JP3243498U - 縦型高圧蒸気滅菌器 - Google Patents

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学 下河辺
伸雄 ▲柳▼原
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Abstract

【課題】土壌等の細粒物の滅菌効率を向上させた縦型高圧蒸気滅菌器を提案する。【解決手段】被滅菌物Pを被滅菌物収納容器30内に収納し、該被滅菌物収納容器を機器本体に形成されたチャンバ3内に上方開口4から装填し、チャンバ内に高温・高圧蒸気を発生させ、被滅菌物の滅菌処理を行なう縦型高圧蒸気滅菌器であって、被滅菌物収納容器30を、少なくとも底壁21が多孔23の有底筒形状のものとし、該被滅菌物収納容器の底壁下方に、汚水溜め容器20を設けると共に、高温・高圧蒸気を送り込むパイプ24を開口させた。【選択図】図5

Description

本考案は、縦型高圧蒸気滅菌器に関するもので、特に、土壌等の細粒物の滅菌処理に適した縦型高圧蒸気滅菌器に関するものである。
例えば、遺伝子工学の実験では、遺伝子組み換えを行った世の中には存在しない菌や細胞を扱うが、これらの菌や細胞が外部に流出するのを防ぐため、実験に使用した再利用するシャーレ、フラスコ等の器具だけでなく、菌や細胞を培養した土壌等の不要な培地も滅菌処理を行った後に廃棄することがなされている。このような実験に使用した土壌等の滅菌処理には、縦型高圧蒸気滅菌器が広く用いられている。
縦型高圧蒸気滅菌器は、上方が開口したチャンバを有しており、被滅菌物収納容器に被滅菌物を収納した後、その収納容器をチャンバ内に装填し、チャンバの開口を蓋によって閉じ、該チャンバ内に高温・高圧蒸気を発生させ、該高温・高圧蒸気によって被滅菌物の滅菌処理を行なうものである(特許文献1等参照)。
実開平02-123238号公報
このような縦型高圧蒸気滅菌器において、籠状(網状)の被滅菌物収納容器を使用すると、被滅菌物が土壌等の細粒物である場合には、該細粒物である被滅菌物自体及び該被滅菌物から流出した汚水が、収納した被滅菌物収納容器の孔或いは網目から下方に落下し、縦型高圧蒸気滅菌器のチャンバ内にこぼれ落ち、チャンバ底面に設けられたドレン孔或いは側面に設けられた空気抜き孔等を塞ぐおそれがあった。そのため、細粒物の滅菌処理にあたっては、無孔のバケツ状の被滅菌物収納容器を用いるか、或いは、被滅菌物を水密性の袋、例えば高密度ポリエチレンにより製造された耐熱性及び耐水性を有する袋(一般的に「滅菌袋」と言われている。)に入れ、該被滅菌物を収納した滅菌袋を被滅菌物収納容器に入れ、滅菌処理を行うことが行われている。
しかしながら、上記したような無孔のバケツ状の被滅菌物収納容器、或いは滅菌袋を使用して細粒物である被滅菌物の滅菌処理を行った場合、縦型高圧蒸気滅菌器のチャンバ内において発生した蒸気は収納容器等の下方部或いは側部から入り込むことはできず、もっぱら上方の開口部のみから収納容器内に入ることとなると共に、これに加えて、被滅菌物が細粒物である場合には、収納容器内において被滅菌物が隙間無く充填された状態となるため、蒸気が被滅菌物間に入り込み難いものとなる。そのため収納容器内の気体の新たな蒸気との置換がスムースに行われず、設定滅菌温度(例えば121℃)に収納容器内が達するまでに長時間を要するものとなり、効率的な被滅菌物の滅菌処理が困難であった。このことは、収納容器内の下方部において特に顕著に現われ、かかる部分に収納した細粒物である被滅菌物が滅菌不良となるおそれがあった。
本考案は、上述した背景技術が有する課題に鑑みなされたものであって、その目的は、土壌等の細粒物の滅菌効率を向上させた、縦型高圧蒸気滅菌器を提案することにある。
上記した目的を達成するため、本考案は、次の〔1〕~〔6〕に記載した縦型高圧蒸気滅菌器とした。
〔1〕被滅菌物を被滅菌物収納容器内に収納し、該被滅菌物収納容器を機器本体に形成されたチャンバ内に上方開口から装填し、上記チャンバ内に高温・高圧蒸気を発生させ、上記被滅菌物の滅菌処理を行なう縦型高圧蒸気滅菌器において、上記被滅菌物収納容器を、少なくとも底壁が多孔の有底筒形状のものとし、該被滅菌物収納容器の底壁下方に、汚水溜め容器を設けると共に、高温・高圧蒸気を送り込むパイプを開口させたことを特徴とする、縦型高圧蒸気滅菌器。
〔2〕上記汚水溜め容器の底壁下方に蒸気溜めが設けられ、該蒸気溜めに上記パイプの一端が開口され、該パイプの他端が被滅菌物収納容器の底壁下方に開口されていることを特徴とする、上記〔1〕に記載の縦型高圧蒸気滅菌器。
〔3〕上記被滅菌物収納容器が、上記汚水溜め容器を介在させた状態で上記チャンバ内の下部に設けられた簀の子に載置され、該簀の子に上記蒸気溜めが設けられていることを特徴とする、上記〔2〕に記載の縦型高圧蒸気滅菌器。
〔4〕上記簀の子が天板下方に上記蒸気溜めを備え、該蒸気溜めと上記汚水溜め容器の上記パイプとを連通させるスリット状の孔が該簀の子の天板に設けられていることを特徴とする、上記〔3〕に記載の縦型高圧蒸気滅菌器。
〔5〕上記被滅菌物収納容器内に、上記被滅菌物が不織布からなる袋に入れた状態で収納されていることを特徴とする、上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の縦型高圧蒸気滅菌器。
〔6〕上記被滅菌物が、土壌であることを特徴とする、上記〔5〕に記載の縦型高圧蒸気滅菌器。
上記した本考案に係る縦型高圧蒸気滅菌器によれば、被滅菌物を収納する被滅菌物収納容器を、少なくとも底壁が多孔の有底筒形状のものとし、該被滅菌物収納容器の底壁下方に、高温・高圧蒸気を送り込むパイプを開口させたものとしたので、被滅菌物収納容器内の気体は効果的に新たな蒸気に置換され、被滅菌物収納容器内が設定滅菌温度に短時間で達し、被滅菌物が土壌等の細粒物であっても、該被滅菌物を効率的に滅菌処理できるものとなる。
また、本考案に係る縦型高圧蒸気滅菌器においては、少なくとも底壁を多孔とした上記被滅菌物収納容器の底壁下方に、汚水溜め容器を設けたものとしたので、被滅菌物が土壌等の細粒物であっても、該被滅菌物自体及び該被滅菌物から流出した汚水が被滅菌物収納容器の孔を介して下方に落下しても、それを汚水溜め容器が受け溜めることができ、機器本体のチャンバ内を汚すことがない。
本考案に係る縦型高圧蒸気滅菌器の一実施形態を概念的に示した側面図である。 図1に示した実施形態に係る縦型高圧蒸気滅菌器において使用された簀の子の一部切り欠き斜視図である。 図1に示した実施形態に係る縦型高圧蒸気滅菌器において使用された汚水溜め容器の一部切り欠き斜視図である。 図1に示した実施形態に係る縦型高圧蒸気滅菌器において使用された被滅菌物収納容器の斜視図である。 図1の実施形態の縦型高圧蒸気滅菌器の蒸気の流れを示した概念的な一部省略側面図である。 本考案に係る縦型高圧蒸気滅菌器の他の実施形態を概念的に示した側面図である。 図6に示した実施形態に係る縦型高圧蒸気滅菌器において使用された汚水溜め容器の一部切り欠き斜視図である。 図6の実施形態の縦型高圧蒸気滅菌器の蒸気の流れを示した概念的な一部省略側面図である。
以下、本考案に係る縦型高圧蒸気滅菌器の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本考案に係る縦型高圧蒸気滅菌器の一実施形態を概念的に示した側面図である。この図1に示した縦型高圧蒸気滅菌器1は、機器本体2にチャンバ3を有しており、該チャンバ3は上方に開口4を備えている。そして、チャンバ3の底面にはドレン孔5が形成され、側面には空気抜き孔6等が形成されている。また、チャンバ3の底部にはヒータ7が設置され、該ヒータ7の上方に簀の子10が配置されている。簀の子10の上方には、汚水溜め容器20を介して被滅菌物Pを入れた被滅菌物収納容器30が載置される。
上記縦型高圧蒸気滅菌器1は、機器本体2の上部に開閉蓋8を備えており、該開閉蓋8を閉じることにより上記チャンバ3の開口4を塞ぎ、チャンバ3内をヒータ7による加熱によって発生させた蒸気により高温・高圧状態に維持し、被滅菌物収納容器30内に入れられた被滅菌物Pを滅菌処理する。
この実施形態の縦型高圧蒸気滅菌器1において使用されている上記簀の子10は、図2に示したように、天板11と、該天板11の下面に設けられた周壁からなる脚部12とからなり、天板11の下方には、周壁からなる脚部12により囲まれた蒸気溜め13が画成されている。
上記簀の子の天板11の板面には、その上方に載置される汚水溜め容器20に設けられた後述するパイプ24に該簀の子の上記蒸気溜め13に溜まった蒸気を流入させる同心円上に穿設されたスリット状の孔14が複数形成されている。このように簀の子の天板11にスリット状の孔14を形成することにより、該簀の子10の上方に載置する汚水溜め容器20の載置位置をさほど気にすることなく、該汚水溜め容器に設けられたパイプ24と簀の子の上記孔14との連通が図られた状態の汚水溜め容器20の簀の子10上への載置とすることができる。
また、上記簀の子の周壁からなる脚部12の下端には、突起15が適宜な間隔をあけて複数形成されている。この突起15は、機器本体のチャンバ3の底部にガタ付きなく該簀の子10を設置できるものとすると共に、簀の子の周壁からなる脚部12の内方と外方とを連通させ、蒸気を発生させるためにチャンバ3の底部に溜めた水Wの水位を脚部12の内外で同一にするものである。
上記縦型高圧蒸気滅菌器1において使用されている汚水溜め容器20は、図3に示したように、底壁21と、該底壁21の周縁から立ち上がる周壁22とからなる有底円筒形状の容器に形成されている。そして、この汚水溜め容器20の底壁21には、上記簀の子10の天板11に形成されたスリット状の孔14に連通させる孔23が適所に複数個、図示した実施形態においては同心円上に等間隔を開けて4個の孔23が形成され、該孔23のそれぞれにL字状に折曲されたパイプ24の一端開口24aが水密に接続され、該ハイプ24の他端開口24bが容器の中央方向に向けて開口するようにそれぞれ取り付けられている。
上記パイプ24は、L字状に折曲されたものとすることにより、折曲部が屋根の作用を果たし、該汚水溜め容器20の上方に載置された被滅菌物収納容器30から落下する汚水等が該パイプの他端開口24bから入り込まないものとすることができる。また、該パイプの一端開口24aが汚水溜め容器20の底壁21に形成された孔23に水密に接続されているため、該汚水溜め容器20が被滅菌物収納容器30から落下した汚水等を溜めることができるものとなる。なお、パイプ24は、必ずしもL字状に折曲されたものである必要はなく、汚水が他端開口24bから入り込まないように別途屋根となる部材を設けたものとしても良い。汚水溜め容器の周壁22の上端には、取っ手25が差し渡して設置されており、汚水が溜まった該汚水溜め容器20をチャンバ3内から取り出し易いものとしている。
上記縦型高圧蒸気滅菌器1において使用されている被滅菌物収納容器30は、図4に示したように、ステンレススチール,アルミニウム,合成樹脂等の錆難い材料によって有底円筒形状に形成され、その側壁及び底壁には多数の孔(或いは網の目)31が形成され、上端に取っ手32が装着された、一般的に使用されている籠状(網状)の容器である。該被滅菌物収納容器30に被滅菌物Pを収納し、縦型高圧蒸気滅菌器1のチャンバ3内への被滅菌物の投入、チャンバ3からの被滅菌物の排出が行われる。なお、本考案において使用できる被滅菌物収納容器は、少なくとも底壁に蒸気が流入する孔(或いは網の目)が形成されているものであれば良く、また、円筒ではなく、角筒等であっても良い。
上記被滅菌物収納容器30には、必要に応じて、通気性を有する袋40に被滅菌物Pを入れた状態で収納され、滅菌処理後、被滅菌物収納容器30から被滅菌物Pを入れた状態で該袋40が取り出され、そのまま廃棄することがなされる。上記通気性を有する袋40としては、特に限定されるものではないが、例えば天然若しくは合成繊維からなる不織布或いは織布、多孔性プラスチックフィルム等で形成された袋を挙げることができる。なかでも不織布からなる袋は、適度な通気性を有し、蒸気が入り易いものであると共に、土壌のような細粒物であっても漏れ出ることが少ないために好ましく使用される。
本考案に係る縦型高圧蒸気滅菌器1によって滅菌処理を行う被滅菌物Pとしては、被滅菌物収納容器30に入れた際に、隙間無く充填される細粒物の滅菌に適しており、例えば培地として使用された土壌、使用済みの注射針、ピペット、ピペットチップ、チューブ、プラスチック製のシャーレ等が挙げられる。これらの中でも土壌は、その充填率が高く蒸気がその隙間に入り難いものであると共に、熱伝導率も低いことから伝導による加熱も期待できないことから、本考案に係る縦型高圧蒸気滅菌器1によって滅菌処理を行う被滅菌物Pとして最適である。なお、上記「土壌」とは、いわゆる砂、土等の土壌の他、造粒培土、バーミキュライト、パーライト、ゼオライトなどの鉱物資材、ピートモス、ヤシガラピートモス、バカス、バークなどの植物系繊維資材およびその混合品などをも含むものである。
本考案に係る縦型高圧蒸気滅菌器1では、チャンバ3内の底部に水Wが溜められ、上記した簀の子10、汚水溜め容器20、そして被滅菌物P(必要に応じて通気性を有する袋40に入れられた被滅菌物P)が収納された被滅菌物収納容器30が、下から簀の子10、汚水溜め容器20、そして被滅菌物収納容器30の順番で、図1に示したように縦型高圧蒸気滅菌器1のチャンバ3内に入れられ、開閉蓋8を閉じ、ヒータ7に通電することにより、被滅菌物Pの滅菌処理が開始される。
ヒータ7が通電されると、チャンバ3内の底部に貯められた水Wがヒータ7により加熱され、高温・高圧蒸気が発生する。発生した蒸気は上昇し、図5に示したように、一部は簀の子10の周縁からチャンバ3内を上昇し、周壁の孔31或いは上部開口から被滅菌物収納容器30内に流入する。また、一部は簀の子10の蒸気溜め13に溜まり、該貯められた蒸気は簀の子10の孔14を介して上方の汚水溜め容器20のパイプ24に流入する。パイプ24に流入した蒸気は、該パイプの開口24bが上方に載置した被滅菌物収納容器30の底壁下方に開口されていることから、該被滅菌物収納容器30の底壁に向けて勢いよく噴射され、被滅菌物収納容器の底壁の孔31から内部に流入する。これにより、被滅菌物収納容器30内の気体は効果的に新たな蒸気に置換され、被滅菌物収納容器30内が設定滅菌温度(例えば、121℃)に短時間で達し、被滅菌物Pが効率的に滅菌処理される。その際、被滅菌物Pに付着している培養基等が溶解して流れ出ることがあるが、それらの汚水は下方に設置した汚水溜め容器20に貯められ、チャンバ3内を汚すことはない。
このようにして、滅菌処理が終了したならば、ヒータ7への通電が止められ、開閉蓋8を開け、取っ手32を持って被滅菌物収納容器30をチャンバ3内から取り出す。そして、被滅菌物収納容器30から被滅菌物Pが入れられた袋40を取り出し、該被滅菌袋40の開口を閉じ、滅菌処理を行った被滅菌物Pをその袋40内に入れたまま適宜な場所に廃棄する。
本考案に係る縦型高圧蒸気滅菌器1を用いた被滅菌物Pの上記滅菌作業により、被滅菌物Pは効率的に短時間で滅菌不良無く滅菌処理され、安全に廃棄される。
図6は、本考案に係る縦型高圧蒸気滅菌器の他の実施形態を概念的に示した図であり、該図において上記実施形態と同一部材については同一符号を付している。
この図6に示された縦型高圧蒸気滅菌器1においては、上記実施形態においては使用していた簀の子10を使用していない点で大きく相違している。この実施形態においては、汚水溜め容器20が、上記実施形態に簀の子の作用を兼ねたものに構成されている。
即ち、図6の実施形態に係る縦型高圧蒸気滅菌器1において使用されている汚水溜め容器20は、図7に示したように、底壁21の下面に、周壁からなる脚部26が設けられ、該周壁からなる脚部26により囲まれた蒸気溜め27が画成されており、該脚部26が、上記実施形態の簀の子10の作用を兼ねたものに構成されている。周壁からなる脚部26の下端には、突起28が適宜な間隔をあけて複数形成され、該汚水溜め容器20のチャンバ底部への載置性及び脚部26の内外の連通が図られている。他は上記実施形態の汚水溜め容器20と同様に構成されている。
この図6に示された実施形態の縦型高圧蒸気滅菌器1においては、上記した簀の子を兼ねた汚水溜め容器20、そして被滅菌物P(必要に応じて通気性を有する袋40に入れられた被滅菌物P)が収納された被滅菌物収納容器30が、下から汚水溜め容器20、被滅菌物収納容器30の順番で縦型高圧蒸気滅菌器1のチャンバ3内に入れられ、被滅菌物Pの滅菌処理が効率的に行われる。
即ち、図8に示したように、ヒータ7により加熱され、発生した蒸気は上昇し、一部は簀の子を兼ねた汚水溜め容器20の周縁からチャンバ3内を上昇し、周壁の孔31或いは上部開口から被滅菌物収納容器30内に流入する。また、一部は汚水溜め容器20の下方に形成された蒸気溜め27に溜まり、該貯められた蒸気は汚水溜め容器の孔23を介してパイプ24に流入する。パイプ24に流入した蒸気は、該パイプの開口24bが上方に載置した被滅菌物収納容器30の底壁下方に開口されていることから、該被滅菌物収納容器30の底壁に向けて勢いよく噴射され、被滅菌物収納容器の底壁の孔31から内部に流入する。これにより、被滅菌物収納容器30内の気体は効果的に新たな蒸気に置換され、被滅菌物収納容器30内が設定滅菌温度(例えば、121℃)に短時間で達し、被滅菌物Pが効率的に滅菌処理される。その際、被滅菌物Pに付着している培養基等が溶解して流れ出ることがあるが、それらは下方に設置した汚水溜め容器20に貯められる。
以上、本考案に係る縦型高圧蒸気滅菌器の実施形態を説明したが、本考案は既述の実施形態に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載した本考案の技術的思想としての考案の範囲内において、種々の変形及び変更が可能であることは当然である。
本考案に係る縦型高圧蒸気滅菌器によれば、被滅菌物収納容器内の気体は効果的に新たな蒸気に置換され、被滅菌物収納容器内が設定滅菌温度に短時間で達し、被滅菌物を効率的に滅菌不良なく滅菌処理できるので、土壌等の細粒物の滅菌処理に好適に使用できる。
1 縦型高圧蒸気滅菌器
2 機器本体
3 チャンバ
4 開口
5 ドレン孔
6 空気抜き孔
7 ヒータ
8 開閉蓋
10 簀の子
11 天板
12 周壁からなる脚部
13 蒸気溜め
14 スリット状の孔
15 突起
20 汚水溜め容器
21 底壁
22 周壁
23 孔
24 パイプ
23a パイプの一端開口
24b パイプの他端開口
25 取っ手
26 周壁からなる脚部
27 蒸気溜め
28 突起
30 被滅菌物収納容器
31 孔(或いは網の目)
32 取っ手
40 不織布からなる袋
P 被滅菌物(土壌)
W 水

Claims (6)

  1. 被滅菌物を被滅菌物収納容器内に収納し、該被滅菌物収納容器を機器本体に形成されたチャンバ内に上方開口から装填し、上記チャンバ内に高温・高圧蒸気を発生させ、上記被滅菌物の滅菌処理を行なう縦型高圧蒸気滅菌器において、上記被滅菌物収納容器を、少なくとも底壁が多孔の有底筒形状のものとし、該被滅菌物収納容器の底壁下方に、汚水溜め容器を設けると共に、高温・高圧蒸気を送り込むパイプを開口させたことを特徴とする、縦型高圧蒸気滅菌器。
  2. 上記汚水溜め容器の底壁下方に蒸気溜めが設けられ、該蒸気溜めに上記パイプの一端が開口され、該パイプの他端が被滅菌物収納容器の底壁下方に開口されていることを特徴とする、請求項1に記載の縦型高圧蒸気滅菌器。
  3. 上記被滅菌物収納容器が、上記汚水溜め容器を介在させた状態で上記チャンバ内の下部に設けられた簀の子に載置され、該簀の子に上記蒸気溜めが設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の縦型高圧蒸気滅菌器。
  4. 上記簀の子が天板下方に上記蒸気溜めを備え、該蒸気溜めと上記汚水溜め容器の上記パイプとを連通させるスリット状の孔が該簀の子の天板に設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の縦型高圧蒸気滅菌器。
  5. 上記被滅菌物収納容器内に、上記被滅菌物が不織布からなる袋に入れた状態で収納されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の縦型高圧蒸気滅菌器。
  6. 上記被滅菌物が、土壌であることを特徴とする、請求項5に記載の縦型高圧蒸気滅菌器。
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