JP3243527B2 - 過冷却水の凝固装置 - Google Patents

過冷却水の凝固装置

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JP3243527B2 JP37437599A JP37437599A JP3243527B2 JP 3243527 B2 JP3243527 B2 JP 3243527B2 JP 37437599 A JP37437599 A JP 37437599A JP 37437599 A JP37437599 A JP 37437599A JP 3243527 B2 JP3243527 B2 JP 3243527B2
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    • F25CPRODUCING, WORKING OR HANDLING ICE
    • F25C1/00Producing ice
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F25C1/00Producing ice
    • F25C1/04Producing ice by using stationary moulds
    • F25C1/06Producing ice by using stationary moulds open or openable at both ends
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F25DREFRIGERATORS; COLD ROOMS; ICE-BOXES; COOLING OR FREEZING APPARATUS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F25D3/00Devices using other cold materials; Devices using cold-storage bodies

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、冷凍機の氷蓄熱
システム等に用いられ、過冷却水を凝固させてその過冷
却を解消させる過冷却水の凝固装置に関し、特には、低
い過冷度の過冷却水について、任意の時点、任意の場所
で能動的に過冷却を解消させ得る凝固装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
の過冷却解消(凝固)技術としては、流動する過冷却水
を自由落下させ、板に当てることによって凝固させる方
法が知られている。
【0003】しかしながらこの方法では、凝固に十分に
長い距離を必要とすることから装置が大型となり、ま
た、任意の時点、任意の場所で凝固させることができ
ず、しかも過冷度が低いと凝固させることができないと
いう問題がある。
【0004】それゆえこの発明は、容易に凝固しない低
い過冷度の過冷却水に対し小型の装置により任意の時点
および任意の場所で能動的な過冷却解消を行って、その
過冷却水を瞬時に凝固させ得るようにした凝固装置を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を有利に解決するこの発明の過冷却水の凝固装置
は、過冷却水を充填されるシリンダと、前記シリンダ内
に液密に摺動可能に嵌合されて、そのシリンダ内での摺
動により、そのシリンダ内への過冷却水の充填と、その
シリンダ内に充填された過冷却水への衝撃の付加と、そ
の衝撃により過冷却が解消した水の前記シリンダ内から
の排出とを行う少なくとも一つのピストンと、前記シリ
ンダおよび前記ピストンの少なくとも一方に開閉可能に
設けられた水充填口および水排出口とを具えてなるもの
である。なお、前記水充填口と水排出口との二種類の口
として、一つの開口を設けてそれを共用しても良い。
【0006】かかる凝固装置にあっては、そのシリンダ
を過冷却水中に浸漬させ、水充填口を開くとともにピス
トンを所定方向へ摺動させて、そのシリンダ内に過冷却
水を充填した後、水充填口を閉じてから、ピストンをそ
のシリンダ内に充填された過冷却水へ向けて瞬間的に摺
動させることでそのシリンダ内の過冷却水に衝撃を付加
すると、その過冷却水の過冷却が解消し、その水の一部
が凝固して氷核が発生する。その後は、水排出口を開く
とともにピストンを上記所定方向と逆方向へ摺動させれ
ば、その過冷却が解消した水がシリンダ外の過冷却水中
に排出されて、周囲の過冷却水を連鎖的に凝固させる。
【0007】従って、この発明の凝固装置によれば、容
易に凝固しない低い過冷度の過冷却水に対し、従来より
小型の装置で、任意の時点にて能動的な過冷却解消を行
ってその過冷却水を瞬時に凝固させることができ、しか
もその小型化により、多数の当該装置を過冷却水中に設
置したり当該装置を移動させたりすることが容易にでき
るので、任意の場所の過冷却水を凝固させる事ができ
る。
【0008】それゆえ、この発明の凝固装置を、例えば
氷蓄熱システムの過冷却解消装置として使用すれば、冷
凍機の冷凍負荷を大幅に低減することができることか
ら、蓄エネルギー、冷凍空調分野および環境分野に大き
く貢献することができる。
【0009】なお、この発明の凝固装置においては、前
記シリンダに、前記水充填口および前記水排出口が形成
されるとともに、二つの前記ピストンが嵌合され、また
前記二つのピストンのうちの一方のピストンが、前記水
充填口および前記水排出口を開閉し、他方のピストン
が、前記シリンダ内への過冷却水の充填と、そのシリン
ダ内に充填された過冷却水への衝撃の付加と、その衝撃
により過冷却が解消した水の前記シリンダ外への排出と
を行うものであっても良い。
【0010】かかる凝固装置にあっては、過冷却水の給
排水および衝撃付加用と水充填口および水排出口の開閉
用とにそれぞれ別個のピストンを具えるので、シリンダ
内への過冷却水の充填後、一方のピストンで水充填口お
よび水排出口を閉止してシリンダ内を密閉した状態で、
他方のピストンをシリンダ内の過冷却水に対し後退方向
へ引っ張り力を加えると、ピストンがシリンダ内の過冷
却水の空気を減圧膨張させてシリンダ内に負圧空気溜ま
りを形成し、その負圧により弾性的な引っ張り反力を受
けながら後退移動し、その状態でピストンへの上記引っ
張り力を瞬間的に解放すると、ピストンが上記引っ張り
反力によりシリンダ内の過冷却水に対し前進(圧縮)方
向へ附勢されて高速で前進移動して、シリンダ内の過冷
却水の界面に衝突し、その過冷却水に衝撃力を付加す
る。
【0011】従って上記の凝固装置によれば、簡易な構
成で、シリンダ内の過冷却水にピストンから衝撃力を付
加することができる。
【0012】また、この発明の凝固装置においては、前
記シリンダの周囲にヒータが設けられていても良く、か
かる凝固装置によれば、衝撃により過冷却が解消した水
のシリンダ外への排出時にヒータでシリンダを加熱する
ことで、シリンダの周囲の過冷却水を過度に加熱するこ
となしにシリンダ内壁への氷核の付着を防止し得て、当
該装置の連続的な使用を容易ならしめることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態を
実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここ
に、図1(a)は、この発明の過冷却水の凝固装置の一
実施例を示す側面図、図1(b)は、その実施例の装置
の内部構造を示す断面図であり、図中1はシリンダ、
2,3はピストン、4はコイル型電気式ヒータをそれぞ
れ示す。
【0014】この実施例の装置は、横断面(図では紙面
と直交して左右方向へ延在する面)の断面形状および断
面積が一様な内部空間を持つシリンダ(直管および円管
には限定されない)1を具えるとともに、そのシリンダ
1内に適当なシール材(図示せず)を介して液密に摺動
可能に嵌合されて互いの間に過冷却水充填空間Sを画成
する二個のピストン2,3を具え、さらに、シリンダ1
の両端部にそれぞれ設けられてそれら二個のピストン
2,3を別個に進退移動させる二つの、例えば電磁ソレ
ノイド等で構成されたピストン駆動手段(図示せず)を
具えている。
【0015】そしてシリンダ1には、水充填口1aおよ
び水排出口1bが形成されており、ピストン3は、それ
ら水充填口1aおよび水排出口1bを開閉するとともに
シリンダ1内のそれら水充填口1aおよび水排出口1b
付近の過冷却水を上方へ移動させる役割を果たす。また
シリンダ1の周囲には、上記コイル型電気式ヒータ4が
巻き付けられている。
【0016】かかる実施例の装置の作用を以下に図2〜
図5を参照して説明する。ここで、図中符号Wは過冷却
水、Dは装置の外部の過冷却水Wの流れ方向を示してい
る。なお、以下の説明は、凝固させることがより困難な
過冷却水の流れの場を対象としているが、本発明の装置
は過冷却水が流れていることを条件とせず、静止してい
る過冷却水中でも使用し得ることはいうまでもない。
【0017】この実施例の装置を、一定方向へ流れてい
る過冷却水に対して使用する場合には、先ず、図2
(a)に示すように、ピストン3用の上記ピストン駆動
手段でピストン3をシリンダ1の水充填口1aおよび水
排出口1bの下側へ後退移動させてそれら水充填口1a
および水排出口1bを開放した状態で、シリンダ1の水
充填口1aおよび水排出口1bを、符号Dで示す如き流
れの過冷却水Wの上流側および下流側へそれぞれ向け
て、当該装置を過冷却水W中に浸漬し、次いでピストン
2用の上記ピストン駆動手段でピストン2を図中矢印A
で示す如く上方へ後退移動させると、当該装置の上流側
から外部の過冷却水Wがシリンダ1の内部に流入する。
この流入後、図2(b)に示すように、ピストン3用の
上記ピストン駆動手段でピストン3をシリンダ1の水充
填口1aおよび水排出口1bを閉止するように図中矢印
Bで示す如く上方へ前進移動させると、ピストン2とピ
ストン3との間に画成された過冷却水充填空間S内が、
過冷却水Wで満たされ、ピストン2およびピストン3の
互いに向き合う面は過冷却水充填空間S内の過冷却水W
の界面に接する。なお、この間、コイル型電気式ヒータ
4はOFFとしておく。
【0018】次いでここでは、図3に示すように、ピス
トン2用の上記ピストン駆動手段でピストン2に引っ張
り力を加えて、ピストン2を図中矢印Cで示す如く上方
へさらに後退移動させる。この時、シリンダ1内の過冷
却水充填空間Sが拡張されることから、ピストン2はそ
の過冷却水充填空間S内の過冷却水W中に含まれている
空気(気泡)を減圧膨張させて水上に引き出し、あるい
はそれとともにその過冷却水充填空間S内の過冷却水W
を低圧沸騰させ水面から水蒸気を発生させて、過冷却水
Wの上方に負圧空気溜まりVを生成させ、その負圧によ
り弾性的な引っ張り反力を受けながら後退移動する。な
お、この間も、コイル型電気式ヒータ4はOFFとして
おく。
【0019】次いでここでは、ピストン2用の上記ピス
トン駆動手段の作動を停止させてピストン2への上記引
っ張り力を瞬間的に解放する。この時、さらに押圧力を
上記ピストン駆動手段からピストン2に加えても良い。
これによりピストン2は、図4(a)に示すように、上
記引っ張り反力あるいはそれに加えて上記押圧力によっ
てシリンダ1内の過冷却水充填空間S内の過冷却水Wに
対し前進(圧縮)方向へ附勢されて、図中矢印Eで示す
如く高速で下方へ前進移動し、図4(b)に示すよう
に、その過冷却水充填空間S内の過冷却水Wの界面に激
しく衝突してその過冷却水Wに衝撃力を付加する。この
衝撃力は過冷却水充填空間S内の過冷却水W中に伝搬
し、これによりその過冷却水Wの過冷却が解消して、過
冷却水充填空間S内の水には氷核が生成する。なお、こ
の間も、コイル型電気式ヒータ4はOFFとしておく。
【0020】しかる後ここでは、コイル型電気式ヒータ
4をONとしてシリンダ1を加熱するとともに、図5
(a)中矢印Fで示すように、ピストン3用の上記ピス
トン駆動手段でピストン3を下方へ後退移動させてシリ
ンダ1の水充填口1aおよび水排出口1bを開放し、水
充填口1aからシリンダ1の上流側の過冷却水Wをシリ
ンダ1内に流入させることで、過冷却水充填空間S内
の、上記衝撃力で過冷却が解消した水WAを水排出口1
bからシリンダ1外へ押し出して、シリンダ1の下流側
へ排出する。
【0021】そしてピストン3を水充填口1aおよび水
排出口1bの下側へ後退移動させてそこに停止させた
後、図5(b)中矢印Gで示すように、さらにピストン
2用の上記ピストン駆動手段でピストン2をピストン3
に接触するまで下方へ前進移動させて、過冷却水充填空
間S内の、氷核を含む水WAを全てシリンダ1外へ排出
する。これによって排出された、氷核を含む水WAは、
上記装置のシリンダ1の下流側の過冷却水Wを連鎖的に
凝固させ、その過冷却を解消させる。そしてその氷核を
含む水WAの排出時には、上記コイル型電気式ヒータ4
でシリンダ1を加熱することで、過冷却水充填空間S内
の水WA中の氷核がシリンダ1の内壁に付着して当該装
置の連続的な作動を阻害するのを防止する。
【0022】以上の工程を1サイクルとし、一連のサイ
クルを繰り返すことによって、この実施例の装置によれ
ば、凝固させることがより困難な過冷却水の流れの場に
おいても、そして比較的過冷度の低い過冷却水に対して
も、連続して氷核生成ならびに凝固を行わせることがで
きる。なお、その際、図3に示す負圧空気溜まりVの生
成を阻害しない(充分低い負圧が生ずる)限度にて、シ
リンダ1内の過冷却水Wに気泡が多く含まれるほど、衝
撃の効果はより大きくなり、より過冷度の低い(0℃と
の差の少ない)過冷却水Wを凝固させることができる。
【0023】従って、この実施例の凝固装置によれば、
過冷度の低い過冷却水に対して、従来より小型の装置
で、任意の時点にて能動的な過冷却解消を行うことがで
き、しかもその小型化により、多数の当該装置を過冷却
水中に設置したり当該装置を移動させたりすることが容
易にできるので、任意の場所の過冷却水を凝固させる事
ができる。それゆえ、この実施例の凝固装置を、例えば
氷蓄熱システムの過冷却解消装置として使用すれば、冷
凍機の冷凍負荷を大幅に低減することができることか
ら、蓄エネルギー、冷凍空調分野および環境分野に大き
く貢献することができる。
【0024】そしてこの実施例の凝固装置によれば、過
冷却水の給排水および衝撃付加用のピストン2と、水充
填口1aおよび水排出口1bの開閉用のピストン3との
二個のピストンを具えるので、上記のようにピストン2
を使用した簡易な構成で、シリンダ1内の過冷却水に衝
撃力を付加することができる。
【0025】さらにこの実施例の凝固装置によれば、シ
リンダ1の周囲にヒータ4が設けられているので、衝撃
により過冷却が解消した水WAのシリンダ1外への排出
時にヒータ4でシリンダ1を加熱することで、シリンダ
1の周囲の過冷却水Wを過度に加熱することなしにシリ
ンダ内壁への氷核の付着を防止し得て、当該装置の連続
的な使用を容易ならしめることができる。
【0026】図6は、この発明の凝固装置の作動を確認
するための予備実験装置を示す説明図であり、本願発明
者は、この予備実験装置を用いて、上述した衝撃付加に
よる過冷却水の凝固に関する予備実験を行い、有効であ
るとの確証を得ている。
【0027】図6に示す予備実験装置は、25cm3
ポリプロピレン製注射器を用いて構成したものであり、
この予備実験では、上記注射器のシリンダ1内に、目視
可能な直径約100μm以上の気泡を除去した超純水W
Sの水滴1cm3 を入れて、その上部をシリコーンオイ
ルSOで塞ぎ、超純水WSの水滴の下部を注射器のシリ
ンダ1の先端部(図では底部)に接触させている。ここ
で、注射器のピストン2と超純水WSとの間をシリコー
ンオイルSOで遮断したのは、衝撃のみを超純水WSに
伝播させるためである。上記注射器の先端部(図では下
端部)は閉じてあり、シリンダ1の内部は密閉されてい
る。
【0028】以上の条件下の予備実験装置としての上記
注射器を、図6に示すように冷却槽5内で冷却して、そ
の内部の超純水WSを0℃以下の過冷却状態に保持す
る。そしてその状態で、注射器のピストン2をある任意
の張力に達するまで手で持ち上げ、その後に手を離す。
これによりピストン2は内部の負圧で引かれて落下し、
その衝撃はシリコーンオイルSOを通じて超純水WSに
伝わる。なお、図中符号6は、シリンダ1の先端部の温
度を計測するための熱電対である。
【0029】図7は、上記の予備実験の結果の、凝固温
度と0℃との差の絶対値である△Tおよび試行回数Nの
関係を示す図であり、図7(a)は、比較データとして
の衝撃を付加しない場合のデータ、図7(b)は上記の
ようにピストン2を落下させて衝撃を付加した場合のデ
ータを示す。
【0030】上記の予備実験の結果では、ピストン2を
落下させた場合には、△Tの平均値△Tave は、5.8
Kであった。一方、衝撃を付加しない場合には、△Tの
平均値△Tave は13.9Kであった。そして凝固のタ
イミングは、衝撃を付加した直後であった。この実験で
は凝固の瞬間を明確に撮影するため、過冷度を比較的高
めに設定して衝撃を付加したが、衝撃を付加することに
よって過冷却水は−3℃でも凝固する。そして過冷却水
に気泡が多く含まれる場合は、衝撃の付加によって−1
℃で凝固する場合があることを本願発明者は確認してい
る。以上のことから、この発明の装置により衝撃を付加
すれば、低い過冷度の過冷却水でも凝固させ得ることが
確認された。
【0031】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものでなく、例えば上記実施
例では二個のピストンを使用したが、ピストンを一個と
するとともに、シリンダやピストンに水充填口および水
排出口の少なくとも一方と、それらを開閉する弁とを設
けるようにしても良く、また二個のピストンのうちの一
方で、水充填口および水排出口の開閉と、シリンダ内へ
の過冷却水の充填と、衝撃により過冷却が解消した過冷
却水のシリンダ内からの排出とを行い、他方のピストン
で、シリンダ内に充填された過冷却水への衝撃の付加の
みを行うようにしても良い。そして、上記実施例ではコ
イル型電気式ヒータ4を用いたが、他の種類のヒータを
用いても良く、また場合によってはヒータを省略しても
良い。
【0032】さらに、上記実施例ではピストン駆動する
ために電磁ソレノイド等のピストン駆動手段を具えた
が、この発明の凝固装置は、それ自身として特にピスト
ン駆動手段を具えず、ピストンに手で操作し得る部材を
具えて、手動操作でピストンを動かすようにしても良
く、また、水充填口と水排出口との二種類の口として、
シリンダやピストンに一つの開口を設けてそれを共用す
るようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、この発明の過冷却水の凝固装置の
一実施例を示す側面図、(b)は、その実施例の装置の
内部構造を示す断面図である。
【図2】 (a)および(b)は、上記実施例の装置に
より過冷却水を凝固させる際の手順の最初の部分を示す
説明図である。
【図3】 上記手順の次の部分を示す説明図である。
【図4】 (a)および(b)は、上記手順のさらに次
の部分を示す説明図である。
【図5】 (a)および(b)は、上記手順の最終部分
を示す説明図である。
【図6】 この発明の過冷却水の凝固装置の予備実験の
ための装置を示す説明図である。
【図7】 (a)および(b)は、上記予備実験装置に
よる予備実験の結果を示す図である。
【符号の説明】 1 シリンダ 1a 水充填口 1b 水排出口 2,3 ピストン 4 ヒータ 5 冷却槽 6 熱電対 SO シリコンオイル S 過冷却水充填空間 V 負圧空気溜まり W 過冷却水 WA 過冷却解消水 WS 超純水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊野 寛之 東京都目黒区大岡山2−10−35 大岡山 宿舎CC−3 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F28D 20/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過冷却水を充填されるシリンダ(1)
    と、 前記シリンダ内に液密に摺動可能に嵌合されて、そのシ
    リンダ内での摺動により、そのシリンダ内への過冷却水
    の充填と、そのシリンダ内に充填された過冷却水への衝
    撃の付加と、その衝撃により過冷却が解消した過冷却水
    の前記シリンダ内からの排出とを行う少なくとも一つの
    ピストン(2,3)と、 前記シリンダおよび前記ピストンの少なくとも一方に開
    閉可能に設けられた水充填口(1a)および水排出口
    (1b)と、 を具えてなる、過冷却水の凝固装置。
  2. 【請求項2】 前記シリンダには、前記水充填口および
    前記水排出口が形成されるとともに、二つの前記ピスト
    ンが嵌合されており、 前記二つのピストンのうちの一方のピストンは、前記水
    充填口および前記水排出口を開閉し、他方のピストン
    は、前記シリンダ内への過冷却水の充填と、そのシリン
    ダ内に充填された過冷却水への衝撃の付加と、その衝撃
    により過冷却が解消した水の前記シリンダ外への排出と
    を行うものであることを特徴とする、請求項1記載の過
    冷却水の凝固装置。
  3. 【請求項3】 前記シリンダの周囲にはヒータ(4)が
    設けられていることを特徴とする、請求項1または2記
    載の過冷却水の凝固装置。
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