JP3243046U - 酒熟成ボトル - Google Patents

Abstract

【課題】簡易的な構造で、熟成素材を容易に交換でき、異なる熟成の状態を創り出すことが可能な酒熟成ボトルを提供する。【解決手段】筒状で上下が開口するボトル本体１０と、ボトル本体の一方の開口である熟成素材固定口を開閉自在に塞ぐと共に、木製の熟成素材４０を着脱可能にボトル本体内で固定させる熟成素材固定栓２０と、ボトル本体の他方の開口である酒注出口を開閉自在に塞ぐボトル栓３０とを備え、また、熟成素材固定栓が、ボトル本体の底体を形成してなることを特徴とする。【選択図】図１

Description

新規性喪失の例外適用申請有り

本考案は、各種の酒を熟成させるための酒熟成ボトルに関する。

従来より、特許文献１に示されるように、例えば杉材で作られた容器に、酒を入れておくと、杉材が酒の香味を良好にすることが知られている。具体的には、特許文献１では、秋田杉を材料とする末広角筒形のミニアチュア酒容器に、注入口の木栓を施し、竹製注出管を設けた樽が示されている。

実開昭５３－３３５５２号公報

しかしながら、従来の樽では、樽全体が木製で、樽の樹種に限ってしか酒の風味を変えられない。

本考案は、このような事情に鑑みてなされたもので、簡易的な構造で、熟成素材を容易に交換でき、異なる熟成の状態を創り出すことが可能な酒熟成ボトルを提供することにある。

請求項１記載の酒熟成ボトルは、筒状で上下が開口するボトル本体と、ボトル本体の一方の開口である熟成素材固定口を開閉自在に塞ぐと共に、木製の熟成素材を着脱可能にボトル本体内で固定させる熟成素材固定栓と、ボトル本体の他方の開口である酒注出口を開閉自在に塞ぐボトル栓とを備えることを特徴とする。

請求項２記載の酒熟成ボトルは、請求項１の構成に加え、熟成素材固定栓が、ボトル本体の底体を形成してなることを特徴とする。

請求項３記載の酒熟成ボトルは、請求項１又は請求項２の構成に加え、ボトル本体が透明であることを特徴とする。

本考案によれば、簡易的な構造で、熟成素材を容易に交換でき、異なる熟成の状態を創り出すことが可能である。

本考案に係る酒熟成ボトルの一例を示す説明図である。 同酒熟成ボトルの組み立て図である。 同酒熟成ボトルの熟成素材固定栓を示す説明図である。 同酒熟成ボトルの縦断面図である。

以下、本考案の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。図１は、本考案に係る酒熟成ボトルの一例を示す説明図である。図２は、同酒熟成ボトルの組み立て図である。図３は、同酒熟成ボトルの熟成素材固定栓を示す説明図である。図４は、同酒熟成ボトルの縦断面図である。

本実施の形態に係る酒熟成ボトル１は、その内部に酒を入れて、各種の酒を熟成させるためのものである。ここで、酒の熟成とは、その酒が本来持っている香りや味といった風味を変えることである。酒を熟成させる一般的な形態としては、酒を特定の樹種の木製の樽に貯蔵することで、その樽に入れた酒の風味を、樽の樹種によって、その樹種に応じた風味に変化させることである。尚、本考案の酒熟成ボトル１で熟成させる酒の種類は限定されないが、短時間で風味を変えられる例として、本実施の形態ではウイスキーｗの例で説明する。

酒熟成ボトル１は、ボトル本体１０、熟成素材固定栓２０、ボトル栓３０や熟成素材４０等で構成されている。ボトル本体１０は、筒状で上下が開口するもので、注がれたウイスキーｗを蓄えることが可能な素材で形成されている。ボトル本体１０に適する素材はガラスであり、特に、透明でボトル内側１０ａの様子（すなわち、ボトル本体１０の中のウイスキーｗの様子）がボトル本体１０の外側から視認できる透明であることが好ましい。

ボトル本体１０の一方の開口（下側の開口）は、縮径された熟成素材固定口部１２が形成された熟成素材固定口１２ａである。熟成素材固定口部１２の縮径された外周にはネジ山１２ｂが設けられている。

ボトル本体１０の他方の開口（上側の開口）は、縮径された酒注出口部１４が形成された酒注出口１４ａである。酒注出口部１４の縮径された外周にはネジ山１４ｂが設けられている。

熟成素材固定栓２０は、ボトル本体１０の熟成素材固定口１２ａを開閉自在に塞ぐと共に、熟成素材４０をボトル本体１０内で着脱自在に固定させるものである。ボトル栓３０は、ボトル本体１０の酒注出口１４ａを開閉自在に塞ぐものである。

熟成素材４０は、木製で酒の中に入れることで、その酒を熟成させることができるものである。本実施の形態の熟成素材４０は、長方形状の薄板で、ボトル本体１０のボトル内側１０ａから出し入れ可能で且つ、最大限ボトル内側１０ａに入るウイスキーｗに接する面先が広くなるような形状にしている。熟成素材４０の樹種は、酒を飲酒可能な範囲で熟成させることができるものであればよい。尚、熟成素材４０の樹種は、例えば、水楢、樺、栗、杉、檜、桜、楓等である。

熟成素材固定栓２０は、具体的には、熟成素材固定栓部２２と熟成素材固定部２４とで構成されている。熟成素材固定栓部２２は、断面視で略Ｕ字状でありつつ、中央部分に凸状の熟成素材固定栓凸部２２ｂが形成され、溝状の熟成素材固定栓内周２２ａを有する形態になっている。熟成素材固定栓内周２２ａに、ボトル本体１０の熟成素材固定口部１２を螺合させることで、ボトル本体１０の熟成素材固定口１２ａが、熟成素材固定栓２０によって、開閉自在に塞がれることになる。尚、熟成素材固定栓２０が、熟成素材固定口１２ａを塞いだ状態で、ボトル本体１０の底体を形成してなることになる。

熟成素材固定部２４は、円筒状で、上下の略中央に中板２４ａを有する構成である。そして、熟成素材固定栓部２２の熟成素材固定栓凸部２２ｂに、熟成素材固定部２４の下側の栓部側内周部２４ｃが嵌まり込むことで、熟成素材固定栓部２２に熟成素材固定部２４が固定される。

ボトル栓３０は、具体的には、断面視で略逆Ｕ字状でありつつ、中央部分に凸状のボトル栓凸部３０ｂが形成され、溝状のボトル栓内周３０ａを有する形態になっている。ボトル栓内周３０ａを、ボトル本体１０の酒注出口部１４を螺合させることで、ボトル本体１０の酒注出口１４ａが、ボトル栓３０によって、開閉自在に塞がれることになる。

次に、本実施の形態の酒熟成ボトル１の使用方法を説明する。まず、図３に示すように、ボトル本体１０に螺合させる前の熟成素材固定栓２０の熟成素材固定部２４の熟成素材側内周部２４ｂに、熟成素材４０を縦長に立てた状態で差し込む。そして、熟成素材４０の固定穴４０ａに固定ワイヤ４２を通して、この固定ワイヤ４２を熟成素材固定部２４に結び留めることで、熟成素材４０を熟成素材固定部２４に固定させる。固定ワイヤ４２を解けば、熟成素材４０を外すことも可能で、熟成素材４０は、熟成素材固定栓２０に着脱可能に固定される。熟成素材４０を熟成素材固定部２４に固定させることで、ウイスキーｗが注がれたボトル本体１０のボトル内側１０ａで熟成素材４０が浮き上がることを防止できる。

次に、熟成素材４０が配置・固定された熟成素材固定栓２０を、熟成素材４０がボトル内側１０ａに入るようにして、熟成素材固定口部１２に螺合させ、熟成素材固定口１２ａを密封する。

そして、熟成素材固定口１２ａが塞がれた状態で、図１に示すように、ボトル内側１０ａにウイスキーｗを注ぎ、ボトル本体１０の酒注出口部１４にボトル栓３０を螺合させることで、ボトル本体１０の酒注出口１４ａを塞ぐ。

図１の状態で、ボトル本体１０のボトル内側１０ａのウイスキーｗは、熟成素材４０により熟成されることになる。熟成されたウイスキーｗを飲む場合には、ボトル栓３０を開けて、ボトル本体１０の酒注出口１４ａからウイスキーｗを注ぎ出すようにする。尚、熟成素材４０を交換したいような場合には、熟成素材固定栓２０を熟成素材４０ごとボトル本体１０から外して、所望の熟成素材４０に替えて、新たな熟成素材４０をボトル内側１０ａに入れつつ熟成素材固定栓２０で熟成素材固定口１２ａを塞ぐようにしてウイスキーｗをボトル本体１０に注ぎ込めばよい。

このような構成の酒熟成ボトル１によれば、簡易的な構造で、熟成素材を容易に交換でき、異なる熟成の状態を創り出すことが可能である。

本考案は、本考案の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この考案を説明するためのものであり、本考案の範囲を限定するものではない。すなわち、本考案の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の考案の意義の範囲内で施される様々な変形が、この考案の範囲内とみなされる。

本考案により、簡易的な構造で、熟成素材を容易に交換でき、異なる熟成の状態を創り出すことが可能な酒熟成ボトルを提供することができる。

１・・・・・酒熟成ボトル
１０・・・・ボトル本体
１０ａ・・・ボトル内側
１２・・・・熟成素材固定口部
１２ａ・・・熟成素材固定口
１２ｂ・・・ネジ山
１４・・・・酒注出口部
１４ａ・・・酒注出口
１４ｂ・・・ネジ山
２０・・・・熟成素材固定栓
２２・・・・熟成素材固定栓部
２２ａ・・・熟成素材固定栓内周
２２ｂ・・・熟成素材固定栓凸部
２４・・・・熟成素材固定部
２４ａ・・・中板
２４ｂ・・・熟成素材側内周部
２４ｃ・・・栓部側内周部
３０・・・・ボトル栓
３０ａ・・・ボトル栓内周
３０ｂ・・・ボトル栓凸部
４０・・・・熟成素材
４０ａ・・・固定穴
４２・・・・固定ワイヤ

Claims (3)

1. 各種の酒を熟成させるための酒熟成ボトルにおいて、
   筒状で上下が開口するボトル本体と、
   該ボトル本体の一方の開口である熟成素材固定口を開閉自在に塞ぐと共に、木製の熟成素材を着脱可能に該ボトル本体内で固定させる熟成素材固定栓と、
   該ボトル本体の他方の開口である酒注出口を開閉自在に塞ぐボトル栓とを備えることを特徴とする酒熟成ボトル。
2. 前記熟成素材固定栓が、前記ボトル本体の底体を形成してなることを特徴とする請求項１記載の酒熟成ボトル。
3. 前記ボトル本体が透明であることを特徴とする請求項１又は請求項２記載の酒熟成ボトル。

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