JP3248020U - 溶接機用台車 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶接機や周辺機器一式を搭載し、移動やボンベ交換が安全に行えるような溶接機用台車を提供する。【解決手段】本考案の溶接機用台車は、ボンベを搭載するボンベ搭載部と、溶接電源や送給装置などを搭載する溶接機搭載部を有し、ボンベ搭載部と溶接機搭載部は基台を介して一体となっており、基台に設けたキャスターにより溶接の周辺機器一式の搭載や移動を可能とした。また、溶接機搭載部は上段と下段の二段とし、上段と下段は基台に固定された支柱を介して下段支持枠及び上段支持枠より構成され、支柱、下段支持枠及び上段支持枠はフレーム部材で主に構成し、コンパクトかつフレキシブルにした。さらに、ボンベ搭載部の底面は基台より低い位置に設けてボンベ交換作業を容易にし、底面の外周部にボンベ固定爪を設置してボンベの転倒リスクを低減した。【選択図】図2
Description
本考案は、半自動溶接機とシールドガスボンベなどの溶接機用台車に関するものである。
金属を接合する溶接の方法として、ガス溶接やアーク溶接、レーザー溶接やスポット溶接などがある。アーク溶接には、溶接棒又はワイヤが溶ける溶極式と、溶けない非溶極式がある。溶極式は半自動溶接機を利用する方法と、溶接棒を使用した被覆アーク溶接などがある。ワイヤ送りが自動な点やスイッチを押したら溶接が始まるという点で、半自動溶接は被覆アーク溶接に比べて手軽であるため、半自動溶接機は初心者にも比較的扱いやすい。また、半自動溶接は溶接速度が速く、作業効率が高いため、工場、建築現場、工事現場、造船所などで幅広く活用される一般的な溶接方法である。
半自動溶接機の中でも、特にガスシールドアーク溶接機がよく使われる。このタイプの溶接機は、トーチの先端部分から溶接ワイヤが出てくるという構造をしており、CO2溶接、MAG溶接、MIG溶接の各溶接方法に対応できる。以下、本明細書において溶接機を半自動溶接機のうちガスシールドアーク溶接機として説明する。
半自動溶接機は、シールドガスとして炭酸ガスやアルゴンガス、これらの混合ガスなどを使用する。半自動溶接機は標準構成品として溶接電源、ワイヤ送給装置(以下、「送給装置」という。)、トーチ、ガスの調整器(以下、「調整器」という。)で構成される。作業設備や環境にもよるが、他にも延長ケーブル(制御ケーブルやパワーケーブル、ガスホース)や入力ケーブル、接地ケーブルや母材ケーブルなどのケーブル類やホース類、ガスボンベ(以下、「ボンベ」という。)、溶接ワイヤ、母材、リモコン、配電箱などの周辺機器、溶接面や研削又は研磨用のディスクグラインダーなど多くのその他の工具や付属部品(以下、「周辺機器一式」という。)を必要とする。
半自動溶接は、建築関係から車関係まで幅広い分野で使用される。工場内では半自動溶接を行う場所が定置式である場合もあるが、溶接作業場所の移動が必要となる場合もある。溶接電源には底面にキャスターがついており、押して運搬することができる。また、ワイヤ送給装置には取手が設けられ可搬式になっているので、ある程度のスペース内では溶接作業ができる。しかしながら、ボンベは定置式で溶接作業場所の隅に設置されており、ガスホースやケーブル類の制約もあり、ボンベの設置位置から離れた場所や、他の作業場所まで移動して溶接作業をすることは困難であり、不便である。溶接機には周辺機器が多いため、使用の際にそのまま床に置いておくと広いスペースが必要となる。作業場所における溶接機や周辺機器一式の占有空間が大きいばかりでなく、ケーブル類やホース類が床面を這うので足場を悪くし、他の作業者や運搬装置などの通行を妨げたり、溶接作業者自身の作業性が損なわれる。さらに、これらのケーブル類やホース類が作業者の足、運搬装置などに踏みつけられることにより、制御ケーブルの断線、トーチケーブルの詰まりなどの溶接機の故障の原因になる。
そこで、特許文献1のように半自動溶接機とボンベを一緒に台車に載せ、移動可能とした溶接機用台車が提案されている。特許文献1に記載の溶接機用台車は、ボンベの運搬時には傾斜させ重心を低くすることで安全に溶接作業場所を移動し、かつボンベの交換を容易に行うことができる。
このように半自動溶接機の移動は作業上求められることが多く、台車が必要とされており、使用しやすくなるような工夫がされている。しかしながら、溶接機だけでなく周辺機器一式を全部搭載できるような台車はなかなか見当たらない。
半自動溶接は溶接速度が速く、比較的初心者にも扱いやすいため、幅広い分野で使われる一般的な溶接方法である。半自動溶接では、シールドガスとしてボンベを使用することが多い。ボンベは重量が重く、高圧ガスであるため転倒を避ける必要がある。また、溶接電源やワイヤ送給装置も重量が重い。溶接作業場所を変える際に、半自動溶接機の移動が作業上求められる。特許文献1のような従来の溶接機用台車は、使用しやすくなるような工夫がされている。しかしながら、溶接機だけでなく多くの周辺機器一式を全部搭載できるような台車はなかなか見当たらない。また、安全で便利に移動できるような台車が求められており、重量の大きな機器や多くの周辺機器一式を安全に移動できるようにすることが課題である。
本考案は上記課題を解消するためになされたもので、従来の溶接機用台車に比べて、より多くの周辺機器一式を搭載でき、安全で便利に運搬ができ、ボンベの交換や台車自体の設計や組立ても容易である溶接機用台車を提供することを目的とする。
本考案の溶接機用台車は、ボンベを搭載するボンベ搭載部と、溶接電源及び/又は送給装置を搭載する溶接機搭載部を備え、ボンベ搭載部と溶接機搭載部は基台を介して一体に形成され、基台に設けたキャスターによって移動可能とした。また、溶接機搭載部は上段と下段の二段とし、上段と下段は基台に立設した支柱を介して下段支持枠及び上段支持枠が支持され、支柱、下段支持枠及び上段支持枠はフレーム部材で主に構成するようにした。さらに、ボンベ搭載部の底面を基台より低い位置に設け、底面の外周部にボンベ固定爪を有するようにした。
本考案の自動溶接機用台車は、ボンベ、溶接電源、送給装置、トーチ、ケーブル類やホース類に加えて保護面やディスクグラインダー、リベッター、ドリルなどの周辺機器一式を搭載できる。従来別々で用いていた溶接電源や送給装置、ボンベやその他周辺機器一式を全て溶接機用台車に搭載し、特に送給装置を溶接電源の上に配設したことにより、全体の占める床面スペースを小さくすることができる。また、溶接作業場所を変える際、段取りや後片付けを効率的に行うことができる。さらに、ケーブル類を作業床面に這わせることがないので、溶接作業場内の足場環境が良くなり、他の溶接作業者や運搬装置などの通行を妨げることがなく、かつケーブル類の断線や損傷を防止し得る。
溶接機に必要なケーブル類のうち、場所的制約を伴うものは入力ケーブルだけである。溶接機用台車の移動の際に、入力ケーブルが短ければプラグを抜き、移動先のコンセントに差し替えればよい。近距離の移動であれば、入力ケーブルのみを延長すればよい。このため、入力ケーブルを延長するにしてもコスト的に有利であり、床面を這わせてもさほど邪魔にならない。移動先にも電源コンセントが通常設けられているので、この点においても支障をきたすことはない。
また、本考案の溶接機用台車は、フレーム部材で枠状に主に構成したので、軽量化でき、メンテナンスしやすく、フレキシブルに設計や組立てをすることができ、コスト低減にもなる。支柱を延伸して突出部を設け、支柱や下段支持枠及び上段支持枠にはフレーム部材やフックなどで引掛部が容易に増設することができるので、ケーブル類やホース類、工具や付属部品を含めた周辺機器一式を適所に配置、収納し、全てを台車に搭載できる。
さらに、低い位置にボンベ搭載部の底面を設置したので、重いボンベを持ち上げずに交換できる。ボンベ搭載部のボンベ固定爪、ボンベ保持枠、ボンベから見て背面に設けた角鋼により、ボンベの底部、下側及び上側の位置を固定するとともに、チェーン13でボンベ搭載部1に着脱可能に固定するようにしたので、移動時にボンベがずれたり、転倒したりするのを防止でき、容易にボンベの交換が可能である。
本考案の溶接機用台車は、支柱を介して固定ボルトにより固定されている溶接機搭載部の下段と上段は、固定ボルトを取り外すことで容易に基台から分離することができる。このため、送給装置や周辺機器一式、ケーブル類やホース類を搭載したまま、分離することができ、溶接電源のメンテナンスを容易に実施することができる。
このように、本考案の溶接機用台車を使用することで、半自動溶接の周辺機器一式をコンパクトにまとめることができ、また移動の際の手間を削減できる。かつ、安全に作業や移動が可能となる効果がある。さらに、ボンベ交換の際には作業者の負担が少なく、安全に交換が可能である。
図1は、一般的な半自動溶接機の構成と溶接に必要な周辺機器一式を示す図である。半自動溶接機は標準構成品として溶接電源B、送給装置C、トーチD、ガスの調整器Eで構成される。他の周辺機器として、ボンベA、リモコンF、溶接ワイヤHがある。ケーブル類やホース類として、入力ケーブルG、接地ケーブルI、制御ケーブルJ、パワーケーブルK、母材ケーブルM、ガスホースLがある。他にも溶接に用いる工具や付属部品として、母材N、溶接面O、ディスクグラインダーP、リベッターQ、ドリルR、エアホースS、延長コードTなどがある。なお、周辺機器一式は図1に示すものに限定されず、他の工具や付属部品、機器を含むようにしてもよく、図1に示す機器を一部省略してもよい。
本考案の溶接機用台車は、ボンベ搭載部1と溶接機搭載部2よりなり、ボンベ搭載部1と溶接機搭載部2は一体となっており、キャスター3によって移動が可能である。本考案の溶接機用台車は、図1に示す半自動溶接機及び周辺機器一式を全て搭載することができる。なお、本考案は以下の実施形態について限定されるものではない。
以下、本考案の溶接機用台車の実施例1について、図2~8に沿って説明する。幾つかの構成要素について、図が煩雑になることを避けるため、各図で適宜図示を省略する。また、図2~8において、便宜上正投影図でない部分がある。
ボンベAはボンベ搭載部1に載せられ、溶接電源B及び送給装置Cを含む。その他の周辺機器は主に溶接機搭載部2に載せられる。ボンベ搭載部1と溶接機搭載部2は底部の基台12を介して一体に形成される。基台12にはキャスター3が合計4つ設けられ、周辺機器一式を搭載した状態で移動、溶接作業が可能である。なお、本実施例ではキャスター3をボンベ搭載部1の底部に2つ、溶接機搭載部2の底部に2つ設けたが、キャスター取付け位置はこれに限定されない。また、キャスターは3つでもよく、5つ以上設けるようにしてもよい。
ボンベ搭載部1の底面14は、溶接機搭載部2の底部の基台12より低い位置に設置されており、また外周部にボンベ固定爪4を有する。ボンベ搭載部1が低い位置にあることで、重いボンベAの交換作業を容易にし、作業者の負担を低減することができる。また重心を低くすることで、ボンベAの転倒リスクを低減し、安全に溶接作業場所を移動できる。さらに、溶接機用台車の全高を低めている。ボンベ固定爪4は底面14の左右の外周部に設けられ、ボンベAの底部の位置を固定するとともにボンベAの転倒リスクを低減する。また、左右のボンベ固定爪4の間にボンベAを斜めに傾けて動かしながら底面14に搭載することで、ボンベを持ち上げることなく容易に交換ができる。ボンベAの上側は、ボンベ保持枠15で横から固定される。また、ボンベ保持枠15の先端部においてチェーン13でボンベ搭載部1にS字フックやカラビナなどで着脱可能に固定される。このチェーン13は長さ調節が可能である。図7に示すように、ボンベ搭載部1の底面14の外周部が弧状である。これにより、低い位置にあるボンベ搭載部1の底面14による作業者の転倒やケガのリスクの低減や、底面14が壁や他の装置などに当たった際の衝撃や損傷を低減する。なお、チェーン13に限らず、バンドなど他のもので固定するようにしてもよい。
溶接機搭載部2は下段6及び上段7の二段とし、下段6に溶接電源B、上段7に送給装置Cを搭載する。下段6及び上段7は支柱8を介して下段支持枠26及び上段支持枠27より構成される。支柱8は4本のL字鋼などのフレーム部材を、下段6の基台12(下段支持枠26)に固定ボルト9などで固定して立設する。支柱8を介して下段6には下段支持枠26が、上段7には上段支持枠27が取付けられ、下段6(下段支持枠26)及び上段7(上段支持枠27)はこの支柱8によって支持される。下段6及び上段7は、角パイプなどのフレーム部材で矩形に組まれた上段支持枠27の上に溶接やボルトなどで鋼板を設けることにより、区切られる。送給装置Cはこの鋼板の上に配置される。上段7の長辺端部には上段端部材17が溶接やボルトなどで設けられ、送給装置Cや上段7に置かれた器具などの落下を防止する。
溶接電源Bの底部には通常キャスターがついている。図に示すように、基台12は溶接電源Bのキャスターを嵌め込むことができるように、角パイプなどのフレーム部材で下段支持枠26を組む。これにより、溶接電源Bのキャスターが移動の際などに溶接電源Bが転動して脱落しないように固定される。また、アングルなどのL字状の溶接電源固定具11によって、溶接電源Bを横から固定する。なお、溶接電源Bの固定方法はこれに限定されず、角パイプによる下段支持枠26の代わりに、鋼板を用いてこの鋼板上に溶接電源Bの車輪止めを設けたり、溶接電源Bを囲む周囲を起立させた角型盆状に形成してもよい。本考案のように、支柱8、下段支持枠26及び上段支持枠27などをフレーム部材で枠状に主に構成することにより、軽量化でき、メンテナンスしやすく、フレキシブルに設計することができ、コスト低減にもなる。
支柱8を介して固定ボルト9により固定されている溶接機搭載部2の下段6及び/又は上段7は、固定ボルト9を取り外すことで基台12から分離することができる。図8に示すように、上段7(下段支持枠27)の下側に吊り具Uを通してかけ、クレーンVで吊り上げることで、送給装置Cや周辺機器一式、ケーブル類やホース類を搭載したまま、分離することができるため、溶接電源Bのメンテナンスを容易に実施することができる。ケーブル類やホース類は長いので、このように分離しても問題となることはなく、基台12から分離した下段6と上段7を近くに置いて作業をすることもできる。なお、下段6と上段7を固定する固定ボルト9は、ボルトに限らず引きクランプなどを使用しても良い。吊り具Uはナイロンスリングやロープ、チェーン、バンドなどを使用する。重量がさほど重くない場合には、吊り具UやクレーンVを使わずに人力で下段6及び/又は上段7を基台12から分離することも可能である。
ボンベ保持枠15にはハンドル10が設置され、移動の際にはハンドル10や溶接機用台車の各種フレーム部材を持って押し又は引くことによって軽快に移動することができる。またキャスター3をロックできるようにすれば、溶接作業場所で作業を行う際に台車を固定し、台車に機器一式を載せたままでも安全に作業が行える。
ボンベ搭載部1と溶接機搭載部2の境界部に角鋼5を設ける。また角鋼5は下部だけでなく、ハンドル10と同じ高さで上部にも設ける(上部の角鋼5は不図示)。上部と下部の角鋼5は、ボンベ搭載部1にボンベAを立てた状態でのボンベAの下側及び上側から固定し安定させる。また、角鋼5により溶接電源B及び/又は送給装置CとボンベAを離間させて接触しないようにしているため、ボンベ交換の際に、ボンベAが溶接電源Bや送給装置Cに当たり、溶接電源Bや送給装置Cが破損するリスクを低減する。角鋼5は筒状であるため、溶接電源Bから出る入力ケーブルGなどを角鋼5に通すことで、ケーブル類がボンベAに干渉するリスクが低減できる。
ここで、ケーブル類やホース類として、入力ケーブルG、接地ケーブルI、制御ケーブルJ、パワーケーブルK、母材ケーブルM、ガスホースLが挙げられる。溶接電源Bには接地ケーブルI及び入力ケーブルG、被工作物(母材N)との間を結ぶ母材ケーブルMが接続されている。送給装置CにはボンベAとの間を結ぶガスホースL、溶接電源Bとの間を結ぶ制御ケーブルJ、パワーケーブルKが接続されている。送給装置Cとトーチハンドルとの間にはガスホースと制御ケーブルが接続されたパワーケーブルが接続されている(これらトーチハンドル及びパワーケーブルを含めてトーチDとする)。溶接電源Bを下段6に配置しても、下段6及び上段7との間は離間している。この隙間にケーブル類(制御ケーブルJやパワーケーブルKなど)を巻き回して格納できる。
また、本実施例では4本の支柱8のうち3本を長く形成して下段6より高く突出するように突出部18を形成し、この突出部18に図のようにケーブル類やホース類を巻き付けて掛けることができる。他にも、周辺機器としてのエアホースSや延長コードTなどの、ケーブル類やホース類も同様に掛けて収納することができる。これに限らず、必要に応じてアングルや角パイプなどのフレーム部材やフックなどにより引掛部19を、支柱8や下段支持枠26、上段支持枠27や突出部18などに増設するようにしてもよい。トーチホルダ16には溶接作業の休止時や溶接機の移動時にトーチDを差し込んで格納できる。本実施例では、突出部18の1つの上部に増設したが、これに限らず、支柱8の中央部や下段支持枠26や上段支持枠27のフレーム部材などに設けるなど、適宜変更するようにしてもよい。
工具類や溶接機の付属部品として、例えば溶接面OやディスクグラインダーP、リベッターQやドリルRなども、図のように支柱8にホルダーやフックなどによって引掛部19を増設して格納する。また、台車に用いる部材(角パイプ、アングル、鋼板など鋼材)の金属が磁石を取付け可能であれば、マグネットフックなどを引掛部19として後付けしてもよい。さらに、溶接作業自体や溶接作業が必要な工程で用いるクランプ(不図示)など、その他の工具や付属部品を含めた周辺機器一式を搭載することができるようにしてもよい。このように、本考案の溶接機用台車はフレキシブルに設計、増設、変更、組立てすることができ、周辺機器一式を適所に配置、収納し、全てを台車に搭載することができる。なお、本実施例においてA~Tを搭載するようにしたが、これに限るものではなく、A~Tのすべてを搭載しなくてもよいし、他の機器や工具を加えてもよい。
また、移動を想定しているため、入力ケーブルGは三相200Vの接地極付きプラグのコンセントとしたが、これに限らず、入力ケーブルGを配電箱(ブレーカー)につなぎ、接地ケーブルIを別に接地するようにしてもよい。調整器Eがヒータ型の場合、ヒータ用ケーブルが必要となるが、他のケーブル類と同様に突出部18や引掛部19に掛けて収納できる。また、ボンベAは1本に限らず複数載せるようにしてもよい。さらに、送給装置Cの搭載部分を円形盆状に形成し、送給装置Cにキャスターを取付けて可動式にすれば、キャスターによって送給装置がこの円形盆内Cを回転して方向を変えることができ、溶接作業を一段と容易にすることができる。
(比較例)
本考案の溶接機用台車を使わない場合、半自動溶接機と周辺機器一式は図1のように別々に配設され、台車を使用する場合と比べて3~5倍以上のスペースを必要とする。移動の際には重いボンベや機器を運搬する必要があり、作業者の負担が大きく、移動にも長い時間が必要となる。ケーブル類やホース類の長さによっては移動距離も制限され、移動が難しい。またケーブル類が作業床面を這う状態となるため、他の溶接作業者や運搬装置などの通行を妨げ、溶接作業者の転倒リスクやケーブル類の断線や損傷のリスクが増える。
本考案の溶接機用台車を使わない場合、半自動溶接機と周辺機器一式は図1のように別々に配設され、台車を使用する場合と比べて3~5倍以上のスペースを必要とする。移動の際には重いボンベや機器を運搬する必要があり、作業者の負担が大きく、移動にも長い時間が必要となる。ケーブル類やホース類の長さによっては移動距離も制限され、移動が難しい。またケーブル類が作業床面を這う状態となるため、他の溶接作業者や運搬装置などの通行を妨げ、溶接作業者の転倒リスクやケーブル類の断線や損傷のリスクが増える。
本考案の溶接機用台車は、従来別々で用いていたボンベA、溶接電源B及び送給装置Cや周辺機器一式を台車上に配設し、特に送給装置Cを溶接電源Bの上に配置して二段に構成したので、装置全体の占める床面スペースを小さくすることができる。このように、本考案の溶接機用台車を使用することにより、比較例1に比べて、より簡単で安全に作業や移動が可能となる。また、溶接作業場所を変える際、段取りや後片付け作業を極めて効率化することができる利点がある。本考案の溶接機用台車を用いれば、ボンベA、溶接電源B及び送給装置Cは共に近接して配置されて台車上にあるので、これらが従来別々に配設される場合に比べて、ケーブル類やホース類の長さは短くすることができる。溶接作業場所を移動する場合には、ハンドル10や上段支持枠27、突出部18などを持って押す、又は引くことによって軽快に移動することができる。ケーブル類やホース類を作業床面に這わせることがないので、溶接作業場内の足場環境が良くなり、他の溶接作業者や運搬装置などの通行を妨げることがなく、かつケーブル類の断線や損傷を防止し得る。さらに、本考案の溶接機用台車はケーブル類やホース類、周辺機器一式を格納できるよう適宜フレキシブルに設計変更することができ、組立ても比較的容易である。
本考案は、半自動溶接機の周辺機器一式を搭載し移動やボンベ交換が安全に行えるような台車を提供する。なお、本明細書において半自動溶接機(ガスシールドアーク溶接機)として説明したが、これに限らず、自動溶接機や他の種類の溶接にも展開、応用することができる。
1 ボンベ搭載部
2 溶接機搭載部
3 キャスター
4 ボンベ固定爪
5 角鋼
6 下段
7 上段
8 支柱
9 固定ボルト
10 ハンドル
11 溶接電源固定具
12 基台
13 チェーン
14 底面
15 ボンベ保持枠
16 トーチホルダ
17 上段端部材
18 突出部
19 引掛部
26 上段支持枠
27 下段支持枠
A ボンベ
B 溶接電源
C 送給装置
D トーチ
E 調整器
F リモコン
G 入力ケーブル
H 溶接ワイヤ
I 接地ケーブル
J 制御ケーブル
K パワーケーブル
L ガスホース
M 母材ケーブル
N 母材
O 溶接面
P ディスクグラインダー
Q リベッター
R ドリル
S エアホース
T 延長コード
U 吊り具
V クレーン
2 溶接機搭載部
3 キャスター
4 ボンベ固定爪
5 角鋼
6 下段
7 上段
8 支柱
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11 溶接電源固定具
12 基台
13 チェーン
14 底面
15 ボンベ保持枠
16 トーチホルダ
17 上段端部材
18 突出部
19 引掛部
26 上段支持枠
27 下段支持枠
A ボンベ
B 溶接電源
C 送給装置
D トーチ
E 調整器
F リモコン
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H 溶接ワイヤ
I 接地ケーブル
J 制御ケーブル
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M 母材ケーブル
N 母材
O 溶接面
P ディスクグラインダー
Q リベッター
R ドリル
S エアホース
T 延長コード
U 吊り具
V クレーン
Claims (6)
- ボンベを搭載するボンベ搭載部と、溶接電源及び/又は送給装置を搭載する溶接機搭載部を備え、前記ボンベ搭載部と前記溶接機搭載部は基台を介して一体に形成され、前記基台に設けたキャスターによって移動可能としたことを特徴とする溶接機用台車。
- 前記溶接機搭載部は上段と下段の二段とし、前記上段と前記下段は前記基台に立設した支柱を介して下段支持枠及び上段支持枠が支持され、前記支柱、前記下段支持枠及び前記上段支持枠にはフレーム部材を用いたことを特徴とする請求項1に記載の溶接機用台車。
- 前記支柱を固定ボルトで前記基台に立設することにより、前記下段及び/又は前記上段を前記基台に固定し、メンテナンス時には前記固定ボルトを取り外すことで前記下段及び/又は前記上段を前記基台から分離することを特徴とする請求項2に記載の溶接機用台車。
- 前記ボンベ搭載部の底面は前記基台より低い位置にあり、前記底面の外周部にボンベ固定爪を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の台車。
- 前記溶接機搭載部と前記ボンベ搭載部の境界部には角鋼を設置し、前記ボンベが前記溶接機電源及び/又は前記送給装置と接触しないようにしたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の台車。
- 前記支柱を長く形成して前記下段より高く突出した突出部を形成し、前記フレーム部材及び/又は前記支柱及び/又は前記突出部に引掛部を増設し、前記突出部及び/又は前記引掛部にケーブル類やホース類、工具や付属部品を収納可能とし、周辺機器一式を搭載するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の溶接機用台車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2024002109U JP3248020U (ja) | 2024-06-26 | 2024-06-26 | 溶接機用台車 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2024002109U JP3248020U (ja) | 2024-06-26 | 2024-06-26 | 溶接機用台車 |
Publications (1)
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JP3248020U true JP3248020U (ja) | 2024-08-23 |
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ID=92418833
Family Applications (1)
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JP2024002109U Active JP3248020U (ja) | 2024-06-26 | 2024-06-26 | 溶接機用台車 |
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JP (1) | JP3248020U (ja) |
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2024
- 2024-06-26 JP JP2024002109U patent/JP3248020U/ja active Active
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