JP3254302B2 - 配管系及び容器内の音響特性同定方法 - Google Patents
配管系及び容器内の音響特性同定方法Info
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- JP3254302B2 JP3254302B2 JP15631093A JP15631093A JP3254302B2 JP 3254302 B2 JP3254302 B2 JP 3254302B2 JP 15631093 A JP15631093 A JP 15631093A JP 15631093 A JP15631093 A JP 15631093A JP 3254302 B2 JP3254302 B2 JP 3254302B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラント等に於ける配管
系或いは容器等の音響特性を同定するための方法に関す
る。
系或いは容器等の音響特性を同定するための方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般構造物を、インパルスハンマにより
衝撃的に打撃し、その振動応答を計測することにより、
機械的振動特性(機械的固有振動数、機械的固有振動モ
ード、モード減衰比)を同定する方法はよく知られ実用
化されている(モード解析の基礎と応用、日本機械学会
編、1986年丸善)。しかしながら、これと同様の方
法が配管系及び容器内の音響特性の同定に適用されてい
る例はない。
衝撃的に打撃し、その振動応答を計測することにより、
機械的振動特性(機械的固有振動数、機械的固有振動モ
ード、モード減衰比)を同定する方法はよく知られ実用
化されている(モード解析の基礎と応用、日本機械学会
編、1986年丸善)。しかしながら、これと同様の方
法が配管系及び容器内の音響特性の同定に適用されてい
る例はない。
【0003】これまで、配管系または容器内の音響特性
を実験的に同定する方法として、スピーカにより加振周
波数を変化させた正弦波の流量変動を配管系または容器
内に与え、それぞれの加振周波数に対して定常応答(圧
力変動)を求め伝達関数を求める方法(周波数応答法)
が提案されているが、この方法では、加振装置が大掛か
りになる点、計測に時間を要する点などから、必ずしも
実用的な方法であるとは云えない。この他の方法につい
ては、提案されている例すらないのが現状である。
を実験的に同定する方法として、スピーカにより加振周
波数を変化させた正弦波の流量変動を配管系または容器
内に与え、それぞれの加振周波数に対して定常応答(圧
力変動)を求め伝達関数を求める方法(周波数応答法)
が提案されているが、この方法では、加振装置が大掛か
りになる点、計測に時間を要する点などから、必ずしも
実用的な方法であるとは云えない。この他の方法につい
ては、提案されている例すらないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】構造系における機械的
振動特性の同定においては、インパルスハンマによる衝
撃力を入力信号とし、振動(加速度、速度、変位)の時
刻歴応答を計測して、伝達関数を求めている。流体振動
においてはインパルス状流量変動が構造系のインパルス
ハンマの衝撃力に相当し、圧力変動の時刻歴応答が構造
系の振動の時刻歴応答に相当する。従って、インパルス
状流量変動を配管系または容器に与え、圧力変動の時刻
歴応答を計測することによって、流体振動の伝達関数を
求めることが理論的に可能である。
振動特性の同定においては、インパルスハンマによる衝
撃力を入力信号とし、振動(加速度、速度、変位)の時
刻歴応答を計測して、伝達関数を求めている。流体振動
においてはインパルス状流量変動が構造系のインパルス
ハンマの衝撃力に相当し、圧力変動の時刻歴応答が構造
系の振動の時刻歴応答に相当する。従って、インパルス
状流量変動を配管系または容器に与え、圧力変動の時刻
歴応答を計測することによって、流体振動の伝達関数を
求めることが理論的に可能である。
【0005】このような従来技術の問題点及び発明者の
知見に鑑み、本発明の主の目的は、実際の配管系或いは
容器の音響特性を直接的に同定し、その管内脈動特性を
正確に把握することを可能にするような方法を提供する
ことにある。
知見に鑑み、本発明の主の目的は、実際の配管系或いは
容器の音響特性を直接的に同定し、その管内脈動特性を
正確に把握することを可能にするような方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、本発
明によれば、配管系或いは容器等からなる同定対象内
に、インパルス状の流動変動を与え、これによって該対
象内に生じる圧力変動の時刻歴応答を計測することによ
り、該対象内の流体振動の伝達関数を求め、該対象の音
響特性を同定することを特徴とする方法を提供すること
により達成される。ここで、音響特性とは、音響的固有
振動数、音響的固有振動モード及びモード減衰比等を含
むものであって良い。
明によれば、配管系或いは容器等からなる同定対象内
に、インパルス状の流動変動を与え、これによって該対
象内に生じる圧力変動の時刻歴応答を計測することによ
り、該対象内の流体振動の伝達関数を求め、該対象の音
響特性を同定することを特徴とする方法を提供すること
により達成される。ここで、音響特性とは、音響的固有
振動数、音響的固有振動モード及びモード減衰比等を含
むものであって良い。
【0007】
【作用】理想的なインパルス状の流量変動を与えること
により、全ての周波数に対して平等に加振されたのと等
価な伝達関数が求められるので、周波数応答法に比べて
容易に、短時間で伝達関数が得られる。理想的なインパ
ルス状の流量変動を得ることができない場合には、比較
的限られた周波数範囲についての特性が得られるのみで
あるが、実用上はあまり支障とならない。
により、全ての周波数に対して平等に加振されたのと等
価な伝達関数が求められるので、周波数応答法に比べて
容易に、短時間で伝達関数が得られる。理想的なインパ
ルス状の流量変動を得ることができない場合には、比較
的限られた周波数範囲についての特性が得られるのみで
あるが、実用上はあまり支障とならない。
【0008】
【実施例】図1は本発明の音響特性同定方法が適用され
た配管系からなるシステムの概要を示す。この配管系1
の或る点Xjに於いて、配管内にインパルス状の流量変
化を引き起こす。流量変化を引き起こす方法としては、
例えば、圧縮ガスをインパルス状に変化する流量をもっ
て配管などの系内に注入することが考えられる。このと
き、十分に理想的なインパルス状の流量変化を実現する
ことは困難であるので、FFT解析に必要となるデータ
が得られるように、圧縮ガスの注入を既知の流量履歴を
もって、或いは流量履歴を計測しつつ行うと良い。
た配管系からなるシステムの概要を示す。この配管系1
の或る点Xjに於いて、配管内にインパルス状の流量変
化を引き起こす。流量変化を引き起こす方法としては、
例えば、圧縮ガスをインパルス状に変化する流量をもっ
て配管などの系内に注入することが考えられる。このと
き、十分に理想的なインパルス状の流量変化を実現する
ことは困難であるので、FFT解析に必要となるデータ
が得られるように、圧縮ガスの注入を既知の流量履歴を
もって、或いは流量履歴を計測しつつ行うと良い。
【0009】その結果引き起こされる配管内の複数の部
位Xk(k=1...n)に於ける圧力変化を検出し、
それを、インパルス状の流量変化についてのデータと共
に、FFTアナライザの入力データとする。十分な精度
を得るためには、配管内の複数の点(j=1...m)
に於いてインパルス状の流量変化を引き起こし、それぞ
れについて得られた配管内の複数の部位に於ける圧力変
化をFFTアナライザの入力データとすると良い。
位Xk(k=1...n)に於ける圧力変化を検出し、
それを、インパルス状の流量変化についてのデータと共
に、FFTアナライザの入力データとする。十分な精度
を得るためには、配管内の複数の点(j=1...m)
に於いてインパルス状の流量変化を引き起こし、それぞ
れについて得られた配管内の複数の部位に於ける圧力変
化をFFTアナライザの入力データとすると良い。
【0010】図2はXj点に加えられた典型的なインパ
ルス状の流量変化を示し、図3は、それにより引き起こ
された配管系内のXk点に於ける圧力変動を示し、図4
はこのようなデータから求められた配管系の周波数応答
即ち伝達関数を示す。実際には理想的なインパルス状の
流量変動を与えるのは困難なので、必ずしも精度の良い
伝達関数を求めることはできない。従って、伝達関数の
精度を向上させるために、圧力変動のフーリエ変換「P
(iω,Xk,Xj)」とその加振源である流量変動の
フーリエ変換「Qo(iω,Xj)」の比として得られ
る伝達関数「H(iω,Xk,Xj)」、即ち
ルス状の流量変化を示し、図3は、それにより引き起こ
された配管系内のXk点に於ける圧力変動を示し、図4
はこのようなデータから求められた配管系の周波数応答
即ち伝達関数を示す。実際には理想的なインパルス状の
流量変動を与えるのは困難なので、必ずしも精度の良い
伝達関数を求めることはできない。従って、伝達関数の
精度を向上させるために、圧力変動のフーリエ変換「P
(iω,Xk,Xj)」とその加振源である流量変動の
フーリエ変換「Qo(iω,Xj)」の比として得られ
る伝達関数「H(iω,Xk,Xj)」、即ち
【0011】 H(iω,Xk,Xj)=P(iω,Xk,Xj)/Qo(iω,Xj) ・・・(1)
【0012】なる式に於ける分子分母にQo(iω,X
j)の共役復素数Qo(−iω,Xj)を乗じた下式を
伝達関数として用いると良い。即ち、
j)の共役復素数Qo(−iω,Xj)を乗じた下式を
伝達関数として用いると良い。即ち、
【0013】 H(iω,Xk,Xj) =P(iω,Xk,Xj)Qo(−iω,Xj)/|Qo(iω,Xj)|2 ・・・(2)
【0014】上式の分母は加振源の流量変動のパワース
ペクトルで実数となり、分子は加振源の流量変動と計測
された圧力変動とのクロススペクトルとなるので、数少
ない計測データを有効に活用し精度を高めることにな
る。
ペクトルで実数となり、分子は加振源の流量変動と計測
された圧力変動とのクロススペクトルとなるので、数少
ない計測データを有効に活用し精度を高めることにな
る。
【0015】尚、本発明は、プラントの配管或いは容器
に限らず、エンジンに於ける吸排気系、流体を取り扱う
産業機械の解析、住宅空間や劇場空間の音響特性の把握
などに広く応用可能である。
に限らず、エンジンに於ける吸排気系、流体を取り扱う
産業機械の解析、住宅空間や劇場空間の音響特性の把握
などに広く応用可能である。
【0016】
【発明の効果】上記した説明により明らかなように、本
発明によれば、単に同定対象に対してインパルス状の流
量変動を与えるのみで、全ての周波数に対して平等に加
振されたのと等価な伝達関数が求められるので、周波数
応答法に比べて容易に、短時間で伝達関数が得られる。
発明によれば、単に同定対象に対してインパルス状の流
量変動を与えるのみで、全ての周波数に対して平等に加
振されたのと等価な伝達関数が求められるので、周波数
応答法に比べて容易に、短時間で伝達関数が得られる。
【図1】本発明の音響特性同定方法が適用された配管系
からなるシステムの概要を示すダイヤグラム図である。
からなるシステムの概要を示すダイヤグラム図である。
【図2】図1のシステムに於けるインパルス状流量変動
波形を示すグラフである。
波形を示すグラフである。
【図3】図1のシステムに於けるインパルス状流量変動
により引き起こされた圧力変動のグラフである。
により引き起こされた圧力変動のグラフである。
【図4】図2及び3のデータから得られたシステムの伝
達関数を示すグラフである。
達関数を示すグラフである。
1 配管系 2 FFTアナライザ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−259722(JP,A) 特開 昭58−202831(JP,A) 特開 昭59−20819(JP,A) 特開 昭55−1569(JP,A) 特開 昭63−231233(JP,A) 実開 昭62−116180(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 7/02 G01M 19/00 G01N 29/00
Claims (2)
- 【請求項1】 配管系或いは容器等からなる同定対象
内に、インパルス状の流量変動を与え、これによって該
対象内に生じる圧力変動の時刻歴応答を計測することに
より、該対象内の流体振動の伝達関数を求め、該対象の
音響特性を同定することを特徴とする方法。 - 【請求項2】 前記音響特性が少なくとも音響的固有
振動数、音響的固有振動モード及びモード減衰比のいず
れかを含むことを特徴とする請求項1に記載の同定方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15631093A JP3254302B2 (ja) | 1993-06-03 | 1993-06-03 | 配管系及び容器内の音響特性同定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15631093A JP3254302B2 (ja) | 1993-06-03 | 1993-06-03 | 配管系及び容器内の音響特性同定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06347320A JPH06347320A (ja) | 1994-12-22 |
JP3254302B2 true JP3254302B2 (ja) | 2002-02-04 |
Family
ID=15625009
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15631093A Expired - Fee Related JP3254302B2 (ja) | 1993-06-03 | 1993-06-03 | 配管系及び容器内の音響特性同定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3254302B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018179727A1 (ja) * | 2017-03-28 | 2018-10-04 | 日本電気株式会社 | 配管診断装置、資産管理装置、配管診断方法、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
-
1993
- 1993-06-03 JP JP15631093A patent/JP3254302B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06347320A (ja) | 1994-12-22 |
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Legal Events
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