JP3242942U - 太陽光発電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】固定設置式(角度固定型)の太陽光発電システムでありながら、日照量の多い昼間の時間帯はもちろんのこと、朝夕の日照量の少ない時間帯でも発電量を確保できて、時間帯での電力供給にムラが出難く、売電価格が低下傾向にある中でも収益を上げることが可能な太陽光発電システムを提供する。【解決手段】受光面に照射された太陽光によって発電する多数の太陽光パネルPを、受光面を南向きに設定した南面太陽光パネルP1と、受光面を東向きに設定した東面太陽光パネルP2と、受光面を西向きに設定した西面太陽光パネルP3とに3等分または略3等分して配置するように構成にした。【選択図】図2
Description
本考案は、太陽光発電システムに関するものである。
従来、太陽光をエネルギー源として利用する装置として、太陽電池モジュールである太陽光パネルを多数備えた太陽光発電システムが知られている。太陽光パネルは、受光面が太陽光と正対したときに最大の発電量が得られることから、受光面を南に向けて設置されることが一般的である。
しかしながら、南方しか向かない固定設置式(角度固定型)の太陽光発電システムでは、日中の時間の経過や季節の移り変わりによって太陽光パネルの受光面に対する太陽光の入射角が刻々と変化するため、受光面に注がれる太陽光の量にムラがあり、発電効率という点では改善の余地がある。
そこで、トラッキングシステムにより常に太陽の位置を算出して追尾する太陽光発電システムも開発されている(特許文献1)。追尾式の太陽光発電システムは、既に実用化されており、受光面が太陽の動きに追従するように太陽光パネルの設置角度を調整可能なものであるため、従来の固定設置式のものと比べて発電効率が優れている。
しかしながら、追尾式の太陽光発電システムは、太陽光パネルを角度可変に支持する架台の構造が複雑になり、固定設置式の太陽光発電システムと比較して導入コストが高いというデメリットがある。
太陽光発電システムを導入した場合、発電した電力を売却して利益を得ることができるものの、売電価格が年々下がっている現況下においては発電効率を上げて発電量を増やすことが肝要である。そこで、野立ての太陽光発電システムにおいて、受光面を南向きに固定した太陽光パネル(南面太陽光パネル)を支持する架台を限られた設置領域内に密集させて配置することで、面積あたりの南面太陽光パネルの枚数増加を図ることも考えられる。しかしながら、南北方向に隣り合う架台のうち相対的に南側の架台が相対的に北側の架台に支持された太陽光パネルに対して影を落とす関係になり、却って発電量が減少してしまい、全体としての発電効率が下がってしまう問題がある。南北方向に隣り合う架台同士の隙間を十分に空けることで影の影響を回避することが可能であるものの、南北方向に隣り合う架台数分に応じてデッドスペースが生じることになり、太陽光パネルの枚数の減少、すなわち発電量の減少に直結する。
本考案は、このような点に着目してなされたものであって、主たる目的は、太陽追尾型と比較して導入コストを抑えることができる固定設置式(角度固定型)の太陽光発電システムにおいて、限られた土地面積に多数枚の太陽光パネルを設置し、日照量の多い昼間はもちろんのこと、南からの日照量が少ない朝夕の時間帯でも発電量を確保でき、時間帯での電力供給にムラが出難く、売電による収益を上げることにつながるシステムを提供することにある。
すなわち、本考案に係る太陽光発電システムは、受光面に照射された太陽光によって発電する多数の太陽光パネルを、受光面を東向きに設定した東面太陽光パネルと、受光面を西向きに設定した西面太陽光パネルと、受光面を南向きに設定した南面太陽光パネルとに3等分または略3等分して配置していることを特徴としている。
このような本考案に係る太陽光発電システムであれば、東面太陽光パネルと西面太陽光パネルと南面太陽光パネルを3等分または略3等分に配置するという斬新なレイアウトを採用しているため、太陽追尾型の太陽光発電システムと比較して導入コストを抑えることができることに加えて、南面太陽光パネルによって昼間の太陽光を効率的に受光するとともに、日が昇ってからしばらくの時間帯の太陽光を東面太陽光パネルによって効率的に受光し、さらに日が沈むまでのしばらくの時間帯の太陽光を西面太陽光パネルによって効率的に受光することができ、1日を通じて、また年間を通じて太陽光を高効率で受光し、発電量の増大化を実現することができる。
加えて、本考案に係る太陽光発電システムであれば、東面太陽光パネル及び西面太陽光パネルを共通の架台である東西両面用架台で支持するように構成しているため、東面太陽光パネル及び西面太陽光パネルの架台を個別に用意する構成と比較して、施工容易性の向上を図ることができるとともに、複数の東西両面用架台を東西方向に並べて配置する際に、東西両面用架台同士の間に影の影響を考慮したスペースを確保する必要がないため、設置区画の単位面積当たりの太陽光パネルの数を増加させて、面積効率の増大化及び発電量の増大化を図ることができる。なお、本考案に係る太陽光発電システムにおいて、南面太陽光パネルを支持する南面用架台を南北方向に複数並べて配置する場合、南北方向に隣り合う南面用架台同士の間に影の影響を考慮したスペースを確保する必要があるものの、東面太陽光パネルと西面太陽光パネルと南面太陽光パネルを3等分または略3等分に配置するレイアウトであるため、南面太陽光パネルのみを配置するレイアウト(南一面設置)と比較して南面用架台の台数も減少し、南北方向に隣り合う架台数分に応じたデッドスペースも減少することになる。
東面太陽光パネル、西面太陽光パネル及び南面太陽光パネルを3等分または略3等分に配置する本考案において、さらなる発電量の増大化を図るには、複数の東西両面用架台を東西方向に並べて配置し、隣り合う一方の東西両面用架台に支持された東面太陽光パネルまたは西面太陽光パネルで反射した光が、他方の東西両面用架台に支持された西面太陽光パネルまたは東面太陽光パネルに照射されるように構成することが効果的である。
本考案によれば、東面太陽光パネルと西面太陽光パネルと南面太陽光パネルを3等分または略3等分に配置し、東西南の3方向に向く太陽光パネルの面積を揃えるというこれまでに着想されることのなかった新規有用なレイアウトを採用しているため、太陽追尾型と比較して導入コストを抑えることができる固定設置式(角度固定型)の太陽光発電システムでありながら、限られた設置面積に多数枚の太陽光パネルを設置し、日照量の多い日中の時間帯及び南からの日照量の少ない朝夕の時間帯に十分な発電量を確保でき、売電価格が低下傾向にある中でも収益を上げることにつながる太陽光発電システムを提供することができる。
以下、本考案の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る太陽光発電システムXは、太陽光パネルP(太陽電池モジュール)の角度を一定に保持した角度固定型の太陽光発電システムである。具体的には、図1及び図2に示すように、一定面積の設置区画K(施工領域)に設置する多数枚の太陽光パネルPを、受光面を南方に設定した南面太陽光パネルP1と、受光面を東方に設定した東面太陽光パネルP2と、受光面を西方に設定した西面太陽光パネルP3とに面積比で3等分し、各太陽光パネルPによって発電された直流電力を2台のパワーコンディショナー(第1パワーコンディショナーPC1、第2パワーコンディショナーPC2)によって交流電力に変換し、商用電力系統と連携することによって所定の供給先(例えば建物内の機器)に電力を供給すると共に、発電電力を電力会社に売電することを可能とするシステムである。図2では、東面太陽光パネルP2と西面太陽光パネルP3を区別できるように西面太陽光パネルP3にのみパターンを付している。
本実施形態では、合計414枚の等価な太陽光パネルPを、138枚の南面太陽光パネルP1、138枚の東面太陽光パネルP2、138枚の西面太陽光パネルP3に3等分し、138枚の南面太陽光パネルP1のうち半分である69枚の南面太陽光パネルP1を第1パワーコンディショナーPC1に接続し、残り半分である69枚の南面太陽光パネルP1を第2パワーコンディショナーPC2に接続している。同様に、138枚の東面太陽光パネルP2と138枚の西面太陽光パネルP3もそれぞれ2等分した枚数を第1パワーコンディショナーPC1、第2パワーコンディショナーPC2に接続している。本実施形態では、電流と電圧を制御する最大電力点追従制御(MPPT;Maximum Power Point Tracking)機能を有するパワーコンディショナーを適用している。これにより、太陽光パネルPの設置方位ごとに発電量を最適に制御して発電電力の最大化を図ることができる。なお、図2では、第1パワーコンディショナーPC1、第2パワーコンディショナーPC2をそれぞれパワコン1、パワコン2と表記し、第1パワーコンディショナーPC1に接続する太陽光パネルPの領域と第2パワーコンディショナーPC2に接続する太陽光パネルPの領域との境界を相対的に太い二点鎖線L1で示している。
本実施形態では、合計414枚の太陽光パネルPを、図3及び図4に示すように、第1パワーコンディショナーPC1、第2パワーコンディショナーPC2にそれぞれ23枚直列したものを9並列(3チャンネルでチャンネル毎に3回路)で接続することで、各パワーコンディショナー(第1パワーコンディショナーPC1、第2パワーコンディショナーPC2)に207枚の太陽光パネルPを接続した構成を採用している。図3に、太陽光パネルPを直列でつないだブロックであるストリングSを相対的に太い実線で示している。図4において各パワーコンディショナー(第1パワーコンディショナーPC1、第2パワーコンディショナーPC2)に接続した9本のストリングSを識別するために丸数字で1から9までの数字を順番に割り当てている。具体的には、丸数字の1から3までのストリングSが南面太陽光パネルP1に接続されたものであり、丸数字の4から6までのストリングSが東面太陽光パネルP2に接続されたものであり、丸数字の7から9までのストリングSが西面太陽光パネルP3に接続されたものである。
本実施形態では、1枚当たり300Wの太陽光パネルPを適用している。したがって、各パワーコンディショナー(第1パワーコンディショナーPC1、第2パワーコンディショナーPC2)に接続された太陽光パネルPの出力値は、207枚(23直×9並列の枚数)×300W=62.10kWであり、太陽光発電システムX全体の太陽光パネルPの総出力は2台のパワーコンディショナー(第1パワーコンディショナーPC1、第2パワーコンディショナーPC2)に接続された太陽光パネルPの出力合計値、すなわち124.20kWである。
そして、本実施形態の太陽光発電システムXは、第1パワーコンディショナーPC1を25kWに出力制限し、第2パワーコンディショナーPC2を24.9kWに出力制限している。このように、本実施形態の太陽光発電システムXは、パワーコンディショナー(第1パワーコンディショナーPC1、第2パワーコンディショナーPC2)の定格容量以上の太陽光パネルPを設置して、ピークカットさせて1日のトータル発電量を底上げする過積載設計を採用している。本実施形態に係る太陽光発電システムXの過積載率(過積載割合)は248.9%である。つまり、本実施形態では、太陽光パネルPで発電した直流電気をパワーコンディショナーで一度に交流電気に変換できる量が50kW以下である低圧の太陽光発電システムを採用するとともに、電気出力を増大させるために一定面積の設置区画に多数の太陽光パネルPを設置し、定格出力容量のパワーコンディショナーに対して高い電気出力を行う過積載の太陽光発電システムを採用している。これにより、太陽光パネルPを多く設置して、50kWを超えた分の発電量をカットするピークカットをさせてでも、発電量を底上げすることによって売電収入をアップさせることができる。
本実施形態の太陽光発電システムXは、図1及び図2に示すように、南面太陽光パネルP1を支持する南面用架台1と、東面太陽光パネルP2及び西面太陽光パネルP3を支持する東西両面用架台2とを備えている。
本実施形態では、南面用架台1として、図2に示すように、太陽光パネルPを6段13列合計78枚支持する第1南面用架台1(A)と、太陽光パネルPを6段10列合計60枚支持する第2南面用架台1(B)とを適用している。第1南面用架台1(A)及び第2南面用架台1(B)は何れも太陽光パネルPを水平基準面F(水平な面として特定または推定可能な水平基準面F、後述する図5参照)に対して10度の傾斜姿勢で支持するものである。したがって、各南面用架台1(第1南面用架台1(A)、第2南面用架台1(B))にそれぞれ支持された6段の南面太陽光パネルP1のうち南から1段目の太陽光パネルPが最下段の南面太陽光パネルP1であり、北から1段目の太陽光パネルPが最上段の南面太陽光パネルP1である。
第1南面用架台1(A)及び第2南面用架台1(B)の基本的な構成は同様であり、以下では、第1南面用架台1(A)及び第2南面用架台1(B)を特に区別せず、南面用架台1として説明を行う。
本実施形態の南面用架台1は、図5に示すように、相対的に北側に配置される北側支持柱11と、相対的に南側に配置される南側支持柱12とを備えている。
北側支持柱11は、設置面Gの地中に埋設する棒状の埋設部111と、埋設部111の上端からそれぞれ北方(斜め後方)、上方(真上)、南方(斜め前方)に延伸する北方アーム部112、上方アーム部113、南方アーム部114とを有するものである。図5に示すように、北方アーム部112、上方アーム部113及び南方アーム部114は、この順に先端高さ位置が漸次低くなるように設定されている。
南側支持柱12は、設置面Gの地中に埋設する棒状の埋設部121と、埋設部121の上端からそれぞれ北方(斜め後方)、上方(真上)、南方(斜め前方)に延伸する北方アーム部122、上方アーム部123、南方アーム部124とを有するものである。北方アーム部122、上方アーム部123及び南方アーム部124は、この順に先端高さ位置が漸次低くなるように設定され、特に、本実施形態では、南側支持柱12の北方アーム部122の先端高さ位置を、北側支持柱11の南方アーム部114の先端高さ位置よりも低くなるように設定している。
南面用架台1は、このような北側支持柱11及び南側支持柱12を南北方向に並べた支持柱の組を太陽光パネルPの列数に応じて東西方向に所定ピッチで配置している。そして、南北方向に並ぶ南側支持柱12及び北側支持柱11の各アーム部(北方アーム部112、上方アーム部113、南方アーム部114、北方アーム部122、上方アーム部123)の先端部を共通の縦フレーム13に固定している。したがって、図6に示すように、東西方向に所定ピッチで配置した南側支持柱12及び北側支持柱11の組数と同数の縦フレーム13が東西方向に複数列配置される。また、東西方向に隣接する支持柱の組同士を筋交い(図示省略)で相互に連結している。そして、本実施形態の南面用架台1は、複数列の縦フレーム13を横断する姿勢で横フレーム14を配置している。横フレーム14は太陽光パネルPの段数に応じて南北方向に所定ピッチで配置される。なお、図6では、南面用架台1のうち縦フレーム13及び横フレーム14のみを示し、太陽光パネルP1を1点鎖線で示している。本実施形態では、7段(南北方向に7本)の横フレーム14を配置し、各横フレーム14の上向き面に太陽光パネルP1を固定するための固定金具n(図5参照)を東西方向に所定ピッチで設けている。
本実施形態の太陽光発電システムXは、このような南面用架台1を用いることによって多数の太陽光パネルP1を、受光面を南に向けた姿勢であって且つ南側から北側へと高さが増大する傾斜姿勢で配置している。
本実施形態に係る太陽光発電システムXは、図2に示すように、太陽光パネルPを6段13列合計78枚支持する第1南面用架台1(A)と、太陽光パネルPを6段10列合計60枚支持する第2南面用架台1(B)とを南北方向に所定距離離間して設置している。なお、第1南面用架台1(A)と第2南面用架台1(B)との南北方向における離間距離は、相対的に南側に設置する第1南面用架台1(A)の影が、相対的に北側に設置する第2南面用架台1(B)で支持する太陽光パネルP1の受光面に掛かることがない距離であることが望ましい。また、南面用架台1を第1南面用架台1(A)と第2南面用架台1(B)の2台とすることで、例えば高さ寸法の高い(段数の多い)架台1台のみで南面太陽光パネルP1を保持する構成と比較して、架台1台あたりの高さ寸法の増大化を抑え、施工する際には脚立等を用いた比較的簡易かつ安価な方法で施工を実施することができ、工事費用を低減し、工期を短縮することが可能となっている。また、水平基準面Fに対する南面太陽光パネルP1の傾斜角度が10度以下であることも、南面用架台1台あたりの高さ寸法の増大化を抑制することに貢献している。
東西両面用架台2は、東面太陽光パネルP2及び西面太陽光パネルP3の両方を支持するものであり、本実施形態では、図1、図2、図7及び図8に示すように、東面太陽光パネルP2を8段9列合計72枚支持可能な東面支持領域21と、西面太陽光パネルP3を8段9列合計72枚支持可能な西面支持領域22とを備え、東面支持領域21と西面支持領域22の境界部分23が頂上となる形状を有するフレーム構造体(M字型架台)である。したがって、このような東西両面用架台2に太陽光パネルPを支持させると、東面太陽光パネルP2の設置領域と西面太陽光パネルP3の設置領域を切妻屋根のような形態で組み合わせることができる。
本実施形態では、東面支持領域21、西面支持領域22において東面太陽光パネルP2、西面太陽光パネルP3をそれぞれ水平基準面F(図7参照)に対して東向きに20度、西向きに20度の傾斜姿勢で支持するように設定している。したがって、東面支持領域21に支持された8段の東面太陽光パネルP2のうち東から1段目の太陽光パネルPが最下段の東面太陽光パネルP2であり、西から1段目(西面支持領域22との境界部分に最も近い段)の太陽光パネルPが最上段の東面太陽光パネルP2であり、西面支持領域22に支持された8段の西面太陽光パネルP3のうち西から1段目の太陽光パネルPが最下段の西面太陽光パネルP3であり、東から1段目(東面支持領域21との境界部分に最も近い段)の太陽光パネルPが最上段の西面太陽光パネルP3である。
本実施形態の東西両面用架台2は、図7に示すように、東面支持領域21と西面支持領域22の境界部分23に配置されるメイン支持柱24と、東面支持領域21のうち東側の端部近傍に配置される東サブ支持柱25と、西面支持領域22のうち西側の端部近傍に配置される西サブ支持柱26とを備えている。メイン支持柱24は、設置面Gの地中に埋設する棒状の埋設部241と、埋設部241の上端からそれぞれ東方(斜め側方)、上方(真上)、西方(斜め側方)に延伸する東方アーム部242、上方アーム部243、西方アーム部244とを有する。東サブ支持柱25は、設置面Gの地中に埋設する棒状の埋設部251と、埋設部251の上端から上方(真上)に延伸する東サブアーム部252とを有する。西サブ支持柱26は、設置面Gの地中に埋設する棒状の埋設部261と、埋設部261の上端から上方(真上)に延伸する西サブアーム部262とを有する。そして、東西方向に、東サブ支持柱25、メイン支持柱24及び西サブ支持柱26をこの順に並べた支持柱の組を太陽光パネルPの列数に応じて南北方向に所定ピッチで配置している。また、南北方向に隣接する支持柱の組同士を筋交い(図示省略)で相互に連結している。
東面支持領域21には、同列上に並ぶメイン支持柱24の上方アーム部243、東方アーム部242、及び東サブ支持柱25の東サブアーム部252の各先端部を共通の縦フレーム27に固定している。したがって、東面支持領域21には、図8に示すように、南北方向に所定ピッチで配置したメイン支持柱24、東サブ支持柱25及び西サブ支持柱26からなる支持柱の組数と同数の縦フレーム27が南北方向に複数列配置される。そして、本実施形態の東西両面用架台2は、東面支持領域21に複数列の縦フレーム27を横断する姿勢で横フレーム28を配置している。横フレーム28は太陽光パネルPの段数に応じて東西方向に所定ピッチで配置される。なお、図8では、東西両面用架台2のうち縦フレーム27及び横フレーム28(後述する縦フレーム29及び横フレーム20)のみを示し、太陽光パネルPを1点鎖線で示している。本実施形態では、5段(東西方向に5本)の横フレーム28を東面支持領域21に配置し、各横フレーム28の上向き面に太陽光パネルPを固定するための固定金具n(図7参照)を南北方向に所定ピッチで設けている。
西面支持領域22には、同列上に並ぶメイン支持柱24の上方アーム部113、西方アーム部244、及び西サブ支持柱26の西サブアーム部712の各先端部を共通の縦フレーム29に固定している。したがって、西面支持領域22には、南北方向に所定ピッチで配置したメイン支持柱24、東サブ支持柱25及び西サブ支持柱26からなる支持柱の組数と同数の縦フレーム29が南北方向に複数列配置される。そして、本実施形態の東西両面用架台2は、西面支持領域22に複数列の縦フレーム29を横断する姿勢で横フレーム20を配置している。横フレーム20は太陽光パネルPの段数に応じて東西方向に所定ピッチで配置される。本実施形態では、5段(東西方向に5本)の横フレーム20を西面支持領域22に配置し、各横フレーム20の上向き面に太陽光パネルPを固定するための固定金具n(図7参照)を南北方向に所定ピッチで設けている。
本実施形態に係る太陽光発電システムXでは、図1及び図2等に示すように、東西両面用架台2を東西方向に並べて少なくとも2台配置することで、各東西両面用架台2の東面支持領域21及び西面支持領域22に支持された東面太陽光パネルP2と西面太陽光パネルP3を全体としてM字型に配置することができる。特に、南面用架台1を複数並べて配置する場合には、隣接する南面用架台1及び太陽光パネルPの影を避けるためのスペースを南面用架台1同士の間に確保する必要があるが、東西両面用架台2を東西方向に並べて配置する場合、隣接する東西両面用架台2及び太陽光パネルPの影を避けるためのスペースを東西両面用架台2同士の間に確保する必要がなく、設置区画の単位面積当たりの太陽光パネルPの設置枚数(設置容量)を増大させることができる。なお、東面太陽光パネルP2及び西面太陽光パネルP3の各枚数を南面太陽光パネルP1の枚数と同数にするために、本実施形態では、東西両面用架台2の東面支持領域21、西面支持領域22にそれぞれ太陽光パネルPを設置していない空きスペースを設定している(図2及び図3参照)。
また、本実施形態に係る太陽光発電システムXでは、隣り合う東西両面用架台2のうち一方の東西両面用架台2の東面支持領域21に支持された東面太陽光パネルP2と、他方の東西両面用架台2の西面支持領域22に支持された西面太陽光パネルP3が相互に向かい合って一方の太陽光パネルPからの反射光が他方の太陽光パネルPに入射する位置関係に設定している。これによって、単体の東西両面用架台2を設置した太陽光発電システムであれば期待できない効果、すなわち、隣接する東西両面用架台2に支持された太陽光パネルPに入光した光の反射を利用することができ、発電効率の向上を図ることができるという効果を奏する。
次に、本実施形態の太陽光発電システムXによる具体的な発電状況について図9及び図10を参照して説明する。
図9は、2019年6月17日の発電状況レポートである。当日は晴天であり、同図には、5時から20時までの1時間ごとの実発電量を棒グラフで表している。同図から把握できるように、7時から15時までの毎時00分の実発電量(kWh)は、低圧発電設備での最大発電量である49.90kWhを記録した。
また、図10には、図9のレポート日と同日である2019年6月17日に関して、第1パワーコンディショナーPC1に接続している各ストリングSの電流値の変化を時系列で表し、発電が記録された時間帯において南面太陽光パネルP1、東面太陽光パネルP2、西面太陽光パネルP3のうち最も発電量の多い太陽光パネルPの電流値(ストリングSの電流値)を相対的に太い数字で示している。なお、同図には、毎時00分と毎時30分の電流値を足して2で割った数値を記載している。本実施形態の太陽光発電システムXでは、図10に示す第1パワーコンディショナーPC1に接続しているストリングSの電流値と、図示していない第2パワーコンディショナーPC2に接続しているストリングSの電流値の合計値に基づいてシステム全体の発電量となる。第2パワーコンディショナーPC2に接続しているストリングSの電流値は、第1パワーコンディショナーPC1に接続しているストリングSの電流値と同等または略同等である。なお、図10に記載の「接続箱No1-1」は、第1パワーコンディショナーPC1に接続しているストリングS単位毎に発電した電力を集める装置である。
図9及び図10を参照すると、49.90kWh未満の実発電量が記録されている時間帯のうち太陽が昇ってから(テスト地に日光が射し始める時間帯であり、厳密な日の出時刻とは異なる)9時までの間は東面太陽光パネルP2の発電量が相対的に多く、15時以降の太陽が沈むまでは(テスト地に日光が届かなくなる時間帯であり、厳密な日没時刻とは異なる)西面太陽光パネルP3の発電量が相対的に多いことが把握できる。そして、図10に記載しているように、第1パワーコンディショナーPC1に接続している全ストリングSの電流合計値は367.18Aであり、全ての太陽光パネルPを南面太陽光パネルP1に設定(南一面設置)した場合の電流合計値(同図にける南面太陽光パネルP1のストリング電流の小計を3倍した値(363.98A)よりも高いことが判明した。
このように、本実施形態に係る太陽光発電システムXは、太陽追尾型と比較して導入コストを抑えることができる固定設置式(角度固定型)の太陽光発電システムXを採用し、且つ東西南の3方向に均等に向けた多数枚の太陽光パネルP(南面太陽光パネルP1、東面太陽光パネルP2、西面太陽光パネルP3)を設置したことによって、日照量の多い昼間の時間帯はもちろんのこと、朝夕の日照量の少ない時間帯でも発電量を確保できて、日照時間帯の全時間帯において最大出力または最大出力に近い出力を得て、電力供給にムラが出難く、売電価格が低下傾向にある中でも収益を上げることが可能である。また、本考案者は、曇りの日や雨天の場合にも、多数枚の太陽光パネルPを南面太陽光パネルP1、東面太陽光パネルP2、西面太陽光パネルP3に3等分して配置した本実施形態に係る太陽光発電システムXが全ての太陽光パネルPを南面太陽光パネルP1に設定した場合よりも発電量が多いことを検証結果として得ている。
加えて、本実施形態に係る太陽光発電システムXによれば、東面太陽光パネルP2及び西面太陽光パネルP3を共通の架台である東西両面用架台2で支持するように構成しているため、東面太陽光パネルP2及び西面太陽光パネルP3の架台を個別に用意する構成と比較して、施工容易性の向上を図ることができるとともに、複数の東西両面用架台2を東西方向に並べて配置する際に、東西両面用架台2同士の間に影の影響を考慮したスペースを確保する必要がないため、設置区画の単位面積当たりの太陽光パネルPの数を増加させて、面積効率の増大化及び発電量の増大化を図ることが可能である。
さらに、本実施形態に係る太陽光発電システムXによれば、南面太陽光パネルP1を支持する南面用架台1を南北方向に複数並べて配置しているため、南北方向に隣り合う南面用架台1同士の間に影の影響を考慮したスペースを確保する必要があるものの、東面太陽光パネルP2と西面太陽光パネルP3と南面太陽光パネルP1を3等分に配置するレイアウトを採用していることによって、南面太陽光パネルP1のみを配置するレイアウト(南一面設置)と比較して南面用架台1の台数も減少し、南北方向に隣り合う架台数分に応じたデッドスペースも減少することになる。
また、本実施形態に係る太陽光発電システムXによれば、複数の東西両面用架台2を東西方向に並べて配置し、隣り合う一方の東西両面用架台2に支持された東面太陽光パネルP2または西面太陽光パネルP3で反射した光が、他方の東西両面用架台2に支持された西面太陽光パネルP3または東面太陽光パネルP2に照射されるように構成しているため、さらなる発電量の増大化を図ることができる。
特に、本実施形態では太陽光パネルPの過積載を採用したことで、高圧よりも初期投資額やランニングコストを低く抑えることが可能な低圧でありながら1日の発電量568.00kWhを記録するとともに、太陽光パネルPを南面太陽光パネルP1、東面太陽光パネルP2、西面太陽光パネルP3に3分の1ずつ分けてして配置したことで、250%の過積載であっても、南面太陽光パネルP1のみを配置するレイアウト(南一面設置)と比較してピークカット率を下げることができ、高効率化を実現している。このことは、図9に示す実発電量(kWh)が低圧発電設備での最大発電量である49.90kWhを記録した時間のうち、9時から15時までの時間帯において、図10に示すように、南向、東向、西向の全ストリング電流合計値が、南一面設置の場合の全ストリング電流合計値よりも低いというデータ(具体的にはピークカット率が南一面設置の場合19%であるのに対して、東西南3等分設置の場合ピークカット率が15%に下がっている)によって実証された。
なお、本考案は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、多数の太陽光パネルを、南面太陽光パネル、東面太陽光パネル、西面太陽光パネルに3等分した構成を例示したが、略3等分(太陽光パネル数枚程度の差)した構成も本考案に含まれる。
また、上述の実施形態では、パワーコンディショナーの容量よりも太陽光パネルの容量を多くする過積載を採用したが、過積載を採用しない太陽光発電システムであってもよい。過積載を採用する場合、過積載割合は適宜変更することができる。
本考案の太陽光発電システムは、低圧に限定されず、50kW以上の高圧連携による大規模発電を可能にするシステムであっても構わない。
また、東面太陽光パネルを支持する架台(東面用架台)と、西面太陽光パネルを支持する架台(西面用架台)をそれぞれ個別に備える太陽光発電システムであってもよい。
図1及び図2等に示す設置区画K(施工領域)は、土地面積が比較的小さく、且つ東西に山等の太陽光の妨げとなる障害物が無い場所であるため、上述の東西両面用架台(M字架台)を使用することが有効になる。一方で、土地面積が広く、且つ東側、西側に太陽光の日の出、日入りに影響のある山等の障害物がある地形に設置区画K(施工領域)を設定した場合は、図11及び図12に示すように、設置区画Kにおける中心領域を南面太陽光パネルP1の設置領域にし、設置区画Kにおける西側領域を東面太陽光パネルP2の設置領域にし、設置区画Kにおける東側領域を西面太陽光パネルP3の設置領域にし、それぞれ南面用架台、東面用架台、西面用架台によって太陽光パネルを所定角度傾斜させた姿勢で支持するように構成することが好ましい。このような構成を適用することで、設置区画ごとに存在する太陽光発電システムにとってマイナスとなる要素を軽減することが可能である。そして、図11及び図12に示すようなレイアウトを採用する場合においても、多数枚の太陽光パネルを、南面太陽光パネル、東面太陽光パネル、西面太陽光パネルに3等分または略3等分にした構成を採用することで、上述した種々の作用効果を奏する太陽光発電システムを実現できる。
太陽光パネルを支持する架台の具体的な構成も適宜変更することが可能である。1台の架台に支持する太陽光パネルの列数や段数も適宜変更することができる。
太陽光パネルの容量、枚数、直列数、並列数等は設置面積等に応じて適宜変更することができる。また、パワーコンディショナーの数も太陽光パネルのレイアウト等に応じて適宜変更可能である。
本考案における「南」、「東」、「西」には、真南、真東、真西からそれぞれ多少逸れた方位も含まれる。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…南面用架台
2…東西両面用架台
P1…南面太陽光パネル
P2…東面太陽光パネル
P3…西面太陽光パネル
X…太陽光発電システム
2…東西両面用架台
P1…南面太陽光パネル
P2…東面太陽光パネル
P3…西面太陽光パネル
X…太陽光発電システム
Claims (3)
- 受光面に照射された太陽光によって発電する多数の太陽光パネルを、前記受光面を東向きに設定した東面太陽光パネルと、前記受光面を西向きに設定した西面太陽光パネルと、前記受光面を南向きに設定した南面太陽光パネルとに3等分または略3等分して配置していることを特徴とする太陽光発電システム。
- 前記東面太陽光パネル及び前記西面太陽光パネルを共通の架台である東西両面用架台で支持するように構成した請求項1に記載の太陽光発電システム。
- 複数の前記東西両面用架台を東西方向に並べて配置し、隣り合う一方の前記東西両面用架台に支持された前記東面太陽光パネルまたは前記西面太陽光パネルで反射した光が、他方の前記東西両面用架台に支持された前記西面太陽光パネルまたは前記東面太陽光パネルに照射されるように構成している請求項2に記載の太陽光発電システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023001808U JP3242942U (ja) | 2023-05-26 | 2023-05-26 | 太陽光発電システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2023001808U JP3242942U (ja) | 2023-05-26 | 2023-05-26 | 太陽光発電システム |
Related Parent Applications (1)
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JP2019171220A Continuation JP2021048745A (ja) | 2019-09-20 | 2019-09-20 | 太陽光発電システム |
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JP3242942U true JP3242942U (ja) | 2023-07-24 |
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Family Applications (1)
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JP2023001808U Active JP3242942U (ja) | 2023-05-26 | 2023-05-26 | 太陽光発電システム |
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Country | Link |
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2023
- 2023-05-26 JP JP2023001808U patent/JP3242942U/ja active Active
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