の上昇
により前記チューブが膨張するのに伴って移動する前記
移動部材の変位量を検出する変位量検出手段と、前記チ
ューブの種類に対応した閉塞検知レベルを記憶する記憶
手段と、前記変位量検出手段からの信号と前記記憶手段
に記憶された前記チューブの種類に対応した閉塞検知レ
ベルとを比較して前記チューブの閉塞を判断する制御手
段とを有することを特徴とする輸液ポンプ用の閉塞検知
装置である。
【0018】
【作用】基準となる運転開始の時点においては、可撓性
チューブは、保持部材と、弾発手段により所定の弾発力
が付勢された移動部材との間で、一定の圧力が加えられ
所定寸法に押し潰された状態で保持されている。輸液を
行っている途中で、ポンプ部よりも下流側におけるチュ
ーブが閉塞すると、該チューブの内圧が徐々に上昇し、
初めにチューブを押圧していた圧力に打ちかつと、チュ
ーブが膨張するのに伴って移動子が移動する。このと
き、チューブは予め押し潰されていることから、チュー
ブ自身の膨張量は比較的大きなものとなり、移動子の変
位量も比較的大きなものとなる。そして、変位量検出手
段が移動部材の変位量を検出し、制御手段は、変位量検
出手段からの信号と記憶手段に記憶されたチューブの種
類に対応した閉塞検知レベルとを比較してチューブに閉
塞が生じたか否かを判断する。このように、移動部材の
移動量を大きくとれることから、変位量検出手段は移動
部材の変位量を検出し易くなり、装着されているチュー
ブの種類が異なる場合であっても、各チューブの種類に
対応して該チューブの閉塞を検知することができ、専用
のチューブが不要となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、本発明の閉塞検知装置が組み込まれた
輸液ポンプの一使用例を示す図、図2(A)(B)は、
図1に示される閉塞検知装置の作動状態を示す要部断面
図であり、図6及び図7に示した部材と共通する部材に
は同一の符号を付して、その説明は一部省略する。
【0020】図1に示すように、医療分野においては、
栄養液、薬液、生理食塩水等の非経口液体を患者8に投
与するために、これらの液体を輸液する輸液システム5
が用いられている。この輸液システム5は、栄養液等を
貯える輸液バック6と、栄養液等を輸液する輸液ポンプ
40とを有する。輸液バック6には、点滴筒7を介して
可撓性チューブ18が接続され、輸液ポンプ40の本体
部11前面には、前記チューブ18が装着されるチュー
ブ装着部12が設けられている。このチューブ装着部1
2には、ポンプ部13よりも下流側におけるチューブ1
8の閉塞を検知するための閉塞検知装置41が設けられ
ている。
【0021】本実施例の閉塞検知装置41は、図2
(A)(B)に示すように、チューブ18が閉塞したと
きに当該チューブ18が膨張するのに伴って移動する移
動子(移動部材に相当する)42を有している。本体部
11には、チューブ18が収容されるチューブ装着溝4
3と、このチューブ装着溝43に連通する通孔44とが
形成されており、前記移動子42は、通孔44に移動自
在に挿通されている。また、輸液バック6を交換する等
の場合に、薬液の一部が漏れ出て、チューブ18の外表
面を伝わってチューブ装着溝43に至ることがあるが、
この薬液が通孔44と移動子42との間の隙間を通って
本体部11内に侵入することを防止するために、チュー
ブ装着溝43にはダイヤフラムゴム45が張り付けられ
ている。従って、移動子42の先端は、ダイヤフラムゴ
ム45を介して、チューブ18の外表面に当接してい
る。チューブ装着溝43内のチューブ18を移動子42
との間で保持するため、ドア内面14aには保持部材4
6が設けられている。この保持部材46は、ドア内面1
4aにネジ止めされた第1板バネ47に、チューブ装着
溝43に対向する押さえ板48を固定することにより構
成されている。
【0022】前記移動子42は、円柱形状を有し、本体
部11にネジ止めされた第2板バネ49(弾発手段に相
当する)に固定されている。第2板バネ49は、移動子
42に対して押さえ板48に向かう方向の弾発力を付勢
している。この第2板バネ49の弾発力の強さは、チュ
ーブ18の素材自身の弾性力よりも大きく、かつ、チュ
ーブ18が閉塞しチューブ内圧が上昇したときの当該チ
ューブ18の円滑な膨張を阻害しない大きさに設定され
ている。また、保持部材46の第1板バネ47の弾発力
の強さは、第2板バネ49の弾発力よりも大きく、か
つ、チューブ18が閉塞し当該チューブ18が膨張して
も、押さえ板48がチューブ装着溝43から離間するこ
とがない大きさに設定されている。従って、閉塞検知の
基準となる運転開始の時点においては、図2(A)に示
すように、チューブ18は、その外径寸法以下の所定寸
法Lに押し潰された状態で、移動子42と押さえ板48
との間で保持されている。一方、チューブ18が閉塞し
た時点においては、同図(B)に示すように、チューブ
18はチューブ内圧の上昇に応じて寸法△Lだけ膨張
し、移動子42は、膨張したチューブ18により第2板
バネ49の弾発力に抗して図中上方向に向けて△Lだけ
移動することになる。
【0023】尚、移動子42に弾発力を付勢する弾発手
段は、図示した第2板バネ49に限定されるものではな
く、例えば、スプリング等で構成しても良い。また、移
動子42や保持部材46の形状や構造も、図示したもの
に限定されず適宜変更可能である。更に、弾発手段49
が移動子42に付勢する弾発力の強さを調節できる構成
にしても良い。
【0024】閉塞検知装置41は、更に、チューブ18
が閉塞したときに当該チューブ18が膨張するのに伴っ
て移動する移動子42の移動量つまり変位量を検出する
変位量検出手段50を有している。この変位量検出手段
50は、例えば、磁気センサより構成され、移動子42
とともに移動するマグネット51と、マグネット51の
移動による磁場の強さの変化に応じた信号を出力する磁
気素子52とを有している。マグネット51は、第2板
バネ49に形成した図示しないネジ孔に取り付けられた
調節ネジ53により保持され、第2板バネ49との間に
設けられたスプリング54により調節ネジ53の頭部に
向かう方向に弾発されている。従って、調節ネジ53を
回転することにより、マグネット51の保持位置は、図
中上下方向に沿って調節自在となっている。一方、磁気
素子52は、マグネット51と所定の隙間を隔てて、ブ
ラケット55を介して本体部11に固定されている。
【0025】図4は、2種類のチューブ18におけるチ
ューブ内圧とマグネット51の移動量との関係を示して
いる。図示するように、同じ径寸法であってもチューブ
18の性質、特に堅さの違いによって、移動子42の移
動量つまりマグネット51の移動量は異なってくる。例
えば、閉塞によりチューブ内圧が上昇して閉塞検知圧P
1となった場合、種類Aのチューブ18ではマグネット
51の移動量は△L1となるが、種類Aよりも柔らかい
種類Bのチューブ18ではマグネット51は更に移動し
その移動量は△L2となる。逆に言えば、種類Aのチュ
ーブ18では、マグネット51の移動量が△L1となれ
ば、チューブ内圧が閉塞検知圧P1まで上昇しており、
閉塞が生じたと検知できる。また、種類Bのチューブ1
8では、マグネット51の移動量が△L1を越えて△L
2となれば、チューブ内圧が閉塞検知圧P1まで上昇し
ており、閉塞が生じたと検知できる。
【0026】図5は、マグネット51の位置と磁気素子
52の出力電圧との関係を示している。磁気素子52
は、マグネット51との位置関係により、図示のような
カーブを描くように磁場の強さの変化に応じた信号を出
力している。複数種類のチューブ18のそれぞれに対応
してマグネット51の変位量を正確に検出するために
は、マグネット51が初期の位置から閉塞時の位置まで
移動するとき、チューブ18の種類が異なっても、磁気
素子52からの出力電圧の変化が、直線的な範囲で得ら
れるようにすることが必要である。このため、上述した
ように、マグネット51の保持位置は調節自在となって
いる。
【0027】図3は、磁気センサからの信号に基づいて
チューブの閉塞を判断する処理回路を示すブロック図で
ある。
【0028】磁気素子52は、ブリッジ構成となってお
り、磁場の強さの変化に応じた信号を差動アンプ60に
出力する。また、磁気素子52は、定電圧回路61によ
り駆動されている。差動アンプ60は、磁気素子52か
らの信号を適宜増幅し、チューブ内圧と相関関係のある
出力電圧をA/Dコンバータ62に出力する。A/Dコ
ンバータ62では、差動アンプ60からの信号をデジタ
ルコードに変換し、制御手段としてのマイクロプロセッ
サ部63に出力する。このマイクロプロセッサ部63に
は記憶手段64が接続されている。閉塞検知レベル、す
なわちチューブ内圧が閉塞検知圧P1まで上昇したとき
のマグネット51の移動量や、この移動量に応じた磁気
素子52からの出力電圧の変化に対応するしきい値デー
タは、チューブ18の各種類ごとに予め求められてい
る。チューブ18の各種類ごとの閉塞検知レベルは、前
記記憶手段64に予め記憶されている。更に、マイクロ
プロセッサ部63には、装着されるチューブ18の種類
を設定するチューブ識別部65が接続されている。この
チューブ識別部65は、本体部11に設けられる図示し
ない設定スイッチや、ディップスイッチ等から構成され
る。
【0029】次に、本実施例の作用を説明する。
【0030】チューブ18をチューブ装着部12に装着
して輸液ポンプ40を駆動すると、ポンプ部13は、上
方に位置するフィンガ25から順次前進限まで移動する
動作を順次繰り返し、これにより、チューブ18を閉塞
する点つまり圧閉点18aがチューブ18の長手方向に
沿って順次下方に移動し、チューブ18内の液が吸入側
から吐出側へ向けて輸液される。
【0031】運転開始の時点においては、閉塞検知装置
41は、図2(A)に示す状態にあり、チューブ18
は、押さえ板48と、第2板バネ49の弾発力が付勢さ
れた移動子42との間で、外径寸法以下の所定寸法Lに
押し潰された状態で保持されている。また、正常な輸液
が行われている間は、移動子42及びマグネット51は
移動せず、磁気素子52からの出力信号は一定である。
また、マイクロプロセッサ部63は、チューブ識別部6
5で設定されている信号に基づいて、装着されているチ
ューブ18の種類を識別し、チューブ18の種類に対応
する閉塞検知レベルを記憶手段64から読み込んでい
る。そして、正常な輸液が行われている間は、マイクロ
プロセッサ部63は、A/Dコンバータ62からの信号
がしきい値データよりも低いと判断し、チューブ18に
閉塞が生じていないと判断する。
【0032】輸液を行っている途中で、ポンプ部13よ
りも下流側におけるチューブ18の流路が閉塞すると、
該チューブ18の内圧が徐々に上昇してくる。すると、
図2(B)に示すように、所定寸法Lに押し潰されてい
たチューブ18は、第2板バネの弾発力に抗して、チュ
ーブ内圧の上昇に応じて寸法△Lだけ膨張し、移動子も
図中上方向に向けて同量だけ押し上げられる。このと
き、チューブ18は基準となる運転開始の時点で予め押
し潰された状態となっていることから、チューブ18自
身の膨張量を比較的大きくとることができ、これに伴
い、移動子42の変位量も比較的大きなものとなる。こ
のように移動子42が移動すると、マグネット51も同
量移動することから、磁気素子52からの出力信号は、
マグネット51の移動による磁場の強さの変化に応じて
変化してくる。マイクロプロセッサ部63では、A/D
コンバータ62からの信号をしきい値データに基づいて
常時比較している。
【0033】図4及び図5に示すように、種類Aのチュ
ーブ18が装着されていれば、チューブ内圧が閉塞検知
圧P1まで上昇すると、マグネット51の移動量が△L
1となり、磁気素子52からの出力電圧は△V1の変化
を得る。この変化に対応するA/Dコンバータ62から
の信号がしきい値データよりも大きくなると、マイクロ
プロセッサ部63は、種類Aのチューブ18に閉塞が生
じたと判断する。また、種類Bのチューブ18が装着さ
れていれば、チューブ内圧が閉塞検知圧P1まで上昇す
ると、マグネット51の移動量が△L2となり、磁気素
子52からの出力電圧は△V2の変化を得る。この変化
に対応するA/Dコンバータ62からの信号がしきい値
データよりも大きくなると、マイクロプロセッサ部63
は、種類Bのチューブ18に閉塞が生じたと判断する。
【0034】そして、閉塞検知装置41でチューブ18
の閉塞が検知された場合には、ポンプ部13の作動が強
制的に停止されたり、警報が発せられたりする。これに
より輸液ポンプ40に対する信頼性が高まり、看護婦は
安心して他の業務に従事でき、また、輸液を受けている
患者は安心して治療を受けることができる。
【0035】以上説明したように、本実施例の閉塞検知
装置41によれば、基準となる運転開始の時点でチュー
ブ18を所定寸法Lに予め押し潰した状態で保持してい
るため、チューブ18に閉塞が生じた際のチューブ18
自身の膨張量△Lを大きくとることができる。これに伴
い移動子42の移動量が大きくなることから、磁気セン
サ50は、移動子42の変位量を容易に検出できる。こ
れにより、装着されているチューブ18の種類が異なる
場合であっても、チューブ18の種類に対応して該チュ
ーブ18の閉塞を正確にかつ容易に検知することができ
る。更に、決められた種類のチューブ18を備えた専用
の輸液チューブセットが不要となるため、ランニングコ
ストが低減し、コスト的に優れたものとなる。しかも、
閉塞検知装置41を小型化でき、ひいては輸液ポンプ4
0の小型化を達成することもできる。
【0036】尚、ペリスタリックフィンガ式の輸液ポン
プ40を図示したが、本発明の閉塞検知装置41は、他
の型式の輸液ポンプに組み込むことも可能である。ま
た、変位量検出手段50として磁気センサ51、52の
場合を示したが、これに限定されるものではなく、チュ
ーブ18の膨張量が比較的大きくとれることから種々の
センサを適用することが可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明に係る輸液ポンプ用の閉塞検知装
置は、チューブの外表面に当接すると共に移動自在に設
けられた移動部材と、この移動部材との間でチューブを
保持する保持部材と、移動部材と保持部材との間でチュ
ーブを所定寸法に押し潰した状態で、かつ、所定の圧力
をかけて保持する弾発力を移動部材に付勢する弾発手段
と、閉塞によるチューブ内圧の上昇によりチューブが膨
張するのに伴って移動する移動部材の変位量を検出する
変位量検出手段と、チューブの種類に対応した閉塞検知
レベルを記憶する記憶手段と、変位量検出手段からの信
と記憶手段に記憶されたチューブの種類に対応した閉
塞検知レベルとを比較してチューブの閉塞を判断する制
御手段とを有するので、チューブに閉塞が生じた際のチ
ューブ自身の膨張量を大きくとることができ、移動部材
の移動量も大きくなることから、変位量検出手段は、移
動部材の変位量を容易に検出できる。これにより、閉塞
検知装置は、装着されたチューブの種類が異なる場合で
あっても、チューブの種類のそれぞれに対応して、該チ
ューブの閉塞を正確にかつ容易に検知することが可能と
なり、更に、専用のチューブも不要となることからコス
ト的にも優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の閉塞検知装置が組み込まれた輸液ポ
ンプの一使用例を示す図
【図2】 図2(A)(B)は、図1に示される閉塞検
知装置を示しており、同図(A)は、運転開始時におけ
る作動状態を示す要部断面図、同図(B)は、チューブ
が閉塞したときの作動状態を示す要部断面図
【図3】 閉塞検知装置の処理回路の要部を示すブロッ
ク図
【図4】 チューブ内圧とマグネットの移動量との関係
を概念的に示すグラフ
【図5】 マグネットの位置と磁気素子の出力電圧との
関係を概念的に示すグラフ
【図6】 一般的な輸液ポンプの外観形状を示す斜視図
【図7】 輸液ポンプに組み込まれる一般的なポンプ部
を示す要部断面図
【符号の説明】
13…ポンプ部 18…可撓性チューブ 4
0…輸液ポンプ 42…移動子(移動部材) 46…保持部材 4
7…第1板バネ 48…押さえ板 49…第2板バネ(弾発手段) 50…磁気センサ(変位量検出手段) 51…マグネット 52…磁気素子 63…マイクロプロセッサ部(制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−249064(JP,A) 特開 平4−41983(JP,A) 特開 昭56−31758(JP,A) 特開 平1−129857(JP,A) 実開 平2−77051(JP,U) 実開 平1−170248(JP,U) 実開 昭58−163860(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 5/00 335 A61M 5/142

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可撓性チューブ(18)を順次押圧しながら該
    チューブ(18)内を通る液体を移動させるポンプ部(13)を
    備えた輸液ポンプ(40)に組み込まれ、前記ポンプ部(13)
    よりも下流側における前記チューブ(18)の閉塞を検知す
    る閉塞検知装置であって、 前記チューブ(18)の外表面に当接すると共に移動自在に
    設けられた移動部材(42)と、 この移動部材(42)との間で前記チューブ(18)を保持する
    保持部材(46)と、 前記移動部材(42)と前記保持部材(46)との間で前記チュ
    ーブ(18)を所定寸法(L)に押し潰した状態で、かつ、所
    定の圧力をかけて保持する弾発力を前記移動部材(42)に
    付勢する弾発手段(49)と、 閉塞によるチューブ内圧の上昇により前記チューブ(18)
    が膨張するのに伴って移動する前記移動部材(42)の変位
    量(△L)を検出する変位量検出手段(50)と、前記チューブ(18)の種類に対応した閉塞検知レベルを記
    憶する記憶手段(64)と、 前記 変位量検出手段(50)からの信号と前記記憶手段(64)
    に記憶された前記チューブ(18)の種類に対応した閉塞検
    知レベルとを比較して前記チューブ(18)の閉塞を判断す
    る制御手段(63)とを有することを特徴とする輸液ポンプ
    用の閉塞検知装置。
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