JP3268060B2 - 粉体の静電式流量測定方法とその装置 - Google Patents

粉体の静電式流量測定方法とその装置

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JP3268060B2 JP10562893A JP10562893A JP3268060B2 JP 3268060 B2 JP3268060 B2 JP 3268060B2 JP 10562893 A JP10562893 A JP 10562893A JP 10562893 A JP10562893 A JP 10562893A JP 3268060 B2 JP3268060 B2 JP 3268060B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、キャリヤガス等によ
って輸送される粉体、特に微粒子の重量流量を静電的に
測定する方法とこの方法を実行する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】連続的に流れる粉体の流量を計測する方
法は種々のものがある。輸送配管中の圧力差を計測する
方式、例えば差圧ニューマライン流量計(三協パイオテ
ック株式会社製)による計測法(特公昭52−2630
号公報)に基づくものが知られている。また、光の透過
度と粉体の輸送速度を計測する光電的な方法も知られて
いる(例えば、榎原研正著「光散乱法による粒子計測の
10 年」エアロゾル研究、7 (4) 299-302 (1993)を参
照) 。粒径が比較的小さい、例えば数 10 μm 〜数100
μm の粉体の流量に対しては静電的計測が開発されてい
る。つまり、粒子の帯電量を知りこの計測量から流量を
推定している(増田等、「曲管部における固気2相流の
測定」化学工学論文集、2 (1976) 512)。最近では、粉
体の高機能化、高品質化に伴い微粒化した粉体、特にミ
クロンオーダー以下の微粉体が医薬品、ファインセラミ
ックス等の製造、粉塵公害分析、微粉炭燃焼、メカノケ
ミカル、表面改質等の分野に益々使用されている。
【0003】本発明者は既にこのような微粒粒子の流量
を静電的に連続測定する方法を提唱してきた(Matsuda
et al; "The Static Electrification of Particles in
GasSolids Pipe Flow, A. I. Ch. E. Journal, 22 (19
76) 558を参照)。即ち、微粒子を含むキャリヤガス、
主として空気を一本の導電性材料から成る測定検出管中
に通し、測定検出管に発生する電流を測定することによ
り、微粒子の流量が推定できることを提唱した。その場
合、測定検出管に入る直前の粒子の帯電量(より正確に
は初期比電荷量)が微妙に測定結果に反映し、同一測定
電流でもこの測定電流から推定できる流量にばらつきが
生じ、再現性に難点があることを報告した。この問題を
克服するため、測定検出管に入る直前に粒子の電荷を除
去する所謂除電処理方法や、強制的に粒子を帯電させる
帯電処理方法を導入している(増田等、「自己放電によ
る帯電粒子の除電」粉体工学会誌、Vol. 18, No. 4 (19
81) 240 を参照)。この方法により粉体流量に対する静
電測定の再現性がかなり向上した。しかし、この方法で
は、除電処理ないしは帯電処理を行うために付加的な装
置を測定検出管の前に設ける必要があり、同時にこの装
置を駆動するために使用される電源も必要になる。それ
故、設備コストや運転コストが上昇する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明の課題は、特
にミクロンオーダー以下の微粉体の流量を連続的に高い
精度と高い再現性をもって静電測定でき、経費のかかる
付加的な装置を実質上不要とする静電流量測定方法と、
この方法を実行するために使用される構造が簡単な装置
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、この発明
により、粉体を一定流速で流す通路に、内部表面部分に
対してその仕事関数または接触電位差が互いに異なる材
質から成る導電性材料の2本の検出管体を互いに電気絶
縁して連結配置し、両方の管体に発生する電流から粉体
の重量流量 Wを静電的に求める粉体の流量測定方法にあ
って、前記二つの電流を所定時間にわたって平均し、平
均検出電流 I1, I2 を求め、係数 A, Bを含む等式 W = A I1 + B I2 に従って粉体の重量流量 Wを求め、その場合、係数 A,
B を予め実験的に求めるため、同一粉体で、しかも重量
流量が互いに異なる少なくとも二種の既知の粉体の流れ
に関して、それぞれ両方の検出管体からの平均検出電流
を測定して上式から予め求めていることによって解決さ
れている。
【0006】粉体重量流量の測定装置、この測定装置を
含む粉体供給系に関してこの発明による他の有利な構成
は、特許請求の範囲の従属請求項に記載されている。
【0007】
【作用】粉体の処理で粒子が帯電する過程としては粒子
・壁面間の接触→十分な時間が経過→接触平衡が考えら
れる。しかし、粉体の空気輸送等で見られる粒子・壁面
間の衝突は極めて短時間の接触であり、接触平衡に達し
ない。このような場合には、有効な接触時間分だけの電
荷移動が行われる。よって、電気回路モデルを仮定する
と、1個の粒子が衝突して有効接触時間Δt の間に発生
する帯電量Δq は、 Δq = CV Δt/τ (1) となる。ここで、 τ : 帯電の時定数、 C : 接触部静電容量、 V : 接触部電位差。
【0008】静電容量はコンデンサと見なすと、 C =ε0S/z0 (2) で表せる。ここで、 ε0 : 真空の誘電率、 S : 接触面積、 z0 : 接触間隔。
【0009】接触部電位差に関しては粉体と壁面材質と
の仕事関数の差である接触電位差が考えられる。しか
し、実際の状態では粒子は常に電荷を帯びており、この
電荷が原因となって電気映像効果により粒子・壁面間に
電界が生じる。このため、接触層間隔にはこの電界によ
る電位差 Ve が印加し、接触電位差はこの分だけ変化す
る。更に、高濃度粉体の処理では接触粒子の周りにある
多数の帯電した粒子の影響(空間電荷効果)も考慮する
必要がある。これには、帯電粒子群の形成する電界から
粒子・壁面間に生じる電位差 Vb を求め、これを差し引
けばよい。従って、接触部電位差は、 V = Ve 0 − Ve − Vb (3) と表せる。ここで、 Ve 0 はこれ等の2つの効果が無視
できる場合の接触電位差である。 Ve および Vb は下記
のように表せる。即ち、 Ve = 2qz0/πε0 Dp 2 (4) Vb = q/mp・ Dz0w/4ε0 (5) ここで、 q : 衝突直前の電荷、 Dp : 粒子の直径、 q/mp : 粒子の比電荷、 D : 円管の内径、 w : ホールドアップ濃度、 mp : 粒子の質量、 であり、 Vb に関しては内径D の円管内を流れる固気2
相の場合を想定した。
【0010】粒子は壁面と何度も衝突するので、衝突毎
に帯電量も異なる。粒子がn 回目に衝突する前後の電荷
収支から微分方程式を立てそれを解くと、 q = q0exp(−n/n0) + qt{1−exp(−n/n0)} (6) となる。ここで、 q0 : 初期電荷、 qt : 最終電荷 (飽和電荷) 、 n0 : 緩和衝突回数。
【0011】次に (6)式を用いて、円管の軸方向に対し
て粒子の電荷収支を計算し、発生電荷を求めると、 I =− 2n(Δx) SΔt/πDp 2τ{3ε0Ve 0pDpz0 −(1 +α)q0/mp}W (7) ここで、 (Δx) : 長さΔx での衝突回数、 W : 質量流量、 および、空間電荷と電気映像効果の比である α= 3w/πρpDPDv (8) v : 平均粒子速度、 ρp : 粒子の密度。
【0012】単位質量流量当たりの発生電流 I/Wは、式
(7)から、 I/W =− 2n(Δx) SΔt/πDp 2τ{3ε0Ve 0pDpz0 −(1 +α)q0/mp} (9) 更に、(9) 式を整理すると、 I/W = a + b・q0/mp (10) である。ここで、a と bは検出系と測定すべき粉体によ
って定まる一定のパラメータである。即ち、 a =− 2n(Δx) SΔt/πDp 2τ・3ε0Ve 0pDpz0 b = 2n(Δx) SΔt/πDp 2τ・(1+α) (11) となる。
【0013】
【実施例】以下、好適実施例を示す図面に基づきこの発
明をより詳しく説明する。粉体の質量流量W とこの粉体
が流れる管体(好ましくは円管)に発生する平均発生電
流I とには、空間電荷効果が無視できる場合、 (7)式に
より直線関係がある。単一の管体から成る測定系に導入
された質量流量W に対する平均発生電流Iを実測する
と、かなりのばらつきがある。これは、測定系に導入さ
れる粒子が既に一部帯電しているため、 (10) 式の比電
荷 q0/mp が測定毎に異なるためである。
【0014】この発明によれば、比電荷 q0/mp の効果
を測定条件に無関係に相殺するため、図1に示す主要構
成部から成る粉体流量測定系を使用する。この測定系の
主要検出部は、粉体を浮遊状態で含むキャリヤガス、主
に空気を適当な搬送手段(図示せず)によって一定流量
に制御して流している粉体の流れ1を最初に導入する導
入管2と、この導入管2に同軸状に配設された第一検出
部3と、更にこの第一検出部3に同軸状に配設された第
二検出部4と、この第二検出部4に対して同軸状に配設
した排出管6とで構成されている。
【0015】第一検出部3および第二検出部5は内部表
面に特別な被覆処理を施した導電性材料から成る管体3
A と5A を有し、これ等の管体3A と5A も互いに同軸
状に配設されている。管体3A と5A の内部表面は、場
合によっては、管体の素材のままであってもよい。そし
て、両方の管体3A と5A は軸方向の長さが比較的短い
絶縁材料から成る短管40 あるいはスペーサーで互いに
連結されている。導入管2の出口と第一検出部3の管体
A の入口の間、および排出管6の入口と第二検出部5
の管体5A の出口の間にも、それぞれ絶縁短管41 と4
2 ないしはスペーサーが配設されている。この発明によ
れば、管体3A と5A の内部表面に被覆された表面材
料、あるいは管体自体の素材が互いに異なっていること
が特に大切である。即ち、表面の仕事関数が互いに異な
っている必要がある。なお、導入管2と排出管6は、絶
縁材料で形成されていれば、絶縁短管41 と42 ないし
はスペーサーを省略して、それぞれ対応する管体3A
A に直結させてもよい。
【0016】検出系の主要部である管体3A と5A は、
それ等に接続する相手側の導入管2と排出管6のそれぞ
れ一部を含めて、一体に形成された良導電性材料の遮蔽
円筒7によって外部擾乱電界に対して遮蔽されている。
そして、この発明によれば、管体3A,A のそれぞれに
は、この管体に生じる電荷を測定するため、電気導線3
C と5C が接続さている。両方の電気導線3C と5C
対応する管体3A,Aから遮蔽円筒7に設けた絶縁端子
B と5B を経由して外部にある評価処理装置12に導
入される。検出される電流は微弱であるため、電気導線
C と5C にはシールド線が使用される。それ故、電気
導線3C,C および絶縁端子3B,B に対してそれぞれ
同軸ケーブルおよび同軸コネクターを使用すると有利で
ある。
【0017】各検出部3,5から得られた検出電流は初
段増幅器3D,D 、例えば電流電圧変換器によって低域
濾波して所望の出力信号に変換され、対応する出力導線
Eと5E を介して後段の評価ユニット(図示せず)に
供給される。これ等の出力信号から以下に示す方法によ
って粉体の重量流量が算出される。
【0018】このような配置の各検出部3と5から求ま
る検出電流を等式(10) の助けをかりて表すと、質量流
量W に対する第一検出部3での検出電流 I1 は、 I1/W = a1 + b1・q1/mp (12) あり、第二検出部5での検出電流 I2 は 、 I2/W = a2 + b2・q2/mp (13) となる。ここで、指数1と2はそれぞれ第一検出部3と
第二検出部5に対応する特性量を区別するために使用さ
れている。
【0019】粉体の流れ1は両検出部3と5を連続的に
流れ、しかも絶縁短管40 の軸方向の長さが十分短い場
合、この部分の電荷発生を無視できるので、第一検出部
3の出口の比電荷 q1/mp は第二検出部の初期電荷とな
る。第一検出部3での電荷収支から、 q1/mp − q2/mp = I1/W (14) (12)と(13)式をそれぞれ初期電荷に付いて解き、(14)式
に代入して質量流量Wに対して解けば、 W = A I1 + B I2 (15) となる。ここで、二つの係数A とB は A = (1−1/b1)/(a2/b2−a1/b1) (16) B = 1/b2(a2/b2−a1/b1) (17) である。
【0020】従って、係数A とB を実験的に予め校正し
ておけば、初期電荷の影響を特別に配慮することなく質
量流量W を実測できる。係数A とB は、(16)と(17)式か
ら判るように、極度に大きな値になることを避けるべき
である。つまり、a2/b2 =a1/b1 を与える、あるいはそ
れに比較的近い関係を与える第一および第二検出部3,
5の管体3A と5A の内部表面の材料を選択することは
避けるべきである。何故なら、 (15) 式から判るよう
に、そのような場合、質量流量W が電流 I1, I2 に極度
に敏感に依存するからである。分母(a2/b2 −a1/b1)を
なるべく大きな値にするには、仕事関数あるいは接触電
位差Ve 0 のできる限り大きく相違する表面被覆材料を使
用すべきである。
【0021】更に、両方の表面被覆材料はそれぞれ化学
的に安定で、経年変化の少ない材料、例えば金属の白
金、金等を適宜組み合わせて選ぶことができる。表面へ
の被覆は周知の方法、例えば通常の電気メッキ、化学
(カニゼン)メッキ、あるいは他の表面処理技術、例え
ばCVDやPVDで適宜行える。
【0022】図2および図3には、異なる表面被覆を有
する単一の検出管を粉体が通過する場合に検出された電
流の波形の実例を示す。この場合、キャリヤガスは圧縮
機で圧縮したキャリヤガスを凝縮器と塵分離器を経由し
てエジェクタに導入し、同時にこのエジェクタにテーブ
ルフィーダーから吸引ノズルで捕集された粉体を導入し
て混合気体流(固気流)とした。そして、下記の共通測
定条件の下で流量の測定を行った。
【0023】検出管の長さ: L= 6 cm 内径: I.D. = 6 mm 使用した粉体:フライアッシュ No. 10 (平均粒径:
) キャリヤガスの流速: u = 30 m/s (空気) 図2および図3では、ステンレス管の内面をそれぞれ白
金および TiNで被覆したものであり、平均粉体重量流量
W0 ,平均測定電流 I0 , 測定管の入口での初期比電荷
q0/mp および流す粉体混合物の湿度ψは下記のように
なる。
【0024】 図2 図3 W0 1.0 x 10-6 kg/s 2.1 x 10 -6 kg/s I0 −0.36 nA 0.21 nA q0/mp 1.1 x 10-3 kg 2.2 x 10 -3 kg ψ 56 % 45 % これ等のグラフで注目されるのは、粉体を流し始めた時
点(図中記号Sで示す位置)から2〜3分で測定値が安
定すること、および同じ粉体にもかかわらず、検出管の
内面の被覆材料が異なると帯電状態が大幅に変わる、つ
まり図2と図3では電荷の符号が逆転する。測定電流値
の微細な変動は供給ガスの流量変動、粉体の混入量の微
細な変動(大略 50 秒の周期) と思えるが測定期間を1
〜2分程度にすれば正しい平均値を求めることができ
る。フライアッシュ No. 10 に関して広い重量流量範囲
(0.5 〜 3 x 10-6 kg/s)で測定した結果によれば、こ
の発明による検出装置での実測値と実際に流した粉体流
に対して± 10 %の一致が見られ、両者の間には優れた
直線性と再現性が得られた。これ等の重量流量範囲は、
前記理論式で仮定したように、粉体の空間電荷が管体の
内面と粉体との電気映像効果に比べて無視できる範囲に
あり、しかもキャリヤガスの流量が充分高い場合に相当
する。
【0025】理論式 (15) および上記の実験結果を踏ま
え、二種の検出管から得られた両方の検出電流から粉体
の重量流量を求めるのに適している評価ユニットの回路
構成とその演算手順を説明する。
【0026】図4は、初段増幅器3D と5D に後続する
評価ユニット10の主要部を示す。この評価ユニット1
0はデジタル式に動作するもので、検出系の初段増幅器
Dと5D の出力信号3E と5E (図1)を入力信号3
F と5F として対応するサンプル・ホールド回路11,
13に導入されホールドされたアナログ検出電流値はア
ナログ・デジタル変換器12,14によって所定のサン
プリング時間毎にそれぞれ符号も含めてデジタル値に変
換される。検出電流値に対する二つのデジタル値はRO
M記憶器16に書き込んだ演算ブログラムに従い、マイ
クロプロセッサ18によって粉体の重量流量値に変換さ
れる。RAM記憶器17は演算処理期間中に使用される
演算値を一時保管するためにある。演算した結果はイン
ターフェースと駆動ユニット(ドライバ)を兼ねたI/
Oユニット202,203 を経由して対応する表示部40
(例えばCRTあるいは液晶表示装置等)と印字装置
(例えばレコーダーまたはプロッタ等)に出力される。
デジタル量を取り扱う全ての回路要素12,14,1
6,17,18,191,192,201,202,203 はバ
スライン15によって相互に接続している。なお、ここ
に示す他のI/Oユニット191,192 は切換信号導線
1,2 を介して初段増幅器3D と5D のレンジ切換用
の信号を初段増幅器3D と5D にそれぞれ供給するため
のインターフェースと駆動回路である。上記切換信号導
線81,2 および初段増幅器3D と5D 中での切換回路
等は図1には示していない。付属するその他の装置、例
えば電源、付属操作スイッチ、タイミング信号用のクロ
ック発生器およびそれ等の回路に付属する駆動制御回路
もそれ自体公知であるので図示していない。
【0027】演算式 (15) の形と係数 A, B とはROM
記憶器16に保管される。係数 AとBは、実験的に校正
されて既知の場合には、キーボード30からその数値を
直接入力することによって、I/Oユニット201 を介
してデジタル値にしてROM記憶器16に導入すること
ができる。演算式 (15) も適当なプログラム文としてそ
れ等の二進符号の数値を同様にキーボード30から入力
することによって、I/Oユニット201 を介してデジ
タル値にしてROM記憶器16に導入することができ
る。
【0028】なお、係数 A, B を実験的に求めること
は、この測定系を用いて、つまり図1の測定検出ユニッ
トと図4の評価ユニット10自体を用いても行える。即
ち、等式 (15) から異なる二つの重量流量 W(1) , W
(2) に対して二つの検出管からの検出電流 I1 (1) と I2
(1) および I1 (2) と I2 (2) をそれぞれ実験的に求め、
連立方程式にして W(1) = A I1 (1) + B I2 (1) (18) W(2) = A I1 (2) + B I2 (2) (19) 係数 A, B を決定できる。
【0029】係数 A, B は両方の管体3A,A の材質を
規定しても、未だ種々のパラメータに依存する。例え
ば、キャリヤガスの種類、流量、温度、湿度および、当
然のことながら、粉体の種類、形状、粒度にも依存す
る。これ等のパラメータを数点変えて実測して、その都
度係数 A, B を求め、それ等をROM16記憶器および
/またはRAM記憶器17に保存して、使用する条件に
内挿あるいは外挿して決定することもできる。このよう
なパラメータの信号導入経路および検出部は図1にも図
4にも記入していないが、以下に説明する実例で示唆す
る。
【0030】図4では、主要部の演算は全てデジタル値
で行うデジタル方式であったが、この発明ではデジタル
方式でなく全てをアナログ値か、あるいは一部をアナロ
グ値にし他の値をデジタルにする方法も考えられる。例
えば、検出電流値を電流電圧変換器によって電流値とし
て求め、その値から等式 (15) を用いて手動計算で算出
することもできる。しかし、上に実験データで示したよ
うに(図2と図3)、検出電流は一般に平均化処理によ
って求める必要がある。それには、デジタル動作する適
当な計数器あるいはレジスタを使用してもよい。
【0031】アナログ式であれデジタル式であれ、この
発明によれば、(a) 両方の検出管からの測定電流 I1
I2 を所定の期間 Tにわたって平均化すること、(b) 実
験的に求めた両方の検出管に対する感度係数 A, B と上
記測定電流 I1と I2 から等式 (15) を用いて、重量流
量 Wを求める、から成る測定手順を踏むと実用的であ
る。
【0032】なお、この発明の技術思想を逸脱すること
なく、上に説明したこの発明による粉体の重量流量測定
装置の種々の改良、変更が可能である。例えば、初段増
幅器を2個でなく、1個にして二つの検出管に対して共
通に使用することもできる。その場合には、出力導線3
c,c を切換スイッチ(図示せず)に導入し、この切換
スイッチを測定平均に対する所定の期間 Tより長い一定
期間の周期で交互に切り換え、接続された検出信号を一
個の初段増幅器に導入する。このような処置によって、
図4の場合、サンプル・ホールド回路とアナログ・デジ
タル変換器をいずれも1個にできる。一定周期の切り換
え信号を発生する他のタイミング回路が必要である。な
お、検出電流が非常に微弱である場合には、上記の共通
回路用のスイッチは絶縁低下をもたらす恐れがあるので
不利である。
【0033】次に、この発明の提唱する粉体流量測定系
を使用して、実際に粉体の流量測定を行う、粉体供給系
を含めた全測定系の若干の実例を説明する。図5には、
二種の測定系のブロック図が示してある。図5(A)で
は、加圧供給方式によるもので、キャリヤガス供給ユニ
ットCGSにより所定の圧力に加圧されたキャリヤガス
は粉体混合器SMに常時導入される。他方、粉体試料の
供給源Sから粉体も特定量ほど計量して常時導入され
る。粉体を浮遊状態で混合したキャリヤガスは、次にこ
の発明による粉体流量測定系の検出管部DUを通過し、
粉体とキャリヤガスを分離する固気分離装置SPに導入
される。次いで、粉体を分離排除したキャリヤガスが流
量計FMを通過して排出される。検出管部DUで検出さ
れた2本の管体の帯電電流は評価ユニットEUに導入さ
れ、上に説明したように、粉体重量流量の算出に使用さ
れる。流量計FMから流量信号はモニター用の信号とし
て評価ユニットEUに導入される。なお、流量値を使用
することは上では説明しなかったが、測定条件の内一定
に維持すべきパラメータであるので、この値のモニター
および、場合によっては、所定流量値からのずれがある
場合の補正も行うとよい。この補正は実験的に測定し、
予めデータ表としてROM等の記憶器に保存しておく。
流量計の外に温度センサも使用すると、同一測定条件の
維持に有効である。このパラメータも流量と同じように
扱うべきである。
【0034】図5(B)では、減圧供給方式によるもの
で、全測定系の最終段に設けた吸引式のキャリヤガス供
給ユニットCGSが前段にある輸送配管のキャリヤガス
と粉体の混合物を減圧吸引する。測定系の最初の段には
キャリヤガスの導入される粉体混合器SMが設けてあ
り、この中に粉体試料の供給源Sから粉体が導入され
る。粉体を浮遊状態で混合したキャリヤガスは、次にこ
の発明による粉体流量測定系の検出管部DUを通過し、
粉体とキャリヤガスを分離する固気分離装置SPに導入
される。次いで、粉体を分離排除したキャリヤガスは流
量計FMを通過して最終段のキャリヤガス供給ユニット
CGSに導入される。
【0035】両方の方式で使用する各ユニットは、実際
には扱うキャリヤガスと粉体の種類、総量、流量、供給
方式等に応じて下記のような個別装置を適宜選択して使
用する。即ち、 キャリヤガス供給ユニットCGSとして、送風機、真空
ポンプ、圧縮機 粉体混合器SMと試料供給部Sとして、テーブルフィー
ダ、マイクロフィーダ、ロータリバルブ、電磁フィーダ
あるいは流動層に加えて、ガス同搬部であるエジェクタ
あるいは吸引ノズルの組み合わせ、あるいは圧力容器収
納型フィーダ 固気分離装置SPとして、バグフィルタ、サイクロン、
ロータリーバルブ 流量計FMとして、フロート流面積流量計、絞り機構に
よる流量計(オリフィス、ベンチュリー等) である。
【0036】なお、図5の(A), (B)のいずれの例で
も粉体流量の測定を終えたら、固気分離を行っている
が、製造プロセスに使用する場合、固気分離装置SPの
ところに後段の製造プロセス工程が入る。
【0037】更に、他の実際の測定例として、供給され
る粉体量が大量であるため、その一部を取り出して測定
する場合を説明する。図5はその一例を示す模式ブロッ
ク図である。大量の粉体αが流れる輸送管60の中にこ
の輸送管60の管壁を経由して捕集ノズル62を挿入す
る。ノズルの先端の捕集部の開口は流れ対向配設されて
いる。捕集ノズル62から導入導管64を経由して検出
管部66に捕集された粉体流が導入される。その際、粉
体流は後段の吸引装置74、例えばローターリ真空ドラ
イポンプによって形成される。検出管部66の後には固
気分離装置70、流量および/または温度を検出するモ
ニタ部72、前記吸引装置74が順次連結されている。
上に説明した検出管部66からの二つの検出電流は評価
ユニットイ68に導入されて、そこで粉体の重量流量に
換算される。更に、この測定重量から捕集能率を加味し
て輸送管60中の実際の粉体の重量流量に換算される。
この捕集能率による係数は予め実験的に求めておく。
【0038】
【発明の効果】この発明によって得られる利点は、特に
ミクロンオーダー以下の微粉体の流量を連続的に高い精
度と高い再現性をもって静電測定でき、経費のかかる付
加的な装置を実質上不要とし、構造が単純な装置を提供
できる点にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による粉体流量検出装置の主要部の断
面図である。
【図2】内部表面が白金で被覆されている検出管体の場
合、粉体の流れによって発生する電流の時間経過を示す
グラフである。
【図3】内部表面が TiNで被覆されている検出管体の場
合、粉体の流れによって発生する電流の時間経過を示す
グラフである。
【図4】検出電流から粉体の重量流量を求めるデジタル
評価ユニットの内部構成ブロック図である。
【図5】粉体供給系を含めた全測定系のブロック図で、
加圧供給方式の場合(A)と減圧供給方式の場合(B)
を示す。
【図6】粉体流の一部を取り出す検出方式を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
2 導入管 3,5 検出部 3A,A 検出管体 3D,D 初段電流増幅器 40,1,2 絶縁短管 6 排出管 7 遮蔽管 10 評価ユニット 11,13 サンプル・ホールド回路 12,14 アナログ・デジタル変換器 16 ROM記憶器 17 RAM記憶器 18 マイクロプロセッサ 19,20 インターフェース・ドライバ・ユニ
ット 30 キーボード 40 表示装置 50 印字記録装置 60 輸送管 62 捕集ノズル CGS キャリヤガス供給部 SM 粉体混合器 S 粉体供給装置 DU 検出ユニット EU 評価ユニット SP 固気分離装置 FM 流量計
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01F 1/56 G01F 1/74

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉体を一定流速で流す通路に、内部表面
    部分に対してその仕事関数または接触電位差が互いに異
    なる材質から成る導電性材料の2本の検出管体を互いに
    電気絶縁して連結配置し、両方の管体に発生する電流か
    ら粉体の重量流量 Wを静電的に求める粉体の流量測定方
    法において、前記二つの検出電流 I1,I2 を求め、係数
    A, B を含む等式 W = A I1 + B I2 に従って粉体の重量流量 Wを求め、その場合、係数 A,
    B を予め実験的に求めるため、同一粉体で、しかも重量
    流量が互いに異なる少なくとも二種の既知の粉体の流れ
    に関して、それぞれ両方の検出管体からの平均検出電流
    を測定して上式から予め求めていることを特徴とする粉
    体の流量測定方法。
  2. 【請求項2】 粉体の輸送手段として空気等のキャリヤ
    ガスを用いることを特徴とする請求項1に記載の粉体の
    流量測定方法。
  3. 【請求項3】 測定条件下の粉体は検出管体の内面に付
    着、堆積しない程度に混合物として比較的希薄であるお
    よび/または混合物の流速が早いことを特徴とする請求
    項1または2に記載の粉体の流量測定方法。
  4. 【請求項4】 係数 A, B を種々の測定条件下で予め実
    験的に求め、特定な測定条件の場合の係数 A, B を決定
    するため、互いに異なる少なくとも3種の測定条件下で
    粉体の既知重量流量に対して両方の検出管体からの検出
    電流を測定し、その場合の3種の係数 A, B から所望の
    測定条件下の係数 A, B を内挿あるいは外挿によって求
    め、測定条件としては混合物の温度、流速、湿度である
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の粉
    体の流量測定方法。
  5. 【請求項5】 粉体を一定流速で流す通路で粉体の重量
    流量 Wを静電的に求める粉体の流量測定装置の検出系と
    して、電気絶縁材料から成る短管あるいはスペーサー4
    0 を介して互いに絶縁して連結配置された、内部表面部
    分に対してその仕事関数または接触電位差が互いに異な
    る材質から成る導電性材料の2本の検出管体3A,
    A と、検出管体3A,A に発生する電流がこれ等の管体
    に導電接続する導線3C,C を経由して導入される少な
    くとも一つの初段増幅器3D,D とを備えていることを
    特徴とする検出系。
  6. 【請求項6】 前記検出管体の内部表面の材料は化学
    的、物理的に安定な材質から選ばれることを特徴とする
    請求項5に記載の検出系。
  7. 【請求項7】 粉体とキャリヤガスから成る混合物を一
    定流速で流す通路で粉体の重量流量 Wを静電的に求める
    粉体の流量測定装置において、評価ユニットとして、請
    求項5または6の検出系に加えて、更に前記検出管体3
    A,A に発生した検出電流 I1, I2 から係数 A, B を含
    む等式 W = A I1 + B I2 に従って粉体の重量流量 Wを算出する演算手段と、前記
    係数 A, B および/または粉体、キャリヤガスの流量、
    温度、湿度等の測定条件を入力する入力手段と、算出さ
    れた重量流量 Wの数値および他の測定条件を記録して表
    示する記録表示手段とを備えていることを特徴とする粉
    体の流量測定装置。
  8. 【請求項8】 キャリヤガス供給装置CGS,粉体供給
    装置S,粉体混合器SM,を連結して成る加圧供給方式
    あるいは減圧供給方式の粉体供給通路に請求項7の粉体
    の流量測定装置を配設してあることを特徴とする粉体供
    給系。
  9. 【請求項9】 粉体を輸送する管60内に設けた捕集ノ
    ズル62と、このノズルに連結する導入導管64と、請
    求項7または8の粉体の流量測定装置と、減圧粉体供給
    源74を設けて成る粉体流量監視系。
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