JP3246605U - 動物忌避装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】音の到達距離を伸ばすこと及び/又は動物の音慣れ抑制が可能となる、音を用いる動物忌避装置を提供する。【解決手段】動物忌避装置1は、電気的な音信号を生成する本体部2と、音信号を音波に変換して出力する発音部3と、を備え、音波により動物に忌避行動を起こさせる装置である。発音部3は、圧電スピーカーと、圧電スピーカーを駆動するドライブ回路と、を有する。ドライブ回路は、圧電スピーカーに接続された2つのスイッチング素子を含むハーフブリッジ回路を有する。【選択図】図1
Description
実用新案法第11条において準用する特許法第30条第2項適用申請有り (電気通信回線を通じて公開)▲1▼ ウェブサイトの掲載日 2023年8月25日、2023年8月31日、2024年3月6日 ▲2▼ ウェブサイトのアドレス(URL) ・掲載日2023年8月25日に関して https://jyugaitaisaku.com ・掲載日2023年8月31日に関して https://www.tmworks-web.jp/introduce/shika/ ・掲載日2024年3月6日に関して https://shikasonic.com https://shikasonic.com/about/ https://shikasonic.com/products/ https://shikasonic.com/products/rail/ https://shikasonic.com/products/roadkill/ https://shika.azlinx.jp/ https://shika.azlinx.jp/about/ https://shika.azlinx.jp/products/ https://shika.azlinx.jp/products/rail/ https://shika.azlinx.jp/products/roadkill/ (販売) ▲1▼ 販売日 2023年8月31日、2024年2月10日 ▲2▼ 販売した場所 ・2023年8月31日に関して 住友ゴム工業株式会社 岡山タイヤテストコース(〒707-0113 岡山県美作市真加部740) ・2024年2月10日に関して 株式会社マツクラ(〒065-0018札幌市東区北18条東21丁目3-13)
本考案は、動物忌避装置に関する。
下記特許文献1は、農業に大きな被害を与えるイノシシや鹿などの害獣を忌避する為の害獣忌避装置を開示する。この害獣忌避装置は、設置線上に配置されて設置線の一方側に向けて音声を発する複数のスピーカーを備える。
一方、ロードキルやレールキルの対策として、車両の進行方向にいる動物に可変する高周波音を照射することで、鹿等の野生動物に忌避行動を起こさせる動物忌避装置、例えば鹿ソニック(登録商標)も知られている。
本考案は、音を用いる動物忌避装置において、音の到達距離を伸ばすこと及び/又は動物の音慣れ抑制を課題とする。
本発明のある態様は、
電気的な音信号を生成する本体部と、
前記音信号を音波に変換して出力する発音部と、を備え、
前記音波により動物に忌避行動を起こさせる動物忌避装置であって、
前記発音部は、
圧電スピーカーと、
前記圧電スピーカーを駆動するドライブ回路と、を有し、
前記ドライブ回路は、前記圧電スピーカーに接続された2つのスイッチング素子を含むハーフブリッジ回路を有する、
動物忌避装置である。
電気的な音信号を生成する本体部と、
前記音信号を音波に変換して出力する発音部と、を備え、
前記音波により動物に忌避行動を起こさせる動物忌避装置であって、
前記発音部は、
圧電スピーカーと、
前記圧電スピーカーを駆動するドライブ回路と、を有し、
前記ドライブ回路は、前記圧電スピーカーに接続された2つのスイッチング素子を含むハーフブリッジ回路を有する、
動物忌避装置である。
本発明の別の態様は、
電気的な音信号を生成する本体部と、
前記音信号を音波に変換して出力する発音部と、を備え、
前記音波により動物に忌避行動を起こさせる動物忌避装置であって、
前記本体部は、所定周波数範囲を50以上に分割した50種類以上の周波数の音信号をランダムに生成する、
動物忌避装置である。
電気的な音信号を生成する本体部と、
前記音信号を音波に変換して出力する発音部と、を備え、
前記音波により動物に忌避行動を起こさせる動物忌避装置であって、
前記本体部は、所定周波数範囲を50以上に分割した50種類以上の周波数の音信号をランダムに生成する、
動物忌避装置である。
本考案によれば、音を用いる動物忌避装置において、音の到達距離を伸ばすこと及び/又は動物の音慣れ抑制が可能となる。
図1は、実施形態に係る動物忌避装置1のブロック図である。
動物忌避装置1は、電源5からの供給電力で動作する。電源5は、例えばDCDCコンバータであり、電源電圧V+(例えば直流12V)を出力する。
動物忌避装置1は、本体部2、2系統の発音部3(スピーカー部)、及び配線4を備える。本体部2は、電気的な音信号を生成する。発音部3は、本体部2の生成した音信号を音波に変換して出力する。動物忌避装置1は、発音部3の発する音波により、鹿、イノシシ、テン、ハクビシン、アナグマ、猿、カラス、コウモリ、鵜、鴨等の動物に忌避行動を起こさせる装置である。
本体部2は、乱数制御部6、周波数設定部7、発振制御部8、制御CPU9、及び振幅制御部10を有する。
乱数制御部6は、周波数設定部7で設定された周波数範囲を50分割した50種類の中から任意の周波数をランダムで選択するための乱数を発生させる。周波数設定部7は、複数の周波数範囲の中から任意の周波数範囲を手動選択するための操作部、例えばディップスイッチである。選択可能な周波数範囲は、例えば、7kHz-10kHz、10kHz-15kHz、15kHz-18kHz、15kHz-20kHz、20kHz-30kHz、及び30kHz-40kHzのいずれかである。
発振制御部8は、周波数設定部7で設定された周波数範囲と乱数制御部6で発生した乱数によって特定される周波数の電圧信号を生成する。電圧信号はここでは一例として矩形波とする。制御CPU9は、動物忌避装置1の全体の動作を制御する制御部である。振幅制御部10は、発振制御部8の出力信号を増幅した信号Vsを発音部3に出力する。
図2は、図1の発音部3の回路図である。発音部3は、圧電スピーカー11(ピエゾスピーカー)と、圧電スピーカー11を駆動するドライブ回路12と、を有する。圧電スピーカー11は、ここでは1個のみを図示しているが、1系統あたり5個まで直列接続で使用できる。
ドライブ回路12は、コンデンサC1、トランジスタQ1、Q2、コンデンサC2、ダイオードD1、抵抗R1~R3、FET1、FET2、及びコンデンサC3を有する。
コンデンサC1は、直流カット用であり、一端が配線4を介して振幅制御部10に接続され、他端がトランジスタQ1、Q2のベースに接続される。トランジスタQ1は、NPNトランジスタである。トランジスタQ2は、PNPトランジスタである。トランジスタQ1、Q2は、電源電圧V+が供給される電源ラインとグランドとの間に直列接続される。トランジスタQ1、Q2のエミッタ同士が互いに接続される。トランジスタQ1、Q2は、FET2、FET1のゲートドライブ回路であり、FET2、FET1のスイッチング特性を改善する。
コンデンサC2は、直流カット用であり、一端がトランジスタQ1、Q2のエミッタに接続され、他端がFET2のゲートに接続される。抵抗R3は、バランス抵抗であり、一端がトランジスタQ1、Q2のエミッタに接続され、他端がFET1のゲートに接続される。ダイオードD1は、アノードがFET2のゲートに接続され、カソードが電源ラインに接続される。ダイオードD1は、電圧制限用であり、FET2のゲートに電源電圧以上の電圧が印加されないようにする。抵抗R1、R2は、FET2のバイアス電圧を生成する回路であり、電源ラインとグランドとの間に直列接続される。抵抗R1、R2の相互接続部がFET2のゲートに接続される。
FET1、FET2は、オン抵抗が数十mΩと低い、損失を減らしたパワーMOSFETである。FET1はNチャンネル型であり、FET2はPチャンネル型である。FET1、FET2は、電源ラインとグランドとの間に直列接続され、ハーフブリッジ回路を構成する。FET1、FET2のドレイン同士が互いに接続される。コンデンサC3は、一端がFET1、FET2のドレインに接続され、他端が圧電スピーカー11に接続される。圧電スピーカー11は、コンデンサC3の他端とグランドとの間に接続される。圧電スピーカー11は、定格電圧が例えば10Vである。コンデンサC3は、電源電圧V+が12Vの場合に圧電スピーカー11への印加電圧範囲を-6V~+6Vの範囲にし、スピーカーコーンの振れ幅を大きくする目的で設けられる。コンデンサC3が無い場合、圧電スピーカー11への印加電圧範囲が0V~12Vとなり、マイナス電圧に対応する側にスピーカーコーンが振れない。また、圧電スピーカー11においてはコンデンサC3を入れない場合に電圧が増幅される傾向があり、スピーカーコーンの寿命が短くなる可能性がある。コンデンサC3にはスピーカーコーンの寿命が短くなるリスクを抑制する目的もある。
FET1がONになる時、FET2がOFFとなり、FET2がONになる時、FET1がOFFになる。FET2がONの時、電流は圧電スピーカー11に向けて流れ、圧電スピーカー11の電位は電源電圧V+となる。FET2がOFFになりFET1がONになった時、コンデンサC3及び圧電スピーカー11の容量成分により充電された電荷がFET1からグランドされ、圧電スピーカー11の電位はほぼ0の状態になる。こうした動作がFET1、FET2への入力信号により繰り返される。従って、圧電スピーカー11に残った電荷は入力信号の周期毎に放電され、圧電スピーカー11の電位が0から電源電圧V+まで変化する動きを繰り返すことにより、効率的に圧電スピーカー11が駆動される。
図3は、図2のch1~ch4の電圧の波形図であって、圧電スピーカー11を接続していない状態の波形図である。ch1~ch3の電圧波形は、信号Vsと同位相の矩形波となる。ch4の電圧波形は、ch1~ch3と逆位相の矩形波となる。
図4は、図2のch1、ch2の電圧の波形図であって、圧電スピーカー11を接続した状態の波形図である。ch2の電圧波形には、リンギングが大きく現れる。このリンギングにより、圧電スピーカー11には瞬間的に電源電圧V+より5V程度高い電圧が印加される。
図5は、動物忌避装置1の本体部2を車両15の床下に取り付け、発音部3を車両15の前面に取り付けた状態の模式図である。本図に示すように、自動車や列車などの車両15の前面に発音部3を取り付け、発音部3から車両15の進行方向に音波を発することで、車両15の進行方向にいる動物に忌避行動を起こさせ(動物を道路上や線路上から退避させ)、ロードキルやレールキルが抑制される。
車両15の床下に取り付けた本体部2と、車両15の前面に取り付けた発音部3と、の電気的な接続を行う配線4の長さは、車両15の構造によっては3m程度では足りないことがある。従来の鹿ソニック(登録商標)では、配線4の長さを3mより長くすると音圧が低下し、動物忌避効果が十分に発揮できなかった。また圧電スピーカー11の個数も最大2個までの仕様であった。この点、本実施形態では、大容量の電流を使用できる図2に示すようなドライブ回路12を発音部3に内蔵することで、配線4を例えば10mのように長くしても音圧の低下が抑制され、また圧電スピーカー11の使用可能個数も1系統あたり5個で2系統(計10個)まで増やせるようになった。
図6(A)、(B)は、それぞれ動物忌避装置1を無人航空機16に取り付けた状態の模式図である。無人航空機16は、例えばドローンであり、遠隔操作または自動操縦により飛行可能である。図6(A)に示すように無人航空機16に取り付けた動物忌避装置1により上空から下方に向けて音波を発することで、例えば上空から地上の動物や地上付近を飛んでいる鳥に忌避行動を起こさせることができる。図6(B)に示すように発音部3を無人航空機16の上部や側部に設置し、上方や側方に向けて音波を発することで、例えば無人航空機16を攻撃してくるカラスなどの鳥に忌避行動を起こさせ、無人航空機16自体や無人航空機16に搭載した荷物を守ることができる。
図7は、動物忌避装置1を地面に打ち込んだ単管パイプ17に取り付けた状態の斜視図である。このような地上への据え置き型の使用形態は、農業や海苔養殖業などへの被害の抑制や、住宅地、農地、ゴルフ場、キャンプ場、線路、ゴミステーション等への動物の侵入や獣害の抑制等に利用できる。単管パイプ17に取り付けた本体ケース18内に、本体部2が収容される。なお、図7では、商用電源等の外部電源が利用できない場所を想定し、ソーラーパネル19を設けている。
図8は、図7に示す使用形態のブロック図である。充電回路21、蓄電池22、及びタイマー20は、本体ケース18に収容される。充電装置21は、ソーラーパネル19の発電電力により蓄電池22を充電する。蓄電池22は、電源5に電力を供給する。電源5は、蓄電池22の電圧を本体部2の電源電圧に変換する。
タイマー20は、電源5の動作時間、すなわち本体部2による音信号の生成時間を任意に指定する。タイマー20は、1日の中で動物忌避装置1の動作時間を手動で指定したい場合に利用できる。光センサー23は、地上の明るさ(昼夜)に応じた信号を電源5に出力する。光センサー23は、昼と夜のいずれかのみ動物忌避装置1を動作させる場合に利用できる。動体検知センサー24は、例えばAI動体検知センサーであり、動物を検知した場合に電源5を起動し、動物忌避装置1を動作させる。タイマー20、光センサー23、動体検知センサー24は、用途に応じていずれか1つ又は2つのみが設けられてもよい。
本実施形態は、下記の作用効果を奏する。
(1) ドライブ回路12は、ハーフブリッジ回路を構成するFET1、FET2として、損失の少ないパワーMOSFETを使用しており、大容量の電流を使用できる。このようなドライブ回路12を発音部3に内蔵することで、配線4を例えば10m以上に長くしても音圧の低下が抑制され、また圧電スピーカー11の使用可能個数も1系統あたり5個で2系統(計10個)まで増やせる。これにより、音の到達距離(音波の照射距離)が延び、また音波の照射角度も広範囲、例えば図5の用途において車両15の進行方向を含む左右100°を超える範囲にでき、動物忌避の効果が高められる。また、配線4を長くできるため、図5に示す用途において、車両15側の構造要因で取付不可となるリスクが低減され、動物忌避装置1を様々な構造の車両15に広く適用できる。
(2) ドライブ回路12は、FET1、FET2からなるハーフブリッジ回路で圧電スピーカー11を駆動する。このため、Hブリッジ回路で圧電スピーカー11を駆動する場合と比較して、圧電スピーカー11の共鳴が抑制され、消費電流が抑制される。また、圧電スピーカー11の定格電圧(例えば10V)と電源電圧V+(例えば12V)が近いため、電源電圧V+をそのまま圧電スピーカー11の駆動電圧として利用できる。すなわちHブリッジ回路の場合、電源電圧が12Vの場合、圧電スピーカー11への印加電圧は24V(±12V)となるため、圧電スピーカー11の定格電圧が12Vの場合は別途5V程度の電源が必要となるが、ハーフブリッジ回路での駆動とすることで別途の電源が不要となり、部品点数が大幅に低減される。
(3) 図4に示すch2の波形に現れるリンギングを積極的に活用し、圧電スピーカー11の駆動信号に高周波成分が混じり込むようにしているため、動物忌避の効果が高められる。
(4) 本体部2は、所定周波数範囲を50以上に分割した50種類以上の周波数をランダムに切り替えて音信号を生成する。このため、動物の音慣れが抑制され、動物忌避効果を長期間に渡り維持される。
以上、実施形態を例に本考案を説明したが、本考案は実施形態に限定されない。実施形態で具体的に説明した各事項には請求項に記載の範囲で種々の変形が可能である。例えば、発音部3が発する音波の周波数、電源電圧V+、圧電スピーカー11の定格電圧、圧電スピーカー11の個数、周波数範囲の分割数、配線4の長さ等は、実施形態で例示した具体的な数値に限定されず、製品仕様等に応じて任意に変更可能である。
1…動物忌避装置、2…本体部、3…発音部(スピーカー部)、4…配線、5…電源、6…乱数制御部、7…周波数設定部、8…発振制御部、9…制御CPU、10…振幅制御部、11…圧電スピーカー(ピエゾスピーカー)、15…車両、16…無人航空機、17…単管パイプ、18…本体ケース、19…ソーラーパネル、20…タイマー、21…充電回路、22…蓄電池、23…光センサー、24…動体検知センサー。
Claims (8)
- 電気的な音信号を生成する本体部と、
前記音信号を音波に変換して出力する発音部と、を備え、
前記音波により動物に忌避行動を起こさせる動物忌避装置であって、
前記発音部は、
圧電スピーカーと、
前記圧電スピーカーを駆動するドライブ回路と、を有し、
前記ドライブ回路は、前記圧電スピーカーに接続された2つのスイッチング素子を含むハーフブリッジ回路を有する、
動物忌避装置。 - 前記本体部は、所定周波数範囲を50以上に分割した50種類以上の周波数をランダムに切り替えて音信号を生成する、
請求項1に記載の動物忌避装置。 - 電気的な音信号を生成する本体部と、
前記音信号を音波に変換して出力する発音部と、を備え、
前記音波により動物に忌避行動を起こさせる動物忌避装置であって、
前記本体部は、所定周波数範囲を50以上に分割した50種類以上の周波数の音信号をランダムに生成する、
動物忌避装置。 - 前記発音部は、車両の前面に取り付けられ、
前記圧電スピーカーは、前記車両の進行方向に前記音波を出力する、
請求項1に記載の動物忌避装置。 - 前記本体部は、前記車両の床下に取り付けられ、
前記本体部と前記発音部とを電気的に接続する配線が10m以上である、
請求項4に記載の動物忌避装置。 - 前記発音部を複数系統有し、前記進行方向を含む左右100度を超える範囲に前記音波を出力する、
請求項4に記載の動物忌避装置。 - 前記発音部は、遠隔操作または自動操縦により飛行可能な無人航空機に取り付けられ、上空から動物を忌避可能に構成される、
請求項1から3のいずれか一項に記載の動物忌避装置。 - 蓄電池と、
前記蓄電池の電圧を前記本体部の電源電圧に変換する電源部と、
前記音信号の生成時間を指定するタイマー、光センサー、及び動体検知センサーの少なくともいずれかと、
ソーラーパネルと、
前記ソーラーパネルの発電電力により前記蓄電池を充電する充電装置と、を備え、
地上に設置されて獣害を抑制する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の動物忌避装置。
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