JP3246029B2 - 音声信号処理装置及び電話装置 - Google Patents

音声信号処理装置及び電話装置

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JP3246029B2
JP3246029B2 JP01430593A JP1430593A JP3246029B2 JP 3246029 B2 JP3246029 B2 JP 3246029B2 JP 01430593 A JP01430593 A JP 01430593A JP 1430593 A JP1430593 A JP 1430593A JP 3246029 B2 JP3246029 B2 JP 3246029B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音声信号処理装置及び
電話装置に関し、特に、音声符号化の際に線形予測係数
から線スペクトル対周波数への数値変換を簡略化した音
声信号処理装置及び電話装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車電話やポータブル電話、ポ
ケットタイプ電話等の移動体通信端末においては、周波
数利用効率の向上や消費電力の低減のために、音声信号
の情報を圧縮する音声信号符号化装置や復号化装置が用
いられる。
【0003】このような音声信号の符号化の分野におい
てよく用いられる線形予測係数は、音声の短期予測冗長
性を取り除くフォルマント予測フィルタの伝達関数の係
数である。この伝達関数A(z) は、次の(1)式により
与えられる。
【0004】
【数1】
【0005】この(1)式中のai が線形予測係数であ
る。
【0006】また、音声復号化の際に用いられるフォル
マント合成フィルタの伝達関数は、上記の伝達関数A
(z) の逆数、すなわち次の(2)式で与えられる。
【0007】
【数2】
【0008】一般的な音声符号化方式では、10次のフ
ォルマントフィルタが使用されることが多い。すなわち
次数P=10である。従って、これ以降の説明では特に
P=10の場合について説明する。
【0009】また、一般的な音声符号化方式では、音声
を8kHzでサンプリングして量子化し、それを20ms
毎、すなわち160サンプル毎に区切って1フレームと
し、1フレーム毎にフレーム内の音声の自己相関関数を
計算し、その自己相関関数の値から線形予測係数a1
10を計算している。従って、20ms毎に10個の線形
予測係数を計算していることになる。
【0010】さらに、ある種の音声符号化方式では、符
号化後の必要な情報量を削減するためにフレーム毎の線
形予測係数を更に線スペクトル対周波数に変換する。こ
の線スペクトル対周波数については、例えば、斎藤収
三、中田和男著、「音声情報処理の基礎」、株式会社オ
ーム社、1981年11月30日発行の文献の137頁
〜143頁に開示されている。この線スペクトル対周波
数は、量子化特性が良いとか補間特性が良いとかの利点
を持っているが、これを利用する際の欠点は、線形予測
係数からの変換方法が複雑であるために、処理量が増大
してしまうことである。
【0011】ここで、線形予測係数から線スペクトル対
周波数への変換方法の具体例はいくつか知られており、
例えば上記文献「音声情報処理の基礎」の246頁〜2
57頁には計算式及びLSP(線スペクトル対)を求め
るプログラムの一例が開示されている。以下に上記変換
方法の一具体例を説明する。
【0012】前提として、フォルマント予測フィルタの
伝達関数A(z) が、以下の(3)式で与えられているも
のとする。 A(z) =1−a1 -1−・・・−a10-10 ・・・(3) この(3)式で、ai (1≦i≦10)は線形予測係数
である。このA(z) を用いて、PA (z) とQB (z) をそ
れぞれ以下のように定義する。
【0013】
【数3】
【0014】ただし、 pi =−ai −a11-i 1≦i≦5 ・・・(6) qi =−ai +a11-i 1≦i≦5 ・・・(7)
【0015】上記線スペクトル対周波数は、上の(4)
式、(5)式をそれぞれ変形して得られる以下の2つの
方程式、すなわち(8)式、(9)式において、ω=
0.0とω=0.5との間に存在するそれぞれ5個ずつ
計10個の解で与えられることが分かっている。
【0016】
【数4】
【0017】ここで、これら(8)式、(9)式中の
p’とq’の値は、上記pとqの値から以下の式で計算
される。 p'0 =q'0 =1 ・・・(10) p'i =pi −p'i-1 ・・・(11) q'i =qi +q'i-1 ・・・(12)
【0018】上記線スペクトル対周波数の特徴は、もし
上記フォルマント合成フィルタが安定であるならば、2
つの方程式、すなわち上記(8)式、(9)式の解は、
図6に示すように互い違いになるということである。こ
の図6においては、横軸の周波数(角周波数)ωに対し
て、上記P(ω)を表す曲線をAに、上記Q(ω)を表
す曲線をBにそれぞれ示しており、これらの曲線のゼロ
クロス点の周波数値がが解となるわけである。
【0019】すなわち、この図6からも明らかなよう
に、10個の解が、 0.0 <ω1 <ω2 <ω3 <ω4 <ω5 <ω6 <ω7 <ω
8 <ω9 <ω10< 0.5 である場合に、ω1 ,ω3 ,ω5 ,ω7 ,ω9 はP
(ω)=0の解であり、ω2,ω4 ,ω6 ,ω8 ,ω10
はQ(ω)=0の解である。
【0020】この方程式は、通常の式の変形により5つ
の解についてそれぞれ解くことは不可能であるので、他
の方法により近似的に解を計算する必要がある。解を近
似的に計算して求める方法としては、ニュートン−ラフ
ソン法が一般的に良く知られている。
【0021】ニュートン−ラフソン法とは、対象となる
区間で連続な方程式の解の適当な第j近似値をxj とす
るとき、xj での関数値f(xj )とその1次微分関数
値であるf'(xj ) とを計算することにより得られる第
j+1近似値xj+1 を、次の(13)式により求めるも
のである。
【0022】
【数5】
【0023】この(13)式において、xj+1 はxj
りも|xj+1 −xj |だけ真の解に近くなり、これを繰
り返して、|xj+1 −xj |が充分に小さくなったとき
に、近似値は解に収束したものとする、というものであ
る。
【0024】このニュートン−ラフソン法を、線形予測
係数から線スペクトル対周波数への変換にあてはめて考
える。xj に相当するのはωであり、f(xj )に相当
するP(ω)及びQ(ω)は上記(8)式及び(9)式
でそれぞれ表されるのであるから、これらをωで微分し
たP'(ω) 及びQ'(ω) は、それぞれ、
【0025】
【数6】
【0026】となる。これらは上記f'(xj ) に相当す
る。従って、P(ω)及びQ(ω)、P'(ω) 及びQ'
(ω) を計算することにより、新しい近似値を計算する
ことができる。
【0027】ここで注意しなければならないことは、P
(ω)及びQ(ω)の方程式のように、対象とする範囲
内に複数の解が存在する場合は、解の近似値の初期値の
設定の仕方を工夫しないと全ての解を効率良く見つけ出
すことが出来ないということである。この方程式の解ω
1 〜ω10を漏れなく計算するために、例えば、図7にフ
ローチャートで手順を示した方法が考えられる。この手
順について、以下に説明する。また、図6のグラフに上
記P(ω)、Q(ω)式の計算の初期値を矢印で記入し
て図7のフローチャートの手順の概念を示す。
【0028】図7のステップS41では、外部装置によ
り計算された上記線型予測係数a1〜a10を入力する。
次のステップS42では、上記(6),(7),(1
0),(11),(12)式に従って上記線形予測係数
1 〜a10から(8),(9)式の係数p'1 〜p'5 及び
q'1 〜q'5 を計算する。次のステップS43で制御変数
iを1に初期設定(i=1)し、ステップS44で周波
数ωを0に初期設定(ω=0)する。
【0029】次にステップS45に進み、上記(8)式
によりP(ω)の値を計算し、その正負の符号を保持し
ておく。次のステップS46では、ωをある一定値Δω
STEPだけ増やし、すなわちω=ω+ΔωSTEPとする。次
のステップS47では、上記(8)式によりP(ω)の
値を計算する。ステップS48では、上記ステップS4
7で計算したP(ω)の正負の符号を上記ステップS4
5で計算した値の符号と比較して、符号が反転している
かどうか判定する。反転していない(NO)と判定され
たときにはステップS46へ戻る。反転している(YE
S)と判定されたときには、そのときのωとその直前の
ωとの間に解が存在しており、ステップS49へ進む。
このステップS49では、このときのωの値を用いて上
記(8)式のP(ω)及び(14)式のP'(ω) を計算
し、上記(13)式により新しい解の近似値を求め、そ
れを新しいωとする。この場合の上記(13)式は、 ω=ω−P(ω)/P'(ω) のように表せる。
【0030】次にステップS50では、ステップS49
で求めた近似値が充分に解に収束したかどうかを判定す
る。収束していないならば、ステップS49に戻って、
この近似値を用いて再度上記(13)式の計算を行う。
これを繰り返して、ステップS50で収束したと判断さ
れたならば、ステップS51に進む。ステップS51で
は、i番目の解ωi を求められたω(ωi =ω)とし、
次のステップS52ではiを1増やす(インクリメン
ト、i=i+1)。
【0031】次に、ステップS53からS60までは、
上記ステップS45からS52までのP(ω)について
の解の計算の代わりに、上記(9)式のQ(ω)につい
ての解を計算する部分である。
【0032】すなわち、ステップS53では上記(9)
式のQ(ω)の値を計算してその正負の符号を保持し、
ステップS54ではωを上記一定値ΔωSTEPだけ増やし
(ω=ω+ΔωSTEP)、ステップS55ではその値ωに
ついてのQ(ω)の値を計算する。次のステップS56
で計算したQ(ω)の正負の符号がステップS53で計
算したものと比較して反転しているかどうか判定し、反
転していなければステップS54へ戻り、反転していた
らそのときのωとその直前のωとの間に解が存在するわ
けであるからステップS57へ進む。ステップS57で
はそのときのωでQ(ω)及びQ'(ω) を計算し、新し
い解の近似値として、 ω=ω−Q(ω)/Q'(ω) を求め、それを新しいωとする。ステップS58で新し
い近似値が充分に解に収束したかどうか判定し、収束し
ていないならばステップS57に戻り、収束したならば
ステップS59に進む。ステップS59でωi =ωと
し、ステップS60でiを1増やした(i=i+1)
後、ステップS61に進む。
【0033】ステップS61では、求めようとしている
全ての解、この具体例では10個の解が求められたか否
か、すなわちi>10か否かを判別し、NOのときには
上記ステップS45に戻り、YESのときにはステップ
S62に進んで、10個の解ω1 〜ω10の線スペクトル
対周波数の値を出力する。
【0034】このような方法で線形予測係数から線スペ
クトル対周波数を計算する装置の概略的な構成は、例え
ば図8のようになる。
【0035】この図8において、線形予測係数記憶部3
1は、外部装置により計算された線形予測係数a1 〜a
10を入力し、その値を保持する。この線形予測係数記憶
部31に記憶された線形予測係数a1 〜a10は、係数変
換部12に送られる。この係数変換部32では、上記
(6),(7),(10),(11),(12)式に従
って上記線形予測係数a1 〜a10から上記(8),
(9)式の係数p'1 〜p'5 、q'1 〜q'5 を計算する。
【0036】係数変換部32により計算された上記
(8)式の係数p'1 〜p'5 は係数記憶部33に送られて
記憶保持され、上記(9)式の係数q'1 〜q'5 は係数記
憶部34に送られて記憶保持される。(8)式計算部3
5は、周波数記憶部43に保持されている値ωから、係
数記憶部33により与えられる上記係数p'1 〜p'5 を用
いて上記(8)式の計算をし、上記P(ω)の値を求め
る。(9)式計算部36は、周波数記憶部43に保持さ
れている値ωから、係数記憶部33により与えられる上
記係数q'1 〜q'5 を用いて上記(9)式の計算をし、上
記Q(ω)の値を求める。
【0037】符号反転検出部37は、上記P(ω)の値
が正負の符号が反転したか否かを判定し検出する。符号
反転検出部38は、上記Q(ω)の値が正負の符号が反
転したか否かを判定し検出する。近似値計算部39は、
周波数記憶部43に保持されている値ωから、係数記憶
部33により与えられる上記係数p'1 〜p'5 を用いて、
上記(8)式、(14)式、(13)式により新しい解
の近似値ωを求める。近似値計算部40は、周波数記憶
部43に保持されている値ωから、係数記憶部34によ
り与えられる上記係数q'1 〜q'5 を用いて、上記(9)
式、(15)式、(13)式により新しい解の近似値ω
を求める。収束判定部41は、近似値計算部39で求め
られた新しい近似値ωが充分に収束したかどうかを判定
する。また収束判定部42は、近似値計算部40で求め
られた新しい近似値ωが充分に収束したかどうかを判定
する。周波数増加部44は、周波数記憶手段43に記憶
されている周波数ωの値をΔωSTEPだけ増加させる。さ
らに、線スペクトル対周波数出力部45は、上述したニ
ュートン−ラフソン法により求められた10個の線スペ
クトル対周波数ω1 〜ω10の値を保持し外部装置へ出力
する。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】ところでこのような方
法では、周波数ωの値を一定量ΔωSTEPずつ増加させな
がらP(ω)やQ(ω)の符号が反転するωの値を探す
ために演算量の多い cos関数を含むP(ω)及びQ
(ω)の方程式の計算が必要となるため、ニュートン−
ラフソン法に与える初期値を探す段階での処理量が多
く、結果として線形予測係数から線スペクトル対周波数
への数値変換処理全体での処理量が多くなるという欠点
を持つ。
【0039】処理量を減らすための対策として、Δω
STEPの値を大きくすることにより、上記P(ω)及びQ
(ω)の演算回数を減らすことも考えられるが、例えば
ω1 とω3 が接近している場合などには、ω1 の次の初
期値を探す段階でω3 を飛ばしてω5 に収束してしまう
場合もありうるので、ΔωSTEPの値を大きくすることは
誤動作の原因となり、従ってこの対策はよい対策とは言
えない。
【0040】本発明は、上述のような実情に鑑み、誤動
作を起こすことなく線形予測係数から線スペクトル対周
波数への数値変換処理全体での処理量を削減できる音声
信号処理装置及び電話装置の提供を目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
を解決するために、音声信号の符号化に用いられる線形
予測係数から線スペクトル対周波数に変換する処理を行
う音声信号処理装置において、線形予測係数から線スペ
クトル対への変換を示す方程式の係数を線形予測係数か
ら算出する係数変換手段と、この係数変換手段から出力
された係数を保持する係数記憶手段と、時間軸上で1つ
前の音声フレームの線スペクトル対周波数の値を保持す
る周波数記憶手段と、この記憶手段に記憶された線スペ
クトル対周波数の値を解の近似値の初期値として上記方
程式の新しい近似解をニュートン−ラフソン法によって
求める計算手段とを有することを特徴としている。
【0042】また、このような特徴を有する音声信号処
理装置において、上記計算手段により1回のニュートン
−ラフソン法で得られる新しい近似値と元の近似値との
差の絶対値がある一定値以上にならないように新しい近
似値を制限する近似値差制限手段と、上記計算手段によ
り前回のニュートン−ラフソン法で得られた新しい近似
値と元の近似値との差の値と今回のニュートン−ラフソ
ン法で得られた新しい近似値と元の近似値との差の値と
からニュートン−ラフソン法が無限ループに入ることを
検出して無限ループに入ることを回避する無限ループ回
避制御手段と、上記計算手段により得られた近似値が求
めようとしていた解に隣接する解に収束したか否かを判
定しその判定結果に応じてニュートン−ラフソン法の初
期値を変更する初期値変更制御手段とを有することを特
徴としている。
【0043】すなわち、音声信号の符号化に用いられる
線形予測係数から線スペクトル対周波数に変換する処理
を行う音声信号処理装置において、例えば図1に示すよ
うに、時間軸上で1つ前の音声フレームの線スペクトル
対周波数の値を保持する記憶手段である前フレーム線ス
ペクトル対周波数記憶部19と、1回のニュートン−ラ
フソン法で得られる新しい近似値と元の近似値との差Δ
ωの絶対値がある一定値ΔωMAX 以上にならないように
新しい近似値を制限する手段である近似値差制限部20
と、前回のニュートン−ラフソン法で得られた新しい近
似値と元の近似値との差Δωの値と今回のニュートン−
ラフソン法で得られた新しい近似値と元の近似値との差
Δωの値とからニュートン−ラフソン法が無限ループに
入ることを検出しその場合に新しい近似値と元の近似値
との差Δωの値を減少させるように新しい近似値ωを変
更することにより無限ループに入ることを回避する制御
手段である無限ループ回避制御部21と、初期値の値が
不適切であることが原因で得られた近似値ωが求めよう
としていた解ωi に隣接する解ωi+2 又はωi-2 に収束
したことを検出しその場合にさらにそれが線スペクトル
対周波数軸上で周波数の高いほうの隣接解ωi+2 である
かそれとも低いほうの隣接解ωi-2 であるかを判定しさ
らにその場合にその判定内容に応じてニュートン−ラフ
ソン法の初期値を変更する制御手段である初期値変更制
御部22とを設けている。
【0044】また、他の発明に係る電話装置によれば、
入力音声信号を音声信号処理部により符号化した後、送
信用信号に変調する電話装置において、上記音声信号処
理部として、上述したような特徴を有する音声信号処理
装置を用いている。
【0045】
【作用】上記の構成によれば、従来例のようにωの値を
一定量ΔωSTEPずつ増加させながらP(ω)やQ(ω)
の符号が反転するωの値を探すという処理量の多い手順
を使用することなく、前のフレームの線スペクトル対周
波数の値をそのままニュートン−ラフソン法の近似値の
初期値として利用できるので、はるかに少ない処理量で
線形予測係数から線スペクトル対周波数への変換を完了
することができる。これは、線スペクトル対周波数は、
前のフレームの値との相関が比較的強いことによるもの
で、大抵の場合は前のフレームの値をニュートン−ラフ
ソン法の初期値とすることにより容易に所望の解を得る
ことが出来る。
【0046】また、上記近似値差制限手段、無限ループ
回避制御手段、及び初期値変更制御手段を組み合わせる
ことにより、誤動作を起こすことなくしかも従来例に比
べて少ない処理量で線形予測係数から線スペクトル対へ
の数値変換を遂行することが出来る。
【0047】さらに、電話装置に適用することにより、
線形予測係数から線スペクトル対周波数への変換の演算
量を低減でき、構成の簡略化や低消費電力化が図れる。
【0048】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の実施例
について説明する。図1は本発明の一実施例の概略構成
を示す図である。この実施例においては、上記音声の短
期予測冗長性を取り除くフォルマント予測フィルタの伝
達関数の係数である線形予測係数から上記線スペクトル
対周波数へ数値変換するために、上記(6),(7),
(10),(11),(12)式を用いて係数を変換し
た後、上記(8),(9)のP(ω)=0、Q(ω)=
0の解を、上記(13)式に示す近似値計算を繰り返す
ようなニュートン−ラフソン法により求めている。
【0049】図1において、線形予測係数記憶部11
は、外部装置により計算された線形予測係数a1 〜a10
を入力し、その値を保持する。この線形予測係数記憶部
11に記憶された線形予測係数a1 〜a10は、係数変換
部12に送られる。この係数変換部12では、上記
(6),(7),(10),(11),(12)式に従
って上記線形予測係数a1 〜a10から上記(8),
(9)式の係数p'1 〜p'5 、q'1〜q'5 を計算する。
【0050】係数変換部12により計算された上記
(8)式の係数p'1 〜p'5 は係数記憶部13に送られて
記憶保持され、上記(9)式の係数q'1 〜q'5 は係数記
憶部14に送られて記憶保持される。近似値計算部15
は、線スペクトル対周波数記憶部19に保持されている
前のフレームの線スペクトル対の値に基づき、係数記憶
部13からの上記係数p'1 〜p'5 を用いて、上記(8)
式、(14)式、(13)式により新しい解の近似値ω
を求める。近似値計算部16は、前フレーム線スペクト
ル対周波数記憶部19に保持されている前のフレームの
線スペクトル対の値に基づき、係数記憶部14からの上
記係数q'1 〜q'5 を用いて、上記(9)式、(15)
式、(13)式により新しい解の近似値ωを求める。収
束判定部17は、近似値計算部15で求められた新しい
近似値ωが充分に収束したかどうかを判定する。また収
束判定部18は、近似値計算部16で求められた新しい
近似値ωが充分に収束したかどうかを判定する。
【0051】ここで、前フレーム線スペクトル対周波数
記憶部19には、時間軸上で1つ前の音声フレームでの
線スペクトル対の周波数の値が保持されており、この前
フレームの線スペクトル対周波数の値を、上記ニュート
ン−ラフソン法による近似値計算の初期値として用いる
ことにより、演算量を低減して効率を高めることができ
る。
【0052】これらの近似値計算部15、16により上
述したようなニュートン−ラフソン法による近似値計算
を行う際に、近似値差制限部20、無限ループ回避制御
部21、及び初期値変更制御部22により、解の近似値
を制御して、誤動作を起こすことなく効率的に正しい解
の近似値を得ることを可能としている。
【0053】すなわち近似値差制限部20は、近似値計
算部15、16により1回のニュートン−ラフソン法で
得られる新しい近似値と元の近似値との差Δωの絶対値
が、ある一定の最大値ΔωMAX を超えないように、新し
い近似値を制限する。これは、線スペクトル対周波数の
値が前フレームに比べて大幅に変化する場合も確実に存
在するので、例えば前フレームの解を初期値とするだけ
の工夫では所望の解に収束しないような誤動作が生じて
しまうことを考慮したものである。
【0054】これの具体的な場合について、図2を参照
しながら説明する。前フレームの線スペクトル周波数の
値ωi (図2のa点)からP(ω)及びP'(ω) (ある
いはQ(ω)及びQ'(ω) 、以下同様)を計算したとき
に、|P'(ω) |の値が小さい、すなわちP(ω)の傾
斜が緩いと、新しい近似値はもはや所望の解には収束で
きない範囲に移動してしまう。図2では、上記ニュート
ン−ラフソン法による上記(13)式の1回目の計算に
より求められた近似値(c点)が、求めようとしている
解(b点)から大きく離れてしまい、2回目の近似値
(d点)、3回目の近似値(e点)とさらに離れてゆ
き、最終的にωの範囲である0.0<ω<0.5の範囲を超えて
しまう場合も存在する。このような事態を防ぐために
は、元の近似値と新しい近似値との差Δωを、ある一定
の最大値ΔωMAX の範囲内に制限することが有効であ
る。このため、近似値差制限部20は、上記近似値の差
Δωの絶対値が上記一定値ΔωMAX を超えないように、
新しい近似値を制限している。
【0055】次に、無限ループ回避制御部21は、前回
のニュートン−ラフソン法で得られた新しい近似値と元
の近似値との差Δωの値と、今回のニュートン−ラフソ
ン法で得られた新しい近似値と元の近似値との差Δωの
値とから、ニュートン−ラフソン法が無限ループに入る
ことを検出し、それが検出された場合に新しい近似値と
元の近似値との差の値Δωを減少させるように新しい近
似値ωを変更することにより、無限ループに入ることを
回避するように制御する。
【0056】これは、上記近似値差制限部20のように
元の近似値と新しい近似値の差Δωをある一定値Δω
MAX に制限した場合に、図3に示すように近似値がある
2つの値(a点、b点)を行き来する無限ループの状態
に陥る場合が存在するという問題が生じることを考慮し
たものである。このような無限ループの事態を防ぐため
には、ニュートン−ラフソン法の近似値の変動の履歴を
保持して無限ループに陥る状態を検出する手段を設ける
ことが必要である。それに加えて、無限ループに陥る状
態が検出された場合に、それを回避できるように新しい
近似値の値を制御する手段を設けることも必要となる。
このため、無限ループ回避制御部21で上記無限ループ
に入ることを回避制御している。
【0057】これらの近似値差制限部20や無限ループ
回避制御部21を設けることにより、近似値は0.0<ω<
0.5の範囲で確実にいずれかの解に収束する。しかしな
がら、これでもまだ不十分であり、いまだに隣接する解
に収束する可能性が残っている。言い換えると、ω1
求めようとした場合にω3 の解へ近似値が収束する可能
性が残っている。従って、収束した近似値が本当に求め
ようとした解に収束しているのか、それとも隣接する解
に収束してしまったのかを判定する手段と、隣接する解
に収束したことが判明した場合に更にそれが周波数軸上
で高い方向の隣接解であるか低い方向の隣接解であるか
を判定する手段が必要になる。それに加えて、周波数軸
上で高い方向の隣接解に収束したことが判明した場合に
は、前のフレームの線スペクトル対の値をそのまま使用
していた近似値の初期値を適当な大きさに減少させる手
段が必要であり、周波数軸上で低い方向の隣接解に収束
したことが判明した場合には近似値の初期値を適当な大
きさに増加させる手段が必要である。そして、その変化
した近似値の初期値を用いて再度近似値を収束させるこ
とにより、所望する解の近似値を確実に得ることができ
る。
【0058】このような点を考慮し、初期値変更制御部
22は、初期値の値が不適切であることが原因で得られ
た近似値ωが求めようとしていた解ωi に隣接する解ω
i+2又はωi-2 に収束したことを検出し、その場合にさ
らにそれが線スペクトル対周波数軸上で周波数の高いほ
うの隣接解ωi+2 であるかそれとも低いほうの隣接解ω
i-2 であるかを判定し、さらにその場合にその判定内容
に応じてニュートン−ラフソン法の初期値を変更するよ
うに制御する。
【0059】以上説明したような全ての手段、すなわち
前フレーム線スペクトル対周波数記憶部19、近似値差
制限部20、無限ループ回避制御部21、初期値変更制
御部22を組み合わせることにより、誤動作を起こすこ
となくしかも従来例に比べて少ない処理量で線形予測係
数から線スペクトル対への数値変換を遂行することがで
きる。
【0060】なお、図1の構成において、線スペクトル
対周波数出力部23は、以上のような各部構成での動作
により求められた10個の線スペクトル対の値ω1 〜ω
10を記憶保持し、外部装置へ出力するために設けられて
いる。
【0061】次に上述した一実施例の動作について、図
4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0062】図4において、最初のステップS11では
上記線形予測係数a1 〜a10を上記図1の線形予測係数
記憶部11に入力し記憶する。ステップS12では上記
係数変換部12により上記線形予測係数a1 〜a10から
上記(8),(9)式の係数p'1 〜p'5 、q'1 〜q'5
計算して求める。次のステップS13では上記(8),
(9)式によりω=0のときの値、すなわちP(0),
Q(0)の値を計算し、保持しておく。次のステップS
14では解の番号を表す変数iを1(i=1)に初期設
定する。
【0063】次のステップS15では、上記ニュートン
−ラフソン法の近似値計算の初期値ωとして、上記図1
の前フレーム線スペクトル対周波数記憶部19からの時
間軸上で1フレーム前の音声フレームでの対応するi番
目の解ωi の値を代入する。次のステップS16では、
上記ニュートン−ラフソン法の計算式(上記(13)
式)中のf(x)/f'(x) の項を計算する。すなわ
ち、上記iが奇数か偶数かに応じて、奇数のときΔω=
P(ω)/P'(ω) を計算し、偶数のときΔω=Q
(ω)/Q'(ω) を計算する。次のステップS17で
は、計算されて得られたΔωの絶対値がある一定の上限
値ΔωMAX を超えている(|Δω|>ΔωMAX )か否か
を判定する。YES(超えている)のときにはステップ
S25に進み、NO(超えていない)のときにはステッ
プS18に進んで、新しい近似値ωをω−Δωに置き換
える(ω=ω−Δω)。以上のステップS16及びステ
ップS18での計算が上記(13)式の近似値計算に相
当する。
【0064】次にステップS19に進んで、新しい近似
値ωが充分に解に収束したかどうかを判定する。収束し
ていない(NO)ならば、上記ステップS16に戻って
上記P(ω)/P'(ω) 又はΔω=Q(ω)/Q'(ω)
を計算する。収束した(YES)ならば、次のステップ
S20に進んで、その収束した近似値ωが本当に求めよ
うとした解ωi に収束しているのか、それとも隣接する
解ωi+2 又はωi-2 に収束してしまったのかを判定す
る。具体的には、上記ステップS13で計算しておいた
P(0)或いはQ(0)の値と、iの値と、上記P'
(ω) 或いはQ'(ω)の値の関係から判定することが出来
る。
【0065】ステップS20でYESと判別されたと
き、すなわち隣接する上記解ωi+2 又はωi-2 に収束し
ているときにはステップS28に進み、NOのときには
ステップS21に進む。ステップS21ではωi =ωと
し、次のステップS22ではiを1増やす(i=i+
1)。次のステップS23では、このiが10を超えた
か(i>10)否かを判別し、NO(i≦10)のとき
には上記ステップS16に戻る。YES(i>10)の
ときにはステップS24に進んで、求められたω1〜ω
10の線スペクトル対周波数の値を出力して処理を終了す
る。
【0066】上記ステップS17でYESのとき(上記
Δωの絶対値が所定の上限値ωMAXを超えたとき)に進
むステップS25では、前回のニュートン−ラフソン法
で得られた新しい近似値と元の近似値との差Δωの値
と、今回のニュートン−ラフソン法で得られた新しい近
似値と元の近似値との差Δωの値とから、ニュートン−
ラフソン法による近似値計算が無限ループに入るかどう
かを判定する。このステップS25でNOの(無限ルー
プに入らない)ときには、ステップS26に進んでΔω
の絶対値を上記一定値ΔωMAX に制限(|Δω|=Δω
MAX )した後、上記ステップS18に進む。YESの
(無限ループに入る)ときには、ステップS27に進ん
でΔωの絶対値を上記ΔωMAX の1/2に制限(|Δω
|=ΔωMAX/2)した後、上記ステップS18に進
む。すなわち、無限ループに入らないのなら、新しい近
似値と元の近似値との差Δωの絶対値がΔωMAX になる
ように新しい近似値ωを変更するのに対し、無限ループ
に入ってしまうならば、例えば新しい近似値と元の近似
値との差Δωの絶対値がΔωMAX の半分になるように新
しい近似値ωを変更することにより、無限ループに入る
ことを回避する。
【0067】次に、上記ステップS20で隣接解に収束
する(YES)と判別されて進んだステップS28で
は、その解が周波数軸上で高い方の隣接解ωi+2 なの
か、低い方の隣接解ωi-2 なのかを判定する。具体的に
は、既に計算で求められている1つ前の解ωi-1 の値と
大きさを比較することにより、判定することができる。
低いほうの隣接解ωi-2 ならば、ステップS29に進ん
で、近似値の初期値を適当な大きさに増加させ、上記ス
テップS16に戻る。高いほうの隣接解ωi+2 ならば、
ステップS30に進んで、近似値の初期値を適当な大き
さに減少させ、上記ステップS16に戻る。
【0068】次に、本発明に係る電話装置の一実施例と
して、上述したような音声信号処理装置を適用した電話
装置の一例について、図5を参照しながら説明する。
【0069】図5に示す電話装置は、いわゆるディジタ
ルセルラー電話等の移動体通信端末として用いられるも
のであり、送話器側のマイクロホン51で音声が電気信
号に変換されて、音声符号化器52に送られる。この音
声符号化器52は、上記図1に示したような線形予測係
数から線スペクトル対周波数への数値変換を行う機能部
を含んでいる。音声符号化器52からの出力信号は、変
調部53に送られて通信に適した高周波信号に変調さ
れ、高周波増幅器54で増幅され、アンテナ55を介し
て送出される。また、電話局や中継装置等から送られて
くる高周波信号をアンテナ55で受信して高周波増幅器
56で増幅し、復調部57に送って復調する。復調部5
7からの信号は、音声復号化器58に送られて、上記音
声符号化器52での符号化処理を元に戻すような復号化
処理が施される。音声復号化器58から得られた音声信
号が受話器側のスピーカ59に送られて、音響的な音声
に変換される。
【0070】なお、本発明は上述した実施例にのみ限定
されるものではなく、例えば、上記ステップS20、S
28等で、収束した解が周波数軸上で高いほうの隣接解
であると判定された場合に、その値をωi+2 の値として
使用し、i+2の時の計算を省略することにより、より
演算量を減らすことが出来る。また例えば、iを1から
10まで増加させるのではなく、iを10から1まで減
少させるというようにアルゴリズムを変更することもで
きる。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の
変形が考えられる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
時間軸上で1つ前の音声フレームの線スペクトル対周波
数の値を保持する周波数記憶手段に記憶された線スペク
トル対周波数の値を、線形予測係数から線スペクトル対
への変換を示す方程式の新しい近似解をニュートン−ラ
フソン法によって求める計算式における解の近似値の初
期値としているため、ニュートン−ラフソン法に与える
解の近似値の初期値を例えばステップ的に探す処理が不
要となり、従来と比べて線形予測係数から線スペクトル
対周波数への数値変換処理全体での処理量を削減するこ
とができる。
【0072】また、上記ニュートン−ラフソン法による
近似計算を進める際に、1回のニュートン−ラフソン法
で得られる新しい近似値と元の近似値との差の絶対値が
ある一定値以上にならないように新しい近似値を制限す
る近似値差制限手段と、上記計算手段により前回のニュ
ートン−ラフソン法で得られた新しい近似値と元の近似
値との差の値と今回のニュートン−ラフソン法で得られ
た新しい近似値と元の近似値との差の値とからニュート
ン−ラフソン法が無限ループに入ることを検出して無限
ループに入ることを回避する無限ループ回避制御手段
と、上記計算手段により得られた近似値が求めようとし
ていた解に隣接する解に収束したか否かを判定しその判
定結果に応じてニュートン−ラフソン法の初期値を変更
する初期値変更制御手段とを設けているため、所望の解
に収束しなかったり、無限ループに陥ったり、隣接解に
収束したりするような誤動作を起こすこともない。
【0073】さらに、電話装置に適用することにより、
高いデータ圧縮効率を保ちながら、演算量を抑え、構成
を簡略化し、電力消費を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例となる音声信号処理装置の構
成を示すブロック図である。
【図2】元の近似値と新しい近似値との差をある一定値
に制限しなければならない理由を説明するための説明図
である。
【図3】無限ループに陥る場合が存在することを説明す
るための説明図である。
【図4】本発明の一実施例となる音声信号処理装置の動
作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明に係る電話装置の一実施例を示すブロッ
ク図である。
【図6】従来の音声信号処理装置におけるニュートン−
ラフソン法の近似値計算の動作を説明するためのフロー
チャートである。
【図7】従来の音声信号処理装置の構成を示すブロック
図である。
【図8】従来の音声信号処理装置におけるニュートン−
ラフソン法の近似値計算の動作を説明するための説明図
である。
【符号の説明】
11・・・・・線形予測係数記憶部 15、16・・・・・ニュートン−ラフソン法の近似値
計算部 17、18・・・・・近似値判定部 19・・・・・前フレームの線スペクトル対周波数記憶
部 20・・・・・近似値差制限部 21・・・・・無限ループ回避制御部 22・・・・・初期値変更制御部

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声信号の符号化に用いられる線形予測
    係数から線スペクトル対周波数に変換する処理を行う音
    声信号処理装置において、 線形予測係数から線スペクトル対への変換を示す方程式
    の係数を線形予測係数から算出する係数変換手段と、 この係数変換手段から出力された係数を保持する係数記
    憶手段と、 時間軸上で1つ前の音声フレームの線スペクトル対周波
    数の値を保持する周波数記憶手段と、 この記憶手段に記憶された線スペクトル対周波数の値を
    解の近似値の初期値として上記方程式の新しい近似解を
    ニュートン−ラフソン法によって求める計算手段とを有
    することを特徴とする音声信号処理装置。
  2. 【請求項2】 上記計算手段により1回のニュートン−
    ラフソン法で得られる新しい近似値と元の近似値との差
    の絶対値がある一定値以上にならないように新しい近似
    値を制限する近似値差制限手段と、 上記計算手段により前回のニュートン−ラフソン法で得
    られた新しい近似値と元の近似値との差の値と今回のニ
    ュートン−ラフソン法で得られた新しい近似値と元の近
    似値との差の値とからニュートン−ラフソン法が無限ル
    ープに入ることを検出して無限ループに入ることを回避
    する無限ループ回避制御手段と、 上記計算手段により得られた近似値が求めようとしてい
    た解に隣接する解に収束したか否かを判定しその判定結
    果に応じてニュートン−ラフソン法の初期値を変更する
    初期値変更制御手段とを有することを特徴とする請求項
    1記載の音声信号処理装置。
  3. 【請求項3】 音声信号の符号化に用いられる線形予測
    係数から線スペクトル対周波数に変換する処理を行う音
    声信号処理装置において、 線形予測係数から線スペクトル対への変換を示す方程式
    の係数を線形予測係数から算出する係数変換手段と、 この係数変換手段から出力された係数を保持する係数記
    憶手段と、 線スペクトル対周波数の計算の初期値を保持する周波数
    記憶手段と、 この記憶手段に記憶された線スペクトル対周波数の値を
    解の近似値の初期値として上記方程式の新しい近似解を
    ニュートン−ラフソン法によって求める計算手段と、 この計算手段により1回のニュートン−ラフソン法で得
    られる新しい近似値と元の近似値との差の絶対値がある
    一定値以上にならないように新しい近似値を制限する近
    似値差制限手段とを有することを特徴とする音声信号処
    理装置。
  4. 【請求項4】 上記計算手段により前回のニュートン−
    ラフソン法で得られた新しい近似値と元の近似値との差
    の値と今回のニュートン−ラフソン法で得られた新しい
    近似値と元の近似値との差の値とからニュートン−ラフ
    ソン法が無限ループに入ることを検出して無限ループに
    入ることを回避する無限ループ回避制御手段とを有する
    ことを特徴とする請求項3記載の音声信号処理装置。
  5. 【請求項5】 音声信号の符号化に用いられる線形予測
    係数から線スペクトル対周波数に変換する処理を行う音
    声信号処理装置において、 線形予測係数から線スペクトル対への変換を示す方程式
    の係数を線形予測係数から算出する係数変換手段と、 この係数変換手段から出力された係数を保持する係数記
    憶手段と、 線スペクトル対周波数の計算の初期値を保持する周波数
    記憶手段と、 この記憶手段に記憶された線スペクトル対周波数の値を
    解の近似値の初期値として上記方程式の新しい近似解を
    ニュートン−ラフソン法によって求める計算手段と、 この計算手段により得られた近似値が求めようとしてい
    た解に隣接する解に収束したか否かを判定しその判定結
    果に応じてニュートン−ラフソン法の初期値を変更する
    初期値変更制御手段とを有することを特徴とする音声信
    号処理装置。
  6. 【請求項6】 入力音声信号を音声信号処理部により符
    号化した後、送信用信号に変調する電話装置において、 上記音声信号処理部は、 線形予測係数から線スペクトル対への変換を示す方程式
    の係数を線形予測係数から算出する係数変換手段と、 この係数変換手段から出力された係数を保持する係数記
    憶手段と、 時間軸上で1つ前の音声フレームの線スペクトル対周波
    数の値を保持する周波数記憶手段と、 この記憶手段に記憶された線スペクトル対周波数の値を
    解の近似値の初期値として上記方程式の新しい近似解を
    ニュートン−ラフソン法によって求める計算手段と、 この計算手段により1回のニュートン−ラフソン法で得
    られる新しい近似値と元の近似値との差の絶対値がある
    一定値以上にならないように新しい近似値を制限する近
    似値差制限手段と、 上記計算手段により前回のニュートン−ラフソン法で得
    られた新しい近似値と元の近似値との差の値と今回のニ
    ュートン−ラフソン法で得られた新しい近似値と元の近
    似値との差の値とからニュートン−ラフソン法が無限ル
    ープに入ることを検出して無限ループに入ることを回避
    する無限ループ回避制御手段と、 上記計算手段により得られた近似値が求めようとしてい
    た解に隣接する解に収束したか否かを判定しその判定結
    果に応じてニュートン−ラフソン法の初期値を変更する
    初期値変更制御手段とを有して成ることを特徴とする電
    話装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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