JP3243476B2 - 多次元データの構造化に基づく符号化方法 - Google Patents

多次元データの構造化に基づく符号化方法

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JP3243476B2
JP3243476B2 JP8432597A JP8432597A JP3243476B2 JP 3243476 B2 JP3243476 B2 JP 3243476B2 JP 8432597 A JP8432597 A JP 8432597A JP 8432597 A JP8432597 A JP 8432597A JP 3243476 B2 JP3243476 B2 JP 3243476B2
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  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、データ通信における
圧縮符号化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】次元が3以上のデータ(以下、多次元デ
ータと記す)は、その情報量が膨大であるため、その伝
送や蓄積のための符号化方法が必要とされる。
【0003】従来、多次元データの符号化はベクトル量
子化やDCT, wavelet,fractal などを用いて行われて
きた(P.Ning and L.Hesselink:"Fast Volume Renderin
gof Compressed Data," Proc.of IEEE Visualization'9
3,pp.11-18,1993,B.Yeo and B.Liu:"Volume Rendering
of DCT-Based Compressed 3D Scalar Data,"IEEETrans,
on Visualization and Computer Graphics,Vol.1,pp.2
9-43,1995,S.Muraki:"Volume data and wavelet transf
orms,"IEEE Computer Graphics & Applications, Vol.1
3,No.4,pp.50-56,1993,W.O.Cochran,J.C.Hart and P.J.
Flynn:"Fractal Volume Compression,"IEEE Trans.on V
isualization and Computer Graphics,Vol.2,No.4,pp.3
13-322,1996)。
【0004】これらの方法では、領域分割などを用いた
データの構造化を行うことなく、直接3次元データ配列
に対し波形符号化を適用している。即ち、データのコン
テンツ、例えば医用データなら骨とか臓器などをデータ
から抽出し、それらの位置情報等を含めた状態で符号化
されていない。
【0005】しかし、多次元データの符号化において
は、データの構造化を行うことは重要である。これは、
多次元データでは、その内容を直接2次元のディスプレ
イに表示することができないため、何らかの視覚化方法
を必要とし、望む部分を適切に視覚化するためには、領
域分割などを用いたデータの構造化とデータの加工が不
可欠だからである。
【0006】従来、データの構造化を伴う符号化方法
は、ビデオを対象とする符号化方法において数多く提案
されている(例えば特開平7-154699号公報) 。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ビデオ
等の場合、時系列画像の一つ一つのデータは2次元であ
るため、領域分割などによるデータの構造化の目的は、
主としてフレーム間の動きベクトルの推定精度向上など
である。
【0008】また、2次元データは直接ディスプレイに
表示できるため、視覚化は必要でなく、上記の特開平7-
154699号公報においても、視覚化と符号化の関連は考慮
されておらず、従ってビデオを対象として提案された方
法を、そのまま多次元データに拡張することは困難であ
る。
【0009】多次元データに適する方法にするために
は、その符号化や視覚化に望ましい性質を考慮する必要
がある。その望ましい性質の一つに、データのコンテン
ツの位置情報の探索の容易さがある。多次元データでは
その次元の高さゆえ、データ量が非常に多くなり、従っ
て符号化及び視覚化何れにおいても計算量が多くなる
が、常にデータ全体を符号化したり視覚化する必要はな
い。
【0010】また、必要に応じた部分のみ符号化したり
視覚化できることは、最終的にデータを提示する場合の
システムの速度向上のためには重要であり、従って必要
な部分がデータ全体のどこに位置するか知ること、つま
りデータの位置情報の探索の容易さが求められている。
【0011】以上のことから、視覚化を必要とする多次
元データの符号化方法には、データのコンテンツの位置
情報の探索が容易となるデータの構造化が望まれてい
る。
【0012】更に、多次元データの構造化は、符号化の
みならず、多量のデータを蓄積したデータベースから、
特定のデータを検索する場合にも有用である。即ち、指
定された部分に、指定された属性を有するデータを検索
する場合にも、データのコンテンツの位置情報の探索の
容易さから多次元データの構造化が望まれるのである。
【0013】そこで、この発明の目的は、データのコン
テンツの位置情報の探索が容易となるデータの構造化に
基づいた多次元データの符号化を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、この発明では符号化対象となる多次元データの領域
分割を通じ、そのコンテンツを抽出し、各領域の位置情
報と内部情報を個々に符号化する方法において、各領域
の位置情報を符号化するにあたり、グラフにより表現さ
れる領域の空間分割モデルを生成し、グラフの各ノード
に領域属性を割り当て、その属性を符号化する方法を提
案するものである。
【0015】なお、グラフの各ノードに領域属性を割り
当てる際に、領域分割の結果から得られた情報、及び各
領域に含まれる物体の情報を、その属性として付随させ
るようにしてもよい。
【0016】更に、この発明によれば、各領域の内部情
報を符号化する際には、上記空間分割モデルを表すグラ
フに基づく領域探索を行い、その探索結果を用いて各領
域で領域属性に適応した符号化を行うものである。
【0017】
【作用】この発明によれば、符号化された情報の中にコ
ンテンツの位置情報がグラフにより保持されるため、位
置の探索がグラフの探索に置き換えられ、多次元データ
の位置情報の探索を、容易に且つ高速に行うことがで
き、その結果必要部分の符号化及び視覚化が容易に行う
ことができる。
【0018】また、領域の内部情報の符号化を行う際
に、領域の空間分割モデルを表現するグラフのノードの
属性から符号化対象領域の属性を判断できるため、それ
に基づき領域属性に適応した符号化を行うことができ
る。
【0019】更に、この発明によれば符号化された多次
元データを大量に蓄積したデータベースを検索する際、
まず各データに付随したグラフのみの復号を行い、次に
それに基づく領域探索を用いることによって、データの
任意の部分の属性を指定することによる検索を行うこと
ができ、且つその結果に基づきデータの一部分のみの内
部情報を復号し、視覚化を通じて検索結果の候補として
提示することが可能となる。
【0020】また、領域の空間分割モデルを表現するグ
ラフに基づく領域検索を利用して情報の送り手側及び受
け手側において、各領域に情報加工操作を加えることが
できる。
【0021】
【実施例】以下、この発明の一実施例であるCT(Comp
uter Tomography)から得られた3次元データの符号化を
図面に基づいて説明する。
【0022】図1は、この実施例の概略構成を示すブロ
ック図であり、1はデータの入力部、2は入力されたデ
ータの領域分割部、3はデータの領域分割結果の空間分
割モデルを生成し、それを表現するグラフの各ノードに
領域属性を割り当てるデータ構造化部、4は領域内部の
符号化を行うためのプリミテイブサイズ制御部、5は上
記空間分割モデルを表現するグラフの探索に基づいてデ
ータの必要部分の位置情報を得る領域位置探索部、6は
領域の内部情報の加工を行う情報加工部、7は上記グラ
フの探索結果に基づいて各領域で領域の属性に適応した
方法で内部情報を符号化する領域内部情報符号化部、8
はデータ構造化部3で得られた空間分割モデルを表現す
るグラフの各ノードをある一定の順番で探索し、その属
性の符号化を行う領域位置情報符号化部、9は符号化結
果の出力部であり、以下それぞれの構成を具体的に説明
する。
【0023】入力部1は、符号化の対象となるデータの
入力装置、若しくは既に取得された符号化されていない
データの蓄積装置である。
【0024】領域分割部2では、入力されたCTデータ
の領域分割を行い、そのコンテンツを取り出す。領域分
割の例を図2及び図3を用いて示す。図2(a) はCTデ
ータのスライス画像、図2(b) はCTデータ全体から得
られたCT値のヒストグラフである。図2(a) に示すよ
うなスライスを多数積み重ねて、3次元データが構築さ
れる。この実施例で用いたデータの大きさは128 ×128
×128 である。
【0025】CTデータに含まれるコンテンツ、例えば
骨や皮膚は、それぞれに応じたCT値を有する。従っ
て、CT値のヒストグラムの区間分割を通じ、CTデー
タの領域分割が行える。
【0026】図3はその結果を示すものであり、図3
(a) はヒストグラムの分割結果を示す。この場合、ヒス
トグラムは複数の関数の重ね合わせとして表現され、重
ね合わせに用いた一つ一つの関数により、その区間が8
つに分割されている。このヒストグラフの分割結果は、
N.Ichimura:"Volume Data Coding Based on Region Seg
mentation Using Finite Mixture Model,"Proc.IEEE I
CIP-96,Vol.III,pp.363-366,1996に示される手法を用い
たものである。
【0027】この区間分割結果に基づき、骨と皮膚の領
域をそれぞれ白及び灰色で表現したのが図3(b) のスラ
イス画像である。図2(a) のスライス画像と比較するこ
とにより、領域分割がなされていることがわかる。
【0028】データ構造化部3では、領域分割の結果得
られた領域を表現する空間分割モデルを構築する。空間
分割モデルは、ある特定の形状をもつプリミティブを用
いて、多次元空間を再帰的に分割した結果得られる。用
いるプリミテイブや分割の方法に依存し、数多くの空間
分割モデルが考えられるが、ここではオクトツリーと呼
ばれる空間分割モデルを例に取り上げる。
【0029】オクトツリーについては、例えば、H.H.Ch
en and T.S.Huang:"A Survey of Construction and Man
ipulation of Octrees," Computer Vision,Graphics,an
d Image Processing,Vol.43,pp.409-431,1988 にその詳
細が述べられている。
【0030】オクトツリーは、8つの立方体を組み合わ
せたプリミテイブを用いて3次元領域を再帰的に分割す
るものである。図4(a) に、その一例を示す。オクトツ
リーは、図4(b) に示すようなグラフにより表現でき
る。
【0031】グラフのトップノードは物体全体を表し、
グラフの階層が一つ大きくなる毎に、より細かいプリミ
テイブによる分割を表す。図4(b) のグラフでは、3つ
の階層があり、図4(a) の分割と対応している。トップ
ノードは物体全体に対応し、次の階層の各ノードは物体
を大きく8つに分けた結果の各立方体に対応する。その
次の階層は、前階層の各立方体を、更に8つの立方体に
分けた結果の各立方体に対応する。
【0032】グラフの各ノードには、属性が付随する。
図4(b) のグラフでは、Black 、White 及びGrayの3つ
の属性がある。Black とWhite は領域の種類を表す。Gr
ayは、その領域がBlack なのかWhite なのかは、より深
い階層に行かなければ判断できず、現段階では複数の属
性が混ざっていることを表す。
【0033】従来の空間分割モデルを表すグラフの属性
は、上記のように二値的な分割結果しか表現しないもの
であった。しかし、この発明ではその他の属性を付随さ
せることもできる。例えば、多値の分割結果を表す領域
番号、他の領域との隣接関係やそれとの間の距離等の領
域分割結果から得られる情報が考えられる。
【0034】また、例えば医用データを対象とした場合
には、各領域に含まれる組織の色や化学的性質、欠損状
態など、物体そのものの情報を付随させることもでき
る。物体そのものの情報は、データの検索の際に有用な
情報となる。
【0035】図5は、図3のCTデータを領域分割した
結果抽出された頭蓋骨に対する空間分割モデルである。
データの一辺の大きさが128 であるので、空間分割モデ
ルを表すグラフの階層は、一辺の長さが128、64、32、16、
8、4、2、1の大きさの立方体に対応し8となる。図5(a)
は立方体の一辺が16の階層に対応し、また図5(b) は立
方体の一辺が1 の階層に対応する。領域の各部分には、
上記の8つ、128、64、32、16、8、4、2、1のうち何れかの分解
能で、このモデルに対応するグラフを用いて容易にアク
セスすることができる。そのことを利用して、後の領域
内部情報の符号化におけるプリミテイブサイズの制御と
領域位置探索を行う。
【0036】次に領域位置情報の符号化について述べ
る。図1の領域位置情報符号化部8では、空間分割モデ
ルを表すグラフの符号化を行う。具体的には、グラフの
全ノードをある一定の順番で探索し、各ノードの属性に
2値符号を割り当てていく。
【0037】図6はその例を示す。これは、図4(b) の
グラフに対し、深さ優先探索で符号化を行う例である。
探索順番は図6(a) の1 から17の番号のついた矢印で示
される。図6(b) はGrayノードを"("、Black ノードを"
1"、White ノードを"0" で表し、探索順に並べたもので
ある。図6(c) は図6(b) の各シンボルに、"(" →11、"
1"→10、"0"→0 という2値符号を割り当てた場合の符号
化結果である。結局この例では、図4(a) の空間分割モ
デルが、最終的に図6(c) の2値符号として符号化され
る。
【0038】以上のように、領域の位置情報は符号化さ
れる。しかし、領域の内部情報の符号化はまだなされて
いないので、次にこの部分について述べる。この実施例
では、領域の内部情報は各領域におけるCT値である。
【0039】まず、図1のプリミテイブサイズ制御部4
について説明すると、領域の内部情報の符号化は、空間
分割モデルに用いられたプリミテイブに基づいて行う。
このようにするのは、プリミテイブの位置は空間分割モ
デルを表現するグラフで容易に探索できるため、ある特
定の部分のみの符号化を行うことが容易になるためであ
る。
【0040】オクトツリーの場合はプリミテイブが立方
体であるので、各立方体内部の情報を符号化する。この
場合、どの大きさの立方体を単位とするか、つまりブロ
ックサイズを決める必要がある。例えば、この実施例の
データでは、128、64、32、16、8、4、2、1の何れかの大きさが
選択できる。ブロックサイズを大きくすると符号化効率
が良くなる、つまり圧縮率は上がるが、処理時間が長く
なる。逆にブロックサイズを小さくすると処理時間は短
くなるが、符号化効率は悪化する。従って、処理時間と
符号化効率の何れを優先することにより、ブロックサイ
ズを与える。
【0041】この発明では、空間分割モデルによって階
層的にデータが構造化されているため、プリミテイブサ
イズの変更への対応は、空間分割モデルを表すグラフの
どの階層まで探索を行うかを変更するだけであるという
特徴がある。この特徴を生かして、プリミテイブサイズ
の制御部4では、符号化を行う計算環境や送信時間等か
ら決定されたプリミテイブサイズを受け取り、空間分割
モデルの探索レベルを変更することができる。
【0042】次に、図1の領域位置情報探索部5、情報
加工部6及び領域内部情報符号化部7について説明す
る。符号化を行う場合、計算時間の短縮及び不要情報の
削除の観点から、ある特定の属性をもつ領域のみを符号
化すれば良い場合がある。
【0043】この発明では、空間分割モデルによりデー
タが構造化されており、且つ各領域の種々の属性を空間
分割モデルを表現するグラフの各ノードに付随させるこ
とができるため、上記のような要請にも容易に対応する
ことができる。
【0044】以下、まず領域位置探索部5及び領域内部
情報符号化部7の詳しい処理過程を図7を用いて説明す
る。この図の説明では、簡単のため、図4(a) のデータ
を対象とし、図4(b) のBlack ノードに対応する立方体
の内部情報だけを符号化したい場合を想定している。ま
た、内部情報の符号化に、3次元離散コサイン変換及び
3次元任意形状離散コサイン変換を用いることを想定し
ている。
【0045】図7のステップ701 では、プリミテイブサ
イズ制御部4で決定されたグラフの探索レベルkを設定
する。ステップ702 では、図6(a) に示すようにグラフ
の探索を行う。ステップ703 では、属性がBlack のノー
ドを全て探索したか否かを判断する。ステップ704 で
は、現在の探索レベルがステップ701 で設定されたレベ
ルであるかどうかを判断する。この部分で処理は大きく
二つに分かれる。
【0046】まず、現在の探索レベルがkに等しくない
場合について説明する。この場合は、現在のノードがGr
ayで、より深いレベルにBlack ノードが存在する場合
と、そのレベルが既にWhite かBlack になっている場合
がある。ステップ705 では、現在のノードがGrayかどう
かを判断する。Grayならばステップ702 に戻り、グラフ
のより深いレベルの探索を行う。もし、そうでなけれ
ば、ステップ706 において目的とするBlack ノードかど
うかを判断し、そうでなければステップ702 に戻り、探
索を継続する。
【0047】Black ノードの場合は、現在のノードに対
応する立方体を構成するより細かい立方体の全てが、同
一の属性を有することを意味する。この場合は、まずス
テップ707 において、ノードに対応する領域を、設定さ
れたブロックサイズの大きさのブロックに分割すること
を行う。何故ならば、現在のレベルがkではないので、
そのノードに対応する立方体のサイズは設定されたブロ
ックサイズより大きいためである。
【0048】次にステップ708 において、ステップ707
で分割された全ブロックに対し、3次元離散コサイン変
換を適用する。そして、その結果の変換係数を、例えば
JPEGのように、ジグザグスキャン、ランレングス符号
化、及びエントロピー符号化を用いて符号化する。
【0049】図7のステップ704 において、探索レベル
がkに等しい場合について説明する。この場合は、ブロ
ックサイズに関する考慮を行う必要はなく、現在のノー
ドの属性に応じて処理を行う。まず、ステップ709 にお
いて、White ノードかどうかを判断する。White ノード
ならばステップ702 に戻り、探索を継続する。そうでな
い場合には、ステップ710 においてBlack ノードかどう
かを判断する。Blackノードの場合には、現在のノード
に対応する立方体を構成するより細かい立方体、つまり
設定されたブロックサイズ以下の大きさを持つ立方体の
全てが、同一の属性を有することを意味する。従って、
ステップ711 において、全体に対し一様な処理を行う3
次元離散コサイン変換を適用する。
【0050】一方、Black ノードでない場合、つまりGr
ayノードの場合には、現在のノードに対応する立方体を
構成する、設定されたブロックサイズ以下の大きさを持
つ立方体は、同一の属性を持たない。この場合も、全体
に対し一様な処理を行う3次元離散コサイン変換を適用
してもよいが、目的とする領域以外の部分を符号化対象
とすることは、符号化効率を下げることになる。
【0051】この実施例では、図7のステップ712 に示
すように、Grayノードに対応する部分には、3次元任意
形状離散コサイン変換を適用する。3次元任意形状離散
コサイン変換の処理過程を図8に示す。
【0052】図8では、目的とするBlack ノードに対応
する部分を黒で示してある。また、ブロックサイズは8
としてある。3次元任意形状離散コサイン変換では、図
中にDCT-4 のように記してある、領域の長さに一致した
長さを持つ1次元の離散コサイン変換の基底を用いて変
換を行う、この点が、ブロックサイズに等しい長さを持
つ基底を用いる通常の3次元離散コサイン変換とは異な
る。これらの基底を用いて、ブロックの各軸に対し順に
処理を行っていく。
【0053】3次元任意形状離散コサイン変換の結果の
変換係数も、例えばJPEGのように、ジグザグスキャン、
ランレングス符号化、及びエントロピー符号化を用いて
符号化する。
【0054】上記のように、領域の内部情報の符号化を
行う際に、領域の空間分割モデルを表現するグラフのノ
ードの属性から、符号化対象領域が一様の属性を持つか
どうかを判断し、それに基づき領域に適応した符号化を
行うことができる。これは符号化効率向上のために重要
な、この発明の特徴の一つである。
【0055】図7で符号化を行う全てのステップの前
に、ステップ713、714 及び715 において、必要に応じて
符号化対象領域に対し、その情報の加工を行う。これ
は、例えば視覚化の段階でその部分だけを強調して表示
したい場合等に有効である。
【0056】図1に戻り、説明を続ける。図1の出力部
9においては、図1の領域内部情報符号化部7及び領域
位置情報符号化部8における符号化結果をまとめ、最終
的な入力データの符号化結果を構成する。
【0057】次に、符号化結果からデータを再構成する
復号過程について説明する。図9は、復号過程の実施例
の概略構成を示すブロック図である。図9において、符
号化データ入力部91は符号化データの入力装置、若しく
は既に符号化されたデータの蓄積装置である。
【0058】領域位置情報復号部92では、図6(c) に示
したような2値符号系列から領域の空間分割モデルを表
現するグラフを再構成する。グラフを表す2値符号は、
一定の順序でグラフを探索し符号化した結果であること
から、位置情報の復号は2値符号を順番に読み込み、そ
の符号に対応する属性を持つノードを探索順に構成して
いくことで容易に実行できる。
【0059】領域位置探索部5及び領域内部情報復号部
93では、符号化対象となった属性を持つノードに対応す
る領域位置を見出し、そしてその内部情報を復号して、
データを再構成する。この処理は、図7において、符号
化を復号に置き換えた処理によって行える。
【0060】情報加工部6では、必要に応じて再構成さ
れたデータに加工を加える。
【0061】データ視覚化部94では、再構成されたデー
タの視覚化を行う。図10は図2に示したCTデータに符
号化及び復号を行い、その結果を視覚化したものであ
る。図10(a) は、骨の部分のみを復号し、視覚化した結
果である。また、図10(b) は、骨の一部分のみを復号
し、且つ情報加工を行い、骨が半透明表示されるように
した結果である。
【0062】この情報加工は、情報の送り手側及び受け
手側のどちらか一方で行ってもよいし、両方で行っても
よい。この結果は、データの構造化に基づく符号化方法
により、データの一部分のみを探索し、符号化できるこ
とを示している。
【0063】更に図10の結果は、領域の空間分割モデル
を表現するグラフに基づく領域探索を利用し、情報の送
り手側及び受け手側において、半透明表示になるように
するなど、各領域の情報加工ができることを示してい
る。
【0064】上記実施例では、この発明をCTデータの
符号化を例に挙げて説明したが、この発明は符号化にお
ける利用に制限されるものでない。その他の利用法とし
ては以下に、符号化された多次元データを大量に蓄積し
たデータベースから、ある属性を満たすデータを検索す
ることを行う例を示す。
【0065】図11は、検索過程の実施例の概略構成を示
すブロック図である。図11において、符号化データ、検
索キー入力部111 は、データベースからの符号化データ
及び検索キーの入力装置である。
【0066】領域位置情報復号部92及び領域位置探索部
5での処理は、復号過程を示す図9のそれと同じであ
る。領域属性照合部112 では、探索結果のノードの属性
と入力された検索キーとの照合を行う。入力された検索
キーは複数でもよい。図11の113 では、検索キーと一致
した属性の数などの両者の類似度を調べ、それに基づき
探索結果のノードに対応する領域が検索対象であるかど
うかを調べる。検索対象とみなせない場合は、探索を継
続する。検索結果とみなせる場合は、その領域を適合領
域復号部114 において復号し、また適合領域保持部115
において視覚化対象として保持する。そして、その後に
図11の116 において全領域を探索したかどうかを調べ
る。探索してない領域がある場合には、探索を継続す
る。全領域を探索していれば、適合領域保持部115 にあ
るデータを、データ可視化部94において検索結果として
表示する。
【0067】このように符号化データからの検索は、例
えば「頭蓋骨右上部に欠損のある臨床例」という検索キ
ーに対応することができる。これは、領域の位置情報の
符号化において、空間分割モデルによるデータの構造化
を行い、且つそのモデルを表現するグラフの各ノードに
領域の種々の属性を付随させることで実現可能となる。
【0068】また、データの構造化により、領域の位置
情報を表すグラフのみで属性の照合を行うことができ、
浮動小数点演算を必要とする領域内部情報の復号は、照
合の結果検索キーと適合する部分だけに行えばよいこと
から、効率の良い検索ができる。また、もちろん、デー
タが符号化されていることから、データベースの記憶容
量の削減も行える。
【0069】
【発明の効果】以上要するに、この発明では符号化され
た情報の中にコンテンツの位置情報がグラフにより保持
されているため、位置の探索がグラフの探索に置き換え
られ、多次元データの位置情報の探索を、容易に且つ高
速に行うことができ、その結果必要部分の符号化、加工
及び視覚化を容易に行うことができる。
【0070】更に、領域の空間分割モデルを表現するグ
ラフのノードの属性に基づいて、領域属性に適合した符
号化を行ったり、符号化された多次元データを大量に蓄
積したデータベースからのデータ検索を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るデータの符号化の一実施例の
概略構成を示すブロック図
【図2】 符号化の対象とする多次元データ(a)と、
その領域分割に用いられる特徴のヒストグラム(b)の
一例
【図3】 領域分割のためのヒストグラムの分割(a)
と、データの領域分割結果(b)の一例
【図4】 空間分割モデル(a)と,これを表現したグ
ラフ(b)の一例
【図5】 多次元データの空間分割モデルの一例を示す
もので、(a)は立方体の一辺が16の階層に対応したモ
デル、(b)は立方体の一辺が1 の階層に対応したモデ
【図6】 領域位置情報の符号化の一例を示す説明図
で、(a)は探索順番、(b)は各ノードの属性を探索
順に並べたもの、(c)各ノードの属性を符号化して探
索順に並べたもの
【図7】 領域探索部、情報加工部、及び領域内部情報
符号化部の処理の一例を示すフローチャート
【図8】 3次元任意形状離散コサイン変換による領域
内部情報の符号化の一例を示す説明図
【図9】 この発明に係るデータの復号の一実施例の概
略構成を示すブロック図
【図10】 符号化された多次元データを復号したデー
タの視覚化結果の一例を示すもので、(a)は骨の部分
のみを復号して視覚化したもの、(b)は骨の一部分の
みを復号化し、且つ情報加工を行い視覚化したもの
【図11】 この発明をデータベースからのデータ検索
に利用する場合の一実施例の概略構成を示すブロック図
【符号の説明】
1は入力部 2は領域分割部 3はデータ構造化部 4はプリミテイブサイズ制御部 5は領域位置探索部 6は情報加工部 7は領域内部情報符号化部 8は領域位置情報符号化部 9は出力部 91は符号化データ入力部 92は領域位置情報復号部 93は領域内部情報復号部 94はデータ視覚化部 111 は符号化データ、検索キー入力部 112 は領域属性照合部 114 は適合領域復号部 115 は適合領域保持部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−268375(JP,A) 特開 平2−242387(JP,A) 特開 平7−222145(JP,A) 特開 平9−6755(JP,A) 特開 平9−9263(JP,A) 電子情報通信学会論文誌 D−II、 Vol.J78−D−II、No.9、p p1346−1355、「空間検索を効率化した 時空間データ管理構造の提案」、寺岡 他、1995年9月 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 7/30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】符号化対象となる多次元データの領域分割
    を通じ、そのコンテンツを抽出し、各領域の位置情報と
    内部情報を個々に符号化する方法において、各領域の位
    置情報を符号化するにあたり、グラフにより表現される
    領域分割結果に対応する空間分割モデルを生成し、その
    空間分割モデルを表すグラフを用いることを特徴とする
    多次元データの構造化に基づく符号化方法。
  2. 【請求項2】上記領域の空間分割モデルを表現するグラ
    フの各ノードの領域属性に、少なくとも領域分割の結果
    から得られる複数の情報、及び各領域に含まれる物体の
    情報を、その属性として付随させることを特徴とする請
    求項1記載の多次元データの構造化に基づく符号化方
    法。
  3. 【請求項3】上記領域の内部情報の符号化を行う際に、
    領域の空間分割モデルを表現するグラフにおける探索操
    作によって符号化対象領域の位置を見出し、その探索結
    果を用いて各領域で適応した符号化を行うことを特徴と
    する請求項1記載の多次元データの構造化に基づく符号
    化方法。
  4. 【請求項4】 領域の空間分割モデルを表現するグラフ
    に基づく領域探索を利用し、情報の送り手側及び受け手
    側において、各領域に情報加工操作を加えることを特徴
    とする請求項1記載の符号化方法。
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JP5703781B2 (ja) * 2010-09-03 2015-04-22 ソニー株式会社 画像処理装置および方法
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電子情報通信学会論文誌 D−II、Vol.J78−D−II、No.9、pp1346−1355、「空間検索を効率化した時空間データ管理構造の提案」、寺岡他、1995年9月

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