JP3246642U - 海水利用型発電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】発電所の復水器を利用した発電システムを提供することである。【解決手段】海水利用型発電システム10は、熱エネルギーを利用して蒸気により回転して発電機を回転させる蒸気タービン部22と、蒸気タービン部22が排出する蒸気を冷却して復水にする復水器24と、海から海水を汲み上がるポンプ部34を含み、復水器24に海水を流入させるための上流側流通路部32と、復水器24から流出する海水を海に戻すための下流側流通部36と、下流側流通部36内を流通する海水により作動する水車部38と、水車部38の回転を利用して発電する水車発電部40と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本考案は、海水利用型発電システムに関する。
従来、火力発電所や原子力発電所が設置されている。本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、原子力発電所、火力発電所、工場等に付設の冷却水排水路或いは水力発電所における使用済み水を放水する排水路等の排水路内の川床上に、水車カプセル型水力発電装置をアンカーにより固定配設して、排水エネルギーを電気エネルギーに変換し、その得られた電力を地上の受電設備を介して分岐接続型電気分解槽に通電して水の電気分解により水素と酸素を発生せしめるとともに、発生した水素と酸素を、夫々圧縮装置を介して水素貯蔵装置と酸素貯蔵装置とに送り該部に貯蔵せしめるようになした水素、酸素発生のシステム系統を具備しており、前記水車カプセル型水力発電装置は、排水路内を流れる排水の激流を停止することなくその川床上に容易、安全、安定して水力発電装置を固定配設せしめるべく、カプセル内の制水ゲートを有する導水管前端部と後端部との中間に、内部にプロペラ水車を有しない導水管中間部とプロペラ水車を組み込んだ導水管中間部とを切り替え接続自在となし、プロペラ水車と直流発電機を連携接続せしめてなるものであり、前記分岐接続型電気分解槽は、発生した水素と酸素の混合による純度と発生効率の低下を防止するべく、電解槽を酸素発生の陽極槽と水素発生の陰極槽とに分離して形成し、陽極槽と陰極槽はその底部外面において連通管を介して接続せしめ、その連通管の中間部に高分子膜の隔膜を配設するとともに、陽極槽は連通管を介して清水供給の給水タンクに接続して電気分解槽と給水タンクの水面を常時一定水位に保持せしめるようになしたことを特徴とする排水エネルギー利用の水素、酸素発生システムが開示されている。
火力発電所や原子力発電所では、熱エネルギーを利用して蒸気により回転して発電機を回転させる蒸気タービンがあり、当該蒸気タービンが排出する蒸気を冷やす復水器には大量の海水が利用されている。
本考案は、発電所の復水器を利用した発電システムを提供することである。
本考案に係る海水利用型発電システムは、熱エネルギーを利用して蒸気により回転して発電機を回転させる蒸気タービンと、前記蒸気タービンが排出する蒸気を冷却して復水にする復水器と、海から海水を汲み上がるポンプを含み、前記復水器に前記海水を流入させるための上流側流通路部と、前記復水器から流出する前記海水を前記海に戻すための下流側流通部と、前記下流側流通部内を流通する前記海水により作動する水車部と、前記水車部の回転を利用して発電する水車発電部と、を備えることを特徴とする。
また、本考案に係る海水利用型発電システムにおいて、化石燃料を燃やして前記熱エネルギーを得る火力部を備えることが好ましい。
また、本考案に係る海水利用型発電システムにおいて、ウラン燃料を核分裂させて前記熱エネルギーを得る原子力部を備えることが好ましい。
本考案によれば、発電所の復水器を利用した発電をすることが出来る。
以下に、本考案に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。 以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、本考案に係る実施の形態の海水利用型発電システム10を示す図である。海水利用型発電システム10は、燃料タンク部12と、燃料流通部14と、ボイラ部16と、集塵部18と、煙突部20と、蒸気タービン部22と、復水器24と、発電機26と、変圧器28と、送電鉄塔30と、上流側流通部32と、ポンプ部34と、下流側流通部36と、水車部38と、水車発電部40とを備えている。
燃料タンク部12は、ボイラ部16に供給するための燃料を貯蔵するタンクである。燃料としては、例えば、天然ガス、石炭、石油を用いるものとして説明するが、もちろん、その他の燃料でもよい。
燃料流通部14は、ボイラ部16と燃料タンク部12とを接続し、燃料タンク部12に貯蔵された燃料をボイラ部16に供給するように燃料を流通させるパイプを含んで構成される。
ボイラ部16は、燃料タンク部12から供給される燃料を燃やして得た火力を用いて蒸気タービン部22及び復水器24を介して循環する水を蒸気に変えて蒸気タービン部22に供給する。
集塵部18は、ボイラ部16内で燃料を燃やすことにより生成された流体の中に含まれる各種ダストの微粒子に電荷を与え、集塵極に引き寄せることでダストを捕集する装置である。
煙突部20は、集塵部18によって各種ダストが捕集された後の流体を排出する煙突であり、煙突効果を奏するように所定の高さを有している。
蒸気タービン部22は、蒸気の持つ熱エネルギーを羽根車の回転エネルギーに変換する装置で、原動機の一種である。蒸気タービン部22は、高温高圧の水蒸気をノズルまたは固定羽根を通して噴出・膨張、あるいは方向変化させて高速の蒸気流をつくり、これを軸に取り付けた羽根に噴き付けて軸を回転させることで回転エネルギーを生み出す。蒸気タービン部22によって生み出された回転エネルギーは発電機26に供給される。
復水器24は、蒸気タービン部22の蒸気を冷却して水に戻す復水によって、復水器24の内圧(=タービンの出口圧力)を大気圧以下に下げて、蒸気タービン部22の出力と熱効率を大幅に上昇させるための装置である。復水器24は、復水器24の内部に多数の管を設けて管内に冷却水を流して蒸気を冷却する表面復水器である。蒸気と冷却水が直接触れない為、綺麗な復水を取り出すことができる。また、復水器24は、海からの高さが15mくらいに設定されている。
発電機26は、電磁誘導作用を利用して回転エネルギーから電気エネルギーを得る電力機器である。発電機26は、蒸気タービン部22から供給される回転エネルギーを電気エネルギーに変換し、変圧器28に伝送する。
変圧器28は、発電機26から伝送された電気エネルギーの電圧を変えて送電鉄塔30に伝送する。
送電鉄塔30は、架空送電線を支持するための構造物である。また、送電線の役割とは、変圧器28と変電所、あるいは変電所同士の間に電気を送る機能を有する。送電鉄塔30は、変圧器28から伝送された電気エネルギーを図示しない変電所に伝送する。
上流側流通部32は、一方端が復水器24の内部の管の一方端に連結され、他方端が海に挿入されて、海水を復水器24に流入させるためのパイプを含んで構成されている。
ポンプ部34は、圧力の作用によって液体や気体を吸い上げたり送ったりするための機械であり、機械的なエネルギーで圧力差を発生させ液体や気体の運動エネルギーに変換させる。ポンプ部34は、上流側流通部32の他方端の海水を吸い上げて復水器24に供給する。
下流側流通部36は、一方端が復水器24の内部の管の他方端に連結され、他方端が海に挿入されて、海水を復水器24から排出させるためのパイプを含んで構成されている。
水車部38は、水のエネルギーを機械的エネルギーに変える回転機械である。水車部38は、下流側流通部36に設けられており、下流側流通部36を流れる海水によって羽根が回転し、この回転動力が取り出されて水車発電部40に供給される。
水車発電部40は、電磁誘導作用を利用して回転エネルギーから電気エネルギーを得る電力機器である。水車発電部40は、水車部38から供給される回転エネルギーを電気エネルギーに変換する。ここでは、水車発電部40と発電機26とは別々の構成であるものとして説明したが、一体化させてもよい。
続いて、上記構成の海水利用型発電システム10の作用について説明する。
(発電所において活用されていないエネルギーが有効活用されていない理由)
火力発電所などを運用する電力会社は、火力発電所の設計・建設を落札者に委ねているだけで自らが関与していないため、火力発電所内において活用されていないエネルギーを有効活用するといった発想がない。
火力発電所などを運用する電力会社は、火力発電所の設計・建設を落札者に委ねているだけで自らが関与していないため、火力発電所内において活用されていないエネルギーを有効活用するといった発想がない。
落札者は、予め与えられたスペックを満たすように発電所建設を進めるだけで、その後の改善提案はほぼ行っていない。また、一般的に電力会社の組織の中には、効率改善を目的とした部署は存在せず、定期修理・安全対策・使い勝手の改善等に対する部署が存在だけである。
火力発電所が出来てから数十年間経過しているが、排水海水の利用についての発想が散見されていない。また、発電所における発電量が大きいので、この発電量に比較すると、わずかな改善でも行うべきであるという視点が無い。
火力発電所内への外部の見学者は、タービン周り及び建屋のみの見学だけで排水系統を見ることはほとんどない。一般的に火力発電所の設計は秘匿扱いのため、一般人が見ることはできない。
(水力発電が進んでいない理由)
水力発電(ダム)は莫大な建設費が必要にある上に、河川を利用する権利が必要になる。日本では河川を利用するための利権が異常に複雑なため、建設を実施するための手続きが煩雑になる。そのため、水力発電が進んでいない。
水力発電(ダム)は莫大な建設費が必要にある上に、河川を利用する権利が必要になる。日本では河川を利用するための利権が異常に複雑なため、建設を実施するための手続きが煩雑になる。そのため、水力発電が進んでいない。
新たにダムを造るとなると莫大な建設費用がかかり、公共事業に厳しい目が向けられている昨今ではなかなか難しいものがある。昨今では、マイクロ水力発電が主流になってきている。
このような課題に対して、本考案の実施形態に係る海水利用型発電システム10は顕著な効果を発揮する。海水利用型発電システム10は、火力発電所において燃料を利用して蒸気タービン部22を作動させて発電機26により発電している。この際、蒸気タービン部22内の蒸気を復水器24により冷却して水に戻してボイラ部18に流通させる。
復水器24の冷却には、ポンプ部34によって吸い上げた海水が上流側流通部32から復水器24に流入し、復水器24から流出した海水によって水車部38が作動して発電する。復水器24の冷却に使用した海水は、海に戻すだけなので、この海水の位置エネルギーを水車部38で回収すれば再生電力エネルギーが得られるという顕著な効果を奏する。ここでは、水車部38を用いるものとして説明するが、水力発電タービンを用いてもよい。
また、海水利用型発電システム10によれば、従来から存在する火力発電所に対して小規模の改造で実現することができ、環境問題や利権等については、ほぼ何も考慮することはない。海水を汚濁することもない。
火力発電所内に変電所があり、発電機の購入及び設置、送電線及び送電システムの改造などといった安価な投資で実現できる。
さらに、海水を利用した再生可能エネルギーであるため、この再生エネルギーを使った発電した電力分は火力発電に必要な燃料を削減することができるため、CO2削減効果があると言える。また、国策事業として国からの補助金が受けられる可能性がある。
風力発電や太陽光発電のような自然気象に左右されることがない安定したエネルギーを得ることができる。火力発電所の運転範囲の自由度が上がる。日本国内のみならず外国でも実現することが出来る。
ここで、復水器24は、海からの高さが15mくらいに設定されており、上流側流通部32、復水器24及び下流側流通部36を流れる水量は毎秒当たり20トンである。したがって、海水が上流側流通部32、復水器24及び下流側流通部36を流通する際の有効落差は15mであるため、9.8×15m×20トン=2940Kwの位置エネルギーを用いて水車部38を回転させて発電することが出来る。
なお、上記では、復水器24の設置の高さを15mとしたが、この高さは一例であって、15m以上の高さに設置されることもある。また、上記の計算式では、火力発電所の海抜を5mと見込んでおり、平均海水面を0mとした。
上記では、海水利用型発電システム10の適用対象の発電所は、火力発電所であるものとして説明したが、もちろん、その他の発電所でもよく、例えば、ウラン燃料を核分裂させて前記熱エネルギーを得る原子力部を備える原子力発電所にも適用可能である。
10 海水利用型発電システム、12 燃料タンク部、14 燃料流通部、16 ボイラ部、18 集塵部、20 煙突部、22 蒸気タービン部、24 復水器、26 発電機、28 変圧器、30 送電鉄塔、32 上流側流通部、34 ポンプ部、36 下流側流通部、38 水車部、40 水車発電部。
Claims (3)
- 熱エネルギーを利用して蒸気により回転して発電機を回転させる蒸気タービンと、
前記蒸気タービンが排出する蒸気を冷却して復水にする復水器と、
海から海水を汲み上がるポンプを含み、前記復水器に前記海水を流入させるための上流側流通路部と、
前記復水器から流出する前記海水を前記海に戻すための下流側流通部と、
前記下流側流通部内を流通する前記海水により作動する水車部と、
前記水車部の回転を利用して発電する水車発電部と、
を備えることを特徴とする海水利用型発電システム。 - 請求項1に記載の海水利用型発電システムにおいて、
化石燃料を燃やして前記熱エネルギーを得る火力部を備えることを特徴とする海水利用型発電システム。 - 請求項1に記載の海水利用型発電システムにおいて、
ウラン燃料を核分裂させて前記熱エネルギーを得る原子力部を備えることを特徴とする海水利用型発電システム。
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JP2024000716U JP3246642U (ja) | 2024-03-08 | 2024-03-08 | 海水利用型発電システム |
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2024
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