JP3251626B2 - 伝熱管支持体 - Google Patents

伝熱管支持体

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JP3251626B2
JP3251626B2 JP3681892A JP3681892A JP3251626B2 JP 3251626 B2 JP3251626 B2 JP 3251626B2 JP 3681892 A JP3681892 A JP 3681892A JP 3681892 A JP3681892 A JP 3681892A JP 3251626 B2 JP3251626 B2 JP 3251626B2
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俊二 河野
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  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)
  • Details Of Heat-Exchange And Heat-Transfer (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱交換に供されるシェル
側流体が伝熱管に沿って平行に流される形式のシェルア
ンドチューブ形熱交換器に係り、特に伝熱管に沿うシェ
ル側流体の流れを維持しつつ、伝熱管とシェルとの間に
できる無駄空間を最少に保つのに好適な伝熱管支持体に
関する。
【0002】
【従来の技術】シェルアンドチューブ形熱交換器では伝
熱管内を流れる流体に対してシェル側流体が蛇行流を保
持して流動する形式が多用されているが、この他にシェ
ル側流体が平行流を保って流動する形式のものも用いら
れる。この流動形式においては伝熱管の支持部材は蛇行
流における閉塞構造と異なり、通常、平板などを格子状
に組み上げ格子の目の部分に伝熱管を通してシェル側流
体が伝熱管に沿って平行に流れるように構成される。一
例を述べると、図5に示されるように平板1、2に平板
1、2の厚さに見合う幅のスリット3を切り、これらの
平板1、2同士をスリット3を使って格子状に多数組み
合わせて図6に示されるような支持枠4に固定して格子
の目の部分に伝熱管5を貫通させる伝熱管支持体を構成
している。なお、平板1、2の交差角度により例えばひ
し形の格子構造とする場合には双方の平板角度を傾けて
組み上げ、所望の格子形状が得られるようになっている
(例えば、特開昭55-14493号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の伝熱
管支持体においては、伝熱管配列パターンに自由度がな
く、直線的な管配列しか選べない。しかし、伝熱管を例
えば円筒形シェルの円形断面内で直線的に配列すると、
不可避的にシェル内面と管束外周部伝熱管との間に伝熱
管の入らない無駄空間が生じる。これは、図6において
もその様子がうかがえるし、例えば、実開昭58-7091 号
および特開平1-150798号公報などの図上にもその様子が
端的に表されている。
【0004】このような伝熱管が配列されない広い無駄
空間が特にシェル内面との間にできると、シェル側の平
行流熱伝達にとって非常に有害であり、実質的な熱交換
効率を低下させる原因となる。なぜならば、そのような
無駄空間は流動抵抗が小さいため流体が多く、流れ易い
けれども、一方で熱力学的相当直径が大きくなり、熱伝
達係数は逆に低下する。従って、こうした無駄空間を流
れた流体は、例えば加熱の場合には温度上昇の程度が低
く、一方、冷却の場合には温度低下の程度が低いといっ
た具合に、出口温度が期待されるほどには変化しない。
また、管束が正規の配列を保っている部分を流れた流体
は前述の理由で流量が低下しているので、熱伝熱係数は
低下するが、出口温度はかえって流量が少ないため、加
熱の場合には大きく上昇し、冷却の場合には大きく低下
する。そうして、管内側流体との間の温度差が逼迫し、
熱交換が余り生じなくなる。その結果、シェル側流体の
出口において得られる全体平均温度を理想的につくられ
た熱交換器の場合と比較すると常に加熱または冷却が不
足しがちとなる。また、このようにシェル側流体の断面
内温度分布ができるとシェルと伝熱管の温度差が拡大
し、熱応力の増大から破壊に至ることもある。
【0005】従って、本発明の目的はシェルの内面と管
束最外周伝熱管との間に無駄空間をつくらずに均等に伝
熱管を配列することができる伝熱管支持提を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による伝熱管支持
体は周方向に並ぶ一列の伝熱管を支持するための穴が穿
たれた円環状ないし方形状の支持部材と、多数の平板を
格子状に組み合わせて伝熱管を該平面の間で挟持する格
子ユニットとを備え、管束最外周伝熱管を前記支持部材
の前記穴に貫通させて支持し、かつそれ以外の伝熱管を
前記格子ユニットでそれぞれ支持するように同一平面内
に配置したことを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明の伝熱管支持体によれば、管束最外周伝
熱管をシェルの内面断面形状に沿った線状配列が可能な
円環状の支持部材として構成したことによってシェル内
面とその伝熱管との間の隙間が周方向に均一な最小限の
値とすることが可能である。従って、シェル内面と管束
最外周伝熱管との間の空間に流れる流体の流量を制限す
ることができ、流体温度を他の部分と同じように加熱ま
たは冷却し、出口温度を変化させることができる。ま
た、管束最外周伝熱管以外を例えば三角形配列、または
四角形配列の可能な、平体を格子状に組み合わせて構成
される格子ユニットとしたことによって小さい流動抵抗
でシェル側流体を伝熱管に沿って流すことが可能とな
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1を参照して説
明する。図1において、各伝熱管5a、5bは円筒形の
シェル(図示せず)の内断面内に配列されるが、管束最
外周の伝熱管5aのみは円環状の支持部材6によりシェ
ルの内面の円弧に沿って周方向に配列されている。一
方、それ以外の伝熱管5bは本実施例では格子ユニット
により正三角形状に配列されている。
【0009】より詳しく説明すると、伝熱管群のうち最
外周に位置する伝熱管5aは管群内を流れる流体の流れ
方向にその広い面を向けた支持部材6に周方向に一列に
多数穿たれた管穴に貫通して支持されており、また、そ
れ以外の伝熱管は図5に示すような平板1、2を用いて
図に示すようにこれらを格子状に組み上げてその目の部
分に貫通して支持されている。伝熱管5aを支持する支
持部材6の外径はシェル内径よりも僅かに(例えば、4
mm〜10mm)小さくなっている。また、その幅は伝熱管を
貫通させる管孔を有し、かつ、その内側に位置する伝熱
管を支持する平板1、2の端部を固定して十分な強度を
確保する最小限の幅を持っている。支持部材6と格子ユ
ニットとは同一平面に配置され、管軸方向に同じものが
複数個設けられる。
【0010】上記構成からなる伝熱管支持体において
は、シェルの内面と相対する部分の伝熱管が周方向に並
ぶ配列となっているため、シェル(図示せず)と伝熱管
5aとの間にできる隙間を最小限にすることができる。
こうして、この部分すなわち熱伝達のもっとも悪い部分
を流れる流体の流量を少なく抑え、流体温度を他の部分
と同じように加熱または冷却し、出口温度を変化させる
ことができる。また、円環状の支持部材6で支えられる
伝熱管5aを管束最外周の一列のみとしたことにより、
伝熱管軸方向へ流れる流体の流動抵抗を最小限に抑え、
スムーズな流動を実現可能にしている。
【0011】さらに、管束最外周以外の伝熱管5bを支
える格子ユニットは流体の流れ方向に最大の開口率を持
っているので、流体の流れをほとんど阻害しないで伝熱
管の軸方向に流体を流すことができる。
【0012】かくして、本発明の伝熱管支持体によれ
ば、ほとんど最小限の流動抵抗でシェル側流体を伝熱管
に沿って平行に流すことができるので、流体を駆動する
動力が少なくて済み、効率がよい。また、シェル内面に
沿って流れる流体が他の部分を流れる流体と同じように
加熱または冷却されるので、熱交換器の伝熱管とシェル
との間のメタル温度差を最少にして熱応力の問題を回避
できる。さらに、伝熱管を最稠密に配列でき、熱交換器
の小型化も実現できる。本発明の他の実施例を図2ない
し図4を参照して説明する。
【0013】図2は上記実施例の中の支持部材6の幅を
伝熱管5aと、その内側の伝熱管5bとの間にできた不
規則な無駄空間を塞ぐように拡幅して構成した支持部材
7を用いるものである。この支持部材7の拡幅された部
分にはこれら伝熱管支持体を伝熱管長手方向に多数規則
的に配置するためのタイロッド8を貫通させる貫通孔を
穿設している。本実施例は無駄空間を流れる流体の流量
を制限するのに効果がある。
【0014】さらに、図3は伝熱管5aの配列は周方向
に並ぶものであるが、それ以外の伝熱管5bが基盤目状
に規則正しく並べる配列が可能な格子ユニットであり、
周方向に並ぶ伝熱管5aのための支持部材9と、それ以
外の伝熱管5bのための平板1、2とにより構成され
る。また、図4は管束最外周の伝熱管5aを方形シェル
に沿うような方形の線上に配列するのに適するもので、
支持部材10と平板1、2とにより構成される。これらの
いずれにおいてもシェルと管束最外周伝熱管との間の空
間は最少となり、その部分を流れる流体に起因するさま
ざまの問題を解決することができる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、伝
熱管外流体が伝熱管に沿って最小限の流動抵抗を保って
流動することから、流体の駆動のための動力を抑制でき
る。
【0016】また、シェル内面に沿って流れる流体がシ
ェル内の他の部分を流れる流体と同じように加熱または
冷却されるので熱交換器の伝熱管とシェルとの間のメタ
ル温度差を最少にして熱応力の問題を回避できる。さら
に、伝熱管を最稠密に配列でき、熱交換器の小型化も実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による伝熱管支持体の一実施例を示す正
面図。
【図2】本発明の他の実施例を示す正面図。
【図3】本発明の他の実施例を示す正面図。
【図4】本発明の他の実施例を示す正面図。
【図5】従来の伝熱管支持体の格子を形成する平板の平
面図。
【図6】従来の伝熱管支持体を示す正面図。
【符号の説明】
1、2…平板 5…伝熱管 5a…管束最外周部分の伝熱管 5b…管束の最外周以外の部分の伝熱管 6、7、9、10…支持部材 8…タイロッド

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周方向に並ぶ一列の伝熱管を支持する
    めの穴が穿たれた円環状ないし方形状の支持部材と、多
    数の平板を格子状に組み合わせて伝熱管を該平面の間で
    挟持する格子ユニットとを備え、管束最外周伝熱管を前
    記支持部材の前記穴に貫通させて支持し、かつそれ以外
    の伝熱管を前記格子ユニットでそれぞれ支持するように
    同一平面内に配置してなる伝熱管支持体。
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